JP4151666B2 - 物理量センサの製造方法 - Google Patents
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Description
上述した機能を携帯端末装置に持たせるためには、磁気センサ、加速度センサ等の物理量センサを携帯端末装置に内蔵させることが必要となる。また、このような物理量センサにより三次元空間での方位や加速度を検知可能とするためには、物理量センサチップの設置面を傾斜させることが必要となる。
そして、この磁気センサは、これら一対の磁気センサチップにより検出された磁気成分により、地磁気の成分を3次元空間内のベクトルとして測定を行っている。
なお、これら2つの傾斜面がなす角度は、0°〜90°の範囲内とされており、20°以上が好ましく、30°以上であればさらに良好であるとされている。これは、角度が大きくなるにつれて、Z方向に対する検出感度(X、Y軸との分離による)が向上するためである。
ここで、ステージ部を傾斜させるには、まず、薄板状の金属板にステージ部を含むリードフレームをプレス加工等により形成する。次いで、ステージ部の先端側に、該ステージ部の下面側(裏面側)に突出する突出部を形成する。そして、所定の形状を有する金型により、リードフレームの上下から該リードフレームを挟み込んで固定する。この際、突出部の先端は、一方の金型の表面に押される。これにより、ステージ部は、基端側に連結された一対の連結部を結ぶ軸線回りに回転して曲げ加工され、図18に示す状態となる。その後、金型の内部に樹脂を流し込んで固定する。
これにより、ステージ部は、図18に示すように、先端側が樹脂モールド部の上面に向くように傾斜する形状となると共に、突出部によって傾斜が支持された状態となる。
請求項1に係る発明は、物理量センサチップが設置されるステージ部と、該ステージ部の近傍に配された複数のリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部と、を備えるリードフレームを形成する形成加工工程と、この形成加工工程により形成された前記リードフレームの前記ステージ部に、前記物理量センサチップを接着する接着工程と、この接着工程により接着された前記物理量センサチップを前記リードに電気的に接続する接続工程と、この接続工程によって前記物理量センサチップと前記リードとが接続された状態の前記リードフレームを、平坦面を有する基台に設置する設置工程と、この設置工程により前記平坦面上に設置された前記リードフレームの前記ステージ部または前記ステージ部の近傍を、前記基台に設けられた吸引手段により吸引し、この吸引によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら前記ステージ部を回転させて、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜工程とを備えることを特徴とする。
これにより、リードフレームを上下から挟み込むための金型を不要としつつ、ステージ部を容易に傾斜させることができる。
これにより、上記と同様の効果を奏することができるだけでなく、樹脂モールド部に離型のための抜き勾配を設ける必要がなくなるため、樹脂モールド部の底面積を小さくすることができ、物理量センサの小型化を図ることができる。
これにより、簡易な構成により確実にステージ部を傾斜させることができる。
これにより、上記と同様、簡易な構成により確実にステージ部を傾斜させることができる。
これにより、上記と同様、簡易な構成により確実にステージ部を傾斜させることができる。
以下、本発明の実施例における物理量センサの製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施例では、物理量センサとして、地磁気を測定する三次元磁気センサを例にして説明する。
磁気センサ1は、相互に傾斜させた2つのステージ部2と、これら2つのステージ部2の上面2aにそれぞれ設置され、外部磁界の大きさ及び向きを測定する磁気センサチップ(物理量センサチップ)3と、この磁気センサチップ3とワイヤ4を介して電気的に接続されたリード5と、これらを一体的に固定する外装モールド部(樹脂モールド部)7とを備えている。そして外装モールド部7の側壁7aは、その底面7bに対して垂直に延びるように構成されている。
この磁気センサ1は、上記ステージ部2及びリード5を有する図2に示すリードフレーム10を利用して製造されるものである。
これら複数のリードフレーム10は、図2に示すように、それぞれに、上面視矩形状に形成された上記2つのステージ部2と、これらステージ部2の周囲に配された複数の上記リード5を有するフレーム部11と、一部のリード5とステージ部2とを連結すると共に、ステージ部2の基端部(ステージ部2の一端)2bにこのステージ部2を挟んで対向配置された一対の連結部12とを備えている。
このフレーム部11に設けられた複数のリード5のうちの一部のリード5は、図2に示すように、フレーム部11にステージ部2を固定するための吊りリードとして機能するものであり、連結部12を介してステージ部2に接続されている。
なお、他方の磁気センサチップ3は、D方向感度を持つだけのタイプであっても構わない。また、他方の磁気センサチップ3は、水平(平ら置き)に設置しても良い。
まず、プレス加工やエッチング加工等により、図3に示すように、上述したリードフレーム10を金属製薄板14に複数形成する(形成加工工程)。
そして、ステージ部2の上面2aに磁気センサチップ3をそれぞれ接着する(接着工程)。この際、感応方向が図2に示す方向となるように、磁気センサチップ3を接着する。
次いで、ワイヤ4により、磁気センサチップ3のボンディングパッド9とリード5とを接続する(接続工程)。これにより、磁気センサチップ3と複数のリード5とを互いに電気的に接続することができる。なお、ワイヤ4を接続する際には、ステージ部2を傾斜させたときに、ワイヤ4と磁気センサチップ3とのボンディング部分、及びリード5とのボンディング部分が互いに変化するため、ワイヤ4の材質は、曲げ易く柔らかいことが好ましい。
また、従来は、ステージ部2を傾斜させるために、上下の型を使って挟みこんでいたため、上述のMAP方式を採用することができなかった。そして、上下の型を使うと、外装モールド部7に離型のための抜き勾配を設ける必要があるため、外装モールド部7の底面7bの面積を小さくするのにも限界があった。本実施例によれば、上下の型を使わないで容易にステージ部2を傾斜させることができるため、MAP方式を採用することができ、そのため、抜き勾配を不要とすることによって、外装モールド部7の底面7bの面積を小さくすることができ、磁気センサ1の小型化を容易に図ることができる。
また、磁気センサチップ3を上面2aに設置するとしたが、これに限ることはなく、下面2dに設置するようにしてもよい。これにより、突出部15とワイヤ4とが干渉することなく、磁気センサチップ3とリード5との接続を容易にすることができる。
さらに、吸引孔22および吸引装置23を設けるとしたが、これに限ることはなく、吸引手段としての構成は適宜変更可能である。例えば、吸引手段として、磁石を基台に設け、この磁石の磁力により吸引するようにしてもよい。磁石は、永久磁石であっても、電磁石であってもよいが、電磁石にした方が、吸引タイミングや吸引力などを調整し易くすることができるだけでなく、通電を切ることにより、リードフレーム10や磁気センサ1を取り外し易くすることができる。
また、傾斜工程において、兼用部11aを平坦面18に密着させるようにしたが、これに限ることはなく、平坦面18から兼用部11aを浮かせた状態であってもよい。
なお、上型45および下型46を使用しなくても、上記MAP方式を採用することができるのはいうまでもない。
図11および図12は、本発明の第2の実施例を示したものである。
図11および図12において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第1の実施例とは基本的構成や工程は同一であり、以下の点においてのみ相違した構成とするものである。すなわち、ステージ部2の基端部2bが、上方に向けて立ち上げられた支持壁部29の上端に連結されており、これにより、リードフレーム10は、ステージ部2がフレーム部11に対して、上方にオフセットされて構成されている。そして、このような構成のリードフレーム10が、形成加工工程によって形成される。
さらに、上記と同様に、モールド工程およびダイシング工程を経て、磁気センサ1が製造される。
図13および図14は、本発明の第3の実施例を示したものである。
図13および図14において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、リード5がL字状に形成されており、フレーム11に対して、上方に突出した状態になっている。そして、このリード5の上端と、ステージ部2の基端部2bとが、長手方向Fに沿って延びる連結部12によって連結されている。これにより、ステージ部2がフレーム11に対して上方にオフセットされている。
このような構成のリードフレーム10が、形成加工工程によって形成され、上記と同様の工程により、磁気センサ1が製造される。
図15から図17は、本発明の第4の実施例を示したものである。
図15から図17において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、図15および図16に示すように、ステージ部2の近傍であって、このステージ部2の基端部2bに、上面2a側に外方に向けて斜めに延びる傾斜部33が形成されている。そして、このような構成のリードフレーム10が形成加工工程により形成される。
さらに、上記と同様に、モールド工程およびダイシング工程を経て、磁気センサ1が製造される。
また、上記第1から第4の実施例においては、磁気センサ1を例にとって説明したが、本発明は磁気センサ1に限定されるものではなく、加速度センサなど様々な物理量センサにも適用できることは言う迄もない。
また、本発明の技術範囲は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
Claims (5)
- 物理量センサチップが設置されるステージ部と、該ステージ部の近傍に配された複数のリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部と、を備えるリードフレームを形成する形成加工工程と、
この形成加工工程により形成された前記リードフレームの前記ステージ部に、前記物理量センサチップを接着する接着工程と、
この接着工程により接着された前記物理量センサチップを前記リードに電気的に接続する接続工程と、
この接続工程によって前記物理量センサチップと前記リードとが接続された状態の前記リードフレームを、平坦面を有する基台に設置する設置工程と、
この設置工程により前記平坦面上に設置された前記リードフレームの前記ステージ部または前記ステージ部の近傍を、前記基台に設けられた吸引手段により吸引し、この吸引によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら前記ステージ部を回転させて、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜工程とを備えることを特徴とする物理量センサの製造方法。 - 前記形成加工工程により、前記リードフレームが金属製薄板に複数形成され、
前記設置工程により、前記平坦面に対して垂直に延びるクランプによって前記リードフレームの形成された金属製薄板の全周が固定され、
前記傾斜工程の後に、前記クランプと前記平坦面とによって区画されたモールド領域に樹脂を射出して前記複数のリードフレームをモールドするモールド工程と、
このモールド工程により成型された樹脂モールド部および前記フレーム部をダイシングするダイシング工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサの製造方法。 - 前記形成加工工程により、前記ステージ部に、該ステージ部の下面側に向けて突出する突出部が形成され、
前記傾斜工程により、前記ステージ部の近傍に配された前記フレーム部の下面を前記吸引手段によって吸引することによって、該平坦面により前記突出部が押圧されて、該ステージ部の他端が持ち上げられるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量センサの製造方法。 - 前記形成加工工程により、前記ステージ部が、前記フレーム部に対して上方にオフセットされ、
前記傾斜工程により、前記ステージ部の他端の下面を前記吸引手段によって吸引して、前記ステージ部の他端が引き下げられるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量センサの製造方法。 - 前記形成加工工程により、前記ステージ部の一端に、該ステージ部の上面側に向けて斜めに延びる傾斜部が形成され、
前記傾斜工程により、前記傾斜部の下面を前記吸引手段によって吸引して、前記傾斜部が引き下げられることによって、前記ステージ部の他端が持ち上げられるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量センサの製造方法。
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