JP4198453B2 - 通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法 - Google Patents

通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば継手に接続された通水管の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止し、管本体と継手との間からの流体の漏れ出しを防止するために形成される通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば継手等の接続体と、給水管として使用される合成樹脂材料製の通水管とは、両者の接続部分からの流体の漏れ出しが防止されるように接続されている(例えば、特許文献1参照。)。図25に示すように、通水管101は管本体101aよりなり、その管本体101aが接続される前記継手102は、金属材料により略円筒状に形成されている。継手102の一端部には前記通水管101の内側に挿入されるインナー体としての接続筒部103が突設され、他端部には管体(図示せず)が接続可能に形成されている。前記接続筒部103の外周面には同接続筒部103の周方向に沿って外方へ突出する突条103aが一定間隔をおいて複数箇所に形成されている。
【0003】
上記継手102に通水管101を接続するには、まず、通水管101と継手102の接続状態で、管本体101aの内径と、接続筒部103の内径とをほぼ同じにし、接続筒部103による流体の流量損失を小さくするため、管本体101aの端部を拡径治具(図示せず)を使用して拡径する。そして、管本体101aの拡径された端部が自己の収縮力により元の状態に復帰する前に管本体101aの拡径部分を接続筒部103の外周面に装着する。すると、管本体101aが前記収縮により縮径して管本体101aの内周面が接続筒部103の外周面に圧接する。さらに、拡径された管本体101aの端部に合成樹脂材料によりリング状に形成された固定リング104を外嵌する。
【0004】
すると、前記固定リング104の収縮に伴う縮径により管本体101aの端部が外周側から締め付けられ、管本体101aの端部が固定リング104と接続筒部103との間に挟持される。その結果、管本体101aの内周面に突条103aが食い込み、管本体101aが接続筒部103に抜け止めされ、通水管101が継手102に抜け止めされた状態に接続される。
【0005】
前記通水管101と継手102との接続状態において、管本体101aの縮径による締付及び固定リング104の管本体101aの端部に対する締付により、管本体101aの内周面が接続筒部103の外周面に圧接し、流体に対するシール構造が形成されている。そして、そのシール構造により管本体101aの端部における流体の漏れ出しが防止され、通水管101と継手102との間から流体が漏れ出るのが防止されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−2384号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の通水管101と継手102との接続構造において、管本体101aの端部を接続筒部103の外周に装着するには、前記端部の内径が接続筒部103の外径より大きくなるように拡径しなければならない。即ち、管本体101aの端部の内周面が接続筒部103の外周面に圧接する状態よりも、端部の内径が大きくなるように拡径しなければならなず、管本体101aの端部には必要以上に大きな負荷が作用してしまう。従って、前記負荷により管本体101aの端部が損傷を受けたり、変形したりして、通水管101と継手102との接続状態において、管本体101aの端部から流体が漏れ出てしまうおそれがあるという問題があった。
【0008】
また、固定リング104を拡径された管本体101aの端部に外嵌するには、工具を使用して固定リング104を管本体101aの拡径された端部側へ強制的にスライド移動させなければならない。そのため、管本体101aを拡径する作業とは別に固定リング104をスライド移動させなければならず、管本体101aの端部にシール構造を形成する作業が非常に煩雑であるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる通水管の端部構造及び同端部構造を備えた通水管を提供することにある。その他の目的とするところは、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる通水管と接続体との接続構造を提供することにある。また、その他の目的とするところは、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる端部構造の形成方法を提供することにある。加えて、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止するシール構造を容易に形成することができる通水管の接続端部の形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止する通水管の端部構造であって、前記管本体の端部の内側には環状をなす金属材料製のインナー体が挿入され、前記管本体の端部の外側にはアウター体が装着され、同インナー体が内側から拡径されて当該インナー体の外周面と管本体の内周面との間及びアウター体の内周面と管本体の外周面との間に管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の通水管の端部構造において、前記インナー体とアウター体とは一体形成されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の通水管の端部構造において、前記アウター体はインナー体の拡径とともに拡径されることを要旨とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の通水管の端部構造において、前記アウター体は合成樹脂材料により形成され、拡径されたアウター体の拡径状態からの収縮によりアウター体が管本体の外周面に圧接していることを要旨とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の通水管の端部構造において、前記インナー体の拡径により管本体の端部には、当該管本体を接続体に接続させるための接続用膨出部が形成されていることを要旨とする。
【0015】
請求項に記載の発明は、接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止する通水管の端部構造であって、前記管本体の端部の内側には環状をなす金属材料製のインナー体が挿入され、同インナー体が内側から拡径されて当該インナー体の外周面と管本体の内周面との間に管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成され、前記インナー体は管本体内への挿入状態において、管本体の端面から延出する延出部を備え、当該延出部は管本体を接続体に接続するための固定部であることを要旨とする。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の端部構造を管本体の一端部又は両端部に備えたことを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の端部構造を備えた通水管を、接続体に接続するために管本体の端部と接続体の接続筒部との間に形成される通水管と接続体との接続構造であって、前記管本体の接続用膨出部と、前記接続筒部に設けられた接続手段の係合部との係合により形成されていることを要旨とする。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記接続手段は接続筒部に螺合して取り付けられ、その取付状態で接続用膨出部に係合する係合部を備えた抜脱防止スリーブにより形成されていることを要旨とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記接続手段は係合部を備えた係合体と、当該係合体と接続用膨出部との係合を維持すべく接続筒部に取り付けられる取着体とにより形成されていることを要旨とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記取着体は前記係合体を内部に保持して接続筒部に螺合して取り付けられる固定スリーブにより形成されていることを要旨とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記固定スリーブは管本体の接続用膨出部が形成された端部側から同接続用膨出部の外側を通過して管本体に装着されることを要旨とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記取着体は接続筒部内に挿入された係合体の同接続筒部内からの抜脱を防止すべく接続筒部に取着されるピン体により形成されていることを要旨とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項10〜請求項13のいずれか一項に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造において、前記係合体は複数の分割体を組付けることにより形成され、前記接続用膨出部の形成後に、当該接続用膨出部に係合して取り付けられるように形成されていることを要旨とする。
【0023】
請求項15に記載の発明は、接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止するため管本体の端部にシール構造を形成する通水管の端部構造の形成方法であって、前記管本体の端部の内側に環状をなす金属材料製のインナー体を挿入し、前記管本体の端部の外側にアウター体を装着し、同インナー体を内側から拡径して当該インナー体の外周面と管本体の内周面及びアウター体の内周面と管本体の外周面とを圧接させて管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造を形成することを要旨とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、第1の実施形態の以下の説明における上下左右は、図1及び図2における上下左右に対応する。
【0025】
図1に示すように、通水管11の端部構造10は、合成樹脂材料製の管本体11aの右端部の内側に金属材料製のインナー体としての筒体13が挿入されて形成されている。即ち、管本体11a内の前記筒体13が内側から拡径されて当該筒体13の外周面と管本体11aの内周面との間に、管本体11a内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成されて構成されている。
【0026】
そして、図2に示すように、前記シール構造により、接続体としての継手12に接続された管本体11aの端部における流体の漏れ出しが防止され、管本体11aと継手12との間からの流体の漏れ出しが防止されるように構成されている。図3に示すように、前記筒体13は金属材料により円筒状に形成され、拡径前の筒体13の外径は、拡径前の管本体11aの内径よりわずかに小さく形成されている。
【0027】
図2に示すように、前記継手12は合成樹脂材料又は金属材料製の継手本体14及び抜脱防止スリーブ20により形成されている。なお、この第1の実施形態では、前記継手本体14及び抜脱防止スリーブ20を合成樹脂材料により形成した。前記継手本体14は略円筒状に形成されている。その継手本体14の左端には管本体11aを接続するための接続筒部14aが形成され、右端は管体(図示せず)に接続可能に形成されている。接続筒部14aの外周面には雄ネジ15が螺刻されている。また、継手本体14の内部には円環状をなす第1当接面16が形成され、同第1当接面16にはゴム材料によりリング状に形成されたシール部材17が装着されている。前記シール部材17より継手本体14の左端側の内周面には、円環状をなし、前記第1当接面16より内径及び外径が大きい第2当接面18が形成されている。
【0028】
図3に示すように、前記接続筒部14aに螺合されて取り付けられる接続手段を形成する取着体としての抜脱防止スリーブ20は略円筒状をなし、抜脱防止スリーブ20の左端部は抜脱防止スリーブ20の左端に向かうに連れて内径及び外径が縮径するように形成されている。抜脱防止スリーブ20の左端には管本体11aの外径よりわずかに大きい直径を有する内孔20aが形成されている。また、図2に示すように、抜脱防止スリーブ20の右側の内周面には前記雄ネジ15に螺合可能な雌ネジ20bが螺刻されている。
【0029】
次に、図4に示すように、前記筒体13を拡径する金属材料製の拡径治具21について説明する。なお、拡径治具21の以下の説明における上下左右は、図5における上下左右に対応する。図4及び図5に示すように、拡径治具21は略円筒状に形成されたメインスリーブ22を備え、そのメインスリーブ22の左端側には円盤状をなすスリーブキャップ23が螺着され、図5に示すように、スリーブキャップ23の中央部には円孔23aが形成されている。メインスリーブ22内にはボルト状をなす可動ボルト24が、同可動ボルト24の頭部側が前記スリーブキャップ23側を向くように挿入されている。
【0030】
この可動ボルト24の頭部側端面の中央部には、メインスリーブ22内への挿入状態で前記円孔23aと対応するように雌ネジ孔24aが形成されている。また、可動ボルト24の頭部の外側面には、可動ボルト24の軸線に沿って延びる係合溝24bが形成され、可動ボルト24の軸部の外周面には雄ネジ24cが形成されている。
【0031】
そして、メインスリーブ22内に挿入された可動ボルト24の軸部がメインスリーブ22の右端側から突出した状態で、スペーサ25を介装して雄ネジ24cにナット26が螺合されて、メインスリーブ22に可動ボルト24が取り付けられている。メインスリーブ22に可動ボルト24が取り付けられた状態で、メインスリーブ22の外面から可動ボルト24の係合溝24bに係合ピン27が係合するように取り付けられ、その係合ピン27の係合溝24bに対する係合により可動ボルト24のメインスリーブ22内での回転が規制されている。
【0032】
メインスリーブ22内の可動ボルト24の雌ネジ孔24aには拡径シャフト28の右端側に形成された雄ネジ28aが螺合されて可動ボルト24に拡径シャフト28が取り付けられている。この拡径シャフト28の左側は、同左側に向かうに連れて徐々に直径が拡径するように形成され、左端部は、一定の外径を有するように形成されている。その拡径シャフト28の左端部の外径は管本体11aの内径よりわずかに小さく形成され、筒体13の内径よりわずかに大きく形成されている。
【0033】
次に、上記拡径治具21を使用して通水管11にシール構造及び接続用膨出部11bを形成して端部構造10を備えた通水管11を形成し、その接続用膨出部11bを使用して通水管11と継手12とを接続する方法について説明する。まず、図3に示すように、管本体11aに抜脱防止スリーブ20を装着しておく。次に、拡径治具21においてナット26を可動ボルト24から螺退させ同可動ボルト24を頭部側端面がメインスリーブ22のスリーブキャップ23側内面に当接するまで移動させる。次いで、図4に示すように、拡径シャフト28に筒体13を装着した状態で、図5に示すように、拡径シャフト28の雄ネジ28aを雌ネジ孔24aに螺合して、拡径シャフト28を可動ボルト24に取り付ける。
【0034】
続いて、その筒体13に管本体11aの端部を外嵌し、拡径シャフト28に管本体11aを装着した状態で、ナット26を可動ボルト24に螺進させる。すると、図6に示すように、係合ピン27と係合溝24bとの係合により可動ボルト24は回転しないため、係合ピン27に係合溝24bが沿うように可動ボルト24はメインスリーブ22の軸線に沿って同メインスリーブ22内へ引き込まれていく。
【0035】
その可動ボルト24の移動と同時に、拡径シャフト28がメインスリーブ22内へ引き込まれていく。すると、筒体13内に拡径シャフト28の拡径部分が徐々に挿入されていき、その拡径部分により筒体13が左側から右側に向かって徐々に外方へ押出されて拡径され、その拡径に伴い管本体11aも拡径される。このとき、管本体11aの内径よりわずかに小さい外径を有する拡径シャフト28の左端部により拡径された筒体13の内周面と管本体11aの非拡径部分における内径とがほぼ同じになる。
【0036】
管本体11aと筒体13とが同時に拡径されることにより、図1に示すように、筒体13の外周面は管本体11aの端部の内周面に圧接し、筒体13の外周面と管本体11aの端部の内周面との間に流体の漏れを防止するシール構造が形成される。また、管本体11aの端部には拡径された筒体13により管本体11aの端部の外面に外方へ突出する接続用膨出部11bが形成される。そして、管本体11aの端部に前記シール構造と接続用膨出部11bとよりなる端部構造10を備えた通水管11が形成される。
【0037】
さて、前記継手12と通水管11とを接続するには、まず、図2に示すように、管本体11aの接続用膨出部11bが形成された側の端部を接続筒部14a内に挿入し、管本体11aの右端面を第2当接面18に当接させるとともに、管本体11a及び筒体13の右端面をシール部材17に当接させる。続いて、抜脱防止スリーブ20の雌ネジ20bを雄ネジ15に螺合して抜脱防止スリーブ20を継手本体14に取付けることにより、継手12が形成される。このとき、抜脱防止スリーブ20の内孔20aの直径は管本体11aの非拡径部分における外径とほぼ同じに形成されているため、拡径により形成された接続用膨出部11bの外径より小さくなっている。
【0038】
そのため、継手本体14に対する抜脱防止スリーブ20の取付状態で、係合部としての抜脱防止スリーブ20の左側の内周縁に接続用膨出部11bが係合して抜脱防止スリーブ20から管本体11aが抜け出ることが防止される。その結果、接続筒部14aと抜脱防止スリーブ20とにより通水管11と継手12との接続構造が形成される。そして、端部構造10を備えた通水管11を、継手12に接続するために管本体11aの端部と継手12の接続筒部14aとの間に形成された接続構造により、通水管11が継手12に抜け止めされた状態で接続される。
【0039】
通水管11と継手12との接続状態において、シール部材17により継手本体14内へ流体が流入するのが防止され、前記シール構造により、管本体11aの内周面と筒体13の外周面との間からの流体の漏れ出しが防止される。
【0040】
従って、管本体11aと継手本体14との間に流体が漏れ出ることが防止され、通水管11と継手12との間からの流体の漏れ出しを防止することができる。また、筒体13の内径と管本体11aの非拡径部分における内径はほぼ同じに形成されているため、筒体13による管本体11a内を流通する流体の流量損失を小さくすることができる。
【0041】
上記第1の実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)接続筒部14aに接続された管本体11aの端部における流体の漏れ出しを防止するために、管本体11aと筒体13とを同時に拡径して管本体11aの端部にシール構造が形成されている。そのため、接続体に接続された管本体の端部における流体の漏れ出しを防止するシール構造を形成するために管本体の内径を必要以上に拡径していた従来と異なり、管本体11aの端部に作用する負荷を最小限に抑えることができる。従って、管本体11aの端部が損傷を受けたり、変形したりする不具合を防止して通水管11と継手12との接続状態において、管本体11aの内周面と筒体13の外周面との間からの流体の漏れ出しを防止することができる。
【0042】
(2)筒体13は内側から拡径されるため、筒体13の外周面は管本体11aの内周面に圧接することになる。従って、管本体11aと筒体13との間にシール構造を形成して流体の漏れ出しを防止することができ、通水管11と継手12との間からの流体の漏れ出しを防止することができる。
【0043】
(3)筒体13を拡径するとともに、管本体11aを拡径して通水管11に端部構造10を形成することができる。従って、管本体を拡径した後、工具を使用して固定リングを管本体の拡径された端部側へ強制的にスライド移動させていた従来と異なり、管本体11aにシール構造を容易に形成することができる。
【0044】
(4)筒体13及び管本体11aを同時に拡径することにより、管本体11aの外面に接続用膨出部11bを形成することができ、その接続用膨出部11bと抜脱防止スリーブ20の内周面との係合により通水管11を継手12に抜け止めした状態に接続することができる。従って、管本体を接続体に接続するために、管本体を拡径して接続体に管本体の端部を外嵌し、固定リングにより管本体の端部を締付いていた従来と異なり、管本体11aと接続筒部14aとの接続、即ち、通水管11と継手12との接続を容易に行うことができる。
【0045】
(5)管本体11aの端部は、筒体13の内径と管本体11aの非拡径部分の内径とがほぼ同じになるように拡径されているため、管本体11a内を流通する流体の筒体13による流量損失を小さくすることができる。
【0046】
(6)筒体13は金属材料により形成されているため、筒体13の拡径後に、筒体13が縮径したり、変形したりするおそれをなくすことができ、管本体11aの内周面と筒体13の外周面との間のシール機能及び接続用膨出部11bを維持することができる。従って、管本体11aの内周面と筒体13の外周面との間からの流体の漏れ出しを確実に防止することができるとともに、通水管11と継手12との接続を確実に維持することができる。また、円環状をなす筒体13を拡径して接続用膨出部11bを形成するため、拡径治具を使用して管本体を拡径していた従来と異なり、管本体11aの端部をほぼ真円に近い状態に拡径することができる。従って、接続用膨出部11bと抜脱防止スリーブ20の左側の内周縁とを確実に係合させることができ、通水管11と継手12との接続を確実に維持することができる。
【0047】
(7)継手本体14に螺合された抜脱防止スリーブ20の左側の内周縁に接続用膨出部11bが係合して抜脱防止スリーブ20から管本体11aが抜け出ることが防止される。即ち、通水管11を継手12に抜け止めされた状態で容易に接続することができる。
【0048】
(8)以下のような管本体11aの拡径用の工具を使用する場合に発生する不具合の発生を防止することができる。前記拡径用の工具は、4つの分割体の集合体を備え、前記集合体が管本体11a内に挿入されて拡径作業が行われる。即ち、前記集合体の挿入状態で、集合体の中心に棒材が挿入されると、4つの分割体が外方へ押し出され、集合体全体が押し広げられることにより管本体11aの端部が各分割体によって直接的に拡径される。そのため、各分割体と対応する管本体11aの内周面は外方へ押し出されるが、分割体同士の隙間と対応する位置は拡径されない。その結果、拡径後の管本体11aの端部には、拡径部位と非拡径部位とが形成されて管本体11aが周方向に均一に拡径されず、通水管11を継手12に接続したとき、管本体11aの端面全体にシール部材17全体が密接しなくなり通水管11と継手12との間から流体が漏れ出る不具合が発生してしまう。これに対し、本実施形態では、拡径シャフト28により筒体13は周方向全体に均一に拡径されるため、管本体11aの端部は周方向全体へ均一に拡径される。従って、上記工具を使用した場合と異なり、シール部材17に対しほぼ真円状の管本体11a及び筒体13の端面が確実に密接して通水管11と継手12との間から流体が漏れ出る不具合の発生を防止することができる。また、上記工具を使用して管本体11aを直接的に拡径する場合のように、拡径治具の外面等によって管本体11aの内面が損傷を受ける不具合の発生も防止することができる。また、筒体13により、その筒体13が内嵌された管本体11aの内周面が保護されている。そのため、筒体13により管本体11aの端部が熱変形等する虞を無くすことができる。
【0049】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法の第2の実施形態を図7〜図11に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の端部構造及び接続体を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態の以下の説明における上下左右は、図7及び図8における上下左右に対応する。
【0050】
図7に示すように、通水管11の端部構造10は、管本体11aの右端部に設けられたインナー体としてのインナースリーブ31と、管本体11aの右端部の外側に装着されるアウター体としてのアウタースリーブ32とより形成されている。そして、通水管11の端部構造10はインナースリーブ31が拡径されることによりインナースリーブ31の外周面と管本体11aの内周面との間及びアウタースリーブ32の内周面と管本体11aの外周面との間にシール構造が形成されているものである。
【0051】
図9(a)に示すように、金属材料製の前記インナースリーブ31は円筒状をなすインナー部31aと、そのインナー部31aの右端縁に外方へ突出するように形成された係合鍔部31bとより形成されている。インナー部31aの外径は管本体11aの内径よりわずかに小さく形成されて管本体11a内に嵌入可能に形成されている。係合鍔部31bにおける外径は管本体11aの内径より大きく形成され、管本体11a内にインナー部31aが嵌入されたとき、管本体11aの端面が係合鍔部31bに係合するように形成されている。
【0052】
前記アウタースリーブ32は架橋ポリエチレン等の合成樹脂材料により略円筒状に形成され、アウタースリーブ32の軸線方向に沿った長さは前記インナースリーブ31の軸線方向に沿った長さより長く形成されている。なお、第2の実施形態ではアウタースリーブ32を合成樹脂材料により形成したが、銅等の軟質の金属材料により形成してもよい。
【0053】
図8に示すように、アウタースリーブ32の筒状部32aの右端の内周縁には同アウタースリーブ32の周方向に沿って内方へ突出する内周鍔部32bが形成され、外周縁にはアウタースリーブ32の周方向に沿って外方へ突出する外周鍔部32cが形成されている。なお、拡径前の筒状部32aの内径は拡径前の管本体11aの外径よりわずかに大きく形成され、拡径前の内周鍔部32bの内径は拡径前の管本体11aの外径より小さく形成されている。
【0054】
次に、第2の実施形態の接続体としての継手30について説明する。図8及び図9(a)に示すように、継手30は合成樹脂材料又は金属材料製の継手本体34及び抜脱防止スリーブ35より形成されている。この第2の実施形態では、前記継手本体34及び抜脱防止スリーブ35を合成樹脂材料により形成した。前記継手本体34は筒状に形成され、両端側(図8では左端側のみ図示)にそれぞれ管本体11aを接続可能な接続筒部34aが形成されている。図8に示すように、接続筒部34aの内周面にはそれぞれ雌ネジ34bが形成されている。また、継手本体34内の中央部には継手本体34の周方向に沿って内方へ突出する当接面34cが形成され、その当接面34cの両面(図8では一面のみ図示)にはそれぞれ一対ずつシール部材17が装着されている。なお、シール部材17は当接面34cに一つだけ装着してもよい。
【0055】
図9(a)に示すように、接続筒部34aに設けられる接続手段としての抜脱防止スリーブ35は略ボルト状に形成され、図9(b)に示すように、一対の分割体35aを組付けることにより形成されている。分割体35a同士は一側縁同士が連結されて一体化され、その連結部を中心として分割体35a同士を離間又は組付け可能に形成されている。
【0056】
また、抜脱防止スリーブ35の内周面には、抜脱防止スリーブ35を管本体11aの外周面に装着したとき、管本体11aに形成される接続用膨出部11bに係合する係合部としての係合段部35bが抜脱防止スリーブ35の周方向に沿って形成されている。さらに、図8に示すように、抜脱防止スリーブ35の右端側の外周面には前記継手本体34の雌ネジ34bに螺合可能な雄ネジ35cが螺刻されている。
【0057】
次に、前記拡径治具21を使用して通水管11にシール構造及び接続用膨出部11bを形成して端部構造10を形成し、その接続用膨出部11bを使用して通水管11と継手30とを接続する方法について説明する。まず、図10に示すように、拡径シャフト28にインナースリーブ31を装着し、その拡径シャフト28を可動ボルト24に取付ける。続いて、管本体11aの端部の外側にアウタースリーブ32を装着し、内周鍔部32bを管本体11aの端面に係合させる。
【0058】
さらに、拡径シャフト28に装着された前記インナースリーブ31に管本体11aを外嵌して、インナー部31aを管本体11a内に挿入するとともに、管本体11aの端面を係合鍔部31bに係合させる。続いて、図11に示すように、前記拡径治具21を使用してインナースリーブ31の内径と管本体11aの非拡径部分における内径とが同じとなるように管本体11aの端部を拡径する。すると、インナースリーブ31全体が拡径シャフト28により拡径されると同時に、管本体11a及びアウタースリーブ32の右側が拡径される。
【0059】
その結果、インナースリーブ31の外周面は管本体11aの端部の内周面に圧接し、インナースリーブ31の外周面と管本体11aの端部の内周面との間に流体の漏れを防止するシール構造が形成される。また、拡径された管本体11aの外周面はアウタースリーブ32の内周面に圧接し、さらに、アウタースリーブ32は拡径されると拡径状態からの自己の収縮に伴う縮径により管本体11aの外周面に圧接する。
【0060】
そして、アウタースリーブ32の内周面と管本体11aの外周面との間に流体の漏れを防止するシール構造が形成される。それと同時に、アウタースリーブ32の右側が拡径されることにより、同アウタースリーブ32の右側の外周面に外方へ突出する接続用膨出部11bが形成される。即ち、管本体11aの右端部にシール構造及び接続用膨出部11bを備えた通水管11の端部構造10が形成される。
【0061】
次いで、図8に示すように、管本体11aの外面に一対の分割体35aを組付けて抜脱防止スリーブ35を管本体11aに取り付ける。次に、管本体11aの接続用膨出部11bが形成された側の端部を接続筒部34a内に挿入し、さらに、抜脱防止スリーブ35の雄ネジ35cを継手本体34の雌ネジ34bに螺合して継手30を形成する。
【0062】
そして、抜脱防止スリーブ35の右端面がアウタースリーブ32の外周鍔部32cに当接し、同外周鍔部32cが抜脱防止スリーブ35と当接面34cとの間に挟持されてアウタースリーブ32が継手本体34内に位置決め固定される。このとき、アウタースリーブ32の外面に形成された接続用膨出部11bと抜脱防止スリーブ35の係合段部35bとが係合する。また、外周鍔部32cが接続用膨出部11bとして機能し、外周鍔部32cに抜脱防止スリーブ35の右端面が係合する。
【0063】
その結果、接続用膨出部11bに係合した係合段部35bを備えた抜脱防止スリーブ35が継手本体34に取り付けられることにより、管本体11aの継手本体34からの抜け出しが防止される。即ち、上記抜脱防止スリーブ35と、継手本体34の接続筒部34aとにより通水管11と継手30との接続構造が形成される。そして、端部構造10を備えた通水管11を、継手30に接続するために管本体11aの端部と継手30の接続筒部34aとの間に形成された接続構造により、通水管11が継手30に抜け止めされた状態で接続される。
【0064】
通水管11と継手30との接続状態において、継手本体34の内周側のシール部材17により管本体11a内から継手本体34内へ流体が流入するのが防止される。同時に、管本体11aの内周面とインナースリーブ31との間のシール構造により、流体が当接面34c側へ漏れ出ることが防止される。また、万一、流体が当接面34c側へ漏れ出たとしても、管本体11aの外周面とアウタースリーブ32の内周面との間のシール構造により抜脱防止スリーブ35の左端側へ流体が漏れ出ることが防止される。さらに、継手本体34の外周側のシール部材17により接続筒部34aの内周面とアウタースリーブ32の外周面との間から流体が漏れ出ることが防止される。従って、通水管11と継手30との間からの流体の漏れ出しを防止することができる。さらに、インナースリーブ31の係合鍔部31b及びアウタースリーブ32の内周鍔部32bにより、管本体11aの端面が斜状や凹凸状に切断されていても管本体11aの端面を保護することができる。そのため、管本体11aの接続筒部34a内への挿入時にシール部材17を損傷させてしまう虞を無くすことができる。
【0065】
また、インナースリーブ31の内径と管本体11aの非拡径部分における内径はほぼ同じに形成されているため、インナースリーブ31による管本体11a内を流通する流体の流量損失を小さくすることができる。また、インナースリーブ31及びアウタースリーブ32を同時に拡径するため、管本体11aにシール構造を形成する作業を速やかかつ容易に行うことができ、通水管11と継手30との接続作業の簡易化を図ることができる。さらに、アウタースリーブ32が拡径されることにより、管本体11aには接続用膨出部11bが形成される。そのため、管本体11aに接続用膨出部11bを形成する作業を、管本体11aにシール構造を形成する作業と別に行う場合と比較して、管本体11aのシール構造の形成作業、さらには通水管11と継手30との接続作業を速やかかつ容易に行うことができる。
【0066】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した通水管の端部構造、同端部構造を備えた通水管並びに同通水管と接続体との接続構造及び通水管の端部構造の形成方法の第3の実施形態を図12及び図13に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態の端部構造及び接続体を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。また、第3の実施形態の以下の説明における上下左右は、図12における上下左右に対応する。
【0067】
図12に示すように、通水管11の端部構造10は、管本体11aの右端部に設けられたインナー体としてのインナーリング37と、管本体11aの右端部の外側に装着されるアウター体としてのアウターリング38とより形成されている。そして、通水管11の端部構造10は、インナーリング37が拡径されることによりインナーリング37の外周面と管本体11aの内周面との間及びアウターリング38の内周面と管本体11aの外周面との間にシール構造が形成されたものである。
【0068】
図13(a)に示すように、前記インナーリング37は金属材料により円筒状に形成され、拡径前のインナーリング37の外径は拡径前の管本体11aの内径よりわずかに小さく形成されている。前記アウターリング38は合成樹脂材料により円筒状に形成され、拡径前のアウターリング38の内径は拡径前の管本体11aの外径よりわずかに大きく形成されている。また、インナーリング37とアウターリング38の軸線方向に沿った長さはほぼ同じに形成されている。なお、第3の実施形態ではアウターリング38を合成樹脂材料により形成したが、銅等の軟質の金属材料により形成してもよい。
【0069】
図12及び図13(a)に示すように、前記継手36は合成樹脂材料又は金属材料製の継手本体39、係合スリーブ40及び固定スリーブ41より形成されている。この第3の実施形態では、前記継手本体39、係合スリーブ40及び固定スリーブ41を合成樹脂材料により形成した。前記継手本体39の左端には管本体11aを接続するための接続筒部39aが形成され、右端は管体(図示せず)に接続可能に形成されている。接続筒部39aの外周面には雄ネジ39bが螺刻され、継手本体39の内部には円環状をなす当接面39cが形成されているとともに、同当接面39cにはシール部材17が装着されている。図13(a)に示すように、前記接続筒部39aに設けられる接続手段を形成する係合体としての係合スリーブ40は略円筒状に形成され、13(b)に示すように、一対の分割体40aを組付けることにより形成されている。
【0070】
分割体40a同士は各分割体40aの一側縁同士が連結されて一体化され、その連結部を中心として分割体40a同士を離間又は組付け可能に形成されている。図12に示すように、係合スリーブ40は右側の内径及び外径が左側より大きく形成されて係合スリーブ40内には係合部としての係合面40bが形成されている。
【0071】
前記接続筒部39aに設けられる接続手段を形成する取着体としての固定スリーブ41は略円筒状をなし、左端側には前記係合スリーブ40の左側における外径よりわずかに大きい直径を有する内孔41aが形成されている。さらに、固定スリーブ41の右側の内周面には継手本体39の雄ネジ39bに螺合可能な雌ネジ41bが螺刻されている。
【0072】
次に、前記拡径治具21を使用して通水管11にシール構造及び接続用膨出部11bを形成して端部構造10を形成し、その接続用膨出部11bを使用して通水管11と継手36とを接続する方法について説明する。まず、固定スリーブ41を管本体11aに装着しておく。続いて、第2の実施形態と同様に、拡径シャフト28にインナーリング37を装着した後、アウターリング38が装着された管本体11aを外嵌する。
【0073】
続いて、前記拡径治具21を使用してインナーリング37の内径と管本体11aの非拡径部分における内径とがほぼ同一となるようにインナーリング37、管本体11a及びアウターリング38を拡径する。すると、図12に示すように、インナーリング37が拡径されることにより同インナーリング37の外周面は管本体11aの端部の内周面に圧接し、インナーリング37の外周面と管本体11aの端部の内周面との間に流体の漏れを防止するシール構造が形成される。
【0074】
また、拡径された管本体11aの外周面はアウターリング38の内周面に圧接するとともに、そのアウターリング38は自己の収縮に伴う縮径により管本体11aの外周面に圧接する。その結果、アウターリング38の内周面と管本体11aの外周面との間に流体の漏れを防止するシール構造が形成される。加えて、アウターリング38全体が拡径されることにより、管本体11aには管本体11aの外面より外方へ突出する接続用膨出部11bが形成される。そして、管本体11aにシール構造及び接続用膨出部11bよりなる端部構造10を備えた通水管11が形成される。
【0075】
次いで、図12に示すように、管本体11aの外面に一対の分割体40aを組付け、係合スリーブ40を管本体11aに取り付ける。次に、管本体11aの接続用膨出部11bが形成された側の端部を接続筒部39a内に挿入し、さらに、固定スリーブ41の雌ネジ41bを継手本体39の雄ネジ39bに螺合することにより継手36が形成される。
【0076】
すると、係合スリーブ40の外周面に固定スリーブ41の内周縁部が係合して係合スリーブ40が継手本体39内方へ移動され、継手本体39の左端面に係合スリーブ40の右端面が当接する。そして、管本体11aの右端面がシール部材17に圧接し、さらに、継手本体39と固定スリーブ41との間に係合スリーブ40が挟持されるとともに、接続用膨出部11bと係合スリーブ40の係合面40bとが係合する。
【0077】
その結果、固定スリーブ41内に係合スリーブ40が保持され、係合スリーブ40の係合面40bと接続用膨出部11bとの係合が維持される。即ち、継手36内に位置決めされた係合スリーブ40の係合面40bに接続用膨出部11bが係合するため、通水管11が継手36に抜け止めされた状態で接続される。そして、係合スリーブ40と、固定スリーブ41と、接続筒部39aとにより通水管11と継手36との接続構造が形成される。即ち、端部構造10を備えた通水管11を、継手36に接続するために管本体11aの端部と継手36の接続筒部39aとの間に形成された接続構造により、通水管11が継手36に抜け止めされた状態で接続される。
【0078】
従って、第3の実施形態において、第2の実施形態と同様に、シール部材17により継手本体39内へ流体が流入するのが防止される。それと同時に、管本体11aの内周面とインナーリング37の外周面との間のシール構造により、流体が当接面39c側へ漏れ出ることが防止される。万一、流体が当接面39c側へ漏れ出て、接続筒部39a内周面側へ漏れ出たとしても、管本体11aの外周面とアウターリング38の内周面との間のシール構造により、流体が係合スリーブ40側へ漏れ出ることが防止される。その結果、通水管11と継手36との間からの流体の漏れ出しを防止することができる。また、インナーリング37による管本体11a内を流通する流体の流量損失を小さくすることができる。
【0079】
さらに、管本体11aをわずかに拡径するだけでアウターリング38により管本体11aに接続用膨出部11bを形成することができる。従って、管本体11aと接続筒部39aとの接続作業、即ち通水管11と継手36との接続作業を速やかかつ容易に行うことができる。加えて、係合スリーブ40は一対の分割体40aを組付けることにより形成されるため、管本体11aに接続用膨出部11bが形成された後に通水管11に係合スリーブ40を取り付けることができる。従って、通水管11に係合スリーブ40を取り付けた後、係合面40bに接続用膨出部11bが係合するようにインナーリング37を拡径する必要がなく、係合スリーブ40の通水管11に対する取付作業、さらには通水管11と継手36との接続作業を速やかに行うことができる。
【0080】
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1の実施形態において、拡径された筒体13の内径が管本体11aの非拡径部分における内径より小さい又は大きくなるように筒体13を拡径してもよい。
【0081】
・ 第1の実施形態において、管本体11aの外側に合成樹脂材料製若しくは軟質の金属材料製のアウター体として、第2の実施形態のアウタースリーブ32又は第3の実施形態のアウターリング38を装着して、管本体11aの内外両周面にシール構造を形成してもよい。
【0082】
・ 第2の実施形態において、インナースリーブ31の軸線方向への長さと、アウタースリーブ32の軸線方向への長さがほぼ同じになるように形成する。そして、インナースリーブ31、管本体11a及びアウタースリーブ32を拡径したとき、アウタースリーブ32全体が拡径されてアウタースリーブ32の端面により接続用膨出部11bを形成してもよい。
【0083】
・ 第2の実施形態において、拡径されたインナースリーブ31の内径が管本体11aの非拡径部分における内径より小さい又は大きくなるようにインナースリーブ31を拡径してもよい。
【0084】
・ 第2の実施形態において、抜脱防止スリーブ35を分割体35aに分割せず、一体形成してもよい。
・ 第2の実施形態において、アウタースリーブ32を省略し、管本体11aの内周面のみにシール構造を形成してもよい。このとき、インナースリーブ31及び管本体11aの拡径により、管本体11aの外面に形成された接続用膨出部11bと抜脱防止スリーブ35の係合段部35bとを係合させてもよい。
【0085】
・ 第2の実施形態において、インナースリーブ31とアウタースリーブ32とを一体化してもよい。
・ 第2の実施形態の継手30の代わりに図14及び図15に示す継手46を使用してもよい。この継手46は合成樹脂材料又は金属材料製の継手本体47、接続手段のうちの取着体を形成するピン体としての取付ピン48及び係合体としての取付筒体49より主に形成されている。この場合は、継手本体47、取付ピン48及び取付筒体49を合成樹脂材料により形成した。なお、上記通水管11、継手本体47、取付ピン48及び取付筒体49の説明における上下左右は、図14における上下左右に対応する。
【0086】
図14及び図15に示すように、前記継手本体47は略円筒状に形成され、継手本体47の左端部には接続筒部47aが形成され、右端に管体(図示せず)を接続可能に形成されている。接続筒部47aの左端面の相対向する位置には収容凹部47bが凹設されている。また、接続筒部47aの左端部の相対向する位置には前記収容凹部47bを横断する状態で前記取付ピン48を接続筒部47aに取付可能とする取付孔47cが形成されている。
【0087】
この取付孔47cの内周面には雌ネジ(図示せず)が螺刻され、取付ピン48に形成された雄ネジ48aと螺合可能に形成されている。図14に示すように、継手本体47の中央部の内周面には、同継手本体47の周方向に沿って延びる係止面47dが形成され、その係止面47dにはシール部材17が装着されている。図15に示すように、前記取付筒体49は略円筒状に形成され、その左側の外周縁の相対向する位置には、取付筒体49の軸線に対して直交するように外方へ延び、さらに前記軸線に平行に延びる係合片49aが形成されている。
【0088】
さて、上記継手46に通水管11を接続するには、まず、管本体11aに取付筒体49を取り付けた後、第2の実施形態と同様に、管本体11aの端部にシール構造を形成する。このとき、アウタースリーブ32の外周鍔部32cにより管本体11aに接続用膨出部11bが形成される。次に、管本体11aのシール構造が形成された側の端部を接続筒部47a内に挿入し、さらに、取付筒体49の係合片49aが形成されていない側を接続筒部47a内に挿入し、係合片49aを収容凹部47bに収容する。そして、各取付孔47cに取付ピン48を挿入し、取付孔47cの雌ネジに雄ネジ48aを螺合して取付ピン48を接続筒部47aに取り付けると継手46が形成される。
【0089】
図14に示すように、取付ピン48により係合片49aが接続筒部47a内方へ押圧され、係合部としての取付筒体49の右端面が、接続用膨出部11bとしてのアウタースリーブ32の外周鍔部32cに係合するとともに、同外周鍔部32cが取付筒体49の右端面と接続筒部47a内面との間に挟持される。その結果、取付ピン48により取付筒体49が継手本体47内から抜脱しないように位置決めされ、その取付筒体49によりアウタースリーブ32が継手本体47内に位置決め固定される。そのため、管本体11aが接続筒部47aに接続されて管本体11aの継手本体47からの抜け出しが防止される。即ち、接続筒部47aと、取付筒体49と、取付ピン48とにより、通水管11と46との接続構造が形成される。そして、端部構造10を備えた通水管11を、継手46に接続するために管本体11aの端部と継手46の接続筒部47aとの間に形成された接続構造により、通水管11が継手46に抜け止めされた状態で接続される。
【0090】
・ 第3の実施形態において、拡径されたインナーリング37の内径が管本体11aの非拡径部分における内径より小さい又は大きくなるようにインナーリング37を拡径してもよい。
【0091】
・ 第3の実施形態において、管本体11aに装着され、接続用膨出部11bを形成して拡径された状態のアウターリング38の外径より固定スリーブ41の内孔41aの直径を大きく形成してもよい。このように構成した場合、管本体11aに接続用膨出部11bを形成した後にも固定スリーブ41を接続用膨出部11bが形成された側の端部から接続用膨出部11bの外側を通過させて管本体11aに装着することができる。従って、内孔41aの直径がアウターリング38により形成された接続用膨出部11bの外径より小さく形成され、接続用膨出部11bを形成する前に固定スリーブ41を管本体11aに装着しておかなければならない場合と比較して通水管11と継手36との接続作業を速やかに行うことができる。
【0092】
・ 第3の実施形態において、アウターリング38を省略して管本体11aの内周面のみにシール構造を形成してもよい。このように構成した場合、インナーリング37の拡径により管本体11aの外面に形成された接続用膨出部11bと係合面40bとの係合により通水管11と継手36とが接続される。
【0093】
・ 第3の実施形態において、係合スリーブ40を分割体40aに分割せず、一体形成してもよい。
・ 図16に示す端部構造10を備えた通水管11と接続体としての継手50とを接続してもよい。この継手50は継手本体51、接続手段の抜脱防止スリーブとしての取付スリーブ52より主に形成されている。なお、上記通水管11、継手本体51及び取付スリーブ52の説明における上下左右は、図16における上下左右に対応する。管本体11aの右端部に設けられたインナー体としての接続筒体53は、金属材料により円筒状に形成され、その右端縁の外周面には外方へ拡径しながら延びる延出部53aが固定部として形成されている。合成樹脂材料又は金属材料製の前記継手本体51は略円筒状に形成され、継手本体51の左端には接続筒部51aが形成され、右端に管体(図示せず)を接続可能に形成されている。接続筒部51aの左端面は継手本体51の中央部側へ向かうに連れて拡径するようにテーパ状に形成され、接続筒部51aの外周面には雄ネジ51bが螺刻されている。
【0094】
前記取付スリーブ52は合成樹脂材料又は金属材料により略円筒状に形成され、その取付スリーブ52の中央部の内周面には周方向に沿って延びる係止段部52aが係合部として形成されている。また、取付スリーブ52の右側の内周面には前記雄ネジ51bに螺合可能な雌ネジ52bが螺刻されている。
【0095】
さて、上記継手50に通水管11を接続するには、まず、管本体11aに取付スリーブ52を予め装着しておく。続けて、管本体11aの内側に挿入された接続筒体53が拡径されて管本体11aの内周面にシール構造が形成されるとともに、管本体11aの外周面に接続用膨出部11bが形成されて端部構造10を備えた通水管11が形成される。次に、延出部53aの内周面を継手本体51の左端面に当接させ、その当接状態で取付スリーブ52を継手本体51に螺合して継手50が形成される。
【0096】
このとき、継手本体51に取り付けられた取付スリーブ52の係合部としての内周縁に接続用膨出部11bが係合するため、継手50から管本体11aが抜け出ることが防止される。即ち、端部構造10を備えた通水管11を、継手50に接続するために管本体11aの端部と継手50の接続筒部51aとの間に形成された接続構造により、通水管11が継手50に抜け止めされた状態で接続される。
【0097】
通水管11の継手50に対する接続状態において、継手本体51の左端面と取付スリーブ52の係止段部52aとの間に延出部53aが挟持され、同延出部53aの内周面と継手本体51の左端面とが互いに圧接してシール構造が形成されている。そのため、延出部53aと継手本体51の左端面との間のシール構造により継手50内への流体の漏れ出しを防止することができる。さらに、管本体11aの内周面と接続筒体53の内周面との間のシール構造により管本体11aと接続筒体53との間から管本体11aと継手本体51との間への流体の漏れ出しを防止することができる。
【0098】
・ 図17に示すインナー体としての接続部材54を管本体11aに取り付けて通水管11にシール構造を形成してもよい。前記接続部材54は金属材料により略円筒状に形成されている。接続部材54の一端の外周縁には接続部材54の周方向に沿って外方へ突出する接続鍔部54bが固定部として形成され、その接続鍔部54bにはボルト55を挿通可能な挿通孔54cが2箇所に形成されている。
【0099】
さて、接続部材54が管本体11aの右端部の内側に挿入された状態で、接続部材54を拡径する。すると、管本体11aの内周面に接続部材54が圧接し、管本体11aの内周面にシール構造が形成され、端部構造10を備えた通水管11が形成される。
【0100】
上記通水管11を接続体として接続部材54を備えた別の通水管11に接続するには、各接続部材54の挿通孔54cにボルト55を挿通し、各ボルト55にナット56を螺合して接続部材54同士を接続固定する。その結果、通水管11同士を接続することができる。なお、シール構造が予め形成され、端部構造10を備えた通水管11を施工現場に搬入し、施工現場で通水管11同士を接続してもよい。
【0101】
・ 第1〜第3の実施形態において、管本体11aの一端部にシール構造及び接続用膨出部11bを形成したが、管本体11aの両端部にシール構造及び接続用膨出部11bを形成してもよい。
【0102】
・ 第1〜第3の実施形態において、図18に示す拡径工具60を使用してインナー体を拡径してもよい。図18に示すように、前記拡径工具60は、例えば第1の実施形態の筒体13と、管本体11aの端部内に挿入される引抜体62とより主に形成されている。前記引抜体62は金属材料により筒状に形成され、図18において、引抜体62の左端部には、同引抜体62の軸線方向に沿って一定の外径を有する拡径部62aが形成されている。この拡径部62aの外径は筒体13の内径より大きく形成されている。さらに、引抜体62は、拡径部62aから同引抜体62の右端側に向かうに連れて外径が縮径するようにテーパ状に形成されている。
【0103】
また、引抜体62には同引抜体62を管本体11a内から引き抜く作業を行うための引抜ピン63が取り付けられている。この引抜ピン63は、引抜体62内に配置された引抜ピン63の頭部63aが引抜体62の右端側の内周縁部に係止することにより引抜ピン63が引抜体62の右側から抜け外れないように取り付けられている。そして、前記引抜体62が前記筒体13の内側に挿入されて、同筒体13と引抜体62とが一体化されている。
【0104】
次に、前記拡径工具60を使用して通水管11にシール構造を形成する方法について説明する。まず、図18に示すように、拡径工具60の引抜体62及び筒体13を管本体11a内に挿入する。続いて、専用の引抜き工具を使用し、引抜ピン63を管本体11aから離れる方向へ引っ張ると、その引抜ピン63の移動により頭部63aが係止した引抜体62が管本体11aから離れる方向へ引っ張られる。すると、引抜体62は、同引抜体62の左端側へ向かうに連れて外周面の外径が拡径しているため、引抜体62が移動するに連れて筒体13の内周面に接触する引抜体62の外径は大きくなり、筒体13は拡径されていく。そして、筒体13が内側から拡径されることにより、図19に示すように、筒体13の外周面と管本体11aの内周面との間にシール構造が形成される。さらに引抜ピン63を引っ張ると、筒体13は管本体11aの内周面に圧接しているため、筒体13は管本体11a内に残存し、引抜体62が管本体11a内から引抜かれる。その結果、筒体13により管本体11aの端部にシール構造及び接続用膨出部11bが形成され、端部構造10を備えた通水管11が形成される。
【0105】
・ 第1〜第3の実施形態では、接続体と通水管11とを接続する際に、通水管11にシール構造を形成したが、管本体11aにシール構造が予め形成された通水管11を形成してもよい。そして、端部構造10が形成された通水管11を、その通水管11の施工現場に搬入して、シール構造が予め形成された通水管11と接続体とを接続してもよい。このとき、通水管11には接続用膨出部11bが形成されているため、その接続用膨出部11bが接続の妨げとならないように形成された接続体を使用するのが好ましい。例えば、図20に示すように、第1の実施形態の継手12とほぼ同じ構造を有する継手70を使用する。この継手70は第1の実施形態の継手本体14を備えるとともに、合成樹脂材料又は金属材料製の取着体としての固定スリーブ71及び係合体としての係合スリーブ72を備えている。
【0106】
前記係合スリーブ72は、図示しないが、半筒状をなす一対の分割体を組付けることにより形成されている。分割体同士は一側縁同士が連結されることにより一体化され、その連結部を中心として分割体同士を離間又は組付け可能に形成されている。また、係合スリーブ72の内周面には、係合スリーブ72を管本体11aの外周面に装着したとき、前記接続用膨出部11bが係合可能な係合部としての係合段部72bが係合スリーブ72の周方向に沿って形成されている。前記固定スリーブ71の左端側には、前記係合スリーブ72の左端側の外径よりわずかに大きい直径を有する内孔71aが形成されている。前記内孔71aの直径は、管本体11aに形成された接続用膨出部11bの外径よりわずかに大きく設定されている。
【0107】
さて、管本体11aの端部にシール構造及び接続用膨出部11bが形成され、端部構造10を備えた通水管11を継手70に接続するため、まず、管本体11aの接続用膨出部11bが形成された側の端部から固定スリーブ71の内孔71aを通過させて管本体11aに固定スリーブ71を装着する。このとき、固定スリーブ71の内孔71aの直径は管本体11aの接続用膨出部11bの外径より大きく設定されている。そのため、内孔71aの直径より接続用膨出部11bの外径が小さくなり、接続用膨出部11bと内孔71aの周縁部とが係止することなく固定スリーブ71が管本体11aに装着される。
【0108】
次いで、係合スリーブ72を一対の分割体に分割した状態で接続用膨出部11bの外周側に配置する。そして、接続用膨出部11bが係合段部72bに係合するように一対の分割体を組付けて係合スリーブ72を形成するとともに、管本体11aに係合スリーブ72を取付ける。次に、係合スリーブ72が取り付けられた管本体11aの端部を継手本体14の接続筒部14a内へ挿入する。
【0109】
そして、前記固定スリーブ71の雌ネジ71bを継手本体14の雄ネジ15に螺合する。すると、固定スリーブ71が継手本体14に螺進されるに連れて係合スリーブ72の外周面に内孔71aの内周面が徐々に圧接していき係合スリーブ72が縮径される。それと同時に、係合スリーブ72が接続筒部14a内奥方へ押圧され、その係合スリーブ72の係合段部72bが係合している管本体11aも接続筒部14a内奥方へ押圧される。
【0110】
その結果、管本体11aの右端面が第2当接面18に当接されるとともに、係合スリーブ72の右端面が継手本体14の端面に当接される。また、継手本体14に取り付けられた固定スリーブ71の内側に係合スリーブ72が保持されて固定スリーブ71からの抜脱が防止される。そして、継手本体14、係合スリーブ72及び固定スリーブ71が組付けられて継手12が形成される。それと同時に、係合スリーブ72の係合段部72bが接続用膨出部11bに係合することにより管本体11aが接続筒部14aに抜け止めされた状態で接続され、端部構造10を備えた通水管11と継手12とが接続される。
【0111】
従って、固定スリーブ71の内孔71aが接続用膨出部11bの外径より大きく形成されているため、通水管11を継手70に接続する際に接続用膨出部11bが接続作業の妨げとなることを防止することができ、通水管11と継手70との接続作業を容易に行うことができる。その結果、通水管11と継手70との施工現場で、通水管11にシール構造を形成する場合と比較して、端部構造10を容易に形成することができるとともに、作業者の負担を軽減することができる。
【0112】
・ 図21に示すように、インナー体とアウター体とが一体形成された端部形成部材80を使用して通水管11に端部構造10を形成し、さらに、端部構造10を備えた通水管11と接続体とを接続してもよい。なお、通水管11及び端部形成部材80の上下左右は図21における上下左右に対応する。金属材料製の前記端部形成部材80は略円筒状をなし、端部形成部材80の左側には、円環状をなすインナー体としてのインナー部80aと、同インナー部80aの外側に位置する円環状をなすアウター体としてのアウター部80bとが形成されている。
【0113】
そして、端部形成部材80の左側には前記インナー部80aとアウター部80bとの間に、円環状をなす環状溝80cが形成され、その環状溝80cに、管本体11aの端部が挿入可能に形成されている。即ち、インナー部80aの内径は管本体11aの内径より小さく形成され、環状溝80c内に管本体11aが挿入されたとき、インナー部80aは管本体11aの内側に挿入され、アウター部80bは管本体11aの外側に配置されるように形成されている。前記環状溝80cの内周面と、同環状溝80c内に挿入された管本体11aの外周面との間に嵌入される合成樹脂製の介装部材84は略円筒状をなす筒状体が軸線方向に沿って切り欠かれて断面C字状に形成されている。
【0114】
端部形成部材80の右側には、インナー部80a及びアウター部80bから延びる延出部80dが固定部として形成されている。延出部80dの外周面には、2箇所にシール部材17が装着され、延出部80dの内径は管本体11aの内径とほぼ同じに形成されている。端部形成部材80と接続される接続体としての継手82は、図22に示すように、合成樹脂材料又は金属材料により略円筒状に形成され、その左側に接続筒部82aが形成されている。
【0115】
さて、前記端部形成部材80を使用して管本体11aにシール構造を形成するには、まず、管本体11aに介装部材84を装着し、次に、図21に示すように、端部形成部材80のインナー部80aを拡径するための拡径部材81を管本体11a内に挿入する。なお、前記拡径部材81は左端部に直径が管本体11aの内径とほぼ同じに形成された膨出部81aを備え、その膨出部81aから直線上に延びる把持部81bを備えている。
【0116】
そして、管本体11aの端部が端部形成部材80の環状溝80c内に挿入され、インナー部80aが管本体11aの内側に挿入されるとともに、アウター部80bが管本体11aの外側に配置されるように端部形成部材80を管本体11aに装着する。さらに、環状溝80cの内周面と管本体11aの外周面との間に介装部材84を嵌入し、続いて、前記把持部81bを把持して拡径部材81を管本体11aから離れる方向へ引っ張り、膨出部81aをインナー部80a内を通過させる。
【0117】
すると、管本体11aの内径とほぼ同じ直径を有する膨出部81aによりインナー部80a、管本体11a、介装部材84及びアウター部80bが拡径されるとともに、インナー部80aの内周面及び介装部材84の内周面が管本体11aの内外両周面に圧接してシール構造が形成される。その結果、管本体11aの端部にシール構造が形成され、端部構造10を備えた通水管11が形成される。インナー部80aの管本体11a内への挿入状態において、延出部80dは管本体11aの端面から延出している。
【0118】
端部構造10が形成された通水管11を継手82に接続するには、図22に示すように、延出部80dを継手82の接続筒部82a内へ嵌入する。すると、一対のシール部材17が接続筒部82aの内周面に圧接し、さらに、シール部材17自身の弾性力により接続筒部82aの内周面を外方へ押圧する。そのため、端部形成部材80が延出部80dにより接続筒部82aに接続され、継手82と通水管11とが接続される。
【0119】
従って、端部形成部材80を使用することにより、管本体11aにシール構造を形成することができるとともに、継手82に対して通水管11を容易に接続することができる。なお、通水管11に端部形成部材80が接続されてシール構造が形成され、端部構造10を備えた通水管11を施工現場に搬入して、継手82と通水管11とを接続してもよい。
【0120】
また、前記介装部材84は省略してもよく、その場合には、環状溝80c内に管本体11aのみが嵌入されるように環状溝80cの大きさが調整される。さらに、介装部材84の代わりに管本体11aの外周面と環状溝80cの内周面との間にコイルスプリングやバネ部材等の弾性部材を介装してもよい。このように構成した場合、弾性部材が管本体11aの外周面と環状溝80cの内周面との両面をそれぞれ押圧して環状溝80cからの通水管11の抜け出しを規制することができる。
【0121】
・ 図23に示すインナー体としてのスリーブ86を管本体11aに取り付けて通水管11にシール構造を形成してもよい。前記スリーブ86は、金属材料により形成され、円筒状をなすインナー部86aと、そのインナー部86aの右端に外方へ突出するように形成された係合鍔部86bとより形成されている。インナー部86aの外径は管本体11aの内径よりわずかに小さく形成されて管本体11a内に嵌入可能に形成されている。係合鍔部86bにおける外径は管本体11aの内径より大きく形成され、管本体11a内にインナー部86aが嵌入されたとき、管本体11aの端面が係合鍔部86bに係合するように形成されている。インナー部86aの先端の内周縁には、内方へ突出する内周突条86cが一体形成されている。
【0122】
スリーブ86を拡径するために、スリーブ86の先端側の内側には前記引抜体62及び引抜ピン63が挿入され、スリーブ86の基端側には略皿状をなすキャップ部材85が内嵌されている。そして、このキャップ部材85の中央には前記引抜ピン63の軸部が貫通している。なお、キャップ部材85がスリーブ86に内嵌された状態において、前記内周突条86cとキャップ部材85との間の長さより引抜体62の軸線方向への長さが短くなっている。そして、このキャップ部材85により、引抜体62とスリーブ86とを安定した状態に組み付けることができ、さらに、引抜ピン63の軸部をキャップ部材85の開口の中心部に支持することができる。なお、キャップ部材85は省略してもよい。
【0123】
そして、管本体11aの一端部にインナー部86aを内嵌するとともに、係合鍔部86bを管本体11aの端面に係合させる。さらに、前記引抜体62を使用して、内周突条86c及びインナー部86aを拡径させる。すると、図24に示すように、管本体11aの内周面に内周突条86cの外周面が圧接し、管本体11aの内周面にシール構造が形成され、端部構造10を備えた通水管11が形成される。また、内周突条86cが拡径された部分に接続用膨出部11bが形成される。なお、管本体11aの両端部にスリーブ86を取付け、管本体11aの両端部にシール構造及び接続用膨出部11bを形成してもよい。
【0124】
上記端部構造10を備えた通水管11は、図24に示す接続体としての継手87に抜け止めした状態に接続される。前記継手87は通水管11同士を接続するため又は分岐継手(ヘッダー)の一部として使用され、略筒状に形成された継手本体88、固定スリーブ89、割リング90及びリング部材91より主に形成されている。
【0125】
合成樹脂材料により略円筒状に形成された前記継手本体88の両端(図24では左端のみ図示)には、それぞれ接続筒部92が形成されている。各接続筒部92の奥方の内周面には第1載置面93が形成され、その第1載置面93より継手本体88の左側に位置する接続筒部92の内周面には、前記第1載置面93より内径及び外径の大きい第2載置面94が形成されている。前記第1載置面93及び第2載置面94には、それぞれゴム材料製のO−リング95が配設されている。
【0126】
前記第2載置面94より継手本体88の左側に位置する接続筒部92の内周面には、前記第2載置面94より内径及び外径の大きい当接面96が形成されている。また、接続筒部92の外周面には雄ネジ97が螺刻されている。前記固定スリーブ89は接続手段を形成する取着体として設けられている。そして、固定スリーブ89は、合成樹脂材料により略円筒状に形成され、固定スリーブ89の右側内周面には、前記雄ネジ97に螺合可能な雌ネジ89aが螺刻されている。また、固定スリーブ89の内周面には内方へ突出する係止面89bが形成されている。加えて、前記係止面89bの内周縁に繋がる固定スリーブ89の内周面には、係止面89b側から、固定スリーブ89の左端に向かうに連れて縮径するテーパ面89cが形成されている。さらに、固定スリーブ89の左端の内周縁には、係止リブ89dが内方へ向かって突設されている。
【0127】
前記割リング90は接続手段を形成する係合体として設けられる。この割リング90は合成樹脂材料製の筒状体が軸線方向に沿って切り欠かれて断面C字状に形成されている。この割リング90は右端から左端に向かうに連れて外径が縮径するテーパ状に形成されている。また、割リング90は接続筒部92内に挿入された状態において、右端面が係合部として接続用膨出部11bに係合するように形成されている。前記リング部材91は合成樹脂材料により円環状に形成され、継手本体88に固定スリーブ89が螺合された状態で、右端が前記当接面96に当接し、左端が前記係止面89bに係止されて当接面96と係止面89bとの間に保持されるようになっている。
【0128】
リング部材91が、当接面96と係止面89bとの間に保持された状態では、同リング部材91の内周縁部と、前記第2載置面94との間にO−リング95が保持されるようになっている。そして、O−リング95を第1及び第2載置面93,94に載置し、当接面96にリング部材91を載置した状態で、割リング90が内部に収容された固定スリーブ89を継手本体88に螺着すると、継手87が組み付けられる。このとき、割リング90の左端面は固定スリーブ89の係止リブ89dに係止され、固定スリーブ89内からの割リング90の抜け出しが防止されている。
【0129】
さて、接続用膨出部11bが形成された通水管11と、上記継手87とを接続するには、まず、固定スリーブ89を継手本体88から若干螺退させ、テーパ面89cと割リング90の外周面との間に間隙を形成し、割リング90を拡径可能な状態としておく。そして、管本体11aの接続用膨出部11b側を固定スリーブ89内を通過させて接続筒部92内に挿入する。すると、係合鍔部86bの外周面が割リング90の内周面に当接し、さらに、割リング90内に管本体11aが挿入されてその割リング90が拡径されるとともに、接続用膨出部11bの割リング90内の通過が許容される。
【0130】
そして、係合鍔部86bの端面が第1載置面93に載置されたO−リング95に当接するまで、通水管11を継手87内に挿入する。このとき、接続用膨出部11bは割リング90の右端面より継手本体88内奥側に位置し、リング部材91と対応する位置に配設されている。続いて、固定スリーブ89を接続筒部92に螺進させると、テーパ面89cが割リング90の外周面に圧接していき、割リング90が徐々に縮径されていく。固定スリーブ89が接続筒部92に螺合されると、割リング90の内面が管本体11aの外周面に圧接するとともに、割リング90の右端面が接続用膨出部11bに係合可能な位置に配置される。また、第1載置面93に載置されたO−リング95が係合鍔部86bに圧接し、第2載置面94に載置されたO−リング95が管本体11aの外周面に圧接する。
【0131】
その結果、接続用膨出部11bが、割リング90に係合し、その割リング90が固定スリーブ89内から抜け出し不能に収容される。そのため、接続用膨出部11bが割リング90に係合した状態が維持され、管本体11aが接続筒部92に抜け止めされ、通水管11の継手87からの抜け出しを防止することができる。
【0132】
また、内周突条86c及びインナー部86aの外周面が管本体11aの内周面に圧接してシール構造が形成され、そのシール構造により、管本体11aの内周面とスリーブ86の外周面との間を止水することができる。加えて、一対のO−リング95により管本体11aの外面と接続筒部92の内周面との間を止水することができる。万一、管本体11aの内周面とスリーブ86の外周面との間から水が漏れ出たとしても、第2載置面94に載置されたO−リング95により、管本体11aの外面と接続筒部92の内周面との間を止水することができる。従って、継手87から水が漏れ出る不具合の発生を防止することができる。
【0133】
さらに、管本体11aの端面には係合鍔部86bが設けられているため、第1載置面93に載置されたO−リング95に対して係合鍔部86bの端面の周方向全体が圧接し、係合鍔部86bとO−リング95との間を確実に止水することができる。従って、係合鍔部86bが設けられず、管本体11aの端面が斜めに切断されている場合のように、O−リング95と管本体11aの端面との間から水が漏れ出てしまうといった虞を無くすことができる。
【0134】
従って、継手87から水が漏れ出る不具合の発生を防止することができる。その結果、管本体11aの端部を接続筒部92内に挿入することにより、通水管11と継手87とをシール構造を備えた状態で接続することができ、シール構造を形成すべく接続筒部に管本体11aを外嵌していた従来と異なり、管本体11aに作用する負荷を抑えることができる。
【0135】
なお、上記では、継手本体88、固定スリーブ89、割リング90及びリング部材91を組み付けた状態で、通水管11の接続作業を行ったが、以下のような接続作業としてもよい。即ち、接続用膨出部11bが形成された通水管11に固定スリーブ89及び割リング90を予め装着した状態で、リング部材91が当接面96に当接するように収容された接続筒部92内に、通水管11を挿入する。そして、固定スリーブ89を接続筒部92に螺合して継手87を形成し、通水管11を継手87に接続してもよい。なお。前記継手87は、継手本体88及び固定スリーブ89を金属材料により形成し、リング部材91を継手本体88に一体形成してもよい。なお、割リング90は合成樹脂材料により成形する。
【0136】
・ 各実施形態では、通水管11を合成樹脂材料のみによって形成したが、合成樹脂材料製の通水管11として、管本体11aの厚み内に金属層を設けてもよい。このように構成した場合、金属層により酸素が通水管11を通過するのを防止することができる。そのため、通水管11内を流通する水等の流体に酸素が含有され、その酸素により金属製の接続体が錆びてしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0137】
・ 拡径治具21において、メインスリーブ22の内周形状を断面八角形状又は断面六角形状に形成し、可動ボルト24の頭部を断面八角形状又は断面六角形状に形成してもよい。このように構成した場合、ナット26を雄ネジ24cに螺進又は螺退させたとき、可動ボルト24の頭部とメインスリーブ22の内周面とが干渉して、可動ボルト24をメインスリーブ22内で回転させることなく移動させることができる。従って、可動ボルト24の回転を規制するための係合溝24bと、係合ピン27とを省略することができる。
【0138】
・ 各実施形態では、通水管11と接続体とを接続する施工現場で、通水管11に端部構造10を形成したが、工場等で通水管11に端部構造10を予め形成しておいてもよい。そして、端部構造10を備えた通水管11を施工現場に搬入して、通水管11と接続体との接続を行ってもよい。このとき、通水管11の外面を保護するさや管等内に通水管11を挿入した後、通水管11と接続体とを即座に接続することができる。また、管本体の端部に固定リングを外嵌するために、管本体に固定リングを装着し、その固定リング及び通水管をさや管内を通過させた後に、通水管と接続体とを接続する必要があった従来と異なり、通水管11と接続体との接続作業を容易に行うことができる。
【0139】
・ 端部構造10を備えた通水管11を接続体としての分岐継手、水栓器具等に接続してもよい。
・ 各実施形態で使用された拡径治具21、拡径部材81及び拡径工具60の他の工具を使用してインナー体を拡径してもよい。
【0141】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる。
【0142】
加えて、管本体の端部の内周面及び外周面における流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0143】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加え、管本体の内周面及び外周面にシール構造を容易に形成することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項又は請求項に記載の発明の効果に加え、管本体の内周面及び外周面にシール構造を容易に形成することができる。
【0144】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加え、アウター体の内周面と管本体の外周面との間における流体の漏れ出しを効果的に防止することができる。
【0145】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、シール構造を備えた管本体を接続体に抜け止めした状態に容易に接続することができる。
【0146】
請求項に記載の発明によれば、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる。加えて、管本体と接続体との接続を容易に行うことができる。
請求項に記載の発明によれば、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる。
【0147】
請求項〜請求項14のいずれか一項に記載の発明によれば、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる通水管と接続体との接続構造を提供することができる。
【0148】
請求項15に記載の発明によれば、管本体の拡径作業時に端部に作用する負荷を最小限に抑えて管本体の端部の変形等を防止することができ、管本体と接続体との接続状態において、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止することができる端部構造の形成方法を提供することができる。加えて、管本体の端部における流体の漏れ出しを防止するシール構造を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の通水管の端部構造を示す部分側断面図。
【図2】第1の実施形態の通水管と継手との接続構造を示す部分側断面図。
【図3】第1の実施形態の通水管と継手とを示す分解斜視図。
【図4】拡径治具を示す斜視図。
【図5】拡径治具により筒体を拡径する前の状態を示す側断面図。
【図6】拡径治具により管本体及び筒体を拡径した状態を示す側断面図。
【図7】第2の実施形態の通水管の端部構造を示す部分側断面図。
【図8】第2の実施形態の通水管と継手との接続構造を示す部分側断面図。
【図9】(a)は第2の実施形態の通水管と継手とを示す分解斜視図、(b)は抜脱防止スリーブを分割体に分解した状態を示す正面図。
【図10】管本体にインナースリーブ及びアウタースリーブを装着した状態を示す部分側断面図。
【図11】拡径治具により管本体を拡径した状態を示す側断面図。
【図12】第3の実施形態の通水管と継手との接続構造の部分側断面図。
【図13】(a)は第3の実施形態の通水管と継手とを示す分解斜視図、(b)は係合スリーブを分割体に分解した状態を示す正面図。
【図14】別例の継手と通水管との接続構造を示す部分側断面図。
【図15】別例の継手と通水管とを示す分解斜視図。
【図16】別例の継手と通水管との接続構造を示す部分側断面図。
【図17】別例の通水管同士の接続構造を示す部分側断面図。
【図18】別例の拡径工具を示す側断面図。
【図19】拡径工具を使用して管本体を拡径した状態を示す側断面図。
【図20】別例の継手と通水管との接続構造を示す部分側断面図。
【図21】端部形成部材を示す側断面図。
【図22】端部形成部材を使用した通水管と継手との接続構造を示す側断面図。
【図23】別例のインナー体を示す部分側断面図。
【図24】別例の継手と通水管との接続構造を示す部分側断面図。
【図25】従来の通水管と継手との接続構造を示す部分側断面図。
【符号の説明】
10…端部構造、11…通水管、11a…管本体、11b…接続用膨出部、12,30,36,46,50,70,82,87…接続体としての継手、13…インナー体としての筒体、14a,34a,39a,47a,51a,82a,92…接続筒部、20,35…接続手段を形成する抜脱防止スリーブ、31…インナー体としてのインナースリーブ、32…アウター体としてのアウタースリーブ、35a,40a…分割体、35b,72b…係合部としての係合段部、37…インナー体としてのインナーリング、38…アウター体としてのアウターリング、40,72…係合体としての係合スリーブ、40b…係合部としての係合面、41,71,89…取着体としての固定スリーブ、48…ピン体としての取付ピン、49…係合体としての取付筒体、52…接続手段としての取付スリーブ、52a…係合部としての係止段部、53…インナー体としての接続筒体、53a,80d…固定部としての延出部、54…インナー体としての接続部材、54b…固定部としての接続鍔部、80a…インナー体としてのインナー部、80b…アウター体としてのアウター部、86…インナー体としてのスリーブ、90…係合体としての割リング。

Claims (15)

  1. 接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止する通水管の端部構造であって、
    前記管本体の端部の内側には環状をなす金属材料製のインナー体が挿入され、前記管本体の端部の外側にはアウター体が装着され、同インナー体が内側から拡径されて当該インナー体の外周面と管本体の内周面との間及びアウター体の内周面と管本体の外周面との間に管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成されていることを特徴とする通水管の端部構造。
  2. 前記インナー体とアウター体とは一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通水管の端部構造。
  3. 前記アウター体はインナー体の拡径とともに拡径されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通水管の端部構造。
  4. 前記アウター体は合成樹脂材料により形成され、拡径されたアウター体の拡径状態からの収縮によりアウター体が管本体の外周面に圧接していることを特徴とする請求項1に記載の通水管の端部構造。
  5. 前記インナー体の拡径により管本体の端部には、当該管本体を接続体に接続させるための接続用膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の通水管の端部構造。
  6. 接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止する通水管の端部構造であって、
    前記管本体の端部の内側には環状をなす金属材料製のインナー体が挿入され、同インナー体が内側から拡径されて当該インナー体の外周面と管本体の内周面との間に管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成され、前記インナー体は管本体内への挿入状態において、管本体の端面から延出する延出部を備え、当該延出部は管本体を接続体に接続するための固定部であることを特徴とする通水管の端部構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の端部構造を管本体の一端部又は両端部に備えたことを特徴とする通水管。
  8. 請求項5に記載の端部構造を備えた通水管を、接続体に接続するために管本体の端部と接続体の接続筒部との間に形成される通水管と接続体との接続構造であって、前記管本体の接続用膨出部と、前記接続筒部に設けられた接続手段の係合部との係合により形成されていることを特徴とする端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  9. 前記接続手段は接続筒部に螺合して取り付けられ、その取付状態で接続用膨出部に係合する係合部を備えた抜脱防止スリーブにより形成されていることを特徴とする請求項8に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  10. 前記接続手段は係合部を備えた係合体と、当該係合体と接続用膨出部との係合を維持すべく接続筒部に取り付けられる取着体とにより形成されていることを特徴とする請求項8に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  11. 前記取着体は前記係合体を内部に保持して接続筒部に螺合して取り付けられる固定スリーブにより形成されていることを特徴とする請求項10に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  12. 前記固定スリーブは管本体の接続用膨出部が形成された端部側から同接続用膨出部の外側を通過して管本体に装着されることを特徴とする請求項11に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  13. 前記取着体は接続筒部内に挿入された係合体の同接続筒部内からの抜脱を防止すべく接続筒部に取着されるピン体により形成されていることを特徴とする請求項10に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  14. 前記係合体は複数の分割体を組付けることにより形成され、前記接続用膨出部の形成後に、当該接続用膨出部に係合して取り付けられるように形成されていることを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれか一項に記載の端部構造を備えた通水管と接続体との接続構造。
  15. 接続体に接続された合成樹脂材料製の管本体の端部における流体の漏れ出しを防止するため管本体の端部にシール構造を形成する通水管の端部構造の形成方法であって、前記管本体の端部の内側に環状をなす金属材料製のインナー体を挿入し、前記管本体の端部の外側にアウター体を装着し、同インナー体を内側から拡径して当該インナー体の外周面と管本体の内周面及びアウター体の内周面と管本体の外周面とを圧接させて管本体内を流通する流体の漏れ出しを防止するシール構造を形成することを特徴とする通水管の端部構造の形成方法。
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