JP4174940B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ曲の手本の歌唱であるガイドボーカルとともに、カラオケ曲の歌詞の先読みであるリードナレーションを発生することのできるカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置は、歌唱者をカラオケ曲の歌唱をするために、カラオケ曲の伴奏を演奏する装置である。したがって、演奏には歌唱は含まれていない。しかし、不慣れな歌唱者や曲を知らない歌唱者のために手本の歌唱音声であるガイドボーカルを発生できるようにしたカラオケ装置も実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ガイドボーカルは、そのカラオケ曲を歌唱した音声そのものであるため、このガイドボーカルを発生させると、カラオケ演奏がいわゆる「カラオケ」でなくなって歌唱者が歌唱する余地がなくなるという問題点があった。
【0004】
また、多人数で一緒に歌唱する場合、全員がモニタに表示される歌詞を見ることができない場合が多い。また、老人や視覚障害者などモニタに表示された歌詞テロップを読むのが困難な歌唱者に歌詞を教えるためには音声で教えるのが最も適当である。
【0005】
この発明は、歌詞の先読み音声であるリードナレーションを発生させて、歌詞を音声で教えることができるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、カラオケ曲の演奏音を発生するための演奏データ、該カラオケ曲の手本の歌唱音声を発生するためのガイドボーカルデータを有する楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記演奏データを用いてカラオケ曲の演奏音を発生する演奏手段と、前記ガイドボーカルデータを再生することにより手本の歌唱音声を発生する音声再生手段と、前記ガイドボーカルデータの再生タイミング、再生速度、および、再生周波数を変更して再生することにより歌詞の先読み音声を発生する音声処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このカラオケ装置は、手本の歌唱音声であるガイドボーカルを発生するとともに、歌詞の先読み音声であるリードナレーションを発生する。リードナレーションとは、曲のフレーズの直前(冒頭)にそのフレーズの歌詞を早口で知らせる音声であり、昔フォークソングなどで多くの聴衆が一緒に歌えるように行われた手法である。ガイドボーカルは、歌唱者が歌詞もメロディも知らない場合に発生すればよく、リードナレーションは、歌唱者がメロディは知っているが歌詞をよく知らない場合に発生すればよい。また、モニタに表示される歌詞が見にくい場合、たとえば、歌唱者が老人である場合、歌唱者が多人数でモニタを見ることができない人がいる場合などに有効である。
【0009】
そして、ガイドボーカルデータは現在多くの楽曲データが有するが、リードナレーションデータを有する楽曲データは少ない。そこで、ガイドボーカルデータを有し、リードナレーションデータを持たない楽曲データの場合、ガイドボーカルデータを用いてリードナレーションの音声を作成する。ガイドボーカルデータは、一般的にフレーズ毎に分割された部分データとして記憶されているため、各部分データ毎に再生タイミング、再生速度、および、再生周波数を変更して再生することにより、リードナレーションとして使用できる音声を発生することができる。すなわち、再生速度を当該フレーズの直前に全ての音声を再生できるように速くし、再生タイミングを当該フレーズの冒頭で再生が終了するように変更する。そして、話言葉になるように歌唱の旋律を除去するように再生周波数を変換する。この歌唱の旋律の除去は、たとえば演奏データ中のガイドメロディデータを用い、全ての音が一定の音高になるように変換する。
【0010】
そして、カラオケ装置には、マイクから入力された歌唱音声の周波数を変換してハーモニー音声を生成し、これを前記歌唱音声と一緒に出力するいわゆるハモリ機能を有するものがあるが、このハモリ機能を実現する音声処理手段をそのままリードナレーションデータの生成に用いればカラオケ装置のリソースを有効に活用することができる。
【0011】
この発明は、複数のスピーカを設け、前記演奏手段が発生した演奏音を全てのスピーカから出力し、前記歌詞の先読み音声を一部のスピーカから出力することを特徴とする。
リードナレーションは、たとえば、大勢の聴衆に対して出力して全員で歌唱するために用いたり、モニタに表示される歌詞の読み取りが困難な視覚障害者や老人などに用いたりすることで有効に機能する。前者の場合、聴衆の前で歌っている歌唱者にリードナレーションは不要である。また、後者の場合、聴衆にはリードナレーションが聞こえないほうが歌唱を上手に聞かせることができる。そこで、複数のスピーカを設け、必要なスピーカのみからリードナレーションを出力する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図である。このカラオケ装置は、DVDチェンジャ4にセットされるDVDやハードディスク17に記憶されている楽曲データを読み出し、これを音源装置18に入力することによってカラオケ曲の楽音を形成・出力するものである。このカラオケ装置は、音源装置18等を用いて楽音を発生しカラオケ曲を演奏するとともに、利用者(歌唱者)の選択に応じてガイドメロディ、ガイドボーカル、リードナレーションなどの歌唱補助音声を発生することができる。ガイドメロディは歌唱旋律を音源18で楽音として発生したものである。ガイドボーカルは、音声データとして記憶されている歌手の歌唱音声を再生したものである。リードナレーションは、歌唱する歌詞をフレーズ毎にそのフレーズの冒頭に音声として読み上げるものである。リードナレーションは、リードナレーション用の音声データを設けてもよく、また、上記ガイドボーカル用の音声データを加工して発生してもよい。
【0013】
図1において、この実施形態のカラオケ装置は、複数のコンポーネントからなるシステムであり、カラオケ装置本体1,コントロールアンプ2,音声信号処理装置3,DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)チェンジャ4,スピーカ5,モニタ6,マイク7および赤外線のリモコン装置8で構成されている。カラオケ装置本体1はこのカラオケ装置全体の動作を制御する。該カラオケ装置本体1の制御装置であるCPU10には、内部バスを介してROM11,RAM12,ハードディスク17,通信制御部16,リモコン受信部13,表示パネル14,パネルスイッチ15,音源装置18,音声データ処理部19,文字表示部20,表示制御部21が接続されるとともに、上記外部装置であるコントロールアンプ2,音声信号処理装置3およびDVDチェンジャ4がインタフェースを介して接続されている。
【0014】
ROM11にはこの装置を起動するために必要な起動プログラムなどが記憶されている。装置の動作を制御するシステムプログラム,カラオケ演奏実行プログラムなどはハードディスク17に記憶されている。カラオケ装置の電源がオンされると上記起動プログラムによってシステムプログラムやカラオケ演奏プログラムがRAM12に読み込まれる。
【0015】
ハードディスク17には、上記プログラムを記憶するプログラム記憶エリアのほか、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶エリアなどが設定されている。楽曲データ記憶エリアは、数千曲分の楽曲データを記憶することができ、配信センタ9が定期的にダウンロードしてくる新曲の楽曲データなどが記憶されている。
【0016】
前記RAM12には、装置の起動時にハードディスク記憶装置17からプログラムを読み込むプログラム記憶エリア、リクエストされたカラオケ曲の曲番号を登録する予約曲リスト、演奏されるカラオケ曲の楽曲データを読み込む実行曲データ記憶エリア、および、上記歌唱補助音声のうちどれを発生するかのモードである歌唱補助モードを記憶する歌唱補助モードレジスタなどが設定される。
【0017】
通信制御部16はISDN回線を介して配信センタ9と接続される。配信センタ9は、定期的にカラオケ装置に対して電話を掛け、新曲の楽曲データや新しいインデックステーブルなどを配信する。
【0018】
リモコン装置8は、テンキーなどのキースイッチを備えており、利用者がこれらのスイッチを操作するとその操作に応じたコード信号を赤外線で出力する。利用者は、テンキーを用いてカラオケ装置本体1に対して曲番号を入力する。リモコン受信部13はリモコン装置8から送られてくる赤外線信号を受信して、そのコード信号を復元しCPU10に入力する。CPU10は、リモコン装置8から曲番号が入力されると、この曲番号を、RAM12に設定されている予約リストに登録する。
【0019】
表示パネル14およびパネルスイッチ15は、カラオケ装置本体1の前面に設けられている。パネルスイッチ15は、前記リモコン装置8と同様の曲番号入力用のテンキーやモード切換スイッチなどを備えている。表示パネル14は、現在演奏中の曲番号や予約曲数を表示する。
【0020】
文字表示部20は、モニタ6の表示領域に対応するVRAMを備えている。このVRAMには文字パターンに展開されたカラオケ曲の歌詞が書き込まれる。文字コードとして楽曲データの歌詞トラックに記憶されている歌詞を文字パターンに展開する作業はCPU10が行う。CPU10は文字コードをパターンに展開したのち、表示座標に対応するVRAM上のアドレスにこれを書き込む。この文字パターンは、映像信号として表示制御部21に入力される。また、カラオケ演奏時はDVDチェンジャ4は背景映像を再生し、この映像信号も表示制御部21に入力される。表示制御部21は、文字パターンを背景映像にスーパーインポーズで合成してモニタ6に表示する。
【0021】
表示制御部21は、文字表示部20の映像信号とDVDチェンジャ4の映像信号をスーパーインポーズ合成するのみでなく、文字表示部20から入力される映像信号の一部または全部をフェードイン、フェードアウトすることができる。
【0022】
なお、DVDチェンジャ4には6枚程度のDVDをセットすることができ、そのうち数枚には上記背景映像が記録されており、他の数枚には定番となっているカラオケ曲の楽曲データが記録されている。この定番曲がリクエストされたとき、DVDチェンジャ4は、まずその楽曲データを読み出してRAM12の実行曲データ記憶エリアに書き込み、こののち背景映像のDVDを再生する。
【0023】
音源装置18は、楽曲データ(楽音トラックのイベントデータ)に基づいて楽音を形成し、形成した楽音に対してエフェクト制御トラックで指定されたエフェクトを付与してコントロールアンプ2に出力する。
【0024】
音声データ処理部19は、楽曲データに含まれている(または楽曲データに対応して記憶されている)音声データを再生する。音声データとしては、カラオケ演奏のバックコーラスの音声データであるバックコーラスデータ、カラオケ曲の手本となる歌唱の音声データであるガイドボーカルデータおよびカラオケ曲の歌詞をフレーズ毎に先読みした音声データであるリードナレーションデータなどがある。これらバックコーラスデータ、ガイドボーカルデータ、リードナレーションデータはデジタル化(および圧縮)されたデジタル音声データとして記憶されており、音声データ処理部19はこれらをデコードしてアナログオーディオ信号に変換する。なお、この音声データ処理部19は、バックコーラスデータをデコードする第1の系統およびガイドボーカルデータまたはリードナレーションデータをデコードする第2の系統の2系統の処理部を有している。デコードされたアナログオーディオ信号は、コントロールアンプ2に入力される。
【0025】
また、このカラオケ装置は、リードナレーションデータを持たない楽曲データであっても、ガイドボーカルデータを用いてリードナレーションを発生することができる。後述の音声信号処理装置3は、デジタル化された音声信号のテンポや音高を変換する機能を有している。この機能を利用してボーカルの音声データを音高の抑揚を少なく修正して早く読み出すことにより、リードナレーションとして用いることができるようにしている。
【0026】
コントロールアンプ2には、マイク7が接続されており、カラオケ歌唱者の歌唱音声が入力される。コントロールアンプ2は歌唱音声に対して所定のエフェクト(ボーカルエフェクト)を付与するとともに、歌唱音声・カラオケ演奏音をそれぞれイコライジング、ミキシングしたのち増幅してスピーカ5に出力する。
【0027】
また、音声信号処理装置3は、コントロールアンプ2から歌唱音声を入力して種々のエフェクトを付与する装置である。エコーなどの単純なエフェクトはコントロールアンプ2が単独で付与することができるが、マイク7から入力された歌唱音声の音程のずれを修正したり、この歌唱音声の周波数等を変換して他のパートのハーモニー歌唱を作成するなどの処理はこの音声信号処理装置3が行う。ピッチ修正された歌唱音声や新たに作成されたハーモニー歌唱音声などは再度コントロールアンプ2に入力される。また、上記音声のずれの修正やハーモニー歌唱の作成を行う機能を用いて、上記のようにガイドボーカル音声データからリードナレーションを作成することもできる。
【0028】
図2を参照してこの発明のガイドボーカルとリードナレーションについて説明する。カラオケ曲は、たとえば、同図上段に示すように前奏、コーラス1、間奏1、コーラス2、間奏2、コーラス3、後奏で構成される。このうち、コーラス1の冒頭の部分を詳細に見ると、カラオケ曲の演奏は連続して行われているが、ボーカルはフレーズ毎に切れている。楽曲データが有するガイドボーカルデータは、このボーカルの手本の歌唱音声を再生するためのデータであるが、このデータもフレーズ毎に別々の部分データを集めたものとして楽曲データに含まれている。また、このカラオケ曲の歌詞を歌唱タイミングに先立って早く読み上げる音声であるリードナレーションを再生するためのリードナレーションデータもフレーズ毎に音声データ(部分データ)を集めたものとして楽曲データに含まれている。リードナレーションの再生タイミングは、対応するフレーズの歌唱タイミングの直前の無歌唱区間である。
【0029】
図3は、カラオケ曲を演奏するための楽曲データ構成を示す図である。同図(A)はリードナレーションデータを含む楽曲データの構成を示す図である。楽曲データは、曲名,ジャンル,リリース日などが書き込まれているヘッダ、ガイドメロディトラックを含み、複数パートの演奏データが書き込まれている演奏データトラック、歌詞データが書き込まれている歌詞データトラック、バックコーラス指定データが書き込まれているバックコーラス指定データトラック、ガイドボーカル指定データが書き込まれているガイドボーカル指定データトラック、リードナレーション指定データが書き込まれているリードナレーション指定データトラック、周辺機器制御データが書き込まれている周辺機器制御データトラック、バックコーラスの音声データ(部分データ群)が書き込まれているバックコーラスデータ部、ガイドボーカルの音声データ(部分データ群)が書き込まれているガイドボーカルデータ部、リードナレーションの音声データ(部分データ群)が書き込まれているリードナレーションデータ部からなっている。
【0030】
演奏データトラック,歌詞データトラック,バックコーラス指定データトラック、ガイドボーカル指定データトラック、リードナレーション指定データトラック、周辺機器制御データトラックの各トラックは全て、複数のイベントデータと各イベントデータの読み出しタイミングを示すタイミングデータからなるシーケンスデータとして記述されている。シーケンスプログラムは、所定のテンポクロックでタイミングデータをカウントし、カウントデータをカウントアップしたときこれに続くイベントデータを読み出して所定の処理部へ出力する。タイミングデータは、曲の先頭からの時間で記述してもよく直前のイベントからの間隔で記述してもよい。
【0031】
演奏データトラックのイベントデータは、楽音を発生するためのデータであるため、MIDIの汎用フォーマットで記述することができる。これ以外のトラックのイベントデータは通常のMIDIメッセージではないが、インプリメンテーションの統一をとり、作業工程を容易にするためこのトラックもシステムエクスクルーシブメッセージとしてMIDIフォーマットで記述されている。
【0032】
バックコーラス指定データトラックのイベントデータ(バックコーラス指定データ)は、複数の部分データの集合として記憶されているバックコーラスデータのなかから1つの部分データを指定するとともに、その部分データの再生タイミングを指定するデータである。このトラックのタイミングデータはこのイベントデータの読み出しタイミングを指定しており、バックコーラスの音声データ(部分データ)の再生タイミングは、バックコーラス指定データ内のタイミング指定データによって指定される。
【0033】
ガイドボーカル指定データトラックのイベントデータ(ガイドボーカル指定データ)は、複数の部分データの集合として記憶されているガイドボーカルデータのなかから1つの部分データを指定するとともに、その部分データの再生タイミングを指定するデータである。このトラックのタイミングデータはこのイベントデータの読み出しタイミングを指定しており、ガイドボーカルの音声データ(部分データ)の再生タイミングは、ガイドボーカル指定データ内のタイミング指定データによって指定される。
【0034】
リードナレーション指定データトラックのイベントデータ(リードナレーション指定データ)は、複数の部分データの集合として記憶されているリードナレーションデータのなかから1つの部分データを指定するとともに、その部分データの再生タイミングを指定するデータである。このトラックのタイミングデータはこのイベントデータの読み出しタイミングを指定しており、リードナレーションの音声データ(部分データ)の再生タイミングは、リードナレーション指定データ内のタイミング指定データによって指定される。
【0035】
なお、図3において、リードナレーションデータやガイドボーカルデータは、楽曲データの一部として構成されているが、楽曲データとは別のファイルとしてハードディスク17等に記憶し、楽曲データのヘッダにそのファイル名などを書き込んで対応づけるようにしてもよい。
【0036】
同図(B)はリードナレーションデータを含まない楽曲データの構成を示す図である。この楽曲データは、同図(A)の楽曲データと比較して、リードナレーション指定データトラックおよびリードナレーションデータが存在していない。このような楽曲データを用いて、リードナレーションを発生する場合、ガイドボーカルデータの再生タイミング、再生速度、再生周波数を音声信号処理装置3を用いてリードナレーションのように変換し、これを再生した音声をリードナレーションとして用いる。
【0037】
以下、ガイドボーカルデータからリードナレーションデータを作成する手法を説明する。ガイドボーカル指定トラックのイベントデータ(ガイドボーカル指定データ)を先読みし、このイベントデータが指定するガイドボーカルの音声データを読み出す。そして、これを音声信号処理装置3に入力して、リードナレーションとして使用できるように、再生時間を圧縮する。この時間圧縮は元の音声データと周波数が変化しないように行う。また、子音と母音とを認識し、子音は圧縮せず、母音のみ時間を短くする。そして、旋律によって母音の長さが不揃いになっている可能性があるが、これをほぼ同じ長さに揃える。また、各母音の周波数は歌唱の音高になっているが、これをほぼ同じ周波数になるように音高変換して修正する。この修正は完全に行うのでなく、若干抑揚を残して行うようにする。音高変換するための音高情報はガイドメロディトラックが示す旋律データを用いて行う。なお、再生タイミングと再生速度の変換は図2の破線で示すように行えばよい。
【0038】
以上の処理をカラオケ曲の演奏に先立って全曲にわたって行い、リードナレーション指定データトラックおよびリードナレーションデータ部を新たに作成してからカラオケ曲の演奏をスタートしてもよく、以上の処理を演奏中にフレーズ毎に行ってもよい。この場合音声信号処理装置3が変換した音声データがコントロールアンプ2を介してスピーカ5から出力される。
【0039】
図4は同カラオケ装置の動作を示すフローチャートである。
同図(A)は歌唱補助モード選択動作を示すフローチャートである。歌唱補助モードは、「補助なし」、「ガイドボーカル」、「ガイドメロディ」、「リードナレーション」、「ガイドメロディ+リードナレーション」の5種類があり、リモコン8やパネルスイッチ15の操作で利用者がそのいずれかを選択することができる。利用者がリモコン8やパネルスイッチ15を操作して歌唱補助モードを選択すると(s1)、選択された歌唱補助モードを、RAM12に設定されている歌唱補助モードレジスタに記憶する(s2)。
【0040】
同図(B)はカラオケ演奏動作を示すフローチャートである。利用者が選曲したカラオケ曲の楽曲データをハードディスク17やDVDからRAM12の実行データ記憶エリアに読み出す(s10)。この楽曲データを用いてカラオケ曲の演奏をスタートする。カラオケ曲の演奏は、楽曲データの演奏データトラックのイベントデータで音源装置18を駆動し、バックコーラスデータを音声データ処理部19で再生するなどする動作である。そして歌唱補助モードを判断する(s12、s13、s15)。歌唱補助モードが「補助なし」であれば、何もしないでカラオケ曲の演奏を継続する。歌唱補助モードが「ガイドメロディ」であれば、演奏データトラック中のガイドメロディトラックのイベントデータも音源装置18に入力し、音源装置18にガイドメロディを発生させる(s14)。また、歌唱補助モードが「ガイドボーカル」であればガイドボーカル指定データトラックのイベントデータを読み出し、このイベントデータに応じてガイドボーカルの音声データを音声データ処理部19に入力することによって、ガイドボーカルを発生する(s16)。
【0041】
また、歌唱補助モードが「リードナレーション」であれば、この楽曲データにリードナレーションのためのデータ、すなわちリードナレーションデータ、リードナレーション指定データトラックが存在するかを判断する(s17)。リードナレーションのためのデータが存在する場合にはリードナレーション指定データトラックのイベントデータを読み出し、このイベントデータに応じてリードナレーションの音声データを音声データ処理部19に入力することによって、リードナレーションを発生する(s19)。一方、リードナレーションのためのデータが存在しない場合(s17)には、ガイドボーカルのデータからリードナレーションのためのデータを作成し(s18)、これを用いてリードナレーションを発生する(s19)。リードナレーションのためのデータの作成手法は上述したとおりである。
【0042】
また、歌唱補助モードが「ガイドメロディ+リードナレーション」の場合には、まずガイドメロディトラックのデータを音源装置18に入力してガイドメロディを発生させるとともに(s14)、s17〜s19の処理を行ってリードナレーションを発生する。
【0043】
なお、図1では、スピーカ5は1系統であるが、歌唱者用のスピーカと聴衆用のスピーカを設け、その一方のみにリードナレーションを出力することもできる。すなわち、図5に示すようにコントロールアンプ2の出力系統を2系統にして一方に聴衆用スピーカ5aを接続し、他方に歌唱用モニタスピーカ5bを接続する。そして、同図(A)に示すように、聴衆用スピーカ5aのみにリードナレーションを出力することにより、大勢の聴衆がステージ上の歌唱者と一緒にカラオケ曲を歌唱できるようにすることができる。また、同図(B)のように、歌唱用モニタスピーカ5bのみにリードナレーションを出力することにより、モニタの歌詞を読み取り難い老人や視覚障害者の補助をすることができる。
【0044】
この場合、リードナレーションの出力先は、利用者の操作または楽曲データに埋め込まれている設定情報等により「聴衆用スピーカ5aのみ」、「歌唱用モニタスピーカ5bのみ」、「両方」に切り換え可能である。
【0045】
なお、聴衆用スピーカ5a、歌唱用モニタスピーカ5bの個数は1個に限定されない。また、各系統はモノラル、ステレオ、マルチチャンネルのいずれでもよい。
【0046】
さらに、このように歌詞がリードナレーションとして発生されるため、歌詞テロップを表示するモニタがなくても歌唱者が歌唱することができ、モニタ無しでカラオケ装置を運用することも可能になる。また、歌唱者が振りをつけたり踊りながら歌唱してモニタを見ることができない場合でもヘッドセットを用いてリードナレーションを聞きながら歌唱することにより、歌詞を知らない曲を歌唱することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、歌詞の先読み音声であるリードナレーションや手本の歌唱であるガイドボーカルを選択的に発生することができるため、歌唱者が自分の練習の程度にあわせて上記歌唱補助の音声を発生させることができる。また、この発明ではリードナレーションのデータをガイドボーカルデータから作成することができるため、従来の楽曲データでもリードナレーションを発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置のガイドボーカルとリードナレーションのタイミングを示す図
【図3】同カラオケ装置で用いられる楽曲データの構成を示す図
【図4】同カラオケ装置の動作を示すフローチャート
【図5】同カラオケ装置をマルチスピーカ構成にした場合の出力系統図
【符号の説明】
1…カラオケ装置本体、2…コントロールアンプ、3…音声信号処理装置、4…DVDチェンジャ、5…スピーカ、5a…聴衆用スピーカ、5b…歌唱用モニタスピーカ、6…モニタ、7…マイク、8…リモコン装置、9…配信センタ、
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…リモコン受信部、14…表示パネル、15…パネルスイッチ、16…通信制御部、17…ハードディスク、18…音源装置、19…音声データ処理部、20…文字表示部、21…表示制御部
Claims (4)
- カラオケ曲の演奏音を発生するための演奏データ、該カラオケ曲の手本の歌唱音声を発生するためのガイドボーカルデータを有する楽曲データを記憶する記憶手段と、
前記演奏データを用いてカラオケ曲の演奏音を発生する演奏手段と、
前記ガイドボーカルデータを再生することにより手本の歌唱音声を発生する音声再生手段と、
前記ガイドボーカルデータの再生タイミング、再生速度、および、再生周波数を変更して再生することにより、歌詞の先読み音声を発生する音声処理手段と、
を備えたカラオケ装置。 - 前記ガイドボーカルデータは、フレーズ毎に分割された部分データとして記憶されており、
前記音声処理手段は、各部分データ毎に再生タイミング、再生速度、および、再生周波数を変更して再生する請求項1に記載のカラオケ装置。 - 前記音声処理手段は、カラオケ曲の歌唱音声の周波数を変換してハーモニー音声を生成する請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
- 複数のスピーカを設け、前記演奏手段が発生した演奏音を全てのスピーカから出力し、前記歌詞の先読み音声を一部のスピーカから出力する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラオケ装置。
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