JP4177533B2 - 微細気相成長炭素繊維製造装置、微細気相成長炭素繊維の製造方法、微細気相成長炭素繊維付着防止装置及び微細気相成長炭素繊維 - Google Patents
微細気相成長炭素繊維製造装置、微細気相成長炭素繊維の製造方法、微細気相成長炭素繊維付着防止装置及び微細気相成長炭素繊維 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
この発明は微細気相成長炭素繊維製造装置、微細気相成長炭素繊維の製造方法、微細気相成長炭素繊維付着防止装置、及びこれらの装置又は方法により製造される微細気相成長炭素繊維に関し、さらに詳しくいうと、炉芯管例えば縦型炉芯管内が閉塞し難い構造を備えて成る微細気相成長炭素繊維製造装置、この微細気相成長炭素繊維製造装置を利用して微細気相成長炭素繊維を製造する方法、炉芯管例えば縦型炉芯管の内壁に炭素質物の付着を防止する微細気相成長炭素繊維付着防止装置、及びこれらの装置又は方法により製造される微細気相成長炭素繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気相成長炭素繊維を製造する装置として炉芯管例えば縦型炉芯管を有する製造装置が知られている。
【0003】
この製造装置は、縦型炉芯管の上部に、キャリヤーガス、触媒となる金属を含有する触媒金属源および炭素源となる例えば炭化水素をガス状にして縦型炉芯管内に導入する原料供給手段と、前記原料供給手段により供給されるガスを整流して前記縦型炉芯管内を下降流通させるために設けられたガス整流手段と、前記縦型炉芯管を囲繞するように配置され、前記縦型炉芯管の内部を加熱する加熱手段とを有する。
【0004】
従来のこのような製造装置にあっては、加熱手段で加熱されている縦型炉芯管内に触媒金属源のガスと炭化水素のガスとがキャリヤーガスと共に導入される。導入されたガスはガス整流手段により整流されて縦型炉芯管内を流通する。加熱された炉芯管内で炭素繊維が生成する。
【0005】
炉芯管内で炭素繊維が生成する機構については、いくつかのメカニズムが提案されていて、一つには、縦型炉心管内に導入された触媒金属源となる化合物が分解して触媒金属が生成すると共に炭素源も分解し、炭素繊維が生成するとする提案、又別に、縦型炉心管内で触媒金属源が分解して溶融金属液滴が生成し、この溶融金属液滴に炭素源が接触することにより炭素源が分解し、分解した炭素が金属を芯にして長さ方向に成長して炭素繊維が生成するとする提案等がある。
【0006】
炭素繊維が生成するメカニズムがどのようであれ、生成する炭素繊維が、整流となるように調整された気流に乗って縦型炉芯管内を下降する。下降する炭素繊維は、キャリヤーガスと共に縦型炉芯管の下端開口部を経由して炭素繊維収集手段(炭素繊維を収集する機械・器具・装置であって、例えば炭素繊維収集槽、収集箱、捕集箱などと称されている。)に落下する。
【0007】
しかしながら、このような構造を有する製造装置においては以下のような問題があった。
【0008】
すなわち、縦型炉芯管内では気相中で生成する溶融金属を核にして炭素繊維が気相で生成し、また気相で炭素繊維を生成させるのが望ましいのであるが、縦型炉芯管の内壁に繊維状物が付着するという問題である。
【0009】
縦型炉心管の内壁に繊維状物が付着する原因はいくつか考えられ、例えば、触媒金属源が分解して生成する溶融金属が縦型炉心管の内壁に付着し、内壁に付着した溶融金属を核にしていわば基板成長炭素繊維等の繊維状物が生成すると言う説、触媒金属源が縦型炉心管の内壁に付着し、縦型炉心管の内壁面上で触媒金属源が分解して金属が生成し、その金属を核にして前記基板成長炭素繊維等の繊維状物が生成すると言う説、縦型炉心管内の気相で生成した炭素繊維が縦型炉心管の内壁に付着して、そのまま長さ成長あるいは太さ成長をすると言う説、あるいはこれらの組み合わせであると言う説などが考えられている。
【0010】
いずれの説によるにしても、一旦繊維状物が管壁面に形成されると、上部から落下してくる気相成長炭素繊維がその上に堆積し、太さ及び長さの不均一な繊維状物が益々多く生成し、ついには反応管が閉塞してしまう。反応管が閉塞すると、気相成長炭素繊維の製造を停止して、閉塞した反応管内の清掃作業を行わねばならなくなり、これでは工業的な操業を実現することができなくなる。
【0011】
さらに、管壁面に付着した炭素繊維及びそれに堆積した炭素繊維には、熱分解炭素層が形成され、直径が大きくなると共に物性の劣る炭素繊維となる。
【0012】
なおここで、気相成長炭素繊維は、気相で成長した炭素繊維と言う意味合いである。更に詳しく言うと、気相成長炭素繊維は、炭素源となる化合物を原料にして、遷移金属などの金属微粒子を核にして気相中で成長した炭素繊維である。したがって、微細気相成長炭素繊維は、一端に遷移金属等の超微粒子を含有し、中空であり、黒鉛網面がC軸を繊維軸に直交させて年輪状に積層して、つまり、黒鉛網面が繊維軸に平行に積層してなる繊維である。この微細気相成長炭素繊維には、その直径が数十nmであるカーボンナノファイバーおよび直径が数nmであるカーボンナノチューブが含まれる。さらにまた、微細気相成長炭素繊維は、触媒金属粒子が溶融しない程の低温度で生成されるところの、黒鉛網面が繊維軸に数十度の角度を持った円錐積層状態で、しかもその直径が百nm以下である中空繊維、および黒鉛網面が繊維軸に対してほぼ直角であり、板状又はリボン状のような特殊な形状に形成されて成り、その長辺が百nm以下の繊維状物をも、含む。
【0013】
前述した問題点は横置きの炉芯管にも発生するのであるが、このような問題点を解消するために、縦型炉心管の内壁に触媒金属源、溶融金属、あるいは炭素繊維が付着しないように管壁に沿ってキャリヤーガスを流通させるという工夫がなされた。しかしながら、管壁で繊維状物が生成するのをある程度防止することができるにはできたが、未だ完全であるとは言い難かった。
【0014】
そこで、管壁で発生する繊維状物を除去する手段として、例えば、炉内に耐熱セラミックスの球を入れて炉を回転させる機構、或いは、間欠的に炉壁に付着した繊維状物を除去するための、ヘラや熊手のような形状をした各種の掻き落とし手段等が提案されている。
【0015】
耐熱セラミックスの球を用いる手段においては、縦型炉芯管中を流通するガスの流線が乱されるのみならず、この耐熱セラミックスの球に付着した繊維が太さ成長してしまうことにより気相成長炭素繊維の特性が劣化する。つまり、結晶性が高くて中空形状をした気相成長炭素繊維を効率よく製造することができなくなるという問題がある。
【0016】
前記掻き落とし手段を用いる場合、掻き落とし手段を間欠的に動作実行させるので、炉壁に付着した繊維が太さ成長してしまい、また気相成長炭素繊維が生成する部位に掻き落とし手段を常駐させると、ガスの流線が乱されてしまい、かえって壁面への繊維状物の付着量を増加させてしまうという新たな問題がある。
【0017】
したがって、従来の製造装置においては、縦型炉芯管の内部に付着する炭素繊維等を除去する操作を、定期的に、例えば数分毎に実施する必要があり、したがって、その度に製造装置を停止させなければならないから、炭素繊維の効率的な連続製造に支障を来していた。
【0018】
従来の製造装置においては別に以下のような問題点を有していた。すなわち、炉芯管の一端には、炭素源ガスと触媒金属源ガスとを導入する原料ガス供給ノズルが配置されている。この原料ガス供給ノズル内が、炉芯管を加熱する加熱手段によって、炉芯管内で炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分解する程度の温度に加熱されると、原料ガス供給ノズル内で炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分解してしまい、分解した成分或いは反応生成物が原料ガス供給ノズル内を閉塞させるという問題が発生する可能性が大きいので、このような問題が生じないように、つまり前記原料ガス供給ノズル内の温度が炭素源ガスと触媒金属源ガスとが分解する温度に達しないように、何らかの手段を講じることにより、原料ガス供給ノズル内が冷却されている。とすると、炉芯管内の所定温度よりも低い温度になっている炭素源ガス及び触媒金属源ガスが原料ガス供給ノズルから炉芯管に供給されることになる。そうすると、炉芯管内で炭素源ガスと触媒金属源ガスとが迅速に所定の温度に達しなくなり、所望の微細気相成長炭素繊維を効率良く製造することができないと言う問題を生じていた。
【0019】
ところで、流動気相成長炭素繊維の中でも、熱分解炭素層を有していないカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブは、特に黒鉛化しなくても黒鉛化度が比較的に高く、導電性に優れているのであるが、太さ成長をせずに直径が小さいだけにその生産性が低かったので、生産性の向上が望まれていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、炉芯管内が炭素繊維、特にカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、黒鉛網面が繊維軸と平行でない微細な炭素繊維等の微細気相成長炭素繊維で閉塞されることがなく、したがって、効率的に微細気相成長炭素繊維の連続生産を実現することができ、しかも装置全体が大型化することのない微細気相成長炭素繊維製造装置を提供することにある。
【0021】
この発明の目的は、炉芯管の閉塞現象が極力低減されることにより長期連続運転の可能な微細気相成長炭素繊維製造装置を提供することにある。
【0022】
この発明の目的は、微細気相成長炭素繊維、とりわけ流動気相成長炭素繊維の中でも特に直径の小さなカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブを、連続的に効率良く製造する方法を提供することにある。
【0023】
この発明の他の目的は、炉心管を用いて微細気相成長炭素繊維例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブを製造する際に、炉心管の内壁に微細気相成長炭素繊維が付着するのを防止する微細気相成長炭素繊維付着防止装置を提供することにある。
【0024】
この発明の更に他の目的は、直径が約100nm以下、さらには50nm以下であり、その中心部には中空コア部が繊維軸に沿って存在し、この中空コア部を囲繞するように、単層又は複数層の黒鉛網面が年輪状に平行に形成されたところの、カーボンナノチューブ又はカーボンナノファイバーを含む微細気相成長炭素繊維を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
縦方向に配置された炉芯管内に炭素源ガスと触媒金属源ガスとを供給することができるように炉芯管の上端に配置された原料供給手段のノズルを備えた反応手段と、前記炉芯管の下部から挿入配置され、前記ノズルの先端開口部に開口部が近接して臨むように炉芯管内に配置された排出管を備えた排出手段と、炉芯管の内壁と排出管の外壁との間で炉芯管の下方から案内ガスを導入し、排出管の前記開口部にまで案内ガスをせり上げ、前記開口部から前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとを取り込み、排出管内で前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとから形成された微細気相成長炭素繊維を排出管内を下方に向けて流通させる案内ガス供給手段とを備えて成ることを特徴とする微細気相成長炭素繊維製造装置であり、
請求項2は、
加熱された炉芯管の一端に設けられた、原料供給手段のノズルから供給される炭素源ガスと触媒金属源ガスとを、前記炉芯管内に挿入配置された排出管の、前記ノズルの先端開口部に臨んで配置された開口部内に、前記請求項1に記載の案内ガス供給手段により炉芯管と前記排出管との間隙を流通する案内ガスと共に、取り込んで、排出管内で前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとから微細気相成長炭素繊維を製造することを特徴とする微細気相成長炭素繊維の製造方法であり、
請求項3は、
縦方向に配置された炉心管の上端から炭素源ガスと触媒金属源ガスとを炉芯管内に供給する原料供給手段のノズルに近接して臨んで配置された開口部から前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとを取り込むように炉芯管の下部から挿入配置された排出管を有する排出手段と、前記請求項1に記載の案内ガス供給手段とを備えて成ることを特徴とする微細気相成長炭素繊維付着防止装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態における微細気相成長炭素繊維製造装置においては、反応手段における炉芯管の一端にあるノズルからキャリヤーガスと共に供給された触媒金属源と炭素源ガスとを、炉芯管における原料供給手段に臨んで近接状態で配置された排出管内に導入する。加熱された炉芯管の輻射熱及び加熱された案内ガスにより排出管が、十分に加熱されているので、この十分に加熱された排出管内に導入された炭素源ガスと触媒金属源ガスとが直ちに分解し、微細気相成長炭素繊維を生成し、排出管から排出される。したがって、ノズル内で炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分解しない程度にノズル内が冷却されていても、ノズルから供給される炭素源ガス及び触媒金属源ガスが炉芯管内での加熱不足により微細気相成長炭素繊維が効率良く製造されないと言う不具合がない。また、ノズルに臨み、かつノズルに近接して排出管の開口部が配置されているので、ノズルから供給された炭素源ガス及び触媒金属源ガスが排出管内に直ちに吸い込まれるので、炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分解して生成する物質が炉芯管の内壁に付着することがない。また、案内ガスが炉芯管の内壁と排出管の外壁との間隙を流通し、前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとを包み込むようにして排出管内に取り込むので、排出管内においても炭素源ガスと触媒金属源ガスとの分解生成物或いは反応生成物が排出管の内壁に付着することがない。さらに、排出管内で生成した微細気相成長炭素繊維が、案内ガスと共に炉芯管外へと導出されるので、微細気相成長炭素繊維の連続生産が可能に成ると言った利点が、この発明に係る微細気相成長炭素繊維製造装置に、ある。
【0027】
このように優れた利点を有する微細気相成長炭素繊維製造装置の一例を図1に示す。なお、この発明はこの図1に示される装置に限定されるものではない。
【0028】
図1に示される装置は、炉芯管が縦型炉芯管であり、したがって反応手段も縦型反応手段である。
【0029】
図1において、1はこの発明の一例である微細気相成長炭素繊維製造装置、2は炭素源及び触媒金属源例えば有機金属化合物の混合物を収容する原料タンク、3は原料タンク内の混合物を吸引吐出し、その流量を調節するポンプ、4は前記混合物を所定の温度に予熱する予熱器、5は予熱された混合物をさらに加熱することにより気化させて、送られて来た混合物と同じ組成のガスを生成させる加熱気化器、6は気化した混合物と共に流通させるキャリヤーガスの流量を調整する第1マスフローコントローラ、7はこの発明に係る微細気相成長炭素繊維製造装置における原料供給手段のノズルの一例である原料ガス供給ノズルに取り付けられた冷却用ジャケットに供給される冷却ガス例えば空気又は窒素の流量を測定する流量計、8はキャリヤーガスの流量を調整する第2マスフローコントローラ、9は加熱された混合物のガスを所定温度に維持するヒートチューブ、10は縦型炉芯管の頂部から内部に混合ガスを導入する円筒管状の原料ガス供給ノズル、11は縦型炉芯管、12は前記原料ガス供給ノズルを囲繞する冷却用ジャケット、13は冷却ガス供給口、13Aは前記冷却用ジャケット内に供給された冷却用ガスを排出する冷却ガス排出口、14はキャリヤーガス供給ノズル、14Aは前記キャリヤーガス供給ノズルの先端部に装着されたガス整流手段、15は加熱手段である電気炉、18は原料ガス供給ノズルにおける原料ガス供給口、19は配管、20は配管、21はポンプから吐出された混合物を気化器に送り出す原料供給管、22は配管、23は配管、30は排出手段、31は排出管、31Aは排出管31における開口部、32は駆動気体噴出ノズル、33はエジェクター管、40は案内ガス供給手段、41はガス均一供給槽、42は案内ガス供給管、43はフロー調整部である。
【0030】
以下、この図1を参考にしてこの発明の好適な態様についてさらに説明する。
【0031】
−縦型反応手段−
図1に示されるように、縦型反応手段は、好適には、軸線に直交する方向における内部断面形状が軸線方向に沿って同じに形成されてなる、例えば円筒状或いは角筒状の縦型炉芯管を有する。
【0032】
この縦型炉芯管は、キャリヤーガスと共に供給された触媒金属源と炭素源ガスとを熱分解させるように設計される。もっとも、この発明においては、縦型炉芯管内で熱分解するとはいっても、原料ガス供給ノズルから排出管の開口部までの間においても熱分解が幾分か行われるであろうが、排出管の開口部を原料ガス供給ノズルに近接して配置することにより排出管内で熱分解が行われるように設計される。
【0033】
この縦型炉芯管は、後述するように炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分解するに必要な高温度に加熱され、又キャリヤーガスとして例えば水素ガスが流通するのであるから、高温水素脆性反応及び侵炭反応に耐えることのできる材質、例えば炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ、ムライト等のセラミックで形成されるのが好ましい。
【0034】
ここで、触媒金属源は、熱分解により触媒となる金属を発生させる物質乃至化合物であれば特に制限がない。使用可能な触媒金属源としては、特開昭60−54998号公報の第3頁左上欄第9行〜同頁右上欄最下行に記載の有機遷移金属化合物、特開平9−324325号公報の段落番号[0059]に記載された有機遷移金属化合物、特開平9−78360号公報の段落番号[0049]に記載された有機遷移金属化合物等を挙げることができる。
【0035】
好ましい触媒金属源としては、例えばフェロセン、及びニッケロセン等の有機遷移金属化合物、あるいは鉄カルボニル等を含む金属カルボニル等の遷移金属化合物を挙げることができる。触媒金属源は、一種単独で使用することもできるし、また複数種を併用することもできる。
【0036】
また、触媒金属源は助触媒と共に使用することもできる。そのような助触媒として、前記触媒金属源から発生する触媒金属と相互作用して微細気相成長炭素繊維例えばカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブの生成を促進することのできるものであれば良く、特開平9−78360号公報の段落番号[0051]、並びに特開平9−324325号公報の段落番号[0061]に記載された含硫黄複素環式化合物及び硫黄化合物を制限なく使用することができる。好適な助触媒として、硫黄化合物特にチオフェン及び硫化水素等を挙げることができる。
【0037】
炭素源ガスは、熱分解により炭素を発生させて微細気相成長炭素繊維例えばカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブを生成させることができる化合物であれば特に制限がない。使用可能な炭素源としては、特公昭60−54998号公報の第2頁左下欄第4行〜同頁右下欄第10行に記載された炭素化合物、特開平9−324325号公報の段落番号[0060]に記載された有機化合物、特開平9−78360号公報の段落番号[0050]に記載された有機化合物等を挙げることができる。各種の炭素源の中で好適例としてベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、プロパン、エタン、メタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を挙げることができる。なお、炭素源はその一種単独を使用することもできるし、また複数種を併用することもできる。カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブ以外の微細気相成長炭素繊維を製造するのに好適な炭素源として、一酸化炭素を挙げることができる。
【0038】
縦型炉芯管内に投入される炭素源ガス及び触媒金属源ガスの全混合ガスに占める割合は、好ましくは、各々0〜40%及び0.01〜40%、更に好ましくは各々0.5〜10%及び0.05〜10%である。ここで、炭素源ガスの濃度が0でも良いのは、触媒金属源である例えば有機金属化合物がその分子中に十分な炭素を含有している場合には、必ずしも炭素源ガスを必要としないという意味である。したがって、この発明においては、炭素源と触媒金属源とが同一化合物であることもある。
【0039】
また、微細気相成長炭素繊維が生成するときに太さ成長すると熱分解炭素が多く含有されることから、熱分解炭素の析出のない、細かくて黒鉛化度の高い微細気相成長炭素繊維、特にカーボンナノファイバー及び/又はカーボンナノチューブを得るためには、炭素源の濃度を低くし、触媒金属源の濃度を高くするのが良い。
【0040】
前記キャリヤーガスも、微細気相成長炭素繊維例えばカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等の製造に使用される公知のガスを適宜に採用することができ、好適例として水素を挙げることができる。
【0041】
さらにまた、特開昭60−54998号公報に記載されたところの、キャリヤーガス、有機金属化合物及び炭素源ガスを使用して、この発明に係る微細気相成長炭素繊維製造装置で、微細気相成長炭素繊維を製造することができる。
【0042】
縦型炉芯管の上部には、キャリヤーガス供給ノズルと、触媒金属源ガス及び炭素源ガスを縦型炉芯管の内部に供給する原料ガス供給ノズルとが設けられる。この原料ガス供給ノズルは、この発明における原料供給手段のノズルであり、縦型炉芯管内にその上部からキャリヤーガスと共に触媒金属源例えば有機金属化合物のガスと炭素源ガスとを導入することができる限りその構造につき制限がない。
【0043】
この発明においては、原料ガス供給ノズルとキャリヤーガス供給ノズルとは、共に縦型炉芯管の頂部に取り付けられる。
【0044】
更に具体的に言うと、図1に示されるように、原料ガス供給ノズル10の外周には冷却ジャケット12が装着されていて、冷却ジャケット12に設けられた冷却ガス導入口13から冷却ガスが冷却ジャケット12内に導入され、導入された冷却ガスは、原料ガス供給ノズル10の外周に接触しつ冷却ジャケット12内を流通した後に冷却ガス排出口13Aから冷却ジャケット12の外に出て行くようになっている。また、キャリヤーガス供給ノズル14から導入されたキャリヤーガスは、縦型炉心管11の内壁と前記冷却ジャケット12の外壁との間を流れるようになっている。
【0045】
上述のように、この発明に係る好適な例としての微細気相成長炭素繊維製造装置においては、縦型炉芯管の頂部から原料供給手段によりキャリヤーガスと共に供給された炭素源及び触媒金属源例えば有機金属化合物のガスを、縦型炉芯管内でピストンフローにして、流通乃至流下させるガス整流手段が設けられる。このガス整流手段としては、特開平9−324325号公報における段落番号[0089]に記載の第1整流手段、及び[0092]と[0096]とに記載の整流筒、並びに特開平9−78360号公報における段落番号[0023]に記載の原料ガス用整流手段、[0031]に記載の第1整流手段、[0040]に記載の第2整流手段、[0079]に記載のハニカム板等を挙げることができる。
【0046】
この縦型反応手段における縦型炉芯管の内部が、炭素源ガスと触媒金属源、特に有機金属化合物との分解反応及び微細気相成長炭素繊維を生成させる反応を行わせるために、加熱手段により加熱される。
【0047】
加熱手段としては、前記分解反応及び生成反応を生じさせるに足る十分な温度に、縦型炉芯管内を加熱することのできる手段が採用される。もっとも、どの様な加熱手段を採用するにしても、縦型炉芯管の内部における頂部から下端部までを、均一に加熱することは実際上非常に困難である。というのは、例えば縦型炉芯管の一端から他端までを加熱手段で被ったとしても、縦型炉芯管の端部においては放熱の比面積が縦型炉芯管の中央部よりも大きいからである。
【0048】
例えば、縦型炉芯管の下端より所定の距離にある位置から縦型炉芯管の上部より所定の距離にある位置までの、縦型炉芯管の外周部に、加熱手段として電熱ヒータを巻回してあるとする。換言すると、このような通常の縦型炉芯管においては、その両端部における所定領域に、加熱手段が設けられていない。しかも、縦型炉芯管を加熱する加熱手段である電熱ヒータは、複数のブロックに分割されていることが、多い。その結果として、縦型炉芯管の内部においては、縦型炉芯管の所定の領域においては所定の温度にほぼ均一に加熱されている反応領域(均熱領域とも称される。)が形成され、その均熱領域から下流側に向かって温度が徐々に低下していく。この温度が徐々に低下していく領域を、温度低下部あるいは温度低下領域とも称される。この発明においては、前記反応領域内に排出管が配置され、しかも排出管の開口部が原料ガス供給ノズルの先端開口部に臨んで配置されている。
【0049】
加熱手段においては、以下の事項も考慮するのがよい。微細気相成長炭素繊維製造装置においては、原料ガス供給ノズルから供給された原料ガスを排出管内で分解して排出管内で微細気相成長炭素繊維を生成する必要がある。したがって、原料ガス供給ノズルから供給される原料ガス及びキャリヤガス供給ノズルから供給されるキャリヤガスの整流が乱されない範囲で、排出管の開口部に吸引される案内ガスの温度を高く維持しておくことが望ましい。そのためには、縦型炉芯管の内壁と排出管外壁との間を上昇してくる案内ガスの温度が高くなるように加熱手段例えば電熱ヒータにより縦型炉芯管を加熱しておくことが望ましい。但し、縦型炉芯管の、排出管の排出口よりも上部に存在するガスの密度よりも排出管内のガスの密度が小さくなる温度にまで、案内ガスを加熱することは好ましくない。案内ガスの密度が縦型炉芯管上部に存在するガスの密度よりも大きくなる限りにおいて、案内ガスの温度が高くなるように、加熱手段で縦型炉芯管を加熱するのがよい。
【0050】
この発明に係る微細気相成長炭素繊維製造装置によって、微細気相成長炭素繊維として、カーボンナノファイバー及び/又はカーボンナノチューブを製造するのであれば、均熱領域における加熱温度として、より正確にいうと、均熱領域に存在する排出管内の温度として流動気相成長炭素繊維を製造する際の公知の加熱温度を採用することができる。
【0051】
また、微細気相成長炭素繊維の中でもカーボンナノファイバー及び/又はカーボンナノチューブは、触媒金属源が分解して生成する触媒金属の粒子が溶融液滴状態であるときに生成する傾向がある。
【0052】
したがって、金属固体粒子の融点は金属固体粒子の径が小さい程低下するから、形成される金属固体粒子の直径に応じて加熱温度が決定される。使用される触媒金属源の種類、製造しようとする微細気相成長炭素繊維の直径等に応じた融点よりも高い加熱温度範囲が決定されるであろうから、一律に加熱温度を規定するわけにはいかないが、多くの場合、反応領域における加熱温度は、900〜1300℃、特に1000〜1250℃、さらには1050〜1200℃が好ましいとされる。反応領域における加熱温度が400〜700℃であるときには、触媒金属源から生成した金属が固体であるから、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブ以外の微細気相成長炭素繊維が生成することが多い。
【0053】
縦型炉芯管、加熱手段及び原料供給手段を備えた反応炉として、特開平9−78360号公報、特開平9−229918号公報及び特開平9−324325号公報等における実施例に記載された反応炉を好適に採用することができる。
【0054】
−排出手段−
この排出手段は、前記反応手段により形成された微細気相成長炭素繊維を、案内ガスと共に、開口部から取り込んで炉芯管外に排出する排出管を備える。
【0055】
排出管を備えた排出手段の一具体例が図1に示される。図1において、排出管31の上部が縦型炉芯管11内に挿入され、原料ガス供給ノズル10の先端開口部に排出管31の開口部が臨むように排出管31が位置決めされ、排出管31の他端部は図示しない排気装置及び収集装置に結合される。
【0056】
図1に示される排出管31は、原料ガス供給ノズル10の中心線と排出管31の中心線とが一致するように、縦型炉芯管11の内部に配置される。なお、この実施例においては、縦型炉芯管には1基の原料ガス供給ノズルが配置されているから、縦型炉芯管の内部には1基の排出管が配置されている。もっとも、縦型炉芯管の上部に配置された1基の原料ガス供給ノズルに対して複数の排出管を縦型炉芯管内に挿入し、各排出管の開口部を1基の原料ガス供給ノズルに対して近接配置するようにしてもよい。一方、縦型炉芯管の上部に複数の原料ガス供給ノズルが配置されているときには、その原料ガス供給ノズル毎に1基の排出管を縦型炉芯管の内部に配置し、したがって、原料ガス供給ノズルの設置個数と同数の排出管が縦型炉芯管の内部に配設されるようにしてもよい。
【0057】
原料供給手段のノズルである原料ガス供給ノズルの先端開口部に対する排出管の開口部の位置は、原料ガス供給ノズルから供給される原料ガスが前記開口部に到達する時間が0.05〜2秒、好ましくは0.1〜1秒、さらに好ましくは0.2〜0.5秒となるように設計される。したがって、原料ガス供給ノズルから供給される原料ガスの流速に応じて排出管の開口部の位置が決定されることになる。排出管の開口部の位置が前記のようにして決定されていると、排出管と縦型炉芯管との間隙を下方からせり上がってくる案内ガスで原料ガスが特に良好にくるまれた状態にして排出管内に原料ガスを導入することができる。ここで、案内ガスで原料ガスをくるんだ状態とは、概括的表現をするとすれば、排出管内において排出管の中心部に原料ガスが存在し、その周囲にキャリヤガスが存在し、更にその周囲に案内ガスが存在するような状態であると、言える。
【0058】
排出管の中心軸線に直交する平面における断面形状は、縦型炉芯管の中心軸線に直交する平面における断面形状と同形であるのが好ましい。通常の場合、縦型炉芯管は円形の管体であり、したがって排出管も水平断面が円形である管体である。
【0059】
排出管が開口部から後端部まで同じ直径を有する直管であるときには、その排出管の開口部の内径は、原料ガス供給ノズルの内径の1.3〜10倍、好ましくは1.5〜8倍、さらに好ましくは1.7〜6倍であるのが、好ましい。排出管の開口部の内径が前記範囲にあると、上部より供給される原料ガス及びキャリヤガスが、その乱れの少ない状態で、案内ガスで包まれながら、排出管内に導入され、縦型炉芯管の内壁における繊維生成が防止されると言う利点がある。
【0060】
また、排出管は直管であるに限らず、開口部の直径と排出管の開口部以外のパイプ部分とが異なる直径を有する管体であっても良い。
【0061】
この場合に、排出管における開口部以外の挿入部位すなわちパイプ部分の内径が原料ガス供給ノズルの内径の1.1〜10倍、好ましくは1.3〜8倍、もっとも好ましくは1.5〜6倍であるのが、望ましい。このような比率にある排出管であると、排出管内における気流線速度が好適になって、排出管内での気流が乱されなくて済む。
【0062】
原料ガス供給ノズルから供給された原料ガス、及びこの原料ガスの一部から生成した微細気相成長炭素繊維を効率良く開口部から排出管内に吸い込むためには、排出管の形状として、開口部における排出管中央部(直管部とも称される。)から開口部の端縁に向かって広がる形状を、漏斗状に形成するのが好ましい。ここで、漏斗状と称するのは、排出管の中央部内径よりも開口部端縁部の内径が大きく形成された形状を意味し、例えば図2に示されるように円錐形31B、図3に示すようにラッパ形31C、図4に示すように椀形31D等を挙げることができる。つまり、開口部の端縁から排出管の中央部に至る線が直線(このときは円錐形になる。)であっても、曲線であってもよいのである。この漏斗状に形成された部分をレジューサとも称される。
【0063】
排出管の開口部の端縁から排出管の中央部に至る線が曲線である場合の好ましい形状は、風洞用収縮ノズルとして知られている形状である。すなわち上流の広い処から来る流れを下流で絞る際に、収縮変化部において断面内の流速を定常、平行で一様な分布とし、気流の乱れの強さを少なくする形状である。(例えば、小林陵二「風洞用収縮ノズルの設計について」;東北大学高速力学研究所報告,第46巻(1981),第400号,P17〜P37の第2図・第3図・第4図・第9図中にR/D1と示される曲線形状である。)また、大きい口径のガス配管を小さい口径のガス配管に溶接する際に使用されるレジューサーの形状も同様にスムーズなガス流速の変化を起こさせることができるので、好ましい形状といえる。
【0064】
排出管は縦型炉芯管の内部に挿入されて反応領域における加熱温度にまで加熱されるのであるから、キャリヤーガスとして水素ガスが使用されるときには、高温水素脆性反応及び侵炭反応に耐えることのできる材質、例えば炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ、ムライト等のセラミックで形成されるのが好ましい。
【0065】
この排出手段は、前記排出管内のガスを排出する排気装置を備えると共に、排出管内に吸い込まれた微細気相成長炭素繊維を収集する収集装置に結合されるのが好ましい。
【0066】
前記排気装置としては、排出管内で生成した微細気相成長炭素繊維を案内ガスと共に吸引搬送する気流を形成することができるように形成されていれば良く、例えば前記排出管の開口部から十分に離れた排出管の内部或いは排出管の出口、さらには排出管の出口よりやや離れた位置に配置されたファン及びエジェクター等を採用することができる。
【0067】
エジェクターは、外部から高速気流を排出管内の気流に高速で導入し、この高速気流で排出管内の気流を高速導搬する機能を発揮するように形成され、換言すると、高速気流が排出管内の気流に合流する位置における気圧を0〜−100mm水柱、好ましくは−1〜−50mm水柱、特に好ましくは−3〜−30mm水柱の減圧が形成されるように構成され、例えば図1に示されるように、下方開口部が内部に位置するように排出管の下端部が挿入されたエジェクター本体と、このエジェクター本体の内部に挿入された高速気流導入管と、エジェクター本体に、排出管と同心に、かつ排出管の下方開口部に臨んで設けられた導出管とを備えて形成され、排出管の下方開口部における気圧が前記範囲内にあるように、排出管の内径、高速気流導入管から噴出する高速気流の流速、導出管の内径等が設計される。実際の運転時には、前記排出管の出口における気流は、生成した繊維を含んでいるので、高速気流との合流点での圧力を測定することは困難である。したがって、原料ガスを流さない状態で前記合流点での圧力と案内ガス均一供給槽の圧力との関係を前もって測定しておき、案内ガス均一供給槽の圧力にて代用する。
【0068】
前記収集装置は、前記排気装置がエジェクターであるときには、そのエジェクターよりも下流側に設けられていてもよく、前記排気装置がファン等であるときには、この排気装置の上流側に収集装置を設けるのが、ファン等の保守の面から好ましい。この収集装置としては、微細な微細気相成長炭素繊維を収集することのできる装置であれば種々の公知の機械・器具・装置等を採用することができ、例えば、電気集塵機、バグフィルター、及びサイクロン等のドライタイプの収集装置、並びに水もしくは有機液体を噴霧するウェットタイプの収集装置を挙げることができる。
【0069】
−案内ガス供給手段−
この発明における案内ガス供給手段は、排出管の一端から排出管の開口部にまで案内ガスを、排出管の外周に沿って旋回するように流れる気流例えば旋回流を形成することなく、したがって、実質的には排出管の外周壁に沿って流通するピストンフローにして流通させ、開口部の縁辺全周にわたって均一に案内ガスを開口部内に供給するように形成される。この案内ガス供給手段においては、排出管の中心軸線に直交する平面のいずれにおいても排出管の中心軸線に実質的に平行な気流となって均一な流速で排出管の開口部に向かって案内ガスを流通させるフロー調整部と、外部から導入した案内ガスを貯留するガス均一供給槽とを備えてなる。
【0070】
案内ガス供給手段40の一例は、図1に示されるように、縦型炉芯管11の内部に挿入配置された縦型の排出管31に組み合わされている。この案内ガス供給手段40は、ガス均一供給槽41と、このガス均一供給槽41内に案内ガスを導入する案内ガス導入管42と、ガス均一供給槽41内のガスを整流しつつ排出管31の開口部31Aに案内ガスを案内するフロー調整部43とを有する。
【0071】
このガス均一供給槽41は、排出管31の中心軸に直交する平面における断面が矩形であっても、円形であってもよい。また、このガス均一供給槽41が円筒形状であるときには、その内径が、縦型炉心管11の内径の1.1〜4倍、好ましくは1.3〜3倍、特に好ましくは1.5〜2.5倍に設計されるのが望ましい。ガス均一供給槽41の内径が前記範囲に設定されていると、排出管の開口部に供給される案内ガス量が過剰になって縦型炉心管内の気流を乱すこともなく、案内ガスを開口部の全周にわたって均一に供給することができる。
【0072】
また、案内ガスを開口部の全周にわたって均一に供給するために、案内ガスの流量は、縦型炉心管の上部から流れる原料ガス及びキャリヤーガスの全流量の0.1〜10倍、好ましくは0.3〜5倍、更に好ましくは0.5〜3倍に調節されるのも好ましい。
【0073】
この案内ガスの量及び縦型炉芯管を下降してくるガス量の最適値は、縦型炉芯管の内径、排出管の直径、及び排出管の開口部の直径とに相互に関係するのであるが、総合的に言うと、排出管の外周面と縦型炉芯管の内壁との間の案内ガスの上昇線速度が、縦型炉芯管内を下降してくるガスの平均下降線速度の0.1〜10倍、好ましくは0.3〜5倍、さらには0.5〜3倍が、案内ガスが縦型炉芯管内をピストン流で降下してくるガスの気流を乱さずに、また降下するガスが排出管の開口部の外側を降下しないで、縦型炉芯管の内壁への繊維付着を発生させないと言う点で、好ましい。
【0074】
フロー調整部43は、ガス均一供給槽41に案内ガスの旋回流が発生しているときには、排出管の開口部に流入する案内ガスを排出管の中心軸に平行な上昇気流に調整する機能を有し、また、原料ガス供給ノズル10と排出管の開口部31Aとの間で反応ガス流に旋回が生じているときには、その反応ガスの旋回を打ち消して直下流が形成されるように案内ガスを旋回させる機能を持たせることもできる。
【0075】
また、排出管31の開口部31Aが縦型炉心管11の内部に挿入されている場合には、縦型炉心管11の内壁と排出管31の外壁との間の空間がフロー調整部と成り得る。フロー調整部43によってより一層確かに、排出管31の中心軸線に直交する平面のいずれにおいても均一な上昇気流を形成するときには、図5に示されるように、縦型炉心管11の内壁面と排出管31の外周面との間に整流板44を設けるのがよい。この整流板44は、図6に示されるように、排出管31の外周面と縦型炉心管11の内周面との間に形成される水平断面環状の空間内に、排出管31の中心軸線を中心にした放射状となるように、配設されるのがよい。
【0076】
放射状に配設する整流板44の数としては、通常2〜8枚である。整流板44の配設位置としては、上記機能が全うされる限り特に制限がなく、例えば、図5に示されるように、整流板44の上端部及び下端部が排出管31の中間部に位置するように整流板44を配設してもよく、また、図7に示されるように、整流板44の上端が開口部31Aの端縁に一致するように配設してもよい。整流板44の長さについても、中心軸線に直交する平面のいずれにおいても実質的に同じ流速の上昇気流が形成されるように設計される限り、特に制限がない。
【0077】
また、ガス均一供給槽41内で案内ガスの旋回流が生じているときには、その旋回流がフロー調整部に流入しないように、図7に示されるように、整流板44の下方に邪魔板45を配設するのもよい。この邪魔板45は、例えば、図7に示されるように、縦型炉心管11の内周面に設けられた、下方に傾斜する環状の板と、排出管31の外周面に設けられた、下方に傾斜する環状の板とを組み合わせて形成されることができる。
【0078】
この案内ガス供給手段で使用される案内ガスとしては、この発明の目的を達成することができる限り、特に制限がないのであるが、反応領域において不活性なガスが好ましい。不活性な案内ガスとしては、アルゴン等の希ガス及び窒素を挙げることができる。案内ガスの分子量とキャリヤガスの分子量との差が大きいと、案内ガスが原料ガス及びキャリヤガスと殆ど混合せずにこれらを完全に包み込み、その結果として排出管の内壁で炭素繊維が生成することのない状況が実現されることができる。この状況は、キャリヤガスとして水素、案内ガスとして窒素を採用するときに、顕著である。案内ガスとキャリヤガスとを同じか、或いは近似組成にするのが、ガスの回収及び再利用と言う点で、好ましい。
【0079】
なお、炉芯管が横置きの炉芯管すなわち横型炉芯管である場合には、前記縦型炉芯管の場合と同様にして、炉芯管及び排出管の内部におけるガスの流通が整流であるように、ガス均一供給槽の内径、案内ガスの流量、案内ガスの流通線速度等を決定することができる。
【0080】
−微細気相成長炭素繊維付着防止装置−
前記炭素繊維室物製造装置における排出手段及び案内ガス供給手段の組み合わせが、この発明における微細気相成長炭素繊維付着防止装置の一例となっている。
【0081】
−微細気相成長炭素繊維製造装置の運転−
この微細気相成長炭素繊維製造装置は、例えば、以下のようにして運転される。図1に示されるように、案内ガス導入管42からガス均一供給槽41内に導入すると、ガス均一供給槽41内では、その容積にもよるが、通常、排出管31を中心とする旋回流が発生することがある。
【0082】
一方、エジェクター23によって排出管31内のガスが排出管の下方開口部から排出されていく。したがって、排出管31の開口部31Aの外部から内部へと気体が吸い込まれる。
【0083】
排出管31の開口部31A近傍では開口部31Aの内部に気体が吸い込まれるから、ガス均一供給槽41内の案内ガスが上方へと吸い上げられる。ガス均一供給槽41内の案内ガスが上昇する際にフロー調整部43により、旋回流が消失して排出管31の中心軸線に平行な上昇気流が形成される。
【0084】
一方、縦型炉芯管11内が電気炉15により加熱される。この場合、電気炉15による加熱により、縦型炉芯管11の中央部が反応領域となって均一な高温度に維持され、その上部及び下部の領域では温度が低下している。縦型炉芯管11の上部に設けられた原料ガス供給ノズル10からキャリヤガスと共に炭素源ガス及び触媒金属源ガスとが縦型炉芯管11内に供給される。
【0085】
前記原料ガス供給ノズル10は反応領域に臨んで配置され、しかも前記原料ガス供給ノズルに臨んで排出管の開口部が配置されているので、前記原料ガス供給ノズル10から噴出した原料ガス中の炭素源ガス及び触媒金属源ガスは、排出管31の外周面と縦型炉芯管11の内周面との間隙をせり上がってきた案内ガスにより、排出管31の開口部31Aから排出管31内に引き込まれる。
【0086】
排出管31における、縦型炉芯管11における反応領域内に挿入された部分の内部は、電気炉15により加熱された縦型炉芯管11による輻射熱及び加熱された案内ガスにより、反応領域と同等の温度に加熱されている。
【0087】
開口部31Aから内部に引き込まれた原料ガスは、直ちに分解して触媒金属を核とする微細気相成長炭素繊維が排出管31内の反応領域で生成する。
【0088】
つまり、原料ガス供給ノズル10から冷却ガスで冷却された原料ガスが縦型炉芯管11内に噴出しても、原料ガス供給ノズルの先端開口部に近接して臨む位置に排出管31の開口部31Aが開口するので、冷却されて温度の低い原料ガスが排出管内で一挙に反応温度に迄加熱されることとなり、排出管31内の反応領域で効率的に微細気相成長炭素繊維が形成される。
【0089】
一方、キャリヤーガス供給ノズル14からキャリヤーガスが縦型炉芯管11の内壁に沿って環状に下降流通する。そして、排出管31の開口部31Aから、原料ガス及び案内ガスと共に、排出管31内に引き込まれる。キャリヤーガスとして水素ガスを使用し、また、案内ガスとして窒素ガス等を使用するといったように、キャリヤガスとは異なる種類のガスを案内ガスとして使用すると、このキャリヤガスが原料ガスを包み込み、しかも原料ガスを包み込んだキャリヤガスを案内ガスが包み込んだ状態となって、排出管31内に吸い込まれると推定される。もっとも、開口部31Aから内部に引き込まれたキャリヤガス及び案内ガスが排出管31を流通する内に遂には混合してしまうかもしれないが、排出管31における、開口部31Aから排出管31の内部に向かう所定の領域、すなわち所定温度に加熱された反応領域においては、少なくとも前記状態になっていると推定される。つまり、キャリヤガスと案内ガスとが前記反応領域では混合せずにキャリヤガスが原料ガスと案内ガスとを仕切った状態になると考えられる。このような状態が実現することにより、原料ガス及び生成する微細気相成長炭素繊維が排出管の内壁に接触することがなく、また排出管の内壁で炭素繊維が成長することもないと言う利点がある。
【0090】
排出管31の反応領域で形成された微細気相成長炭素繊維は、排出管31の中心部に集約されて、排出管31内を案内ガスと共に搬送され、最終的には収集装置で収集される。
【0091】
ところで、排出管31の反応領域で生成した微細気相成長炭素繊維は、殆ど太さ成長をすることなく縦型炉芯管11の外に排出されるから、カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブのような微細なものとして収集される。
【0092】
ここで、カーボンナノチューブとカーボンナノファイバーとを、その繊維径から分類するのは困難である。例えばカーボンナノチューブはその直径が1〜10nmであるとする場合、その直径が1〜15nmであるとする場合がある。またカーボンナノファイバーはその直径が10〜100nmであるとする場合、その直径が15〜数百nmであるとする場合がある。
【0093】
いずれにしてもこの発明における微細気相成長炭素繊維は、気相法で生成された微細炭素繊維であって、好ましくは直径が約100nm以下、さらには50nm以下であり、その中心部には中空コア部が繊維軸に沿って存在し、この中空コア部を囲繞するように、単層又は複数層の黒鉛網面が年輪状に平行に形成され、しかもその格子面間隔d002が0.336〜0.360nmの範囲内にある構造を有する。したがって、微細気相成長炭素繊維には、所謂カーボンナノチューブ及びカーボンナノファイバーを含む。
【0094】
以上において、この発明につき縦型炉芯管を有する製造装置を中心にして説明をしたが、縦型炉芯管の代わりに横型炉芯管を有する微細気相成長炭素繊維製造装置である場合においても、炉芯管内及び排出管内での対流発生を有効に防止する手段を講ずることにより、縦型炉芯管を備える場合と同様にして微細気相成長炭素繊維が製造されることができる。
【0095】
【実施例】
(実施例1)
図1に示される微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、以下の条件でカーボンナノファイバーを製造した。
【0096】
(1)縦型炉芯管11
内径:90mm、外径:100mm、長さ:2mの炭化珪素製パイプ。
【0097】
縦型炉芯管内温度分布:
上端〜60cmの温度:250〜1120℃の温度勾配。
【0098】
60〜160cmの温度:1120℃でほぼ均熱。
【0099】
160cm〜下端の温度:1120〜600℃の温度勾配。
【0100】
(2)原料ガス供給ノズル10
内径が14mmであり、長さが1mであるSUS304製の原料ガス供給ノズル10の外側にSUS304製の冷却用ジャケット12が、同心円状に装着してなる二重管構造を形成していた。冷却用ジャケット12の外径は40mmであった。原料ガス供給ノズル10内を原料ガスが流れ、原料ガス供給ノズル10の外周面と冷却ジャケット12の内周面との環状の空間を冷却ガス、例えば空気または窒素が流通することによって原料ガス供給ノズル10内を流通する原料ガスの温度が約400℃になるように制御された。なお、冷却ジャケット12内を流れる冷却ガスは、冷却ガス排出口13Aから排出された。
冷却用ジャケット12の外周面と炉芯管11の内壁との間には、整流用の耐熱金属ハニカムが装填された。
【0101】
この原料ガス供給ノズル10の先端が炉芯管上端から60cmになるように、原料ガス供給ノズル10が縦型炉芯管11に設置された。
【0102】
(3)排出管31
直管部:内径40mm、肉厚4mm、長さ2mの炭化珪素製パイプ.
排出管31の上部に、上端内径が43mmであり、下端内径が40mmであり、長さが50mmである炭化珪素製のレジューサーが、嵌合された。レジューサーには、その外側に、外径88mmである肉厚4mmの炭化珪素製の整流板44(長さ50mm)が、放射状に、4枚取り付けられた。
【0103】
原料ガス供給ノズル10の先端から排出管31の上端までの距離:30cm(縦型炉芯管上端から90cmであった。)。
【0104】
排出管31は、縦型炉芯管11の下端に直結する案内ガス供給手段40のガス均一供給槽41の底部から下に約65cmつき出た位置に、下端開口部が位置するように、設置されて成る。
【0105】
排出管31の下端の周囲に設けられたエジュクター33に希釈用窒素100リットル/分(20℃)を流しながら、大量の空気と共にバグフィルター型集塵機(図示せず。)へ吸い出し、フィルター上にカーボンナノファイバーを得た。
【0106】
(4)案内ガス供給手段40
ガス均一供給槽41の内径:20cm、
ガス均一供給槽41の容積:15リットル、
案内ガス(窒素)の供給量:16リットル/分(20℃)
案内ガス均一供給槽内の圧力:−6mm水柱。
【0107】
(5)その他の条件
原料ガス組成:フェロセン0.12モル%、チオフェン0.10モル%、トルエン5.80モル%、水素93.98モル%、
原料ガス供給ノズル10からのガス供給量:2.60リットル/分(20℃)
キャリヤガス供給ノズル14からのキャリヤガス(水素ガス)のガス供給量:12.0リットル/分(20℃)
原料ガス供給ノズル10からの吹き出し速度:64.6cm/秒(400℃)
(この速度で排出管10の上端(30cm)にガスが到達すると仮定すると、ガスの滞在時間は0.46秒であった。)
原料ガスとキャリアガスと案内ガスとを合計したガスの排出管中の速度:186.6cm/秒(1120℃)
この速度で均熱部(100cm)をガスが通過すると仮定すると、ガスの滞在時間は0.54秒であった。したがって、反応時間は合計1.00秒とされた。
【0108】
上記条件の微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、6時間の連続運転をした。その結果、直径が15〜20nm、内径が4〜5nm、及びd002が0.35nmのカーボンナノファイバーを30g得ることができた。
【0109】
(実施例2)
実施例1と実質的に同様の装置で、以下の条件のみを変更してカーボンナノファイバーを製造した。
【0110】
(1)縦型炉芯管11
縦型炉芯管11の内部における温度分布:
上端〜60cmの温度:270〜1180℃の温度勾配、
60〜160cmの温度:1180℃でほぼ均熱、
160cm〜下端の温度:1180〜650℃の温度勾配。
【0111】
(3)排出管31
原料ガス供給ノズル10の先端から排出管31の上端までの距離:10cm(縦型炉芯管11の上端から排出管31の上端までの距離:70cm)。
【0112】
原料ガス供給ノズル10からの吹き出し速度:64.6cm/秒(400℃)
この速度で排出管31の上端(10cm)にガスが到達すると仮定すると、ガスの滞在時間は0.15秒であった。
【0113】
原料ガスとキャリアガスと案内ガスとを合計したガスの排出管中における速度:194.6cm/秒(1180℃)
この速度で均熱部(100cm)を通過すると仮定すると、ガスの滞在時間は0.51秒であった。したがって、反応時間は合計0.66秒とされた。
【0114】
上記条件の微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、4時間の連続運転をした。その結果、直径が8〜30nmであり、内径が2〜5nmであり、及びd002が0.36nmであるカーボンナノファイバーを40g得ることができた。
【0115】
(実施例3)
実施例1の微細気相成長炭素繊維製造装置において、原料ガス供給ノズル10及び排出管31が各3本であり、排出ガス回収装置を連結したことを主たる相違点とすることの外は前記実施例1におけるのと実質的に同様の微細気相成長炭素繊維製造装置を使用して、以下の条件でカーボンナノファイバーを製造した。
【0116】
(1)縦型炉芯管
内径:90mm、外径:100mm、長さ:2mの炭化珪素製パイプ。
【0117】
縦型炉芯管の内部における温度分布:
上端〜60cmの温度:230〜1150℃の温度勾配、
60〜160cmの温度:1150℃でほぼ均熱、
160cm〜下端の温度:1150〜650℃の温度勾配。
【0118】
(2)原料ガス供給ノズル
内径が12mmであり、長さが80cmであるSUS304製の原料ガス供給ノズルの外側にSUS304製の冷却用ジャケット12が、同心円状に装着してなる二重管構造を形成していた。冷却用ジャケットの外径は36mmであった。原料ガス供給ノズル内を原料ガスが流れ、原料ガス供給ノズルの外周面と冷却用ジャケット12の内周面との環状の空間を冷却ガス、例えば空気または窒素が流通することによって原料ガス供給ノズル内を流通する原料ガスの温度が約400℃になるように制御された。
【0119】
このように原料ガス供給ノズル、及び冷却用ジャケットとが一体となった二重管構造体を一組として、三組の二重管構造体が、この二重管構造体相互の中心線間の距離が39mmとなるように、かつ前記二重管構造体の中心が正三角形の頂点となるように、縦型炉芯管の頂部に配置された。また、縦型炉芯管の内壁と前記二重管構造体における冷却用ジャケットの外周との間には、整流用の耐熱金属ハニカムが装填された。この耐熱金属ハニカムの下端と三組の二重管構造体の下端とが一致するように、耐熱金属ハニカムが設計された。この二重管構造体の下端が、炉芯管上端から50cmになる様に設置された。
【0120】
(3)排出管
直管部:内径28mm、肉厚3mm、長さ2mの炭化珪素製パイプ.
排出管の上部に、上端内径が31mmであり、下端内径が28mmであり、長さが50mmである炭化珪素製のレジューサーが、嵌合された。レジューサーには、その外側に、幅15mmであり、長さが50mmであり、肉厚が4mmである炭化珪素製の整流板が、放射状に、2枚取り付けられた。
【0121】
このような構造を有する3本の排出管が、前記二重管構造体に、1:1対応で、縦型炉芯管内に配設された。前記二重管構造体における原料ガス供給ノズルの先端開口部と排出管の開口部との距離は20cmであり、縦型炉芯管の上端から排出管の開口部までの距離は70cmであった。
【0122】
排出管は、縦型炉芯管の下端に直結する案内ガス供給手段のガス均一供給槽の底部から下に約45cmの位置に、下端開口部が突き出るように、設置されて成る。
【0123】
この3本の排出管の下端は排出ガス回収装置に結合される。この排出ガス回収装置は、3本の排出管の下端が結合されたところの、密閉された2m2のSUS容器と、このSUS容器内であって、3本の排出管の下より10cmの位置に配置された目開き約1mmのSUSメッシュ移動型フィルターと、このSUSメッシュ移動型フィルターの下方約10cmの位置に吸い出し口を持つように設置された、200リットル/分の排気ファンと、微差圧計と連動する排気ファンと、この容器を通過してから回収されるところの、未反応物を含むキャリアガスと案内ガスとを回収するガス回収タンクとを備えて成る。
【0124】
カーボンナノファイバーの付着したSUSメッシュ移動型フィルターは、SUS容器における排出管直下の位置から所定の場所に移動することができ、その移動中にブラシでカーボンナノファイバーを掃き落としてこのカーボンナノファイバーを回収し、回収後に再び排気管直下の位置に戻ることができるように形成されて成る。
【0125】
(4)案内ガス供給手段
ガス均一供給槽41の内径:20cm、
ガス均一供給槽41の容積:15リットル、
案内ガス(窒素)の供給量:16リットル/分(20℃)
案内ガス均一供給槽内の圧力:−6mm水柱。
【0126】
(5)その他の条件
原料ガス組成:フェロセン0.06モル%、チオフェン0.04モル%、トルエン5.90モル%、水素94.00モル%、
原料ガス供給ノズルからのガス供給量:1.50リットル/分、
キャリヤガス供給ノズルからのキャリヤガス(水素ガス)のガス供給量:9.0リットル/分、
原料ガス供給ノズルからの吹き出し速度:50.8cm/秒(400℃)
この速度で排出管の上端にガスが到達すると仮定すると、ガスの滞在時間は0.39秒であった。原料ガスとキャリアガスと案内ガスとを合計したガスの排出管中における速度は124.7cm/秒(1150℃)であった。
【0127】
この速度でガスが均熱部(100cm)を通過すると仮定すると、そのガスの滞在時間は0.80秒であった。したがって、反応時間は合計1.19秒とされた。
【0128】
上記条件の微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、30分間の連続運転をした。その結果、直径が5〜20nmであり、内径が2〜5nmであり、d002が0.35nmであるカーボンナノファイバーを10g得ることができた。
【0129】
(実施例4)
図1に示される微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、以下の条件でカーボンナノファイバーを製造した。
【0130】
(1)縦型炉芯管11
実施例1に同じ。
【0131】
縦型炉芯管内温度分布:
上端〜60cmの温度:100〜600℃の温度勾配。
【0132】
60〜160cmの温度:600℃でほぼ均熱。
【0133】
160cm〜下端の温度:600〜500℃の温度勾配。
【0134】
(2)原料ガス供給ノズル10
実施例1におけるのと同様であり、原料ガス供給ノズル10から供給される原料ガスの温度が100℃になるように制御された。
【0135】
(3)排出管31
バグフィルター型集塵機を用いる代わりに100メッシュ金網上に微細気相成長炭素繊維を捕集するようにした外は、実施例1におけるのと同様である。
【0136】
(4)案内ガス供給手段40
実施例1におけるのと同様である。
【0137】
(5)その他の条件
原料ガス組成:鉄ペンタカルボニル1モル%、一酸化炭素75モル%、水素24モル%、
原料ガス供給ノズル10からのガス供給量:1.2リットル/分(20℃)
キャリヤガス供給ノズル14からのキャリヤガス(水素ガス)のガス供給量:10.8リットル/分(20℃)
原料ガス供給ノズル10からの吹き出し速度:16.5cm/秒(100℃)
(この速度で排出管10の上端(30cm)にガスが到達すると仮定すると、ガスの滞在時間は1.82秒であった。)
原料ガスとキャリアガスと案内ガスとを合計したガスの排出管中の速度:82.5cm/秒(600℃)
この速度で均熱部(100cm)をガスが通過すると仮定すると、ガスの滞在時間は1.21秒であった。したがって、反応時間は合計3.03秒とされた。
【0138】
上記条件の微細気相成長炭素繊維製造装置を用いて、30分間の連続運転をした。その結果、約2gの微細気相成長炭素繊維が得られた。この微細気相成長炭素繊維をSEM・TEMによる観察の結果、黒鉛網面が繊維軸に直角でリボン状であり、長径が10〜40nmである炭素繊維を主として、外径30nm前後で内径が5〜8nmであり、繊維軸に45度の黒鉛網面を持つ炭素繊維が数多く発見され。極僅かではあるが、黒鉛網面が繊維軸に平行で、しかも中空であり、外径が10nm程度のカーボンナノチューブも観察された。このカーボンナノチューブを含む微細気相成長炭素繊維をX線回折により分析すると、d002が0.34nmであった。
【0139】
【発明の効果】
この発明の微細気相成長炭素繊維製造装置によると、排出管の開口部が、縦型炉芯管における原料ガス供給ノズルの先端開口部に臨むように、排出管が縦型炉芯管内に挿入されているので、原料ガス供給ノズルの外周部を冷却されることにより温度の低い原料ガスが縦型炉心管の反応領域に供給されても、直ちに原料ガスが加熱され、分解されて、微細気相成長炭素繊維が効率良く形成される。
【0140】
この発明によると、縦型炉芯管の下方が炭素繊維、特にカーボンナノファイバー等の微細気相成長炭素繊維で閉塞されることがなく、したがって、効率的に微細気相成長炭素繊維の連続生産を実現することができ、しかも装置全体が大型化することのない微細気相成長炭素繊維製造装置を提供することができる。
【0141】
この発明によると、縦型炉芯管の閉塞現象が極力低減されることにより長期連続運転の可能な微細気相成長炭素繊維製造装置を提供することができる。
【0142】
この発明によると、微細気相成長炭素繊維、特に黒鉛網面が年輪状の構造を有するところの、とりわけて流動気相成長炭素繊維よりもさらに径の小さな黒鉛網面が年輪状構造を有するカーボンナノファイバー及び/又はカーボンナノチューブを、連続的に効率良く製造する方法乃至装置を提供することができる。
【0143】
この発明によると、微細気相成長炭素繊維を製造する際に、縦型炉芯管内が内壁の付着物の堆積による閉塞を防止することのできる微細気相成長炭素繊維付着防止装置を提供することができる。
【0144】
この発明によると、直径が約100nm以下、さらには50nm以下であり、その中心部には中空コア部が繊維軸に沿って存在し、この中空コア部を囲繞するように、単層又は複数層の黒鉛網面が年輪状に平行に形成され、しかもその格子面間隔d002が0.336〜0.360nmの範囲内にある構造を有するところの、所謂カーボンナノチューブ及びカーボンナノファイバーを含む微細気相成長炭素繊維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例における排出管の一例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例における排出管の他の例を示す概略説明図である。
【図4】図4は、この発明の一実施例における排出管のその他の例を示す概略説明図である。
【図5】図5は、この発明の一実施例における整流板を示す概略説明図である。
【図6】図6は、この発明の一実施例における整流板の配置状態を示す概略説明図である。
【図7】図7は、この発明の一実施例における整流板の他の例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…気相成長炭素繊維製造装置、2…原料タンク、3…ポンプ、4…気化器、5…ヒートブロック、6…第1マスフローコントローラ、7…流量計、8…第2マスフローコントローラ、9…ヒートチューブ、10…原料ガス供給ノズル、11…縦型炉芯管、12…冷却用ジャケット、12A…内筒管、13…冷却ガス供給口、13A…冷却ガス排出口、14…キャリヤーガス供給ノズル、14A…ガス整流手段、15…電気炉、18…原料ガス供給口、19…配管、20…配管、21…原料供給管、22…配管、23…配管、30…排出手段、31…排出管、31A…開口部、32…駆動気体噴出ノズル、33…エジェクター管、40…案内ガス供給手段、41…ガス均一供給槽、42…案内ガス供給管、43…フロー調整部、44…整流板。
Claims (3)
- 縦方向に配置された炉芯管内に炭素源ガスと触媒金属源ガスとを供給することができるように炉芯管の上端に配置された原料供給手段のノズルを備えた反応手段と、前記炉芯管の下部から挿入配置され、前記ノズルの先端開口部に開口部が近接して臨むように炉芯管内に配置された排出管を備えた排出手段と、炉芯管の内壁と排出管の外壁との間で炉芯管の下方から案内ガスを導入し、排出管の前記開口部にまで案内ガスをせり上げ、前記開口部から前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとを取り込み、排出管内で前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとから形成された微細気相成長炭素繊維を排出管内を下方に向けて流通させる案内ガス供給手段とを備えて成ることを特徴とする微細気相成長炭素繊維製造装置。
- 加熱された炉芯管の一端に設けられた、原料供給手段のノズルから供給される炭素源ガスと触媒金属源ガスとを、前記炉芯管内に挿入配置された排出管の、前記ノズルの先端開口部に臨んで配置された開口部内に、前記請求項1に記載の案内ガス供給手段により炉芯管と前記排出管との間隙を流通する案内ガスと共に、取り込んで、排出管内で前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとから微細気相成長炭素繊維を製造することを特徴とする微細気相成長炭素繊維の製造方法。
- 縦方向に配置された炉心管の上端から炭素源ガスと触媒金属源ガスとを炉芯管内に供給する原料供給手段のノズルに近接して臨んで配置された開口部から前記炭素源ガスと触媒金属源ガスとを取り込むように炉芯管の下部から挿入配置された排出管を有する排出手段と、前記請求項1に記載の案内ガス供給手段とを備えて成ることを特徴とする微細気相成長炭素繊維付着防止装置。
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