JP4162274B2 - ビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類の製造方法 - Google Patents

ビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム、プラスチックおよび写真層用の紫外線吸収剤として有用なビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類はそれ自体一般的な紫外線吸収剤として知られているが、これをメチレン結合で2量体化したメチレンビス型化合物もまた紫外線吸収剤として公知である。このようなメチレンビス型化合物およびその製造方法は、チェコスロバキア特許141206、ドイツ特許出願公開1670951、米国特許3936305、特公平4−58468(対応するヨーロッパ特許出願公開0180993)、特開平5−213908等に記載されている。
【0003】
例えば、チェコスロバキア特許141206にはヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類を反応液中で水性ホルマリンにより2量体化する方法が記載され、またドイツ特許出願公開1670951には氷酢酸または硫酸の存在下にパラホルムアルデヒドにより2量体化する方法が記載されている。さらに、特開平5−213908には濃硫酸中でパラホルムアルデヒドまたはトリオキサンにより2量体化する方法が記載されている。この方法によれば、目的生成物の収率は、前記の2つの方法に比較して改良されているけれども、まだ不十分であり、さらなる改良が望まれる。
【0004】
一方、特公平4−58468(対応するヨーロッパ特許出願公開0180993)には、下記反応式
【0005】
【化4】
Figure 0004162274
【0006】
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、アルコキシ基等を表し、Rはアルキル基、アリールアルキル基等を表し、Alkは低級アルキル基を表す)
で示されるように、溶媒中で、出発化合物(I)から、低級アルキルアミンとホルムアルデヒドにより中間体(II)を合成し、次いで2量体化する2段階反応により、目的生成物(III) を製造する方法が記載されている。この方法は、上記3つの方法に比較すれば、より高い収率を与えるけれども、さらに一層の収率の向上とともに、工程の短縮が望まれるところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、塩基性触媒の存在下にホルムアルデヒド類とアミノアルコール類を用いることにより、短時間で簡便にかつ高収率でメチレンビス型化合物であるビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
本発明は、従って、効率的に、高い収率をもって、ビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類を得ることのできる方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類を、有機溶剤中、塩基性触媒の存在下に、ホルムアルデヒド類およびアミノアルコール類と反応させることを特徴とするビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の方法において、出発原料として用いられる2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類は、典型的には、下記一般式(1)
【0011】
【化5】
Figure 0004162274
【0012】
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表し、Rはアルキル基またはアリールアルキル基を表す)
で表される化合物である。また、従って、本発明の方法の目的生成物であるビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類は、典型的には、下記一般式(3)
【0013】
【化6】
Figure 0004162274
【0014】
(式中、Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはアリールアルキル基を表す)
で表されるメチレンビス型化合物である。
本発明の方法は、ホルムアルデヒド類とともにアミノアルコール類を用いることを特徴とするものである。アミノアルコール類は、アルコール性の水酸基をもつアミン誘導体の総称であり、アルカミンとも呼ばれる。本発明では、特に、下記一般式(2)
【0015】
【化7】
Figure 0004162274
【0016】
(式中、nは1またはそれ以上の整数であり、aは1または2である)
で示される1級および2級のアミノアルコール類が好適に用いられる。そのようなアミノアルコール類の例としては、現在工業的に容易に入手可能なものとしてモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0017】
本発明に有用なホルムアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサンおよびテトラオキシメチレンを挙げることができる。
塩基性触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびそれらの水酸化物、酸化物、水素化物、炭酸塩、アミドもしくはアルコラート等を用いることができる。
【0018】
反応溶媒としては有機溶剤を用いることができ、これらは反応体と反応しない有機溶剤であれば特に限定されない。有用な有機溶剤の例としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素や、一般のアルコールおよびエーテル等が挙げられ、それらのうちではアルコールおよびエーテルが好適である。
反応は、好ましくは、有機溶剤中に2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類、ホルムアルデヒド類およびアミノアルコール類を混合溶解し、塩基性触媒の存在下に、70〜200℃で1〜10時間加熱撹拌する。その後、減圧下で脱アミノアルコールおよび脱溶剤することにより、目的の2量体化生成物であるビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン類を得ることができる。この場合、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類1モルに対して、ホルムアルデヒド類をホルムアルデヒドとして0.5〜2モル、好ましくは0.5〜1モルと、アミノアルコール類を0.1〜2モル、好ましくは0.1〜1モルの量で用いるのがよい。ホルムアルデヒド類の量は、化学量論的には、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類1モルに対してホルムアルデヒドとして0.5モル以上であるのが望ましいけれども、1モルを超えると反応生成物中に高分子量不純物が多くなる傾向がある。アミノアルコール類の量は、中間体を経る2段階反応ではないので、ホルムアルデヒドと当量の0.5モル以上である必要はないが、0.1モル以下では反応は殆ど進行せず、一方1モル以上では収率が徐々に低下する傾向にある。
【0019】
前述した特公平4−58468に開示されている如きフェノール類とホルムアルデヒドおよびアルキルアミンとからアミノメチル化中間体を得る反応はマンニッヒ反応としてよく知られており、このアミノメチル化中間体はマンニッヒ塩基と呼ばれている。一方、本発明の方法による場合には、対応するマンニッヒ塩基は殆ど生成せず、出発原料である2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類から直接2量体化生成物が得られる。また、前記の如きアルキルアミンを用いる方法では、マンニッヒ塩基を合成し、しかる後に2量体化する2段階反応を行うため、この中間体が不純物となる可能性が大きく、また長い反応時間の影響で高分子量の副生物が生成するが、本発明の方法によれば中間体を経ることがないため、工程が簡便で短時間に高収率をもって目的生成物を得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
実施例1
390gのn−オクタノールに323gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、217gの98%ジ(エタノール)アミン、18gの86%パラホルムアルデヒドおよび11gの水酸化ナトリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0021】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに3時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン350gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は98%(収率90%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点198℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0022】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0023】
【表1】
Figure 0004162274
【0024】
実施例2
ジ(エタノール)アミンに代えて98%モノエタノールアミン42gを用いたことを除いて、実施例1の操作を繰り返した。
得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は98%(収率90%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点198℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0025】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0026】
【表2】
Figure 0004162274
【0027】
実施例3
150gのn−オクタノールに58gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、11gのモノエタノールアミン、5gの86%パラホルムアルデヒドおよび5gの水酸化カリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0028】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに3時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン300gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は99%(収率85%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点285℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0029】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0030】
【表3】
Figure 0004162274
【0031】
実施例4
150gのn−オクタノールに74gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、11gのモノエタノールアミン、5gの86%パラホルムアルデヒドおよび5gのナトリウムメチラートを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0032】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに3時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン230gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は99%(収率91%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点274℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0033】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0034】
【表4】
Figure 0004162274
【0035】
実施例5
100gのn−オクタノールに69gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、11gの98%モノエタノールアミン、5gの86%パラホルムアルデヒドおよび5gの水酸化ナトリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0036】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに3時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン350gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は99%(収率94%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点273℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0037】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0038】
【表5】
Figure 0004162274
【0039】
実施例6
200gのジ−イソペンチルエーテルに167gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、27gの98%モノイソプロパノールアミン、10gの86%パラホルムアルデヒドおよび8gの水酸化ナトリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0040】
反応混合物の温度が160〜170℃まで上昇したところで、さらに7時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン180gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は98%(収率80%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点198℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0041】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0042】
【表6】
Figure 0004162274
【0043】
実施例7
200gのジ−n−ヘキシルエーテルに167gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、112gの98%ジ(エタノール)アミン、10gの86%パラホルムアルデヒドおよび13gの炭酸カリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0044】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに7時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン180gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は98%(収率82%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点198℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0045】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0046】
【表7】
Figure 0004162274
【0047】
実施例8
200gの2−(2−メトキシエトキシ)エタノールに167gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、22gの98%モノエタノールアミン、10gの86%パラホルムアルデヒドおよび13gの炭酸カリウムを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0048】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに5時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン180gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は98%(収率85%)であった。この粗生成結晶をキシレンより再結晶して、融点198℃の淡黄白色粉体の精製物を得た。この精製物の液体クロマトグラフ分析による純度は100%であった。
【0049】
この精製物のC,H,N,O元素分析の結果は、下記の表に示す如く、理論値に近く、目的物であることが確認された。
【0050】
【表8】
Figure 0004162274
【0051】
参考例1
特公平4−58468の方法に準じて、25mlのn−ブタノールに32gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5gの86%パラホルムアルデヒドおよび11gのn−ジエチルアミンを溶解し、加熱還流下(95〜105℃)に24時間反応させた。
【0052】
反応終了後、減圧下で脱溶媒して残留物を得、これにキシレン20mlを添加して溶解し、触媒としてナトリウムメチラート(28%メタノール溶液)6gを添加した。次いで、窒素ガスを通気しながら還流温度(140〜150℃)まで昇温し、10時間撹拌した。その後、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物29gを得た。得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は70%(収率63%)であった。
【0053】
参考例2
ジ−エチルアミンに代えてジ−ブチルアミンを用いたことを除いて、参考例1の操作を繰り返した。
得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は72%(収率60%)であった。
【0054】
参考例3
特開平5−213908の方法に準じて、185gの98%濃硫酸に97gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールを添加し、この混合物を30℃以下に冷却した後4.5gの86%パラホルムアルデヒドを60分間で徐々に添加する。次いで、この温度において5時間反応を継続する。次に、反応混合物に100mlのモノクロロベンゼンを添加し、さらに冷却しながら300mlの水を添加する。次いで、90℃の温水でpHが中性になるまで洗浄を繰り返す。
【0055】
得られた反応混合物を10℃まで冷却して結晶を得、これを濾別して結晶を取り出し、乾燥する。得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は80%(収率55%)であった。
参考例4
100gのn−オクタノールに80gの2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、13gの86%パラホルムアルデヒド、28gのジエチルアミンおよびナトリウムメチラート5gを、攪拌下に、70〜100℃で60分間加熱溶解し、次いで徐々に昇温して、発生する水を回収する。
【0056】
反応混合物の温度が180〜190℃まで上昇したところで、さらに3時間反応を行なう。反応終了後、減圧下に脱溶媒し、次いでキシレン350gを添加して、130〜140℃の還流温度で生成物を溶解する。溶解後、溶液を冷却し、粗生成結晶を得る。濾別して得られた粗生成結晶を液体クロマトグラフで分析した結果、純度は95%(収率23%)であった。
【0057】
この粗生成結晶の液体クロマトグラフによる分析結果からみて、実施例1および2の場合とは異なり、目的生成物の生成が極めて少なく、中間体のマンニッヒ塩基化合物が多量に残っていることが認められる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004162274
    (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表し、Rはアルキル基またはアリールアルキル基を表す)
    で表される2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール化合物を、有機溶剤中、塩基性触媒の存在下に、ホルムアルデヒド化合物および下記一般式(2)
    Figure 0004162274
    (式中、nは2〜4の整数であり、aは1または2である)
    で表されるアミノアルコール化合物と反応させることを特徴とする下記一般式(3)
    Figure 0004162274
    (式中、Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表し、Rはそれぞれ独立にアルキル基またはアリールアルキル基を表す)
    で表されるビス(2−ヒドロキシフェニル−3−ベンゾトリアゾール)メタン化合物の製造方法。
  2. ホルムアルデヒド化合物が、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサンおよびテトラオキシメチレンから選ばれる、請求項1記載の方法。
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