JP4197698B2 - コモンモードフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、コモンモードフィルタに関するものである。
従来コモンモードフィルタとして、積層型コモンモードフィルタ及び巻線型コモンモードフィルタが知られている。積層型コモンモードフィルタとして、複数の絶縁体が積層された積層体と、積層体に形成された第1〜第4の端子電極と、互いに電気的に接続される第1及び第2の導体を含む第1のコイルと、積層体内に配されると共に、互いに電気的に接続される第3及び第4の導体を含む第2のコイルと、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載されたような積層型コモンモードフィルタでは、入力端子電極と出力端子電極との距離が近いため、入出力端子電極間に形成される静電容量が大きくなってしまう。また、第1〜第4の導体は、薄い絶縁体層を介して積層されているため、同一のコイルを形成する導体間、すなわち第1及び第2の導体間、並びに第3及び第4の導体間においても大きな静電容量が形成されてしまう。このように、特許文献1に開示されたような積層型コモンモードフィルタでは、コモンモードのノイズ除去に影響を与える静電容量の値が大きくなってしまう。そのため、低い周波数で共振が起こり、高周波のコモンモードノイズを十分に除去できず、高周波特性が低下してしまう。
一方、巻線型コモンモードフィルタとして、ドラム型コアに複数の導線を螺旋状に巻回することによって、複数のコイルを形成したものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。この場合、巻回された各導線がそれぞれ1つのコイルを形成する。この種の巻線型コモンモードフィルタでは、入力端子電極と出力端子電極とがドラムコアの両端にある鍔部に形成されている。そのため、入力端子電極と出力端子電極との間で十分な距離をとることができ、入出力端子電極間に形成される静電容量を積層型コモンモードフィルタに比べ小さくすることができる。さらに、螺旋状に巻回された1本の導線の巻回部間の間隔、すなわち同一のコイルを形成する導体間の間隔を積層型に比べ大きくすることができるため、同一のコイルを形成する導線間において形成される静電容量についても小さくすることができる。
特開平8−203737号公報(特許第3601619号公報) 特開2003−168611号公報
特許文献2に開示されたような巻線型コモンモードフィルタに高周波の信号を通すと、導線のうちコイルを形成しない部分、つまり螺旋状に巻回されていない部分もインダクタとして機能し始め、導線のインダクタンス値が大きくなってしまう。これにより、信号に対するインピーダンスは高い値を示すようになってしまう。さらに、特許文献2に開示されたような巻線型コモンモードフィルタでは、異なるコイルを形成する異なる導線間で、高周波信号により大きな静電容量を形成してしまう。この静電容量によって、信号は減衰してしまう。信号への影響を抑えるため、導線のインダクタンス値を抑制するとともに、異なる導線間に形成される静電容量の値を小さくすることが望まれている。
導線のインダクタンス値は、異なるコイルを形成する異なる導線同士を互いに磁気結合させ、これらの導線で発生する磁束を相殺させることによって抑制することが可能となる。異なる導線同士を互いに磁気結合させるためには、これらの導線同士を近づけて巻回することが必要となる。一方、異なる導線間に形成される静電容量値は、異なる導線間の間隔が大きくなるように複数の導線をコアに巻回することによって抑制することが可能となる。このように、インダクタンス値を小さくするための手段と、静電容量値を小さくするための手段とは相反してしまう。
さらに、インダクタンス値及び静電容量値を小さくするのに、一方のみを極端に小さくしてしまうと、インピーダンスマッチングをとることができなくなってしまい、その結果、信号の反射という問題が発生してしまう。したがって、巻線型コモンモードフィルタでは、インダクタンス値及び静電容量値をバランス良く小さくすることが要求される。そのためには、異なる導線間の間隔を小さすぎることなく、且つ大きすぎることのない適当な値にしなければならない。
また、異なる導線間の間隔がばらつくと、インダクタンス値を小さくするための手段と静電容量値を小さくするための手段とが相反するため、簡単にインダクタンス値と静電容量値との間のバランスが崩れてしまう。したがって、異なる導線間の間隔を適当な値にすることとともに、間隔のばらつきを抑制することも要求される。
こうした要求に対し、特許文献2に記載されたような巻線型コモンモードフィルタは、導線をコアに巻いて形成されている。導線を一定の間隔でコアに巻回することは非常に困難である。したがって、特許文献2に記載されたような巻線型コモンモードフィルタでは、高周波の信号を安定して通すことは困難である。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、高周波特性を向上させることが可能なコモンモードフィルタを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明によるコモンモードフィルタは、磁性体を主成分とし、第1〜第6の側面を有する略直方体状のコア部材と、コア部材の第1の側面上に少なくともその一部がそれぞれ形成された第1及び第2の端子電極と、第1の側面と対向するコア部材の第2の側面上に少なくともその一部がそれぞれ形成された第3及び第4の端子電極と、コア部材の第3〜第6の側面上に形成されており、一端が第1の端子電極と電気的に接続されるとともに、他端が第3の端子電極と電気的に接続される第1のコイル導体と、コア部材の第3〜第6の側面上に形成されており、一端が第2の端子電極と電気的に接続されるとともに、他端が第4の端子電極と電気的に接続される第2のコイル導体と、を備え、第1及び第2のコイル導体は、コア部材を螺旋状に巻回するようにコア部材の第3〜第6の側面上に形成されていることを特徴とする。
上記のコモンモードフィルタにおける第1及び第2のコイル導体は、コア部材の第3〜第6の側面上に螺旋状に形成されている。これにより、第1及び第2のコイル導体間の間隔がばらつくことが抑制される。したがって、上記のコモンモードフィルタでは、インピーダンスマッチングをとりつつ、インダクタンス値及び静電容量値を小さくすることができ、高周波の信号を安定して通すことが可能となる。
第1のコイル導体及び第2のコイル導体は、導電性材料のめっきにより形成されていることが好ましい。この場合、第1及び第2のコイル導体は第3〜第6の側面上に強固に密着して形成されるため、第1及び第2のコイル導体間の間隔がばらつくことが良好に抑制される。
コア部材の第3〜第6の側面において、第3の側面と前記第4の側面とが互いに対向しており、少なくとも、第1のコイル導体の第3の側面上に形成された部分及び第4の側面上に形成された部分のパターンと、第2のコイル導体の第3の側面上に形成された部分のパターン及び第4の側面上に形成された部分のパターンとが、フォトリソグラフィ法によりパターニングされていることが好ましい。フォトリソグラフィ法によれば精密にパターニングすることができるため、導体間の間隔を所望の値にでき、且つばらつきを良好に抑制することができる。また、対向する2側面のみにフォトリソグラフィ法を適用することにより、複数のコモンモードフィルタの導体部を1つの基板に一括してパターニングすることが可能となる。そのため、製造が容易となる。
コア部材の第3〜第6の側面のうちの何れかの側面と対向するように配置された絶縁体部材をさらに備え、第1及び第2の端子電極はそれぞれ、第1の側面上に形成された部分と連続するとともに、絶縁体部材のコア部材と対向する側面とは反対側に位置する側面に回り込む回り込み部を有し、第3及び第4の端子電極はそれぞれ、第2の側面上に形成された部分と連続するとともに、絶縁体部材のコア部材と対向する側面とは反対側に位置する側面に回り込む回り込み部を有することが好ましい。端子電極が形成された側面を有する絶縁体部材を備えることにより、実装時の短絡の発生を抑制することが可能となる。
コア部材の第3〜第6の側面のうちの何れかの側面と対向するように配置された磁性体部材をさらに備えていることが好ましい。磁性体部材をさらに備えることによって閉磁路構造となり、ノイズに対するインピーダンスを高くすることが可能となる。
本発明によれば、高周波特性を向上させることが可能なコモンモードフィルタを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るコモンモードフィルタCFの構成を説明する。図1は、本実施形態に係るコモンモードフィルタを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るコモンモードフィルタを分解して示した構成図である。なお、図2では、端子電極3〜6の図示を省略している。
コモンモードフィルタCFは、図1に示されるように、フェライト基板であるコア部材1と、絶縁体部材21と、磁性体部材23と、第1〜第4の端子電極3〜6と、第1及び第2のコイル導体11、13とを備えている。なお、図1においては、第1及び第2の端子電極3、4の一部、並びに第3及び第4の端子電極5、6について、それぞれ点線で図示している。
コア部材1は、直方体状であり、第1〜第6の側面1a〜1fを有している。第1及び第2の側面1a、1bは互いに対向している。第3及び第4の側面1c、1dは互いに対向している。第5及び第6の側面1e、1fは互いに対向している。第1及び第2の側面1a、1bと隣り合う4つの側面のうち長手方向に伸びる2つの側面が、第3及び第4の側面1c、1dである。第1及び第2の側面1a、1bと隣り合う4つの側面のうち短手方向に伸びる2つの側面が、第5及び第6の側面1e、1fである。コア部材1は、フェライト等の磁性体からなる。
絶縁体部材21は、コア部材1の第4の側面1dと対向するように配置されている。絶縁体部材21は、コア部材1の第4の側面1dを覆うように板状に形成されている。絶縁体部材21として、例えばフェライト基板を用いることができる。絶縁体部材21とコア部材1とは、間に挿入された接着層31により接着されている。本実施形態に係るコモンモードフィルタCFでは、絶縁体部材21を基板等の実装面と対向するようにして実装することが好ましい。
磁性体部材23は、コア部材1の第3の側面1cと対向するように配置されている。磁性体部材23は、コア部材1の第4の側面1dを覆うように板状に形成されている。磁性体部材23は、フェライト等の磁性体からなる。磁性体部材23とコア部材1とは、間に挿入された接着層33により接着されている。接着層31、33は、例えば樹脂によって形成される。
第1及び第2の端子電極3、4はそれぞれその一部が、第3の側面1cと第4の側面1dとが対向する方向で覆うようにコア部材1の第1の側面1a上に形成されている。第1及び第2の端子電極3、4はさらに、図1に示すように、それぞれ、コモンモードフィルタCFの底面、すなわち絶縁体部材21のコア部材1と対向する側面とは反対側に位置する側面に回り込む回り込み部3A、4Aを有する。
第3及び第4の端子電極5、6はそれぞれその一部が、第3の側面1cと第4の側面1dとが対向する方向で覆うようにコア部材1の第2の側面1b上に形成されている。第3及び第4の端子電極5、6はさらに、図1に示すように、それぞれ、コモンモードフィルタCFの底面、すなわち絶縁体部材21のコア部材1と対向する側面とは反対側に位置する側面に回り込む回り込み部5A、6Aを有する。
第1及び第2のコイル導体11、13は、図2に示すように、コア部材1に巻き付けられるようにして形成されている。すなわち、第1及び第2のコイル導体11、13は、コア部材1の第1及び第2の側面1a、1bが対向する方向を中心として、それぞれコア部材1を螺旋状に複数回(本実施形態では、各3回)巻回して形成されている。第1及び第2のコイル導体11、13は、互いに隣り合う第1のコイル導体11と第2のコイル導体13との間の間隔dが略一定となるようにして形成されている。
第1のコイル導体11の一端部11aは、コア部材1の第1の側面1aまで引き出されるように伸びて当該側面1aに露出しており、第1の端子電極3と電気的に接続される。第1のコイル導体11の他端部11bは、コア部材1の第2の側面1bまで引き出されるように伸びて当該側面1bに露出しており、第3の端子電極5と電気的に接続される。第1のコイル導体11の一端部及び他端部11a、11bはそれぞれ、引き出し導体として機能する。
第2のコイル導体13の一端部13aは、コア部材1の第1の側面1aまで引き出されるように伸びて当該側面1aに露出しており、第2の端子電極4と電気的に接続される。第2のコイル導体13の他端部13bは、コア部材1の第2の側面1bまで引き出されるように伸びて当該側面1bに露出しており、第4の端子電極6と電気的に接続される。第2のコイル導体13の一端部及び他端部13a、13bはそれぞれ、引き出し導体として機能する。
第1及び第2のコイル導体11、13は、コア部材1の第3〜第6の側面1c〜1f上に成長させて形成されている。より具体的には、第1及び第2のコイル導体11、13は、コア部材1の第3〜第6の側面1c〜1f上に導電性材料のめっきにより形成されている。
本実施形態に係るコモンモードフィルタCFでは、第1のコイル導体11の部分であってコア部材1の第3の側面1c上に形成された第1導体部11c及び第1のコイル導体11の両端部11a、11bのパターンは、フォトリソグラフィ法によりパターニングされている。第1のコイル導体11の部分であってコア部材1の第4の側面1d上に形成された第2導体部11dのパターンは、フォトリソグラフィ法によりパターニングされている。
第2のコイル導体13の部分であってコア部材1の第3の側面1c上に形成された第1導体部13c及び第2のコイル導体13の両端部13a、13bのパターンは、フォトリソグラフィ法によりパターニングされている。第2のコイル導体13の部分であってコア部材1の第4の側面1d上に形成された第2導体部13dのパターンは、フォトリソグラフィ法によりパターニングされている。
第1のコイル導体11の部分であってコア部材1の第5の側面1e上に形成された第3導体部11e、及び第1のコイル導体11の部分であってコア部材1の第6の側面1f上に形成された第4導体部11fはいずれも、スパッタリング法等によりめっきとして形成されている。第2のコイル導体13の部分であってコア部材1の第5の側面1e上に形成された第3導体部13e、及び第2のコイル導体13の部分であってコア部材1の第6の側面1f上に形成された第4導体部13fはいずれも、スパッタリング法等によりめっきとして形成されている。
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態に係るコモンモードフィルタCFの製造方法について説明する。
図3(a)は、円形板状のフェライト基板40の両主面上に導電性材料による薄膜を形成する工程を示す工程断面図である。図3(a)に示すように、板状のフェライト基板40の両主面上に導電性材料による薄膜(めっき)41、42を成長させて形成する。薄膜41、42は、例えばめっき法(例えば電気めっき、スパッタ、蒸着等を含む)により形成される。
次に、図3(b)を参照して、フェライト基板40の両主面上に第1及び第2のコイル導体11、13を形成する工程を説明する。図3(b)は、フェライト基板40の両主面上に第1及び第2のコイル導体11、13を形成する工程を示す工程断面図である。
フェライト基板40の両主面上に形成された薄膜41、42に対し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを施す。フォトリソグラフィ法によるパターニングは、感光性のレジストを薄膜上に塗布し、マスクをかけて露光現像し、レジストをマスクのパターンに応じた形状にした後、不要な薄膜部分をエッチングし、レジストを剥離することによってなされる。
こうしてパターニングされることによって、フェライト基板40の一方の主面上に、第1のコイル導体11の第1導体部11c、第2のコイル導体13の第1導体部13c、第1のコイル導体11の両端部11a、11b、及び第2のコイル導体13の両端部13a、13bのパターンが、複数個(本実施形態では、16個)のコモンモードフィルタCFに対応した複数パターン形成される。パターニングにおいて、同一のコモンモードフィルタCFに含まれ且つ互いに隣り合う第1のコイル導体11の第1導体部11cと第2のコイル導体13の第1導体部13cとは間隔dを有して形成される。また、第1のコイル導体11の第1導体部11c及び第2のコイル導体13の第1導体部13cはいずれも、幅を有する直線状に形成される。
一方、パターニングされることによって、フェライト基板40の他方の主面上には、第1のコイル導体11の第2導体部11d及び第2のコイル導体13の第2導体部13dのパターンが、複数個(本実施形態では、16個)のコモンモードフィルタCFに対応した複数パターン形成される。パターニングにおいて、同一のコモンモードフィルタCFに含まれ且つ互いに隣り合う第1のコイル導体11の第2導体部11dと第2のコイル導体13の第2導体部13dとは間隔dを有して形成される。また、第1のコイル導体11の第2導体部11d及び第2のコイル導体13の第2導体部13dはいずれも、幅を有する直線状に形成される。
こうして、図3(b)に示すように、1枚のフェライト基板40の両主面上に複数のコモンモードフィルタCFの第1及び第2のコイル導体11、13それぞれの第1及び第2導体部11c、13c、11d、13d並びに端部11a、11b、13a、13b(図示なし)が形成される。図4は、一方の主面上に複数のコモンモードフィルタCFの第1のコイル導体11の第1導体部11c及び両端部11a、11b、並びに第2のコイル導体13の第1導体部13c及び両端部13a、13bが形成されたフェライト基板40の上面図である。なお、図4の一点鎖線Dは、後述の切断予定位置である。
次に、図5(a)を参照して、フェライト基板40に絶縁体基板43を接着する工程を説明する。図5(a)は、フェライト基板40に絶縁体基板43を接着する工程を示す工程断面図である。
図5(a)に示すように、接着剤45を介して、板状の絶縁体基板43を第2導体部11d、13dが形成されたフェライト基板40の主面側に接着する。これにより、第2導体部11d、13dが形成されたフェライト基板40の主面と絶縁体基板43とは、互いに対向するように配置される。
次に、図5(b)を参照して、フェライト基板40に磁性体基板47を接着する工程を説明する。図5(b)は、フェライト基板40に磁性体基板47を接着する工程を示す工程断面図である。
図5(b)に示すように、接着剤49を介して、板状の磁性体基板47を第1導体部11c、13cが形成されたフェライト基板40の面側に接着する。これにより、第1導体部11c、13cが形成されたフェライト基板40の主面と磁性体基板47とは、互いに対向するように配置される。磁性体基板47として、例えばフェライト基板を用いることができる。
その後、図5(b)に示すように、絶縁体基板43及び磁性体基板47が接着されたフェライト基板40を切断予定位置D(図4参照)で切断して、1つのコモンモードフィルタCFに対応するフィルタ要素50を得る。
切断によって得られたフィルタ要素50の側面、すなわち絶縁体部材21又は磁性体部材23が接着されている側面以外の4つの側面のうち、第1及び第2のコイル導体11、13それぞれの第1及び第2導体部11c、11d、13c、13dが引き出され且つ互いに対向する2つの側面に、第1及び第2のコイル導体11、13の第3及び第4導体部11e、11f、13e、13fが形成される。
導体部11e、11f、13e、13fは、これらの導体部のパターンを有するマスクをフィルタ要素50の側面上に取り付けて、スパッタリング法により導電性材料を成長させることにより形成される。
これにより、第1のコイル導体11の第3及び第4導体部11e、11fはそれぞれの両端部において、第1のコイル導体11の第1導体部11cと第2導体部11dとに電気的に接続される。第2のコイル導体13の第3及び第4導体部13e、13fはそれぞれの両端部において、第2のコイル導体13の第1導体部13cと第2導体部13dとに電気的に接続される。その結果、第1及び第2のコイル導体11、13は、コア部材1を巻回するように、コア部材1の第3〜第6の側面1c〜1f上に螺旋状に形成されることとなる。
一方、切断によって得られたフィルタ要素50の側面、すなわち絶縁体部材21又は磁性体部材23が接着されている側面以外の4つの側面のうち、第1及び第2のコイル導体11、13それぞれの端部11a、13aが引き出される側面に、第1及び第2の端子電極3、4が形成される。また、切断によって得られたフィルタ要素50の側面、すなわち絶縁体部材21又は磁性体部材23が接着されている側面以外の4つの側面のうち、第1及び第2のコイル導体11、13それぞれの端部11b、13bが引き出される側面に、第3及び第4の端子電極5、6が形成される。
第1〜第4の端子電極3〜6は、例えば導電性材料によるめっき層(例えばCr層及びCu層)をマスクスパッタで順次形成した後、バレルめっきにより電気めっき層(例えばCu、Ni、Snの順に形成)を形成することにより得られる。なお、端子電極3〜6を形成する金属材料としては、AgやCu等であっても良い。
コモンモードフィルタCFでは、端子電極3〜6が板状コア部材1の両端に形成されている。そのため、入力端子電極と出力端子電極との間で十分な距離をとることができ、入出力端子電極間に形成される静電容量を十分に小さくすることができる。また、螺旋状に形成された第1のコイル導体11同士の間隔、及び第2のコイル導体13同士の間隔を、同一のコイル導体間で形成される静電容量の値が十分小さくなる程度に大きくすることが可能である。したがって、コモンモードフィルタCFでは、高周波のコモンモードノイズを十分に除去することができる。
コモンモードフィルタCFでは、螺旋状に形成された第1及び第2のコイル導体11、13は、コア部材1の第3〜第6の側面1c〜1f上に成長させて形成されている。そのため、第1及び第2のコイル導体11、13はコア部材1の第3〜第6の側面1c〜1f上に強固に密着して形成されており、第1及び第2のコイル導体11、13間の間隔がばらつくことが抑制されている。したがって、コモンモードフィルタCFでは、インダクタンス値及び静電容量値を小さくしつつも、インピーダンスマッチングを考慮してインダクタンス値と静電容量値との間のバランスをとり且つその状態を維持することが可能となる。その結果、コモンモードフィルタCFでは、高周波の信号に対する影響を少なくでき、高周波の信号を安定して通すことが可能となり、高周波特性が向上される。
コモンモードフィルタCFのコア部材1は、第1〜第6の側面1a〜1fを有し直方体形状を呈する。したがって、例えば上述した製造方法のように、複数のコモンモードフィルタの第1及び第2のコイル導体11、13の第1及び第2導体部11c、13c、11d、13dのパターンをフォトリソグラフィ法により一度にパターニングすることができる。これに対し、例えば鍔部を有するドラムコア部材をコア部材として用いる場合には、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングするとしても、上述のコモンモードフィルタCFの製造方法のように一度に複数のコモンモードフィルタのパターニングを行うことは困難である。したがって、コモンモードフィルタCFでは、その製造が容易となる。
コモンモードフィルタCFの第1及び第2のコイル導体11、13は、導電性材料のめっきにより形成されている。したがって、第1及び第2のコイル導体11、13は第3〜第6の側面上1c〜1fに強固に密着して形成されるため、第1及び第2のコイル導体11、13間の間隔がばらつくことが良好に抑制される。
コモンモードフィルタCFの第1及び第2のコイル導体11、13の第1及び第2導体部11c、11d、13c、13dのパターンはフォトリソグラフィ法によってパターニングされている。フォトリソグラフィ法によれば精密にパターニングすることができるため、導体間の間隔を所望の値にするとともに、ばらつきを良好に抑制することが可能となる。
コモンモードフィルタCFの第1及び第2のコイル導体11、13の第3及び第4導体部11e、11f、13e、13fはめっき法であるマスクを用いたスパッタリング法によって形成されている。第1及び第2のコイル導体11、13のすべてのパターンをフォトリソグラフィ法によってパターニングせず、第1及び第2のコイル導体11、13の一部をマスクを用いたスパッタリング法によって形成することにより、さらに製造を容易にすることが可能となる。
コモンモードフィルタCFは絶縁体部材21を備え、コア部材1の第4の側面1dを覆っている。コア部材1の第4の側面1dのうち、第1の端子電極3の回り込み部3A、第2の端子電極4の回り込み部4A、第3の端子電極5の回り込み部5A、及び第4の端子電極6の回り込み部6Aに対応する領域は、絶縁体部材21によって覆われている。そのため、コモンモードフィルタCFの側面のうち絶縁体部材21を基板等の実装面に対向するように実装した場合、短絡の発生を抑制することが可能となる。
コモンモードフィルタCFは、コア部材1の第3の側面1cと対向するように配置された磁性体部材23を備えている。磁性体部材23をさらに備えることによって閉磁路構造となり、ノイズに対するインピーダンスを高くすることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしもこれらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、コア部材1の表面が、樹脂等によって覆われていてもよい。また、絶縁体部材21及び磁性体部材23の双方あるいは一方を備えてなくてもよい。また、コア部材1は、例えば頂角が丸みを帯びた略直方体状であってもよい。
また、絶縁体部材21はコア部材1の第4の側面1dの全面を覆わず、コア部材1の第4の側面1dのうち、第1の端子電極3の回り込み部3A及び第2の端子電極4の回り込み部4Aに対応する領域、並びに、第3の端子電極5の回り込み部5A及び第4の端子電極6の回り込み部6Aに対応する領域を覆っていればよい。
また、接着層31を備えず、印刷技術により絶縁体部材21を形成してもよい。接着層33を備えず、例えば樹脂にフェライト粉を混合して形成した磁性体部材23を備えてもよい。
コモンモードフィルタCFの製造方法は上記したような製造方法に限られない。例えば、第1及び第2のコイル導体11、13の導体部11c、11d、13c、13dのパターンが、フォトリソグラフィ法によってパターニングされていなくてもよく、例えば第1及び第2のコイル導体11、13の双方のすべてがマスクを用いたスパッタリング法によって形成されていてもよい。あるいは、第1及び第2のコイル導体11、13の双方のすべてのパターンが、フォトリソグラフィ法によってパターニングされていてもよい。あるいは、第1及び第2のコイル導体11、13はめっき法に限らず、例えば導電性ペーストを塗布して焼き付けして形成してもよい。また、第1及び第2のコイル導体11、13を形成するめっき法は、スパッタリング法に限らず、例えば蒸着法等でもよい。
実施形態に係るコモンモードフィルタを示す斜視図である。 実施形態に係るコモンモードフィルタを分解して示した構成図である。 実施形態に係るコモンモードフィルタの製造方法を説明するため図である。 第1及び第2のコイル導体が形成されたフェライト基板の上面図である。 実施形態に係るコモンモードフィルタの製造方法を説明するため図である。
符号の説明
CF…コモンモードフィルタ、1…コア部材、1a〜1f…第1〜第6の側面、3…第1の端子電極、4…第2の端子電極、5…第3の端子電極、6…第4の端子電極、11…第1のコイル導体、13…第2のコイル導体、21…絶縁体部材、23…磁性体部材、31、33…接着層、40…フェライト基板、41、42…薄膜、43…絶縁体基板、47…磁性体基板、45、49…接着剤、50…フィルタ要素

Claims (6)

  1. 板状のフェライト基板を用意する工程と、
    前記板状フェライト基板の対向する第1及び第2の主面上に導電性材料による薄膜を形成する工程と、
    前記フェライト基板の前記第1の主面上に形成された前記薄膜に対し、フォトリソグラフィ法により所定の間隔を有する直線状の第1導体部を複数含む第1のパターンを複数パターニングするとともに、前記フェライト基板の前記第2の主面上に形成された前記薄膜に対し、フォトリソグラフィ法により所定の間隔を有する直線状の第2導体部を複数含む第2のパターンを前記複数の第1のパターンに対応させて複数パターニングする工程と、
    対応する前記第1及び第2のパターンを1つずつ含むように前記フェライト基板を切断して、複数のフィルタ要素を得る工程と、
    前記各フィルタ要素の前記第1の主面上に形成されている前記第1導体部と前記第2の主面上に形成されている前記第2導体部とを接続する第3導体部を、当該フィルタ要素の前記両主面を連結する側面に形成し、且つ前記フィルタ要素の前記第1の主面上に形成されている前記第1導体部と前記第2の主面上に形成されている前記第2導体部とを接続する第4導体部を、当該フィルタ要素の前記第3導体部が形成された前記側面と対向する側面に形成することで、互いに隣り合う螺旋状の第1及び第2のコイル導体を当該フィルタ要素に形成する工程と、
    前記第1のコイル導体の一端に接続される第1の端子電極と前記第1のコイル導体の他端に接続される第3の端子電極とを前記各フィルタ要素の異なる側面上に形成し、且つ前記第2のコイル導体の一端に接続される第2の端子電極と前記第2のコイル導体の他端に接続される第4の端子電極とを前記各フィルタ要素の異なる側面上に形成する工程と、を備えるコモンモードフィルタの製造方法。
  2. フォトリソグラフィ法によるパターニングは、感光性のレジストを前記薄膜上に塗布し、マスクをかけて露光現像し、前記レジストを前記マスクのパターンに応じた形状にした後、不要な前記薄膜部分をエッチングし、前記レジストを剥離することによってなされることを特徴とする請求項1記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  3. 前記第3及び第4導体部は、当該第3及び第4導体部のパターンを有するマスクを前記フィルタ要素の前記側面上に取り付けて、スパッタリング法により導電性材料を成長させることにより形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  4. 前記パターニングにおいて、隣り合う前記第1及び第2導体部はそれぞれ等間隔を有するように形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  5. 板状の絶縁体基板を前記第2導体部が形成された前記フェライト基板の前記主面上に接着する工程をさらに備え、
    対応する前記第1及び第2のパターンを1つずつ含むように前記フェライト基板を切断する際に、前記絶縁体基板を共に切断して絶縁体部材つきフィルタ要素を複数得ることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  6. 板状の磁性体基板を前記第1導体部が形成された前記フェライト基板の前記主面上に接着する工程をさらに備え、
    対応する前記第1及び第2のパターンを1つずつ含むように前記フェライト基板を切断する際に、前記磁性体基板を共に切断して磁性体部材つきフィルタ要素を複数得ることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載のコモンモードフィルタの製造方法。
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