JP4202277B2 - ろ過器およびそれを用いた発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は、高温水中に含まれる固形不純物を除去するためのろ過器およびこのろ過器を用いた発電プラントに関する。
発電プラントにおいては、復水器の構造材や配管材で生成した懸濁物(主に鉄の酸化物)を除去するために、給水の加熱前にポリエチレン製の中空糸膜型ろ過器を用いて給水をろ過している。
従来のろ過器の例としては、フィルターからの溶出物を低減したフッ素樹脂製フィルターがある(例えば、特許文献1参照)。また、芳香族ポリエーテルケトンを用いたフィルターも考案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
特開2002−346346号公報 特開平7−110107号公報 特開平8−122489号公報
しかしながら、従来ろ過器に使用されているフィルターには、耐熱性や溶出性能において解決すべき問題があった。
例えば、給水中に存在する懸濁物は、給水加熱器以降にも発生するが、上述したポリエチレン製の中空糸膜型ろ過器は、耐熱温度が100℃以下であるため、給水加熱器以降において使用することができないという問題があった。また、ステンレス製金属フィルターは化学的に不安定であり、フィルター材である金属材料の溶出や腐食生成物の成長によるフィルター孔の閉塞の問題があった。一方、フッ素樹脂製フィルターと芳香族ポリエーテルケトン製フィルターについても耐熱温度が250℃であるため、300℃を超えるような高温水には使用することができない。
従って、発電プラントにおいて給水加熱器以降の高温水においても使用可能なろ過器が必要とされていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、高温の条件でもフィルター材が溶出することなく良好な濾過性能が得られるろ過器およびそれを用いた発電プラントを提供することを目的とする。
本発明のろ過器は、上述した課題を解決するために、容器内にチタン焼結材で作製されたチタンフィルターを設置しろ過器本体と、前記容器内にろ過対象である被処理液を流通する被処理液流入ラインと、前記容器からろ過後の処理液を前記配管ラインに流通する処理液流出ラインとを備え、前記チタンフィルターの表面にチタン粒子または繊維状チタン、BaZrO から選択されたろ過助剤をプリコートしてなることを特徴とするものである。
また、本発明の発電プラントは、上述した課題を解決するために、容器内にチタン焼結材で作製されたチタンフィルターを設置しろ過器本体と、前記容器内にろ過対象である被処理液を流通する被処理液流入ラインと、前記容器からろ過後の処理液を前記配管ラインに流通する処理液流出ラインとを備え、前記チタンフィルターの表面にチタン粒子または繊維状チタン、BaZrO から選択されたろ過助剤をプリコートしてなるろ過器を、配管ライン中に設置したことを特徴とするものである。
本発明のろ過器およびそれを用いた発電プラントによれば、高温水に対する耐久性およびろ過性能に優れたろ過器が得られ、発電プラントの配管内面での懸濁物によるエロージョンや伝熱阻害が防止される。
本発明のろ過器は、被処理液流入ラインと処理液流出ラインとを備えた容器内に、高温水中で耐久性のあるチタン繊維またはチタン粒子を焼結させたチタン焼結体、例えばチタン繊維焼結シートで作られたチタンフィルターを設置して構成したものである。また、本発明の発電プラントは、このろ過器を配管ラインに設置した発電プラントである。発電プラントの例としては、例えば、沸騰水型原子力発電プラントや加圧水型発電プラントや火力発電プラント等が挙げられる。
本発明に係るろ過器およびそれを用いた発電プラントの実施例について、図を参照して以下に説明する。
図1に概略を示す本発明のろ過器1は、容器2内にチタンフィルター3を設置してろ過器本体が構成され、容器2には、被処理液流入ライン4aおよび処理液流出ライン4bが接続されている。ここで、ろ過する対象流体を被処理液と称し、ろ過後の流体を処理液と称する。
被処理液流入ライン4aは、例えば、発電プラントの復水器から圧力容器または蒸気発生器につながる給水ライン等の、水中に鉄等の懸濁物を含む被処理液が流通される配管に接続される。
被処理液流入ライン4aを流通した被処理液が容器2内に流れてチタンフィルター3でろ過される。このろ過処理によって被処理液中に含まれる懸濁物がチタンフィルター3で捕集される。ろ過された後の処理液は、容器上部の処理液流出ライン4bによって蒸気発生器へと流通する。
チタンフィルター3は、繊維径が100μm以下であるチタン繊維で構成されることが好ましい。また、チタン繊維は、フィルター機能を有する孔径40μm以下の細孔が開いた形状を備える。
図2および図3に、ろ過器1の構成例を概略図として示す。
図2は、容器2内に円筒状のチタンフィルター3を設置したろ過器1の構成例を示す。ろ過器1において、チタンフィルター3は、封止部3aで容器2に固定保持され、被処理液と処理液との隔壁として機能する。封止部3aは、高温水中で耐久性のある材質で構成され、具体的な材料として、例えば、チタン,ステンレス,インコネル,ハステロイ等の金属材料が使用されるが、これらの金属材料のうち、鉄分を含まないチタンが特に好ましい。
図3は、容器2内にチタン製プリーツ状フィルター5を設置したろ過器1の構成例を示す。チタン製プリーツ状フィルター5は、封止部5aとプリーツフィルタ支持板6とが密着するようにプリーツフィルタ支持棒7によって固定され、容器2に固定保持される。すなわち、封止部5aと、プリーツフィルタ支持板6とにより非処理液と処理液との隔壁を構成する。
このように、例えば、図2および図3に示すような構成とされたろ過器を配管ラインに設置することにより発電プラントの被処理液をろ過処理する。
図4に、本発明のろ過器を設置した実施例1の発電プラントの構成を示す。
図4に示す実施例1の発電プラントは、復水器11から復水脱塩設備12および低圧ヒーター13、高圧ヒーター14を通して蒸気発生器8へと流れる給水系と、蒸気発生器8から高圧タービン9、低圧タービン10へ流れる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒーター14または低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続するタービン抽気管およびヒータードレン配管(以下、ヒータードレン系40およびヒータードレン系41と省略する)の流れを概略的に示したものである。
この発電プラントにおいて、復水器11から低圧ヒーター13、高圧ヒーター14を通して蒸気発生器8へと流れる給水系の配管ラインに、本発明のろ過器である給水ろ過器15を設置する。
図5に、本発明のろ過器に使用されるチタンフィルターの高温高圧条件下における除鉄性能を計測したグラフを示す。
図5に示すように、温度160〜286℃、圧力7MPa、線流速24m/hrの条件下において鉄懸濁物の除染係数(入口濃度/出口濃度)は、2〜7と良好な除洗性能が得られた。また、処理液中のチタン濃度を測定したところ、0.1μg/L以下と微小であった。これらの除鉄性能試験により、本発明のろ過器によれば、フィルター材の溶出が最小限に抑制され、高温の被処理液中の懸濁物をろ過可能であることが判明した。
従って、発電プラントの給水系にチタンフィルターを使用した給水ろ過器15を設置することにより、特に200℃を超える高温水中に含まれる懸濁物の除去に効果があり、処理液の水質を良好に保つことができることが明らかとなった。従って、処理液の水質が向上するので、給水中の懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンの低減や、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害の低減、また伝熱管洗浄工程の低減が可能となる。
次に、本発明に係る発電プラントの実施例2の構成について説明する。
本実施例の発電プラントは、例えば、沸騰水型原子力発電プラント、加圧水型発電プラント、火力発電プラント等のヒータードレン系に本発明のろ過器を設置したことを特徴とする。
図6に、低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続する低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と、高圧タービン9から高圧ヒーター14を通って給水系に接続する高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43に、ヒータードレンろ過器16を設置した発電プラントの実施例を示す。
ヒータードレン系41のドレン配管ライン42およびヒータードレン系40のドレン配管ライン43の水温は200℃以下であるが、本発明のろ過器は、図5に示したように水温180℃においても良好な除鉄性能が得られるので、被処理液中の懸濁物を効果的に除去することが可能となる。
このように、発電プラントのヒータードレン系41のドレン配管ライン42およびヒータードレン系40のドレン配管ライン43にチタンフィルターを用いたヒータードレンろ過器16を設置することにより処理液の水質を良好に保つことができ、ヒータードレンの懸濁物が低減するので、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンの低減や、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害の低減、伝熱管洗浄工程の低減が可能となる。
次に、図7を用いて本発明のろ過器の洗浄システムについて説明する。図7は、ろ過器1にフィルター材に付着した懸濁物を洗浄除去するための逆洗設備および洗浄設備を設けたものである。
図7に示すように、このろ過器1は、チタンフィルター3の表面に付着した懸濁物を洗浄するために、水や空気または水蒸気、あるいは超音波振動による逆洗および洗浄を可能にする設備を設置したものである。
処理液の流量および水質を良好に維持するためには、一定差圧に達した時点でろ過器1への通水を停止し、水、空気または水蒸気を利用してチタンフィルター3表面に付着した懸濁物を洗浄して除去する作業が必要となる。
図7のろ過器1の逆洗操作をするには、まず被処理液流入ライン4aからの容器2への通水を停止し、水または空気を逆洗設備17aから逆洗ライン17bを通して容器2の上部に流通させ、洗浄流体(逆洗液)をチタンフィルター3に流通させて、容器2下部の逆洗液排出ライン17cより排出する。この逆洗操作により、チタンフィルター3の表面に付着した懸濁物が取り除かれる。
また、図7に示すろ過器は、上記した逆洗設備に加えて、洗浄設備としてバブリングガス供給設備18aを備える。すなわち、バブリングガス供給設備18aからバブリングガス供給ライン18bを通して容器2にガスを供給し、チタンフィルター3を流通した後、バブリングガス排出ライン18cよりガスを排出することにより、チタンフィルター3表面に付着した懸濁物が取り除かれる。
さらに、図7に示すろ過器は、洗浄設備としての超音波発生装置18dを備える。超音波発生装置18dにより発振する超音波によりチタンフィルター3表面より懸濁物が取り除かれる。
上述した逆洗設備および洗浄設備により懸濁物がチタンフィルター3表面から取り除かれ、容器2下部に沈降した懸濁物は、ドレンライン18eより排出される。
次に、実施例3の発電プラントについて説明する。
図8に、復水器11から低圧ヒーター13、高圧ヒーター14を通して蒸気発生器8へと流れる給水系に、給水ろ過器15および給水ろ過器逆洗設備19とを設置した実施例3の発電プラントの構成を示す。
このように、給水ろ過器15と給水ろ過器逆洗設備19を設置することにより給水ろ過器15に捕捉された懸濁物を取り除くことが可能となる。給水ろ過器逆洗設備19は、図7に示した逆洗設備のような構成とすることが可能であり、また、給水ろ過器逆洗設備19に代えて図7に示すような洗浄設備を設ける構成としてもよい。
被処理液中に含まれる懸濁物は、チタンフィルター3の表面に付着するが、懸濁物を除去しないまま処理を続けた場合、容器2内部での圧力損失が大きくなるために容器入口と容器出口との差圧が大きくなり、被処理液の流れが阻害される。また、懸濁物の一部が押し流されて容器出口水質を悪化させる要因ともなる。
そこで、本発明の発電プラントは、給水ろ過器に逆洗設備および洗浄設備の少なくとも一方を設けることにより、チタンフィルター3を洗浄することが可能となり、フィルター材を交換することなく再使用でき、また、処理液の水質を良好に保つことができる。
次に、実施例4の発電プラントについて説明する。
図9に示す本実施例の発電プラントは、実施例2の発電プラントにおいて、ヒータードレン系に設置されたヒータードレンろ過器16にヒータードレンろ過器逆洗設備20を設けたものである。
すなわち、図9の発電プラントにおいて、低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続する低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と、高圧タービン9から高圧ヒーター14を通って給水系に接続する高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43とに、ヒータードレンろ過器16およびヒータードレンろ過器逆洗設備20を設置する。このように、ドレン配管ライン42およびドレン配管ライン43にヒータードレンろ過器16とヒータードレンろ過器逆洗設備20とを設置することによりヒータードレンろ過器16の性能を維持することが可能となる。
すなわち、ヒータードレンろ過器逆洗設備20により、ヒータードレンろ過器16のチタンフィルター3の表面に付着した懸濁物を除去するが、比較的緩やかにチタンフィルター3表面に付着した懸濁物については、水および空気を洗浄流体として逆洗操作することにより取り除くことが可能である。
実施例4の発電プラントによれば、ヒータードレンろ過器16にヒータードレンろ過器逆洗設備20を設けることにより、チタンフィルター3を洗浄することができるので、チタンフィルター3を交換することなく再使用でき、処理液の水質を良好に保つことができる。なお、ヒータードレンろ過器逆洗設備20としては、図7に示した逆洗設備のような構成とすることができ、また、ヒータードレンろ過器逆洗設備20に代えて図7に示した洗浄設備を設ける構成としてもよい。
次に実施例5の発電プラントについて説明する。
図10に示す本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)に本発明のろ過器を設置したものである。
すなわち、図10のBWRプラントは、復水器11から復水脱塩設備12および低圧ヒーター13および高圧ヒーター14を通して圧力容器21へと流れる給水系と、圧力容器21から高圧タービン9および低圧タービン10へ流れる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒーター14を通って給水系に接続する高圧ヒータードレン系40と、低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続する低圧ヒータードレン系41とから構成される。
この給水系に、給水ろ過器15を設置し、また、低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43とにヒータードレンろ過器16を設置する。
この発電プラントによれば、BWRプラントの給水系および低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43とにフィルター材として耐熱性に優れたチタンフィルターを用いた本発明のろ過器を設置することにより、給水中およびヒータードレンの懸濁物が低減することができるので、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンや、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を低減し、また伝熱管洗浄工程の低減および放射能の低減が可能となる。
次に実施例6の発電プラントについて説明する。
本実施例の発電プラントは、加圧水型原子力発電プラントに本発明のろ過器を設置したものである。
図11に示す発電プラントは、加圧水型原子力発電プラント(以下PWRプラント)にろ過器を設置した実施形態であり、PWRプラントの復水器11から復水脱塩設備12および低圧ヒーター13,脱気器23,高圧ヒーター14を通して蒸気発生器22へと流れる給水系と、蒸気発生器22から高圧タービン9および低圧タービン10へ流れる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒーター14を通って給水系に接続する高圧ヒータードレン系40と、低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続する低圧ヒータードレン系41とから構成される。
この給水系に給水ろ過器15を設置し、また、低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43とにヒータードレンろ過器16を設置する。
実施例6の発電プラントによれば、PWRプラント給水系およびヒータードレン系にフィルター材として耐熱性に優れたチタンフィルターを用いたろ過器を設置することにより、給水中およびヒータードレンの懸濁物が低減することができるので、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンや、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を低減し、伝熱管洗浄工程の低減および蒸気発生器化学除染頻度の低減が可能となる。
次に実施例7の発電プラントについて説明する。
本実施例の発電プラントは、火力発電プラントに本発明のろ過器を設置する構成としたものである。
図12に示す本実施例の発電プラントは、火力発電プラントにおける復水器11から復水脱塩設備12,低圧ヒーター13,脱気器23,高圧ヒーター14および節炭器25を通して蒸発器24へと流通する給水系と、蒸発器24から高圧タービン9および低圧タービン10へ流れる主蒸気系と、高圧タービン9から高圧ヒーター14を通って給水系に接続する高圧ヒータードレン系40と、低圧タービン10から低圧ヒーター13を通って給水系に接続する低圧ヒータードレン系41とから構成される。
この給水系に給水ろ過器15を設置し、また、低圧ヒータードレン系41のドレン配管ライン42と高圧ヒータードレン系40のドレン配管ライン43とにヒータードレンろ過器16を設置する。
本実施例の発電プラントによれば、火力プラント給水系およびヒータードレン系にフィルター材として耐熱性に優れたチタンフィルターを用いたろ過器を設置することにより、給水中およびヒータードレンの懸濁物が低減することができるので、懸濁物に起因する配管内面でのエロージョンや伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を低減し、伝熱管洗浄工程の低減および火力発電プラント起動前洗浄時間の短縮が可能となる。
次に実施例8の発電プラントについて説明する。
本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電所の再循環系および炉水浄化系に本発明のろ過器を設置したものである。
図13に示すように、沸騰水型原子力発電所において圧力容器26に再循環ライン27aによって炉水を循環させている。炉水の一部は、再循環ライン27aから分岐した炉水浄化系ライン27bを流通して炉水浄化設備28に送られて浄化された後、給水系に送られる。この再循環ライン27aにろ過器29を設置し、炉水浄化系につながる炉水浄化系ライン27bにろ過器30を設置する。また、再循環ライン27aから分岐したラインに循環ライン31を設けてろ過器32を設置する。
本実施例の発電プラントによれば、炉水中のコバルト成分をろ過器29、ろ過器30およびろ過器32で捕捉するので、炉水中のコバルト濃度を低下することができる。また、炉水浄化系で使用されているイオン交換樹脂に捕捉されるコバルトの量が低減するので、コバルトの処分費用を低減することが可能である。
図14にチタンフィルターの高温高圧条件下におけるコバルトの除去性能を試験した結果を示す。
図14に示すように、温度250〜286℃、圧力7MPa、線流速24m/hrの条件で実験したところ、温度250℃以上でのコバルトの除染係数(入口濃度/出口濃度)は2程度であった。従って、高温水中において被処理液中のコバルト成分を効果的にろ過できることが明確となった。
一方、本発明のろ過器において、高温水中での懸濁物やイオン成分のろ過性能を向上させるためにチタンフィルターにろ過助剤を用いることが可能である。
図15にチタンフィルター33の表面にろ過助剤34をプリコートした断面の概略図を示す。
図15に示すように、ろ過助剤34をチタンフィルター33の被処理液側にプリコートする。ろ過助剤としては、粒子径が100μm以下のチタン粒子が好適である。または、チタン粒子に代えて、繊維状チタンまたはジルコニウム酸化物系の無機材料、例えばBaZrO を用いてもよい。
図16に、室温における水酸化鉄の除染係数とチタンプリコート量との関係を示す。ここでろ過助剤として、45μm以下のチタン粒子を使用した。図16の実験結果に明らかなように、チタン粒子をチタンフィルターにプリコートすることにより除染係数が増大する傾向が明らかである。特に、プリコート量を100g/mの場合、除染係数が4程度と良好である。従って、ろ過助剤によりろ過器のろ過性能が向上する。
図17に、BaZrOをチタンフィルターにプリコートした場合の、286℃の高温水中における鉄イオンの除染係数の時間変化を示す。
この図17に示す実験結果に示すように、BaZrOをプリコートすることにより鉄イオンに対する除去性能が日数によらず3程度と高水準である傾向が明らかである。
このような構成とした本発明のろ過器によれば、チタンフィルターのろ過助剤として同材質のチタンを用いることにより、異種金属の接触により発生する隙間腐食の影響がなくろ過性能を向上することが可能となる。また、BaZrOをプリコートすることによりろ過性能を長期間維持するので、高温水中の鉄イオンを効果的に除去することができる。
従って、ろ過助剤としてプリコート材を設けたろ過器をライン中に設置することにより、発電プラントの給水中または炉水およびヒータードレンの懸濁物やイオン成分を低減することができるので、配管内面でのエロージョンや、伝熱管表面への懸濁物付着による伝熱阻害を防止し、伝熱管洗浄工程の低減が可能となる。
本発明に係るろ過器の実施の形態を示す構成図。 本発明に係るろ過器の内部構造を示す構造図。 本発明に係るろ過器の内部構造を示す構造図。 発電プラントの給水系に本発明に係るろ過器を設置した系統図。 チタンフィルターの鉄成分に対する除染係数と温度の関係を示すグラフ。 発電プラントのヒータードレン系にろ過器を設置した系統図。 ろ過器の逆洗設備を設置した発電プラントの系統図。 給水系にろ過器および逆洗設備を設置した発電プラントの系統図。 ヒータードレン系にろ過器および逆洗設備を設置した発電プラントの系統図。 沸騰水型原子力発電プラントにろ過器を設置した系統図。 加圧水型原子力発電プラントにろ過器を設置した系統図。 火力発電プラントにろ過器を設置した系統図。 沸騰水型原子力発電プラントの再循環ラインにろ過器を設置した系統図。 チタンフィルターの高温高圧下におけるコバルトの除去性能を示すグラフ。 チタンフィルターにろ過助剤プリコートした構造を示す模式図。 水酸化鉄の除染係数とチタンプリコートの関係を示すグラフ。 チタンフィルターにBaZrO3をプリコートした場合のろ過性能を示すグラフ。
符号の説明
1 ろ過器
2 容器
3 チタンフィルター
3a 封止部
4a 被処理液流入ライン
4b 処理液流出ライン
5 チタン製プリーツ状フィルター
5a 封止部
6 プリーツフィルタ支持板
7 プリーツフィルタ支持棒
8 蒸気発生器
9 高圧タービン
10 低圧タービン
11 復水器
12 復水脱塩設備
13 低圧ヒーター
14 高圧ヒーター
15 給水ろ過器
16 ヒータードレンろ過器
17a 逆洗設備
17b 逆洗ライン
17c 逆洗液排出ライン
18a バブリングガス供給設備
18b バブリングガス供給ライン
18c バブリングガス排出ライン
18d 超音波発生装置
18e ドレンライン
19 給水ろ過器逆洗設備
20 ヒータードレンろ過器逆洗設備
21 圧力容器
22 蒸気発生器
23 脱気器
24 蒸発器
25 節炭器
26 圧力容器
27a 再循環ライン
27b 炉水浄化系ライン
28 炉水浄化設備
29 ろ過器
30 ろ過器
31 循環ライン
32 ろ過器
33 チタンフィルター
34 ろ過助剤
40 高圧ヒータードレン系
41 低圧ヒータードレン系
42 ドレン配管ライン
43 ドレン配管ライン

Claims (9)

  1. 容器内にチタン焼結材で作製されたチタンフィルターを設置しろ過器本体と、前記容器内にろ過対象である被処理液を流通する被処理液流入ラインと、前記容器からろ過後の処理液を前記配管ラインに流通する処理液流出ラインとを備え、前記チタンフィルターの表面にチタン粒子または繊維状チタン、BaZrO から選択されたろ過助剤をプリコートしてなることを特徴とするろ過器。
  2. 請求項1記載のろ過器を、配管ライン中に設置したことを特徴とする発電プラント。
  3. 前記配管ラインが復水器と蒸気発生器とを接続する給水系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  4. 前記配管ラインがタービンからヒーターを通って給水系に接続するヒータードレン系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  5. 前記チタンフィルターを洗浄するための洗浄設備および逆洗設備の少なくとも一方の設備を備えたことを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  6. 前記配管ラインが、沸騰水型原子力発電プラントの給水系およびヒータードレン系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  7. 前記配管ラインが、加圧水型原子力発電プラントの給水系およびヒータードレン系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  8. 前記配管ラインが、火力発電プラントの給水系およびヒータードレン系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
  9. 前記配管ラインが、沸騰水型原子力発電所の再循環系または炉水浄化系の配管ラインであることを特徴とする請求項2記載の発電プラント。
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