JP4168612B2 - 穴明け工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具本体の先端部外周に設けられた一対の切屑排出溝の先端にそれぞれ切刃が設けられた穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の穴明け工具としては、従来より例えば図6および図7に示すようなスローアウェイ式ドリルが提案されている。これらの図に示すスローアウェイ式ドリルでは、軸線O回りに工具回転方向Tに回転される略多段円柱状の工具本体1先端側の切刃部1A外周に、図7に示すように軸線Oに直交する断面において溝底面2Aが1の凹円弧状をなす一対の切屑排出溝2,2が、軸線O方向後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるように軸線Oを挟んで互いに反対側に対称に形成され、これらの切屑排出溝2,2の工具回転方向Tを向く壁面の先端に形成されたチップ取付座3,3に、それぞれスローアウェイチップ4がその切刃4Aを工具先端に突出させてクランプネジ5により着脱可能に取り付けられている。なお、この例では、同形同大の略菱形平板状に形成されたスローアウェイチップ4,4が工具内周側と外周側とにずらされて取り付けられていて、これに伴い互いの切刃4A,4Aも工具内外周に偏って配設されて、その軸線O回りの回転軌跡がオーバーラップして加工穴を形成するようにされている。
【0003】
また、工具本体1において、この切刃部1Aの後端側には、後端側に向かうに従い漸次拡径する円錐台状の鍔部1Bが形成されていて、切屑排出溝2,2はこの鍔部1Bにおいて外周側に切り上げられているとともに、この鍔部1Bよりもさらに後端側は、工具本体1を工作機械に装着するための略円柱状のシャンク部1Cとされている。さらに、このシャンク部1Cの後端面からは上記軸線Oに沿って切削油剤等の供給孔6が切刃部1Aに向けて穿設されており、この供給孔6は、切刃部1Cの先端側において2つに分岐して工具本体1の先端面に開口させられている。なお、この例では鍔部1Bの外周にも上記供給孔6に連通する連通孔6Aが形成されてネジ止めされている。また、上述のように1の凹円弧によって形成された切屑排出溝2の溝底面2Aの両縁部には、工具本体1の周方向において一対の切屑排出溝2,2の間に画成されるランド7,7の両側縁を断面直線状に切り欠くようにして、溝底面2Aに鈍角に交差する幅の小さな面取り部2B,2Bがそれぞれ形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような穴明け工具においては、穴明けされる加工穴の内径に対して穴深さが深くなるほど、良好な切屑排出性と工具剛性や強度とが求められる。しかるに、切屑排出性の向上を図るには一般に切屑排出溝2の断面積を大きくすることが考えられるが、溝底面2Aの断面が凹円弧状とされた上記従来の穴明け工具において、単純に切屑排出溝2の断面積を大きくしようとして例えばその溝深さを深くしたりすると、切刃部1Aにおける工具本体1の芯厚が小さくなって工具剛性や強度が損なわれ、穴明け加工中に工具本体1に振れが生じて加工精度が著しく劣化したり、場合によっては工具本体1の折損を招くおそれが生じる。特に、上述のように軸線Oに沿って切削油剤等の供給孔6が工具本体1に形成されている場合には、芯厚が小さくなるとこの供給孔6と溝底面2Aとの間の肉厚が薄くなるため、穴明け加工時に工具本体1に作用する捩りモーメントによってこの部分から容易に破断が生じてしまう。また、このように芯厚が小さくなるのを避けるために、例えば溝深さは一定としたまま溝底面2Aがなす上記凹円弧の半径を大きくしたり、あるいはこの切屑排出溝2を工具本体1の周方向に延びる断面長円状に形成したりすると、この切屑排出溝2の溝幅が大きくなって逆にランド7の幅は小さくなり、工具外周側での切刃部1Aの肉厚が削がれてしまうために、やはり工具剛性や強度の劣化を招くことになる。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、深穴を穴明けする場合でも芯厚やランド幅を小さくすることなく切屑排出溝の断面積を大きくして、工具本体の剛性や強度と良好な切屑排出性とをともに確保することが可能な穴明け工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、一対の切屑排出溝が上記軸線を挟んで互いに反対側に設けられるとともに、これらの切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端には切刃が設けられてなる穴明け工具であって、上記一対の切屑排出溝の少なくとも一方は、その溝底面を、上記軸線に直交する断面において、上記軸線を中心とした芯厚円の工具回転方向側と工具回転方向後方側に接する一対の凹曲線を含んだ複数の凹曲線によって構成し、上記凹曲線を円弧状とすることを特徴とする。従って、このような穴明け工具においては、従来の切屑排出溝の溝底面が1の凹円弧によって形成された穴明け工具と同じ芯厚および溝幅であっても、上記複数の凹曲線をこの凹円弧よりも凹ませて溝底面を形成することができ、これにより工具剛性や強度は確保したまま切屑排出溝の断面積を増大させて切屑排出性の向上を図ることができる。
また、上記凹曲線を円弧状とすることで、溝底面の形成の容易さや切屑に与えられる抵抗の安定性などが得られる。
【0007】
ここで、この溝底面を構成する上記凹曲線としては、各種の曲線を適用することが可能ではあるが、溝底面の形成の容易さや切屑に与えられる抵抗の安定性などの理由から、上記複数の凹曲線は、互いに等しい曲率半径とされるのが望ましく、さらに工具回転方向側と工具回転方向後方側とで互いに対称な形状とされていることが望ましい。また、切屑排出溝の断面積をさらに増大させたりするのに、複数の凹曲線のうちの少なくとも一部を、他の凹曲線と異なる曲率半径としてもよい。さらにまた、工具本体の回転バランスを考慮すると、上記一対の切屑排出溝同士は軸線Oに対して回転対称に形成されるのが望ましいのであるが、例えば上記スローアウェイ式ドリルのように切刃が工具先端の内周側と外周側とに偏って設けられていて、生成される切屑の量や性状も異なる場合などには、上記一対の切屑排出溝同士の溝底面を、上記軸線に直交する断面において互いに異なる形状としてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、それぞれ本発明の第1〜第5の実施形態を示す図6に示したスローアウェイ式ドリルの軸線Oに直交するZZ断面に相当する図であり、この図6や図7に示した従来の穴明け工具と共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。すなわち、これら第1〜第5の実施形態においては、工具本体1先端の切刃部1Aに形成される一対の切屑排出溝2,2の少なくとも一方が、その溝底面2Aが、工具本体1の軸線Oに直交する断面において、この軸線Oを中心とした芯厚円Aの工具回転方向T側と工具回転方向Tの後方側とに間隔をあけて接する一対の凹曲線を含んだ複数の凹曲線によって構成されている。なお、図1ないし図5において符号Bで示すのは、これら第1〜第5の実施形態の切屑排出溝2と面取り部2B,2Bを含めて溝幅Wが等しく、かつ溝底面2Aが同じ芯厚dの芯厚円Aに接する切屑排出溝2を1の凹円弧によって形成した場合の該円弧を延長した円であり、すなわち第1〜第5の実施形態と溝幅Wおよび芯厚dが等しい従来の穴明け工具の切屑排出溝2の溝底面2Aの断面を示すものである。ただし、上記面取り部2B,2Bの少なくとも一方は形成されていなくてもよい。
【0009】
ここで、これら第1〜第5の実施形態において上記凹曲線は、図中に符号C1,C2,…で示した円の一部、すなわち円弧とされている(以下、凹曲線CまたはC1,C2,…と称する。)。ただし、これらの凹曲線C…の曲率半径、すなわち本実施形態では該凹曲線C…がなす円弧の半径は、上記円Bの半径よりも小さくされている。また、こうして複数の凹曲線C…によって溝底面2Aが構成された切屑排出溝2においては、これら複数の凹曲線C…は、工具回転方向T側と工具回転方向T後方側とで互いに対称な形状とされており、すなわち軸線Oに直交する断面において、上記芯厚円Aに接する一対の凹曲線C1,C2またはその延長線の交点と軸線Oとを結ぶ仮想直線Lに対して溝底面2Aが対称となるように形成されている。従って、本実施形態では、溝底面2Aが凹曲線C…によって構成された切屑排出溝2の該凹曲線C…の数は偶数となる。なお、これら芯厚円Aに接する一対の凹曲線C1,C2が交差する部分は、該凹曲線C1,C2同士がそのまま凸V字状に交差するようにされていてもよいが、例えば上記芯厚円Aや上記円Bに沿って面取りされていてもよく、またこれら芯厚円Aに接する一対の凹曲線C1,C2同士以外の凹曲線C…同士が交差する部分や該凹曲線C…と上記面取り部2B,2Bとが交差する部分も、例えば円Bに沿って面取りされていてもよい。
【0010】
これら第1〜第5の実施形態のうち、まず図1〜図3に示す第1〜第3の実施形態においては、上記一対の切屑排出溝2,2の溝底面2A,2Aの双方が複数の凹曲線C…によって構成されている。しかも、これら第1〜第3の実施形態では、これら一対の切屑排出溝2,2の溝底面2A,2Aが軸線Oに直交する断面においてなす形状が該軸線Oについて回転対称となるように、すなわち一方の溝底面2Aを軸線O回りに回転させた形状が他方の溝底面2Aと一致するようにされている。そして、さらにこのうち図1に示す第1の実施形態では、溝底面2Aが、工具本体1の軸線Oに直交する断面において上記芯厚円Aの工具回転方向T側と工具回転方向Tの後方側とに接する一対の凹曲線C1,C2によって構成されている。ただし、これらの凹曲線C1,C2の曲率半径、すなわち該凹曲線C1,C2がなす上記円弧の半径は互いに等しくされており、しかも上記円Bの半径の1/2よりも大きくされている。
【0011】
また、図2に示す第2の実施形態では、芯厚円Aに接する一対の凹曲線C3,C4を含めて4つの凹曲線C3〜C6によって溝底面2Aが構成されており、すなわち芯厚円Aの工具回転方向T側に接する凹曲線C3のさらに工具回転方向T側には凹曲線C5が、また芯厚円Aの工具回転方向T後方側に接する凹曲線C4のさらに工具回転方向T後方側には凹曲線C6が、それぞれ配されている。ここでこれらの凹曲線C3〜C6は、その曲率半径すなわち該凹曲線C3〜C6がなす円弧の半径が互いに等しく、また上記円Bの円周方向に略等間隔に位置するように配設されている。ただし、この凹曲線C3〜C6の半径は、溝幅Wが同じ場合には第1の実施形態の凹曲線C1,C2よりも小さく、さらに上記円Bの半径の1/2や芯厚円Aの半径(芯厚dの1/2)よりも小さくされている。
【0012】
さらに、図3に示す第3の実施形態においては、上記第2の実施形態と同様に芯厚円Aに接する一対の凹曲線C7,C8を含めた曲率半径の等しい4つの凹曲線C7〜C10が円Bの円周方向に等間隔に形成された上で、工具回転方向T側の凹曲線C7,C9の間にさらに凹曲線C11が、また工具回転方向T後方側の凹曲線C8,C10の間にはさらに凹曲線C12が形成され、合計6つの凹曲線C7〜C12によって溝底面2Aが構成されている。ここで、これらの凹曲線C11,C12は、その曲率半径が上記凹曲線C7〜C10の曲率半径よりも僅かに大きくされ、すなわち一部の凹曲線C11,C12の曲率半径形の凹曲線C7〜C10の曲率半径と異なる大きさとされている。また、凹曲線C11,C12がなす円弧の中心は、上記凹曲線C7〜C10の円弧の中心が位置する円Bと同心の円上において、凹曲線C7,C9の中心同士の中央と凹曲線C8,C10の中心同士の中央とに配置されている。従って、円Bの中心からの凹曲線C11,C12による切屑排出溝2の溝深さは、凹曲線C7〜C10による溝深さよりも大きくされている。
【0013】
一方、図4および図5に示す第4、第5の実施形態では、上記一対の切屑排出溝2,2同士で、軸線Oに直交する断面における溝底面2A,2Aの形状が互いに異なるものとされている。このうち、図4に示す第4の実施形態では、一方の切屑排出溝(図中左上の切屑排出溝)2の溝底面2Aが第2の実施形態と同様に4つの凹曲線C3〜C6によって構成されているのに対し、他方の切屑排出溝(図中右下の切屑排出溝)2の溝底面2Aは従来と同様に円Bに沿って形成された1つの凹曲線(凹円弧)だけで構成されている。また、図5に示す第5の実施形態では、一方の切屑排出溝(図中左上の切屑排出溝)2の溝底面2Aが第3の実施形態と同様に6つの凹曲線C7〜C10によって構成されているのに対し、他方の切屑排出溝(図中右下の切屑排出溝)2の溝底面2Aは第1の実施形態と同様に一対の凹曲線C1,C2によって構成されている。なお、これら第4、第5の実施形態において、各切屑排出溝2の溝底面2Aを構成する複数の凹曲線C1〜C12の曲率半径や配置は、それぞれ対応する第1〜第3の実施形態の凹曲線C1〜C12の曲率半径や配置と同様である。
【0014】
従って、このように構成された穴明け工具では、その溝底面2Aが複数の凹曲線C1〜C12によって構成された切屑排出溝2において、従来の円Bによる1つの凹円弧によって構成された切屑排出溝と等しい溝幅Wおよび芯厚d、あるいはランド幅Eであっても、図1〜図5において凹曲線C1〜C12が円Bより凹んでいることからも分かるように、その断面積は大きくすることができ、これにより工具本体1の切刃部1Aにおける剛性や強度は十分に確保したまま、切屑排出性の向上を図ることができる。このため、上記構成の穴明け工具によれば、たとえ穴明けされる加工穴の穴深さが内径に比べて大きく、従って切刃部1Aもその切刃の外径に比べて軸線方向の長さが長い場合や、あるいは軸線Oに沿って切削油剤等の供給孔6が穿設されている場合であっても、穴明け加工中に工具本体1に振れが生じて加工精度が損なわれたり、この切刃部1Aに折損や破断が生じたりするのを防ぐことができ、高精度の穴明け加工を長期に亙って安定して行うことが可能となる。
【0015】
また、上記第1〜第5の実施形態においては、この切屑排出溝2の溝底面2Aを構成する上記複数の凹曲線C1〜C12がいずれも円弧とされており、切屑排出溝2内を通して排出される切屑がこの凹曲線C1〜C12に沿って溝底面2Aに摺接しながら流れ出ていっても、局部的に強い抵抗を該溝底面2Aから受けて詰まりを生じたりするようなことはなく、しかも切屑排出溝2が螺旋状に形成されている場合でもその成形が比較的容易であるという効果が得られる。ただし、この溝底面2Aを構成する複数の凹曲線の一部または全部を、このような円弧以外の凹曲線、例えば楕円やサイクロイド、トロコイドなどによる凹曲線とされていてもよい。さらに、第1、第2の実施形態のように、溝底面2Aを構成する複数の凹曲線C1,C2やC3〜C6を互いに等しい曲率半径とすれば、これらの凹曲線C1,C2やC3〜C6部分を同一の工具(砥石やボールエンドミル)で形成することができて、その加工が一層容易となるとともに、溝底面2Aに摺接した切屑が受ける抵抗も均一化されてより安定する。また、これら第1、第2の実施形態も含めて、上記第1〜第5の実施形態では、各々の切屑排出溝2において、その工具回転方向T側と工具回転方向T後方側とで溝底面2Aを構成する凹曲線C1とC2、またはC3,C5とC4,C6、またはC7,C9,C11とC8,C10,C12が互いに対称に形成されているので、非対称とされている場合に比べて、加工工具が比較的少なくて済み、また切屑の抵抗の変動も少なくすることができる。
【0016】
一方、上記第3の実施形態のように、切屑排出溝2の溝底面2Aを構成する凹曲線C7〜C12のうち一部の凹曲線C11,C12の曲率半径を他の凹曲線C7〜C10と異なる大きさとすれば、すべての凹曲線が同じ曲率半径である場合に比べて切屑排出溝2の断面積をさらに大きくすることができ、一層良好な切屑排出性を得ることができる。特に、この第3の実施形態では、溝底面2Aの工具回転方向T側と工具回転方向T後方側とにおいて、その芯厚円Aに接する工具内周側の凹曲線C7,C8と工具外周側の凹曲線C9,C10とが曲率半径の小さなものとされているのに対し、これら凹曲線C7,C9間および凹曲線C8,C10間に配される凹曲線C11、C12の曲率半径が大きくされているので、芯厚円Aの周辺や工具外周側における工具本体1の肉厚は減少させることなく、切屑排出溝2の断面積を大きくすることができ、切屑排出性の向上と工具剛性や強度の確保とを一層高いレベルで両立させることができる。なお、このように一部の凹曲線の曲率半径を他の凹曲線と異なる大きさとするときには、各切屑排出溝2においてその溝底面2Aが工具回転方向T側と工具回転方向T後方側とで対称とならなくてもよく、場合によってはすべての凹曲線の曲率半径が互いに異なる大きさとされていてもよい。
【0017】
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、一対の切屑排出溝2,2が、軸線Oに直交する断面において、その溝底面2A,2A同士が工具本体1の軸線Oについて回転対称に形成されており、従って穴明け加工時に工具本体1が軸線O回りに回転する際の切刃部1Aの回転バランスを均等に保つことができて、振れなどによる加工精度の劣化をより確実に防止することができるという効果を得ているが、上記第4の実施形態のように一対の切屑排出溝2,2の一方の溝底面2Aが複数の凹曲線C3〜C6で形成されるとともに他方の溝底面2Aが1の凹円弧で形成されていたり、あるいは第5の実施形態のように一対の切屑排出溝2,2の双方が複数の凹曲線C1,C2およびC7〜C12で構成されているものの、その曲率半径や凹曲線の数、配置などが互いに異なるものとされていて、その結果これらの切屑排出溝が軸線Oについて対称とならなくなっていてもよい。特に、当該穴明け工具が上述した切刃が工具内外周に偏って設けられたスローアウェイ式ドリルである場合には、外周側に設けられた切刃からは内周側に設けられた切刃よりも多くの切屑が生成されるので、このように一対の切屑排出溝2,2同士を非対称として、外周側の切刃に連なる切屑排出溝2にはより大きな断面積が与えられるようにして良好な切屑排出性を確保する一方、内周側の切刃に連なる切屑排出溝2の断面積は小さくして工具本体1の剛性や強度をより高くすることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、工具本体の先端部外周に形成される一対の切屑排出溝の溝底面を、軸線に直交する断面において芯厚円の工具回転方向側と工具回転方向後方側に接する一対の凹曲線を含んだ複数の凹曲線によって構成することにより、芯厚を小さくしたり、溝幅を大きくしてランド幅を損なったりすることなく、切屑排出溝の断面積を大きくすることができ、これにより工具本体の剛性や強度は十分に確保したまま、切屑排出性の向上を図ることができる。従って、深穴を加工したり、工具軸線に沿って切削油剤等の供給孔が穿設されている場合でも、穴明け加工時の工具本体の損傷を防ぎつつ円滑に切屑を排出して安定した加工を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図2】 本発明の第2の実施形態を示す軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図3】 本発明の第3の実施形態を示す軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図4】 本発明の第4の実施形態を示す軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図5】 本発明の第5の実施形態を示す軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図6】 従来および本発明の第1〜第5の実施形態の穴明け工具の側面図である。
【図7】 従来の穴明け工具の軸線Oに直交した断面図(図6におけるZZ断面図)である。
【符号の説明】
1 工具本体
1A 切刃部
2 切屑排出溝
2A 溝底面
4A 切刃
6 切削油剤等の供給孔
7 ランド
O 工具本体1の軸線
T 工具回転方向
C1〜C12 凹曲線
A 芯厚円
d 芯厚
B 切屑排出溝2の溝底面2Aの断面を1の凹円弧で形成した場合の該円弧がなす円
W 溝幅
E ランド幅

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、一対の切屑排出溝が上記軸線を挟んで互いに反対側に設けられるとともに、これらの切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端には切刃が設けられてなる穴明け工具であって、上記一対の切屑排出溝の少なくとも一方は、その溝底面が、上記軸線に直交する断面において、上記軸線を中心とした芯厚円の工具回転方向側と工具回転方向後方側に接する一対の凹曲線を含んだ複数の凹曲線によって構成され、上記凹曲線は、円弧状とされていることを特徴とする穴明け工具。
  2. 上記複数の凹曲線は、互いに等しい曲率半径とされていることを特徴とする請求項1に記載の穴明け工具。
  3. 上記複数の凹曲線のうちの少なくとも一部は、他の凹曲線と異なる曲率半径とされていることを特徴とする請求項1に記載の穴明け工具。
  4. 上記複数の凹曲線は、工具回転方向側と工具回転方向後方側とで互いに対称な形状とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の穴明け工具。
  5. 上記一対の切屑排出溝同士の溝底面が、上記軸線に直交する断面において互いに異なる形状とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の穴明け工具。
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