JP4202796B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車エンジン等の振動体を、その振動を車体等の支持体に伝達させないように支承するために用いられる液封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10には従来の液封入式防振装置の一例が示されており、類似の構造を持つ防振装置が特開2001−50333号公報により公知となっている。
【0003】
同図に示す防振装置100は、支持体側に取り付けられる第1取付部材101と、振動体側に取り付けられる第2取付部材102とが、ゴム状弾性体からなる防振基体103を介して結合され、防振基体103に対向するダイヤフラム110を設けて第1取付部材101の内側に液室104を形成するとともに、仕切部材105を設けて該液室104を上側の主液室104Aと下側の副液室104Bとに仕切り構成してなる。
【0004】
上記仕切部材105は、リング状の補助金具106と、その中央の開口部を塞ぐゴム状弾性体からなる弾性板107とからなる。補助金具106には、その内周縁から軸方向下方に延びる縦壁部106Aが設けられ、この縦壁部106Aが弾性板107の周縁部に埋設されることで、仕切部材105の周縁部に軸方向に突出する剛性壁108が設けられている。そして、この剛性壁108をダイヤフラム110の周縁部に対し圧接することで、剛性壁108の外周には主液室104Aと副液室104Bとを連結するオリフィス流路109が形成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−50333号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構造を持つ防振装置100においては、第1取付部材101と第2取付部材102とが軸方向に大きく相対変位したときに異音が発生する場合があり、かかる異音の発生を防止することが求められている。
【0007】
本発明の目的は、液封入式防振装置において、上記のような大変位時における異音の発生を防止する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記異音の発生原因について精査していくなかで、異音は防振基体が圧縮される方向(第1取付部材と第2取付部材とが軸方向にて近づく方向)への大変位時ではなく、防振基体の引張方向(第1取付部材と第2取付部材とが軸方向にて離れる方向)への大変位時に発生することを知見した。そして、その音の性質などに鑑みて、キャビテーションが原因で異音が発生するのではないかと考えた。すなわち、防振基体の引張方向への大変位により液室内が急激に負圧になったときに、上記従来の防振装置では副液室から主液室への液体の流れはオリフィス流路を完全に通過する流れのみであるため、圧力変化を緩和しにくく、そのためキャビテーションにより気泡が発生して異音の発生につながると考えた。そして、外周にオリフィス流路を形成して内側の副液室との間を区画する壁部に、上記のような引張方向への大変位時にオリフィス流路の一部を短絡するような液の流れを生じさせる構造を設けることにより、キャビテーションを低減して異音の発生を防止できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明に係る液封入式防振装置は、筒状部を有する第1取付部材と、該筒状部の軸心上に配された第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、該防振基体に対向して配され前記第1取付部材の内側で前記防振基体との間に液室を形成するダイヤフラムと、該液室を、前記防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とに仕切る仕切部材と、を備える液封入式防振装置において、前記仕切部材と前記ダイヤフラムのいずれか一方の周縁部に軸方向に突出し周方向に延びる弾性壁を設け、その外周に前記主液室と前記副液室を連結するオリフィス流路を形成するとともに、前記仕切部材と前記ダイヤフラムの他方の周縁部に前記弾性壁の半径方向内方への変形を阻止する阻止部を設けたものである。
【0010】
この液封入式防振装置では、防振基体の引張方向に所定以上の変位が付加されたときには、上記弾性壁が半径方向外方に撓み変形して隙間が形成され、副液室の液体がこの隙間からオリフィス流路内にリークする。すなわち、オリフィス流路における副液室側の正規の連通口だけでなく、オリフィス流路の途中の箇所からも弾性壁の撓み変形により副液室の液体がオリフィス流路に流れ込む。そのため、キャビテーションを低減して異音の発生を防止することができる。一方、防振基体の圧縮方向に所定以上の変位が付加されたときには、阻止部により弾性壁の内方への変形が阻止されているので、オリフィス流路のみを通して主液室から副液室に液体を流すことができ、正規の液流動効果を発揮させることができる。
【0011】
本発明の請求項1に係る液封入式防振装置は、上記構成において、前記オリフィス流路、前記弾性壁を前記仕切部材と前記ダイヤフラムの他方の周縁部に当接させることでその外周に形成されたことを特徴とするものである
【0012】
本発明の請求項2に係る液封入式防振装置は、上記構成において、前記阻止部が、前記他方の周縁部に設けられた周方向に延びる剛性壁であって、弾性壁の内周面に当接配置されて該弾性壁の半径方向内方への変形を阻止するものであることを特徴とする。この場合、弾性壁の内周側に軸方向に落ち込んだ段部を設け、この段部に剛性壁の先端が圧接されてもよい。
【0013】
ここで、剛性壁とは、上記のように撓み変形可能な弾性壁に対立する概念であり、防振基体の大変位時においても撓み変形しないような剛性を持つ壁である。従って、例えば、弾性壁がゴム状弾性体単独からなり、剛性壁がゴム状弾性体に金属等の剛体を埋設して補強したものであってもよい。この場合、剛体まわりのゴム状弾性体は弾性を持つものの、剛性壁全体としては剛体により撓み変形が制限されており、本発明の目的に沿う剛性を持つ。
【0014】
本発明の液封入式防振装置においては、前記弾性壁が前記仕切部材の周縁部に設けられ、前記阻止部が前記ダイヤフラムの周縁部に設けられてもよい。また、この場合、前記仕切部材がゴム状弾性体のみからなり、その周縁部が中央部に対して厚肉に形成されており、この厚肉の周縁部がリング状の保持部材と前記ダイヤフラムの周縁部との間で挟持されることで前記仕切部材が前記液室内に固定されてもよい。このように仕切部材をゴム状弾性体のみで形成することにより、上記大変位時に弾性壁を一層撓み変形させ易くしてキャビテーションによる異音を更に効果的に防止することができる。一方で、仕切部材をゴム状弾性体のみで形成すると、仕切部材の脱落が危惧されるが、上記のように仕切部材の周縁部を中央部に対して厚肉に設定するとともに、この厚肉の周縁部を別体のリング状保持部材とダイヤフラム周縁部との間で挟持することにより、薄肉の中央部で高周波数域の振動に対する防振性能を確保しながら、仕切部材の確実な固定を達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜5を参照して第1実施形態に係る液封入式防振装置10を説明する。
【0016】
この防振装置10は、自動車のエンジンを車体に対して支承するエンジンマウントであり、筒状部11を有し車体側のブラケット1に取付固定される下側の金属製第1取付部材12と、その軸心上において上方に間隔をおいて配されエンジン側のブラケット2に取付固定される上側の金属製第2取付部材14とを、ゴム状弾性体よりなる防振基体16を介して結合してなり、上下方向、即ち第1取付部材12の軸方向に振動が付加されるものである。
【0017】
防振基体16は、外形が略截頭円錐形をなし、その上部軸心上に第2取付部材14の下部が加硫成形手段により埋設されており、防振基体16の下端外周部は第1取付部材12の上部内周面に加硫成形手段により接着固定されている。
【0018】
第1取付部材12の下部側には、防振基体16と対向するようにダイヤフラム18が装着されている。ダイヤフラム18は、可撓性膜としての薄肉ゴム膜20と、その外周部に加硫接着された筒状の補助金具22とからなり、補助金具22の外周縁が第1取付部材12の下端12Aによりかしめ固定されている。
【0019】
第1取付部材12の内側には、ダイヤフラム18と防振基体16との間に密閉された液室24が形成されており、この液室24に液体が封入されている。液室24内には、外周にオリフィス流路26を形成する円盤状の仕切部材28が設けられており、液室24はこの仕切部材28により上下に仕切られている。すなわち、第1取付部材12の内側における防振基体16とダイヤフラム18との間には、防振基体16にて室壁の一部が形成された主液室24Aと、主液室24Aにオリフィス流路26を介して連結されるとともにダイヤフラム18にて室壁の一部が形成された副液室24Bとが、仕切部材28を介して互いに上下に隣接して設けられている。
【0020】
仕切部材28は、ゴム状弾性体からなる円盤状の弾性板部32と、その周縁部に一体に加硫接着されたリング状の補助金具30とからなり、オリフィス流路26が閉塞した状態となるような高周波数域の振動が付加されたときに、弾性板部32によって防振性能を発揮できるように構成されている。補助金具30の外周縁は、第1取付部材12の下端12Aによってダイヤフラム18の補助金具22とともにかしめ固定されており、これにより仕切部材28は液室24内に固定されている。また、補助金具30の内周縁には軸方向下方に向けてわずかに突出する縦壁部30Aが設けられている。縦壁部30Aの突出高さは、後記の弾性壁34が撓み変形できるようにオリフィス流路26の軸方向における高さよりも十分小さく(好ましくはオリフィス流路26の高さの1/3以下)設定されている。
【0021】
仕切部材28の周縁部には、軸方向下方の副液室24B側に突出して周方向に延びる弾性壁34が弾性板部32と一体のゴム状弾性体により形成されている。そして、この弾性壁34をダイヤフラム18の周縁部に圧接させることにより、弾性壁34の外周においてダイヤフラム18の補助金具22との間にオリフィス流路26が形成され、従ってオリフィス流路26は弾性壁34によって副液室24Bの外周に仕切り構成されている。弾性壁34は、オリフィス流路26内にある一定以上の負圧が生じたときに半径方向外方に撓み変形できるように、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性材料のみで形成されており、従来のように剛体が高さ方向のほぼ全体にわたって埋設されたものではない。
【0022】
図4に示すように、弾性壁34には周上の一箇所において半径方向外方に突出してオリフィス流路26を遮断する遮断壁部36が設けられており、遮断壁部36を挟んだ周方向の両側において、オリフィス流路26を主液室24A側に連通する第1連通口38と、オリフィス流路26を副液室24B側に連通する第2連通口40とが形成されている。これにより、オリフィス流路26は周方向で略一周の長さをもって主液室24Aと副液室24Bを相互に連通する。
【0023】
ダイヤフラム18の補助金具22は、軸方向下方ほど小径化されたテーパ筒状をなし、その上端には外向きのフランジ22Aが設けられ、下端は内向きに折曲され、さらに軸方向下方に突出する折返し部22Bを経て、軸方向上方に突出する縦壁部22Cが設けられている。縦壁部22Cの突出高さはオリフィス流路26の底面よりもわずかに軸方向上方に突出する程度に設定されている。そして、補助金具22は、フランジ部22Aを除いてその他の部分が薄肉ゴム膜20と一体のゴム状弾性体により被覆されている。このようにして金属製の縦壁部22Cをゴム状弾性体に埋設することにより、ダイヤフラム18の周縁部には仕切部材28に向かって軸方向上方に突出し、かつ周方向に延びる剛性壁46が形成されている。
【0024】
図1に示すように、ダイヤフラム18の剛性壁46は、仕切部材28の弾性壁34の内側に嵌着されており、これにより弾性壁34は半径方向外方には撓み変形可能であるものの、半径方向内方には剛性壁46により撓み変形が阻止されている。詳細には、弾性壁34の内周側には軸方向上方に落ち込んだ水平な段部42が設けられており、この段部42に対し剛性壁46の先端面を圧接させることでオリフィス流路26の内周側の壁部が形成されている。その際、弾性壁34における段部42よりも下方に突出する部分ではその内周面34Aが剛性壁46に当接し、また、先端(下端)が剛性壁46外周の凹部47底面に当接している。これにより、上記内周側の壁部は、剛体30A,22Cが埋設された上下端部を除いて、高さ方向の大部分がゴム状弾性体のみで構成されている。
【0025】
図5に示すように、弾性壁34の段部42には周方向に延びる凸条44が形成され、また剛性壁46の先端面にも周方向に延びる同様の凸条48が設けられている。そして、剛性壁46の凸条48が段部42の凸条44よりも外周側に位置するように段部42と剛性壁46とが圧接されており(図1参照)、これにより、弾性壁34の外方への撓み変形がある程度制限されている。
【0026】
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10では、図2に示すように、小変位時(即ち、所定振幅以下の軸方向振動が入力されたとき)には、主液室24Aと副液室24Bとの間でオリフィス流路26を通って液体の流動が生じ、その流動効果により振動減衰機能を発揮することができる。なお、弾性壁34の弾性率、剛性壁46との圧接度合および凸条44,48同士の係合度合などは、このような小変位時では弾性壁34が撓み変形しないように設定されている。
【0027】
また、防振基体16の圧縮方向における大変位時(即ち、第1取付部材12と第2取付部材14とが近づく方向に所定以上の変位が付加されたとき)には、剛性壁46により弾性壁34の内側への撓み変形が阻止されているので、小変位時と同様、図2に示すようにオリフィス流路26のみを通して主液室24Aから副液室24Bに液体を流すことができ、正規の液流動効果を発揮させることができる。
【0028】
一方、防振基体16の引張方向における大変位時(即ち、第1取付部材12と第2取付部材14とが離れる方向に所定以上の変位が付加されたとき)には、図3に示すように、弾性壁34は、その外周には剛性壁がないので、オリフィス流路26内が負圧になることで自身の弾性により半径方向外方に撓み変形する。これにより、副液室24Bの液体が連通口40からだけでなく、矢印Xで示すように撓み変形した箇所からもオリフィス流路26に流れ込む。そのため、液室24内における圧力変化を緩和してキャビテーションを低減することができ、もって異音の発生を防止することができる。弾性壁34の撓み変形は液圧変化に伴う一時的なものであり、上記負圧が解消されれば図2に示す元の状態に戻る。
【0029】
次に、第2実施形態に係る液封入式防振装置50について図6〜9を参照して説明する。この第2実施形態の防振装置50は、第1実施形態において仕切部材を変更したものであり、その他の構成は特に説明しない限り同一の構成を有するため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0030】
第2実施形態では、液室24を上下に仕切る仕切部材52がゴム状弾性体のみからなり、その周縁部54が中央部56に対して厚肉に形成されており、この厚肉の周縁部54がリング状の保持部材58とダイヤフラム18の周縁部との間で挟持されることにより、仕切部材52は液室24内に固定されている。
【0031】
詳細には、仕切部材52は、円盤状をなす総ゴム部材であり、薄肉円板状の中央部56と、その外周を取り囲む厚肉の周縁部54とからなる。なお、周縁部54の厚みT1は中央部56の厚みT2の3倍以上に設定することが好ましい。周縁部54には、第1実施形態と同様の弾性壁34とその内周側の段部42が設けられており、更に弾性壁34の外周にオリフィス流路26を形成するための溝60が設けられている。
【0032】
また、仕切部材52の周縁部54には、図9A〜Cに示すように、弾性壁34の周上の一箇所において半径方向外方に突出してオリフィス流路26を遮断する遮断壁部62が設けられており、遮断壁部62を挟んだ周方向の両側において、オリフィス流路26を主液室24A側に連通する第1連通口64と、オリフィス流路26を副液室24B側に連通する第2連通口66とが形成されている。なお、符合68は、遮断壁部62に設けられたシール用リブであり、ダイヤフラム18の周縁部に押し当てられることで遮断壁部62による遮断性を確保している。
【0033】
また、保持部材58は、仕切部材52の周縁部54の上面を受けて、ダイヤフラム18の補助金具22との間で、該周縁部54を挟み込んだ状態に保持する金具である。保持部材58は、その周縁部58Aが第1取付部材12の下端12Aによって補助金具22のフランジ22Aとともにかしめ固定されている。
【0034】
なお、第2実施形態では、ダイヤフラム18の筒状の補助金具22には折返し部22Bが設けられておらず、筒状部の下端は内向きに折曲され、そのまま軸方向上方に突出形成されて、剛性壁46を構成する縦壁部22Cが設けられている。
【0035】
以上よりなる第2実施形態の防振装置50でも、第1実施形態と同様、小変位時や防振基体16の圧縮方向における大変位時には、図7に示すように、オリフィス流路26のみを通して主液室24Aと副液室24Bとの間で液体の流動が生じ、その流動効果により振動減衰機能を発揮することができる。また、防振基体16の引張方向における大変位時には、図8に示すように、弾性壁34が半径方向外方に撓み変形し、これにより、副液室24Bの液体が連通口66からだけでなく、矢印Xで示すように撓み変形した箇所からもオリフィス流路26に流れ込むので、液室24内における圧力変化を緩和してキャビテーションを低減することができ、もって異音の発生を防止することができる。
【0036】
特に、この第2実施形態では、仕切部材52をゴム状弾性体のみで形成したので、防振基体16の引張方向での大変位時に弾性壁34を一層撓み変形させ易くすることができ、また仕切部材52自体も撓み変形しやすくなることで、実際に車両に搭載した実車テストにおいてもキャビテーションに起因する異音は皆無となった。
【0037】
また、仕切部材52の周縁部54を中央部56に対して厚肉に設定するとともに、この厚肉の周縁部54を別体の保持部材58とダイヤフラム18周縁部との間で挟持したことにより、薄肉の中央部56で高周波数域の振動に対する防振性能を確保しながら、仕切部材52を確実に固定することができる。
【0038】
なお、以上の実施形態においては、仕切部材28,52に弾性壁34を設け、ダイヤフラム18にこれの内方への変形を阻止する剛性壁46を設けているが、両者を逆に、即ちダイヤフラムの周縁部に弾性壁を設け、仕切部材の周縁部に該弾性壁の内方への変形を阻止する剛性壁を設けることもできる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、防振基体の小変位時や圧縮方向への大変位時には正規のオリフィス流路の流れを確保しつつ、異音が生じる引張方向への大変位時には副液室の液体をオリフィス流路の一部を短絡するようにオリフィス流路内にリークさせ、これによりキャビテーションを低減して異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図(図4のI−I線断面図)である。
【図2】 防振基体の小変位時及び圧縮方向への大変位時における防振装置の断面図(図4のII−II線断面に相当する図)である。
【図3】 防振基体の引張方向への大変位時における防振装置の断面図である。
【図4】 同防振装置における仕切部材の底面図である。
【図5】 同防振装置の分解半断面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図(図9CのVI−VI線断面図)である。
【図7】 防振基体の小変位時及び圧縮方向への大変位時における防振装置の断面図(図9CのVII−VII線断面に相当する図)である。
【図8】 防振基体の引張方向への大変位時における防振装置の断面図である。
【図9】 (A)は仕切部材の上面図、(B)は仕切部材の断面図、(C)は仕切部材の底面図である。
【図10】 従来の液封入式防振装置の縦断面図である。
【符号の説明】
11……筒状部
12……第1取付部材
14……第2取付部材
16……防振基体
18……ダイヤフラム
24……液室
24A……主液室
24B……副液室
26……オリフィス流路
28,52……仕切部材
34……弾性壁
34A……弾性壁の内周面
42……段部
46……剛性壁(阻止部)
54……仕切部材の周縁部
56……仕切部材の中央部
58……保持部材

Claims (6)

  1. 筒状部を有する第1取付部材と、該筒状部の軸心上に配された第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、該防振基体に対向して配され前記第1取付部材の内側で前記防振基体との間に液室を形成するダイヤフラムと、該液室を、前記防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とに仕切る仕切部材と、を備える液封入式防振装置において、
    前記仕切部材と前記ダイヤフラムのいずれか一方の周縁部に軸方向に突出し周方向に延びる弾性壁を設け、前記弾性壁を前記仕切部材と前記ダイヤフラムの他方の周縁部に当接させてその外周に前記主液室と前記副液室を連結するオリフィス流路を形成するとともに、前記他方の周縁部に前記弾性壁の半径方向内方への変形を阻止する阻止部を設けた
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 筒状部を有する第1取付部材と、該筒状部の軸心上に配された第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、該防振基体に対向して配され前記第1取付部材の内側で前記防振基体との間に液室を形成するダイヤフラムと、該液室を、前記防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とに仕切る仕切部材と、を備える液封入式防振装置において、
    前記仕切部材と前記ダイヤフラムのいずれか一方の周縁部に軸方向に突出し周方向に延びる弾性壁を設け、その外周に前記主液室と前記副液室を連結するオリフィス流路を形成するとともに、前記仕切部材と前記ダイヤフラムの他方の周縁部に前記弾性壁の半径方向内方への変形を阻止する阻止部を設け
    前記阻止部は、前記他方の周縁部に設けられた周方向に延びる剛性壁であって、前記弾性壁の内周面に当接配置されて該弾性壁の半径方向内方への変形を阻止する
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  3. 前記弾性壁がゴム状弾性体からなり、前記剛性壁がゴム状弾性体に剛体を埋設してなる請求項記載の液封入式防振装置。
  4. 前記弾性壁の内周側に軸方向に落ち込んだ段部が設けられ、該段部に前記剛性壁の先端が圧接されたことを特徴とする請求項記載の液封入式防振装置。
  5. 前記弾性壁が前記仕切部材の周縁部に設けられ、前記阻止部が前記ダイヤフラムの周縁部に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  6. 前記仕切部材がゴム状弾性体のみからなり、その周縁部が中央部に対して厚肉に形成されており、この厚肉の周縁部がリング状の保持部材と前記ダイヤフラムの周縁部との間で挟持されることで前記仕切部材が前記液室内に固定されたことを特徴とする請求項記載の液封入式防振装置。
JP2003076644A 2002-12-25 2003-03-19 液封入式防振装置 Expired - Fee Related JP4202796B2 (ja)

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