JP4204137B2 - 冷却用ファンの駆動制御装置 - Google Patents

冷却用ファンの駆動制御装置 Download PDF

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  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却用ファンを駆動する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械などの油圧駆動機械ではエンジンによって油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから吐出された作動圧油が操作弁を介して油圧シリンダなどの油圧アクチュエータに供給される。これにより作業機が作動することになる。
【0003】
エンジンや作動油には冷却が必要である。
【0004】
エンジンの冷却には主として水冷式の冷却装置が用いられる。すなわちエンジン本体に設けられたウオータジェケットにクーラント(冷却水)を循環させることで冷却が行われる。ウオータジャケット内で熱くなったクーラントはラジエタに導かれて冷却され、冷やされたクーラントは再びウオータジャケットに戻される。
【0005】
作動圧油の冷却は作動圧油をオイルクーラに導くことで行われる。油圧回路内のエネルギー損失は熱として作動圧油に伝導する。クーラントと同様に作動圧油はオイルクーラへ導かれて冷却され、冷やされた作動圧油は再び油圧回路に戻される。
【0006】
ラジエータとオイルクーラは共に、冷却用ファンによって発生する風によって冷やされる。大抵の場合冷却用ファンの発生する風の通路にオイルクーラ、ラジエータが順に設置される。その具体的配置は常に冷却効率が考慮される。
【0007】
この冷却用ファンはエンジンの駆動軸に取り付けられている。このため冷却用ファンの回転数はエンジン回転数に応じたものになる。
【0008】
エンジンと冷却用ファンは設置スペースの問題から自由にレイアウトしたいとの要請がある。このため冷却用ファンをエンジンから独立させるという対策がとられる。このことは特開平6−58145号公報に示されている。
【0009】
この公報には、エンジンとは別体のファン駆動用の可変容量型油圧ポンプとファン駆動用の固定容量型油圧モータを配設しファン駆動用の可変容量型油圧ポンプから吐出される圧油をファン駆動用の固定容量型油圧モータに供給して冷却用ファンを駆動する発明が記載されている。
【0010】
この場合可変容量型油圧ポンプの斜板を制御するファン駆動専用の電磁制御弁が設けられる。そしてクーラントの温度が3段階の温度範囲のうちのいずれかの温度範囲に属しているかに応じて、上記電磁制御弁の電磁ソレノイドに対して制御信号が加えられ、冷却用ファンの回転数が3段階に切り換えられる。
【0011】
また特開昭63−124820号公報にみられる技術が採用されている。
【0012】
この公報には、エンジンとは別体のファン駆動用の固定容量型油圧ポンプとファン駆動用の固定容量型油圧モータとを設け、ファン駆動用の固定容量型油圧ポンプから吐出される圧油を、流量制御弁を介してファン駆動用の固定容量型油圧モータに供給して冷却用ファンを駆動する発明が記載されている。
【0013】
この場合固定容量型油圧ポンプはエンジンの回転数の大きさに応じた流量の圧油を吐出する。そして流量制御弁の開度を制御することによって固定容量型油圧ポンプから固定容量型油圧モータへ供給される圧油の流量が制御され、冷却用ファンの回転数が制御される。
【0014】
また近年建設機械では騒音低減のためにファン回転数を下げたい、エネルギーロスを低減させたいという要請がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報記載の発明はいずれも、エンジンとは別体の油圧ポンプを駆動源として冷却用ファンを駆動している。このため冷却用ファン、ラジエータ、オイルクーラその他機器の配置の自由度が増しエンジンの遮蔽と冷却用ファンによる冷却が両立する。しかし次のような問題点を有している。
【0016】
すなわち上記特開平6−58145号公報記載の発明の制御は、クーラントの温度が3段階の温度範囲のいすれかに属しているかに応じて、冷却用ファンの回転数を3段階に制御するものでしかない。このためクーラントは最適なエネルギー効率で冷却されるとは限らない。また冷却用ファン自体で発生する音が必要以上に大きくなる。すなわち冷却用ファンの回転数を3段階に変化させているので、冷却に必要十分な回転数以上で冷却用ファンが回転している場合もある。このため冷却に必要十分な回転数に対し増加した回転数分だけエネルギーロスが生じる。またその回転数増加分だけ冷却用ファンで騒音が発生する。
【0017】
また上記特開昭63−124820号公報記載の発明の制御は、固定容量型油圧ポンプから固定容量型油圧モータへ供給される圧油を、流量制御弁の開度を制御することによって制御するものでしかない。このため圧油を流量制御弁からタンクへ環流することによりエネルギーロスが生じる。
【0018】
すなわち固定容量型油圧ポンプから吐出される圧油の流量はエンジンの回転数の上昇に応じて大きくなるため、エンジン回転数が大きいときには多量の圧油が流量制御弁で制限されタンクへ環流される。このようにエンジン回転数が高いときにはタンクへの環流量が大きくなり、エネルギーロスが生じる。
【0019】
そこで本発明は、油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、最適なエネルギー効率で駆動でき、騒音を最小にする制御をなし得ることを解決課題とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで本発明の第1発明では、
駆動源(1)で発生する熱量が作業モード毎に異なる油圧駆動機械に設けられ、前記駆動源(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記駆動源(1)の冷却水を冷却する冷却用ファン(8)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる油圧モータ(7)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段(23)と、
前記作業モードの中から何れかを選択する作業モード選択スイッチ(55)と、
前記冷却水温度検出手段(23)で検出された温度及び前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する目標ファン回転数を設定し、さらに所定時間間隔毎に略最大回転数を目標ファン回転数として設定する目標ファン回転数設定手段(50)と、
前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数になるように、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御する容量制御手段(47、40)と
を備えたことを特徴とする。
【0021】
第1発明を図1、図2を参照して説明する。
【0022】
第1発明によれば、冷却水温度検出手段23で検出された温度Tcに対応する目標ファン回転数FAN RPMが設定される。そして容量制御手段(コントローラ47、EPC弁40)によって、冷却用ファン8のファン回転数Nが上記目標ファン回転数FAN RPMになるように、油圧ポンプ2(または油圧モータ7)の容量2aが制御される。
【0023】
第1発明によれば、現在の冷却水の温度Tcから冷却に必要十分な目標ファン回転数FAN RPMが定められ、冷却用ファン8がこの目標ファン回転数FAN RPMで回転される。
【0024】
このため冷却水は最適なエネルギー効率で冷却される。また冷却用ファン自体で発生する音が必要以上に大きくなることもない。すなわち冷却用ファンの回転数は冷却に必要十分な回転数になるように無段階に変化するので、冷却に必要十分な回転数以上で冷却用ファンが回転することはない。このため冷却に必要十分な回転数以上に回転数が増加することなくエネルギーロスが生じない。また冷却用ファンで騒音が発生することもない。さらに流量制御弁で流量を制限しタンクへ環流することもないので、余剰流量によるエネルギーロスも生じない。
【0025】
このように第1発明によれば、油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、最適なエネルギー効率で駆動でき、騒音を最小にする制御をなし得る。
さらに第1発明によれば、冷却用ファン8が、所定時間間隔毎に、略最大回転数まで上昇する。このため冷却用ファン8が格納された室内(エンジンルーム内)の熱気を排出でき、ハーネス、ホース等比較的熱的耐久性の低い部品の長寿命化を図ることができる。
【0026】
また第2発明では、
駆動源(1)で発生する熱量が作業モード毎に異なる油圧駆動機械に設けられ、前記駆動源(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記駆動源(1)によって作動する機器(43)の作動油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる油圧モータ(7)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
前記作動油の温度を検出する作動油温度検出手段(45)と、
前記作業モードの中から何れかを選択する作業モード選択スイッチ(55)と、
前記作動油温度検出手段(45)で検出された温度及び前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する目標ファン回転数を設定し、さらに所定時間間隔毎に略最大回転数を目標ファン回転数として設定する目標ファン回転数設定手段(50)と、
前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数になるように、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御する容量制御手段(47、40)と
を備えたことを特徴とする。
【0027】
第2発明は、第1発明の冷却水を冷却する冷却用ファン8を、作動油を冷却する冷却用ファン8に置き換えたものである。
【0028】
第2発明によれば、第1発明と同様の効果が得られる。
【0029】
また第3発明では、第1発明または第2発明において、
前記目標ファン回転数設定手段(50)は、前記作動油温度検出手段(45)で検出された温度に対応する第1の目標ファン回転数を、前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する所定回転数で補正して第2の目標ファン回転数を求め、この第2の目標ファン回転数を前記目標ファン回転数として設定すること
特徴とする。
【0030】
第3発明は、第1発明と第2発明の目標ファン回転数の求め方を限定するものである。
【0036】
また第4発明では、第1発明または第2発明または第3発明において、
前記冷却用ファン(8)の回転数を検出するファン回転数検出手段(36)を備え、
前記容量制御手段(47、40)は、前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数と、前記ファン回転数検出手段(36)で検出されたファン回転数との偏差に応じて、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御すること
を特徴とする。
【0037】
第4発明を図1を参照して説明する。
【0038】
第4発明によれば、第1発明、第2発明、第3発明と同様の効果が得られる。
【0039】
さらに第4発明によれば、目標ファン回転数と、ファン回転数検出手段36で検出されたファン回転数との偏差がなくなるように、油圧ポンプ2(または油圧モータ7)の容量2aが制御されるので、ファン回転数をファン目標回転数FAN RPMに精度よく一致させることができる。よってエネルギー効率が更に向上する。また油圧ポンプ2、油圧モータ7といった油圧機器の効率が作動油温等に応じて変化することによって、制御対象の冷却用ファン8の回転数の変動が生じるということもなくなる。
【0049】
また第5発明では、第1発明、第2発明、第3発明において、
前記容量制御手段(47、40)は、前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数に達するまでに前記冷却用ファン(8)のファン回転数を徐々に変化させる制御を行うこと
を特徴とする。
【0050】
第5発明を図1を参照して説明する。
【0051】
第5発明によれば、第1発明、第2発明、第3発明と同様の効果が得られる。
【0052】
さらに第5発明によれば、冷却用ファン8のファン回転数が目標ファン回転数FAN RPMに達するまでに冷却用ファン8のファン回転数が徐々に変化する。
【0053】
このためファン回転数の急激な変動が防止され、油圧機器とりわけ油圧モータ7の損傷を防止することができる。
【0054】
また第6発明では、第1発明、第2発明、第3発明、第5発明において、
前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数が所定の制限回転数以上である場合には、目標ファン回転数を当該制限回転数に補正する補正手段(46)を備え、
前記容量制御手段(47、40)は、前記冷却用ファン(8)のファン回転数と前記補正手段(46)によって補正された補正目標ファン回転数との差に応じて、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御すること
を特徴とする。
【0055】
第6発明を図1、図2を参照して説明する。
【0056】
第6発明によれば、第1発明、第2発明、第3発明、第5発明と同様の効果が得られる。
【0057】
さらに第6発明によれば、目標ファン回転数設定手段50で設定された目標ファン回転数(たとえば1750rpm)が所定の制限回転数(たとえば1225rpm)以上である場合には、目標ファン回転数が当該制限回転数(1225rpm)に補正され、この補正目標ファン回転数(1225rpm)で、冷却用ファン8が回転される。
【0058】
このように所定の制限回転数以下で冷却用ファン8が回転するので、騒音が法規制等により制限されている場合に騒音を一定レベル以下に抑制でき更なる騒音低減が図れる。
【0059】
また第7発明では、第1発明〜第6発明において、
前記冷却用ファン(8)を、所定の時刻または所定時間間隔毎に、前記冷却水または前記作動油を冷却する際の回転方向とは逆の回転方向に回転させる制御を行うこと
を特徴とする。
【0060】
第7発明を図1を参照して説明する。
【0061】
第7発明によれば、第1発明〜第6発明と同様の効果が得られる。
【0062】
さらに第7発明によれば、冷却水または作動油の熱を放熱する放熱器57に対向して設けられた冷却用ファン8が、所定の時刻または所定時間間隔毎に、冷却水または作動油を冷却する際の回転方向とは逆の回転方向に回転する。このため放熱器57に吸い込まれた枯葉、埃等が定期的に吐き出される。よって枯葉や埃などが多い作業雰囲気であっても、放熱器57が格納された室内(エンジンルーム内)を清浄に保つことができる。
【0063】
また第8発明では、第1発明〜第7発明において、
前記容量制御手段(47、40)は、前記駆動源(1)が始動された際には、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を最小の容量にする制御を行うこと
を特徴とする。
【0064】
第8発明を図1を参照して説明する。
【0065】
第8発明によれば、第1発明〜第7発明と同様の効果が得られる。
【0066】
さらに第8発明によれば、駆動源(エンジン)1が始動された際には、油圧ポンプ2(または油圧モータ7)の容量2aが最小の容量にされ、油圧管路42内の急激な油圧の上昇が抑えられる。このためエンジン始動時における急激な負荷増大が抑制され、油圧機器の損傷が防止される。またエンジン1への負荷が減少するため、エンジン1の始動性が向上する。
【0071】
また、第9発明では、第1発明〜第8発明において、
前記目標ファン回転数を指示する指示手段(55)を備え、
前記目標ファン回転数設定手段(50)は、前記指示手段(55)で指示された目標ファン回転数の指示内容に対応する目標ファン回転数を設定すること
を特徴とする。
【0072】
第9発明を図1を参照して説明する。
【0073】
第9発明によれば、第1発明〜第8発明と同様の効果が得られる。
【0074】
さらに第9発明によれば、冷却水温度、作動油温度だけではなく、指示手段55で指示された目標ファン回転数の指示内容が考慮されて、目標ファン回転数FAN RPMが設定される。このため、よりきめの細かい回転数の制御が実現され、たとえば現在の作業モードに適合した目標回転数で冷却用ファン8を回転させることができる。これによりエネルギー効率を更に向上させることができる。
【0075】
また第10発明では、第1発明〜第9発明において、
前記油圧ポンプ(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4)と、 前記油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が所望の設定差圧になるように前記油圧ポンプ(2)の容量(2a)を変化させるポンプ容量制御弁(20)とを備えていること
を特徴とする。
【0076】
第10発明を図10を参照して説明する。
【0077】
第10発明によれば、第1発明〜第9発明と同様の効果が得られる。
【0078】
さらに第10発明の油圧ポンプ2は油圧アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。
【0079】
ポンプ容量制御弁20では、油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSに応じた信号圧との差圧を所望の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。さらに油圧モータ7の容量7cを制御する容量制御手段13、24によって
、冷却用ファン8が冷却水または作動油を冷却するに必要十分な目標ファン回転数で回転される。あるいは冷却水または作動油の温度が目標温度に一致しエンジン1または油圧シリンダ4の効率が最大(最適)となる。
【0080】
こうしたロードセンシング制御と冷却用ファン回転数制御(または温度制御)とが同時になされることにより、油圧アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7両方のアクチュエータのエネルギー効率を全体として高めることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の実施形態について説明する。
同図1(a)は実施形態のブロック図を示す。
【0082】
同図1(a)に示す油圧回路、コントローラはたとえば油圧ショベルなどの建設機械に搭載される。適用対象が建設機械の場合同図1(a)に示す可変容量型の油圧ポンプ2は、特に図示しないがたとえばブームを作動させる油圧シリンダに圧油を供給する圧油供給源でもある。
【0083】
可変容量型油圧ポンプ2は冷却用ファン8の駆動油圧源である。
【0084】
可変容量型油圧ポンプ2は駆動源としてのエンジン1によって駆動される。エンジン1にはエンジン1の回転数Neつまり油圧ポンプ2の入力回転数Neを検出するエンジン回転数センサ44が設けられている。回転数センサ44はたとえばパルスピックアップを使用することができる。ここでエンジン1によって固定容量型の油圧ポンプが同時に駆動される油圧システムの場合には、回転数センサ44に代えて固定容量型油圧ポンプの吐出管路に固定絞りを設け、この固定絞りの前後差圧を検出することによってエンジン1の回転数を検出してもよい。
【0085】
油圧ポンプ2はたとえば斜板式ピストンポンプで構成される。油圧ポンプ2の斜板2aが変化することによって油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)Qccrev(cc/rev)が変化する。
【0086】
油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)はサーボピストン21が作動されることによって変化される。
【0087】
油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い込み圧油吐出口から圧油を吐出する。
【0088】
油圧ポンプ2の吐出圧油は管路42を介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポートに供給される。油圧モータ7は固定容量型の油圧モータである。
【0089】
油圧モータ7の出力軸には冷却用ファン8が取り付けられている。油圧モータ7の上記出力軸には冷却用ファン8の回転数Nを検出するファン回転数センサを配設することができる。たとえば図10に示すようなファン回転数センサ36が設けられる。
【0090】
油圧モータ7は、油圧ポンプ2から吐出された圧油が流入ポートから流入されることによって回転作動され冷却用ファン8を回転させる。油圧モータ7の流出ポートから流出された圧油は管路42aを通過してタンク9に戻される。
【0091】
本実施形態では、油圧モータ7の回転方向を切り換える切換弁65が管路42、42a上に設けられている。この切換弁65は操作レバー66が操作されることにより、または後述する油圧駆動ファンコントローラ47から出力される信号に応じて切り換えられる。切換弁65が図1における切換位置から切り換えられると冷却用ファン8は正回転し、図1における切換位置にあるときに冷却用ファン8は逆回転する。すなわち切換弁65が下方に切り換えられると、油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられ、油圧モータ7が正方向に回転する。これによって冷却用ファン8が正方向に回転する。
【0092】
なお図1(b)に示すように油圧回路を構成して、冷却用ファン8の回転方向を変えてもよい。
【0093】
同図1(b)に示す油圧回路では油圧ポンプ2の代わりに、2方向流れ可能な油圧ポンプ2bが用いられる。油圧ポンプ2bは斜板式であり斜板が変化されることによって圧油を吐出する吐出口が切り換えられ、油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられる。これにより冷却用ファン8の回転方向がA1方向または逆のA2方向に切り換えられる。なお油圧ポンプ2bは斜軸式とすることもできる。
【0094】
エンジン1の冷却媒体であるクーラント(冷却水)は、放熱器としてのラジエータ57へ導かれる。ラジエータ57ではクーラントのもつ熱が放熱される。冷却用ファン8はラジエータ57に対向して設けられている。
【0095】
よって冷却用ファン8が回転することによりクーラントが冷却される。ラジエータ57には、クーラント57の温度Tcを検出する温度センサ23が設けられている。
【0096】
トルクコンバータ43はエンジン1によって作動される。トルクコンバータ43には、トルクコンバータ43の作動油の温度つまりトルコン(T/C)油温Ttcを検出する温度センサ45が設けられている。
【0097】
図示しない油圧シリンダには、油圧ポンプ2から吐出される圧油が、供給される。この圧油により油圧シリンダが作動する。上記温度センサ45を油圧シリンダの圧油の温度を検出するセンサとして用いてもよい。トルクコンバータ43の油温を検出する代わりに油圧シリンダの油温を検出することができる。
【0098】
こうしたトルクコンバータまたは油圧シリンダ内の圧油はオイルクーラへ導かれる。
【0099】
図14、図15は冷却用ファン8とラジエータ57とオイルクーラ60との配置関係を示している。
【0100】
オイルクーラ60はラジエータ57と同様に冷却用ファン8に対向して設けられている。このため作動油は、冷却用ファン8が回転されることによって発生する風によって冷やされる。
【0101】
図14では、ラジエータ57、オイルクーラ60の放熱面に、冷却用ファン8で発生した風を遮断するシャッタ62、61がそれぞれ設けられる。
【0102】
また図15では、ラジエータ57、オイルクーラ60の放熱面に、冷却用ファン8で発生しラジエータ57、オイルクーラ60の放熱面に導かれる風の量を調整する風量調整板63が設けられる。風量調整板63は矢印Bに示すように傾斜することができる。風量調整板63が位置Cまで傾斜されると、オイルクーラ60の放熱面へ向かう風がほぼ遮断されラジエータ57のみが冷却される。また風量調整板63が位置Dまで傾斜されると、ラジエータ57の放熱面へ向かう風がほぼ遮断されオイルクーラ60のみが冷却される。
【0103】
本実施形態で想定している建設機械が油圧ショベルなどである場合、運転室内の操作盤には油圧ショベルが行う各種作業種類つまり各作業モードのうちからいずれかの作業モードMを選択する作業モード選択スイッチ55が設けられている。この実施形態では作業モード選択スイッチ55によって重負荷作業を行うときに重負荷モードが選択され、軽負荷作業を行うときに軽負荷モードが選択されるものとする。重負荷モードでは、軽負荷モードと比較してエンジン1で発生する熱量が大きく、冷却用ファン8で発生する風量を大きくする必要がある。
【0104】
作業モード選択スイッチ55で選択された作業モードMを示す信号SMは車両制御コントローラ56に入力される。車両制御コントローラ56は、エンジン1の回転数、エンジン1のトルクがそれぞれ、作業モードMに対応する目標エンジン回転数、目標エンジントルクとなるようにエンジン1の回転数、燃料噴射量を制御するなどの各種制御を行う車両制御コントローラである。車両制御コントローラ56で行われる制御内容は本発明の趣旨と直接関係しないので、説明は省略する。
【0105】
車両制御コントローラ56には車両内の他のコントローラとの間でデータを送受信するために、通信インタフェース56aが設けられている。
【0106】
一方油圧駆動ファンコントローラ47(以下コントローラ47という)は、上述したように油圧駆動の冷却用ファン8で発生する風の風量を制御するために設けられている。コントローラ47にも、同様の通信インタフェース47aが設けられている。両通信インタフェース56a、47aとの間は信号線64によって接続されている。そして信号線64を介してコントローラ56、47との間で所定データ量のデータが所定のプロトコルでフレーム信号としてシリアル伝送される。したがって作業モード選択スイッチ55で選択された作業モードMが記述されたフレーム信号が信号線64を介してコントローラ47に入力される。
【0107】
コントローラ47には、冷却用ファン8の回転数を最大回転数の70%に制限するときに操作される回転数制限スイッチ46が設けられている。回転数制限スイッチ46が操作されると、冷却用ファン8の回転数を最大回転数の70%に制限するための回転数制限信号S70がコントローラ47に入力される。
【0108】
コントローラ47には、温度センサ23の検出クーラント温度Tc、温度センサ45の検出トルコン油温Ttc、エンジン回転数センサ44の検出エンジン回転数Ne、作業モード選択スイッチ55で選択された作業モードMを示す作業モード選択信号SM、回転数制限スイッチ46が操作されたことを示す回転数制限信号S70が入力される。またファン回転数センサ36(図10)の検出ファン回転数Nが入力される。
【0109】
コントローラ47は、これら入力された信号に基づき電流指令iを生成しこの電流指令iを、電磁比例制御弁40(以下EPC弁40という)の電磁ソレノイド40aに加えることによって当該EPC弁40の弁位置を変化させて、油圧ポンプ2の斜板2a(容量)を駆動制御する。
【0110】
サーボピストン21は油圧ポンプ2の斜板2aを駆動し斜板角を変化させる容量制御部材である。斜板2aの傾転角つまり油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevに応じた位置に、サーボピストン21は移動する。
【0111】
EPC弁40は、入力された電気指令iに応じて、サーボピストン21の大径側に圧油(油圧ポンプ2の吐出圧油)を供給する弁位置またはサーボピストン21の大径側から圧油をタンク9に排出する弁位置に切り換えられる弁である。
【0112】
EPC弁40はコントローラ47から出力された電流指令iが電磁ソレノイド40aに加えられることによって弁位置が変化され電流値iに対応する出力圧をサーボピストン21の大径側の油圧室に加える制御弁である。
【0113】
図8(b)は実施形態における指令電流値iとポンプ押し退け容積Qccrev、EPC弁40の出力圧との関係を示している。
【0114】
同図8(b)に示すようにEPC弁40に加えられる指令電流値iが大きくなるに伴ってEPC弁40からサーボピストン21の大径側に出力される油圧は破線で示すように大きくなる。またEPC弁40に加えられる指令電流値iが大きくなるに伴って油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)Qccrevは実線で示すように小さくなる。
【0115】
このようにコントローラ47から油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevに対応する電流指令iをEPC弁40に対して出力することによって、油圧ポンプ2から吐出される1回転当たりの流量Qccrevが制御される。これに応じて油圧モータ7に供給する圧油の流量が制御され冷却用ファン8の回転数が制御される。
【0116】
つぎに図1に示すコントローラ47で行われる処理について図3〜図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0117】
コントローラ47で行われる全体の処理内容は図3に示される。
【0118】
初期処理(ステップ101)がなされた後、入力処理(ステップ102)に移行され、図4に示すステップ201〜203の入力処理が実行される。入力処理(ステップ102)が終了すると制御計算(ステップ103)に移行され、図5に示すステップ301〜305の制御計算処理が実行される。制御計算(ステップ103)が終了するとEPC弁出力処理(ステップ104)に移行され、図6に示すステップ401〜402のEPC弁出力処理が実行される。EPC弁出力処理(ステップ104)が終了すると、処理中にエラーが発生したか否かの判定がなされ(ステップ105)、エラーが発生した場合には、エラーが発生したことをLEDにて表示する(ステップ106)。上記ステップ102〜106の処理は、たとえば10msecの周期で繰り返し実行される。
【0119】
入力処理(ステップ102)が開始されると図4に示すように、回転数制限スイッチ46が操作されることによりコントローラ47内に入力された回転数制限信号S70が、目標ファン回転数計算部50に入力される。また作業モード選択スイッチ55で選択された作業モードMを示す作業モード選択信号SMが通信インタフェース47aを介して目標ファン回転数計算部50に入力される(ステップ201)。
【0120】
つぎにコントローラ47のA/D変換部51で、クーラント温度検出信号Tc、トルコン油温検出信号Ttcがアナログ信号からディジタル信号に変換され、制御温度変換部52に入力される(ステップ202)。
【0121】
つぎにエンジン回転数検出信号Neを示すパルスがパルスカウンタ48でカウントされ、エンジン回転数変換部49でカウント値の大きさに応じた値のエンジン回転数ENG RPMに工学単位変換され、目標ファン回転数計算部50に入力される(ステップ203)。
【0122】
制御計算(ステップ103)が開始されると、制御温度換算の処理が実行される(ステップ301)。制御温度換算は図7に示す手順で制御温度変換部52で実行される。
【0123】
所定のサンプリング時間毎に検出されるクーラント検出温度Tcに対してフィードフォワード処理による補正を施した上で、現在のクーラント温度Tcとして算出する(ステップ501)。
【0124】
ステップ501では、サンプリング時間前に検出されたクーラント検出温度Tc-と現在検出されているクーラント検出温度Tc+との差分dTをとることにより、クーラント温度Tcが上昇しているか否かが判断される。この結果クーラント温度Tcが上昇していると判断された場合には、温度上昇を示すフラグが設定される。
【0125】
温度Tc+を検出してからサンプリング時間が経過すると、Tc-の内容がTc+の内容によって更新され、Tc-の内容が消去される。
【0126】
そこで上記温度上昇を示すフラグが設定されている場合には、以下の演算式(1)によって現在のクーラント温度Tcが算出される。
【0127】
Tc=Tc++dT …(1)
(ステップ501)
なおフィードフォワード処理を実行しないで現在のクーラント温度を求めてもよい。
【0128】
つぎに制御温度変換部52では、上記(1)式で求められたクーラント温度Tcと、トルコン検出油温Ttcとに基づいて下記(2)式の演算が実行され、クーラント温度Tcと、トルコン検出油温Ttcから25゜Cを減算した温度とのうちで大きい方の温度が制御温度Tとして求められる。
【0129】
T=MAX(Tc、Ttc−25゜) …(2)
上記(2)式は、クーラントの温度とトルコン油温との間には25゜Cのヒートバランスによる差があることを考慮したものである。上記差の25゜の数値は例示であり、本発明はこの数値に限定されるわけではない。上述したようにして求められた制御温度Tは目標ファン回転数計算部50に入力される(ステップ502)。
【0130】
上記制御温度換算の処理(ステップ301)が終了すると、つぎに目標ファン回転数計算の処理以下の一連の計算処理が実行される(ステップ302〜ステップ305)。この目標ファン回転数計算以下一連の計算処理は図8(a)に示す手順で目標ファン回転数計算部50で実行される。
【0131】
図2は制御温度Tから目標ファン回転数FAN RPMを求めるグラフを示している。また図2は目標ファン回転数FAN RPMから油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevを求めるグラフを示している。
【0132】
すなわち図2に示すようにグラフの縦軸には、制御温度T(=MAX(Tc、Ttc−25゜))に対応づけられて目標ファン回転数FAN RPMが設定されている。グラフの横軸には、エンジン回転数ENG RPMが設定されている。横軸のエンジン回転数ENG RPMの値と、縦軸の目標ファン回転数FAN RPMの値に応じて、油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevが定まる。なお図2における縦軸、横軸の数値は例示であり、本発明はこの数値に限定されるわけではない。
【0133】
図2においてラインEは油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevが最小容積(最小容量)(6.2cc/rev)となるラインである。またラインFは油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevが最大容積(最大容量)(30cc/rev)となるラインである。なお上記最小容積、最大容積の数値は例示であり、本発明はこの数値に限定されるわけではない。
【0134】
図2のグラフの内容は、演算式としてあるいは記憶テーブルの形式として所定のメモリに記憶されている。記憶テーブルの形式でデータを記憶する場合には、記憶されていないデータは補間演算処理により算出することができる。
【0135】
図8(a)のステップ601では、まず上記(2)式で求められた制御温度Tが80゜C未満であるか否かが判断される。制御温度Tが80゜C未満である場合には、エンジン1の冷却(トルクコンバータ43の冷却)が十分になされているものとして、冷却用ファン8の回転数の制御目標値FAN RPMは設定されない。つまり冷却用ファン8の回転数についての制御は「制御無し」と判断され、油圧ポンプ2の斜板2aを最小の傾転角にすべくEに示す最小容積(最小容量)(6.2cc/rev)のラインが選択される(図2参照)。
【0136】
このため図8(b)のグラフより、油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevを最小容量とするべく指令電流値iが1(A(アンペア))に定められる。なお図8(b)における縦軸、横軸の数値は例示であり、本発明はこの数値に限定されるわけではない。
【0137】
これに対して制御温度Tが80゜C以上である場合には、制御温度T(=MAX(Tc、Ttc−25゜))に対応する目標ファン回転数FAN RPMが図2に示すグラフにしたがい求められる(ステップ601)。
【0138】
つぎに回転数制限スイッチ46が操作されることにより回転数制限信号S70が入力されているか否かが、つまり冷却用ファン8の回転数を最大回転数(1750rpm)の70%の回転数(1225rpm)にすべきか否かが判断される(ステップ602)。
【0139】
この結果回転数制限信号S70が入力されていると判断された場合には、つぎの(3)式により目標ファン回転数FANが最終的に定められる。
【0140】
FAN=MIN(FAN RPM、1225) …(3)
上記(3)式に示すように制御温度Tに対応する目標ファン回転数FAN RPMと、ファンの最大回転数(1750rpm)の70%の回転数1225rpmとのうちで小さい方の回転数が、最終的な目標ファン回転数FANとされる。すなわち図2のグラフにおいて回転数制限信号S70が入力されていれば最終的な目標回転数FAN RPMはラインG以下の回転数に強制的に下げられる(ステップ603)。
【0141】
一方回転数制限信号S70が入力されていないと判断された場合には、つぎの(4)式により目標ファン回転数FANが最終的に定められる。
FAN=FAN RPM …(4)
上記(4)式に示すように制御温度Tに対応する目標ファン回転数FAN RPMが、最終的な目標ファン回転数FANとされる(ステップ604)。
【0142】
たとえば図2において制御温度Tに対応する目標ファン回転数FAN RPMが1300rpmである場合に回転数制限信号S70が入力されていれば、最終的な目標ファン回転数FANは1225rpmに設定される。しかし制御温度Tに対応する目標ファン回転数FAN RPMが1000rpmであった場合には、回転数制限信号S70の入力の有無にかかわらず最終的な目標ファン回転数FANはその回転数FAN RPM(=1000rpm)のままにされる。
【0143】
制御温度Tに対応する目標ファン回転数FANの設定の仕方には種々の変形が可能である。
【0144】
油圧機器は油温に応じて効率が変化する。例えば油圧ポンプ2を駆動源として油圧シリンダが作動している場合には、油圧シリンダの駆動により油温が上昇することが想定される。このとき油温上昇により油圧ポンプ2、油圧モータ7の効率が落ち、結果として冷却用ファン8の実際の回転数が目標回転数よりも落ちてしまう。そこで、この実際のファン回転数の低下を防ぐために、油圧シリンダの作動油の温度を検出する作動油温検出センサを設け、この作動油温検出センサで検出された作動油温が大きくなるに応じて目標ファン回転数FANを予め高めに設定してもよい。作動油温検出センサの検出値によって補正された目標ファン回転数FANが設定されることによって油圧機器の効率の低下があったとしても冷却用ファン8の実際の回転数を適正な回転数に保持することができる。なおトルクコンバータを独立に別途冷却してもよい。
【0145】
また冷却用ファン8に図10に示すファン回転数センサ36が設けられている場合には、ファン回転数センサ36で検出された実際のファン回転数Nをフィードバック信号として、目標ファン回転数FANとファン回転数センサ36で検出されたファン回転数Nとの偏差を求め、この偏差がなくなくように油圧ポンプ2の斜板2aを制御してもよい。このようにフィードバック制御がなされることにより冷却用ファン8の実際のファン回転数Nを目標ファン回転数FANに精度よく一致させることができる。このように制御対象の冷却用ファン8の回転数をフィードバック制御しているので、油圧ポンプ2、油圧モータ7といった油圧機器の効率の低下により制御対象の冷却用ファン8の回転数の変動が生じるという事態を回避することができる。
【0146】
また本実施形態では、回転数制限スイッチ46から回転数制限信号S70が入力されている場合には一律に最大回転数の70%以下の回転数に目標ファン回転数FANを設定している。これにより低騒音運転が実現される。しかし実際のクーラント検出温度Tcがヒートバランスの危険域の温度まで上昇している場合には、冷却不足の状態である。そこでクーラント温度に所定のしきい値を設定しておき実際のクーラント温度がこのしきい値に達した時点で上記低騒音運転を強制的に解除し(回転数制限信号S70オフ)、実際のクーラント検出温度Tc(制御温度T)に対応する目標ファン回転数FAN RPM(たとえば1300rpm)をそのまま最終的な目標ファン回転数FANとして設定することができる。
【0147】
また上述した本実施形態では、図2に示すグラフより、制御温度Tのみから一義的に目標ファン回転数FAN RPMを求めている。
【0148】
ここでエンジン1の回転数が高くなるに伴ってエンジン1の騒音が大きくなる。エンジン1の騒音が大きくなると、冷却用ファン8の回転数が少々高くなったとしても、オペレータ等にとって官能的に冷却用ファン8の騒音は耳障りではなくなる。またエンジン1の回転数が高くなるに伴い冷却用ファン8の回転数を高くすることは、冷却能力が向上しヒートバランスの改善にもなる。
【0149】
そこで制御温度Tのみから一義的に定めた目標ファン回転数FAN RPMに対して、さらにエンジン1の回転数が大きくなるにつれて回転数を増加させるような補正を加えて目標ファン回転数FAN RPMを設定してもよい。たとえば図2においてクーラント温度Tc(制御温度T)が80゜〜88゜Cの場合であってエンジン1の回転数ENG RPMが750rpmのときは目標ファン回転数FAN RPMを1000rpmとする。これに対しエンジン1の回転数ENG RPMが2400rpmのときは目標ファン回転数FAN RPMを100rpm高くする補正を加えた1100rpmとすることが考えられる。
【0150】
また作業モード選択スイッチ55で選択された作業モードMを示す作業モード選択信号SMに応じて目標ファン回転数FAN RPMを補正してもよい。
【0151】
作業モードMが重負荷モードである場合にはエンジン1で発生する熱量が大きい場合なので、制御温度Tから得られた目標ファン回転数FAN RPMに対し所定回転数分だけ増加させる補正を加えて目標ファン回転数FAN RPMを設定することができる。また作業モードMが軽負荷モードである場合にはエンジン1で発生する熱量が小さい場合なので、制御温度Tから得られた目標ファン回転数FAN RPMより所定回転数分だけ減少させる補正を加えて目標ファン回転数FAN RPMを設定することができる。
【0152】
たとえば図2においてクーラント温度Tc(制御温度T)が90゜Cの場合であって重負荷モードが選択されているときは目標ファン回転数FAN RPMを通常の1300rpmに対して200rpmだけ増加させた1500rpmとする。これに対し軽負荷モードが選択されているときは目標ファン回転数FAN RPMを通常の1300rpmから200rpmだけ減少させた1100rpmとすることが考えられる。
【0153】
以上のように目標ファン回転数FANが定められると、油圧ポンプ2の目標斜板傾転角つまり一回転当たりの目標流量Qccrevを求める処理が、ポンプ斜板角計算部53で実行される。具体的には下記(5)式によって油圧ポンプ2の目標流量Qccrevが算出される。
【0154】
Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM …(5)
上記(5)式に示すように目標ファン回転数FANと、油圧モータ7の固定容量値Mccrevとエンジン1の回転数ENG RPMとに基づいて、油圧ポンプ2の目標流量Qccrevが求められる。
【0155】
そして図8(b)に示す対応関係に基づいて、上記(5)式から得られた目標流量Qccrevに対応する指令電流値iが求められる。
【0156】
図2のグラフは油圧モータ7の固定容量値Mccrevが既知の値のときの特性を示している。たとえば目標ファン回転数FANが1300rpmで、エンジン1の回転数ENG RPMが1500rpmのときには、Hに示すラインが選択され、このラインHに対応する容量QHが油圧ポンプ2の目標流量Qccrevとして求められる(ステップ605)。
【0157】
ところで本実施形態では、油圧ポンプ2を可変容量型とし油圧モータ7を固定容量型としているが、油圧ポンプ2を固定容量型とし油圧モータ7を可変容量型とした場合にも、同様にして油圧モータ7の斜板(容量)を変化させることにより冷却用ファン8の風量を制御することができる。
【0158】
この場合にはステップ603の処理が終了された後にステップ607の処理に移行される。
【0159】
そして下記(6)式によって可変容量型油圧モータ7の1回転当たりの目標流量Mccrevが算出される。
【0160】
Mccrev=Qccrev・ENG RPM/FAN …(6)
上記(6)式により目標ファン回転数FANと、固定容量型油圧ポンプ2の固定容量値Qccrevとエンジン1の回転数ENG RPMとに基づいて、油圧モータ7の目標流量Mccrevが求められる。
【0161】
そして図8(b)に示す対応関係に基づいて、上記(6)式から得られた目標流量Mccrevに対応する指令電流値iが求められる(ステップ607)。
【0162】
以上が制御計算(ステップ103)の処理の内容である。上記制御計算の処理(ステップ103)が終了すると、つぎにEPC弁出力処理が実行される(ステップ104)。EPC弁出力処理は図6に示す手順でEPC弁出力変換部54で実行される。
【0163】
まずモジュレーション処理が実行され(ステップ401)、EPC弁電流出力処理が実行される(ステップ402)。これらモジュレーション処理、EPC弁電流出力処理の内容は図9(a)に示される。
【0164】
すなわち図9(a)のステップ701に示すように、EPC弁40に加えるべき電流値iを徐々に増加または減少させていくモジュレーション処理が実行される。EPC弁40に対してはサンプリング時間毎に指令電流iが加えられる。ここでサンプリング時間前にEPC弁40に加えられた指令電流値iをEPCk-1とする。そして今回EPC弁40に加えるべき指令電流値iをEPCkとする。
【0165】
そしてEPCkとEPCk-1との差分が求められ、この差分がモジュレーション定数Modxよりも大きいか否かが判断される。
【0166】
ここでEPCkとEPCk-1との差分値がモジュレーション定数Modx以下である場合には、図8(b)のグラフから求められた指令電流値iがそのまま今回の指令電流値EPCkとされる。
【0167】
これに対してEPCkとEPCk-1との差分値がモジュレーション定数Modxよりも大きい場合には、下記(7)式により今回の指令電流値EPCkが算出される。
【0168】
EPCk=EPCk-1+Modx …(7)
ここで上記モジュレーション定数Modxの値は、下記に示す現在の各ステータス(1)、(2)、(3)に応じて異なる。
【0169】
(1)電流出力増加
(2)電流出力減少
(3)エンジン始動時および制御温度以下
すなわちEPCkとEPCk-1との差分値が正の極性でありEPC弁40に対する指令電流値iが増加しているステータス(1)の電流出力増加の場合には、図9(b)に示す示すように電流増加の時定数t1が小さくなるように(t1=1sec)、モジュレーション定数Modxが定められる。油圧ポンプ2のキャビテーションを防止する等のためである。
【0170】
またEPCkとEPCk-1との差分値が負の極性でありEPC弁40に対する指令電流値iが減少しているステータス(2)の場合には、図9(c)に示すように電流減少の時定数t2が大きくなるように(t2=2sec)、モジュレーション定数Modxが定められる。油圧モータ7のオーバランを防止する等のためである。
【0171】
また現在エンジン1が始動された直後であって現在のクーラント温度Tcが制御温度80゜C以下であるステータス(3)の場合には、図9(c)に示すように電流変化の時定数t3が特に大きくなるように(t3=3sec)、モジュレーション定数Modxが定められる。油温低下時に油圧管路内でピーク圧が発生することを防止する等のためである(ステップ702)。
【0172】
つぎに上述したようにして求められた今回の指令電流値EPCkをディジタル信号からアナログ信号に変換した上で、EPC弁40に対して指令電流iとして出力される(ステップ702)。
【0173】
以上がEPC弁出力処理(ステップ104)の内容である。
【0174】
この結果EPC弁40の出力圧が変化され、これに応じて油圧ポンプ2の斜板2aが変化され、冷却用ファン8のファン回転数Nが目標ファン回転数FANに一致する。
【0175】
このように本実施形態によれば、現在のクーラントの検出温度Tcから冷却に必要十分な目標ファン回転数FANが定められ、冷却用ファン8がこの目標ファン回転数FANで回転される。
【0176】
このためクーラントは最適なエネルギー効率で冷却される。また冷却用ファン8自体で発生する音が必要以上に大きくなることもない。すなわち冷却用ファン8の回転数は冷却に必要十分な回転数FANになるように無段階に変化するので、冷却に必要十分な回転数以上で冷却用ファン8が回転することはない。このため冷却に必要十分な回転数以上に回転数が増加することなくエネルギーロスが生じない。また冷却用ファン8で騒音が発生することもない。さらに従来技術のように流量制御弁で流量を制限しタンクへ環流することもないので、余剰流量によるエネルギーロスも生じない。
【0177】
このように本実施形態によれば、油圧モータ7を油圧源として冷却用ファン8を駆動する場合に、最適なエネルギー効率で駆動でき、騒音を最小にする制御ができる。
【0178】
また別の実施形態によれば、図14、図15に示すように冷却用ファン8に、ラジエータ57以外にオイルクーラ60を対向させて設けるようにしている、これによりクーラントのみならずトルクコンバータ43の作動油または油圧シリンダ内の圧油を効率よく冷却することができる。
【0179】
図14におけるシャッタ61、62はクーラントおよび作動油が最適の効率で冷却されるようにコントローラ47により駆動制御される。
【0180】
たとえばシャッタ61を適宜作動させ、作動油温が下がり過ぎた時にラジエータ57の放熱面のみに向けて冷却用ファン8で発生した風を導入させることができる。またシャッタ62を適宜作動させ、クーラントの温度が下がり過ぎた時にオイルクーラ60の放熱面のみを向けて冷却用ファン8で発生した風を導入させることができる。
【0181】
また図15における風量調節板63はクーラントおよび作動油が最適の効率で冷却されるようにコントローラ47により駆動制御される。
【0182】
たとえば風量調整板63の傾斜位置をC位置の方向へ適宜変化させて、作動油の過冷却状態時に、過冷却のオイルクーラ60に向かう冷却風を減少させることができる。また風量調整板63の傾斜位置をD位置の方向へ適宜変化させて、クーラントの過冷却状態時に、過冷却のラジエータ57に向かう冷却風を減少させることができる。
【0183】
なお場合によっては、ラジエータ57、オイルクーラ60のいずれか一方のみを冷却用ファン8に対向して設けるようにして、冷却用ファン8によってクーラントのみを冷却してもよく、また作動油のみを冷却してもよい。
【0184】
また本実施形態によれば、上記(2)式(T=MAX(Tc、Ttc−25゜))に示すように、クーラント検出温度Tcと、トルコン検出油温Ttcから25゜Cを減算した温度とのうちで大きい方の温度を制御温度Tとして求め、この制御温度Tに対応する目標ファン回転数が定められる。すなわちクーラント検出温度Tcに対応する目標ファン回転数と、トルコン検出油温Ttcから25゜Cを減算した温度Ttc−25゜Cに対応する目標ファン回転数のうちで高い方の回転数が目標ファン回転数として定められる。そして冷却用ファン8の回転数がこの目標ファン回転数になるように油圧ポンプ2の斜板2aが制御される。
【0185】
このように本実施形態によれば、現在のクーラントの検出温度Tc、作動油の検出油温Ttcから冷却に必要十分な目標ファン回転数FANが定められ、冷却用ファン8がこの目標ファン回転数FAN RPMで回転される。
【0186】
このためクーラントおよび作動油を最適なエネルギー効率で冷却することができる。さらに本実施形態によれば、上記(2)式(T=MAX(Tc、Ttc−25゜) )に示すように、クーラント検出温度Tcと、トルコン検出油温Ttcから25゜Cを減算した温度とのうちで大きい方の温度を制御温度Tとして求めるようにしているので、クーラントと作動油のうちで冷却が不足している方の冷却媒体に合わせた冷却がなされ、冷却用ファン8でクーラントと作動油の両方を冷却する場合でもいずれか一方の冷却が不足する事態を回避することができる。
【0187】
また本実施形態では上記(7)式(EPCk=EPCk-1+Modx)により今回の指令電流値EPCkを算出してEPC弁40に逐次出力しているので、冷却用ファン8の実際のファン回転数が目標ファン回転数FANに達するまでに回転数が徐々に変化する。このためファン回転数の急激な変動が防止され、油圧機器とりわけ油圧モータ7の損傷を防止することができる。
【0188】
また本実施形態によれば、回転数制限スイッチ46が操作されているときには、目標ファン回転数FANを最大回転数(1750rpm)の70%(1225rpm)以下になるように制限されるので、騒音が法規制等により制限されている場合に騒音を一定レベル以下に抑制することができる。
【0189】
また本実施形態によれば、作業モード選択スイッチ55で選択指示された作業モードMに応じて目標ファン回転数FANが設定される。このため建設機械で現在行われている作業モードに適合した目標回転数で冷却用ファン8を回転させることができ作業に合わせて最適なエネルギー効率で運転を行うことができる。
【0190】
以上説明した実施形態については種々の変形が可能である。以下種々の変形例について説明する。
【0191】
本発明を建設機械に適用した場合、建設機械の作業環境では、ラジエータ57あるいはオイルクーラ60の放熱面(コア)に、枯葉、埃等が吸い込まれることがある。枯葉等が吸い込まれるとラジエータ57、オイルクーラ60の冷却効率が低下する。従ってこれらを除去する必要がある。
【0192】
このために次のような操作を行う。操作レバー66により切換弁65の弁位置が逆方向の位置に切り換えられる。これにより油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられ、油圧モータ7が逆方向に回転される。このため冷却用ファン8がクーラント(あるいは作動油)冷却時とは逆の方向に回転される。この結果ラジエータ57あるいはオイルクーラ60に吸い込まれた枯葉、埃等が吐き出される。
【0193】
またコントローラ47によって、この切り換え制御を自動的に行わせることができる。
【0194】
コントローラ47は定期的に冷却用ファン8の回転方向を切り換える制御をつぎのようにして実行する。
【0195】
すなわちコントローラ47ではエンジン回転数センサ44の検出信号に基づきエンジン1が始動されたか否かが判断される。この結果エンジン始動時であると判断された場合には、切換弁65の電磁ソレノイドに対して指令電流が出力され、切換弁65の弁位置が逆方向の位置に切り換えられる。これにより油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられ、油圧モータ7が逆方向に回転される。このため冷却用ファン8がクーラント(あるいは作動油)冷却時とは逆の方向に回転される。このときの冷却用ファン8の目標ファン回転数は、最大回転数に設定することができる。この結果ラジエータ57あるいはオイルクーラ60に吸い込まれた枯葉、埃等がエンジン1が始動される毎に最大の風量で定期的に吐き出される。
【0196】
またコントローラ47内にタイマを備えておき、エンジン1が稼働中の一定時間毎に(たとえば30分毎に)冷却用ファン8の回転を逆回転させてもよい。枯葉等の多い作業環境では一定時間毎に放熱面に吸い込まれた枯葉等を吐き出させることが望ましい。
【0197】
また図1(b)に示す2方向流れ可能なポンプを備えた油圧回路を採用した場合には、コントローラ47によって油圧ポンプ2bの斜板が制御され、圧油吐出口が冷却時の吐出口と吸入口とが逆に切り換えられる。これにより油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられる。このため冷却用ファン8の回転方向が冷却時のA1方向とは逆のA2方向に切り換えられ、枯葉、埃等がラジエータ57あるいはオイルクーラ60から吐き出される。
【0198】
このようにラジエータ57あるいはオイルクーラ60に吸い込まれた枯葉、埃等が定期的に吐き出されるので、枯葉や埃などが多い作業雰囲気であっても、エンジンルーム内を清浄に保つことができる。また枯葉、埃等の詰まりによってラジエータ57あるいはオイルクーラ60の冷却効率が低下することを防止できる。
【0199】
ところで上述した実施形態ではエンジン始動時であってもクーラント検出温度Tcが高い値を示していれば、つぎのような問題を生じるおそれがある。すなわちコントローラ47からEPC弁40に対して指令電流iが出力され、この高い温度に応じた高圧の圧油が油圧管路42内に流れるようにる。すると始動前には圧力がゼロであったところ始動直後に管路42内にピーク圧が立ち、管路42に過大な負荷がかかるおそれがある。
【0200】
そこでコントローラ47でエンジン始動時にはクーラント検出温度Tcの大きさ如何にかかわらずに以下の制御を行うことができる。
【0201】
すなわちコントローラ47ではエンジン回転数センサ44の検出信号に基づきエンジン1が始動されたか否かが判断される。この結果エンジン始動時であると判断された場合には、EPC弁40の電磁ソレノイド40aに対して油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角を最小に(容量を最小に)するための指令電流iが出力される。
【0202】
これによりエンジン1の始動時には低圧の圧油が油圧管路42内に流れることになり管路42内にピーク圧が立つことはない。このためエンジン1の始動時に既にクーラント検出温度Tcが高い値を示していたとしても管路42にピーク圧はかからなくなり、油圧機器の損傷が防止される。またポンプ2の容量が最小であるためポンプ2の吸収トルクは最小となっている。従ってエンジン1への負荷が減少するため、エンジン1の始動性が向上する。
【0203】
またエンジン1が始動されてから一定の時間だけ上記制御を行うようにしてもよい。図12はエンジン1が始動されてから一定の時間(20sec)だけ上記制御を行う場合の処理手順を示している。
【0204】
すなわち電源がオンされると(ステップ802)、 iの内容が1.0Aとされ(ステップ803)、エンジン1が始動されたことが検出されるとソフトウエアタイマの計時時間tは0にリセットされる(ステップ804)。
【0205】
そしてサンプリング時間tsamplが経過する毎に上記ソフトウエアタイマの計時時間tの内容は、
t=t+tsampl
と更新されていく。tの内容が20sec以下である限りiの内容が1.0Aのままにされる。そして、この1.0Aの指令電流iがEPC弁40に出力される。このためエンジン1が始動されてから20sec間だけ強制的に油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角が最小に(容量が最小に)される(ステップ805)。
【0206】
なお油圧モータ7が可変容量型である場合には、油圧ポンプ2の代わりに油圧モータ7の容量が最小となるように上記制御を行うようにしてもよい。
【0207】
ところで冷却用ファン8が格納されたエンジンルーム内にはハーネス、ホース等比較的熱的耐久性の低い部品が設けられている。
【0208】
そこでコントローラ47の制御によって定期的にエンジンルーム内の熱気を排出し、上記ハーネス、ホース等比較的熱的耐久性の低い部品の長寿命化を図るようにしてもよい。
【0209】
すなわちコントローラ47にはタイマが設けられている。コントローラ47では、タイマがリセット時から一定時間(たとえば10分)を計時したか否かが判断される。タイマによって一定時間の計時がされたことが判断されると、冷却用ファン8の現在の目標回転数如何にかかわらずに強制的に最大回転数が目標ファン回転数FANとして設定される。そして最大回転数が得られる指令電流iがEPC弁40に対して短時間だけ出力される。このため冷却用ファン8は短時間だけ最大回転数で回転される。最大回転数で回転している短時間経過後にはタイマはリセットされ、上述した処理が繰り返し実行される。
【0210】
このように、たとえエンジン1がアイドル回転数であってクーラント検出温度Tcが低温の状態であったとしても、冷却用ファン8の回転数は強制的に最大回転数まで上昇される。このため冷却用ファン8が格納されたエンジンルーム内の熱気を定期的に排出でき、ハーネス、ホース等比較的熱的耐久性の低い部品の長寿命化を図ることができる。なお冷却用ファン8の上昇時の回転数としては必ずしも最大回転数である必要はなく最大回転数に近い高回転であればよい。
【0211】
上述した実施形態では、図2に示すように各制御温度T(クーラント検出温度Tc、作動油温Ttc)毎に目標ファン回転数FAN RPMを対応づけておくようにしている。以下このような対応づけが不要な実施形態について説明する。
【0212】
図11はこの実施形態の制御ブロック図を示している。図1のコントローラ47に対応する要素が図11の制御部58である。
【0213】
この実施形態ではクーラントの目標温度Trefとしてエンジン1の効率が最適となる温度が設定される。そしてこの目標温度Trefと温度センサ23で検出された実際のクーラント検出温度Tcとの偏差Terrが算出され、制御部58に加えられる。
【0214】
制御部58では下記(8)式に従って指令電流値iが求められる。
【0215】
i=i0+Terr・Gain …(8)
上記(8)式において固定電流値i0、ゲインGainはそれぞれ既知の値である。
【0216】
上記(8)式で得られた指令電流値iがEPC弁(電磁比例制御弁)40に対して出力される。
【0217】
この結果クーラントの実際の温度Tcが目標温度Trefに精度よく一致しエンジン1の効率が最大となる。また図11に示す実施形態によれば、図2に示すように各クーラント温度Tc毎に目標ファン回転数FAN RPMを対応づけておく必要がないので、演算式の設定や記憶テーブルの設定の作業を容易に行うことができる。
【0218】
なお図11に示す制御ブロック図において、クーラントの目標温度の代わりに作動油(トルクコンバータ43または油圧シリンダの作動油)の目標温度を設定することができる。このときクーラントの温度を検出する温度センサ23の代わりに作動油(トルクコンバータ43または油圧シリンダの作動油)の油温を検出する温度センサとして、作動油の実際の温度を目標温度に一致させるように構成することができる。これによりトルクコンバータ43または油圧シリンダを最適の効率で作動させることができる。
【0219】
つぎにクーラントの温度を最適値に一致させると同時に冷却用ファン8で発生する騒音を低減させることができる実施形態について同じ図11の制御ブロック図を参照して説明する。
【0220】
この実施形態ではクーラントの目標温度Trefとしてエンジン1の効率が最適となる温度たとえば90゜Cが設定される。また冷却用ファン8の許容回転数Fminとして1200rpmが設定されるものとする。この許容回転数1200rpmで冷却用ファン8が回転しているときの騒音のレベルは85dBである。そして上記目標温度Trefと温度センサ23で検出された実際のクーラント検出温度Tcとの偏差Terrが算出され、制御部58に加えられる。なお許容回転数Fminの数値は例示であり、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0221】
制御部58では以下(a)〜(f)の手順にて指令電流値iが出力される。
【0222】
(a)初期状態では指令電流値iが1.0Aに設定される。
【0223】
(b)現在の指令電流値iから下記(9)式を用いて現在の目標ファン回転数FANを求める。
【0224】
FAN=f(i) …(9)
上記関数式fは上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)に示す目標ファン回転数FANとポンプ目標流量Qccrevとの対応関係および図8(b)に示す目標流量Qccrevと指令電流値iとの対応関係から取得することができる。
【0225】
(c)上記(9)式の演算の結果目標ファン回転数FANが許容回転数Fmin(1200rpm)以下であるか否かが判断される。
【0226】
(d)目標ファン回転数FANが許容回転数Fmin(1200rpm)以下である場合には、前述した下記(8)式により指令電流値iが演算され、EPC弁40に対して出力される。
【0227】
i=i0+Terr・Gain …(8)
(e)目標ファン回転数FANが許容回転数Fmin(1200rpm)よりも大きい場合には、下記(10)式により指令電流値iが演算され、EPC弁40に対して出力される。
【0228】
i=i0+Terr・Gain−(FAN−Fmin)・Gfan …(10)
上記ゲインGfanは冷却用ファン8の回転数を許容回転数Fmin以下にもっていくために設定される騒音低減用のゲインである。一方ゲインGainはクーラントの温度を目標温度Trefに一致させるために設定される温度制御用のゲインである。騒音低減の制御を重視するときには騒音低減用ゲインGfanは温度制御用ゲインGainに対して相対的に大きい値に設定される。また温度制御を重視するときには騒音低減用ゲインGfanは温度制御用ゲインGainに対して相対的に小さい値に設定される。すなわちGfan、Gainの設定の仕方によって騒音低減制御と温度制御の重み付けが定まる。
【0229】
(f)上記(b)に戻り同様の処理を繰り返す。
【0230】
このように本実施形態では、上記(d)に示すように冷却用ファン8の回転数が許容回転数Fmin以下である限りは、騒音は許容レベル(85dB)以下にあるものとして(8)式によりクーラントの実際の温度Tcを目標温度Trefに一致させる温度制御がなされる。また上記(e)に示すように冷却用ファン8の回転数が許容回転数Fminよりも大きくなった場合には、騒音は許容レベル(85dB)よりも大きいレベルにあるので騒音を低減させるべく(10)式に従い所定の重み付けをもってクーラントの実際の温度Tcを目標温度Trefに一致させる温度制御が行われるとともに冷却用ファン8の実際の回転数を許容回転数Fmin以下にもっていく騒音低減制御が行われる。
【0231】
このため本実施形態によれば、クーラントの温度を最適値に一致させることができると同時に冷却用ファン8で発生する騒音をも低減させることができる。
【0232】
上述した温度制御は一例であり、つぎのような手順(g)〜(k)で制御を行うことができる。
【0233】
(g)目標温度Tref(90゜C)に対応する回転数FAN1(1200rpm)が設定される。この回転数FAN1(1200rpm)で冷却用ファン8が回転しているときの騒音のレベルは85dBであり許容レベル以下である。そしてまたエンジン1の効率として許容できる許容クーラント温度Tu(93゜C)が設定される。この許容クーラント温度Tu(93゜C)に対応する回転数FAN2(1300rpm)が設定される。この回転数FAN2(1300rpm)で冷却用ファン8が回転しているときの騒音のレベルは90dBである。
【0234】
(h)温度センサ23によってクーラントの実際の温度Tcが上記許容クーラント温度Tu以下であるか否かが判断される。
【0235】
(i)クーラントの実際の温度Tcが上記許容クーラント温度Tu以下である場合には、上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)の目標ファン回転数FANの内容を回転数FAN1(1200rpm)として目標流量Qccrevが演算される。そしてこの演算された目標流量Qccrevと図8(b)に示す対応関係から指令電流値iが求められる。そしてこの指令電流値iがEPC弁40に対して出力される。
【0236】
(j)クーラントの実際の温度Tcが上記許容クーラント温度Tuを超えた場合には、上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)の目標ファン回転数FANの内容を回転数FAN2(1300rpm)として、目標流量Qccrevが演算される。そしてこの演算された目標流量Qccrevと図8(b)に示す対応関係から指令電流値iが求められる。そしてこの指令電流値iがEPC弁40に対して出力される。これによりクーラントの実際の温度を許容クーラント温度Tu以下にもっていくことができる。
【0237】
(k)上記(h)に戻り同様の処理を繰り返す。
【0238】
このように本実施形態では、上記(i)、(j)に示すようにクーラントの実際の温度Tcが許容クーラント温度Tu以下である限りは、騒音は許容レベル(85dB)に抑制され、クーラントの実際の温度Tcが許容クーラント温度Tuを超えた場合のみに、冷却用ファン8の回転数を上昇させクーラントの実際の温度を許容クーラント温度Tu以下にもっていくようにしている。
【0239】
このため本実施形態においても、クーラントの温度を最適値に制御できると同時に冷却用ファン8で発生する騒音を低減させることができる。
【0240】
またつぎのような手順(l)〜(q)で制御を行うことができる。
【0241】
(l)目標温度Tref(90゜C)に対応する目標回転数FAN1(1200rpm)が設定される。この回転数FAN1(1200rpm)で冷却用ファン8が回転しているときの騒音のレベルは85dBであり許容レベル以下である。またクーラントの温度の高温側のしきい値(93゜C)が設定される。またクーラントの温度の低温側のしきい値(80゜C)が設定される。
【0242】
(m)温度センサ23によってクーラントの実際の温度Tcが上記高温側しきい値を超えたか、低温側しきい値よりも下回っているかが判断される。
【0243】
(n)クーラントの実際の温度Tcが上記高温側しきい値と低温側しきい値との間に入っている場合には、上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)の目標ファン回転数FANの内容を目標回転数FAN1(1200rpm)として目標流量Qccrevが演算される。そしてこの演算された目標流量Qccrevと図8(b)に示す対応関係から指令電流値iが求められる。そしてこの指令電流値iがEPC弁40に対して出力される。
【0244】
(o)クーラントの実際の温度Tcが上記高温側しきい値を超えている場合には、上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)の目標ファン回転数FANの内容を最大回転数(1750rpm)として目標流量Qccrevが演算される。そしてこの演算された目標流量Qccrevと図8(b)に示す対応関係から指令電流値iが求められる。そしてこの指令電流値iがEPC弁40に対して出力される。
【0245】
(p)クーラントの実際の温度Tcが上記低温側しきい値を下回っている場合には、上記(5)式(Qccrev=FAN・Mccrev/ENG RPM)の目標ファン回転数FANの内容を最小回転数(647rpm)として、目標流量Qccrevが演算される。そしてこの演算された目標流量Qccrevと図8(b)に示す対応関係から指令電流値iが求められる。
【0246】
(q)上記(m)に戻り同様の処理を繰り返す。
【0247】
また上述した温度制御と騒音低減制御とを組み合わせた実施形態は、クーラントの温度を制御する場合だけではなく、作動油(トルクコンバータ43または油圧シリンダの作動油)の油温を制御する場合にも適用することができる。
上述した実施形態では、油圧ポンプ2および油圧モータ7のいずれか一方が可変容量型であり他方が固定容量型である場合を想定して説明した。つぎに図10を参照して油圧ポンプ2および油圧モータ7の両方が可変容量型である場合の実施形態について説明する。
【0248】
図10に示す油圧回路はたとえば油圧ショベルなどの建設機械に搭載される。適用対象が建設機械の場合同図10に示す可変容量型の油圧ポンプ2はたとえばブームを作動させる油圧シリンダ4に圧油を供給する圧油供給源となる。
【0249】
油圧ポンプ2は駆動源としてのエンジン1によって駆動される。油圧ポンプ2はたとえば斜板式ピストンポンプで構成される。油圧ポンプ2の斜板2aが変化することによって油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)(cc/rev)が変化される。
【0250】
油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)は斜板駆動機構部5が作動されることによって変化される。
【0251】
油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い込み圧油吐出口2bから吐出圧Pの圧油を吐出する。油圧ポンプ2の吐出圧油は管路11を介して操作弁3に供給される。
【0252】
操作弁3は、操作レバー14の操作量に応じて開口面積が変化されることによって油圧ポンプ2から吐出された圧油の流量が制御される。油圧ポンプ2の吐出圧油は操作弁3を介して油圧シリンダ4に供給される。油圧シリンダ4に圧油が供給されることによってこの油圧シリンダ4が駆動される。油圧シリンダ4が駆動されることによって図示せぬ作業機(ブーム)が作動される。
【0253】
つぎに斜板駆動機構部5の構成について説明する。
【0254】
斜板駆動機構部5には、管路12から分岐されたLS圧管路16が接続されているとともに管路11から分岐された管路22が接続されている。
【0255】
斜板駆動機構部5は、流入される圧油の流量に応じて油圧ポンプ2の斜板2aを駆動してポンプ容量を変化させるサーボピストン21を備える。またパイロットポート20bに加えられた油圧ポンプ2の吐出圧P、油圧シリンダ4の負荷圧に応じた信号圧PLSをサーボピストン21に流入させるLS弁20とから構成されている。
【0256】
LS弁20は、油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧に応じた信号圧PLSとの差圧ΔP(=P−PLS)を第1の設定差圧ΔPLSに保持する制御を行う。この制御はロードセンシング制御といわれる。第1の設定差圧ΔPLSはLS弁20に付与されるバネ20aのバネ力およびLS弁20のパイロットポート20b、20cの受圧面積に応じて定まる。
【0257】
すなわちLS弁20のパイロットポート20bには管路22を介してポンプ吐出圧Pが加えられる。一方上記パイロットポート20bに対向するようにバネ20aと同じ側に設けられたパイロットポート20cにはLS圧管路16を介して負荷圧PLSに応じた信号圧が加えられる。
【0258】
したがって差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSよりも大きいときにはLS弁20は図中左側の弁位置に移動される。このためLS弁20からサーボピストン21に対してポンプ吐出圧油が流入される。したがって油圧ポンプ2の斜板2aが最小容量MIN側に移動される。このため油圧ポンプ2から吐出される流量が減らされ油圧ポンプ2の吐出圧Pが小さくなる。この結果差圧P−PLSが小さくなり第1の設定差圧ΔPLSに一致される。逆に差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSよりも小さくなったときにはLS弁20は右側の弁位置に移動される。このためサーボピストン21からLS弁20を介して圧油がタンク9に流出され、油圧ポンプ2の斜板2aが最大容量MAX側に移動される。このため油圧ポンプ2から吐出される流量が増加され油圧ポンプ2の吐出圧Pが大きくなる。この結果差圧P−PLSが大きくなり第1の設定差圧ΔPLSに一致される。以上のようにしてLS弁20によって常に差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSに保持される。
【0259】
本実施形態では作業機駆動用として備えられている上記油圧ポンプ2が冷却用ファン8の油圧駆動源として利用され、冷却用ファン8が駆動される。図10の油圧回路において二点鎖線で囲まれた部分が冷却用ファン駆動部10である。この冷却用ファン駆動部10は一体のもの(モータアッセンブリ)として構築することができる。
【0260】
油圧ポンプ2のポンプ吐出圧管路11は分岐管路17に接続されており、この分岐管路17は上記冷却用ファン駆動部10に接続されている。
【0261】
また油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧を検出するLS圧管路16は分岐管路18に接続されており、この分岐管路18は上記冷却用ファン駆動部10に接続されている。
【0262】
上記管路17はファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに連通している。ファン駆動用油圧モータ7の出力軸には冷却用ファン8が取り付けられている。このため油圧ポンプ2から吐出された圧油は管路11、17を介してファン駆動用油圧モータ7に供給されこれに応じて冷却用ファン8が回転される。
【0263】
ファン駆動用油圧モータ7は可変容量型の油圧モータである。
【0264】
ファン駆動用油圧モータ7の容量D(cc/rev)は斜板駆動機構部6が作動されることによって変化される。
【0265】
ファン駆動用油圧モータ7は油圧ポンプ2の吐出圧油を流入ポート7aから流入させて出力軸を出力回転数Nで回転させ冷却用ファン8を回転させる。そしてファン駆動用油圧モータ7の流出ポート7bから流出された圧油は管路27を通過してタンク9に戻される。ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力は油圧ポンプ2の吐出圧Pである。ファン駆動用油圧モータ7の出力回転数つまり冷却用ファン8の回転数Nはファン回転数センサ36によって検出される。
【0266】
ここでファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrと、冷却用ファン8の回転数Nとの間には、k1を冷却用ファン8により定まる定数として次式(11)の関係が成立する。なお^2は2乗を意味する(以下同様である)。
【0267】
Tr=k1・N^2 …(11)
またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量Dと駆動圧力P(kg/cm2)と、冷却用ファン8の回転数Nとの間には、k2を定数として次式(12)の関係が成立する。
【0268】
P・D・k2=k1・N^2 …(12)
またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量Dと、ファン駆動用油圧モータ7に供給される圧油の流量をQm(l/min)との間には、k3を定数として次式(13)の関係が成立する。
【0269】
Qm=N・D …(13)
したがって上記(11)、(12)、(13)式から明らかなように、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、流量Qmが大きくなると冷却用ファン8の回転数Nは大きくなる。そして冷却用ファン8の回転数Nの増加に伴いファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrが大きくなる。
【0270】
図16はファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dと吸収トルクTrの関係を示している。図16においてカーブA1は値の大きな設定吸収トルクTra1が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA1上では設定吸収トルクTra1の値は一定となる。またカーブA2は中程度の大きさの設定吸収トルクTra2が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA2上では設定吸収トルクTra2の値は一定となる。またカーブA3は値の小さい設定吸収トルクTra3が得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA3上では設定吸収トルクTra3の値は一定となる。ここで設定吸収トルクTra1を最大トルク値とする。なお図16の各カーブ毎に吸収トルクは一定である。
【0271】
温度センサ45aではタンク9内の作動油の温度Ttが検出される。
【0272】
コントローラ13は上記温度センサ45aの検出温度Ttを示す信号、上記ファン回転数センサ36の検出ファン回転数Nを示す信号を入力して設定吸収トルク値Traを変化させるための電流指令iを生成する。さらにこの電流指令iを冷却用ファン駆動部10に対して出力する。
【0273】
冷却用ファン駆動部10の電磁比例制御弁24はコントローラ13から出力された電流指令iが電磁ソレノイド24aに入力されることによって弁位置が変化する。電流値iに対応する大きさのパイロット圧Ppを後述するTC弁25のパイロットポート25cに加える弁である。
【0274】
斜板駆動機構部6は、流入される圧油の流量に応じてファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動して容量Dを変化させるサーボピストン26と、油圧ポンプ2の吐出圧P(ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P)、電磁比例制御弁24から出力されたパイロット圧Ppに応じて圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピストン26に流入させるTC弁25(トルク制御弁25)とを中心に構成されている。
【0275】
TC弁25は、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積つまり吸収トルクTrを設定吸収トルク値Traに保持する制御を行う弁である。すなわちTC弁25のパイロットポート25bには管路17、29、29aを介してポンプ吐出圧Pが加えられる。また上記パイロットポート25bと同じ側に設けられたパイロットポート25cには電磁比例制御弁24を介してパイロット圧Ppが加えられる。TC弁25にはパイロットポート25b、25cに対向する側にバネ25aが配設されている。設定吸収トルク値TraはTC弁25に付与されるバネ25aのバネ力、受圧面積に応じて定まる。バネ25aによって最大吸収トルク値Tra1が設定されるとする。また設定吸収トルク値Traは、TC弁25のパイロットポート25cに加えられるパイロット圧Ppに応じて変化される。
【0276】
サーボピストン26とTC弁25は管路35によって接続されている。管路35内の圧油は油圧モータ7の流出ポート7bから流出された圧油である。この管路35を介してTC弁25から圧油がサーボピストン26に流入出される。
【0277】
管路17は管路29、32を介してTC弁25の流入ポートに連通されている。TC弁25の流入ポートには管路17、29、32を介して油圧ポンプ2のポンプ吐出圧油が流入される。
【0278】
管路18はチェック弁19を介して管路33に接続されている。管路33はTC弁25に接続されている。管路33上には固定絞り34が配設されている。チェック弁19はTC弁25、固定絞り34を通過した圧油のみを管路18側に流出させる弁である。チェック弁19の流出側つまり管路18側の圧力は負荷圧PLSに応じた信号圧である。一方チェック弁19の流入側つまり管路33側の圧力をPmLSとする。
【0279】
タンク9は管路28、管路31、管路17を介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに連通されている。管路28上にはタンク9内の圧油をファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7a側のみに導通させるチェック弁30が設けられている。
【0280】
つぎに図10に示すコントローラ13で行われる処理を中心に図10の油圧回路で行われる動作について説明する。
【0281】
・トルク制御
コントローラ13は、ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrが一定の吸収トルク値Traになるトルク一定制御を行う。ここでトルク一定制御を行う理由について説明する。
【0282】
従来技術では、作業機を駆動する油圧ポンプと別に設けられたファン駆動専用の油圧ポンプによってファン駆動用油圧モータが駆動される。このためファン駆動用油圧モータの吸収トルクは作業機にかかる負荷、操作弁の開口面積の変動の影響を受けない。したがってファン駆動用油圧モータの吸収トルクは比較的安定しており一定値を維持している。したがって冷却用ファンのファン回転数の変動が抑制されて回転を安定させることができる。
【0283】
これに対して図10に示す実施形態の場合には作業機を駆動する油圧ポンプ2がファン駆動用の油圧ポンプとしてファン駆動用油圧モータ7を駆動する。このため作業機にかかる負荷、操作弁3の開口面積の変動の影響を受けてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクは安定しない。したがって冷却用ファン8のファン回転数が変動してしまい回転が安定しないことになる。
【0284】
そこで冷却用ファン8のファン回転数の変動を抑制して回転を安定させるべくファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrを一定値Traに維持する制御を行うものである。
【0285】
コントローラ13には、冷却用ファン8で必要なファン目標回転数Naが記憶されている。ファン目標回転数Naはタンク9の各温度Ttに対応づけられている。ファン目標回転数Naで冷却用ファン8を回転させると、最適に作動油が冷却される。これら温度Ttとファン目標回転数Naの対応関係は、シミュレーション、実験などにより求められる。
【0286】
なお図10の実施形態では冷却用ファン8によって油圧シリンダ4などを作動させる作動油の温度を冷却する場合を想定しているが、もちろん作動油とエンジン1(クーラント)の両方を冷却する場合にも適用することができる。この場合のラジエータ57、オイルクーラ60の配置構成は前述した図14、図15に示すものを採用することができる。
【0287】
この場合エンジン1はウオータジャケットを循環するクーラントによって冷却される。エンジン1を冷却することで温度が上がったクーラントはラジエータ57に供給され上記冷却用ファン8で発生する風によって冷却される。そしてエンジン1のウオータジャケットに戻される。またエンジン1が強制空冷エンジンの場合には冷却用ファン8で発生した風によってエンジン1を直接冷却してもよい。
【0288】
また冷却用ファン8によって作動油を冷却しないでエンジン1のみを冷却する場合にも本発明を適用することができる。
【0289】
冷却用ファン8によってエンジン1と作動油の両方を冷却する場合には、検出温度としてタンク9の温度Tt以外にクーラントの温度(水温)Tcが温度センサ45aと同様の温度センサ23(図1参照)によって検出される。
【0290】
この場合の冷却に必要なクーラント温度Tc、タンク温度Ttとファン目標回転数Naの対応関係を図17に示す。
【0291】
すなわち同図17に示すように予めクーラント温度Tcとファン目標回転数Naの対応関係が設定されるとともにタンク温度Ttとファン目標回転数Naの対応関係が設定される。そこで現在のクーラント温度Tc1に対応するファン目標回転数Na1が求められる。また現在のタンク温度Tt2に対応するファン目標回転数Na2が求められる。そしてこれら求められたファン目標回転数Na1、Na2のうちで最も高い回転数MAX(Na1、Na2)が最終的なファン目標回転数Naとされる。なお上記クーラント、タンク以外の対象を冷却してもよい。この場合の冷却に必要なファン目標回転数Naは、各冷却対象ごとに求められるファン目標回転数をNa1、Na2、Na3、…とした場合Na=MAX(N1a、Na2、Na3、…)によって求めることができる。
【0292】
以上のようにしてコントローラ13では温度センサ45aで検出された温度Tt(たとえば作動油温度Tt2)に対応する目標ファン回転数Naが求められると、この目標ファン回転数Naに対応する目標吸収トルクTraが上記(11)式(Tr=k1・N^2)にしたがい求められる。そして上記求められた吸収トルクTraをTC弁25で設定するために必要な電流指令iが電磁比例制御弁24に対して出力される。
【0293】
いま電流指令iが最大吸収トルク値Tra1を設定する指令であるとすると、電磁比例制御弁24からTC弁25に対して加えられるパイロット圧Ppは遮断される。このときのTC弁25の動作について説明する。
【0294】
いまTC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)がバネ25aによるバネ力よりも大きくなると、TC弁25は図中右側に押され図中左側の弁位置に位置される。これによりTC弁25から管路35を介して圧油がサーボピストン26に流入される。このためサーボピストン26は最小容量MIN側に移動されファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを最小容量側に駆動する。この結果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが減少される。
【0295】
一方、TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)がバネ25aによるバネ力よりも小さくなると、TC弁25は図中左側に押され図中右側の弁位置に位置される。これによりサーボピストン26から管路35、TC弁25を介して圧油がタンク9に排出される。このためサーボピストン26は最大容量MAX側に移動されファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを最大容量側に駆動する。この結果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが増加される。
【0296】
またTC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧P)とバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。この中央の弁位置に位置されるときには油圧ポンプ2の吐出圧油が管路32を介してTC弁25内の絞りを通過する。さらに管路33上の固定絞り33を通過する。この結果油圧ポンプ2の吐出圧Pが圧力PmLSまで減圧された上でチェック弁19に流入されることになる。
【0297】
このようにして図16のカーブA1上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTra1に一致される。
【0298】
また目標ファン回転数Naがより低い回転数に決定されると、より低い設定吸収トルクTra2またはさらにより低い吸収トルクTra3にするための電流指令iがコントローラ13から電磁比例制御弁24に対して出力される。このため電磁比例制御弁24からTC弁25に対して加えられるパイロット圧Ppは増加される。
【0299】
このときTC弁25のパイロットポート25cに加えられるパイロット圧Ppが増加するのでパイロットポート25cに対向して設けられたバネ25aによるバネ力が強められる。したがってTC弁25でより低い吸収トルク値Tra2またはさらにより低い吸収トルク値Tra3が設定される。
【0300】
よって設定吸収トルクTra2にするための電流指令iがコントローラ13から出力された場合には図16のカーブA2上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTra2に一致される。また設定吸収トルクTra3にするための電流指令iがコントローラ13から出力された場合には図16のカーブA3上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTra3に一致される。
【0301】
以上のようにしてファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrは一定の設定吸収トルク値Tra1またはTra2またはTra3に保持される。この結果冷却用ファン8のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0302】
ところでファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aには、油圧ポンプ2から吐出された圧油とともに、タンク9から圧油が管路28、31、29、17上をチェック弁30を通過して導入されている。したがって油圧ポンプ2の吐出流量が急激に低下した場合など、キャビテーションの発生を防止することができる。
【0303】
なおコントローラ13において上述したような冷却用ファン8の回転数の制御(吸収トルクの制御)を行うに際して、ファン回転数センサ36で検出された冷却用ファン8の実際のファン回転数Nをフィードバック信号として、目標ファン回転数Naと実際のファン回転数Nとの偏差が零となるようなフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0304】
図13はこの実施形態の制御ブロック図を示している。図10のコントローラ13に対応する要素が図13の制御部59である。冷却用ファン8の目標回転数Naとファン回転数センサ36で検出された実際のファン回転数Nとの偏差Nerrが算出され、制御部59に加えられる。そして制御部59では偏差Nerrを零にするとともに吸収トルクTraをTC弁25で設定するために必要な電流指令iが生成され電磁比例制御弁24に対して出力される。
【0305】
もちろんファン回転数センサ36で検出された冷却用ファン8の実際のファン回転数Nを制御に使用しないオープンループ制御でファン回転数を制御してもよい。
【0306】
つぎに作業機の作動状況に応じた動作(r)、(s)、(t)について説明する。なお以下の説明では設定吸収トルクTrとしてTra1が設定されているものとする。
【0307】
冷却用ファンと作業機が複合動作していて作業機の負荷が小さい場合
いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される作業機が複合動作していて作業機の負荷が小さい場合を考える。
【0308】
油圧ポンプ2側のLS弁20では、油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧との差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われている。ここで油圧ポンプ2は油圧シリンダ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源である。このためつぎのような問題が生じる。
【0309】
いま油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下であるとすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧は低くなる。したがってLS弁20でロードセンシング制御が行われると油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧の低下に伴い油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くなる。したがって油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0310】
そこで本実施形態では、つぎのようにしてファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクを確保している。
【0311】
すなわちいまチェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧でありチェック弁19の流入側の圧力はPmLSである。この圧力PmLSは油圧ポンプ2の吐出圧(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧)Pにほぼ一致する圧力である。
【0312】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、負荷圧PLSに応じた信号圧よりも圧力PmLSの方が高いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油が管路18に流出され、管路18、LS圧管路16を介してLS弁20のパイロットポート20cに加えられる。なおチェック弁19と同様に、負荷圧PLSに応じた信号圧、圧力PmLSのうちで大きい方の圧力を選択してLS弁20に導くことができる部材であれば、チェック弁19の代わりに使用することができる。
【0313】
このためLS弁20では、油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力PmLSとの差圧を第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。選択された圧力PmLSは油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧よりも高いのでこれに伴い油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pが増加していく。つまり図16に示すようにファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力PはPcまで増加される。TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力Pcとバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。この中央の弁位置に位置されるときには油圧ポンプ2の吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過する。この結果油圧ポンプ2の吐出圧Pcが圧力PmLSまで減圧された上でチェック弁19から流出されLS弁20のパイロットポート20cに加えられる。
【0314】
このようにしてファン駆動用油圧モータ7は圧力Pcで吸収トルクが設定吸収トルクに一致し、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるために必要な最低限のトルクが確保される。一方油圧ポンプ2側のLS弁20では油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧よりも高い圧力PmLSを用いてロードセンシング制御が行われる。
【0315】
(s)冷却用ファンが単独動作している場合
いま冷却用ファン8のみが動作しており油圧シリンダ4により作動される作業機が動作していない場合を考える。この場合も複合動作の場合と同様にして、ファン駆動用油圧モータ7は圧力Pcでマッチングし、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保される。一方油圧ポンプ2側のLS弁20のパイロットポート20cには油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧よりも高い圧力PmLSが加えられた状態になっている。
【0316】
(t)冷却用ファンと作業機が複合動作していて作業機の負荷が大きい場合
いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される作業機が複合動作していて作業機の負荷が大きい場合を考える。
【0317】
油圧ポンプ2側のLS弁20では、油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧との差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われている。
【0318】
いま油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下であるとすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧は高くなる。したがってLS弁20でロードセンシング制御が行われると油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧の増大に伴い油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pが増加していく。つまり図16に示すようにファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力PはPaまで増加される。これに伴いファン駆動用油圧モータ7の容量DはDaまで低下される。TC弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力Paとバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。このときファン駆動用油圧モータ7の容量DはDaに設定される。TC弁25が中央の弁位置に位置されるときには油圧ポンプ2の吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過する。チェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧でありチェック弁19の流入側の圧力はPmLSである。
【0319】
油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下では、負荷圧PLSに応じた信号圧の方が圧力PmLSよりも高いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油は管路18に流出されない。このためLS弁20では、油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧との差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0320】
このようにしてファン駆動用油圧モータ7は圧力Paで設定吸収トルクに一致し、ファン駆動用油圧モータ7が一定吸収トルクTra1で駆動される。一方油圧ポンプ2側のLS弁20では油圧シリンダ4の負荷圧PLSに応じた信号圧を用いてロードセンシング制御が行われる。
【0321】
以上のように図10に示す実施形態によれば、ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrを設定吸収トルク値Traにするための指令iに応じてトルク制御弁25が駆動制御される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTrが変動する状況下であっても吸収トルクTrが一定の設定トルク値Traに保持される。この結果冷却用ファン8のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0322】
さらに本実施形態では、ロードセンシング制御と冷却用ファン回転数の制御(または温度制御)とが同時になされることにより、油圧アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7両方のエネルギー効率を全体として高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施形態のブロック図であり図1(b)は図1(a)の一部の構成の変形例を示す図である。
【図2】図2は目標ファン回転数を求めるグラフである。
【図3】図3は図1のコントローラで行われる制御の全体の処理手順を示す図である。
【図4】図4は図3の入力処理の手順を示す図である。
【図5】図5は図3の制御計算の手順を示す図である。
【図6】図6は図3のEPC弁出力処理の手順を示す図である。
【図7】図5の制御温度換算の処理の手順を示す図である。
【図8】図8(a)は図5の目標ファン回転数計算の処理の手順を示す図で、図8(b)はポンプ目標流量から指令電流値を求めるグラフである。
【図9】図9(a)は図6のEPC弁出力処理の手順を示す図であり図9(b)、(c)、(d)は各ステータス毎に異なるモジュレーション処理の内容を説明する図である。
【図10】図1は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の実施形態を示す油圧回路図である。
【図11】図11は実施形態の制御ブロック図である。
【図12】図12はエンジン始動直後の制御の処理の手順を示す図である。
【図13】図13は実施形態の制御ブロック図である。
【図14】図14は実施形態のラジエータとオイルクーラと冷却用ファンの配置関係を示す図である。
【図15】図15は実施形態のラジエータとオイルクーラと冷却用ファンの配置関係を示す図である。
【図16】図16はファン駆動用油圧モータの圧力と容量の関係を示す図である。
【図17】図17は対象物の温度とファン目標回転数との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 油圧ポンプ
3 操作弁
4 油圧シリンダ
5、6 斜板駆動機構部
7 ファン駆動用油圧モータ
8 冷却用ファン
9 タンク
13、47 コントローラ
20 LS弁
25 TC弁
24、40 電磁比例制御弁(EPC弁)
43 トルクコンバータ
46 回転数制御スイッチ
55 作業モード選択スイッチ
57 ラジエータ
60 オイルクーラ

Claims (10)

  1. 駆動源(1)で発生する熱量が作業モード毎に異なる油圧駆動機械に設けられ、前記駆動源(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記駆動源(1)の冷却水を冷却する冷却用ファン(8)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる油圧モータ(7)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
    前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段(23)と、
    前記作業モードの中から何れかを選択する作業モード選択スイッチ(55)と、
    前記冷却水温度検出手段(23)で検出された温度及び前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する目標ファン回転数を設定し、さらに所定時間間隔毎に略最大回転数を目標ファン回転数として設定する目標ファン回転数設定手段(50)と、
    前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数になるように、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御する容量制御手段(47、40)と
    を備えたことを特徴とする冷却用ファンの駆動制御装置。
  2. 駆動源(1)で発生する熱量が作業モード毎に異なる油圧駆動機械に設けられ、前記駆動源(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記駆動源(1)によって作動する機器(43)の作動油を冷却する冷却用ファン(8)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる油圧モータ(7)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
    前記作動油の温度を検出する作動油温度検出手段(45)と、
    前記作業モードの中から何れかを選択する作業モード選択スイッチ(55)と、
    前記作動油温度検出手段(45)で検出された温度及び前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する目標ファン回転数を設定し、さらに所定時間間隔毎に略最大回転数を目標ファン回転数として設定する目標ファン回転数設定手段(50)と、
    前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数になるように、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御する容量制御手段(47、40)と
    を備えたことを特徴とする冷却用ファンの駆動制御装置。
  3. 前記目標ファン回転数設定手段(50)は、前記作動油温度検出手段(45)で検出された温度に対応する第1の目標ファン回転数を、前記作業モード選択スイッチ(55)で選択された作業モードに対応する所定回転数で補正して第2の目標ファン回転数を求め、この第2の目標ファン回転数を前記目標ファン回転数として設定すること
    特徴とする請求項1または2記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  4. 前記冷却用ファン(8)の回転数を検出するファン回転数検出手段(36)を備え、
    前記容量制御手段(47、40)は、前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数と、前記ファン回転数検出手段(36)で検出されたファン回転数との偏差に応じて、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御すること
    を特徴とする請求項1または2または3記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  5. 前記容量制御手段(47、40)は、前記冷却用ファン(8)のファン回転数が前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数に達するまでに前記冷却用ファン(8)のファン回転数を徐々に変化させる制御を行うこと
    を特徴とする請求項1または2または3記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  6. 前記目標ファン回転数設定手段(50)で設定された目標ファン回転数が所定の制限回転数以上である場合には、目標ファン回転数を当該制限回転数に補正する補正手段(46)を備え、
    前記容量制御手段(47、40)は、前記冷却用ファン(8)のファン回転数と前記補正手段(46)によって補正された補正目標ファン回転数との差に応じて、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を制御すること
    を特徴とする請求項1または2または3または5記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  7. 前記冷却用ファン(8)を、所定の時刻または所定時間間隔毎に、前記冷却水または前記作動油を冷却する際の回転方向とは逆の回転方向に回転させる制御を行うこと
    を特徴とする請求項1または2または3または4または5または6記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  8. 前記容量制御手段(47、40)は、前記駆動源(1)が始動された際には、前記油圧ポンプ(2)または油圧モータ(7)の容量(2a)を最小の容量にする制御を行うこと
    を特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  9. 前記目標ファン回転数を指示する指示手段(55)を備え、
    前記目標ファン回転数設定手段(50)は、前記指示手段(55)で指示された目標ファン回転数の指示内容に対応する目標ファン回転数を設定すること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  10. 前記油圧ポンプ(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることによって作動する油圧アクチュエータ(4)と、
    前記油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が所望の設定差圧になるように前記油圧ポンプ(2)の容量(2a)を変化させるポンプ容量制御弁(20)とを備えていること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
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