JP2000161060A - 冷却用ファンの駆動装置 - Google Patents

冷却用ファンの駆動装置

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JP2000161060A
JP2000161060A JP10341799A JP34179998A JP2000161060A JP 2000161060 A JP2000161060 A JP 2000161060A JP 10341799 A JP10341799 A JP 10341799A JP 34179998 A JP34179998 A JP 34179998A JP 2000161060 A JP2000161060 A JP 2000161060A
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hydraulic pump
cooling fan
hydraulic
hydraulic motor
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和弘 丸田
Teruo Akiyama
照夫 秋山
Nobusane Yoshida
伸実 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機種毎に専用の油圧機器、専用の油圧回路を用
意して油圧回路を構築する必要をなくして汎用性の高い
冷却用ファンの駆動装置を提供する。さらにエンジンと
は別体の油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、より
少ない部品点数で油圧回路を構築できるようにする。さ
らにまたファン駆動用油圧モータの吸収トルクが変動し
た場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を
安定させる制御を行う。さらにまたファン駆動用油圧モ
ータの負荷が変動した場合に冷却用ファンの回転数の変
動を抑制して回転を安定させる制御を行う。 【解決手段】冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は
可変容量型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7
c)を変化させる斜板駆動機構部6を駆動制御すること
によって行われる。ファン駆動用油圧モータ7の吸収ト
ルクTを設定吸収トルク値Taにするための指令iに応
じてトルク制御弁25が駆動制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷却用ファンを駆動
する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械などの油圧駆動機械ではエンジ
ンによって油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから吐出
された作動圧油が操作弁を介して油圧シリンダなどの油
圧アクチュエータに供給される。これにより作業機が作
動することになる。
【0003】エンジンや作動圧油には冷却が必要であ
る。
【0004】エンジンの冷却には主として水冷式の冷却
装置が用いられる。すなわちエンジン本体に設けられた
ウオータジェケットにクーラント(冷却水)を循環させ
ることで冷却が行われる。ウオータジャケット内で熱く
なったクーラントはラジエタに導かれて冷却され、冷や
されたクーラントは再びウオータジャケットに戻され
る。
【0005】作動圧油の冷却は作動圧油をオイルクーラ
に導くことで行われる。油圧回路内のエネルギー損失は
熱として作動圧油に伝導する。クーラントと同様に作動
圧油はオイルクーラへ導かれて冷却され、冷やされた作
動圧油は再び油圧回路に戻される。
【0006】ラジエータとオイルクーラは共に、冷却用
ファンによって発生する風によって冷やされる。大抵の
場合冷却用ファンの発生する風の通路にオイルクーラ、
ラジエータが順に設置される。その具体的配置は常に冷
却効率が考慮される。
【0007】この冷却用ファンはエンジンの駆動軸に取
り付けられている。このため冷却用ファンの回転数はエ
ンジン回転数に応じたものになる。
【0008】近年建設機械の騒音低減の要請がある。こ
のためエンジンで発生する音を防音するためにエンジン
を遮蔽するという対策がとられる。しかしエンジンを遮
蔽する場合にはエンジンの駆動軸に冷却用ファンを取り
付けることができない。
【0009】そこで特開平9−250342号公報にみ
られる技術が採用されている。
【0010】この公報には、エンジンとは別体のファン
駆動用の固定容量型油圧ポンプとファン駆動用の固定容
量型油圧モータを配設しファン駆動用の固定容量型油圧
ポンプから吐出される圧油をファン駆動用の固定容量型
油圧モータに供給して冷却用ファンを駆動する発明が記
載されている。
【0011】この場合固定容量型油圧ポンプはファン駆
動専用の油圧ポンプとして設けられている。そしてファ
ン駆動専用の固定容量型油圧ポンプからファン駆動用の
固定容量型油圧モータに対する圧力が低下した場合、タ
ンクからファン駆動用固定容量型油圧モータへ圧油を遅
れなく補充供給してキャビテーションを防止するために
切換弁による制御が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の発明に
よればエンジンとは別体の油圧ポンプを駆動源として冷
却用ファンを駆動している。このため冷却用ファン、ラ
ジエータ、オイルクーラその他機器の配置の自由度が増
しエンジンの遮蔽と冷却用ファンによる冷却が両立す
る。しかし次のような問題点を有している。
【0013】すなわち上記公報記載のファン駆動用の固
定容量型油圧ポンプはファン駆動専用に設けられてい
る。よって専用の油圧ポンプを新たに配設する必要があ
るため部品点数が増加することになる。ここでエンジン
とは別体の油圧源で冷却用ファンを駆動する場合に、よ
り少ない部品点数で油圧回路を構築したいとの要求があ
る。しかしこの要求には応えることはできない。
【0014】さらに上記公報記載の制御の内容は、タン
クからファン駆動用固定容量型油圧モータへ圧油を遅れ
なく補充供給してキャビテーションを防止するという制
御でしかない。
【0015】ここでファン駆動用油圧モータの吸収トル
クが変動する状況下では冷却用ファンの回転数が変動し
てしまい回転が安定しなくなる。上記公報記載の発明に
よればファン駆動用油圧モータの吸収トルクが変動した
場合に冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安
定させる制御を行うことはできなかった。
【0016】さらにファン駆動用油圧モータの負荷が変
動する状況下においても冷却用ファンの回転数が変動し
てしまい回転が安定しなくなる。上記公報記載の発明に
よればファン駆動用油圧モータの負荷が変動した場合に
冷却用ファンの回転数の変動を抑制して回転を安定させ
る制御を行うことができなかった。
【0017】そこで本発明は油圧源で冷却用ファンを駆
動する場合に、より少ない部品点数で油圧回路を構築で
きるようにすることを解決課題とする。
【0018】さらにまた本発明はファン駆動用油圧モー
タの吸収トルクが変動した場合に冷却用ファンの回転数
の変動を抑制して回転を安定させる制御を行うことを解
決課題とする。
【0019】さらにまた本発明はファン駆動用油圧モー
タの負荷が変動した場合に冷却用ファンの回転数の変動
を抑制して回転を安定させる制御を行うことを解決課題
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段および効果】そこで本発明
の第1発明では、駆動源(1)によって駆動される主油
圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出さ
れた作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることに
よって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆動
源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
(8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、前
記主油圧ポンプ(2)から吐出された圧油が流入ポート
(7a)から流入されることによって作動され前記冷却
用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ
(7)と、前記可変容量型油圧モータ(7)の吸収トル
クが設定吸収トルクと一致するように前記可変容量型油
圧モータ(7)の容量(7c)を制御する容量制御弁
(25)とを具えるようにしている。
【0021】第1発明を図1を参照して説明する。
【0022】第1発明によれば、冷却用ファン8の回転
数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モー
タ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6
を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部
6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動
に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用し
て油圧回路を構築することができる。したがって汎用性
の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能と
なる。
【0023】さらに第1発明によれば、既存の作業機駆
動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとし
て利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を
省略することができる。このため油圧機器の部品点数を
少なくすることができる。
【0024】さらにまた第1発明によれば、ファン駆動
用油圧モータ7の吸収トルクTを設定吸収トルク値Ta
にするための指令iに応じて容量制御弁25が駆動制御
される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の吸収トル
クTが変動する状況下であっても吸収トルクTが設定ト
ルク値Taに保持される。この結果冷却用ファン8のフ
ァン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0025】また第2発明では、駆動源(1)によって
駆動される主油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ
(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して
供給されることによって作動する油圧アクチュエータ
(4)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却
する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の
吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差
圧が所望の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ
(2)の容量(2a)を制御する主ポンプ容量制御弁
(20)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、
前記主油圧ポンプ(2)から吐出された圧油が流入ポー
ト(7a)から流入されることによって作動され前記冷
却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ
(7)と、前記可変容量型油圧モータ(7)の吸収トル
クが設定吸収トルクと一致するように前記可変容量型油
圧モータ(7)の容量(7c)を制御する容量制御弁
(25)と、前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と
前記可変容量型油圧モータ(7)の負荷圧のうちで大き
い方の負荷圧を選択する負荷圧選択手段(19)とを具
え、前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前記主
油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記負荷圧選択手段(1
9)で選択された負荷圧との差圧を前記所望の設定差圧
にする制御を行わせるようにしている。
【0026】第2発明を図1を参照して説明する。
【0027】第2発明によれば、冷却用ファン8の回転
数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モー
タ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6
を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部
6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動
に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用し
て油圧回路を構築することができる。したがって汎用性
の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能と
なる。
【0028】さらに第2発明によれば、既存の作業機駆
動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとし
て利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を
省略することができる。このため油圧機器の部品点数を
少なくすることができる。
【0029】さらにまた第2発明によれば、ファン駆動
用油圧モータ7の吸収トルクTを設定吸収トルク値Ta
にするための指令iに応じて容量制御弁25が駆動制御
される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の吸収トル
クTが変動する状況下であっても吸収トルクTが設定ト
ルク値Taに保持される。この結果冷却用ファン8のフ
ァン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0030】ところで主ポンプ容量制御弁20では、主
油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧アクチュエータ4の負荷
圧PLSとの差圧を所望の設定差圧にするロードセンシン
グ制御が行われる。ここで主油圧ポンプ2は油圧アクチ
ュエータ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆
動源である。したがって油圧アクチュエータ4の負荷
(作業機の負荷)が軽い状況下でロードセンシング制御
を行うとすると、油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSは
低くなりこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くな
る。したがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モ
ータ7に供給される流量が不足する。このためファン駆
動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルク
が確保できなくなる。
【0031】そこで本第2発明では、油圧アクチュエー
タ4の負荷圧PLSとファン駆動用油圧モータ7の負荷圧
PmLSのうちで大きい方の負荷圧が選択される。油圧ア
クチュエータ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下で
は、ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが選択さ
れる。この負荷圧PmLSは主油圧ポンプ2の吐出圧Pに
ほぼ一致する圧力である。
【0032】そして主油圧ポンプ容量制御手段20で
は、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された負荷圧
(PmLS)との差圧を所望の設定差圧にするロードセン
シング制御が行われる。よって選択された負荷圧PmLS
は油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSよりも高いのでこ
れに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したが
ってファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加し
ていく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させ
るに必要な最低限のトルクが確保される。
【0033】また第3発明では、第1発明または第2発
明において、前記容量制御弁(25)に対して設定吸収
トルクを指示する設定吸収トルク指示手段(13、2
4)をさらに具えるようにしている。
【0034】第3発明を図1、図4を参照して説明す
る。
【0035】第3発明によれば第1発明または第2発明
と同様の効果が得られる。
【0036】さらに第3発明によれば設定トルク指示手
段(コントローラ13、電磁比例制御弁24)によっ
て、ファン駆動用油圧モータ7で必要な設定吸収トルク
値Taが容量制御弁25に対して指示される。具体的に
は図4に示すように必要に応じてTa1、Ta2、Ta3とい
う大きさの異なる設定吸収トルク値Taが容量制御弁2
5に指示される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の
吸収トルクTの大きさがTa1、Ta2、Ta3と変化され
る。このように本第3発明によればファン駆動用油圧モ
ータ7の吸収トルクTを必要に応じて変化させることが
できる。
【0037】また第4発明では、駆動源(1)によって
駆動される主油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ
(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して
供給されることによって作動する油圧アクチュエータ
(4)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却
する冷却用ファン(8)とを具えた冷却用ファンの駆動
装置において、前記冷却用ファン(8)を回転させる可
変容量型油圧モータ(7)と、前記主油圧ポンプ(2)
の圧油吐出口(2b)と前記可変容量型油圧モータ
(7)の流入ポート(7a)とを接続する管路(17
a、17b)上に設けられ、前記主油圧ポンプ(2)の
圧油吐出口(2b)から前記可変容量型油圧モータ
(7)の流入ポート(7a)に流入させる圧油の流量を
制御する流量制御弁(41)とを具えるようにしてい
る。
【0038】第4発明を図2を参照して説明する。
【0039】第4発明によれば、冷却用ファン8の回転
数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モー
タ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6
を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部
6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動
に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用し
て油圧回路を構築することができる。したがって汎用性
の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能と
なる。
【0040】さらに第4発明によれば、既存の作業機駆
動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとし
て利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を
省略することができる。このため油圧機器の部品点数を
少なくすることができる。
【0041】さらにまた第4発明によれば、作業機用油
圧アクチュエータ4に対して供給する圧油の流量を制御
する操作弁3と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側に
もファン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制
御する流量制御弁41が設けられる。
【0042】また第5発明では、駆動源(1)によって
駆動される主油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ
(2)から吐出された作動圧油が操作弁(3)を介して
供給されることによって作動する油圧アクチュエータ
(4)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却
する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の
吐出圧と前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧との差
圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ
(2)の容量(2a)を制御する主ポンプ容量制御弁
(20)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、
前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モ
ータ(7)と、前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口
(2b)と前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポー
ト(7a)とを接続する管路(17a、17b)上に設
けられ、前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)
から前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7
a)に流入させる圧油の流量を制御する流量制御弁(4
1)と、前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧
力と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力
との差圧が第2の設定差圧になるように前記可変容量型
油圧モータ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁
(50)と、前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と
前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のう
ちで大きい方の圧力を選択する圧力選択手段(19)と
を具え、前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前
記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記圧力選択手段(1
9)で選択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧に
する制御を行わせるようにしている。
【0043】第5発明を図2を参照して説明する。
【0044】第5発明によれば、冷却用ファン8の回転
数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モー
タ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6
を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部
6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2の斜板の駆動
に使用されている斜板駆動機構部5と同じものを利用し
て油圧回路を構築することができる。したがって汎用性
の高い冷却用ファンの駆動装置を提供することが可能と
なる。
【0045】さらに第5発明によれば、既存の作業機駆
動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプとし
て利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設を
省略することができる。このため油圧機器の部品点数を
少なくすることができる。
【0046】さらにまた第5発明によれば、作業機用油
圧アクチュエータ4に対して供給する圧油の流量を制御
する操作弁3と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側に
もファン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制
御する流量制御弁41が設けられる。
【0047】差圧制御弁50では、上記流量制御弁41
の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の
設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0048】ここで油圧回路の一般公式より流量制御弁
41の絞りの開口面積をAr、流量係数をcとすると、
流量制御弁41の絞りの前後を流れる流量Qmつまりフ
ァン駆動用油圧モータ7に供給される流量Qmと流量制
御弁41の絞りの前後差圧ΔPmとの間には以下の関係
が成立する。 Qm=c・Ar・√(ΔPm) …(1) 上記(1)式より明らかに前後差圧ΔPmが所望の第2
の設定差圧に保持されれば、開口面積Arに比例した流
量Qmが得られる。したがってこのとき流量制御弁41
に対する駆動指令値(開口指令Ar)に比例してファン
駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qmは変化し、こ
れに比例して冷却用ファン8の回転数Nが変化する。そ
して冷却用ファン8の回転数Nの変化に応じてファン駆
動用油圧モータ7の吸収トルクTが変化される。このた
め流量制御弁41を制御することによってファン駆動用
油圧モータ7で必要な一定の吸収トルク値Taが得ら
れ、冷却用ファン8で一定のファン回転数Naが得られ
る。
【0049】さらにロードセンシング制御を行うように
しているのでファン駆動用油圧モータ7の負荷PmLSが
変動する状況下であっても流量制御弁41に対する開口
指令Arに比例した一定のファン回転数Naが冷却用ファ
ン8で得られる。
【0050】このように第5発明によれば、ファン駆動
用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却用
ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0051】一方主ポンプ容量制御弁20においても、
主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧アクチュエータ4の負
荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセ
ンシング制御が行われる。ここで主油圧ポンプ2は油圧
アクチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の
油圧駆動源である。したがって油圧アクチュエータ4の
負荷(作業機の負荷)が軽い状況下でロードセンシング
制御を行うとすると、油圧アクチュエータ4の負荷圧P
LSは低くなりこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低
くなる。したがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油
圧モータ7に供給される流量が不足する。このためファ
ン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のト
ルクが確保できなくなる。
【0052】そこで本第5発明では、油圧アクチュエー
タ4の負荷圧PLSと流量制御弁41から流出される圧油
の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmL
S)のうちで大きい方の圧力が選択される。油圧アクチ
ュエータ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下では、
流量制御弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファ
ン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)が選択される。
【0053】そして主油圧ポンプ容量制御手段20で
は、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力
(PmLS)との差圧を所望の設定差圧にするロードセン
シング制御が行われる。よって選択された圧力PmLSは
油圧アクチュエータ4の負荷圧PLSよりも高いのでこれ
に伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高くなる。したがっ
てファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加して
いく。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させる
に必要な最低限のトルクが確保される。
【0054】また第6発明では、第4発明または第5発
明において、前記流量制御弁(41)に対して前記可変
容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入さ
せる圧油の流量を指示する流量指示手段(13、40)
をさらに具えるようにしている。
【0055】第6発明を図2を参照して説明する。
【0056】第6発明によれば第4発明または第5発明
と同様の効果が得られる。
【0057】さらに第6発明によれば流量指示手段(コ
ントローラ13、電磁比例制御弁40)によって、ファ
ン駆動用油圧モータ7で必要な流量Qm(吸収トルク値
T)が流量制御弁41に対して指示される。具体的には
流量制御弁41の開口面積Arを変化させる指示が流量
制御弁41に与えられる。この結果ファン駆動用油圧モ
ータ7に対する供給流量Qmが変化される(吸収トルク
値Tが変化される)。このように本第4発明によればフ
ァン駆動用油圧モータ7に対する供給流量Qm(吸収ト
ルクT)を必要に応じて変化させることができる。
【0058】また第7発明では、第4発明または第5発
明において、前記主油圧ポンプ(2)以外に前記可変容
量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に圧油を供
給する補助油圧ポンプ(44)をさらに具えるようにし
ている。
【0059】第7発明を図2を参照して説明する。
【0060】第7発明によれば第4発明または第5発明
と同様の効果が得られる。
【0061】さらに第7発明によれば、以下のような効
果が得られる。
【0062】すなわち主油圧ポンプ2は作業機用油圧ア
クチュエータ4とファン駆動用油圧モータ7に共通する
油圧駆動源である。したがって作業機用油圧アクチュエ
ータ4が駆動され作業機が作動している状態では、主油
圧ポンプ2から吐出される圧油の流量の多くが作業機用
油圧アクチュエータ4に供給されている。このため主油
圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される
流量は不足する。このとき本第7発明によれば主油圧ポ
ンプ2以外に設けられた補助油圧ポンプ44からファン
駆動用油圧モータ7に圧油が補助供給されて不足分の流
量が補われる。
【0063】また第8発明は、第1発明または第2発明
または第4発明または第5発明において、前記可変容量
型油圧モータ(7)から流出された圧油が排出されるタ
ンク(9)と前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポ
ート(7a)との間を管路(37)で連通させ当該管路
(37)上に前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポ
ート(7a)側のみに圧油を導く手段(29)を設けた
ことを特徴とする。
【0064】第8発明を図2を参照して説明する。
【0065】第8発明によれば第1発明または第2発明
または第4発明または第5発明と同様の効果が得られ
る。
【0066】さらに第8発明によれば、ファン駆動用油
圧モータ7の流入ポート7aには、主油圧ポンプ2から
吐出された圧油とともに、タンク9から圧油が管路37
上をチェック弁29を通過して導入される。したがって
急激な圧力変化などが起きた場合にキャビテーション発
生を防止することができる。
【0067】また第9発明では、駆動源(1)によって
駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられた
主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、
2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出さ
れた作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給される
ことによって作動する油圧アクチュエータ(4、4′)
と、前記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷
却用ファン(8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置に
おいて、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐
出口(2b、2′b)から吐出された各作動圧油のうち
で最大の圧力となる作動圧油を選択する選択手段(6
4、65)と、前記選択手段(64、65)で選択され
た作動圧油が流入ポート(7a)から流入されることに
よって作動され前記冷却用ファン(8)を回転させる可
変容量型油圧モータ(7)とを具えている。
【0068】第9発明を図3を参照して説明する。
【0069】第9発明によれば、冷却用ファン8の回転
数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モー
タ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部6
を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構部
6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2、2′の斜板
の駆動に使用されている斜板駆動機構部5、5′と同じ
ものを利用して油圧回路を構築することができる。した
がって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供する
ことが可能となる。
【0070】さらに第9発明によれば、既存の作業機駆
動用の主油圧ポンプ2、2′をファン駆動用の油圧ポン
プとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの
配設を省略することができる。このため油圧機器の部品
点数を少なくすることができる。第9発明によれば主油
圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、2′bが設
けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧油をファン
駆動用油圧モータ7に供給させることができる。
【0071】また第10発明では、駆動源(1)によっ
て駆動され圧油吐出口(2b、2′b)が複数設けられ
た主油圧ポンプ(2、2′)と、前記主油圧ポンプ
(2、2′)の複数の圧油吐出口(2b、2′b)から
吐出された作動圧油が操作弁(3、3′)を介して供給
されることによって作動する複数の油圧アクチュエータ
(4、4′)と、前記駆動源(1)または前記作動圧油
を冷却する冷却用ファン(8)と、前記主油圧ポンプ
(2)の吐出圧と前記複数の油圧アクチュエータ(4、
4′)の負荷圧との差圧が第1の設定差圧になるように
前記主油圧ポンプ(2、2′)の容量(2a、2′a)
を制御する主ポンプ容量制御弁(20、20′)とを具
えた冷却用ファンの駆動装置において、前記冷却用ファ
ン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ(7)と、
前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2
b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の
圧力となる作動圧油を選択するポンプ圧選択手段(6
4、65)と、前記ポンプ圧選択手段(64、65)で
選択された作動圧油を前記可変容量型油圧モータ(7)
の流入ポート(7a)に連通させる管路(17a、17
b)と、前記管路(17a、17b)上に設けられ、前
記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に
流入する圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、
前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記
流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧
が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モー
タ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)
と、前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷
圧と前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力
のうちで大きい方の圧力を選択する負荷圧選択手段(1
9)とを具え、前記主油圧ポンプ容量制御手段(20、
20′)で、前記主油圧ポンプ(2、2′)の吐出圧と
前記負荷圧選択手段(19)で選択された圧力との差圧
を前記第1の設定差圧にする制御を行わせるようにした
ことを特徴とする。
【0072】第10発明を図3を参照して説明する。
【0073】第10発明によれば、冷却用ファン8の回
転数(風量)の制御は可変容量型のファン駆動用油圧モ
ータ7の容量(斜板7c)を変化させる斜板駆動機構部
6を駆動制御することによって行われる。斜板駆動機構
部6という一般の作業機用の主油圧ポンプ2、2′の斜
板の駆動に使用されている斜板駆動機構部5、5′と同
じものを利用して油圧回路を構築することができる。し
たがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供す
ることが可能となる。
【0074】さらに第10発明によれば、既存の作業機
駆動用の主油圧ポンプ2、2′をファン駆動用の油圧ポ
ンプとして利用することでファン駆動専用の油圧ポンプ
の配設を省略することができる。このため油圧機器の部
品点数を少なくすることができる。第10発明によれば
主油圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、2′b
が設けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧油をフ
ァン駆動用油圧モータ7に供給させることができる。
【0075】さらにまた第10発明によれば、作業機用
油圧アクチュエータ4、4′に対して供給する圧油の流
量を制御する操作弁3、3′と同様に、ファン駆動用油
圧モータ7側にもファン駆動用油圧モータ7に供給する
圧油の流量を制御する流量制御弁41が設けられる。
【0076】差圧制御弁50では、上記流量制御弁41
の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の
設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。
【0077】上記油圧の一般公式を示す(1)式より明
らかに前後差圧ΔPmが所望の第2の設定差圧に保持さ
れれば、開口面積Arに比例した流量Qmが得られる。し
たがってこのとき流量制御弁41に対する駆動指令値
(開口指令Ar)に比例してファン駆動用油圧モータ7
に対する供給流量Qmは変化し、これに比例して冷却用
ファン8の回転数Nが変化する。そして冷却用ファン8
の回転数Nの変化に応じてファン駆動用油圧モータ7の
吸収トルクTが変化される。このため流量制御弁41を
制御することによってファン駆動用油圧モータ7で必要
な一定の吸収トルク値Taが得られ、冷却用ファン8で
一定のファン回転数Naが得られる。
【0078】さらにロードセンシング制御を行うように
しているのでファン駆動用油圧モータ7の負荷PmLSが
変動する状況下であっても流量制御弁41に対する開口
指令Arに比例した一定のファン回転数Naが冷却用ファ
ン8で得られる。
【0079】このように第10発明によれば、ファン駆
動用油圧モータ7の負荷が変動した場合であっても冷却
用ファン8の回転数Nの変動が抑制され回転が安定す
る。
【0080】一方主ポンプ容量制御弁20、20′にお
いても、主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2と複数
の油圧アクチュエータ4の負荷圧(最大負荷圧)PLSと
の差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制
御が行われる。ここで主油圧ポンプ2、2′は油圧アク
チュエータ4、4′とファン駆動用油圧モータ7の共通
の油圧駆動源である。したがって複数の油圧アクチュエ
ータ4、4′の最大負荷(作業機の最大負荷)が軽い状
況下でロードセンシング制御を行うとすると、複数の油
圧アクチュエータ4、4′の最大負荷圧PLSは低くなり
これに伴い主油圧ポンプ2、2′の吐出圧P1、P2が低
くなる。したがって主油圧ポンプ2、2′からファン駆
動用油圧モータ7に供給される流量が不足する。このた
めファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低
限のトルクが確保できなくなる。
【0081】そこで本第10発明では、複数の油圧アク
チュエータ4、4′の最大負荷圧PLSと流量制御弁41
から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モ
ータ7の負荷圧PmLS)のうちで大きい方の圧力が選択
される。複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷
(作業機の負荷)が軽い状況下では、流量制御弁41か
ら流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用油圧モー
タ7の負荷圧PmLS)が選択される。
【0082】そして主油圧ポンプ容量制御手段20で
は、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと上記選択された圧力
(PmLS)との差圧を所望の設定差圧にするロードセン
シング制御が行われる。よって選択された圧力PmLSは
複数の油圧アクチュエータ4、4′の最大負荷圧PLSよ
りも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2、2′の吐出圧
P1、P2が高くなる。したがってファン駆動用油圧モー
タ7の負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆
動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルク
が確保される。
【0083】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
冷却用ファンの駆動装置の実施形態について説明する。
同図1に示す油圧回路はたとえば油圧ショベルなどの建
設機械に搭載される。適用対象が建設機械の場合同図1
に示す可変容量型の主油圧ポンプ2はたとえばブームを
作動させる油圧シリンダ4に圧油を供給する圧油供給源
となる。
【0084】主油圧ポンプ2は駆動源としてのエンジン
1によって駆動される。主油圧ポンプ2はたとえば斜板
式ピストンポンプで構成される。主油圧ポンプ2の斜板
2aが変化することによって主油圧ポンプ2の押し退け
容積(容量)(cc/rev)が変化される。
【0085】主油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)は
斜板駆動機構部5が作動されることによって変化され
る。
【0086】主油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い
込み圧油吐出口2bから吐出圧Pの圧油を吐出する。主
油圧ポンプ2の吐出圧油は管路11を介して操作弁3に
供給される。
【0087】操作弁3は可変絞りを有しており、操作レ
バー14の操作量に応じて開口面積が変化されることに
よって主油圧ポンプ2から吐出された圧油の流量が制御
される。すなわち操作弁3は流量制御弁として機能す
る。操作弁3で流量が制御された主油圧ポンプ2の吐出
圧油は管路12を介して油圧シリンダ4に供給される。
油圧シリンダ4に圧油が供給されることによってこの油
圧シリンダ4が駆動される。油圧シリンダ4が駆動され
ることによって図示せぬ作業機(ブーム)が作動され
る。操作弁3は圧油の流量を制御するだけではなく油圧
シリンダ4に対する圧油の供給方向を切り換える方向切
換弁としても機能する。
【0088】つぎに斜板駆動機構部5の構成について説
明する。
【0089】斜板駆動機構部5には、管路12から分岐
されたLS圧管路16が接続されているとともに管路1
1から分岐された管路12が接続されている。
【0090】斜板駆動機構部5は、流入される圧油の流
量に応じて主油圧ポンプ2の斜板2aを駆動してポンプ
容量を変化させるサーボピストン21と、パイロットポ
ートに加えられた主油圧ポンプ2の吐出圧P、油圧シリ
ンダ4の負荷圧PLSに応じて圧油の流量を制御し制御さ
れた圧油をサーボピストン21に流入させるLS弁20
(ロードセンシング弁20)とから構成されている。
【0091】LS弁20は、主油圧ポンプ2の吐出圧P
と油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔP(=P−P
LS)を第1の設定差圧ΔPLSに保持する制御を行う。こ
の制御はロードセンシング制御といわれる。第1の設定
差圧ΔPLSはLS弁20に付与されるバネ20aのバネ
力に応じて定まる。
【0092】すなわちLS弁20のパイロットポート2
0bには管路22を介してポンプ吐出圧Pが加えられ
る。一方上記パイロットポート20bに対向するように
バネ20aと同じ側に設けられたパイロットポート20
cにはLS圧管路16を介して負荷圧PLSが加えられ
る。
【0093】したがって差圧P−PLSが第1の設定差圧
ΔPLSよりも大きいときにはLS弁20は図中左側の弁
位置に移動される。このためLS弁20からサーボピス
トン21に対してポンプ吐出圧油が流入され、主油圧ポ
ンプ2の斜板2aが最小容量MIN側に移動される。こ
のため主油圧ポンプ2から吐出される流量が減らされ主
油圧ポンプ2の吐出圧Pが小さくなる。この結果差圧P
−PLSが小さくなり第1の設定差圧ΔPLSに一致され
る。逆に差圧P−PLSが第1の設定差圧ΔPLSよりも小
さくなったときにはLS弁20は右側の弁位置に移動さ
れる。このためサーボピストン21からLS弁20を介
して圧油がタンク9に流出され、主油圧ポンプ2の斜板
2aが最大容量MAX側に移動される。このため主油圧
ポンプ2から吐出される流量が増加され主油圧ポンプ2
の吐出圧Pが大きくなる。この結果差圧P−PLSが大き
くなり第1の設定差圧ΔPLSに一致される。以上のよう
にしてLS弁20によって常に差圧P−PLSが第1の設
定差圧ΔPLSに保持される。
【0094】本実施形態では作業機駆動用として備えら
れている上記主油圧ポンプ2が冷却用ファン8の油圧駆
動源として利用され、冷却用ファン8が駆動される。図
1の油圧回路において二点鎖線で囲まれた部分が冷却用
ファン駆動部10である。この冷却用ファン駆動部10
は一体のもの(モータアッセンブリ)として構築するこ
とができる。
【0095】主油圧ポンプ2のポンプ吐出圧管路11は
分岐管路17に接続されており、この分岐管路17は上
記冷却用ファン駆動部10に接続されている。
【0096】また油圧シリンダ4の負荷圧PLSを検出す
るLS圧管路16は分岐管路18に接続されており、こ
の分岐管路18は上記冷却用ファン駆動部10に接続さ
れている。
【0097】上記管路17はファン駆動用油圧モータ7
の流入ポート7aに連通している。ファン駆動用油圧モ
ータ7の出力軸には冷却用ファン8が取り付けられてい
る。このため主油圧ポンプ2から吐出された圧油は管路
11、17を介してファン駆動用油圧モータ7に供給さ
れこれに応じて冷却用ファン8が回転される。
【0098】ファン駆動用油圧モータ7は可変容量型の
油圧モータである。
【0099】ファン駆動用油圧モータ7の容量D(cc
/rev)は斜板駆動機構部6が作動されることによっ
て変化される。
【0100】ファン駆動用油圧モータ7は主油圧ポンプ
2の吐出圧油を流入ポート7aから流入させて出力軸を
出力回転数Nで回転させ冷却用ファン8を回転させる。
そしてファン駆動用油圧モータ7の流出ポート7bから
流出された圧油は管路27を通過してタンク9に戻され
る。ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力は主油圧ポン
プ2の吐出圧Pである。ファン駆動用油圧モータ7の出
力回転数つまり冷却用ファン8の回転数Nはファン回転
数センサ36によって検出される。
【0101】ここでファン駆動用油圧モータ7の吸収ト
ルクTと、冷却用ファン8の回転数Nとの間には、k1
を冷却用ファン8により定まる定数として次式(2)の
関係が成立する。なお^2は2乗を意味する(以下同様
である)。
【0102】T=k1・N^2 …(2) またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量D
と駆動圧力P(kg/cm2)と、冷却用ファン8の回転
数Nとの間には、k2を定数として次式(3)の関係が
成立する。
【0103】P・D・k2=k1・N^2 …(3) またファン駆動用油圧モータ7の1回転当たりの容量D
と、ファン駆動用油圧モータ7に供給される圧油の流量
をQm(l/min)との間には、k3を定数として次式
(3)の関係が成立する。
【0104】Qm=N・D …(4) したがって上記(2)、(3)、(4)式から明らかな
ように、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、流量
Qmが大きくなると冷却用ファン8の回転数Nは大きく
なる。そして冷却用ファン8の回転数Nの増加に伴いフ
ァン駆動用油圧モータ7の吸収トルクTが大きくなる。
【0105】図4はファン駆動用油圧モータ7の駆動圧
力Pと容量Dと吸収トルクTの関係を示している。図4
においてカーブA1は値の大きな設定吸収トルクTa1が
得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カー
ブA1上では設定吸収トルクTa1の値は一定となる。ま
たカーブA2は中程度の大きさの設定吸収トルクTa2が
得られる駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カー
ブA2上では設定吸収トルクTa2の値は一定となる。ま
たカーブA3は値の小さい設定吸収トルクTa3が得られ
る駆動圧力Pと容量Dの関係を示している。カーブA3
上では設定吸収トルクTa3の値は一定となる。ここで設
定吸収トルクTa1を最大トルク値とする。
【0106】温度センサ23ではタンク9内の作動油の
温度tが検出される。
【0107】コントローラ13は上記温度センサ23の
検出温度tを示す信号、上記ファン回転数センサ36の
検出ファン回転数Nを示す信号を入力して設定吸収トル
ク値Taを変化させるための電流指令iを生成しこの電
流指令iを冷却用ファン駆動部10に対して出力する。
【0108】冷却用ファン駆動部10の電磁比例制御弁
24はコントローラ13から出力された電流指令iが電
磁ソレノイド24aに入力されることによって弁位置が
変化され電流値iに対応する大きさのパイロット圧Pp
をTC弁25のパイロットポート25cに加える弁であ
る。
【0109】斜板駆動機構部6は、流入される圧油の流
量に応じてファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動
して容量Dを変化させるサーボピストン26と、主油圧
ポンプ2の吐出圧P(ファン駆動用油圧モータ7の駆動
圧力P)、電磁比例制御弁24から出力されたパイロッ
ト圧Ppに応じて圧油の流量を制御し制御された圧油を
サーボピストン26に流入させるTC弁25(トルク制
御弁25)とを中心に構成されている。
【0110】TC弁25は、ファン駆動用油圧モータ7
の駆動圧力Pと容量Dの積つまり吸収トルクTを設定吸
収トルク値Taに保持する制御を行う弁である。すなわ
ちTC弁25のパイロットポート25bには管路17、
29、29aを介してポンプ吐出圧Pが加えられる。ま
た上記パイロットポート25bと同じ側に設けられたパ
イロットポート25cには電磁比例制御弁24を介して
パイロット圧Ppが加えられる。TC弁25にはパイロ
ットポート25b、25cに対向する側にバネ25aが
配設されている。設定吸収トルク値TaはTC弁25に
付与されるバネ25aのバネ力に応じて定まる。バネ2
5aによって最大吸収トルク値Ta1が設定されるとす
る。また設定吸収トルク値Taは、TC弁25のパイロ
ットポート25cに加えられるパイロット圧Ppに応じ
て変化される。
【0111】サーボピストン26とTC弁25は管路3
5によって接続されている。この管路35を介してTC
弁25から圧油がサーボピストン26に流入出される。
【0112】管路17は管路29、32を介してTC弁
25の流入ポートに連通されている。TC弁25の流入
ポートには管路17、29、32を介して主油圧ポンプ
2のポンプ吐出圧油が流入される。
【0113】管路18はチェック弁19を介して管路3
3に接続されている。管路33はTC弁25に接続され
ている。管路33上には固定絞り34が配設されてい
る。チェック弁19はTC弁25、固定絞り34を通過
した圧油のみを管路18側に流出させる弁である。チェ
ック弁19の流出側つまり管路18側の圧力は負荷圧P
LSである。一方チェック弁19の流入側つまり管路33
側の圧力をPmLSとする。
【0114】タンク9は管路28、管路31、管路17
を介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポート7aに
連通されている。管路28上にはタンク9内の圧油をフ
ァン駆動用油圧モータ7の流入ポート7a側のみに導通
させるチェック弁30が配設されている。
【0115】つぎに図1に示すコントローラ13で行わ
れる処理を中心に図1の油圧回路で行われる動作につい
て説明する。
【0116】・トルク制御 コントローラ13は、ファン駆動用油圧モータ7の吸収
トルクTが一定の吸収トルク値Taになるトルク一定制
御を行う。ここでトルク一定制御を行う理由について説
明する。
【0117】従来技術によれば、作業機を駆動する油圧
ポンプと別に設けられたファン駆動専用の油圧ポンプに
よってファン駆動用油圧モータが駆動される。このため
ファン駆動用油圧モータの吸収トルクは作業機にかかる
負荷、操作弁の開口面積の変動の影響を受けない。した
がってファン駆動用油圧モータの吸収トルクは比較的安
定しており一定値を維持している。したがって冷却用フ
ァンのファン回転数の変動が抑制されて回転を安定させ
ることができる。
【0118】これに対して図1に示す実施形態の場合に
は作業機を駆動する主油圧ポンプ2がファン駆動用の油
圧ポンプとしてファン駆動用油圧モータ7を駆動する。
このため作業機にかかる負荷、操作弁3の開口面積の変
動の影響を受けてファン駆動用油圧モータ7の吸収トル
クは安定しない。したがって冷却用ファン8のファン回
転数が変動してしまい回転が安定しないことになる。
【0119】そこで冷却用ファン8のファン回転数の変
動を抑制して回転を安定させるべくファン駆動用油圧モ
ータ7の吸収トルクTを一定値Taに維持する制御を行
うものである。
【0120】コントローラ13には、タンク9の各温度
tに対応づけられて、冷却用ファン8で必要なファン目
標回転数Naが記憶されている。温度tに対応するファ
ン目標回転数Naで冷却用ファン8を回転させると、最
適に作動油が冷却される。これら温度tとファン目標回
転数Naの対応関係は、シミュレーション、実験などに
より求められる。
【0121】なお図1の実施形態では冷却用ファン8に
よって油圧シリンダ4などを作動させる作動油の温度を
冷却する場合を想定しているが、もちろん作動油とエン
ジン1(クーラント)の両方を冷却する場合にも適用す
ることができる。
【0122】この場合エンジン1はウオータジャケット
を循環するクーラントによって冷却される。エンジン1
から熱を奪ったクーラントはラジエータに供給され上記
冷却用ファン8で発生する風によって冷却されてエンジ
ン1のウオータジャケットに戻される。またエンジン1
が強制空冷エンジンの場合には冷却用ファン8で発生し
た風によってエンジン1を直接冷却してもよい。
【0123】また冷却用ファン8によって作動油を冷却
しないでエンジン1のみを冷却する場合にも本発明を適
用することができる。
【0124】冷却用ファン8によってエンジン1と作動
油の両方を冷却する場合には、検出温度tとしてタンク
9の温度t2以外にクーラントの温度(水温)t1が温度
センサ23と同様の温度センサによって検出される。
【0125】この場合の冷却に必要なクーラント温度t
1、タンク温度t2とファン目標回転数Naの対応関係を
図5に示す。
【0126】すなわち同図5に示すように予めクーラン
ト温度t1とファン目標回転数N1の対応関係が設定され
るとともにタンク温度t2とファン目標回転数N2の対応
関係が設定される。そこで現在のクーラント温度t1に
対応するファン目標回転数N1が求められる。また現在
のタンク温度t2に対応するファン目標回転数N2が求め
られる。そしてこれら求められたファン目標回転数N
1、N2のうちで最も高い回転数MAX(N1、N2)が最
終的なファン目標回転数Naとされる。なお上記クーラ
ント、タンク以外の対象を冷却してもよい。この場合の
冷却に必要なファン目標回転数Naは、各冷却対象ごと
に求められるファン目標回転数をN1、N2、N3、…と
した場合Na=MAX(N1、N2、N3、…)によって求
めることができる。
【0127】以上のようにしてコントローラ13で温度
センサ23で検出された温度t(たとえば作動油温度t
2)に対応する目標ファン回転数Naが求められると、こ
の目標ファン回転数Naに対応する目標吸収トルクTaが
上記(2)式(T=k1・N^2)にしたがい求められ
る。そして上記求められた吸収トルクTaをTC弁25
で設定するために必要な電流指令iが電磁比例制御弁2
4に対して出力される。
【0128】いま電流指令iが最大吸収トルク値Ta1を
設定する指令であるとすると、電磁比例制御弁24から
TC弁25に対して加えられるパイロット圧Ppはオフ
される。このときのTC弁25の動作について説明す
る。
【0129】いまTC弁25のパイロットポート25b
に加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧
P)がバネ25aによるバネ力よりも大きくなると、T
C弁25は図中右側に押され図中左側の弁位置に位置さ
れ。これによりTC弁25から管路35を介して圧油が
サーボピストン26に流入される。このためサーボピス
トン26は最小容量MIN側に移動されファン駆動用油
圧モータ7の斜板7cを最小容量側に駆動する。この結
果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが減少される。
【0130】一方、TC弁25のパイロットポート25
bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出
圧P)がバネ25aによるバネ力よりも小さくなると、
TC弁25は図中左側に押され図中右側の弁位置に位置
され。これによりサーボピストン26から管路35、T
C弁25を介して圧油がタンク9に排出される。このた
めサーボピストン26は最大容量MAX側に移動されフ
ァン駆動用油圧モータ7の斜板7cを最大容量側に駆動
する。この結果ファン駆動用油圧モータ7の容量Dが増
加される。
【0131】またTC弁25のパイロットポート25b
に加えられる油圧モータ7の駆動圧力P(ポンプ吐出圧
P)とバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁
25は中央の弁位置に位置される。この中央の弁位置に
位置されるときには主油圧ポンプ2の吐出圧油が管路3
2を介してTC弁25内の絞りを通過する。さらに管路
33上の固定絞り33を通過する。この結果主油圧ポン
プ2の吐出圧Pが圧力PmLSまで減圧された上でチェッ
ク弁19に流入されることになる。
【0132】このようにして図4のカーブA1上でファ
ン駆動用油圧モータ7の駆動圧力P、容量Dの値が変化
され、ファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力Pと容量D
の積が設定吸収トルクTa1に一致される。
【0133】また目標ファン回転数Naがより低い回転
数に決定されると、より低い設定吸収トルクTa2または
さらにより低い吸収トルクTa3にするための電流指令i
がコントローラ13から電磁比例制御弁24に対して出
力される。このため電磁比例制御弁24からTC弁25
に対して加えられるパイロット圧Ppは増加される。
【0134】このときTC弁25のパイロットポート2
5cに加えられるパイロット圧Ppが増加するのでパイ
ロットポート25cに対向して設けられたバネ25aに
よるバネ力が強められる。したがってTC弁25でより
低い吸収トルク値Ta2またはさらにより低い吸収トルク
値Ta3が設定される。
【0135】よって設定吸収トルクTa2にするための電
流指令iがコントローラ13から出力された場合には図
4のカーブA2上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧
力P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ
7の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTa2に一
致される。また設定吸収トルクTa3にするための電流指
令iがコントローラ13から出力された場合には図4の
カーブA3上でファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力
P、容量Dの値が変化され、ファン駆動用油圧モータ7
の駆動圧力Pと容量Dの積が設定吸収トルクTa3に一致
される。
【0136】以上のようにしてファン駆動用油圧モータ
7の吸収トルクTは一定の設定吸収トルク値Ta1または
Ta2またはTa3に保持される。この結果冷却用ファン8
のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定する。
【0137】ところでファン駆動用油圧モータ7の流入
ポート7aには、主油圧ポンプ2から吐出された圧油と
ともに、タンク9から圧油が管路28、31、29、1
7上をチェック弁11を通過して導入されている。した
がって急激な圧力変化などが起きた場合にキャビテーシ
ョン発生を防止することができる。
【0138】なおコントローラ13において上述したよ
うな冷却用ファン8の回転数の制御(吸収トルクの制
御)を行うに際して、ファン回転数センサ36で検出さ
れた冷却用ファン8の実際のファン回転数Nをフィード
バック信号として、目標ファン回転数Naと実際のファ
ン回転数Nとの偏差が零となるようなフィードバック制
御を行うようにしてもよい。もちろんファン回転数セン
サ36で検出された冷却用ファン8の実際のファン回転
数Nを制御に使用しないオープンループ制御でファン回
転数を制御してもよい。
【0139】つぎに作業機の作動状況に応じた動作につ
いて説明する。なお以下の説明では設定吸収トルクTと
してTa1が設定されているものとする。
【0140】(a)冷却用ファンと作業機が複合動作し
ていて作業機の負荷が小さい場合 いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される
作業機が複合動作していて作業機の負荷が小さい場合を
考える。
【0141】主油圧ポンプ2側のLS弁20では、主油
圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSと
の差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制
御が行われている。ここで主油圧ポンプ2は油圧シリン
ダ4とファン駆動用油圧モータ7の共通の油圧駆動源で
ある。このためつぎのような問題が生じる。
【0142】いま操作弁3の絞りの開口が閉じられ油圧
シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が軽い状況下である
とすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSは低くなる。した
がってLS弁20でロードセンシング制御が行われると
油圧シリンダ4の負荷圧PLSの低下に伴い主油圧ポンプ
2の吐出圧Pが低くなる。したがって主油圧ポンプ2か
らファン駆動用油圧モータ7に供給される流量が不足す
る。このためファン駆動用油圧モータ7を回転させるに
必要な最低限のトルクが確保できなくなる。
【0143】そこで本実施形態では、つぎのようにして
ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限
のトルクを確保している。
【0144】すなわちいまチェック弁19の流出側の圧
力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSでありチェック弁19
の流入側の圧力はPmLSである。この圧力PmLSは主油圧
ポンプ2の吐出圧(ファン駆動用油圧モータ7の負荷
圧)Pにほぼ一致する圧力である。
【0145】油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が
軽い状況下では、負荷圧PLSよりも圧力PmLSの方が高
いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油が管路1
8に流出され、管路18、LS圧管路16を介してLS
弁20のパイロットポート20cに加えられる。なおチ
ェック弁19と同様に、負荷圧PLS、圧力PmLSのうち
で大きい方の圧力を選択してLS弁20に導くことがで
きる部材であれば、チェック弁19の代わりに使用する
ことができる。
【0146】このためLS弁20では、主油圧ポンプ2
の吐出圧Pと上記選択された圧力PmLSとの差圧を第1
の設定差圧にするロードセンシング制御が行われる。選
択された圧力PmLSは油圧シリンダ4の負荷圧PLSより
も高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが高く
なる。したがってファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力
Pが増加していく。つまり図4に示すようにファン駆動
用油圧モータ7の駆動圧力PはPcまで増加される。T
C弁25のパイロットポート25bに加えられる油圧モ
ータ7の駆動圧力Pcとバネ25aによるバネ力とが釣
り合うと、TC弁25は中央の弁位置に位置される。こ
の中央の弁位置に位置されるときには主油圧ポンプ2の
吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過す
る。この結果主油圧ポンプ2の吐出圧Pcが圧力PmLSま
で減圧された上でチェック弁19から流出されLS弁2
0のパイロットポート20cに加えられる。
【0147】このようにしてファン駆動用油圧モータ7
は圧力Pcで吸収トルクがマッチングし、ファン駆動用
油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確
保される。一方主油圧ポンプ2側のLS弁20では油圧
シリンダ4の負荷圧PLSよりも高い圧力PmLSを用いて
ロードセンシング制御が行われる。
【0148】(b)冷却用ファンが単独動作している場
合 いま冷却用ファン8のみが動作しており油圧シリンダ4
により作動される作業機が動作していない場合を考え
る。この場合も上記(a)の複合動作の場合と同様にし
て、ファン駆動用油圧モータ7は圧力Pcでマッチング
し、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最
低限のトルクが確保される。一方主油圧ポンプ2側のL
S弁20のパイロットポート20cには油圧シリンダ4
の負荷圧PLSよりも高い圧力PmLSが加えられた状態に
なっている。
【0149】(c)冷却用ファンと作業機が複合動作し
ていて作業機の負荷が大きい場合 いま冷却用ファン8と油圧シリンダ4により作動される
作業機が複合動作していて作業機の負荷が大きい場合を
考える。
【0150】主油圧ポンプ2側のLS弁20では、主油
圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSと
の差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制
御が行われている。
【0151】いま操作弁3の絞りの開口が開かれ油圧シ
リンダ4の負荷(作業機の負荷)が大きい状況下である
とすると油圧シリンダ4の負荷圧PLSは高くなる。した
がってLS弁20でロードセンシング制御が行われると
油圧シリンダ4の負荷圧PLSの増大に伴い主油圧ポンプ
2の吐出圧Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧
モータ7の駆動圧力Pが増加していく。つまり図4に示
すようにファン駆動用油圧モータ7の駆動圧力PはPa
まで増加される。これに伴いファン駆動用油圧モータ7
の容量DはDaまで低下される。TC弁25のパイロッ
トポート25bに加えられる油圧モータ7の駆動圧力P
aとバネ25aによるバネ力とが釣り合うと、TC弁2
5は中央の弁位置に位置される。このときファン駆動用
油圧モータ7の容量DはDaに設定される。TC弁25
が中央の弁位置に位置されるときには主油圧ポンプ2の
吐出圧油がTC弁25内の絞り、固定絞り33を通過す
る。チェック弁19の流出側の圧力は油圧シリンダ4の
負荷圧PLSでありチェック弁19の流入側の圧力はPmL
Sである。
【0152】油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が
大きい状況下では、負荷圧PLSの方が圧力PmLSよりも
高いのでチェック19から圧力PmLSを示す圧油は管路
18に流出されない。このためLS弁20では、主油圧
ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負荷圧PLSとの
差圧ΔPを第1の設定差圧にするロードセンシング制御
が行われる。
【0153】このようにしてファン駆動用油圧モータ7
は圧力Paでマッチングし、ファン駆動用油圧モータ7
が一定吸収トルクTa1で駆動される。一方主油圧ポンプ
2側のLS弁20では油圧シリンダ4の負荷圧PLSを用
いてロードセンシング制御が行われる。
【0154】以上のように図1に示す実施形態によれ
ば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量
型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変
化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって
行われる。斜板駆動機構部6はサーボピストン、制御弁
を備えた構造である。よって一般の作業機用の主油圧ポ
ンプの斜板の駆動に使用されている斜板駆動機構部と同
等のものを利用して油圧回路を構築することができる。
したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装置を提供
することが可能となる。
【0155】さらに本実施形態によれば、既存の作業機
駆動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプと
して利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設
を省略することができる。このため油圧機器の部品点数
を少なくすることができる。
【0156】さらにまた本実施形態によれば、ファン駆
動用油圧モータ7の吸収トルクTを設定吸収トルク値T
aにするための指令iに応じてトルク制御弁25が駆動
制御される。この結果ファン駆動用油圧モータ7の吸収
トルクTが変動する状況下であっても吸収トルクTが一
定の設定トルク値Taに保持される。この結果冷却用フ
ァン8のファン回転数Nの変動が抑制され回転が安定す
る。
【0157】さらにまた本実施形態によれば、主油圧ポ
ンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量
が不足する状況下であっても、ファン駆動用油圧モータ
7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保されると
いう効果が得られる。
【0158】つぎに図2を参照して別の実施形態につい
て説明する。以下図1と同じ符号は同じ構成要素である
として重複した説明は省略する。
【0159】操作盤43には油圧ショベルが行う各種作
業種類つまり各作業モードのうちからいずれかの作業モ
ードMを選択する作業モード選択スイッチ43aが設け
られている。また主油圧ポンプ2の吐出圧Pが圧力セン
サ60で検出される。作業モード選択スイッチ43aで
選択された作業モードMを示す信号および圧力センサ6
0の検出圧力Pを示す信号はコントローラ13に入力さ
れる。
【0160】本実施形態では主油圧ポンプ2の圧油吐出
口2bとファン駆動用油圧モータ7の流出ポート7aと
の間の管路上に流量制御弁41が設けられている。
【0161】主油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸い
込み圧油吐出口2bから圧油を吐出する。主油圧ポンプ
2の吐出圧油は管路17aを介して操作弁3と同様の流
量制御弁41に供給される。一般に操作弁3はブロック
型あるいはカートリッジ式の筐体内に追加使用を想定し
ているサービス弁とともに収容されている。したがって
流量制御弁41はサービス弁として追加使用することが
できる。このため既存の油圧回路に冷却用ファンの駆動
装置(回路)を後から追加する改造を行う場合に大幅な
構造の変更を要しない。
【0162】流量制御弁41は可変絞りを有しており、
電磁比例制御弁40から出力されるパイロット圧Ppに
応じて開口面積Arが変化されることによって主油圧ポ
ンプ2から吐出された圧油の流量を制御する。流量制御
弁41で流量が制御された主油圧ポンプ2の吐出圧油が
管路17bを介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポ
ート7aに供給される。
【0163】コントローラ13は入力された信号に基づ
き電流指令iを生成しこの電流指令iを電磁比例制御弁
40に対して出力するものである。電磁比例制御弁40
からは入力された電流指令iに応じたパイロット圧Pp
のパイロット圧油が出力され、パイロット圧管路42を
介して流量制御弁41のパイロットポート41aに加え
られる。パイロット圧Ppがパイロットポート41aに
加えられることによって流量制御弁41が駆動される。
なお流量制御弁41に電磁ソレノイドを設け電磁弁とし
コントローラ13から出力される電気信号に応じて流量
制御弁41を直接駆動制御してもよい。
【0164】流量制御弁41に流入される圧油の圧力を
P(主油圧ポンプ2の吐出圧)とし、流量制御弁41か
ら流出される圧油の圧力をPmLS(ファン駆動用油圧モ
ータ7の負荷圧)とする。よって流量制御弁41の前後
差圧はΔPm(=P−PmLS)となる。
【0165】流量制御弁41の圧油流入ポートは管路1
7a、管路45を介して固定容量型の油圧ポンプ44の
圧油吐出口に接続されている。固定容量型油圧ポンプ4
4はたとえばギヤポンプによって構成することができ
る。固定容量型油圧ポンプ44はエンジン1によって駆
動される。管路45上には固定容量型油圧ポンプ44か
ら吐出された圧油を流量制御弁41に流入させる方向の
みに圧油を導くチェック弁46が配設されている。固定
容量型油圧ポンプ44の圧油吐出口にはリリーフ弁4
7、アンロード弁48が接続されている。リリーフ弁4
7、アンロード弁48とタンク9は管路49によって接
続されている。
【0166】一方流量制御弁41の圧油流出ポートは管
路17b、管路18を介してLS圧管路16に接続され
ている。管路18上には図1と同様にして固定絞り3
4、チェック弁19が配設されている。チェック弁19
の流入側の圧力をP′mLSとする。なおチェック弁19
の流出側の圧力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSである。
また流量制御弁41の圧油流出ポートは管路17b、管
路38、管路27を介してタンク9に接続されている。
管路38上にはリリーフ弁39が配設されている。
【0167】タンク9とファン駆動用油圧モータ7の流
入ポート7aとの間は管路27、管路37によって接続
されている。管路37上にはタンク9からファン駆動用
油圧モータ7の流入ポート7aの方向のみに圧油を導く
チェック弁29が配設されている。
【0168】つぎにファン駆動用油圧モータ7の斜板7
cを駆動する斜板駆動機構部6の構成について説明す
る。
【0169】斜板駆動機構部6は、流入される圧油の流
量に応じてファン駆動用油圧モータ7の斜板7cを駆動
して容量Dを変化させるサーボピストン26と、パイロ
ットポートに加えられた流量制御弁41の流入圧P(主
油圧ポンプ2の吐出圧P)、流量制御弁41の流出圧P
mLS(ファン駆動用油圧モータ7の負荷圧PmLS)に応じ
て圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピストン
26に流入させるLS弁50(ロードセンシング弁5
0)とから構成されている。つまり斜板駆動機構部6は
主油圧ポンプ2側の斜板駆動機構部5と同様に構成され
ている。
【0170】LS弁50は、流量制御弁41に流入され
る圧油の圧力P(主油圧ポンプ2の吐出圧)と流量制御
弁41から流出される圧油の圧力PmLS(ファン駆動用
油圧モータ7の負荷圧)との差圧ΔPm(=P−PmLS)
を第2の設定差圧ΔPmLSに保持するロードセンシング
制御を行う。第2の設定差圧ΔPmLSはLS弁50に付
与されるバネ50aのバネ力に応じて定まる。
【0171】すなわちLS弁50のパイロットポート5
0bには管路17a、管路45、管路51、管路52を
介して流量制御弁41の流入圧P(主油圧ポンプ2の吐
出圧P)が加えられる。一方上記パイロットポート50
bに対向するようにバネ50aと同じ側に設けられたパ
イロットポート50cには管路17b、管路54を介し
て流量制御弁41の流出圧PmLS(ファン駆動用油圧モ
ータ7の負荷圧PmLS)が加えられる。
【0172】したがって差圧P−PmLSが第2の設定差
圧ΔPmLSよりも大きいときにはLS弁50は図中左側
の弁位置に移動される。このため管路17a、管路5
1、管路53、LS弁50、管路55を介してサーボピ
ストン21にポンプ吐出圧油が流入され、ファン駆動用
油圧モータ7の斜板7cが最小容量MIN側に移動され
る。このためファン駆動用油圧モータ7に流入される流
量Qmが減らされ主油圧ポンプ2の吐出圧Pが小さくな
る。この結果差圧P−PmLSが小さくなり第2の設定差
圧ΔPmLSに一致される。
【0173】逆に差圧P−PmLSが第2の設定差圧ΔPm
LSよりも小さくなったときにはLS弁50は右側の弁位
置に移動される。このためサーボピストン26から管路
55、LS弁50、管路56、管路49を介して圧油が
タンク9に流出され、ファン駆動用油圧モータ7の斜板
7cが最大容量MAX側に移動される。このためファン
駆動用油圧モータ7に流入される流量Qmが増加され主
油圧ポンプ2の吐出圧Pが大きくなる。この結果差圧P
−PmLSが大きくなり第2の設定差圧ΔPmLSに一致され
る。以上のようにしてLS弁50によって常に流量制御
弁41の前後差圧P−PmLSが第2の設定差圧ΔPmLSに
保持される。
【0174】つぎに図2に示すコントローラ13で行わ
れる処理を中心に図2の油圧回路で行われる動作につい
て説明する。
【0175】LS弁50では、流量制御弁41の前後の
圧P、PmLSの差圧ΔPm=P−PmLSを第2の設定差圧
ΔPmLSにするロードセンシング制御が行われる。
【0176】ここで油圧回路の一般公式より流量制御弁
41の絞りの開口面積をAr、流量係数をcとすると、
流量制御弁41の絞りの前後を流れる流量Qmつまりフ
ァン駆動用油圧モータ7に供給される流量Qmと流量制
御弁41の絞りの前後差圧ΔPmとの間には以下の関係
が成立する。 Qm=c・Ar・√(ΔPm) …(1) いまLS弁50でロードセンシング制御が行われること
により前後差圧ΔPmが第2の設定差圧ΔPmLSに保持さ
れている。よって上記(1)式より明らかに開口面積A
rに比例した流量Qmが得られる。流量Qmに応じて冷却
用ファン8の回転数Nが変化する。よってコントローラ
13ではファン目標回転数Naに対応する開口面積Arの
指令を生成すればよい。
【0177】コントローラ13では図1の実施形態と同
様にして検出温度tに対応するファン目標回転数Naが
求められる。この場合作業モード選択スイッチ43aで
選択された作業モードMに応じてファン目標回転数Na
を変化させるようにしてもよい。また圧力センサ60で
検出されたポンプ吐出圧Pに応じてファン目標回転数N
aを変化させるようにしてもよい。そこでコントローラ
13は求められたファン目標回転数Naを得るために必
要な流量制御弁41の開口面積Arを演算して、この開
口面積Arを得るために必要な電流指令iを生成する。
そしてこの電流指令iを冷却用ファン駆動部10の電磁
比例制御弁40に対して出力する。
【0178】このため電磁比例制御弁40から流量制御
弁41に駆動指令値Pp(開口指令Ar)が加えられ、流
量制御弁41が駆動される。これにより開口指令Arに
比例してファン駆動用油圧モータ7への供給流量Qmが
変化する。そしてこの供給流量Qmに比例して冷却用フ
ァン8の回転数Nが変化する。そして冷却用ファン8の
回転数Nの変化に応じてファン駆動用油圧モータ7の吸
収トルクTが変化される。
【0179】このようにして流量制御弁41を制御する
ことによってファン駆動用油圧モータ7で必要な一定の
吸収トルク値Taが得られ、冷却用ファン8で一定のフ
ァン回転数Naが得られる。
【0180】さらにLS弁50でロードセンシング制御
を行うようにしているのでファン駆動用油圧モータ7の
負荷PmLSが変動する状況下であっても流量制御弁41
に対する開口指令Arに比例した一定のファン回転数Na
が冷却用ファン8で得られる。このように本実施形態に
よれば、ファン駆動用油圧モータ7の負荷が変動した場
合であっても冷却用ファン8の回転数Nの変動が抑制さ
れ回転が安定するという効果が得られる。
【0181】一方主油圧ポンプ2側のLS弁20におい
ても、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シリンダ4の負
荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロ
ードセンシング制御が行われている。ここで主油圧ポン
プ2は油圧シリンダ4とファン駆動用油圧モータ7の共
通の油圧駆動源である。したがって油圧シリンダ4の負
荷(作業機の負荷)が軽い状況下あるいは冷却用ファン
8が単独で動作している状況下でロードセンシング制御
を行うとすると、油圧シリンダ4の負荷圧PLSは低くな
りこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧Pが低くなる。し
たがって主油圧ポンプ2からファン駆動用油圧モータ7
に供給される流量が不足する。このためファン駆動用油
圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保
できなくなる。
【0182】そこで本実施形態では図1の実施形態と同
様にしてファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要
な最低限のトルクを確保するようにしている。
【0183】すなわちいまチェック弁19の流出側の圧
力は油圧シリンダ4の負荷圧PLSでありチェック弁19
の流入側の圧力はファン駆動用油圧モータ7の負荷圧
P′mLSである。
【0184】油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が
軽い状況下では、作業機側負荷圧PLSよりもファン側圧
力P′mLSの方が高いのでチェック19から圧力P′mLS
を示す圧油が管路18に流出され、管路18、LS圧管
路16を介してLS弁20のパイロットポート20cに
加えられる。
【0185】このためLS弁20では、主油圧ポンプ2
の吐出圧Pとファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の
設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われ
る。ファン側負荷圧P′mLSは油圧シリンダ4の負荷圧
PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポンプ2の吐出圧
Pが高くなる。したがってファン駆動用油圧モータ7に
対する負荷圧PmLSが増加していく。このためファン駆
動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低限のトルク
が確保される。
【0186】油圧シリンダ4の負荷(作業機の負荷)が
大きい状況下では、作業機側負荷圧PLSの方がファン側
負荷圧P′mLSよりも高いのでチェック19から圧力
P′mLSを示す圧油は管路18に流出されない。このた
めLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧Pと油圧シ
リンダ4の負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧Δ
PLSにするロードセンシング制御が行われる。
【0187】さて主油圧ポンプ2は作業機用油圧シリン
ダ4とファン駆動用油圧モータ7に共通する油圧駆動源
である。したがって作業機用油圧シリンダ4が駆動され
作業機が作動している状態では、主油圧ポンプ2から吐
出される圧油の流量の多くが作業機用油圧シリンダ4に
供給されている。このため主油圧ポンプ2からファン駆
動用油圧モータ7に供給される流量は不足する。このと
き固定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油が流量
制御弁41に流入され、流量制御弁41を介してファン
駆動用油圧モータ7に供給される。
【0188】このように本実施形態によれば主油圧ポン
プ2以外に設けられた固定容量型油圧ポンプ44からフ
ァン駆動用油圧モータ7に圧油が供給されるので不足分
の流量が補われる。なお補助用の油圧ポンプ44は可変
容量型で構成してもよい。
【0189】なお主油圧ポンプ2から吐出される流量が
多くなりポンプ吐出圧が高くなるとアンロード弁48が
開位置に切り換えられ、固定容量型油圧ポンプ44から
吐出された圧油がアンロード弁48、管路49を介して
タンク9に排出される。
【0190】また固定容量型油圧ポンプ44の吐出圧が
大きくなるとリリーフ弁47が開位置側に作動され、固
定容量型油圧ポンプ44から吐出された圧油がリリーフ
弁47、管路49を介してタンク9に排出される。
【0191】また流量制御弁41の流出ポート側の圧力
PmLSが高くなると、リリーフ弁39が開位置側に作動
され、流量制御弁41から流出された圧油がリリーフ弁
39、管路38、管路27を介してタンク9に排出され
る。
【0192】またファン駆動用油圧モータ7の流入ポー
ト7aには、主油圧ポンプ2から吐出された圧油ととも
に、タンク9から圧油が管路37上のチェック弁29を
通過して導入される。したがって急激な圧力変化などが
起きた場合にキャビテーション発生を防止することがで
きる。
【0193】以上のように図2に示す実施形態によれ
ば、冷却用ファン8の回転数(風量)の制御は可変容量
型のファン駆動用油圧モータ7の容量(斜板7c)を変
化させる斜板駆動機構部6を駆動制御することによって
行われる。斜板駆動機構部6という一般の作業機用の主
油圧ポンプ2の斜板の駆動に使用されている斜板駆動機
構部5と同じものを利用して油圧回路を構築することが
できる。したがって汎用性の高い冷却用ファンの駆動装
置を提供することが可能となる。
【0194】さらに本実施形態によれば、既存の作業機
駆動用の主油圧ポンプ2をファン駆動用の油圧ポンプと
して利用することでファン駆動専用の油圧ポンプの配設
を省略することができる。このため油圧機器の部品点数
を少なくすることができる。
【0195】さらにまた本実施形態によれば、作業機用
油圧シリンダ4に対して供給する圧油の流量を制御する
操作弁3と同様に、ファン駆動用油圧モータ7側にもフ
ァン駆動用油圧モータ7に供給する圧油の流量を制御す
る流量制御弁41が設けられる。そしてLS弁50で、
上記流量制御弁41の前後の圧P、PmLSの差圧ΔPm=
P−PmLSを第2の設定差圧にするロードセンシング制
御が行われる。このためファン駆動用油圧モータ7の負
荷が変動した場合であっても冷却用ファン8の回転数N
の変動が抑制され回転が安定するという効果が得られ
る。
【0196】さらにまた本実施形態によれば、主油圧ポ
ンプ2からファン駆動用油圧モータ7に供給される流量
が不足する状況下であっても、ファン駆動用油圧モータ
7を回転させるに必要な最低限のトルクが確保されると
いう効果が得られる。
【0197】つぎに図3を参照して別の実施形態につい
て説明する。以下図2と同じ符号は同じ構成要素である
として重複した説明は省略する。なお図3における冷却
用ファン駆動部10は図2とほぼ同一構成であるとして
重複した図示は適宜省略する。
【0198】本実施形態は主油圧ポンプ2、2′が2つ
設けられている場合に適用される実施形態である。本実
施形態では斜板2a、2′aが独立して駆動されるタン
デムポンプ2、2′を想定している。しかし本発明とし
ては圧油吐出口が複数設けられている油圧ポンプであれ
ば適用が可能であり油圧ポンプの構造は任意である。た
とえばタンデムポンプの代わりに、斜板が2つの圧油吐
出口に共通となっている2フローウエイ型の油圧ポンプ
を使用してもよい。また圧油吐出口の数としては2つに
限らず3以上設けてもよい。そして圧油吐出口の数に対
応して油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)についても
2つ以上複数設けてもよい。
【0199】図3において一方の油圧ポンプ2に関わる
構成要素と他方の油圧ポンプ2′に関わる構成要素は同
一のものであるとして、他方の油圧ポンプ2′に関わる
構成要素については一方の油圧ポンプ2に関わる構成要
素の符号にダッシュを付して重複した説明を省略する。
【0200】一方の油圧ポンプ2の圧油吐出口2bから
吐出される吐出圧油の圧力をP1とし、他方の油圧ポン
プ2′の圧油吐出口2′bから吐出される吐出圧油の圧
力をP2とする。
【0201】一方の油圧ポンプ2のポンプ圧吐出管路1
1には分岐管路62が接続されている。また他方の油圧
ポンプ2′のポンプ圧油吐出管路11′には分岐管路6
3が接続されている。管路62にはチェック弁64が設
けられていると共に、管路63にはチェック弁65が設
けられている。チェック弁64、65の各流出口が対向
するようにチェック弁64、65が配設されている。チ
ェック弁64、65の流出口は管路17aに接続されて
いる。管路17aは、図2と同様に冷却用ファン駆動部
10に接続されている。つまり管路17aは流量制御弁
41に連通されている。
【0202】したがって、チェック弁64、65では2
つの油圧ポンプ2、2′の各圧油吐出口2b、2′bか
ら吐出された圧力P1、P2のポンプ吐出圧油のうちで最
大圧力Pの圧油が選択され、管路17aに出力される。
つまり流量制御弁41には最大圧力Pとなっているポン
プ吐出圧油が流入されることになる。
【0203】なお上記対向するチェック弁64、65の
代わりにシャトル弁を使用してもよい。
【0204】また一方の油圧シリンダ4の負荷圧をP1L
Sとし、他方の油圧シリンダ4′の負荷圧をP2LSとす
る。
【0205】一方の油圧シリンダ4に連通する管路12
にはLS圧管路16が接続されている。また他方の油圧
シリンダ4′に連通する管路12′にはLS圧管路1
6′が接続されている。LS圧管路16、16′はシャ
トル弁61の流入口に接続されている。シャトル弁61
の流出口はLS圧管路16″に接続されている。LS圧
管路16″は、各斜板駆動機構部5、5′の各LS弁2
0のパイロットポート20c、20′cに接続されてい
る。またシャトル弁61の流出口はLS圧管路16″を
介して管路18に接続されている。管路18は、図2と
同様に冷却用ファン駆動部10に接続されている。つま
り管路18はチェック弁19の流出口に連通されてい
る。
【0206】したがって、シャトル弁61では2つの油
圧シリンダ4、4′の各負荷圧P1LS、P2LSのうちで最
大負荷圧PLSが選択され、LS圧管路16″に出力され
る。このため一方の主油圧ポンプ2側のLS弁20で
は、主油圧ポンプ2の吐出圧P1と2つの油圧シリンダ
4、4′の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差
圧にするロードセンシング制御が行われる。同様に他方
の主油圧ポンプ2′側のLS弁20′では、主油圧ポン
プ2′の吐出圧P2と2つの油圧シリンダ4、4′の最
大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧にするロー
ドセンシング制御が行われる。
【0207】一方チェック弁19の流出口には2つの油
圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSが作用しているの
で、この最大負荷圧PLSと、チェック弁19の流入口側
の圧力P′mLSのうちで大きい方の圧力が選択されてチ
ェック弁19から管路18に流出される。
【0208】なおシャトル弁61の代わりに対向するチ
ェック弁を使用してもよい。
【0209】つぎに図3の実施形態で行われる動作につ
いて説明する。
【0210】本実施形態では図2の実施形態と同様にし
てファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低
限のトルクが確保される。
【0211】すなわちいまチェック弁19の流出側の圧
力は2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSであ
りチェック弁19の流入側の圧力はファン駆動用油圧モ
ータ7の負荷圧P′mLSである。
【0212】油圧シリンダ4、4′の負荷(作業機の負
荷)が軽い状況下では、作業機側最大負荷圧PLSよりも
ファン側圧力P′mLSの方が高いのでチェック19から
圧力P′mLSを示す圧油が管路18に流出され、管路1
8、LS圧管路16″を介してLS弁20、LS弁2
0′の各パイロットポート20c、20′cに加えられ
る。
【0213】このためLS弁20では、主油圧ポンプ2
の吐出圧P1とファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の
設定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われ
る。同様にしてLS弁20′では、主油圧ポンプ2′の
吐出圧P2とファン側負荷圧P′mLSとの差圧を第1の設
定差圧ΔPLSにするロードセンシング制御が行われる。
ファン側負荷圧P′mLSは2つの油圧シリンダ4、4′
の最大負荷圧PLSよりも高いのでこれに伴い主油圧ポン
プ2、2′の吐出圧P1、P2が高くなる。したがって2
つの主油圧ポンプ2、2′の吐出圧油の最大吐出圧Pが
高くされて流量制御弁41に流入される。この結果流量
制御弁41から流出される圧油の圧力つまりファン駆動
用油圧モータ7の負荷圧PmLSが増加していく。このた
めファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必要な最低
限のトルクが確保される。
【0214】油圧シリンダ4、4′の負荷(作業機の負
荷)が大きい状況下では、作業機側最大負荷圧PLSの方
がファン側負荷圧P′mLSよりも高いのでチェック19
から圧力P′mLSを示す圧油は管路18に流出されな
い。このためLS弁20では、主油圧ポンプ2の吐出圧
P1と2つの油圧シリンダ4、4′の最大負荷圧PLSと
の差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLSにするロードセンシ
ング制御が行われる。同様にLS弁20′では、主油圧
ポンプ2′の吐出圧P2と2つの油圧シリンダ4、4′
の最大負荷圧PLSとの差圧ΔPを第1の設定差圧ΔPLS
にするロードセンシング制御が行われる。
【0215】なお図2に示す油圧回路では、冷却用ファ
ン駆動部10においてアンロード弁48とリリーフ弁4
7を別体に配設しているが、図3に示すようにアンロー
ド弁48の代わりにリリーフ弁47を内蔵したアンロー
ド弁48′を用いる実施も可能である。
【0216】以上のように図3に示す実施形態によれ
ば、主油圧ポンプ2、2′に複数の圧油吐出口2b、
2′bが設けられている場合に、高圧側のポンプ吐出圧
油をファン駆動用油圧モータ7に供給させることができ
る。
【0217】また本実施形態によれば、主油圧ポンプ
2、2′の複数の圧油吐出口2b、2′bからファン駆
動用油圧モータ7に供給される流量が不足する状況下で
あっても、ファン駆動用油圧モータ7を回転させるに必
要な最低限のトルクが確保されるという効果が得られ
る。
【0218】なお以上説明した実施形態の冷却用ファン
の駆動装置は、建設機械を含むあらゆる油圧駆動機械に
適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の
実施形態を示す油圧回路図である。
【図2】図2は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の
別の実施形態を示す油圧回路図である。
【図3】図3は本発明に係る冷却用ファンの駆動装置の
さらに別の実施形態を示す油圧回路図である。
【図4】図4はファン駆動用油圧モータの圧力と容量の
関係を示す図である。
【図5】図5は対象物の温度とファン目標回転数との関
係を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 主油圧ポンプ 3 操作弁 4 油圧シリンダ 5、6 斜板駆動機構部 7 ファン駆動用油圧モータ 8 冷却用ファン 9 タンク 13 コントローラ 20、50 LS弁 25 TC弁 41 流量制御弁 50 LS弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源(1)によって駆動される主
    油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出
    された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されること
    によって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆
    動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
    (8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、 前記主油圧ポンプ(2)から吐出された圧油が流入ポー
    ト(7a)から流入されることによって作動され前記冷
    却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ
    (7)と、 前記可変容量型油圧モータ(7)の吸収トルクが設定吸
    収トルクと一致するように前記可変容量型油圧モータ
    (7)の容量(7c)を制御する容量制御弁(25)と
    を具えた冷却用ファンの駆動装置。
  2. 【請求項2】 駆動源(1)によって駆動される主
    油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出
    された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されること
    によって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆
    動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
    (8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧
    アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が所望の設定差
    圧になるように前記主油圧ポンプ(2)の容量(2a)
    を制御する主ポンプ容量制御弁(20)とを具えた冷却
    用ファンの駆動装置において、 前記主油圧ポンプ(2)から吐出された圧油が流入ポー
    ト(7a)から流入されることによって作動され前記冷
    却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モータ
    (7)と、 前記可変容量型油圧モータ(7)の吸収トルクが設定吸
    収トルクと一致するように前記可変容量型油圧モータ
    (7)の容量(7c)を制御する容量制御弁(25)
    と、 前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と前記可変容量
    型油圧モータ(7)の負荷圧のうちで大きい方の負荷圧
    を選択する負荷圧選択手段(19)とを具え、 前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前記主油圧
    ポンプ(2)の吐出圧と前記負荷圧選択手段(19)で
    選択された負荷圧との差圧を前記所望の設定差圧にする
    制御を行わせるようにした冷却用ファンの駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記容量制御弁(25)に対して設定
    吸収トルクを指示する設定吸収トルク指示手段(13、
    24)をさらに具えるようにした請求項1または2記載
    の冷却用ファンの駆動装置。
  4. 【請求項4】 駆動源(1)によって駆動される主油
    圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出さ
    れた作動圧油が操作弁(3)を介して供給されることに
    よって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆動
    源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
    (8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、 前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モ
    ータ(7)と、 前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)と前記可
    変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)とを接
    続する管路(17a、17b)上に設けられ、前記主油
    圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)から前記可変容量
    型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる
    圧油の流量を制御する流量制御弁(41)とを具えた冷
    却用ファンの駆動装置。
  5. 【請求項5】 駆動源(1)によって駆動される主
    油圧ポンプ(2)と、前記主油圧ポンプ(2)から吐出
    された作動圧油が操作弁(3)を介して供給されること
    によって作動する油圧アクチュエータ(4)と、前記駆
    動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
    (8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記油圧
    アクチュエータ(4)の負荷圧との差圧が第1の設定差
    圧になるように前記主油圧ポンプ(2)の容量(2a)
    を制御する主ポンプ容量制御弁(20)とを具えた冷却
    用ファンの駆動装置において、 前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モ
    ータ(7)と、 前記主油圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)と前記可
    変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)とを接
    続する管路(17a、17b)上に設けられ、前記主油
    圧ポンプ(2)の圧油吐出口(2b)から前記可変容量
    型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入させる
    圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、 前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記
    流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧
    が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モー
    タ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)
    と、 前記油圧アクチュエータ(4)の負荷圧と前記流量制御
    弁(41)から流出される圧油の圧力のうちで大きい方
    の圧力を選択する圧力選択手段(19)とを具え、 前記主油圧ポンプ容量制御手段(20)で、前記主油圧
    ポンプ(2)の吐出圧と前記圧力選択手段(19)で選
    択された圧力との差圧を前記第1の設定差圧にする制御
    を行わせるようにした冷却用ファンの駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記流量制御弁(41)に対して前記
    可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流
    入させる圧油の流量を指示する流量指示手段(13、4
    0)をさらに具えるようにした請求項4または5記載の
    冷却用ファンの駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記主油圧ポンプ(2)以外に前記可
    変容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に圧油
    を供給する補助油圧ポンプ(44)をさらに具えるよう
    にした請求項4または5記載の冷却用ファンの駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記可変容量型油圧モータ(7)か
    ら流出された圧油が排出されるタンク(9)と前記可変
    容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)との間を
    管路(37)で連通させ当該管路(37)上に前記可変
    容量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)側のみに
    圧油を導く手段(29)を設けたことを特徴とする請求
    項1または2または4または5記載の冷却用ファンの駆
    動装置。
  9. 【請求項9】 駆動源(1)によって駆動され圧油
    吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ
    (2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数
    の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油
    が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって
    作動する油圧アクチュエータ(4、4′)と、前記駆動
    源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用ファン
    (8)とを具えた冷却用ファンの駆動装置において、 前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2
    b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の
    圧力となる作動圧油を選択する選択手段(64、65)
    と、 前記選択手段(64、65)で選択された作動圧油が流
    入ポート(7a)から流入されることによって作動され
    前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モ
    ータ(7)とを具えた冷却用ファンの駆動装置。
  10. 【請求項10】 駆動源(1)によって駆動され圧油
    吐出口(2b、2′b)が複数設けられた主油圧ポンプ
    (2、2′)と、前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数
    の圧油吐出口(2b、2′b)から吐出された作動圧油
    が操作弁(3、3′)を介して供給されることによって
    作動する複数の油圧アクチュエータ(4、4′)と、前
    記駆動源(1)または前記作動圧油を冷却する冷却用フ
    ァン(8)と、前記主油圧ポンプ(2)の吐出圧と前記
    複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧との差
    圧が第1の設定差圧になるように前記主油圧ポンプ
    (2、2′)の容量(2a、2′a)を制御する主ポン
    プ容量制御弁(20、20′)とを具えた冷却用ファン
    の駆動装置において、 前記冷却用ファン(8)を回転させる可変容量型油圧モ
    ータ(7)と、 前記主油圧ポンプ(2、2′)の複数の圧油吐出口(2
    b、2′b)から吐出された各作動圧油のうちで最大の
    圧力となる作動圧油を選択するポンプ圧選択手段(6
    4、65)と、 前記ポンプ圧選択手段(64、65)で選択された作動
    圧油を前記可変容量型油圧モータ(7)の流入ポート
    (7a)に連通させる管路(17a、17b)と、 前記管路(17a、17b)上に設けられ、前記可変容
    量型油圧モータ(7)の流入ポート(7a)に流入する
    圧油の流量を制御する流量制御弁(41)と、 前記流量制御弁(41)に流入される圧油の圧力と前記
    流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力との差圧
    が第2の設定差圧になるように前記可変容量型油圧モー
    タ(7)の容量(7c)を制御する差圧制御弁(50)
    と、 前記複数の油圧アクチュエータ(4、4′)の負荷圧と
    前記流量制御弁(41)から流出される圧油の圧力のう
    ちで大きい方の圧力を選択する負荷圧選択手段(19)
    とを具え、 前記主油圧ポンプ容量制御手段(20、20′)で、前
    記主油圧ポンプ(2、2′)の吐出圧と前記負荷圧選択
    手段(19)で選択された圧力との差圧を前記第1の設
    定差圧にする制御を行わせるようにした冷却用ファンの
    駆動装置。
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