JP4153865B2 - 内燃機関のための触媒昇温制御の故障を判定する装置 - Google Patents

内燃機関のための触媒昇温制御の故障を判定する装置 Download PDF

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Description

この発明は、内燃機関の排気系に設けられた触媒を早期に暖める制御における故障を検知する装置に関する。
内燃機関の排気系に設けられた触媒は、低温では不活性状態にある。このような不活性状態にある触媒は、浄化作用を発揮しない。したがって、内燃機関を始動した時には、触媒の温度を早期に上昇させて該触媒を活性化させるのが望ましい。
触媒の温度を急速に上昇させる触媒昇温制御が提案されている。下記の特許文献1および2に記載された触媒昇温制御では、内燃機関が始動した直後に、内燃機関への吸入空気量を通常のアイドル状態よりも増加させると共に、内燃機関の回転数が目標回転数と一致するように点火時期を遅角方向にフィードバック制御する。
このような触媒昇温制御に何らかの不具合があると、触媒の活性化に遅れが生じ、不所望な成分を含むガスが排気されるおそれがある。下記の特許文献2には、このような触媒昇温制御における故障を検知する手法が示されている。この手法によると、推定された触媒温度と、検出された触媒温度との偏差を算出し、該偏差の絶対値が所定値よりも大きいとき、故障と判断する。
特開平10−299631号公報 特開2001−132438号公報
従来の手法によると、触媒の温度を測定するセンサが必要となり、コスト高を招く。したがって、このようなコスト高を招くことなく、触媒昇温制御における故障を検知することができる装置が必要とされている。
この発明の一つの側面によると、内燃機関の制御装置は、内燃機関への吸入空気量を増やすと共に、該内燃機関の点火時期を該内燃機関の回転数に応じて遅角し、該内燃機関の排気系に設けられた触媒の温度を上昇させる触媒昇温制御を実施する。内燃機関の制御装置は、内燃機関への吸入空気量の目標値の積算値を算出する手段と、内燃機関に実際に吸入される吸入空気量の積算値を算出する手段と、吸入空気量の目標値の積算値と実際に吸入される吸入空気量の積算値との偏差に基づいて、該触媒昇温制御の故障を判定する故障判定手段と、を備える。
この発明によれば、触媒の温度を検出するセンサを車両に設ける必要がない。したがって、コスト高を招くことなく、触媒昇温制御の故障を検出することができる。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態による内燃機関(以下、「エンジン」という)およびその制御装置の全体的なシステム構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース1a、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU1b、読み取り専用メモリ(ROM)および一時記憶用のランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリ1c、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備えている。ROMには、車両の各部の制御を行うためのプログラムおよび各種のデータが格納されている。この発明に従う触媒昇温制御および該制御の故障を判定するためのプログラム、および該プログラムの実行の際に用いるデータおよびテーブルは、このROMに格納されている。読み取り専用メモリは、EPROMのような書き換え可能なROMであってもよい。RAMには、CPU1aによる演算の作業領域が設けられ、車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号が一時的に記憶される。
エンジン2は、たとえば4気筒を備えるエンジンであり、吸気管3が連結されている。吸気管3の上流側にはスロットル弁4が設けられている。スロットル弁4に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)5は、スロットル弁4の開度を検出し、これをECU1に供給する。
吸気管3には、スロットル弁4をバイパスする通路6が設けられている。バイパス通路6には、エンジン2に吸入する空気量を制御するためのバイパス弁7が設けられている。バイパス弁7の開度は、ECU1からの制御信号によって制御される。
燃料噴射弁8は、エンジン2とスロットル弁4の間に気筒毎に設けられている。燃料噴射弁8は、図示しない燃料タンクから燃料の供給を受ける。燃料噴射弁8の開弁時間は、ECU1からの制御信号によって制御される。
スロットル弁4の上流には、エアフローメータ(AFM)9が設けられている。エアフローメータ9は、スロットル弁4およびバイパス弁7を通過する空気量を検出し、それをECU1に送る。エアフローメータ9は、ベーン式エアフローメータ、カルマン渦式エアフローメータ、および熱線式エアフローメータ等であることができる。
吸気管圧力(Pb)センサ10および吸気温(Ta)センサ11は、吸気管3のスロットル弁4の下流側に設けられており、吸気管圧力Pbおよび吸気温TAをそれぞれ検出し、それをECU1に送る。
エンジン水温(TW)センサ12は、エンジン2のシリンダブロックの、冷却水が充満した気筒周壁(図示せず)に取り付けられ、エンジン冷却水の温度TWを検出し、それをECU1に送る。
エンジン2には、クランク角(CRK)センサ13が設けられている。クランク角センサ13は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU1に出力する。CRK信号は、所定のクランク角(たとえば、30度)で出力されるパルス信号である。ECU1は、該CRK信号に応じ、エンジン2の回転数NEを算出する。さらに、TDC信号が、ピストンのTDC位置に関連したクランク角度で出力され、ECU1に送られる。
点火プラグ14は、エンジン2の気筒毎に設けられている。点火プラグ14は、ECU1からの点火信号に従って駆動される。
エンジン2の下流側には排気管15が連結されている。エンジン2は、排気管15に設けられた排気ガス浄化装置である三元触媒16を介して排気する。
広域空燃比センサ(LAF)センサ17は、触媒装置16の上流に設けられている。LAFセンサ17は、リーンからリッチにわたる広範囲の空燃比を検出し、これをECU1に送る。
O2(排ガス)センサ18は、触媒装置16の下流に設けられている。O2センサ18は2値型の排気ガス濃度センサである。O2センサ18は、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるとき高レベルの信号を出力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとき低レベルの信号を出力する。出力された電気信号は、ECU1に送られる。
エンジン2によって駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出するセンサ19、大気圧(Pa)を検出するセンサ20、および該車両の自動変速機のシフト位置を検出するシフト位置センサ21がECU1に接続されており、これらのセンサからの検出信号はECU1に送られる。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡される。入力インターフェース1aは、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU1bは、変換されたデジタル信号を処理し、メモリ1cに格納されているプログラムに従って演算を実行し、車両の各部のアクチュエータに送る制御信号を作り出す。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、バイパス弁7、燃料噴射弁8、点火プラグ14、およびその他のアクチュエータに送る。
図2は、本発明の一実施形態に従う触媒昇温制御の故障を検知する装置の機能ブロック図である。
触媒昇温装置31は、エンジン2の点火時期を制御する点火時期制御部32およびエンジン2への吸入空気量を制御する吸入空気量制御部33を備えている。内燃機関が始動した直後、吸入空気量制御部33は、吸入空気量を増大させる。それと同時に、点火時期制御部32は、エンジン2の回転数が目標値に収束するように、点火時期を遅角方向に制御する。こうして、エンジン2から排気されるガスによって、触媒16の温度を早期に上昇させる。
点火時期制御部32は、式(1)に従い、点火時期IGLOGを算出する。
IGLOG=IGMAP+IGCR+IGFPI (1)
IGMAPは、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力PBに基づいて設定されたマップを検索して得られる基本値であり、上死点からの進角量で示される。IGFPIは、触媒昇温制御が実施されるモード(以下、FIREモードと呼ぶ)において、エンジン回転数NEが目標回転数NEFIRに一致するように負の値に設定される遅角補正項である。IGCRは、その他の補正項である。(IGMAP+IGCR)が、FIREモードではない通常の動作モードで用いられる点火時期に相当する。点火時期制御部32は、点火時期IGLOGに基づいて、駆動信号を点火プラグ14に供給する。
吸入空気量制御部33は、エンジンの運転状態に応じてバイパス弁7の開弁量を制御するための開弁制御量ICMDを算出し、該開弁制御量に応じた駆動信号を、バイパス弁7に供給する。バイパス弁7を介してエンジン2に吸入される空気量は、開弁制御量ICMDに比例する。FIREモードにおいては、吸入空気量制御部33は、式(2)に従って開弁制御量ICMDを算出する。
ICMD=(IFIR+ILOAD)×KIPA+IPA (2)
IFIRは、FIREモードおよび該FIREモードモードが終了した直後の過渡状態で使用されるFIREモード制御項である。ILOADは、エンジン2に印加される電気負荷、空調装置のコンプレッサ負荷、パワーステアリング負荷、および自動変速機のインギヤ状態に応じて設定される負荷補正項である。KIPAおよびIPAは、共に、大気圧に応じて設定される補正項である。
故障判定装置35は、触媒昇温装置31により実施される触媒昇温制御における何らかの故障を検知する。目標吸入空気量積算部36は、式(3)に従って、エンジン2への吸入空気量の目標値(以下、目標吸入空気量と呼ぶ)QAIRCMDを算出し、さらに、式(4)に従って、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDを算出する。
QAIRCMD=IFIR×吸気密度補正係数×差圧補正係数 (3)
QGAIRCMDの今回値=
QGAIRCMDの前回値+QAIRCMD (4)
IFIRは、前述したように、吸入空気量制御部33によって算出される、FIREモード制御項である。吸気密度補正係数は、吸気温度TAに応じて設定される補正係数である。差圧補正係数は、大気圧と吸気管圧力との間の差圧に応じて設定される補正係数である。他の補正係数を用いてもよい。たとえば、大気圧に応じて設定される補正係数を用いることもできる。
実吸入空気量積算部37は、エンジン2に実際に吸入される吸入空気量QAIRを、たとえばエアフローメータ9の検出値を平均することにより算出する。平均は、移動平均法などの既知の手法を用いて行うことができる。実吸入空気量積算部37は、さらに、実吸入空気量の積算値QGAIRを、式(5)に従って算出する。
QGAIRの今回値=QGAIRの前回値+QAIR (5)
代替的に、燃料噴射弁8の基本燃料噴射時間TIおよびエンジン2の回転数NEに基づいて、エンジン2に実際に吸入される吸入空気量QAIRを推定してもよい。基本燃料噴射時間は、エンジンの運転状態(たとえば、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力PB)に基づいて、エンジン2に供給される混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるよう設定される。
故障判定部38は、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDと、実吸入空気量の積算値QGAIRとの偏差に基づき、触媒昇温装置31により実施される触媒昇温制御の故障を判定する。
図3は、触媒昇温制御が実施されている時の各種パラメータの挙動を示す。時刻t0において、スタータモータによりクランキングさせると、車両は始動モードに入る。始動モードは、アクセルペダルが操作されていないアイドリング状態を示している。この状態では、スロットル弁4の開度はゼロであり、よってバイパス弁7のみを介して吸気が行われる。時刻t1においてエンジンの完爆が確認されると、アイドリング運転を行いながらFIREモードに移行する。FIREモードにおいて、触媒昇温制御が実施される。
FIREモードに入ると、バイパス弁7の開度は、増大するよう制御される。通常のアイドリング運転時よりも大きな開度に設定して吸入空気量を増やすことにより、排ガスの熱量を増やすためである。吸入空気量QAIRの増大に伴い、エンジン回転数NEが増大する。エンジン回転数NEが、予め決められた値(NOBJ+NEFPIST)に達する時点t2において、点火時期フィードバック制御が開始される。吸入空気量を増大した後、バイパス弁7の開度は、徐々に減らされるよう制御される。
点火時期制御が開始されると、回転数についての目標値NEFIRは、NOBJまで漸減される。実回転数NEが目標値NEFIRに収束するように、遅角補正項IGFPIが算出される。点火時期IGLOGは、該遅角補正項IGFPIにより補正される。その結果、点火時期IGLOGは、通常の制御値(IGMAP+IGCR)よりも遅角側に制御される。点火時期IGLOGに従って、点火プラグ14による点火が実施される。
FIREモードは、所定時間継続し、時刻t3にて終了する。時刻t3において、通常の動作モードが開始される。通常の動作モードでは、点火時期は、進角側の値に徐々に戻される。
前述したように、吸入空気量は、バイパス弁7の開弁制御量ICMDに従って制御される。開弁制御量ICMDは、FIREモード制御項IFIRに基づいて算出される。すなわち、FIREモード制御項IFIRに従って、吸入空気量の大きさが主に決まる。
触媒昇温制御が正常に動作していれば、実吸入空気量QAIRは、FIREモード制御項IFIRに基づいて算出される目標吸入空気量QAIRCMDと一致するはずである。しかしながら、触媒昇温制御が正常に動作していない時は、図に示されるように、実吸入空気量QAIRと目標吸入空気量QAIRCMDとの間に偏差が生じる。その結果、実吸入空気量の積算値QGAIRと目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDの間に、図に示されるような偏差DGAIRが生じる。該偏差DGAIRが、エンジンの運転状態に基づいて設定されたしきい値THAIRより大きい時、触媒昇温制御に何らかの故障が生じたと判定することができる。
積算値に基づいて故障判定を実施することにより、実吸入空気量および目標吸入空気量に何らかの誤差が含まれていても、より高い精度で故障判定を行うことができる。
図4の(a)は、しきい値THAIRのマップの一例を示す。該マップは、メモリ1cに記憶される。この例では、しきい値は、算出された目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDに基づいて決定される。該マップは、目標吸入空気量の積算値が増加するにつれ、しきい値THAIRが増加するよう設定されている。図3に示されるように、触媒昇温制御に何らかの故障があるとき、時間の経過と共に目標吸入空気量の積算値が大きくなるほど、偏差DGAIRが大きくなる傾向があるからである。
一実施例では、故障判定を実施するタイミングに応じて、しきい値について異なるマップを用意する。図3に示されるように、FIREモード開始からの経過時間が長いほど、偏差DGAIRは大きくなる傾向がある。したがって、経過時間が長くなるほど、しきい値は大きくなるよう設定される。たとえば、FIREモードを開始してから20秒後に故障判定を実施する場合のマップと、40秒後に故障判定を実施する場合のマップとがメモリに記憶される。FIREモードの開始から20秒後に故障判定を実施するとき、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDが200リットルならば、しきい値は50リットルに設定される。FIREモードの開始から40秒後に故障判定を実施するとき、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDが400リットルならば、しきい値は100リットルに設定される。
目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDの代わりに、エンジンが始動したときの水温に基づいてしきい値を設定してもよい。エンジン水温が低くなるほど、目標吸入空気量の積算値は大きくなる傾向がある。したがって、始動時のエンジン水温が低くなるほどしきい値が増加するよう規定されたマップをメモリ1cに記憶しておくことができる。始動時のエンジン水温に代わりに、始動時の吸気温を用いてもよい。
偏差についてのしきい値は、所望のエミッションを達成するよう設定されるのが好ましい。図4の(b)に示されるように、偏差DGAIRが大きくなるほど、不所望な成分のエミッションが増加する傾向がある。したがって、このようなエミッションをどの程度抑制するかを決めることにより、所望の偏差が決まる。たとえば、エミッションの上限値EM1に対応する偏差DGAIRが、DG1であるとする。しきい値は、DG1以下になるように設定される。具体的には、図4の(a)において、所与の目標吸入空気量積算値QGAIRCMDに対応するしきい値が、DG1以下になるように設定される。
触媒昇温制御の故障には、吸入空気量および点火時期を制御するのに関連する機械要素および該制御を実施するためのプログラム等の異常、誤動作などを含む。たとえば、バイパス弁または該バイパス弁を駆動するアクチュエータにおける故障を含むことができる。また、ECU1の誤動作または制御プログラムの異常を含むことができる。
FIREモードにおいて、実吸入空気量の積算値QGAIRと目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDとの間の偏差が大きいと、空気量不足により触媒の活性化に遅れが生じるおそれがある。これは、不所望な成分のガスを排気するおそれがある。本願発明によれば、このような不適切な状態を検出して運転者に知らせることができる。
図5〜図11を参照して、触媒昇温制御のプロセスの詳細を説明する。
図5は、触媒を早期に活性化させる際に吸気量を制御するための制御量IFIRを算出するためのメインルーチンを示す。このルーチンは、TDC信号に同期して実行される。
ステップS11では、FIREモードの判別処理(図6)を実行する。該判別処理では、フラグFFIREONが設定される。フラグFFIREONは、FIREモードの実行が許可された時に値1に設定されるフラグである。
ステップS12において、FFIREON=0ならば、FIREモードの実行が許可されていないことを示し、ステップS26に進む。FFIREON=1ならば、FIREモードの実行が許可されたことを示し、ステップS13に進む。
ステップS13では、フラグFFIRQUITにゼロを設定する。フラグFFIRQUITは、FIREモード終了直後の過渡制御が実行されている時に値1に設定されるフラグである。ステップS14において、FIREモード制御項IFIRを算出する(図7)。
ステップS15において、FIREモード制御項IFIRが、エンジン水温TWに基づいて設定されるエンジン水温制御項ITW(これは、FIREモード以外のアイドル運転中などにおいて、バイパス弁7の制御に使用される)から所定値DIFIRL(たとえば、空気量100リットル/minに相当する値)を減算した値以下かどうかを判断する。IFIR>(ITW−DIFIRL)ならば、直ちに本処理を終了する。IFIR≦(ITW−DIFIRL)ならば、ステップS16に進み、FIREモード制御項IFIRに、(ITW−DIFIRL)を設定する。こうして、FIREモード制御項IFIRが、下限値(ITW−DIFIRL)により制限される。
ステップS26では、エンジン水温制御項ITWが、所定の上限値IFIRINIH(たとえば、吸入空気量600リットル/minに相当する値)より小さいかどうか判断する。ITW<IFIRINIHならば、エンジン水温制御項ITWを初期値IFIRINIに設定し(S27)、ITW≧IFIRINIHならば、該上限値IFIRINIHを初期値IFIRINIに設定する(S28)。ステップS29では、減算補正値IFIRDECにゼロを設定する。
ステップS31〜S38において、前述した過渡制御についてのプロセスが実行される。ステップS31およびS32において、フラグFFIRQUITの値が1の時は、過渡制御が実行中であることを示し、ステップS35に進む。フラグFFIRQUITの値がゼロであり、かつフラグFFIRONの前回値が1ならば、過渡制御を実行するため、フラグFFIRQUITに値1を設定する(S33)。フラグFFIRQUITの値がゼロであり、かつフラグFFIRONの前回値がゼロならば、FIREモードの継続回数をカウントするためのカウンタCFIRONにゼロを設定し(S34)、フラグFFIRQUITをゼロに設定して(S39)、本処理を終了する。
ステップS35において、点火時期の遅角補正項IGFPIが、過渡制御の終了を判定するためのしきい値IGFPIQH(たとえば、−3度)より大きいかどうかを判断する。IGFPI>IGFPIQHならば、遅角補正項IGFPIの絶対値が小さい(遅角量が小さい)ことを示し、過渡制御を終了するためにステップS39に進む。
IGFPI≦IGFPIQHならば、エンジン水温TWに基づいて図12に示すDFIRQUテーブルを参照し、過渡制御用の減算値DFIRQUを求める。減算値DFIRQUは、エンジン水温が高くなるほど減少するように設定されている。DFIRQUmax、DFIRQUminおよびTWDF0、TWDF1は、それぞれ、たとえば吸入空気量5リットル/minに相当する値、2リットル/minに相当する値、28℃および62℃に設定される。
ステップS37において、FIREモード制御項IFIRを、減算値DFIRQUだけデクリメントする。ステップS38において、FIREモード制御項IFIRが、エンジン水温制御項ITWから所定値DIFIRLを減算して得られる値以下かどうかを調べる。IFIR≦(ITW−DIFIRL)ならば、ステップS39を実行して本処理を終了する。IFIR>(ITW−DIFIRL)ならば、直ちに本処理を終了する。こうして、IFIRが下限値(ITW−DIFIRL)を下回ったときは、過渡制御を終了する。
このように、過渡制御が実行されると、FIREモードで増量した吸入空気量が、徐々に通常の値に戻される。
図6は、図5のステップS11で実行されるFIREモード判別処理のフローチャートを示す。ステップS41では、何らかの異常が現在検知されているかどうかを判断する。たとえば、吸気管圧力センサおよびスロットル開度センサなどのセンサの故障、スロットル弁に関する何らかの異常等が検知されているかどうかを判断する。このような異常が検知されていなければ、ステップS42で、エンジン2が始動モード(すなわち、クランキング中)にあるかどうかを判断する。
ステップS41またはS42の答えがYESならば、エンジン水温TWに基づいて、図13の(a)に示されるようなTFIRENDテーブルを参照し、FIREモードを終了する時間TFIRENDを求める(S43)。TFIRENDテーブルは、エンジン水温TWが高くなるほど終了時間TFIRENDが短くなるよう設定されている。TFIRENDmaxおよびTFIRENDminは、それぞれ、たとえば50秒および2秒に設定される。TW0およびTW1は、それぞれ、たとえば−10℃および75℃に設定される。
ステップS44では、フラグFFIRENDをゼロに設定し、さらにステップS56でフラグFFIREONをゼロに設定して、本処理を終了する。フラグFFIRENDは、FIREモードを終了する時に値1が設定されるフラグである。こうして、故障がすでに検知されている時、またはエンジン2が始動モードにある時は、FIREモードの実行は許可されない。
ステップS41およびS42の両方の答えがNOならば、フラグFFIRENDの値を調べる。FFIREND=1であるならば、直ちにステップS56に進んで、フラグFFIREONにゼロを設定する。FFIREND=0であるならば、始動モードの終了時点(すなわち、クランキング終了時点)からの経過時間を計測するアップカウントタイマTM20TCRの値が、ステップS43で求めたFIREモード終了時間TFIRENDを超えたかどうかを調べる。TM20TCR>TFIRENDならば、終了フラグFFIRENDに値1を設定してFIREモードを終了し、ステップS56に進む。
ステップS46でTM20TCR≦TFIRENDならば、フラグFFIRENDにゼロを設定する(S47)。ステップS49において、エンジン回転数が所定の下限値NEFIRL(例えば、700rpm)以上かどうかを判断する。NE<NEFIRLならば、ステップS56に進む。NE≧NEFIRLならば、カウンタCFIRONを1だけインクリメントする(S50)。ステップS51において、カウンタCFIRONの値に基づいて、図13の(b)に示されるようなKMFIRテーブルを参照し、補正係数KMFIRを求める。KMFIRテーブルは、カウンタCFIRONが増加するに従って、補正係数KMFIRが増加した後に減少するように設定されている。KMFIRmax、KMFIRmin、およびn1は、それぞれ、たとえば2.625、1.0および2000に設定される。
ステップS52では、吸気温TAに基づいて、図13の(c)に示されるようなKTAFIRテーブルを参照し、補正係数KTAFIRを求める。KTAFIRテーブルは、吸気温TAが増加するほど補正係数KTAFIRが増加するように設定されている。KTAFIRmax、KTAFIRmin、TA0およびTA1は、それぞれ、たとえば2.0、1.0、−10℃および80℃に設定される。
ステップS53では、車速が所定値VFIRH(たとえば、5km/h)以上かどうかを調べる。VP<VFIRHの時は、フラグFIDLEの値を調べる。フラグFIDLEは、エンジン2がアイドル状態である時に値1が設定されるフラグである。VP≧VFIRHで有るとき、またはエンジン2がアイドル状態でない時は、ステップS56に進み、FIREモードを行わないようにする。VP<VFIRHであり、かつエンジン2がアイドル状態に有るときは、ステップS55でフラグFFIREONを値1に設定し、FIREモードを許可する。
図7は、図5のステップS14におけるIFIR算出ルーチンのフローチャートである。ステップS61では、失火発生が検出されているかどうかを調べる。失火発生は、クランク角30°毎に発生するCRK信号の発生間隔の変動に基づいて既知の手法で検出されることができる。失火発生が検出されていない時は、点火時期IGLOGが、所定の下限値IGLGG(たとえば、−20deg)に判定値IGFIRDEC(たとえば、1度)を加算した値以上かどうかを調べる(S62)。
失火が発生しておらず、かつIGLOG≧(IGLGG+IGFIRDEC)であるならば、直ちにステップS64に進む。失火が発生している時、またはIGLOG<(IGLGG+IGFIRDEC)である時(すなわち、点火時期IGLOGが、下限値IGLGG近傍に張り付いているとき)は、ステップS63において、補正値IFIRDEC(>0)を所定量DFIRDECだけインクリメントして、ステップS64に進む。
ステップS64では、FIREモード制御項IFIRの基本値IFIRBSを、式(6)に従って算出する。
IFIRBS=
IFIRINI×(1+(KMFIR−1)×KTAFIR) (6)
KMFIRおよびKTAFIRは、図6のステップS51およびS52で算出された補正係数であり、IFIRINIは、図5のステップS27またはS28で設定される初期値である。補正係数KMFIRは、FIREモードの継続時間を示すカウンタCFIRONの値が増加するに従って、図13の(b)に示されるように変化するので、吸入空気量は、FIREモードの開始から徐々に増加し、その後徐々に減少するように制御される(図3を参照)。
ステップS65では、基本値IFIRBSから、ステップS63で更新される補正値IFIRDECを減算することにより、FIREモード制御項IFIRを算出する。こうして、失火が発生している時、または点火時期IGLOGが下限値近傍にあるときは、吸入空気量を減らすようにする。これにより、未燃焼の燃料の排出量を抑制することができる。さらに、点火時期IGLOGの遅角補正が不能となる(すなわち、エンジン回転数NEを目標値NEFIRに一致させることができなくなる)事態を回避することができる。
図8は、触媒を早期に活性化させる際に点火時期を制御する処理のフローチャートを示す。この処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。
ステップS71では、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力PBに基づいて、図示しない所定のマップを参照し、式(1)に示される基本値IGMAPを求める。ステップS72では、補正項IGCRを算出する。ステップS73において、エンジン回転数NEが目標値NEFIRに収束するよう点火時期を制御するフィードバック(FB)制御について、実施条件が成立しているかどうかを判断する処理(図9)を実施する。実施条件が成立すると、フラグFFIRENEFBが値1に設定される。
ステップS74において、FFIRENEFB=0ならば、フィードバック制御を実施しないので、遅角補正項IGFPIをゼロに設定する(S75)。FFIRENEFB=1ならば、フィードバック制御を実施して、遅角補正項IGFPIを算出する(S76)。ステップS77において、前述した式(1)に従い、点火時期IGLOGを算出する。
図9は、図8のステップS73で実行されるFB制御実施条件判断処理のフローチャートである。ステップS91では、フラグFFIREONの値が1であるかどうかを調べる。FFIREON=0であるならば、FIREモードでないことを示し、ステップS103でフラグFFIRQUITの値が1であるかどうかを調べる。FFIRQUIT=0であるならば、過渡制御中でないことを示し、フィードバック制御フラグFFIRENEFBおよび目標回転数フラグFNOENEFIRをゼロに設定する(S105)。目標回転数フラグFNOENEFIRは、目標回転数を増加させない時に値1に設定されるフラグである。
ステップS103でFFIRQUIT=1であるならば、過渡制御中であることを示し、スロットル弁の開度θTHが所定値θTHFIR(たとえば、0.88deg)以上かどうかを判断する(S104)。θTH<θTHFIRであるならば、スロットル弁がほぼ全閉状態にあることを示し、直ちに本処理を終了する。この場合、FIREモードフラグFFIREONがゼロであっても、フィードバック制御フラグFFIRENEFBには値1が維持されるので、フィードバック制御は継続する。θTH≧θTHFIRであるならば、ステップS105を実行して、本処理を終了する。
ステップS91でフラグFFIREONの値が1である時は、フラグFFIRQUITの値を調べる(S92)。FFIRQUIT=1であるならば、過渡制御中であることを示し、フィードバック制御フラグFFIRENEFBにゼロを設定する(S94)。フラグFFIRQUIT=0ならば、フィードバック制御フラグFFIRENEFBの値を調べる(S93)。FFIRENEFB=1であるならば、直ちに本処理を終了する。FFIRENEFB=0であるならば、ステップS95に進む。
ステップS95では、始動モードの終了(すなわち、クランキングの終了)後の経過時間を計測するアップカウントタイマTM01ACRの値が所定値T1STFIR(たとえば、1msec)以下かどうかを調べる。TM01ACR≦T1STFIRならば、始動直後であることを示し、フィードバック制御を開始するかどうかを判定するための加算値NEFPISTおよびカウント値CFNEFBSTと、目標回転数を補正するための加算値DNEFIRとを、それぞれ、第1の値NEFPI1(たとえば、200rpm)、CFNEFB1(例えば、200)、およびDNEF1(たとえば、1rpm)に設定する(S96)。TM01ACR>T1STFIRであるならば、加算値NEFPIST、カウント値CFNEFBSTおよび加算値DNEFIRを、それぞれ、第2の値NEFPI2(たとえば、200rpm)、CFNEFB2(たとえば、2)およびDNEF2(たとえば、12rpm)に設定する(S97)。
ステップS98において、エンジン回転数NEが、通常制御モードで用いられる目標回転数NOBJに加算値NEFPISTを加算した値以下かどうかを判断する。NE<(NOBJ+NEFPIST)ならば、FIREモードのカウンタCFIRONの値が、判定用カウント値CFNEFBST以上かどうかを判断する(S99)。ステップS98およびS99の答えがNOである時は、エンジン回転数NEが低く、かつFIREモードの継続時間が短いことを示す。このような状況はフィードバック制御に適さないので、直ちに本処理を終了する。
ステップS98でNE≧(NOBJ+NEFPIST)ならば、目標回転数フラグFNOENEFIRを値1に設定する(S101)。ステップS99でCFIRON≧CFNEFBSTならば、目標回転数フラグFNOENEFIRをゼロに設定する(S100)。こうして、フィードバック制御開始時のエンジン回転数NEが高いときは、目標回転数の算出に使用される加算値ENEFIRにゼロが設定されるようにする(図11のステップS131およびS134、図10のステップS117およびS118を参照)。
ステップS102では、フィードバック制御フラグFFIRENEFBを値1に設定し、カウンタCFIRONの値を、CFRPISTとしてメモリ1cに記憶する。
図10は、図8のステップS76で実行されるフィードバック制御処理のフローチャートである。ステップS111では、目標回転数NEFIRを算出するための加算値ENEFIRを算出するルーチン(図11)を実施する。ステップS112では、自動変速機のシフト位置SFTがニュートラルNまたはパーキングPからドライブDまたはリバースR(インギヤ状態)に、またはその逆に変化したかどうかを判断する。シフト位置が変化したならば、ダウンカウントタイマtmINGFIRに所定値TINGFIR(たとえば、3秒)を設定して起動する(S113)。その後、前回のサイクルで算出されたフィードバック制御(PI制御)のI項IIGFIRおよび遅角補正項IGFPIを、今回値として保持し(S114)、本処理を終了する。
ステップS112でシフト位置に変化が無ければ、タイマtmINGFIRの値がゼロかどうかを調べる。tmINGFIR=0ならば、シフト位置SFTがドライブDまたはリバースR(インギヤ状態)かどうかを調べる(S116)。インギヤ状態でない時は、式(7)に従って目標回転数NEFIRを算出する(S117)。NOBJは、通常の(すなわち、FIREモード以外の)アイドル状態における目標回転数である。ENEFIRは、ステップS111で算出される加算値である。
NEFIR=NOBJ+ENEFIR (7)
ステップS116でインギヤ状態にあるとき、式(8)に従って目標回転数NEFIRを算出する(S118)。DNEFIRDRは、たとえば300rpmに設定される補正値である。
NEFIR=NOBJ+ENEFIR−DNEFIRDR (8)
こうして、インギヤ状態にある時は、エンジン負荷が増加するので、遅角補正項IGFPIを増加させ(すなわち、遅角量を減少させ)、エンジン出力が増えるようにする。
ステップS119では、目標回転数NEFIRが所定の下限値NEIGFIRL(たとえば、730rpm)以下かどうかを判断する。NEFIR>NEIGFIRLならば、直ちにステップS121に進む。NEFIR≦NEIGFIRLならば、該下限値NEIGFIRLを目標回転数NEFIRに設定して(S120)、ステップS121に進む。
ステップS121では、点火時期に基づいて、図14に示されるようなKIIGFIRテーブルを検索し、積分項ゲインKIIGFIRを求める。KIIGFIRテーブルは、点火時期IGLOGが増加する(進角する)ほど積分項ゲインKIIGFIRが増加するように設定されている。KIIGFIRmax、KIIGFIRmin、IGLOG1およびIGLOG2は、それぞれ、たとえば0.063、0.016、−10度および12度に設定される。
ステップS122では、式(9)に従い、加算値IIGFTMPを算出する。
IIGFTMP=KIIGFIR×(NEFIR−NE) (9)
ステップS123では、積分項の前回値IIGFIR(n−1)に該加算値IIGFTMPを加算して、積分項の今回値IIGFIR(n)を算出する。ステップS124では、式(10)に従い、比例項PIGFIRを算出する。
PIGFIR=KPIGFIR×(NEFIR−NE) (10)
ステップS125では、積分項IIGFIRおよび比例項PIGFIRを加算して、遅角補正項IGFPIを算出する。
このように、エンジン回転数NEが目標回転数NEFIRに収束するように遅角補正項IGFPIを算出するPI制御が実行される。
図11は、図10のステップS111で実行される加算値ENEFIRを算出するフローチャートである。ステップS131では、目標回転数フラグFNOENEFIRの値が1かどうかを調べる。FNOENEFIR=1ならば、目標回転数を増加させないことを示し、よって加算値ENEFIRにゼロを設定する(S134)。FNOENEFIR=0ならば、式(11)に従って、加算値ENEFIRを算出する(S132)。
ENEFIR=
NEFPIST−DNEFIR×(CFIRON−CFIRPIST)
(11)
NEFPISTおよびDNEFIRは、図9のステップS96またはS97で設定される。CFIRONは、前述したように、FIREモードの継続回数を示すカウンタの値である。CFIPISTは、図9のステップS102でメモリ1cに記憶された値である。すなわち、(CFIRON−CFIRPIST)は、フィードバック制御の開始時点からの経過時間に対応するカウント値である。したがって、式(11)と、式(7)または(8)とから、目標回転数NEFIRは、フィードバック制御の開始当初は(NOBJ+NEFPIST)に等しい(図3を参照)。時間が経過するにつれ、目標回転数NEFIRは漸減し、最終的には通常の目標回転数NOBJに一致するように設定される。
ステップS133では、加算値ENEFIRがゼロ以下かどうかを調べる。ENEFIR>0ならば、直ちに本処理を終了する。ENEFIR≦0ならば、ステップS134を実行して、本処理を終了する。
図15は、FIREモードで実施される触媒の昇温制御に何らかの故障が生じたかどうかを判定する故障判定処理のフローチャートである。この処理は、所定の時間間隔で、またはTDC信号に同期して実行される。
ステップS141では、フラグFFIREONの値を調べる。FFIREON=0ならば、FIREモードにないことを示し、よって本処理を終了する。FFIREON=1ならば、FIREモードにあることを示し、ステップS142に進む。
ステップS142では、マップを参照して、吸気密度補正係数および差圧補正係数を求める。該マップの一例を、図16の(a)および(b)にそれぞれ示す。吸気密度補正係数用のマップ(a)は、吸気温度が高くなるほど、補正係数は小さくなるよう設定されている。差圧補正係数用のマップ(b)は、差圧が大きくなるほど、補正係数は小さくなるよう設定されている。
ステップS143では、式(3)に従って、目標吸入空気量QAIRCMDの今回値を算出する。ステップS144において、式(4)に従って、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDの今回値を算出する。
ステップS145では、前述したように、エアフローメータの検出値に基づいて、または他の既知の手法により、実吸入空気量QAIRを算出する。ステップS146において、式(5)に従って、実吸入空気量の積算値QGAIRの今回値を算出する。
ステップS147において、カウンタCFIRONの値が所定値TFIRONに達したかどうかを判断する。CFIREON<所定値TFIRONならば、FIREモードの開始から所定時間TFIRONが経過していないので、直ちに本処理を終了する。CFIREON≧所定値TFIRONならば、FIREモードの開始から所定時間TFIRONが経過していることを示す。この場合には、ステップS148に進み、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDと、実吸入空気量の積算値QGAIRとの偏差DGAIRを算出する。
図3に示されるように、触媒昇温制御に何らかの故障があると、時間の経過と共に偏差DGAIRは大きくなる。所定時間TFIRON経過した時に故障判定を実施することにより、より正確に故障判定を実施することができる。
代替的に、点火時期のフィードバック制御が開始されてからの時間に基づいて、故障判定を実施する時期を定めてもよい。
ステップS149では、エンジンの運転状態に基づいて、故障判定用のしきい値THAIRを設定する。前述したように、一例では、目標吸入空気量の積算値QGAIRCMDに基づいて図4の(a)に示されるようなマップを参照し、しきい値THAIRを求めることができる。他の例では、検出されたエンジン水温または検出された吸気温に基づいてしきい値THAIRを求めてもよい。
ステップS150において、偏差DGAIRがしきい値THAIR以上ならば、触媒昇温制御に何らかの故障が生じたことを示す。ステップS151に示されるように、警告灯(MIL)を点灯して、運転者に該故障を知らせるのが好ましい。偏差DGAIRがしきい値THAIRより小さければ、本処理を終了する。
本発明は、他の内燃機関(たとえば、船外機)にも適用が可能である。
この発明の一実施例に従う、内燃機関および制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、触媒昇温制御を実施する装置および触媒昇温制御の故障を検知する装置の機能ブロック図。 この発明の一実施例に従う、触媒昇温制御における各種パラメータの挙動を示す図。 この発明の一実施例に従う、故障判定用のしきい値を設定する手法を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、吸気量制御のための制御量(IFIR)を算出するメインルーチンのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、触媒昇温制御の実行を許可するかどうかを判断する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、吸気量制御のためのFIREモード制御項を算出する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、点火時期制御を実行するメインルーチンのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、点火時期のフィードバック制御の実施条件を判断する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、点火時期のフィードバック制御を実行する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、目標回転数の加算値(ENEFIR)を算出する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、図5の処理で使用するテーブルを示す図。 この発明の一実施例に従う、図6の処理で使用するテーブルを示す図。 この発明の一実施例に従う、図10の処理で使用するテーブルを示す図。 この発明の一実施例に従う、触媒昇温制御の故障を判定する処理のフローチャート。 この発明の一実施例に従う、図15の処理で使用するテーブルを示す図。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
16 触媒

Claims (2)

  1. 内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関が始動した時に該内燃機関への吸入空気量を増やし、該始動からの所定期間にわたって該吸入空気量を制御する吸入空気量制御を実行しつつ、該所定期間にわたって該内燃機関の回転数が目標回転数に追従するよう該内燃機関の点火時期を遅角する点火時期制御を実行することにより、排気系に設けられた触媒の温度を上昇させて該触媒を活性化させる触媒昇温制御を実施する触媒昇温制御手段であって、該吸入空気量制御は、該所定期間中、所定の周期で、前記触媒の活性化のための目標吸入空気量を算出すると共に、該目標吸入空気量に追従するよう実吸入空気量を制御することを含む、触媒昇温制御手段と、
    前記内燃機関に実際に吸入される実吸入空気量を検出する手段と、
    前記所定期間にわたり、前記所定の周期で、前記目標吸入空気量を積算し、目標吸入空気量積算値を算出する目標吸入空気量積算手段と、
    前記所定期間にわたり、前記所定の周期で、前記検出された実吸入空気量を積算し、実吸入空気量積算値を算出する実吸入空気量積算手段と、
    前記所定期間経過後、前記目標吸入空気量積算値より前記実吸入空気量積算値が小さく、かつ、該目標吸入空気量積算値と該実吸入空気量積算値との偏差がしきい値より大きければ、前記触媒昇温制御手段が前記所定期間中にわたって前記触媒に前記目標吸入空気量を供給することができなかったために該触媒を活性することができなかったとして、前記触媒昇温制御手段に故障が生じたと判定する故障判定手段と、
    を備える、内燃機関の制御装置。
  2. 前記目標吸入空気量積算値が増加するに従って、または前記触媒昇温制御の開始からの経過時間が増加するに従って、または前記内燃機関の水温が低くなるに従って、前記しきい値は大きくなるよう設定される、
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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