JP4168788B2 - 成膜方法、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法、表示装置の製造方法 - Google Patents

成膜方法、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法、表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成膜方法、成膜装置、カラーフィルタ基板の製造方法および製造装置、エレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法および製造装置、表示装置の製造方法、表示装置、並びに、電子機器に係り、特に、液状材料を液滴の状態で供給することにより成膜する製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス装置(以下、単に「EL装置」という。)などといった電気光学装置を表示手段として用いた各種の表示装置、或いは、これらの表示装置を備えた携帯電話機や携帯型情報端末等の電子機器が知られている。このような表示装置においては、近年、カラー表示が一般的になりつつあるため、ガラスやプラスチックなどによって構成された基板の表面に、R(赤)・G(緑)・B(青)のドット状のフィルタエレメントをストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などといった所定の配列パターンにて配列させてなるカラーフィルタを用いる場合がある。
【0003】
また、カラー表示可能に構成されたEL装置においては、ガラスやプラスチック等で構成された基板の表面に、R(赤)・G(緑)・B(青)のドット状のEL発光層をストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などといった所定の配列パターンにて配列させ、これらのEL発光層を一対の電極で挟持した表示ドットを形成する。そして、これらの電極に印加する電圧を表示ドット毎に制御することにより、各表示ドットを所定の色及び階調で発光させる。
【0004】
上記のような各種の表示装置を製造する場合には、上記カラーフィルタの各色のフィルタエレメントやEL装置の各色の発光層を、フォトリソグラフィ法を用いることによってパターニングする方法が一般的である。しかしながら、このフォトリソグラフィ法を用いるパターニング工程は、材料の塗布・露光・現像などといった複雑で時間のかかる処理が必要になるとともに、各色材料やレジスト等を多量に消費するので、コストが高くなるなどといった問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、インクジェット法によってフィルタエレメント材料やEL発光材料を、溶媒等を加えた液状材料の液滴として吐出し、基板表面に着弾させることによって、ドット状に配列されたフィルタエレメントや発光層を配列形成する方法が提案されている。ここで、このインクジェット法によって、図29(a)に示すように、ガラスやプラスチックなどによって構成された大面積の基板、いわゆるマザー基板301の表面に設定される複数の単位領域302の内部に、図29(b)に示すようなドット状に配列されたフィルタエレメント303を形成する場合について説明する。
【0006】
この場合には、例えば、図29(c)に示すように、複数のノズル304を配列してなるノズル列305を有する液滴供給ヘッド306を、図29(b)の矢印A1及び矢印A2で示すように、1個の単位領域302に関して複数回(図29(b)では2回)直線状に走査させながら、各走査期間において複数のノズル304から選択的にインクすなわちフィルタ材料を吐出することによって希望位置にフィルタエレメント303を形成する。
【0007】
このフィルタエレメント303は、上述したように、R・G・Bなどの各色をいわゆるストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などといった適宜の配列パターンで配列させることによって形成される。このため、通常、R・G・Bの各色の液滴供給ヘッド306を色毎に用意し、各色の液滴供給ヘッド306を順次用いることにより、一つのマザー基板301上に所定の色配列のカラーフィルタを形成するようにしている。
【0008】
ところで、液滴供給ヘッド306については、一般に、ノズル列305を構成する複数のノズル304間のインク吐出量にばらつきがあるため、図29(b)に示すようにして、液滴供給ヘッド306によりフィルタエレメント303を形成したとき、各フィルタエレメント303におけるインク量にばらつきが生じ、これによって縞状の色ムラが形成されて、カラーフィルタの平面的な光透過特性が不均一になるという問題点がある。このため、各フィルタエレメントを複数の液滴の吐出によって形成するようにし、上記液滴供給ヘッド306の位置を送り方向(図29の左右方向)に少しずつずらしながら順次に走査を行うようにする方法が知られている(たとえば、以下の特許文献1を参照)。
【0009】
しかしながら、上記のように走査すると走査回数が飛躍的に増加して製造時間が増大し、生産効率が低下するという問題点がある。そこで、この問題点を解消するために、姿勢を調整可能に構成した複数のヘッドを共通のキャリッジに搭載し、一回の走査で処理を行う範囲を広げることによって効率的に製造を行うことの可能な装置が提案されている(たとえば、以下の特許文献2を参照。)
【0010】
【特許文献1】
特開2002−221616号公報
【特許文献2】
特開2002−273868号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、上記従来の装置によりカラーフィルタなどを製造する場合において、上記のように各フィルタエレメント間のインク量のばらつきを十分に低減してもなお、縞状の色むらが解消されない場合があることを発見した。そして、鋭意実験を行った結果、この場合の縞状の色むらは、インク量のばらつきに起因するものではなく、各フィルタエレメント内におけるインクの充填態様に基づくものであることが判明した。すなわち、各フィルタエレメント内におけるインクの偏り状態が異なることによって、光の透過状態に場所によるばらつきが発生し、これが縞状のムラとなって視認されるのである。
【0012】
図34には、上記従来の方法で製造したカラーフィルタの光学特性を示す。ここで、図34(A)は、その縦軸に、カラーフィルタの透過光のY値(CIE1931XYZ表色系、或いは、YUVカラーベースにおける輝度Y)を採り、その横軸に、図29(b)に示す走査方向(図示上下方向)の画素配列をとったときの、走査方向に見た輝度Yの周期的変動特性を示すものである。また、図34(B)は、上記と同様に、輝度Yの、図29(b)に示す送り方向(図示左右方向)に見た周期的変動特性を示すものである。このような輝度Yの変動は、ヘッドの吐出特性に起因するインク量のばらつきによるものではなく、単一のノズルを用いてカラーフィルタを形成した場合でも現れる。
【0013】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、液滴供給ヘッドのような液滴供給手段を用いて液状材料を対象物に被着させて成膜する方法の実施に際して、液状材料の供給量の均一化によっては解決できない成膜ムラをも低減することのできる技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々検討を重ねた結果、液滴の供給位置(着弾位置)のばらつきによって、液滴に含まれる液状材料の量が均一であっても、液状材料を配置すべき領域内における液状材料の偏りによって縞状の成膜ムラが形成されることを見いだした。
【0015】
たとえば、特定の領域P内に複数の液滴Qを供給して液状材料Uを被着させる場合、図30に示すように、最初の液滴Q1が領域Pのほぼ中心に供給され、領域Pのほぼ中心部に液状材料U1が配置される場合(A−1)と、最初の液滴Q1′が領域Pの周縁部に供給され、領域Pの周縁部に液状材料U1′が配置される場合(B−1)とで比較してみる。
【0016】
上記の(A−1)の場合には、最初の液状材料U1が領域Pの中心部に配置されていることから、次に液滴Q2が中心部から外れた位置に供給されても、この液滴Q2は既に中心部に配置された液状材料U1と一体化されることによって、(A−2)に示すように2つの液滴Q1,Q2に相当する液状材料U2もまた領域Pのほぼ中心部に配置される。この場合には、その後、(A−3)及び(A−4)に示すように、さらに液滴Q3,Q4が次々と供給されても、液状材料U3,U4は領域Pに均等に配置されやすくなる。領域P内に液状材料が均等に配置されると、最終的に液状材料U4を乾燥させることによって(A−4)に一点鎖線で示すようにほぼ均等な成膜状態が得られる。
【0017】
これに対して、上記の(B−1)の場合には、最初の液状材料U1′が領域Pの周縁部に配置されていることから、次に液滴Q2′が供給されても、この液滴Q2′は既に周縁部に配置された液状材料U1と一体化されることによって、(B−2)に示すように2つの液滴Q1′,Q2′に相当する液状材料U2′もまた領域Pの周縁部に配置される。この場合には、その後、(B−3),(B−4)に示すように、さらに液滴Q3′,Q4′が次々と供給されても、液状材料U3′,U4′は領域Pの周縁部に偏った状態のままとなり、極端な場合には、領域Pから部分的に液状材料がはみ出し、隣接する別の領域に配置される液状材料U3″,U4″が生じてしまう場合がある。そして、このように配置された液状材料U4′を乾燥させることによって(B−4)に一点鎖線で示すように偏った成膜状態が生ずる。
【0018】
上記のように、最初に液滴が供給された位置によって、最終的な成膜状態は大きく異なるため、これが縞状の成膜ムラとなるのである。このことは、図30に示すように一つの領域Pに複数の液滴を供給する場合に限らず、一つの領域Pに一つの液滴のみを供給する場合でも同じであり、図30に示すものと同じ量の液状材料を一つの液滴で供給しようとすれば、その液滴の供給位置によって図30の(A−4)と(B−4)に示す状態と同様の成膜状態の相違が生ずる。いずれの場合でも、液滴の供給位置によって最終的な成膜状態が大きく変わるため、液滴に含まれる液状材料の量を均一化しても、縞状の成膜ムラ(表示装置の場合には色ムラや輝度ムラ)はなくならないのである。なお、図30の(B−3)及び(B−4)に示すように領域Pからはみ出した液状材料U3″及びU4″は、たとえばカラーフィルタやEL装置を形成する場合には、混色の原因となり、色ムラを増大させる。
【0019】
また、図31に示すように、領域Pを隔壁、土手、或いは、バンク(以下、単に「隔壁」という。)Bによって区画し、この隔壁Bによって囲まれた領域P内に液滴を供給する場合がある。この隔壁Bは、たとえば、基板上にフォトリソグラフィ法などを適用してパターニングされた合成樹脂などによって構成される。この場合には、隔壁Bの存在によって液滴Qの供給位置によっては液状材料Uの外観が変わってくる。たとえば、図31(a)や(b)に示すように、液滴Qa,Qbが領域Pの中心部や比較的中心寄りの場所、或いは、隔壁Bからある程度離れた位置に供給される場合には、領域P内に配置された液状材料Ua,Ubの形状は、隔壁Bの存在に影響されない。しかし、図31(c)に示すように、液滴Qcが領域Pの周縁部である隔壁Bに近い位置に供給されると、液状材料Ucは、着弾時において広がった際に隔壁Bに接触し、それによって隔壁Bに吸い寄せられるように移動し、図示のように隔壁Bの壁面に沿った形状になる場合がある。このようになると、その後にさらに液滴を供給しても、領域P内における液状材料の偏りは解消しにくくなる。
【0020】
次に、本発明者は、従来の液滴の供給状態について検討した。液滴供給ヘッドなどの液滴供給手段は、通常、所定の駆動周期Td(駆動信号の駆動周波数Fd=1/Td)にて駆動されている。この駆動周期Tdを小さくすれば、走査速度Vxで走査すると、液滴の供給位置の分解能Rx=Td×Vxは小さくなり、液滴の供給位置をより正確に設定することができる。たとえば、図32には、複数の領域Pが周期的に配列された対象物に対して、一定の走査速度Vxで液滴供給手段を対象物に対して走査しつつ、所定の駆動周期Tdで液滴を供給する場合について示してある。ここで、(a)〜(c)には、分解能R1<R2<R3の3つの分解能でそれぞれ液滴を供給する場合を対比して示してある。上記の駆動周期Tdが大きい場合には、(c)に示すように、各領域P内の液滴の供給位置を精密に制御することができず、それだけ、走査方向に配列された複数の領域P間における液滴の供給位置のばらつきが大きくなる。逆に、駆動周期Tdを小さくすれば、(a)に示すように、それだけ領域P内の液滴の供給位置を正確に設定できるとともに、領域P間の液滴の供給位置のばらつきも低減することができるため、上記のように、液滴を領域内の適切な位置に供給することができ、縞状の成膜ムラの発生を抑制することができる。
【0021】
ところが実際には、上記のように液滴供給手段の駆動周期Tdを小さくしていくと、液滴供給手段に対する液状材料の供給が追いつかず、結局、一回の液滴に含まれる液状材料の量が減少してしまうとともに、液滴供給手段に導入された液状材料が安定せず、飛行曲がりやサテライトといった液滴の吐出態様の不良が発生しやすくなる。したがって、液滴供給手段の駆動周波数を高めることには限界がある。
【0022】
したがって、駆動周期Tdを小さくすると領域P間における液滴の供給位置のばらつきを低減して成膜ムラを抑制できるが、生産性が低下するとともに、成膜不良も増大するというジレンマがある。すなわち、図33に示すように、走査方向Xに走査を行う場合、走査方向Xに見た領域Pの構造周期をDx、上記駆動周期Tdと走査速度Vxの積である分解能をRxとすると、分解能Rxを大きくすると走査方向Xに配列された各領域P間における液滴の供給位置が大きくばらつき、成膜ムラが発生する。逆に、分解能Rxを小さくすると、走査方向Xに見た各領域P間における液滴の供給位置のばらつきは低減されるが、その分、液滴による液状材料の供給量は低下し、製造効率が低下し、不良も発生しやすくなる。
【0023】
そこで、本発明者は、上記状況に基づいて鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明にたどり着いた。すなわち、本発明の成膜方法は、対象物に液状材料を被着させることにより、所定の周期性を備えた平面周期構造を形成する成膜方法であって、所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、前記対象物に形成すべき前記平面周期構造の周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給する成膜方法であり、前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が前記対象物に形成すべき前記平面周期構造の前記走査方向の構造周期となるように設定して行うことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、液滴供給手段における駆動周期Tdと、液滴供給手段と対象物の走査速度Vxとの積、すなわち、液滴供給の分解能Rxの自然数倍が、対象物に形成すべき平面周期構造の走査方向の構造周期Dxとなるように設定して成膜を行うことにより、上記の平面周期構造の構造周期Dx内の一定の位相点に液滴を供給することが可能になるため、構造周期Dx内の液滴の供給位置のばらつきに起因する成膜ムラの発生を低減することができる。また、上記のように構造周期Dx内の所定の位相点に液滴を供給できるため、図31(c)に示すような、隔壁の近傍に液滴を供給して液状材料の偏りを引き起こすといったことも回避できるため、成膜不良を低減できるという利点もある。さらに、この方法では、いたずらに液滴供給手段の駆動周期Tdを小さくする必要がなくなるため、一つの液滴に含まれる液状材料の量の低下を抑制することができ、生産性を向上させることができるとともに、飛行曲がりやサテライトといった液滴の供給不良に起因する成膜不良を低減することも可能になる。
【0025】
本発明において、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことが好ましい。これによれば、走査ステップを送り動作を挟んで複数回繰り返すことによって、平面的な広がりを持った範囲内に対して成膜を行うことが可能になる。
【0026】
本発明において、前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が、形成すべき前記平面周期構造の前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することが好ましい。これによれば、液晶供給手段に複数のノズルを含むノズル列を設けることにより、一度の走査ステップにおいて平面周期構造の複数列に亘って液滴を供給することができるため、生産性を向上させることができる。ここで、既定のノズル間隔を有するノズル列を有する液滴供給手段において、形成すべき平面周期構造における走査方向と直交する方向に見た構造周期にノズル間隔を合わせる際には、ノズル列の配列方向と、走査方向と直交する方向との間の傾斜角度θを調整すればよい。
【0027】
本発明において、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して行うことが好ましい。一般に、ノズル列の配列方向と、走査方向と直交する方向との間の傾斜角度θが0でない場合には、複数のノズル間において走査方向に見たノズル位置が相互に異なることとなるため、走査方向に見たノズル位置のずれ量によって、走査方向と直交する方向に見た異なる2つの位置において液滴の供給位置にずれが生ずる。また、上記傾斜角度θの値の如何に拘わらず、形成すべき平面周期構造における走査方向と直交する方向に見た異なる2つの位置においては、走査方向の周期性に位相差が存在する場合がある。したがって、一般に、形成すべき平面周期構造における走査方向と直交する方向に見た異なる2つの位置における走査方向の周期性の位相差と、液滴供給手段のノズル位置のずれとの差に応じた分だけ、形成すべき平面周期構造に対する液滴の供給位置にずれが生ずる。したがって、上記の差を0に設定するか、或いは、上記の差を駆動周期と走査速度の積の自然数倍に設定することによって、走査方向と直交する方向に見た異なる2点における液滴の供給位置のずれを解消することが可能になる。
【0028】
本発明において、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、前記所定位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性、及び、前記別の位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して行うことが好ましい。一般に、ノズル列の配列方向と、走査方向と直交する方向との間の傾斜角度θが0でない場合には、複数のノズル間において走査方向に見たノズル位置が相互に異なることとなるため、走査方向に見たノズル位置のずれ量によって、走査方向と直交する方向に見た異なる2つの位置において液滴の供給位置にずれが生ずる。また、上記と同様に、形成すべき平面周期構造にも、走査方向と直交する方向に見た異なる2つの位置において走査方向の周期性に位相差が存在する場合がある。このため、この位相差と、液滴供給手段のノズル位置のずれとの差に応じた分だけ、形成すべき平面周期構造に対する液滴の供給位置にずれが生ずる。このとき、走査方向と直交する方向に見た異なる2点に対応するノズル間における液滴の供給タイミングに時間差を設け、この時間差を調整することにより、上記位相差と、当該時間差及び走査速度の積との差を0に設定するか、或いは、当該差を駆動周期と走査速度の積の自然数倍に設定することによって、走査方向と直交する方向に見た異なる2点における液滴の供給位置のずれを解消することができる。
【0029】
次に、本発明の成膜装置は、対象物に液状材料を被着させることにより、所定の周期性を備えた平面周期構造を形成可能な成膜装置であって、所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段と、前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御可能な制御手段と、前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に相対的に走査する走査手段と、前記駆動周期を調整して設定可能な駆動周期設定手段と、を有することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、液滴供給手段の駆動周期を駆動周期設定手段によって適宜に設定可能に構成されていることにより、走査手段による走査速度を低下させなくても、駆動周期を小さくすることによって液滴供給位置の分解能を高めることができる。したがって、生産効率を低下させずに液滴供給位置の分解能を高め、液滴供給位置の精度を向上できる。また、上記分解能の自然数倍が、形成すべき平面周期構造の走査方向の構造周期となるように設定することによって、常に構造周期における一定の位相位置に液滴を供給することが可能になるため、液滴の供給位置のばらつきを低減し、成膜ムラを低減できる。
【0031】
本発明において、前記走査手段は、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことが好ましい。
【0032】
本発明において、前記液滴供給手段は、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を有するとともに、前記ノズル列のノズルの配列方向と前記走査方向との交差角度を調整可能に構成されていることが好ましい。
【0033】
本発明において、前記液滴供給手段は、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置に対応する所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置に対応する別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設定可能に構成されていることが好ましい。
【0034】
次に、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、基板上に液状材料を供給して複数のフィルタエレメントを所定の周期性を備えた平面周期パターンにて成膜する成膜工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、前記成膜工程では、所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給し、前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が、形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向の構造周期となるように設定して成膜を行うことを特徴とする。
【0035】
本発明において、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことが好ましい。
【0036】
本発明において、前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することが好ましい。
【0037】
本発明において、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することが好ましい。
【0038】
本発明において、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、
【0039】
前記所定位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性、及び、前記別の位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することが好ましい。
【0040】
本発明において、前記平面周期パターンは複数色の前記フィルタエレメントを前記平面周期パターンで配列させたものであり、前記フィルタエレメントの複数色種のうちの少なくとも一種色に対して前記成膜工程を実施することが好ましい。平面周期パターン内に複数色のフィルタエレメントが配列される場合においては、そのうちの少なくとも一種の色に対して本発明の成膜方法を適用することによって、大きな効果を得ることができる。
【0041】
本発明において、前記フィルタエレメントのうち、青色の前記フィルタエレメントに対して前記成膜工程を実施することが好ましい。特に、青色のフィルタエレメントにおいては、最もフィルタエレメントの濃淡(光学濃度)が目立ちやすいため、青色のフィルタエレメントの成膜に際して本発明を適用することによって色ムラを最も効果的に低減することができる。
【0042】
次に、本発明のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法は、基板上に液状材料を供給して複数の画素領域を所定の周期性を備えた平面周期パターンにて成膜する成膜工程を有するエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法であって、前記成膜工程では、所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給し、前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が、前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向の構造周期となるように設定して成膜を行うことを特徴とする。
【0043】
本発明において、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことが好ましい。
【0044】
本発明において、前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することが好ましい。
【0045】
本発明において、前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンにおける前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することが好ましい。
【0046】
本発明において、前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、前記所定位置における前記走査方向に見た前記平面周期パターンの周期性、及び、前記別の位置における前記走査方向に見た前記平面周期パターンの周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することが好ましい。
【0047】
本発明において、前記平面周期パターンは複数色の前記画素領域を所定の配列パターンで配列させたものであり、前記画素領域の複数色種のうちの少なくとも一種色に対して前記成膜工程を実施することが好ましい。平面周期パターン内に複数色の画素領域が配列される場合においては、そのうちの少なくとも一種の色に対して本発明の成膜方法を適用することによって、大きな効果を得ることができる。
【0048】
本発明において、前記画素領域のうち、青色の前記画素領域に対して前記成膜工程を実施することが好ましい。特に、青色の画素領域においては、最も画素領域の輝度の強弱が目立ちやすいため、青色の画素領域の成膜に際して本発明を適用することによって色ムラを最も効果的に低減することができる。
【0049】
また、本発明の表示装置の製造方法は、上記のいずれかに記載の成膜方法を用いて前記平面構造周期で配列された複数の画素を形成することを特徴とする。
【0050】
さらに、本発明の表示装置の製造方法は、上記のいずれかに記載の製造方法を用いてカラーフィルタ基板を形成することを特徴とする。
【0051】
また、本発明の異なる表示装置の製造方法は、上記のいずれかに記載の製造方法を用いてエレクトロルミネッセンス装置用基板を形成することを特徴とする。
【0052】
次に、本発明の表示装置は、上記の表示装置の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする。これによれば、成膜工程に起因する成膜ムラが低減されることによって、表示品位の高い表示装置を構成できる。特に、上記の走査方向に配列された画素列において、画素間の成膜構造のばらつきが従来に比して大幅に向上し、その結果、色ムラや輝度ムラが低減し、光学的な均一性が従来に比して大幅に向上した表示装置を得ることができる。
【0053】
次に、本発明の電子機器は、上記の表示装置と、当該表示装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。本発明の電子機器としては、特に限定されるものではないが、例えば、携帯電話機などの携帯型情報端末、携帯型コンピュータ、電子腕時計などの携帯型電子機器であることが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る成膜方法、成膜装置、カラーフィルタ基板の製造方法および製造装置、エレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法および製造装置、表示装置の製造方法、表示装置、並びに、電子機器の実施形態について詳細に説明する。
【0055】
[成膜方法及び成膜装置の基本構成]
まず、本発明に係る成膜方法及び成膜装置の実施形態の基本構成について説明する。この実施形態の成膜装置(液滴吐出装置)16は、図15に示すように、プリンタなどで用いられる液滴供給ヘッドなどの液滴供給ヘッド(液滴吐出ヘッド)22を備えたヘッドユニット26と、液滴供給ヘッド22の位置、すなわちヘッド位置を制御するヘッド位置制御装置17と、対象物(たとえばマザー基板12)の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴供給ヘッド22を対象物(マザー基板12)に対して走査方向Xに走査移動させる走査駆動手段としての走査駆動装置19と、液滴供給ヘッド22を対象物(マザー基板12)に対して走査方向と交差(直交)する送り方向Yに送る送り駆動装置21と、対象物(マザー基板12)を成膜装置16内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、この成膜装置16の全般の制御を司るコントロール装置24とを有する。
【0056】
上記のヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21の各装置は、ベース9の上に設置される。また、これらの各装置は、必要に応じてカバー14によって覆われる。
【0057】
液滴供給ヘッド22は、例えば、図17に示すように、複数のノズル27が配列されてなるノズル列28を有する。ノズル27の数は例えば180であり、ノズル27の孔径は例えば28μmであり、ノズル27のピッチtは例えば141μmである。図17に示す基準方向Sは液滴供給ヘッド22の標準の走査方向を示し、配列方向Tはノズル列28におけるノズル27の配列方向を示す。
【0058】
液滴供給ヘッド22は、例えば、図19(a)及び(b)に示すように、ステンレス等で構成されるノズルプレート29と、これに対向する振動板31と、これらを互いに接合する複数の仕切り部材32とを有する。ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切り部材32によって複数の材料室33と液溜り34とが形成される。これらの材料室33と液溜り34とは通路38を介して互いに連通している。
【0059】
振動板31の適所には材料供給孔36が形成されている。この材料供給孔36には材料供給装置37が接続される。材料供給装置37は、たとえば、カラーフィルタを形成する場合にはR,G,Bのうちの一色、例えばR色のフィルタエレメント材料で構成される、液状材料Mを材料供給孔36へ供給する。このように供給された液状材料Mは、液溜り34に充満し、さらに通路38を通って材料室33に充満する。
【0060】
ノズルプレート29には、材料室33から液状材料Mをジェット状に噴出するためのノズル27が設けられている。また、振動板31の材料室33に臨む面の裏面には、この材料室33に対応させて材料加圧体39が取り付けられている。この材料加圧体39は、図19(b)に示すように、圧電素子41並びにこれを挟持する一対の電極42a及び42bを有する。圧電素子41は、電極42a及び42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより材料室33の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する液状材料Mが液溜り34から通路38を通って材料室33へ流入する。
【0061】
その後、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子41と振動板31とは共に元の形状に戻り、これにより、材料室33も元の容積に戻るため、材料室33の内部にある液状材料Mの圧力が上昇し、ノズル27から液状材料Mが液滴8となって噴出する。なお、ノズル27の周辺部には、液滴8の飛行曲りやノズル27の孔詰まりなどを防止するために、例えば、Ni−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液層43が設けられる。
【0062】
次に、図16を参照して、上記の液滴供給ヘッド22の周囲に配置された、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21、及び、その他の手段について説明する。ヘッド位置制御装置17は、ヘッドユニット26に取り付けられた液滴供給ヘッド22を平面(水平面)内にて回転させるαモータ44と、液滴供給ヘッド22を送り方向Yと平行な軸線周りに揺動回転させるβモータ46と、液滴供給ヘッド22を走査方向Xと平行な軸線周りに揺動回転させるγモータ47と、液滴供給ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ48とを有する。
【0063】
また、基板位置制御装置18は、対象物(マザー基板12)を載せるテーブル49と、このテーブル49を平面(水平面)内にて回転させるθモータ51とを有する。また、走査駆動装置19は、走査方向Xへ伸びるXガイドレール52と、例えばパルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを有する。このXスライダ53は、例えば内蔵するリニアモータの稼動により、Xガイドレール52に沿って走査方向Xへ平行移動する。
【0064】
さらに、送り駆動装置19は、送り方向Yへ伸びるYガイドレール54と、例えばパルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを有する。Yスライダ56は、例えば内蔵するリニアモータの稼動により、Yガイドレール54に沿って送り方向Yへ平行移動する。
【0065】
Xスライダ53やYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精密に行うことができる。したがって、Xスライダ53に支持された液滴供給ヘッド22の走査方向X上の位置やテーブル49の送り方向Y上の位置などを高精度に制御できる。なお、液滴供給ヘッド22やテーブル49の位置制御はパルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御やその他任意の方法によって実現することができる。
【0066】
上記テーブル49には、対象物(マザー基板12)の平面位置を規制するピンなどで構成される位置決め手段50が設けられている。対象物(マザー基板12)は、後述する基板供給装置23によって位置決め手段50に走査方向X側及び送り方向Y側の端面を当接させた状態で、位置決め保持される。テーブル49には、このような位置決め状態で保持された対象物(マザー基板12)を固定するための、例えば空気吸引(真空吸着)などの、公知の固定手段を設けることが望ましい。
【0067】
再び図15に戻って説明を続ける。図15に示す基板供給装置23は、対象物(マザー基板12)を収容する基板収容部57と、対象物(マザー基板12)を搬送するロボットなどの基板移載機構58とを有する。基板移載機構58は、基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを有する。この吸着パッド64は空気吸引(真空吸着)などによって対象物(マザー基板12)を吸着保持することができるように構成されている。
【0068】
また、図15に示すように、上記液滴供給ヘッド22の走査軌跡下であって、送り駆動装置21の一方の脇位置に、キャッピング装置76及びクリーニング装置77が配設されている。さらに、送り駆動装置21の他方の脇位置には電子天秤78が設置されている。ここで、キャッピング装置76は液滴供給ヘッド22が待機状態にあるときにノズル27(図17参照)の乾燥を防止するための装置である。クリーニング装置77は、液滴供給ヘッド22を洗浄するための装置である。電子天秤78は、液滴供給ヘッド22内の個々のノズル27から吐出される液滴8の重量をノズル毎に測定する装置である。さらに、液滴供給ヘッド22の近傍には、液滴供給ヘッド22と一体に移動するヘッド用カメラ81が取り付けられている。
【0069】
図15に示すコントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、キーボード等の入力装置67と、CRT等の表示装置68とを有する。コンピュータ本体部66には、図20に示すCPU(中央処理ユニット)69と、各種情報を記憶するメモリである情報記録媒体71とを備えている。
【0070】
上記のヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、走査駆動装置19、送り駆動装置21、及び、液滴供給ヘッド22内の圧電素子41(図19(b)参照)を駆動するヘッド駆動回路72の各機器は、図20に示すように、入出力インターフェイス73及びバス74を介してCPU69に接続されている。また、基板供給装置23、入力装置67、表示装置68、キャッピング装置76、クリーニング装置77及び電子天秤78も、上記と同様に入出力インターフェイス73及びバス74を介してCPU69に接続されている。
【0071】
情報記録媒体71としてのメモリは、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読み取り装置、ディスク型記録媒体などといった外部記憶装置などを含む概念であり、機能的には、成膜装置16の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域や、液滴供給ヘッド22による液滴の対象物(マザー基板12)に対する供給位置を座標データとして記憶するための記憶領域や、図16に示す送り方向Yへの対象物(マザー基板12)の送り移動量を記憶するための記憶領域や、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域や、その他各種の記憶領域が設定される。
【0072】
CPU69は、情報記憶媒体71であるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、対象物(マザー基板12)の表面の所定位置に、液滴を供給(吐出)するための制御を行うものである。具体的な機能実現部としては、図20に示すように、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部、電子天秤78を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部、及び、液滴吐出によって液状材料を対象物(マザー基板12)の表面上に着弾させ、所定のパターンにて描画するための描画演算部690を有する。
【0073】
上記描画演算部690には、液滴供給ヘッド22を描画のための初期位置へ設置するための描画開始位置演算部、液滴供給ヘッド22を走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する走査制御演算部、対象物(マザー基板12)を送り方向Yへ所定の送り移動量だけずらすための制御を演算する送り制御演算部、液滴供給ヘッド22内の複数のノズル27のうちのいずれを作動させてインクを吐出するかを制御するための演算を行うノズル吐出制御演算部などといった各種の機能演算部を有する。
【0074】
なお、上記実施形態では、上述の各機能を、CPU69を用いるプログラムソフトによって実現しているが、上述の各機能を、CPUを用いない電子回路によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いても構わない。
【0075】
次に、上記構成からなる成膜装置16の動作を、図21に示すフローチャートに基づいて説明する。オペレータによる電源投入によって成膜装置16が作動すると、最初にステップS1において初期設定が実現される。具体的には、ヘッドユニット26や基板供給装置23やコントロール装置24などが予め決められた初期状態にセットされる。
【0076】
次に、重量測定タイミングが到来(ステップS2)すると、図16に示すヘッドユニット26を走査駆動装置19によって図15に示す電子天秤78の所まで移動させる(ステップS3)。そして、ノズル27から吐出されるインクの量を、電子天秤78を用いて測定する(ステップS4)。さらに、このように測定されたノズル27の材料吐出特性に合わせて、各ノズル27の圧電素子41に印加する電圧を調節する(ステップS5)。
【0077】
この後、クリーニングタイミングが到来(ステップS6)すれば、ヘッドユニット26を走査駆動装置19によってクリーニング装置77の所まで移動させ(ステップS7)、そのクリーニング装置77によって液滴供給ヘッド22をクリーニングする(ステップS8)。
【0078】
重量測定タイミングやクリーニングタイミングが到来しない場合、或いは、重量測定やクリーニングが終了した場合には、ステップ9において図15に示す基板供給装置23を作動させて対象物(マザー基板12)をテーブル49へ供給する。具体的には、基板収容部57内の対象物(マザー基板12)を吸着パッド64によって吸着保持し、昇降軸61、第1アーム62及び第2アーム63を移動させて対象物(マザー基板12)をテーブル49まで搬送し、さらにテーブル49の適所に予め設けてある位置決め手段50(図16参照)に押し付ける。なお、テーブル49上における対象物(マザー基板12)の位置ずれを防止するため、空気吸引(真空吸着)などの手段によって対象物(マザー基板12)をテーブル49に固定することが望ましい。
【0079】
次に、θモータ51の出力軸を微小角度単位で回転させることにより、テーブル49を平面(水平面)内にて回転させ、対象物(マザー基板12)を位置決めする(ステップS10)。この後、図15に示すヘッド用カメラ81によって対象物(マザー基板12)を観察しながら、液滴供給ヘッド22によって描画を開始する位置を演算によって決定する(ステップS11)。そして、走査駆動装置19及び送り駆動装置21を適宜に作動させて、液滴供給ヘッド22を描画開始位置へ移動させる(ステップS12)。
【0080】
このとき、液滴供給ヘッド22は、図17に示す基準方向Sが走査方向Xに合致した姿勢となるようにしてもよく、或いは、図29(b)に示すように、基準方向Sが走査方向Xに対して所定の傾斜角度で傾斜する姿勢となるように構成してもよい。この傾斜角度は、ノズル27のピッチと、対象物(マザー基板12)の表面上においてインクを着弾させるべき位置のピッチとが異なる場合が多く、液滴供給ヘッド22を走査方向Xへ移動させるときに、配列方向Tに配列されたノズル27のピッチの送り方向Yの寸法成分が対象物(マザー基板12)の送り方向Yの着弾位置のピッチと幾何学的に等しくなるようにするための措置である。
【0081】
図21に示すステップS12で液滴供給ヘッド22が描画開始位置に置かれると、ステップS13において液滴供給ヘッド22は走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動される。この走査中において、液滴供給ヘッド22のノズル27から液滴が対象物(マザー基板12)の表面上へ連続的に吐出される。
【0082】
なお、このときの液滴の吐出量は、一度の走査によって液滴供給ヘッド22がカバーすることのできる吐出範囲において全量が吐出されるように設定されていてもよいが、例えば、後述するように、一度の走査によって本来吐出されるべき量の数分の一(例えば4分の一)の液状材料を吐出するように構成し、液滴供給ヘッド22を複数回走査する場合に、その走査範囲が送り方向Yに相互に部分的に重なるように設定し、全ての領域において数回(例えば4回)液状材料の吐出が行われるように構成してもよい。
【0083】
液滴供給ヘッド22は、対象物(マザー基板12)に対する1ライン分の走査が終了(ステップS14)すると、反転移動して初期位置へと復帰し(ステップS15)、送り方向Yに所定量(設定された送り移動量だけ)移動する(ステップS16)。その度、ステップS13で再び走査され、液状材料が吐出され、これ以降、上記の動作を繰り返し行って、複数ラインに亘って走査が行われる。ここで、1ライン分の走査が終了すると、そのまま送り方向Yに所定量移動し、反転して、逆向きに走査するというように、交互に向きを反転させて走査するようにしてもよい。
【0084】
ここで、後述するように、マザー基板12内に複数のカラーフィルタが形成される場合について説明すると、マザー基板12内のカラーフィルタ領域一列分について全てフィルタエレメント材料の吐出が完了する(ステップS17)と、液滴供給ヘッド22は所定量送り方向Yに移動し、再び上記と同様にステップS13乃至S16の動作を繰り返す。そして、最終的にマザー基板12上の全列のカラーフィルタ領域に対してフィルタエレメント材料の吐出が終了する(ステップS18)と、ステップS20において基板供給装置23又は別の搬出機構によって、処理後のマザー基板12が外部へ排出される。その後、オペレータから作業終了の指示がない限り、上記のようにマザー基板12の供給と、液滴の吐出作業を繰り返し行う。
【0085】
オペレータから作業終了の指示がある(ステップS21)と、CPU69は液滴供給ヘッド22を図15に示すキャッピング装置76の所まで搬送し、そのキャッピング装置76によって液滴供給ヘッド22に対してキャッピング処理を施す(ステップS22)。
【0086】
以上のように構成された成膜装置16においては、液滴供給ヘッド22を走査方向Xに走査しながらインクの液滴を連続して吐出させ、この走査を送り方向Yへの移動(送り動作)を介して繰り返し行うことにより、対象物(マザー基板12)の表面の所定領域上に平面的に液状材料を着弾させ、成膜することができるようになっている。
【0087】
ところで、一般に、液滴供給ヘッド22のノズル列28を構成する複数のノズル27の吐出量は、相互に必ずしも同一ではなく、特に、ノズル列28の両端部に存在する数個(例えば10個ずつ)のノズル27について特に吐出量が多くなる傾向がある。このように、吐出量が他のノズル27に較べて多いノズル27を使用することは、インク吐出によって形成される膜厚を均一にするために好ましくない。したがって、例えば、ノズル列28を形成する複数のノズル27のうち、ノズル列28の両端部Eに存在する数個、例えば10個程度、は予めインクを吐出しないものと設定しておき、残りの部分に存在するノズル27のみを用いることが好ましい。
【0088】
また、液滴供給ヘッド22の吐出する液滴の一滴で所定領域に成膜を行うのではなく、複数の液滴によって成膜を行うようにすることによって、形成された膜の厚さのばらつきを低減できる。すなわち、複数の領域毎に成膜を行う場合、個々の液滴の量に或る程度のばらつきが存在しても、複数の液滴によって一つの領域の成膜を行うことによって、各領域に形成される膜の厚さのばらつきが低減される。
【0089】
液滴供給ヘッド22の構造としては、上記のものに限らず、種々の構造のものを用いることができる。例えば、図18に示す液滴供給ヘッド22Aは、基準方向Sに配置された2列のノズル列28,28を備えている。これらのいずれのノズル列28にも、上記と同様に複数のノズル27が含まれる。また、図22に示す液滴供給ヘッド22Bは、基準方向Sに配列された3列のノズル列28R,28G,28Bを備えている。これらのいずれの液滴供給ヘッド22A,22Bでも、各ノズル列28のノズル27から吐出される液滴の材料を同じものとすることもでき、相互に異なるものとすることもできる。例えば、図18に示す液滴供給ヘッド22Aは2つのノズル列28のいずれの列のノズル27からも同じ液状材料が吐出されるように構成されており、図22に示す液滴供給ヘッド22Bでは、各ノズル列28R,28G,28Bのノズル27から吐出される液状材料が相互に異なるものであり、例えば、後述するフィルタエレメント材料13R,13G,13Bとなるように用いられる。
【0090】
[成膜方法及び成膜装置の詳細構成]
次に、上記のように構成された成膜装置を用いて行う成膜方法において、本発明に係る成膜方法及び成膜装置の特徴点に関して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、上記成膜方法及び成膜装置のより具体的な構成には直接対応しない、一般的な構成に対応可能な表現で記述する。したがって、本実施形態の構成としては、一般的な構成としても把握することができ、また、上記の図15乃至22に示した具体的な成膜方法及び成膜装置にも適用することのできる構成としても把握できる。
【0091】
図1は、本実施形態の成膜方法及び成膜装置の原理を説明するための説明図である。まず、基板等の対象物1が配置され、この対象物1の表面に対して液滴4aを供給する液滴供給手段2(上記の液滴供給ヘッド22に対応する。)が対向配置される。対象物1に対して液滴供給手段2は走査方向Xに相対的に走査できるように構成される。ここで、図示例では対象物1を走査方向Xに走査速度Vxで移動させるようにしているが、逆に、液滴供給手段2を移動させてもよく、さらに、対象物1と液滴供給手段2の双方を移動させても構わない。また、図示例では、走査方向Xの正の向きを対象物1の移動の向きに設定しているが、液滴供給手段2の相対的な移動の向きに設定しても構わない。いずれにしても、下記の各種パラメータ(δx、δd)の符号をどちらかの向きにすべて統一してあればよい。
【0092】
また、液滴供給手段2は、駆動手段3から出力される駆動信号3aによって駆動される。駆動手段3は、たとえば、駆動信号3aを出力する適宜の駆動回路によって構成される。駆動手段3の出力する駆動信号3aは、駆動周期Td(駆動周波数Fdの逆数)を備えた周期信号である。ただし、この駆動信号3aは、一つの駆動周期Tdの駆動波形によって液滴供給手段2のノズル2aから一つの液滴4aを吐出させ、対象物1の表面上に液状材料2bを供給するようになっているため、連続して液滴4aを吐出させる場合には駆動周期Tdで所定の駆動波形が繰り返し現れるが、ある期間において液滴4aを吐出させる必要がない場合には、その期間に相当する駆動信号3aの所定の駆動周期Tdには駆動波形が現れないことになる。すなわち、駆動手段3は、駆動信号の駆動周期Tdの一つ一つにおいて駆動波形を形成して液滴供給手段2を駆動するか否かを制御できるように構成されている。
【0093】
上記の駆動信号3aによって、液滴供給手段2は、上記の駆動周期Td毎に液滴4aを吐出することができる。したがって、対象物1と液滴供給手段2とが相対的に走査速度Vxで走査されたときには、対象物1の表面上における液滴供給位置の分解能Rxは、駆動周期Tdと走査速度Vxとの積になる。すなわち、Rx=Td×Vxである。この分解能Rxは、液滴供給手段2によって走査方向Xに連続的に液滴4aを吐出していく場合の液滴供給位置の最小間隔である。
【0094】
図2は、対象物1の表面に配列される平面周期構造1Pと、この平面周期構造1Pに合わせて供給される液状材料4bとの関係を示す平面図である。平面周期構造1Pは、液滴供給手段2によって供給される液滴4aが着弾して配置される液状材料4bによって成膜されるべき構造であり、たとえば、図2に示す例では、対象物1の表面上に縦横にそれぞれ間隔を隔てて配置される領域Pを有する周期構造である。この構造においては、領域Pが図示縦方向である走査方向Xと、図示横方向である送り方向Yのいずれにもほぼ等間隔に配列された例が示されている。ここで、この平面周期構造1Pの走査方向Xの構造周期をDxとし、送り方向Yの構造周期をDyとする。なお、図示例では走査方向Xと送り方向Yとは相互に直交しているが、走査方向Xと送り方向Yとは必ずしも直交する必要はなく、相互に交差する方向となっていればよい。また、この平面周期構造1Pは、走査方向Xと直交する方向である送り方向Yに見た異なる2つの位置にある2つの領域Pの列Y1〜Y5間において、相互に走査方向Xの周期性に位相差が存在しないパターンとなっている。
【0095】
上記のような平面周期構造1Pを構成しようとするときには、対象物1の表面上に仮想的に設定された領域Pに向けてそれぞれ液滴4aを吐出し、当該領域P内に液状材料4bを配置していく。このとき、本実施形態では、分解能Rx(=Td×Vx)の自然数倍が、形成すべき平面周期構造1Pにおける走査方向Xの構造周期Dxとなるように設定する。すなわち、Dx=n×Rx(nは自然数)である。このようにすると、図1に示すように、対象物1に対して液滴供給手段2を相対的に走査方向Xに走査しながら液滴4aを吐出させていく際に、図2に示すように、領域P内における液状材料4bの配置を、走査方向Xに配列されている複数の領域P間において相互に対応した位置に設定することができる。たとえば、図示例のように、ある領域Pにおいて領域Pのほぼ中心部に液状材料4bが配置されたとすれば、他の領域Pにおいてもそのほぼ中心部に液状材料4bが配置されるようにすることができる。したがって、走査方向Xに配列された複数の領域P間において液状材料4bの配置のばらつきを低減することができ、それによって成膜ムラを低減することができる。
【0096】
このとき、図示一点鎖線で示すように液滴供給手段2が単一のノズル2aのみを有しているとすれば、たとえば、図2に示す領域Pの列Y2を走査方向Xに向けて走査しながら液滴4aを吐出して液状材料4bを配置した後に、図示の送り方向Yに液滴供給手段2を構造周期Dy分だけ送る送り動作を行い、その後、異なる領域Pの列Y3に、上記と同様の走査を行いつつ液滴4aを吐出し、液状材料4bを配置していく。そして、同様の動作を繰り返して、走査方向Xに配列された列Y4,Y5についても順次液滴を配置していく。このようにすると、縦横に周期性を有する平面周期構造1Pを形成することができる。
【0097】
ただし、液滴供給手段2としては、単一のノズル2aのみを有する構成とする必要はなく、複数のノズル2aを有していてもよいことはもちろんである。たとえば、図示の液滴供給手段2′では、複数のノズル2aが配列方向2bに沿って配列されている。この場合、ノズル2aの配列周期が走査方向Xと交差する方向に見た平面周期構造1Pの構造周期と一致すれば、複数のノズル2aによって一度に複数の列Y1〜Y5に対して液状材料を配置していくことができる。図示例では、走査方向Xと直交する送り方向Yと、液滴供給手段2′におけるノズル2aの配列方向2bとを一致させた状態で、送り方向Yに見た平面周期構造1Pの構造周期Dyと、ノズル2aの配列周期とが一致するように構成された例を示してある。この場合には、液状供給手段2′による液滴2aの吐出によって、走査方向Xに配列された領域P間だけでなく、送り方向Yに配列された領域P間についても、液状材料4bの配置のばらつきをほとんど消失させることが可能になる。なお、このように複数のノズルを有する液滴供給手段2′を用いる場合でも、上記の液滴供給手段2と同様に、送り方向Yへの送り動作を間に挟みながら複数回の走査ステップを実施することができる。また、各領域P内に複数の液滴を供給して平面周期構造1Pを形成する場合には、複数のノズルを有する液滴供給手段2′を、送り方向にノズルの数よりも少ない列(例えば1列)だけ送る送り動作を挟んで、順次走査ステップを繰り返し行うこともできる。このようにすると、複数のノズル間における液状材料の吐出量のばらつきに起因する成膜ムラを低減できる。
【0098】
図3は、上記とは異なる液滴供給手段2″を用いた場合の、対象物1に形成されるべき平面周期構造1Pとの関係を示す平面図である。ここで、液滴供給手段2″には、複数のノズル2aが配列方向2bに配列されている。ここで、これらのノズル2aの間隔をNpとする。また、平面周期構造1Pの走査方向Xの構造周期をDx、送り方向Yの構造周期をDyとする。この例では、走査方向Xに直交する送り方向Yに見た構造周期Dyと、液滴供給手段2″のノズル間隔Npとが異なる。このため、液滴供給手段2″のノズル2aの配列方向2bを送り方向Yに対して傾斜角度θで傾斜させることによって、ノズル2aの送り方向Yに見た間隔(Np・cosθ)が構造周期Dyに一致するようにしている。
【0099】
上記の姿勢で液滴供給手段2″を走査方向Xに走査しながら液滴を吐出していった場合、液滴の供給位置は、送り方向Yには平面周期構造1Pの周期性に合致したものとなる。しかし、ノズル2aの配列方向2bを送り方向Yに対して傾斜させたことによって、隣接するノズル2a間には、走査方向Xの位置ずれ量δx、
δx=Np・sinθ=Dy・tanθ
が生ずる。この位置ずれ量δxは、液滴供給手段2″のノズル間隔を送り方向Yの構造周期Dyに合致させるために設定される上記傾斜角度θに依存するため、一般に、上記分解能Rx(図1参照)の自然数倍に一致するとは限らない。したがって、液滴供給手段2″の複数のノズル2aにおいて同時に液滴が吐出されるように構成されている場合(例えば、共通の駆動信号によって全てのノズルが動作するように構成されている場合)には、たとえば、図示の走査方向Xに配列された領域Pの列Y3において液状材料4bが中心部に配置されるように液滴を吐出させると、この列Y3以外の列Y1,Y2,Y4,Y5においては、図示点線で示すように、領域Pの中心部から外れた位置に液状材料が配置されることになる。より具体的には、列Y3に隣接する列Y2及びY4では、液滴の位置は領域Pの中心部から走査方向Xにδxだけずれることになり、これらの列のさらに反対側の列Y1、Y5では、液滴の位置は領域Pの中心部から走査方向Xに2δxだけずれることになる。すなわち、ノズル2aが等間隔で配列されている場合には、各ノズル間の走査方向Xの位置ずれ量はiδx(iは自然数)となる。例えば、図示例の場合、本来、符号2a(4)′の位置にノズルがあれば問題は生じないが、実際にはノズル2a(4)はノズル2a(3)に対して走査方向Xにδxだけずれている。したがって、ノズル2a(3)と2a(4)とから同時に液滴を吐出させた場合には、液滴の供給位置もまたδxだけ走査方向Xにずれることになる。
【0100】
実際には、図1に示す駆動手段3によって、列Y3に対応するノズル2a(3)において液滴供給が行われる駆動周期と、その他の列に対応するノズル2aにおいて液滴供給が行われる駆動周期とを、その位置ずれ量δx、2δxに応じて異ならしめることによって、液状材料の走査方向Xの位置ずれ量をδxよりも小さくすることはできる。しかしながら、上記のようにδxが分解能Rxの自然数倍でない限り、送り方向Yに配列される領域P間における液状材料4bの配置の走査方向Xへの位置ずれは完全には解消されない。したがって、この場合には、送り方向Yに周期的な液状材料の偏りが生じるため、送り方向Yに縞状の成膜ムラ(カラーフィルタや発光体の場合には色ムラや輝度ムラなど)が発生する。
【0101】
そこで、上記の位置ずれ量δx、2δxを補償するように、ノズル2aの位置を走査方向Xにずらすことが考えられる。たとえば、図4に示すように、列Y1に対応するノズル2a(1)と、列Y2に対応するノズル2a(2)と、列Y3に対応するノズル2a(3)とを考えると、ノズル2a(1)とノズル2a(2)との間には走査方向Xにδxのずれがあり、ノズル2a(1)とノズル2a(3)との間には走査方向Xに2δxの位置ずれがある。このとき、ノズル2a(2)及びノズル2a(3)の位置を、上記位置ずれに相当する量だけ逆に走査方向X(図示上下方向)に修正することによって、ノズル位置のずれに起因する液滴の供給位置のずれも解消する。
【0102】
しかしながら、上記の液滴供給手段2のノズル位置の修正量は、傾斜角度θに対応する距離δx=Np・sinθであり、多数のノズルが設けられている場合には、相互に離隔された位置にあるノズルの修正量はきわめて大幅なものになるが、このような大幅な修正量を支障なく受け入れることのできるような上記材料室を構成することは一般に困難である。そこで、この修正量を低減するために、ノズル2aの位置修正量を、上記のδxではなく、このδxを分解能Rxで除算したときの自然数の商mを出したときの剰余、或いは、分解能Rxから左記剰余を減算した値(以下、単に「剰余値」という。)Sx=δx−m・Rx(mは自然数)、或いは、2δx−m・Rxとする方法が考えられる。この場合、自然数mは、(m−1)・Rx<δx<m・Rx、若しくは、m・Rx<δx<(m+1)・Rx(或いは、(m−1)・Rx<2δx<m・Rx、若しくは、m・Rx<2δx<(m+1)・Rx)が成立する自然数である。このようにすると、ノズル2aの位置修正量を大幅に低減できる。
【0103】
上記のように構成したときには、液滴供給手段2″の複数のノズル2aを相互に独立に制御する必要がある。たとえば、図5に示すように、液滴供給手段2″に、各ノズル2aをそれぞれ有する独立した複数の液滴供給構造2Aを設けることが考えられる。この独立した液滴供給構造2Aは、駆動手段3からの駆動信号3aをそれぞれ受けて、相互に独立した駆動波形によって液滴を吐出することができる。複数の液滴供給構造2Aに対応する複数の駆動信号3aは、相互に同期した共通の駆動周期にて送られる駆動波形を有するものとなっているが、それらの駆動波形は、複数の駆動信号3a毎に異なるものとすることができるように構成されている。したがって、複数のノズル2a毎に独立に、いずれの駆動周期において液滴を吐出し、いずれの駆動周期において液滴を吐出しないかを選択することができる。
【0104】
また、ノズル2aの位置を修正する態様としては、図6(a)に示す液滴供給手段2Pのように、或るノズル2a(0)に対して、その両側にあるノズル2a(+1)及び2a(−1)を、本来のノズル位置に対してノズルの配列方向2bと直交する方向に位置をずらすように修正し、最終的に、上述の最適位置になるように構成することが考えられる。また、図6(b)に示す液滴供給手段2Qのように、本来のノズル位置に対して予め平面周期パターン1Pに対応する傾斜角度θを求めておき、配列方向2bとの交差角が傾斜角度θとなる方向にノズル位置をずらすように修正する方法も考えられる。
【0105】
さらに、上記のようにノズル2aの位置を修正する代わりに、図4に示すノズル2a(1)の液滴の供給タイミングに対して、ノズル2a(2)やノズル2a(3)の液滴の供給タイミングをδt=δx/Vx、2δt=2δx/Vxだけ遅らせることが考えられる。この場合でも、各ノズルにおける液滴の吐出制御を相互に独立して行う必要がある。この場合の液滴供給手段2″の構成としては、図5に示す構成を採用できる。ここで、上記の剰余値Sxを用いて、ノズル2a間の供給タイミングの差を、上記のδt、2δtではなく、δts=Sx/Vx=(δx−m・Rx)/Vx(或いは、=(2δt−m・Rx)/Vx)としてもよい。この場合、自然数mは、(m−1)・Rx<δx<m・Rx、若しくは、m・Rx<δx<(m+1)・Rx(或いは、(m−1)・Rx<2δx<m・Rx、若しくは、m・Rx<2δx<(m+1)・Rx)が成立する自然数である。このようにすると、複数のノズル間における液滴の供給タイミングの時間差を小さくすることができる。
【0106】
図8は、上記の描画演算部690を異なる構成によって表した構成ブロック図である。この描画演算部690の機能実現手段としては、液滴の吐出制御全体を制御するための液滴供給制御手段691と、この液滴供給制御手段691により制御されて所定の駆動周波数Fd(駆動周期Td)を有する駆動信号を発生する駆動信号発生手段692と、この駆動信号発生手段692の駆動周波数Fd或いは駆動周期Tdを設定するための駆動周波数設定手段693と、駆動信号発生手段から出力される駆動信号の駆動波形を選択するための駆動波形選択手段694とを有する。この駆動波形選択手段694によって図9(a)に示す所定の駆動信号3aが出力される。
【0107】
上記の駆動周波数設定手段693は、駆動信号発生手段692の駆動周波数Fd(或いは駆動周期Td)を設定することができる。そして、この駆動周波数Fdの設定によって、分解能Rx=Td×Vxを適宜の値に調整することができる。したがって、走査速度Vxを変更しなくても分解能Rxを変更、調整することができるので、製造効率を犠牲にすることなく、上記のように走査方向Xの液滴の供給位置を均一化することができ、成膜品位を向上させることができる。
【0108】
また、上記液滴供給制御手段691によって制御される位置制御手段696を有し、この位置制御手段696は、液滴供給手段2(上記の液滴供給ヘッド22に相当する。)や対象物1を動作する駆動機構5(上記のヘッド位置制御装置17,基板位置制御装置18,走査駆動装置19,送り駆動装置21,ヘッド駆動回路72に相当する。)を制御駆動する。
【0109】
本実施形態においては、図5に示す複数のノズル毎にそれぞれ異なる駆動信号3aを供給するために、駆動信号調整手段695が設けられている。この駆動信号調整手段695は、駆動波形選択手段694から出力された駆動波形(図9(a))を元に、複数のノズル毎にそれぞれ必要な駆動周期にのみ駆動波形を有する個別の駆動信号を形成する。これらの個別の駆動信号は、たとえば、図9(b)に示すように、ノズル毎に、そのいずれの駆動周期Tdに駆動波形を形成し、いずれの駆動周期Tdに駆動波形を形成しないかを調整したものである。なお、単一の駆動信号のみが必要とされる場合には、上記の駆動信号調整手段695は不要である。
【0110】
上記駆動信号としては、図9(c)又は(d)に示すように、基準となるノズルに対応する駆動信号(a)或いは(b)に対して、上記の供給タイミングの時間差δtsだけ、位相差を設けることができる。そして、この時間差δtsに応じてノズル間の液滴の供給タイミングをずらすことができるので、駆動周期に上記の時間差を有する複数の駆動信号を複数のノズル2aのそれぞれに設けられた液滴供給構造2Aに印加することによって、上述の原理に従って送り方向Yの領域P間の液滴供給位置のばらつきを抑制できる。
【0111】
(実施例) 次に、上記の説明に対応するより具体的な実施例について説明する。図7は、いわゆるデルタ配列と呼ばれる平面周期パターン(カラーパターン)1P′を示すものである。この平面周期パターン1P′の具体例としては、たとえば、後述するカラーフィルタのフィルタエレメントの配列パターンやEL装置などにける発光領域の配列パターンなどが挙げられる。この平面周期パターン1P′内に配列された複数の領域Pには、複数種類の色要素R,G,Bのいずれかが形成されている。ここで、平面周期パターン1P′における走査方向Xに見た構造周期としては、全ての色要素R,G,Bの領域Pを同一の構造単位と見た場合の構造小周期dxと、色要素R,G,Bのそれぞれを別々の構造単位と見た場合の構造大周期Dxとが存在する。また、これと同様に、平面周期パターン1P′における送り方向Yに見た構造周期としては、全ての色要素R,G,Bの領域Pを同一の構造単位と見た場合の構造小周期dyと、色要素R,G,Bのそれぞれの領域Pを別々の構造単位と見た場合の構造大周期Dyとが存在する。
【0112】
本実施形態では、上記のデルタ配列を有する平面周期パターン1P′において、色要素R,G,B毎に別々の液滴供給手段2R,2G,2Bを用いて形成していくようにしている。そして、色要素R,G,Bのいずれか一つのみ(たとえばR)に注目すると、平面周期パターン1P′を、構造周期Dx,Dyを備えた一種の色要素(たとえばR)の領域Pのみが配列された平面周期構造であるものとみなして、上記と同様の成膜方法を実施することができる。
【0113】
なお、このデルタ配列の平面周期パターン1P′においては、走査方向Xに配列された領域Pの列Y1〜Y6の相互の位置関係が図1乃至図3に示す平面周期構造の場合と異なる。すなわち、この平面周期パターン1P′では、走査方向Xと直交する方向、すなわち送り方向Yに見た異なる2つの位置にある、例えば隣接する列Y1と列Y2との間において、走査方向Xの周期性に半周期、すなわち構造周期Dxの半分(π[rad](180度))の位相差が存在する。これは、色要素Rの領域Pのみに注目しても全く同様である。したがって、列間の液滴供給位置の関係としては、図1乃至図3に示すように、全ての列Y1〜Y5において走査方向Xの周期性が同位相となっている場合に対して、ノズル位置を走査方向Xに半周期ずらすか、液滴を吐出する駆動周期を構造周期Dxの位相差(半周期)に相当する分だけ変えるか、或いは、液滴の供給タイミングを上記位相差分だけ変えるかすることによって、上記の説明と同様に成膜できる。
【0114】
すなわち、上記平面周期構造1Pにおいて説明した場合には、隣接する列間における走査方向の周期性に位相差が存在しなかったため、単にノズル位置のずれδxのみを考慮すればよかったのであるが、この平面周期パターン1P′の場合には、隣接する列間における走査方向の周期性に位相差δd(=0.5Dx)が存在するので、上記のノズル位置のずれδxと、この位相差δdとの差δp(=δd−δx)を求める。そして、このδpが0になるか、或いは、分解能Rxの自然数倍になるように、上記と同様に、ノズル位置を修正するか、或いは、ノズル間における液滴の供給タイミングをずらすことによって、列間の液滴の供給位置の変動をなくすことができる。
【0115】
次に、上記図7に示す平面周期パターン1P′に対して、実際に、上記成膜装置16を用いて成膜を行った。ここで、色要素R,G,Bに対してそれぞれ上記の成膜方法を適用することも可能である。しかしながら、上記の色要素のいずれか一つ或いは二つに対してのみ上記の成膜方法を適用してもよい。色要素のいずれか一つのみに上記の成膜方法を適用する場合には、特に、色要素B(青)のみに対して上記の成膜方法を用いることが好ましい。なぜならば、色要素B(青)は、他の色要素R(赤)やG(緑)に較べて成膜ムラに起因する色ムラや輝度ムラが最も目立ちやすいからである。
【0116】
ここで、上記のデルタ配列の平面周期パターン1P′の走査方向Xの構造小周期dxを114μm、送り方向Yの構造小周期dyを116μm、隣接する領域P間の走査方向Xに見た間隙を16μm、送り方向Yに見た間隙を27μmと設定した。ノズル列のノズル数は180、ノズルピッチは141.11μm、傾斜角度θは34.7度、各領域P内には、図10に示すように、一回の走査で4ドットの液滴を注入し、4回走査を行うことによって、合計16ドットの液滴を注入した。ただし、一般には、一回の走査で注入する液滴の数をj、走査回数(パス回数)をkとし、合計L=j×k個の液滴を注入することができる。
【0117】
液滴に含まれる液状材料の量は、8〜10[ng]であり、走査速度Vxを80[mm/秒]とした。そして、本実施形態の液滴供給手段2の駆動周波数Fdを13.3[kHz](すなわち、駆動周期Tdを75.188[μ秒])とし、これによって分解能Rxを6[μm]とした。このとき、走査方向Xの構造周期Dxは342[μm]であり、これを分解能6[μm]で除算すると、商は自然数57で割り切れる。この条件で行う成膜方法を実施例とした。
【0118】
また、分解能Rxを4[μm]にし、他の条件は上記と同様にしたとき、上記と同様に、走査方向Xの構造周期Dxを分解能Rxで除算すると、商は自然数にならず、割り切れない。この条件で行う成膜方法を比較例1とした。
【0119】
さらに、分解能Rxを8[μm]とし、他の条件は上記と同様にしたときにも、走査方向Xの構造周期Dxを分解能Rxで除算しても割り切れない。この条件で行う成膜方法を比較例2とした。
【0120】
なお、上記実施例、比較例1及び比較例2は、いずれも、送り方向Yに配列される領域間における液滴の供給位置のずれを補償しない方法で行った。
【0121】
図11には、上記比較例2と実施例における色要素B(青)の領域Pについて上記成膜方法を実施したときの当該色要素Bの領域P(B)の内部の輝度分布を測定した結果を示す。図11(a)は、領域P(B)の内部をほぼ20μm間隔で設定した測定点14箇所を示してある。また、図11(b)は、上記測定点における比較例2の領域P(B)の輝度Yの分布を、図11(c)は、上記測定点における実施例の領域P(B)の輝度Yの分布を示す。ここで、番号1〜5は走査方向に見た五つの測定位置をそれぞれ示し、これらの走査方向に見た測定位置1〜5に対して、それぞれ、レフト(L)、センター(C)、ライト(R)の3つ或いは2つの測定点がある。
【0122】
上記のグラフに示すように、実施例の領域Pにおいては、各測定点の輝度Yのばらつきが比較例2に較べて大幅に小さくなっている。これによって、実施例では、比較例2よりもより均一で平坦な成膜状態が得られていることがわかる。
【0123】
次に、上記比較例1における液滴の供給位置のずれ量を試算した結果を図12に示し、上記実施例における液滴の供給位置のずれ量を試算した結果を図13に示し、上記比較例2における液滴の供給位置のずれ量を試算した結果を図14に示す。これらのデータは、最初の1回の走査時において、図10に示す4つの液滴の供給位置▲1▼〜▲4▼のうち、走査方向X側の供給位置▲4▼に向けて吐出される液滴の走査方向Xの位置を示すものである。各図の(A)は、上記の位置ずれ量の平面パターンを示すものであり、図示上下方向を上記の走査方向Xとし、図示左右方向を送り方向Yとして、位置ずれ量の大きいところ(10〜20μm)を黒く、位置ずれ量の小さいところ(10μm未満)を白く表してある。また、各図の(B)は走査方向に配列された領域Pについて上記の位置の変動パターンをプロットしたもの、各図の(C)は送り方向に配列された領域Pについて上記の位置の変動パターンをプロットしたものである。
【0124】
これらを見ると、いずれの成膜方法でも送り方向Yの液滴の位置ずれを補償していないので、いずれも送り方向Yの周期性(成膜ムラ)は発生しているが、実施例では走査方向の液滴供給位置のばらつきは全く発生していない。一方、比較例1では、走査方向の液滴供給位置の位置は、変動幅は小さいものの周期的に変動していることがわかる。さらに、比較例2では、走査方向の液滴供給位置の変動幅は14μmあり、大きく変動している。これによって、実施例では、走査方向に関しては成膜ムラがほとんど発生しないのに対して、比較例1,2では走査方向Xに大きな成膜ムラが発生することがわかる。
【0125】
本実施形態の成膜方法及び成膜装置を用いて形成された平面周期構造(平面周期パターン)1P、1P′においては、少なくとも所定の方向(走査方向X)に見たときの各領域P間における成膜状態(厚さ分布や濃度分布など)が均一となり、従来のような周期的な成膜状態の変動が消失する。したがって、数μm〜数十μm程度の微細な領域が配列されてなる平面周期構造であっても、視野を拡大して観察することによって、成膜状態の高品位化が達成されていることを容易に確認することができる。
【0126】
[カラーフィルタ及びその製造方法]
次に、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法の実施形態について説明する。この実施形態では、上記成膜装置16を用いてカラーフィルタ基板を製造する例について説明するが、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、製造に用いる装置構造によって限定されるものではない。図27はカラーフィルタ基板2の製造工程を示す工程断面図(a)〜(d)である。このカラーフィルタ基板は、基板12上にカラーフィルタが形成されたものである。なお、基板12としては、図29(a)に示すマザー基板301と同様に、複数のカラーフィルタ1を縦横に配列させた状態で含む大面積のマザー基板であることが好ましい。
【0127】
本実施形態のカラーフィルタ基板10は、図27(d)に示すように、ガラスやプラスチックなどによって形成された例えば方形状の基板(基材)12の表面に、複数のフィルタエレメント9をドットパターン状(ドットマトリクス状)に配置したものである。さらに、カラーフィルタ基板10には、上記フィルタエレメント9の表面上に保護膜11が積層されている。
【0128】
カラーフィルタ基板10は、基板12の表面上に、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁6が形成され、この隔壁6により例えば方形状の領域7が区画されていて、この領域7を色材で埋めることによってフィルタエレメント9が形成される。これらのフィルタエレメント9は、それぞれが、R(赤)、G(緑)、B(青)のうちのいずれか1色の色材によって形成され、それらの各色のフィルタエレメント9R,9G,9Bが所定の配列に並べられている。この配列としては、例えば、図7に示すデルタ配列(フィルタエレメントの配置を段違いにし、任意の隣接する3つのフィルタエレメントがR,G,Bとなる配列)の他に、図37(a)に示すストライプ配列(マトリクスの縦に並ぶ列のフィルタエレメントが全て同色になる配列)、図37(c)に示すモザイク配列(縦横の直線状に並んだ任意の3つのフィルタエレメントがR,G,Bの3色となる配列)などが挙げられる。なお、本発明における「隔壁」は、「バンク」の意味をも含む言葉として使われ、基板からほぼ垂直な角度の側面に限らず、或る程度の傾斜角を持った側面を有するものを含み、基板から見て凸になる部分を指す。
【0129】
なお、カラーフィルタ基板10において、1個のフィルタエレメント9の大きさは、例えば30μm×100μmである。そして、隣接するフィルタエレメント9の間隔、すなわちエレメント間ピッチは、例えば75μmである。
【0130】
本実施形態のカラーフィルタ基板10をカラー表示(フルカラー表示)のための光学要素として用いる場合には、R,G,B3個のフィルタエレメント9を1つのユニットとして画素が構成され、1画素内のR,G,Bのいずれか1つ又はそれらの組合せに光を選択的に透過させることにより、カラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁6はブラックマスクとして作用するように構成できる。
【0131】
上記のカラーフィルタが上記の大面積のマザー基板において複数形成される場合には、このマザー基板を切断することによって相互に分離され、個々のカラーフィルた基板10が形成される。具体的には、まず、マザー基板内に設定された複数のカラーフィルタ形成領域(単位領域)のそれぞれの表面にカラーフィルタの1個分のパターンを形成する。そして、それらのカラーフィルタ形成領域の周りに分断用の溝を形成し、これらの溝に沿って応力を加えるなどの方法でマザー基板を分断(破断)させることにより、個々のカラーフィルタ基板10が形成される。
【0132】
次に、上述のカラーフィルタ基板10の製造方法についてより具体的に説明する。図27(a)に示すように、まず、基板12の表面に透光性のない樹脂材料によって隔壁6を矢印B方向から見たときに格子状のパターンになるように形成する。格子状パターンの格子穴の部分は、フィルタエレメント9が形成される領域7、すなわちフィルタエレメント形成領域である。この隔壁6によって画成される個々の領域7の矢印B方向から見た場合の平面寸法は、例えば30μm×100μm程度に形成される。
【0133】
隔壁6は、領域7に供給される液状材料であるフィルタエレメント材料13の流動を阻止する機能と、領域7間を遮光するブラックマスクの機能とを併せて有する。また、隔壁6は任意のパターニング手法、例えばフォトリソグラフィ法によって形成され、さらに必要に応じてヒータによって加熱されて焼成される。
【0134】
隔壁6の形成後、図27(b)に示すように、フィルタエレメント材料13の液滴8を各領域7に供給することにより、各領域7をフィルタエレメント材料13で埋める。これは、例えば、上述の成膜装置16の液滴供給ヘッド22からフィルタエレメント材料13の液滴8を吐出させ、領域7内に着弾させることによって行われる。図27(b)において、符号13RはR(赤)の色を有するフィルタエレメント材料を示し、符号13GはG(緑)の色を有するフィルタエレメント材料を示し、符号13BはB(緑)の色を有するフィルタエレメント材料を示す。
【0135】
各領域7に所定量のフィルタエレメント材料13が充填されると、ヒータによって例えば70℃程度に加熱して、フィルタエレメント材料13の溶媒を蒸発させる。この蒸発により、図27(c)に示すようにフィルタエレメント材料13の体積が減少し、平坦化する。体積の減少が著しい場合には、カラーフィルタとして充分な膜厚が得られるまで、フィルタエレメント材料13の液滴8の供給とその液滴8の加熱とを繰り返し実行する。以上の処理により、最終的にフィルタエレメント材料13の固形分のみが残留して膜化し、これにより、希望する各色のフィルタエレメント9が完全に成膜される。
【0136】
上記のようにフィルタエレメント9が形成された後に、各フィルタエレメント9を完全に乾燥させるために、所定の温度で所定時間の加熱処理を実行する。その後、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ディピング法、又は、インクジェット法などといった適宜の手法を用いて保護膜11を形成する。この保護膜11は、フィルタエレメント9などの保護及びカラーフィルタ基板10の表面の平坦化のために形成されるものである。なお、本実施形態では、隔壁6の樹脂を非透光性のものとしていて、遮光機能を有するもの(ブラックマトリクス)として構成しているが、隔壁6を構成する樹脂に透光性のものを用いる代りに、当該樹脂の下層に当該樹脂よりも一回り広いサイズのCrなどの金属などからなる遮光層を形成してもよい。
【0137】
本実施形態においては、図27(b)に示すようにフィルタエレメント材料13をインクとして、上記成膜装置16によって各領域7にそのインクの液滴8を着弾させることにより、フィルタエレメント3を形成するようにしている。この場合、3色のフィルタエレメント9(9R,9G,9B)を形成するための3種のフィルタエレメント材料13R,13G,13Bを、全て基板12(マザー基板)に対する同じ走査方向Xに相対的に液滴供給ヘッド22を走査させながら吐出していく。この走査ステップと、送り方向Yへ送る送り動作とを順次に繰り返して行う方法は、上記成膜装置16について説明したとおりであり、その際に用いる液滴の供給位置に関する制御方法は上記成膜方法について説明したとおりである。
【0138】
[カラーフィルタを備えた表示装置(電気光学装置)及びその製造方法]
図23は、本発明に係る表示装置(電気光学装置)の製造方法の一例としての、液晶装置の製造方法の実施形態を示している。また、図24は、当該製造方法によって製造される表示装置(電気光学装置)の一例としての液晶装置101の実施形態を示している。さらに、図25は、図24のIX−IX線に沿った液晶装置101の断面構造を示している。最初に、この液晶装置101の構造について図24及び図25を参照して説明する。なお、この液晶装置101は、単純マトリクス方式でフルカラー表示を行う半透過反射型の液晶装置である。
【0139】
図24に示すように、液晶装置101は、液晶パネル102に半導体チップ等として構成された液晶駆動用IC103a及び液晶駆動用IC103bを実装し、配線接続要素としてのFPC(フレキシブル印刷回路)104を液晶パネル102に接続したものである。液晶装置101は、液晶パネル102の裏面側に照明装置106をバックライトとして設けることによって構成されている。
【0140】
液晶パネル102は、第1基板107aと第2基板107bとをシール材108によって貼り合わせることによって形成される。シール材108は、例えば、スクリーン印刷などによってエポキシ系樹脂を第1基板107a又は第2基板107bの内側表面に環状(周回状)に付着することによって形成される。また、シール材108の内部には図25に示すように導電性材料によって球状又は円筒状に形成された導通材109が分散状態で含まれる。
【0141】
図25に示すように、第1基板107aは透明なガラス、透明なプラスチックなどによって形成された板状の基材111aを有する。この基材111aの内側表面(図25の上側表面)には反射膜112が形成されている。また、その上に絶縁膜113が積層され、その上に第1電極114aが矢印D方向から見てストライプ状(図24参照)に形成されている。さらにその上には配向膜116aが形成される。また、基材111aの外側表面(図25の下側表面)には偏光板117aが貼着などによって装着される。
【0142】
図24においては、第1電極114aの配列を判り易くするために、それらの間隔を実際よりも大幅に広く描いてある。したがって、図面上で描かれている第1電極114aの本数よりも実際には多数の第1電極114aが基材111a上に形成されている。
【0143】
図25に示すように、第2基板107bは透明なガラスや透明なプラスチックなどによって形成された板状の基材111bを有する。この基材111bの内側表面(図25の下側表面)にはカラーフィルタ118が形成され、その上に第2電極114bが上記第1電極114aと直交する方向へ矢印Dから見てストライプ状(図24参照)に形成されている。さらにその上には配向膜116bが形成されている。また、基材111bの外側表面(図25の上側表面)には偏光板117bが貼着などによって装着されている。
【0144】
図24おいては、第2電極114bの配列を判り易くするために、第1電極の場合と同様に、それらの間隔を実際よりも大幅に広く描いてある。したがって、図面上で描かれている第2電極114bの本数よりも実際には多数の第2電極114bが基材111b上に形成されている。
【0145】
図25に示すように、第1基板107a、第2基板107b及びシール材108によって囲まれる液晶封入領域の基板間隙、いわゆるセルギャップの内部には液晶L、例えばSTN(スーパー捩れネマチック)液晶、が封入されている。第1基板107a又は第2基板107bの内側表面には微小で球形のスペーサ119が多数分散され、これらのスペーサ119がセルギャップ内に存在することにより、そのセルギャップが均一に維持されるようになっている。
【0146】
第1電極114aと第2電極114bとは互いに直交する方向に伸びるように配設されている。それらが平面的に交差する部分は、図25の矢印D方向から見てドットマトリクス状に配列されている。そして、そのドットマトリクス状の各交差点が一つの表示ドットを構成する。カラーフィルタ118は、R(赤)・G(緑)・B(青)の各色要素(フィルタエレメント)を矢印D方向から見て所定のパターン、例えば、ストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列などのパターンで配列させることによって構成されている。上記の一つの表示ドットはR,G,Bのそれぞれ一つずつに対応している。そして、R,G,Bの3色の表示ドットにより一つの画素(ピクセル)が構成されるようになっている。
【0147】
マトリクス状に配列される表示ドットを選択的にオン状態にすることにより、液晶パネル102の第2基板107bの外側に文字、数字などといった像が表示される。このようにして像が表示される領域が有効表示領域である。この有効表示領域は、図24及び図25において符号Vによって示されている。
【0148】
図25に示すように、反射膜112はAPC合金、アルミニウムなどといった光反射性材料によって形成される。また、この反射膜112には、第1電極114aと第2電極114bの交点である各表示ドットに対応する位置に開口121が形成されている。したがって、開口121は図25の矢印Dから見て表示ドットと同様にマトリクス状に配列されている。
【0149】
第1電極114aおよび第2電極114bは、例えば、透明導電材であるITO(インジウムスズ酸化物)によって形成される。また、配向膜116a,116bは、ポリイミド系樹脂を一様な厚さの膜状に付着させることによって形成される。これらの配向膜116a,116bがラビング処理を受けることにより、第1基板107a及び第2基板107bの表面上における液晶分子の初期配向が決定される。
【0150】
図24に示すように、第1基板107aは第2基板107bよりも広い面積に形成されており、これらの基板をシール材108によって貼り合わせたとき、第1基板107aは第2基板107bの外側へ張り出す基板張出部107cを有する。そして、この基板張出部107cには、第1電極114aから伸び出る引出し配線114c、シール材108の内部に存在する導通材109(図25参照)を介して第2基板107b上の第2電極114bと導通する引出し配線114d、液晶駆動用IC103aの入力用バンプ、すなわち入力用端子に接続される金属配線114e、及び、液晶駆動用IC103bの入力用バンプに接続される金属配線114fなどといった各種の配線が所定のパターンにて形成されている。
【0151】
このとき、第1電極114aから伸びる引出し配線114c及び第2電極114bに通電する引出し配線114dは、それらの電極と同じ材料であるITOによって形成される。また、液晶駆動用IC103a,103bの入力側の配線である金属配線114e,114fは、電気抵抗値の低い金属材料、例えばAPC合金によって形成される。このAPC合金は、主としてAgを含み、これにPd及びCuを添加した合金、例えば、Ag;98wt%、Pd;1wt%、Cu;1wt%の組成を有する合金である。
【0152】
液晶駆動用IC103a,103bは、ACF(異方性導電膜)122によって基板張出部107cの表面に接着されて実装される。すなわち、本実施形態では、基板上に半導体チップが直接に実装される構造、いわゆるCOG(チップオングラス)方式の液晶パネルとして形成されている。このCOG方式の実装構造においては、ACF122の内部に含まれる導電粒子によって、液晶駆動用IC103a,103bの入力側バンプと金属配線114e,114fとが導電接続され、液晶駆動用IC103a,103bの出力側バンプと引出し配線114c,114dとが導電接続される。
【0153】
図24において、FPC104は、可撓性の樹脂フィルム123と、チップ部品124を含んで構成された回路126と、金属配線端子127とを有する。回路126は樹脂フィルム123の表面に半田付けその他の導電接続手法によって直接に搭載される。また、金属配線端子127はAPC合金、Cr,Cuその他の導電材料によって形成される。FPC104のうち金属配線端子127が形成された部分は、第1基板107aのうち金属配線114e,114fが形成された部分にACF122によって接続される。そして、ACF122の内部に含まれる導電粒子により、基板側の金属配線114e,114fとFPC側の金属配線端子127とが導通する。
【0154】
FPC104の反対側の辺端部には外部接続端子131が形成され、この外部接続端子131が図示しない外部回路に接続される。そして、この外部回路から伝送される信号に基づいて液晶駆動用IC103a,103bが駆動され、第1電極114a及び第2電極114bの一方に走査信号が供給され、他方にデータ信号が供給される。これにより、有効表示領域V内に配列された表示ドットが個々に電圧制御され、その結果、液晶Lの配向が個々に制御される。
【0155】
図24に示す照明装置106は、図25に示すように、アクリル樹脂などによって構成された導光体132と、この導光体132の光出射面132bに設けられた拡散シート133と、導光体132の光出射面132bの反対側に設けられた反射シート134と、発光源としてのLED(発光ダイオード)136とを有する。
【0156】
LED136はLED基板137に支持され、そのLED基板137は、例えば導光体132と一体に形成された支持部(図示せず)に装着される。LED基板137が支持部の所定位置に装着されることにより、LED136が導光体132の側辺端面である光取込み面132aに対向する位置に置かれる。なお、符号138は液晶パネル102に加わる衝撃を緩衝するための緩衝部材を示している。
【0157】
LED136が発光すると、その光は光取込み面132aから取り込まれて導光体132の内部へ導かれ、反射シート134や導光体132の壁面で反射しながら伝播する間に光出射面132bから拡散シート133を通して外部へ平面光として出射される。
【0158】
以上説明した液晶装置101は、太陽光、室内光といった外部光が十分に明るい場合には、図25において第2基板107b側から外部光が液晶パネル102の内部へ取り込まれ、その光が液晶Lを通過した後に反射膜112で反射して再び液晶Lへ供給される。液晶Lは、これを挟持する電極114a,114bによってR,G,Bの表示ドット毎に配向制御される。したがって、液晶Lへ供給された光は表示ドット毎に変調され、その変調によって偏光板117bを通過する光と通過できない光とによって液晶パネル102の外部に文字、数字などといった像が表示され、反射型の表示が行われる。
【0159】
他方、外部光の光量が充分に得られない場合には、LED136が発光して導光体132の光出射面132bから平面光が出射され、その光が反射膜112に形成された開口121を通して液晶Lへ供給される。このとき、反射型の表示と同様に、供給された光が、配向制御される液晶Lによって表示ドット毎に変調される。これにより、外部へ像が表示され、透過型の表示が行われる。
【0160】
上記構成の液晶装置101は、例えば、図23に示す製造方法によって製造される。この製造方法においては、工程P1〜P6の一連の工程が第1基板107aを形成する工程であり、工程P11〜工程P14の一連の工程が第2基板107bを形成する工程である。第1基板形成工程と第2基板形成工程は、通常、それぞれが独自に行われる。
【0161】
まず、第1基板形成工程では、透光性ガラス、透光性プラスチックなどによって形成された大面積のマザー原基板の表面に、フォトリソグラフィ法などを用いて液晶パネル102の複数個分の反射膜112を形成する。さらに、その上に絶縁膜113を周知の成膜法を用いて成形する(工程P1)。次に、フォトリソグラフィ法などを用いて第1電極114a、引出し配線114c,114dおよび金属配線114e,114fを形成する(工程P2)。
【0162】
この後、第1電極114aの上に塗布、印刷などによって配向膜116aを形成し(工程P3)、さらにその配向膜116aに対してラビング処理を施すことにより液晶の初期配向を決定する(工程P4)。次に、例えばスクリーン印刷などによってシール材108を環状に形成し(工程P5)、さらにその上に球状のスペーサ119を分散させる(工程P6)。以上の工程により、液晶パネル102の第1基板107a上のパネルパターンを複数個分有する大面積のマザー第1基板が形成される。
【0163】
この第1基板形成工程とは別に、第2基板形成工程(図23の工程P11〜工程P14)を実施する。まず、透光性ガラス、透光性プラスチックなどによって形成された大面積のマザー原基材を用意し、その表面に液晶パネル102の複数個分のカラーフィルタ118を形成する(工程P11)。このカラーフィルタ118の形成工程は図27に示した製造方法を用いて行われ、その製造方法中のR、G、Bの各色フィルタエレメントの形成は図15に示す成膜装置16を用いて実行される。これらカラーフィルタの製造方法および液滴供給ヘッド22の制御方法は既に説明した内容と同じであるので、それらの説明は省略する。
【0164】
図27(d)に示すようにマザー基板12すなわちマザー原料基材の上にカラーフィルタ1すなわちカラーフィルタ118が形成されると、次に、フォトリソグラフィ法によって第2電極114bが形成される(工程P12)。さらに、塗布、印刷などによって配向膜116bが形成される(工程P13)。次に、その配向膜116bに対してラビング処理が施されて液晶の初期配向が決められる(工程P14)。以上により、液晶パネル102の第2基板107b上のパネルパターンを複数個分有する大面積のマザー第2基板が形成される。
【0165】
以上により、大面積のマザー第1基板およびマザー第2基板が形成された後、それらのマザー基板同士を、シール材108を間に挟んでアライメント、すなわち位置合わせし、互いに貼り合わせる(工程P21)。これにより、液晶パネル複数個分のパネル部分を含んでいるが未だ液晶が封入されていない状態の空のパネル構造体が形成される。
【0166】
次に、完成した空のパネル構造体の所定の位置にスクライブ溝、すなわち分断用溝を形成し、さらにそのスクライブ溝を基準としてパネル構造体に応力又は熱を加え、或いは光を照射する等の方法により基板をブレイク(破断)させることによって分断する(工程P22)。これにより、各液晶パネル部分のシール材108の液晶注入用開口110(図24参照)が外部へ露出する状態の、いわゆる短冊状の空のパネル構造体が形成される。
【0167】
その後、露出した液晶注入用開口110を通して各液晶パネル部分の内部に液晶Lを注入し、さらに各液晶注入用開口110を樹脂などによって封止する(工程P23)。通常の液晶注入処理は、液晶パネル部分の内部を減圧し、内外圧力差によって液晶を注入することによって行われる。例えば、貯留容器の中に液晶を貯留し、その液晶が貯留された貯留容器と短冊状の空パネルとをチャンバなどに入れ、そのチャンバなどを真空状態にしてからそのチャンバの内部において液晶の中に短冊状の空パネルを浸漬する。その後、チャンバを大気圧に開放すると、空パネルの内部は真空状態なので、大気圧によって加圧される液晶が液晶注入用開口を通してパネルの内部へ導入される。その後、液晶注入後の液晶パネル構造体のまわりには液晶が付着するので、液晶注入処理後の短冊状パネルは工程P24において洗浄処理を受ける。
【0168】
その後、液晶注入および洗浄が終わった後の短冊状パネルに対して、再び所定位置にスクライブ溝を形成する。さらに、そのスクライブ溝を基準にして短冊状パネルを分断する。このことにより、複数個の液晶パネル102が個々に切り出される(工程P25)。こうして作製された個々の液晶パネル102に対して、図24に示すように、液晶駆動用IC103a,103bを実装し、照明装置106をバックライトとして装着し、さらにFPC104を接続することにより、目標とする液晶装置101が完成する(工程P26)。
【0169】
以上に説明した液晶装置及びその製造方法は、特にカラーフィルタを製造する段階において、上述の成膜方法のいずれかによって実施される。したがって、フィルタエレメント材料の液滴の走査方向に沿って配列された複数の領域間の液滴供給位置のばらつきが解消され、さらに、付加的な構成によって送り方向に沿って配列された複数の領域間の液滴供給位置のばらつきをも低減させることができる。したがって、上記と同様に走査方向に起因する縞状の色ムラが低減されるため、液晶装置の表示品位が向上する。
【0170】
また、本実施形態においては、走査方向Xの液滴供給位置の分解能Rxの自然数倍が構造周期Dxとなるように構成することによって、走査速度Vxをいたずらに低下させたり、また、駆動周波数Fdをいたずらに高めたりすることなく、成膜ムラを低減することができ、製造効率を低下させるおそれも少ない。
【0171】
なお、上記実施形態では、表示装置として液晶パネルを備えた液晶装置について説明したが、上記と同様のカラーフィルタ(基板)を備えた表示装置として、液晶装置以外の他の電気光学装置、例えば、EL素子、プラズマディスプレイパネルなどにカラーフィルタを設けたものに適用することも可能である。すなわち、例えばEL素子の場合、EL発光機能を有する複数の表示ドットに対応するフィルタエレメントを備えたカラーフィルタを平面的に重ねることによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0172】
[EL素子を用いた表示装置(電気光学装置)及びその製造方法]
図26は、本発明に係る表示装置(電気光学装置)及びその製造方法の一例としてのEL装置(EL装置用基板)及びその製造方法の実施形態を示している。また、図28はその製造方法の主要工程および最終的に得られるEL装置の主要断面構造を示している。図28(d)に示すように、EL装置201は、透明基板204上に画素電極202を形成し、各画素電極202間にバンク205を矢印G方向から見て格子状になるように形成する。それらの格子状凹部の中には、正孔注入層220が形成され、矢印G方向から見てストライプ配列などといった所定の配列となるようにR色発光層203R、G色発光層203GおよびB色発光層203Bを各格子状凹部の中に形成されている。さらに、それらの上には対向電極213が形成される。
【0173】
上記画素電極202をTFD(薄膜ダイオード)素子などといった2端子型のアクティブ素子によって駆動する場合には、上記対向電極213は矢印G方向から見てストライプ状に形成される。また、画素電極202をTFT(薄膜トランジスタ)などといった3端子型のアクティブ素子によって駆動する場合には、上記対向電極213は単一な面電極として形成される。
【0174】
各画素電極202と各対向電極213とによって挟まれる領域が1つの表示ドットとなり、R、G、B3色の表示ドットが1つのユニットとなって1つの画素を形成する。各表示ドットを流れる電流を制御することにより、複数の表示ドットのうちの希望するものを選択的に発光させ、これにより、矢印H方向に光を出射させ、希望するフルカラー像を表示することができる。
【0175】
上記EL装置201は、例えば、図26に示す製造方法によって製造される。すなわち、工程P51および図28(a)に示すように、透明基板204の表面にTFD素子やTFT素子といった能動素子を形成し、さらに画素電極202を形成する。形成方法としては、例えばフォトリソグラフィ法、真空状着法、スパッタリング法、パイロゾル法などを用いることができる。画素電極202の材料としてはITO、酸化スズ、酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物などを用いることができる。
【0176】
次に、工程P52および図28(a)に示すように、隔壁すなわちバンク205を周知のパターンニング手法、例えばフォトリソグラフィ法を用いて形成し、このバンク205によって各透明な画素電極202の間を埋める。これにより、コントラストの向上、発光材料の混色の防止、画素と画素との間からの光漏れなどを防止することができる。バンク205の材料としては、EL発光材料の溶媒に対して耐久性を有するものであれば特に限定されないが、フロロカーボンガスプラズマ処理によりテトラフルオロエチレン化できるものであることが好ましく、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミドなどといった有機材料が挙げられる。
【0177】
次に、機能性液状材料としての正孔注入層用液状材料を塗布する直前に、透明基板204に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行う(工程P53)。これにより、ポリイミド表面は撥水化され、ITO表面は親水化され、液滴を微細にパターニングするための基板側の濡れ性の制御ができる。プラズマを発生する装置としては、真空中でプラズマを発生する装置でも、大気中でプラズマを発生する装置でも同様に用いることができる。
【0178】
次に、工程P54および図28(a)に示すように、正孔注入層用液状材料を図15に示す成膜装置16の液滴供給ヘッド22から吐出し、各画素電極202の上にパターニング塗布を行う。具体的な液滴供給ヘッド22の制御方法は、上述の方法のいずれかの方法が用いられる。その塗布後、真空(1torr)中、室温、20分という条件で溶媒を除去する(工程P55)。この後、大気中、20℃(ホットプレート上)、10分の熱処理により、発光層用液状材料と相溶しない正孔注入層220を形成する(工程P56)。上記条件では、膜厚は40nmであった。
【0179】
次に、工程P57および図28(b)に示すように、各正孔注入層220の上に液滴吐出手法を用いて機能性液状体であるEL発光材料としてのR発光層用液状材料及び機能性液状材料であるEL発光材料としてのG発光層用液状材料を塗布する。ここでも、各発光層用液状材料は、図15に示す成膜装置16の液滴供給ヘッド22から吐出させる。液滴供給ヘッド22の制御方法は、上記方法のいずれかにおいて、上記カラーフィルタの各色相の代りにEL発光材料の発光色を適用させた方法が用いられる。このようなインクジェット(液滴供給)方式によれば、微細なパターニングを簡便にかつ短時間に行うことができる。また、液状材料の固形分濃度および吐出量を変えることにより膜厚を変えることが可能である。
【0180】
発光層用液状材料の塗布後、真空(1torr)中、室温、20分などという条件で溶媒を除去する(工程P58)。続けて、窒素雰囲気中、150℃、4時間の熱処理により共役化させてR色発光層203RおよびG色発光層203Gを形成する(工程P59)。上記条件による形成で膜厚は50nmとなった。熱処理により共役化した発光層は溶媒に不溶である。
【0181】
なお、発光層を形成する前に正孔注入層220に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行っても良い。これにより、正孔注入層220上にフッ素化物層が形成され、イオン化ポテンシャルが高くなることにより正孔注入効率が増し、発光効率の高い有機EL装置を提供できる。
【0182】
次に、工程P60および図28(c)に示すように、機能性液状体であるEL発光材料としてのB色発光層203Bを各表示ドット内のR色発光層203R、G色発光層203Gおよび正孔注入層220の上に重ねて形成した。これにより、R、G、Bの3原色を形成するのみならず、R色発光層203RおよびG色発光層203Gとバンク205との段差を埋めて平坦化することができる。これにより、上下電極間のショートを確実に防ぐことができるという効果が得られる。また、B色発光層203Bの膜厚を調整することで、R色発光層203R又はG色発光層203Gに積層されたB色発光層203Bが電子注入輸送層として作用してB色には発光しないように構成できる。
【0183】
以上のようなB色発光層203Bの形成方法としては、例えば湿式法として一般的なスピンコート法を採用することもできるし、あるいは、R色発光層203RおよびG色発光層203Gの形成法と同様のインクジェット法を採用することもできる。
【0184】
その後、工程P61および図28(d)に示すように、対向電極213を形成することにより、目標とするEL装置201が製造される。対向電極213はそれが面電極である場合には、例えば、Mg、Ag、Al、Liなどを材料として、蒸着法、スパッタ法などといった成膜法を用いて形成できる。また、対向電極213がストライプ状電極である場合には、成膜された電極層をフォトリソグラフィ法などといったパターニング手法を用いて形成できる。
【0185】
以上説明したEL装置201及びその製造方法によれば、液滴供給ヘッドの制御方法として上記のいずれかの方法を採用することにより、上述と同様に走査方向に起因する縞状の色ムラを低減でき、また、EL装置201の発光面の発光分布特性を平面的に均一にすることができる。
【0186】
また、本実施形態のEL装置及びその製造方法では、図15に示す成膜装置16を用いることにより、液滴供給ヘッド22を用いたインク吐出によってR、G、Bの各表示ドットを形成するので、フォトリソグラフィ法を用いる方法のような複雑な工程を経る必要もなく、また材料を浪費することもない。
【0187】
[電子機器]
最後に、図35及び図36を参照して、本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。この実施形態では、電気光学装置である液晶装置101を表示手段として備えた電子機器について説明する。図35は、本実施形態の電子機器における液晶装置101に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294とを含む表示制御回路290を有する。また、上記と同様の液晶装置101には、上記表示領域を駆動する駆動回路101Gが設けられている。この駆動回路101Gは、上記の液晶駆動用IC103a,103bや回路126などによって構成される。この駆動回路101Gは、パネル表面上に形成された半導体ICや回路パターン、液晶パネルに導電接続された回路基板に実装された半導体ICチップ若しくは回路パターン、或いは、電子機器の内部に構成された各種回路などによって任意に構成することができる。
【0188】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0189】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路101Gへ供給する。駆動回路101Gは、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0190】
図36は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話を示す。この携帯電話1000は、操作部1001と、表示部1002とを有する。操作部1001の前面には複数の操作ボタンが配列され、送話部の内部にマイクが内蔵されている。また、表示部1002の受話部の内部にはスピーカが配置されている。
【0191】
上記の表示部1002においては、ケース体の内部に回路基板1100が配置され、この回路基板1100に対して上述の液晶装置101が実装されている。ケース体内に設置された液晶装置101は、表示窓101Aを通して表示面を視認することができるように構成されている。
【0192】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
【0193】
例えば、図15および図16に示した成膜装置(カラーフィルタ基板の製造装置、EL装置用基板の製造装置)では、液滴供給ヘッド22を走査方向Xへ移動させて基板12を走査し、基板12を送り駆動装置21によって移動させることにより、液滴供給ヘッド22の基板12に対する送り動作を実現しているが、これとは逆に、基板12の移動によって走査を実行し、液滴供給ヘッド22の移動によって送り動作を実行することもできる。さらには、液滴供給ヘッド22を移動させずにマザー基板12を移動させたり、双方を相対的に逆方向に移動させたりするなど、少なくともいずれか一方を相対的に移動させ、液滴供給ヘッド22がマザー基板12の表面に沿って相対的に移動するいずれの構成とすることができる。
【0194】
また、上記実施の形態では、圧電素子の撓み変形を利用して液状材料を吐出する構造の液滴供給ヘッド421を用いたが、他の任意の構造の液滴供給ヘッド、例えば加熱により発生するバブルにより液状材料を吐出する方式の液滴供給ヘッドなどを用いることもできる。
【0195】
そして、成膜装置16が製造に使用されるのは、カラーフィルタ基板や液晶装置101、EL装置201などに限定されるものではなく、FED(Field Emission Display:フィールドエミッションディスプレイ)などの電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)、電気泳動装置すなわち荷電粒子を含有する機能性液状材料を各画素の隔壁間の凹部に吐出し、各画素を上下に挟持するように配設される電極間に電圧を印加して荷電粒子を一方の電極側に寄せて各画素での表示をする装置、薄型のブラウン管、CRT(Cathode-Ray Tube:陰極線管)ディスプレイなど、基板(基材)を有し、その上方の領域に所定の層を形成する工程を有する様々な表示装置(電気光学装置)に用いることができる。
【0196】
本発明の成膜装置や成膜方法は、カラーフィルタや表示装置(電気光学装置)を含む、基板(基材)を有するデバイスであって、その基板(基材)に液滴8を吐出する工程を用いることができる各種デバイスの製造工程において用いることができる。例えば、プリント回路基板の電気配線を形成するために、液状金属や導電性材料、金属含有塗料などをインクジェット方式にて吐出して金属配線などをする構成、基材上に形成される微細なマイクロレンズをインクジェット方式による吐出にて光学部材を形成する構成、基板上に塗布するレジストを必要な部分だけに塗布するようにインクジェット方式にて吐出する構成、プラスチックなどの透光性基板などに光を散乱させる凸部や微小白パターンなどをインクジェット方式にて吐出形成して光散乱板を形成する構成、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)チップ上にマトリクス配列するスパイクスポットにRNA(ribonucleic acid:リボ核酸)をインクジェット方式にて吐出させて蛍光標識プローブを作製してDNAチップ上でハイブリタゼーションさせるなど、基材に区画されたドット状の位置に、試料や抗体、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)などをインクジェット方式にて吐出させてバイオチップを形成する構成などにも利用できる。
【0197】
また、液晶装置101としても、TFTなどのトランジスタやTFDのアクティブ素子を画素に備えたアクティブマトリクス液晶パネルなど、画素電極を取り囲む隔壁6を形成し、この隔壁6にて形成される凹部にインクをインクジェット方式にて吐出してカラーフィルタ1を形成するような構成のもの、画素電極上にインクとして色材および導電材を混合したものをインクジェット方式にて吐出して、画素電極上に形成するカラーフィルタ1を導電性カラーフィルタとして形成する構成、基板間のギャップを保持するためのスペーサの粒をインクジェット方式にて吐出形成する構成など、液晶装置101の電気光学系を構成するいずれの部分にも適用可能である。
【0198】
さらに、カラーフィルタ1に限られず、EL装置201など、他のいずれの電気光学装置に適用でき、EL装置201としても、R、G、Bの3色に対応するELが帯状に形成されるストライプ型や、上述したように、各画素毎に発光層に流す電流を制御するトランジスタを備えたアクティブマトリックス型の表示装置、あるいはパッシブマトリックス型に適用するものなど、いずれの構成でもできる。
【0199】
そして、上記各実施形態の電気光学装置が組み込まれる電子機器としては、例えば図36に示すような携帯電話1000に限らず、PHS(Personal Handy phone System)などの携帯型電話機、電子手帳、ページャ、POS(Point Of Sales)端末、ICカード、ミニディスクプレーヤ、液晶プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、エンジニアリング・ワークステーション(Engineering Work Station:EWS)、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、タッチパネルを備えた装置、時計、ゲーム機器などの様々な電子機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る成膜方法の実施形態の説明図。
【図2】 同成膜方法を示すための平面図。
【図3】 同成膜方法の変形例を示すための平面図。
【図4】 図3に示す成膜方法の概念を説明するための説明図。
【図5】 図4に示す成膜方法を実施するための液滴供給手段の構成図。
【図6】 成膜方法を実施するためのノズル配置を示す説明図(a)及び(b)。
【図7】 デルタ配列の平面周期パターンを示す平面図。
【図8】 描画制御部の構成を示す構成ブロック図。
【図9】 液滴供給手段の駆動信号を示すタイミングチャート(a)〜(d)。
【図10】 領域への液滴の供給位置を示す説明図。
【図11】 領域の測定点を示す図(a)、測定点の輝度グラフ(b)及び(c)。
【図12】 比較例1における液滴供給位置のずれパターンを示す図(a)、走査方向の位置ずれを示すグラフ(b)及び送り方向の位置ずれを示すグラフ(c)。
【図13】 実施例における液滴供給位置のずれパターンを示す図(a)、走査方向の位置ずれを示すグラフ(b)及び送り方向の位置ずれを示すグラフ(c)。
【図14】 比較例2における液滴供給位置のずれパターンを示す図(a)、走査方向の位置ずれを示すグラフ(b)及び送り方向の位置ずれを示すグラフ(c)。
【図15】 成膜装置の全体構成を示す概略斜視図。
【図16】 成膜装置の主要部を示す部分斜視図。
【図17】 液滴供給ヘッドの構造を示す説明図。
【図18】 異なる液滴供給ヘッドの構造を示す説明図。
【図19】 液滴供給ヘッドの内部構造を示す斜視図(a)及び部分縦断面図(b)。
【図20】 成膜装置の制御系の全体構成を示す構成ブロック図。
【図21】 成膜装置の動作を示す概略フローチャート。
【図22】 別の液滴供給ヘッドの構造を示す説明図。
【図23】 液晶装置の製造工程を示す工程フローチャート。
【図24】 液晶装置の分解斜視図。
【図25】 図24のIX-IX線で切断した状態を示す液晶装置の縦断面図。
【図26】 EL装置(EL装置用基板)の製造工程を示す工程フローチャート。
【図27】 カラーフィルタ基板の製造工程を示す工程断面図(a)〜(d)。
【図28】 EL装置の製造工程を示す工程断面図(a)〜(d)。
【図29】 マザー基板上のカラーフィルタ配列を示す部分平面図(a)、マザー基板に対する成膜方法を示す説明図(b)及び液滴供給手段のノズル配列を示す説明図(c)。
【図30】 領域に対する液滴の配置状態を示す工程断面図(A−1)〜(A−4)及び(B−1)〜(B−4)。
【図31】 液滴供給による領域内における液状材料の配置平面図(a)〜(c)。
【図32】 液滴供給時における分解能R1〜R3の相違による液状材料の配置態様を示す説明図(a)〜(c)。
【図33】 液滴供給の分解能と領域における液状材料の配置との関係を示す説明図。
【図34】 走査方向の輝度Yの変動を示すグラフ(a)及び送り方向の輝度Yの変動を示すグラフ(b)。
【図35】 液晶装置101を備えた電子機器における表示制御系の構成を示す構成ブロック図。
【図36】 電子機器の一例としての携帯電話の外観図。
【図37】 カラーフィルタの配列パターンの例を示す平面図(a)及び(b)。
【符号の説明】
1…対象物、1P,1P′…平面周期構造(平面周期パターン)、2…液滴供給手段、2a…ノズル、2b…配列方向、3…駆動手段、4a…液滴、4b…液状材料、5…駆動機構、X…走査方向、Y…送り方向、P…領域、Dx、Dy…構造周期、Td…駆動周期、Fd…駆動周波数、Rx…分解能、Vx…走査速度、6…隔壁(バンク)、7…領域、8…液滴、9…フィルタエレメント、10…カラーフィルタ基板、12…基板(マザー基板)、13…フィルタエレメント材料、16…成膜装置(製造装置)、22…液滴供給ヘッド、27…ノズル、28…ノズル列、101…液晶装置、201…EL装置

Claims (22)

  1. 対象物に液状材料を被着させることにより、所定の周期性を備えた平面周期構造を形成する成膜方法であって、
    所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、前記対象物に形成すべき前記平面周期構造の周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給する成膜方法であり、
    前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が、前記対象物に形成すべき前記平面周期構造の前記走査方向の構造周期となるように設定して行うことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が形成すべき前記平面周期構造の前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性の間の位相差と、
    前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して行うことを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、
    前記所定位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性、及び、前記別の位置における前記平面周期構造の前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して行うことを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。
  6. 基板上に液状材料を供給して複数のフィルタエレメントを所定の周期性を備えた平面周期パターンにて成膜する成膜工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記成膜工程では、
    所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、
    前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、
    前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給し、
    前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が、形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向の構造周期となるように設定して成膜を行うことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
  7. 前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前期液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  8. 前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することを特徴とする請求項6又は7に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  9. 前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性の間の位相差と、
    前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  10. 前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、
    前記所定位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性、及び、前記別の位置における前記平面周期パターンの前記走査方向の周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  11. 前記平面周期パターンは複数色の前記フィルタエレメントを前記平面周期パターンで配列させたものであり、前記フィルタエレメントの複数色種のうちの少なくとも一種色に対して前記成膜工程を実施することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  12. 前記フィルタエレメントのうち、青色の前記フィルタエレメントに対して前記成膜工程を実施することを特徴とする請求項11に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  13. 基板上に液状材料を供給して複数の画素領域を所定の周期性を備えた平面周期パターンにて成膜する成膜工程を有するエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法であって、
    前記成膜工程では、
    所定の駆動周期で液滴を供給して前記対象物に前記液状材料を被着可能に構成された液滴供給手段を用い、
    前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの周期性に応じて前記駆動周期の各周期毎に前記液滴供給手段による前記液滴の供給の有無を制御し、
    前記液滴供給手段を前記対象物に対して所定の走査方向に所定の走査速度で相対的に走査しつつ前記液滴供給手段の制御により前記液滴を供給し、
    前記駆動周期と前記走査速度との積の自然数倍が、前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向の構造周期となるように設定して成膜を行うことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  14. 前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査する走査ステップを、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向と交差する送り方向に送る送り動作を間に挟んで、複数回行うことを特徴とする請求項13に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  15. 前記液滴供給手段には、前記液滴を供給するための複数のノズルを含むノズル列を設け、前記走査方向と直交する方向に見た前記ノズル列のノズルの配列周期が形成すべき前記平面周期パターンの前記走査方向と直交する方向に見た構造周期に対応するように設定した姿勢で、前記液滴供給手段を前記対象物に対して前記走査方向に相対的に走査することを特徴とする請求項13又は14に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  16. 前記対象物に形成すべき前記平面周期パターンにおける前記走査方向と直交する方向に見た所定位置における前記走査方向の周期性、及び、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置における前記走査方向の周期性の間の位相差と、
    前記所定位置に相当する所定のノズル、及び、前記別の位置に対応する別のノズルの間の前記走査方向に見た位置ずれ量との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することを特徴とする請求項15に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  17. 前記走査方向と直交する方向に見た所定位置にある所定のノズルにおける前記液滴の供給タイミングと、前記走査方向と直交する方向に見た前記所定位置とは異なる別の位置にある別のノズルにおける前記液滴の供給タイミングとの間に時間差を設け、
    前記所定位置における前記走査方向に見た前記平面周期パターンの周期性、及び、前記別の位置における前記走査方向に見た前記平面周期パターンの周期性の間の位相差と、前記時間差及び前記走査速度の積との差を、
    0に設定し、若しくは、前記駆動周期と前記走査速度の積の自然数倍に設定して成膜することを特徴とする請求項15に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  18. 前記平面周期パターンは複数色の前記画素領域を所定の配列パターンで配列させたものであり、前記画素領域の複数色種のうちの少なくとも一種色に対して前記成膜工程を実施することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  19. 前記画素領域のうち、青色の前記画素領域に対して前記成膜工程を実施することを特徴とする請求項18に記載のエレクトロルミネッセンス装置用基板の製造方法。
  20. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成膜方法を用いて前記平面構造周期で配列された複数の画素を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
  21. 請求項6乃至12のいずれか一項に記載の製造方法を用いてカラーフィルタ基板を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
  22. 請求項13乃至19のいずれか一項に記載の製造方法を用いてエレクトロルミネッセンス装置用基板を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
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