JP2827841B2 - 流体封入式防振組立体 - Google Patents

流体封入式防振組立体

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JP2827841B2 JP25796193A JP25796193A JP2827841B2 JP 2827841 B2 JP2827841 B2 JP 2827841B2 JP 25796193 A JP25796193 A JP 25796193A JP 25796193 A JP25796193 A JP 25796193A JP 2827841 B2 JP2827841 B2 JP 2827841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の共振作
用に基づいて防振効果を得るようにした、自動車用エン
ジンマウント等に好適に用いられる流体封入式防振組立
体に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウントやボ
デーマウント等、振動伝達系を構成する部材間に介装さ
れる防振連結体乃至は支持体の一種として、第一の支持
金具と第二の支持金具をゴム弾性体にて連結する一方、
第二の支持金具にて支持された仕切部材を挟んだ両側に
一対の流体室を形成すると共に、それら両流体室を相互
に連通する制限流路を仕切部材に設けることにより、か
かる制限流路を通じて流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて防振効果を得るようにした構造の流体封入式
防振組立体が知られている。
【0003】また、このような流体封入式防振組立体に
おいて、制限流路の開口部には、防振特性のチューニン
グ等の目的で、流体流動量を制限するために、変位乃至
は変形によって微小変位が許容される可動部材が適宜に
配設される。更に、制限流路の形状(長さや断面積等)
は、要求される防振特性に応じて適宜に設定されるもの
であり、例えば、低〜中周波数域の振動に対する防振効
果を目的とする場合には、環状や螺旋状等の長い制限流
路が好適に採用される。
【0004】ところが、上述の如き可動部材を配設する
と制限流路が行き止まり構造となるために、組立時に、
流体室に封入される流体をかかる制限流路にまで充填す
ることが難しく、製造が面倒であるという問題があっ
た。また、特に、制限流路が長い場合には、制限流路内
のエアを完全に抜くことが極めて困難となるために、残
留したエアによって所期の防振効果が十分に得られなく
なるという問題があった。
【0005】なお、かかる問題に対処するために、複数
の部品による仕切部材の組立てを流体中で行ない、それ
らの部品の重ね合わせ面間に制限流路を形成することに
より、制限流路内に流体を充填することが、従来から行
なわれている。
【0006】ところが、仕切部材の組立てを流体中で行
なうと、作業が極めて面倒となり、時間がかかるという
問題があった。また、それに加えて、部品の固着を流体
中でしなければならず、固着手段として、圧入や絞り,
かしめ等は採用可能であるものの、超音波溶着などは採
用困難であるために、仕切部材に金属製の部品を用いざ
るを得ず、部品の樹脂化による軽量化および低コスト化
の実現が極めて難しいという問題もあったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、仕切部材に形成された行き止まり構造の制
限流路内にも封入流体を容易に充填することができ、エ
アの残留が有利に防止されて、目的とする防振特性を安
定して得ることのできる流体封入式防振組立体を提供す
ることにある。
【0008】また、本発明は、仕切部材の組立てを流体
中で行なわなくても、制限流路内への封入流体の充填を
容易に行なうことができ、大気中での仕切部材の組立て
が可能となって、仕切部材の樹脂化も容易に実現可能な
流体封入式防振組立体を提供することも、目的とする。
【0009】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、第一の支持金具と第
二の支持金具をゴム弾性体にて連結すると共に、該第二
の支持金具にて支持された仕切部材を挟んだ両側に一対
の流体室を形成する一方、該仕切部材の内部にかかる一
対の流体室間に跨がって延びる制限流路を設けると共
に、該制限流路の開口部に小変位可能な可動部材を配設
せしめてなる流体封入式防振組立体において、前記仕切
部材に、前記制限流路の前記可動部材側部分を該制限流
路の外部に連通する微小孔を設けたことにある。
【0010】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
述する。
【0011】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。この
エンジンマウント10は、パワーユニット側およびボデ
ー側の各一方に取り付けられる第一の支持金具12と第
二の支持金具14を有しており、それら両支持金具1
2,14が、ゴム弾性体16によって連結されている。
そして、かかるエンジンマウント10には、その装着状
態下、図1中の上下方向に、防振すべき主たる振動が入
力されることとなる。また、マウント装着時には、第一
の支持金具12と第二の支持金具14の間にパワーユニ
ット重量が及ぼされることにより、ゴム弾性体16に弾
性変形が生ぜしめられて、図1に示された状態より所定
量だけ、第一の支持金具12が第二の支持金具14側に
変位して位置せしめられることとなる。
【0012】より詳細には、第一の支持金具12は、略
中実の円形ロッド形状を呈しており、軸方向中央部分に
は、外方に突出する環状のストッパ部18が設けられて
いる。また、第一の支持金具12の軸方向下側部分は、
略半分の長さに亘って、先細の円錐台形状とされている
一方、軸方向上側部分には、軸方向に延びるボルト穴2
0が形成されており、かかるボルト穴20によって、図
示しないパワーユニット側またはボデー側に取り付けら
れるようになっている。
【0013】また、この第一の支持金具12には、ゴム
弾性体16が加硫接着されている。かかるゴム弾性体1
6は、略円錐台形状を呈しており、大径側端面に開口す
る凹所22を有している。そして、その小径側端部に、
第一の支持金具12の軸方向下側部分が埋入されて加硫
接着されている一方、その大径側端部には、円筒形状の
金属スリーブ24が外周面に加硫接着されている。
【0014】さらに、第一の支持金具12のストッパ部
18には、所定高さで上方に突出する緩衝ゴム26が、
加硫接着されている。なお、この緩衝ゴム26は、ゴム
弾性体16と一体的に形成されている。
【0015】一方、第二の支持金具14は、全体として
段付円筒形状を呈しており、軸方向中央部分に形成され
た段差部28を挟んで、軸方向下側部分が小径部30と
され、軸方向上側部分が大径部32とされている。更
に、小径部30側の開口部は、薄肉ゴムからなる可撓性
膜34によって、流体密に覆蓋されている。また、小径
部30および大径部32の内周面には、薄肉のシールゴ
ム層36が、可撓性膜34と一体的に形成されている。
【0016】そして、この第二の支持金具14は、大径
部32において、金属スリーブ24に外嵌固定されるこ
とにより、ゴム弾性体16の大径側端部に固着されてい
る。これによって、第一の支持金具12と第二の支持金
具14が、ゴム弾性体16を介して相互に連結されてい
ると共に、第二の支持金具14の開口部がゴム弾性体1
6によって流体密に覆蓋されて、第二の支持金具14の
内部が密閉されている。
【0017】さらに、第二の支持金具14には、一回り
大きな有底円筒形状を呈する取付金具38が外挿されて
組み付けられている。この取付金具38には、筒壁部の
軸方向中央部分に段差部40が設けられていると共に、
開口部分にかしめ部42が設けられており、それら段差
部40とかしめ部42の間で、第二の支持金具14の大
径部32と金属スリーブ24を軸方向に挟持することに
より、第二の支持金具14に固定的に組み付けられてい
る。
【0018】そして、この取付金具38が第二の支持金
具14に組み付けられることにより、第二の支持金具1
2の大径部32からの金属スリーブ24の抜け出しが防
止されている。また、取付金具38の底部には、可撓性
膜34の変形を許容し得る空間44が形成されていると
共に、取付金具38の底壁部には、かかる空間44を外
部に連通する通孔46が設けられている。
【0019】また、かかる取付金具38の筒壁部には、
ブラケット48が外方に延び出して固着されており、こ
のブラケット48により、第二の支持金具14が、取付
金具38を介して、図示しないボデー側またはパワーユ
ニット側に取り付けられるようになっている。
【0020】更にまた、取付金具38の開口側には、略
円筒形状を呈するストッパ金具50が配設されている。
このストッパ金具50は、軸方向一方の端部に外フラン
ジ部52を有しており、かかる外フランジ部52を、取
付金具38のかしめ部42と金属スリーブ24との間で
挟持されることにより、取付金具38から軸方向外方に
突出して固着されている。そして、このストッパ金具5
0の先端側開口部には、径方向内方に延びる円環板状の
当接部54が形成されており、かかる当接部54が、第
一の支持金具12のストッパ部18に対して、軸方向外
方に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。これ
によって、大きな振動荷重入力時に、ストッパ部18
が、緩衝ゴム26を介して、当接部54に当接せしめら
れ、以て、ゴム弾性体16の過大な変形が防止されるよ
うになっているのである。なお、本実施例では、ストッ
パ金具50内への異物侵入を防止するために、略逆カッ
プ形状のゴムカバー56が第一の支持金具12に装着さ
れ、ストッパ金具50の開口部が覆われている。
【0021】さらに、第二の支持金具14の内部には、
仕切部材58が収容されて固定的に配置されており、か
かる仕切部材58によって、第二の支持金具14の内部
が仕切られて二分されている。そして、仕切部材58を
挟んで、一方の側に、壁部の一部がゴム弾性体16にて
構成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧
室60が形成されていると共に、他方の側に、壁部の一
部が可撓性膜34にて構成されて容積変化が許容される
平衡室62が形成されている。
【0022】また、これら受圧室60と平衡室62に
は、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコ
ール、シリコーン油等の、所定の非圧縮性流体が封入さ
れている。なお、かかる非圧縮性流体の封入は、第二の
支持金具14に対する仕切部材58の組み付けや、該第
二の支持金具14の金属スリーブ24への嵌着を流体中
で行なうことによって、有利に為され得る。
【0023】ところで、仕切部材58は、図2及び図3
に示されているように、略有底円筒形状を呈する外側部
材64に対して、その内部に、略円板形状を呈する内側
部材66が嵌め込まれて固着されてなる構造とされてお
り、全体として略厚肉の円板形状を呈している。また、
外側部材64の開口周縁部には径方向外方に広がるフラ
ンジ部68が設けられている。なお、本実施例では、こ
れら外側部材64および内側部材66として、いずれも
熱可塑性合成樹脂の成形品が用いられており、例えば超
音波融着等によって一体的に固着されている。
【0024】そして、かかる仕切部材58は、第二の支
持金具14の小径部30に嵌め込まれると共に、フラン
ジ部68が段差部28に重ね合わされて組み付けられて
おり、かかるフランジ部68が金属スリーブ24で段差
部28上に押圧されることによって、第二の支持金具1
4に固着されている。なお、フランジ部68には、第二
の支持金具14への組付時に流体圧を逃がすための圧抜
孔69が設けられている。
【0025】さらに、かかる仕切部材58を構成する外
側部材64には、筒壁部70の外周面を周方向に一周弱
の長さで延びる第一の凹溝72が形成されており、該第
一の凹溝72が第二の支持金具14の小径部30にて覆
蓋されることによって、周方向に一周弱の長さで延び、
周方向両端部が受圧室60と平衡室62にそれぞれ連通
せしめられて、それら両室60,62間での流体の流動
を許容する第一の制限流路74が形成されている。な
お、本実施例では、シェイク等に相当する低周波数域の
大振幅振動の入力時に、この第一の制限流路74を通じ
て流動せしめられる流体の共振作用に基づいて高減衰効
果が発揮されるように、その断面積や長さ等が設定され
ている。
【0026】また、仕切部材58を構成する内側部材6
6には、外周面を周方向に一周弱の長さで延びる第二の
凹溝76が形成されており、該第二の凹溝76が外側部
材64の筒壁部70にて覆蓋されることによって、周方
向に一周弱の長さで延びる第二の制限流路78が形成さ
れている。そして、この第二の制限流路78は、周方向
一方の端部が受圧室60に連通されている一方、周方向
他方の端部が、内側部材66と外側部材64の底壁部8
0との重ね合わせ面間に形成された空所82に連通され
ている。
【0027】更にまた、この空所82には、可動部材と
しての円板形状のゴム膜84が配設されており、その外
周縁部を内側部材66と外側部材64の重ね合わせ面間
で挟持されることによって、かかる空所82が、上側
(内側部材66側)部分と下側(外側部材64側)部分
とに仕切られている。そして、空所82の上側部分が、
第二の制限流路78を通じて、受圧室60に連通されて
いる一方、空所82の下側部分が、外側部材64の底壁
部80に設けられた連通孔86を通じて、平衡室62に
連通されている。
【0028】これにより、ゴム膜84の変形に基づい
て、受圧室60と平衡室62との間で、第二の制限流路
78を通じての流体の流動が生ぜしめられるようになっ
ている。そして、本実施例では、アイドリング振動等に
相当する中乃至高周波数域の小振幅振動の入力時に、か
かる第二の制限流路78を通じて流動せしめられる流体
の共振作用に基づいて低動ばね効果が発揮されるよう
に、その断面積や長さ等が設定されている。
【0029】また、かかる第二の制限流路78において
は、ゴム膜84の変形量が弾性力や内外部材66,64
への当接にて制限されることにより、流体の流動量が制
限されるようになっている。それによって、低周波大振
幅振動の入力時には、第二の制限流路78を通じての流
体の流動が制限されて、第一の制限流路74を通じての
流体の流動が生ぜしめられることにより、かかる第一の
制限流路74による高減衰効果が有効に発揮されるよう
になっているのである。
【0030】さらに、前記仕切部材58には、内側部材
66の中央部分を軸方向に貫通して延びる微小孔88が
形成されており、この微小孔88によって、第二の制限
流路78のゴム膜84側部分に設けられた空所82が、
受圧室60に直接連通されている。
【0031】ここにおいて、微小孔88は、第二の制限
流路78を通じて流動せしめられる流体による防振効果
に悪影響を及ぼさないように、第二の制限流路78より
も振動入力時における流体の流動抵抗が大きくなる形態
(断面積や長さ等)をもって、若しくは、微小孔88を
通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、第一及び
第二の制限流路74,78を通じて流動せしめられる流
体の共振周波数よりも低周波となるように、形成されて
いる。具体的には、かかる微小孔88は、φ0.5〜
2.5mmの内径とすることが好ましく、より好適には、
φ1.0〜2.0mmの内径をもって形成される。
【0032】そして、この微小孔88により、前述の如
き受圧室60および平衡室62への流体封入時に、第二
の制限流路78からのエア抜きが行なわれて、かかる第
二の制限流路78内に流体が充填され得るようになって
いるのである。なお、本実施例では、微小孔88が、空
所82側から外方に行くに従って漸次小径化するテーパ
形状とされており、エア抜きが一層有利に為され得るよ
うになっている。
【0033】すなわち、上述の如き構造のエンジンマウ
ント10においては、受圧室60および平衡室62への
流体封入のために、第二の支持金具14に対する仕切部
材58の組み付けが流体中で行なわれることとなるが、
仕切部材58を流体中に浸漬した際、ゴム膜84によっ
て行き止まりの袋状構造とされた第二の制限流路78内
に存在するエアが、第二の制限流路78の受圧室60側
の開口部に加えて、微小孔88からも排出され得るので
あり、それによって、第二の制限流路78に流体が速や
かに充填されると共に、エアの残留が効果的に防止され
得るのである。
【0034】また、このような流体充填操作に際して、
仕切部材58を流体中に浸漬した後、第二の制限流路7
8の受圧室60側の開口部および微小孔88のいずれか
一方の側から流体を所定圧で注入せしめて、第二の制限
流路78内に存在するエアを、それら第二の制限流路7
8の受圧室60側開口部および微小孔88のいずれか他
方の側から強制的に排出することも可能であり、それに
よって、第二の制限流路78への流体の充填を一層迅速
且つ有利に行なうことができる。なお、微小孔88側か
ら流体を注入する場合には、微小孔88を、空所82側
から外方に行くに従って漸次大径化する逆テーパ形状と
することが望ましい。
【0035】そして、かくの如き仕切部材58において
は、微小孔88により、第二の制限流路78のエア抜き
を流体中で容易に且つ有利に行なうことができることか
ら、外側部材64と内側部材66を大気中で組み立てる
ことが可能となり、組立作業性の向上が有利に達成され
得ると共に、エアの残留が防止されて、目的とする防振
特性を安定して得ることができるのである。
【0036】しかも、仕切部材58を大気中で組み立て
ることができることから、外側部材64と内側部材66
の接着方法として超音波溶着等を採用できるのであり、
それ故、仕切部材58の樹脂化が極めて有利に達成され
得て、仕切部材58、延いてはエンジンマウント10の
軽量化および低コスト化が有利に図られ得るといった効
果もある。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、前記実施例では、ゴム膜84によ
って行き止まり構造とされた第二の制限流路78に加え
て、異なるチューニングが施された第一の制限流路74
が設けられていたが、かかる第一の制限流路74は、マ
ウントに要求される防振特性に応じて適宜に設けられる
ものであって、本発明に必須ではなく、また、マウント
に要求される防振特性に応じて、第二の制限流路78と
は別途、受圧室60と平衡室62を相互に連通する制限
流路を二つ以上設けても良い。
【0039】また、第二の制限流路78の断面積や長さ
等、或いはゴム膜84のばね特性等も、マウントに要求
される防振特性に応じて適宜に決定されるべきものであ
り、前記実施例の記載によって限定的に解釈されるもの
ではない。
【0040】更にまた、前記実施例では、第二の制限流
路78の一方の端部が受圧室60に直接に開口,連通さ
れていたが、かかる端部を平衡室62側に直接に開口,
連通せしめて、ゴム膜84を受圧室60側に位置せしめ
ることも可能である。
【0041】さらに、前記実施例では、可動部材が、弾
性変形によって小変位が許容されるゴム膜84にて構成
されていたが、その他、硬質の可動板の外周縁部を、仕
切部材58により、所定のガタツキ(間隙)をもって保
持せしめること等により、可動部材を構成することも可
能である。
【0042】また、仕切部材58に形成される微小孔の
構造も、前記実施例によって限定的に解釈されるもので
はなく、仕切部材の構造や制限流路の形態等に応じて適
宜に変更され得る。例えば、かかる微小孔を、外側部材
64やゴム膜84を貫通して設けて、第二の制限流路7
8のゴム膜84側部分を、平衡室62側や第一の凹溝7
2内に連通せしめることも可能である。
【0043】更にまた、前記実施例では、二つの部材6
4,66によって仕切部材58が構成されていたが、か
かる仕切部材の具体的構造は限定されるものではなく、
更に、仕切部材を形成する部材間の固着方法も超音波溶
着に限定されるものではない。
【0044】さらに、前記実施例では、仕切部材58が
樹脂材料にて形成されていたが、金属製の仕切部材を採
用することも可能である。そして、金属製の仕切部材を
採用した場合でも、空気中で仕切部材を組み立てること
が可能であると共に、制限流路への流体充填が容易に為
され得ることから、マウント組立作業性の向上や防振特
性の安定化など、前記実施例と同様な効果が、有効に発
揮され得ることとなる。
【0045】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの一例を示したが、
本発明は、ボデーマウント等および自動車以外の各種防
振組立体にも、有利に適用され得るものである。
【0046】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもないところである。
【0047】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振組立体においては、
仕切部材を流体中に浸漬することにより、行き止まり構
造とされた制限流路内に存在するエアが、該制限流路の
開口部と微小孔とによって有利に排出され得るのであ
り、それによって、製造性が向上されると共に、エア残
留に起因する防振特性の悪化が防止されて防振効果の向
上と安定化が有利に達成され得る。
【0048】しかも、かかる流体封入式防振組立体にお
いては、予め大気中で組み立てられた仕切部材を流体中
に浸漬せしめて制限流路内に流体を充填しても、制限流
路内へのエア残留が有効に防止されることから、仕切部
材の構成部品の固着方法として超音波溶着等を採用する
ことが可能であり、それによって、仕切部材の樹脂化が
容易に実現され得て、軽量化および低コスト化も有利に
達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として自動車用エンジンマウ
ントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材を示す平面図である。
【図3】図2における III−III 断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の支持金具 14 第二の支持金具 16 ゴム弾性体 34 可撓性膜 58 仕切部材 60 受圧室 62 平衡室 64 外側部材 66 内側部材 74 第一の制限流路 78 第二の制限流路 82 空所 84 ゴム膜 88 微小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の支持金具と第二の支持金具をゴム
    弾性体にて連結すると共に、該第二の支持金具にて支持
    された仕切部材を挟んだ両側に一対の流体室を形成する
    一方、該仕切部材の内部にかかる一対の流体室間に跨が
    って延びる制限流路を設けると共に、該制限流路の開口
    部に小変位可能な可動部材を配設せしめてなる流体封入
    式防振組立体において、 前記仕切部材に、前記制限流路の前記可動部材側部分を
    該制限流路の外部に連通する微小孔を設けたことを特徴
    とする流体封入式防振組立体。
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