JP4151450B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部EGR及び外部EGRを制御する内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンでは、NOx(窒素酸化物)の排出量を低減するために、EGR[Exhaust Gas Recirculation](排気ガス再循環)を行っているものがある。EGRには、排気ガスを吸気ガスに混入させる方法として、外部EGRと内部EGRがある。外部EGRの場合、排気系と吸気系とを接続するEGR通路が設けられ、EGR通路によって排気ガスを吸気系に還流している。一方、内部EGRの場合、排気バルブや吸気バルブの可変バルブタイミング・リフト機構を利用してバルブオーバラップ量を増やし、排気ガスの一部を再吸入している。
【0003】
EGRの制御は、エンジンECU[Electronic Control Unit]で行っており、エンジンの負荷状態に応じて外部EGRと内部EGRとを制御している。エンジンECUでは、EGR通路を流れる排気ガスの流量を調整するEGRバルブの開度によって外部EGRによる排気ガス量(外部EGR量)を制御するとともに、可変バルブタイミング・リフト機構による排気バルブや吸気バルブの開閉タイミングやリフト量によって内部EGRによる排気ガス量(内部EGR量)を制御している。その際、エンジンECUでは、エンジンの負荷状態が変化しても外部EGR量と内部EGR量とを合計したEGR量が一定になるように制御している(特許文献1参照)。この制御では、負荷状態が低くなるほど燃焼状態を良くするために内部EGR量(高温の排気ガス)を多くし、負荷状態が高くなるほど多くのNOxを低減するために外部EGR量(低温の排気ガス)を多くしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−158954号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制御では、スロットルバルブの開度が急変した場合(すなわち、急な加減速の場合)、EGRによる排気ガスの影響によって、開度の変化が少ないときよりも燃焼状態が悪化してしまう。具体的には、開度が急に大きくなった場合、負荷状態が低い側から高い側に急速に移行するため、制御の遅れによって、負荷状態が高い側に移行したにもかかわらず内部EGR量が多い状態となる。そのため、高温の排気ガスの影響により異常燃焼となり、ノッキングを発生しやすくなる。一方、開度が急に小さくなった場合、吸入空気量が急速に減少するため、EGRによる排気ガスの残留によって空気量に対する排気ガスの割合が大きくなる。そのため、過度に燃焼状態が悪化し、トルク変動やドライバビリティの悪化を招く。
【0006】
そこで、本発明は、急な加減速の場合でも、EGRの排気ガスの影響による過度の燃焼状態の悪化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を調整する可変バルブ手段と、排気系から吸気系に還流させる排気ガスの流量を調整する可変流量手段とを備える内燃機関の制御装置であって、車両の加減速を検出する加減速検出手段を備え、加減速検出手段で検出した加減速に基づいて可変バルブ手段による内部EGR量及び可変流量手段による外部EGR量を増減制御することを特徴とする。
【0008】
この内燃機関は、内部EGR量を増減するために吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を調整することができる可変バルブ手段と、外部EGR量を増減するために排気系から吸気系に還流させる排気ガスの流量を調整することができる可変流量手段とを備えている。また、制御装置は、車両の加減速を検出する加減速検出手段を備えている。制御装置では、加減速検出手段によって検出した車両の加減速に基づいて、可変バルブ手段によって外部EGR量を増減制御するとともに可変流量手段によって内部EGR量を増減制御する。そのため、この制御装置では、急加速や急減速の場合でも内部EGR量と外部EGR量を適正な量に制御でき、EGRの排気ガスの影響による過度の燃焼状態の悪化を防止することができる。
【0009】
本発明の上記内燃機関の制御装置は、加減速検出手段で検出した加速が所定加速より大きい場合、可変バルブ手段による内部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくするとともに可変流量手段による外部EGR量の増加率を通常制御時よりも大きくする構成に限定される。
【0010】
この内燃機関の制御装置では、加減速検出手段で検出した加速が所定加速より大きいと判定した場合、可変バルブ手段によってバルブオーバラップ量を迅速に少なくし、内部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくするとともに、可変流量手段によって排気ガスの流量を迅速に多くし、外部EGR量の増加率を通常制御時よりも大きくする。そのため、急加速によって負荷状態を低い側から高い側に急速に移行しても、内部EGR量も迅速に減少しているので、高温の排気ガスの影響によって異常燃焼することがなく、ノッキングも発生しない。また、外部EGR量が迅速に増加し、高温の排気ガスに比べて体積の小さい低温の排気ガスを多量に吸気系に導入できるので、NOxを多量に低減できる。
【0011】
なお、所定加速は、車両の加速時に内部EGR量が多いことによって過度に燃焼状態が悪化する可能性がある急加速である。通常制御では、内燃機関の負荷状態等に応じて内部EGR量及び外部EGR量を制御しており、制御時の内部EGR量や外部EGR量の増加率と減少率は比較的小さい。
【0012】
本発明の上記内燃機関の制御装置は、加減速検出手段で検出した減速が所定減速より大きい場合、可変バルブ手段による内部EGR量を減量制御するとともに可変流量手段による外部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくする構成に限定される。
【0013】
この内燃機関の制御装置では、加減速検出手段で検出した減速が所定減速より大きいと判定した場合、可変バルブ手段によってバルブオーバラップ量を少なくし、内部EGR量を減量するとともに、可変流量手段によって排気ガスの流量を迅速に少なくし、外部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくする。そのため、内部EGR量及び外部EGR量が迅速に減少するので、急減速によって吸入空気量が急速に減少しても、空気量に対する残留排気ガスの割合が大きくならない。そのため、過度に燃焼状態が悪化することなく、トルク変動やドライバビリティの悪化を招かない。
【0014】
なお、所定減速は、車両の減速による吸入空気量の減少によって空気量に対するEGR量の割合が増加し、過度に燃焼状態が悪化する可能性がある急減速である。
【0015】
本発明の上記内燃機関の制御装置は、加減速検出手段が、スロットルバルブの開度を検出する開度検出手段であり、開度検出手段で検出した開度の単位時間当たりの変化量に基づいて可変バルブ手段による内部EGR量及び可変流量手段による外部EGR量を増減制御する構成としてもよい。
【0016】
この内燃機関の制御装置は、スロットルバルブの開度を検出する開度検出手段を備えている。この制御装置では、開度検出手段でスロットルバルブの開度を検出し、その検出した開度の単位時間当たりの変化量を算出する。そして、この制御装置では、その開度の単位時間当たりの変化量に基づいて、可変バルブ手段を制御して外部EGR量を増減するとともに可変流量手段を制御して内部EGR量を増減する。そのため、この制御装置では、車両の加減速を直接検出しなくても、車両に通常備えられているスロットルバルブの開度検出手段を利用することによって、車両の加速度を検出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施の形態では、本発明に係る内燃機関の制御装置を、車両に搭載されるエンジンを制御するECUに適用する。本実施の形態に係るエンジンは、可変バルブタイミング・リフト機構及びEGR通路とEGRバルブを備えている。本実施の形態に係るエンジンECUでは、可変バルブタイミング・リフト機構を利用して内部EGR量を制御するとともに、EGRバルブによって外部EGR量を制御する。本実施の形態には、2つの実施の形態があり、第1の実施の形態が外部EGR量及び内部EGR量を設定するためにマップを用いる場合であり、第2の実施の形態がマップを用いない場合である。
【0019】
図1を参照して、エンジン1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るエンジンの構成図である。なお、エンジン1は多気筒エンジンであるが、図1にはそのうちの一気筒のみが断面図として描かれている。
【0020】
エンジン1は、筒内噴射式多気筒エンジンであり、エンジンECU2によって各部が制御される。エンジン1の各気筒3では、インジェクタ4によってシリンダ5内のピストン6の上面に燃料(ガソリン)を直接噴射する。また、各気筒3では、吸気通路7を介してシリンダ5内に空気を吸入し、吸入した空気をピストン6によって圧縮する。そして、各気筒3では、燃料と圧縮空気からなる混合気を点火プラグ8で着火し、爆発燃焼する。燃焼後、各気筒3では、排気ガスを排気通路9から排気する。
【0021】
吸気通路7上には、上流側からエアフロセンサ10、スロットルバルブ11等が配置されている。エアフロセンサ10は、ホットワイヤ式のものであり、吸入空気量を質量流量として検出する。スロットルバルブ11は、電子制御式のスロットルバルブであり、吸入空気量を調節する。スロットルバルブ11の開度は、エンジンECU2においてアクセルポジショニングセンサ12によって検出されたアクセルペダル13の操作量等に基づいて決定される。そして、スロットルバルブ11は、これに付随してスロットルモータ14が配設されており、スロットルモータ14の駆動によって開度が調整される。また、スロットルバルブ11には、その開度を検出するスロットルポジショニングセンサ15が配設されている。
【0022】
排気通路9から吸気通路7のサージタンク部7aにかけて排気ガスを還流させるためのEGR通路16が配設されている。EGR通路16上には、排気ガスの還流量を調節するEGRバルブ17が取り付けられている。EGRバルブ17は、そのバルブを駆動するモータを備えており、このモータの駆動によってバルブの開度が調整される。エンジン1における外部EGRでは、EGR通路16を介して排気系から吸気系に排気ガスを還流させ、EGRバルブ17によってEGR通路16を流れる排気ガスの流量を調整している。なお、本実施の形態では、EGRバルブ17が特許請求の範囲に記載する可変流量手段に相当する。
【0023】
シリンダ5の内部と吸気通路7との間は、吸気バルブ18によって開閉される。吸気バルブ18は、カム19によって駆動される。一方、シリンダ5の内部と排気通路10との間は、排気バルブ20によって開閉される。排気バルブ20は、カム21によって駆動される。さらに、吸気バルブ18及び排気バルブ20を最適に駆動するために、可変バルブタイミング・リフト機構22が設けられている。
【0024】
可変バルブタイミング・リフト機構22は、吸気バルブ18及び排気バルブ20の開閉タイミングとリフト量をエンジン回転数やスロットルバルブ11の開度等に応じて変化させることができる機構である。可変バルブタイミング・リフト機構22では、カム19,21のそれぞれのクランクシャフト23に対する回転位相を調整する。開閉タイミングは、吸気バルブ18/排気バルブ20の開閉がクランク角で表され、開弁タイミング/閉弁タイミングを決定する。開閉タイミングを変える場合、エンジンECU2では、タイミングを早くするためにクランク角を進角側又はタイミングを遅くするためにクランク角を遅角側に一定角度づつ変化させる。リフト量は、カム19,21が各バルブ18,20を押す量であり、吸気バルブ18/排気バルブ20の開度を決定する。リフト量を変える場合、エンジンECU2では、各バルブ18,20の開度を大きくするためにリフト量を増量側又は開度を小さくするためにリフト量を減量側に一定リフト量づつ変化させる。可変バルブタイミング・リフト機構22では、この開閉タイミングやリフト量を変化させることによって、吸気量や排気量を調整することができる。
【0025】
また、可変バルブタイミング・リフト機構22は、開閉タイミングやリフト量を変化させることによって、吸気バルブ18と排気バルブ20がともに開いているバルブオーバラップ量を調整することができる。開閉タイミングの場合、吸気バルブ18を進角側に調整するか又は排気バルブ20を遅角側に調整するか、あるいは、両方を行うことでバルブオーバラップ量を大きくすることができる。また、リフト量の場合、吸気バルブ18の開度を大きくするか又は排気バルブ20の開度を大きくするか、あるいは、両方の開度を大きくすることでバルブオーバラップ量を大きくすることができる。エンジン1における内部EGRは、吸気バルブ18と排気バルブ20のバルブオーバラップによって気筒3内で燃焼した後の排気ガスを吸気系に再導入させ、可変バルブタイミング・リフト機構22によってバルブオーバラップ量を調整している。なお、本実施の形態では、可変バルブタイミング・リフト機構22が特許請求の範囲に記載する可変バルブ手段に相当する。
【0026】
ちなみに、外部EGRの排気ガスは、EGR通路16を介して還流されるので低温であり、内部EGRの排気ガスよりも体積が小さい。内部EGRの排気ガスは、気筒3から吸気系に直接戻るので高温である。また、内部EGRは、外部EGRに比べて制御応答性が良い。
【0027】
エンジンECU2は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットである。エンジンECU2は、エアフロセンサ10、アクセルポジショニングセンサ12、スロットルポジショニングセンサ15、回転数センサ24等の各種センサが接続され、各種センサからの検出値に基づいて各種制御量を設定し、エンジン1の各部を制御する。回転数センサ24は、クランクシャフト23近傍に取り付けられ、エンジン回転数を検出する。
【0028】
エンジンECU2では、アクセルペダル13の操作量等に基づいてスロットルバルブ11の開度を設定し、スロットルモータ14を制御する。また、エンジンECU2では、スロットルバルブ11の開度等に基づいて燃料噴射量を設定し、電子制御式のインジェクタ4を制御する。また、エンジンECU2では、エンジン1の負荷状態(例えば、吸入空気量)やエンジン回転数等に基づいて点火時期を設定し、点火プラグ8を制御する。また、エンジンECU2では、負荷状態やエンジン回転数等の運転状態に応じて吸気バルブ18及び排気バルブ20の最適な開閉タイミングとリフト量を設定し、可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する。
【0029】
また、エンジンECU2では、内部EGR量と外部EGR量とを調整するEGR制御を行っている。このEGR制御では、エンジン1の負荷状態に基づく通常制御に加えて、車両の加減速に基づく加減速制御を行っている。なお、エンジンECU2におけるEGR制御には、内部EGR量及び外部EGR量の設定手法が異なる2つの形態があり、以下で2つの形態について順に説明する。
【0030】
なお、エンジン1の負荷状態は、吸入空気量、エンジン1で発生するトルク、車速、エンジン回転数等によって検出でき、本実施の形態では吸入空気量によって負荷状態を検出する。吸入空気量の場合、吸入空気量が少ないほど負荷状態が低く、多いほど負荷状態が高い。また、車両の加減速は、アクセルペダル13の操作量、スロットルバルブ11の開度、吸入空気量等によって検出でき、本実施の形態ではスロットルバルブ11の開度によって加減速を検出する。スロットルバルブ11の開度の場合、開度が大きくなっていくと加速であり、開度が小さくなっていくと減速である。したがって、本実施の形態では、スロットルポジショニングセンサ15が特許請求の範囲に記載する加減速検出手段に相当する。
【0031】
図1〜図5を参照して、エンジンECU2における第1の実施の形態に係るEGR制御について説明する。図2は、本実施の形態に係る負荷状態に対するEGR量及び外部EGR量と内部EGR量とを示すグラフである。図3は、第1の実施の形態に係る通常制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。図4は、第1の実施の形態に係る急加速制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。図5は、第1の実施の形態に係る急減速制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。
【0032】
第1の実施の形態に係るEGR制御では、EGRマップを用いてEGR量を設定する(図3〜図5参照)。各EGRマップは、実験やシミュレーション等によって予め設定されたマップであり、エンジンECU2のROMに記憶されている。各EGRマップには、エンジン回転数と負荷状態に応じて略楕円形状の領域が設定されている。この各領域には、EGR量が各々設定されており、各EGRマップにおける小さな領域ほど多くのEGR量が設定されている。ちなみに、図3等におけるR/Lは、Road/Load曲線であり、車両のエンジン回転数に対する走行負荷を示す。
【0033】
エンジンECU2では、一定時間毎にスロットルポジショニングセンサ15からスロットルバルブ11の開度を取り入れ、スロットル開度の単位時間当たりの変化量(すなわち、変化率)を算出する。このスロットル開度の変化率は、加速時にはプラス値であり、減速時にはマイナス値であり、車両の加速度に相当する。そして、エンジンECU2では、スロットル開度の変化率と所定増加率及び所定減少率とを比較する。その結果、エンジンECU2では、その変化率が所定増加率より大きい場合には急加速時のEGR制御に移行し、所定増加率以下かつ所定減少率以上の場合には通常時のEGR制御に移行し、所定減少率より小さい場合には急減速時のEGR制御に移行する。なお、所定増加率は、プラス値であり、車両の加速によって負荷状態が低い側から高い側に移行する場合に、内部EGR量(温度が高い排気ガス量)が多いことによって異常燃焼する可能性がある急加速に相当するスロットル開度の変化率である。所定減少率は、マイナス値であり、車両の減速による吸入空気量の減少によって空気量に対するEGR量の割合が増加し、過度に燃焼状態が悪化する可能性がある急減速に相当するスロットル開度の変化率である。
【0034】
通常時のEGR制御では、図2に示すように、内部EGR量IE(二点鎖線)と外部EGR量OE(一点鎖線)とが負荷状態に応じて規定されており、この規定された内部EGR量IEと外部EGR量OEになるように制御する。内部EGR量IEは、極低負荷状態から低負荷状態にかけて設定され、極低負荷状態のときの最大量から負荷が高くなるに従って減少する。外部EGR量OEは、内部EGR量IEが半分以下になったあたりから中負荷状態あたりまで設定され、0から最大量まで増加し、最大量になった後は徐々に減少する。負荷状態が低いほど内部EGR量を多くするのは、負荷状態が低いほど低温で燃焼状態が良くないので、外部EGRによる低温の排気ガス量を減らし、内部EGRによる高温の排気ガス量を増やして、燃料状態の悪化を防止するためである。一方、負荷状態が高くなるほど外部EGR量を多くするのは、負荷状態が高くなるほど燃焼状態が良くなるので、低温の排気ガスを増やしても燃焼状態に支障がない。そこで、低温で体積が小さい外部EGRによる低温の排気ガス量を増やして、NOxの低減量を増やす。この内部EGR量IEと外部EGR量OEの合計量がEGR量TE(実線)であり、EGR量TEも負荷状態に応じて緩やかに変わる。EGR量TEは、極低負荷状態から中負荷状態にあたりまで設定され、量としてはあまり変わらないが、徐々に増加した後、徐々に減少する。
【0035】
そのために、エンジンECU2では、エアフロセンサ10から吸入空気量と回転数センサ24からエンジン回転数を取り入れ、このエンジン回転数と吸入空気量に応じて内部EGRマップIM1により内部EGR量を設定する(図3(a)参照)。そして、エンジンECU2では、設定した内部EGR量に基づいてバルブオーバラップ量を設定し、この設定したバルブオーバラップ量になるように排気バルブ18及び/又は吸気バルブ20の開閉タイミングとリフト量を設定する。さらに、エンジンECU2では、設定した開閉タイミングとリフト量になるような制御信号を設定し、その制御信号を可変バルブタイミング・リフト機構22に送信する。ちなみに、設定したバルブオーバラップ量になればよいので、制御対象のバルブとしては排気バルブ18又は吸気バルブ20あるいはその両方のバルブ18,20としてもよいし、また、制御対象としては開閉タイミング又はリフト量あるいはその両方としてもよい。なお、内部EGRマップIM1は、図3(a)に示すように、低いエンジン回転数かつ低い負荷状態のエリアに内部EGR量を設定する各領域が設けられ、各領域が比較的広い面積を有している。したがって、内部EGR量は、通常制御時には、負荷状態が高くなると徐々に減少していく。
【0036】
また、エンジンECU2では、エンジン回転数と吸入空気量に応じて外部EGRマップOM1により外部EGR量を設定する(図3(b)参照)。そして、エンジンECU2では、設定した外部EGR量になるようにEGRバルブ17の開度を設定する。さらに、エンジンECU2では、設定した開度になるような制御信号を設定し、その制御信号をEGRバルブ17に送信する。なお、外部EGRマップOM1は、図3(b)に示すように、内部EGRマップIM1の各領域に対して高いエンジン回転数かつ高い負荷状態のエリアであり、内部EGRマップIM1の各領域に一部が重なるエリアに外部EGR量を設定する各領域が設けられ、各領域が比較的広い面積を有している。したがって、外部EGR量は、通常制御時には、内部EGR量が半分程度減少してから増加していく。
【0037】
急加速時のEGR制御では、内部EGR量を迅速に減らすとともに外部EGR量を迅速に増やす制御を行う。というのは、低負荷状態から急速に負荷状態が高くなると、急速に高温高圧状態になる。しかし、低負荷状態では内部EGRによる高温の排気ガスを多く導入しているので、高圧高圧下ではその高温の排気ガスの影響により異常燃焼となり、ノッキングを発生する恐れがあるからである。
【0038】
エンジンECU2では、このエンジン回転数と吸入空気量に応じて内部EGRマップIM2により内部EGR量を設定する(図4(a)参照)。そして、エンジンECU2では、この設定した内部EGR量により通常制御時と同様の処理を行う。なお、内部EGRマップIM2は、図4(a)に示すように、通常制御時の内部EGRマップIM1に比較して(図3(a)参照)、各領域が負荷状態の低い側に圧縮され、各領域が狭くなっている。したがって、内部EGR量は、急加速制御時には、通常制御時より負荷状態が高くなると急速に減少していく。
【0039】
また、エンジンECU2では、エンジン回転数と吸入空気量に応じて外部EGRマップOM2により外部EGR量を設定する(図4(b)参照)。そして、エンジンECU2では、この設定した外部EGR量により通常制御時と同様の処理を行う。なお、外部EGRマップOM2は、図4(b)に示すように、通常制御時の外部EGRマップOM1に比較して(図3(b)参照)、各領域が負荷状態の低い側に拡大され、各領域が広くなっている。したがって、外部EGR量は、急加速制御時には、通常制御時よりも低い負荷状態から増加していく。
【0040】
急減速時のEGR制御では、内部EGR量及び外部EGR量を迅速に減らす制御を行う。というのは、急減速によって吸入空気量が急速に低減した場合、空気量に対するEGR量の割合が急速に増加し、過度の燃焼状態の悪化からトルク変動やドライバビリティの悪化を招くからである。
【0041】
エンジンECU2では、このエンジン回転数と吸入空気量に応じて内部EGRマップIM3により内部EGR量を設定する(図5(a)参照)。そして、エンジンECU2では、この設定した内部EGR量により通常制御時と同様の処理を行う。なお、内部EGRマップIM3は、図5(a)に示すように、通常制御時の内部EGRマップIM1に比較して(図3(a)参照)、各領域が負荷状態の高い側に圧縮され、各領域が狭くなっている。したがって、内部EGR量は、急減速制御時には、負荷状態が低くなると急速に減少していく。
【0042】
また、エンジンECU2では、エンジン回転数と吸入空気量に応じて外部EGRマップOM3により外部EGR量を設定する(図5(b)参照)。そして、エンジンECU2では、この設定した外部EGR量により通常制御時と同様の処理を行う。なお、外部EGRマップOM3は、図5(b)に示すように、通常制御時の外部EGRマップOM1に比較して(図3(b)参照)、各領域が負荷状態の高い側かつエンジン回転数が高い側に圧縮にされ、各領域が狭くなっている。したがって、外部EGR量は、急減速制御時には、通常制御時より負荷状態が低くなると急速に減少していく。
【0043】
図1〜図5を参照して、エンジン1における第1の実施の形態に係るEGR制御時の動作について説明する。ここでは、車両の加速時の動作を図6のフローチャートに沿って説明し、減速時の動作を図7のフローチャートに沿って説明する。図6は、第1の実施の形態に係る加速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。図7は、第1の実施の形態に係る減速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【0044】
まず、車両の加速時の動作について説明する。図6に示すように、エンジンECU2では、一定時間毎に、スロットル開度の増加率が所定増加率以下か否かを判定する(S10)。
【0045】
S10にて増加率が所定増加率以下と判定した場合、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて内部EGRマップIM1により内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S11)(図3(a)参照)。すると、加速に応じて(負荷状態が高くなるのに応じて)、可変バルブタイミング・リフト機構22の作用により吸気バルブ18と排気バルブ20とのバルブオーバラップ量が徐々に減少し、内部EGR量が徐々に減少していく。また、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて外部EGRマップOM1により外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S12)(図3(b)参照)。すると、加速に応じて、EGRバルブ17の開度が大きくなり、外部EGR量が徐々に増加していく。
【0046】
一方、S10にて増加率が所定増加率より大きい(すなわち、急加速)と判定した場合、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて内部EGRマップIM2により内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S13)(図4(a)参照)。すると、バルブオーバラップ量が急速に減少し、内部EGR量の減少率が通常制御時の減少率よりも大きくなり、内部EGR量が迅速に減少していく。また、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて外部EGRマップOM2により外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S14)(図4(b)参照)。すると、EGRバルブ17の開度が急速に大きくなり、外部EGR量の増加率が通常制御時の増加率よりも大きくなり、外部EGR量が迅速に増加する。このように、急加速の場合、高温の排気ガスが迅速に減少するとともに低温の排気ガスが迅速に増加するので、負荷状態が急速に高くなっても、高温の排気ガスの影響で異常燃焼することはない。そのため、ノッキングが発生することなく、さらに、低温の排気ガスを多量に導入できるので、NOxの低減量が増える。
【0047】
次に、車両の減速時の動作について説明する。図7に示すように、エンジンECU2では、一定時間毎に、スロットル開度の減少率が所定減少率以上か否かを判定する(S20)。
【0048】
S20にて減少率が所定減少率以上と判定した場合、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて内部EGRマップIM1により内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S21)(図3(a)参照)。すると、減速に応じて(負荷状態が低くなるのに応じて)、バルブオーバラップ量が徐々に増加し、内部EGR量が徐々に増加していく。また、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて外部EGRマップOM1により外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S22)(図3(b)参照)。すると、減速に応じて、EGRバルブ17の開度が小さくなり、外部EGR量が徐々に減少していく。
【0049】
一方、S10にて減少率が所定減少率より小さい(すなわち、急減速)と判定した場合、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて内部EGRマップIM3により内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S23)(図5(a)参照)。すると、バルブオーバラップ量が急速に減少し、内部EGR量が急速に減少していく。また、エンジンECU2では、エンジン回転数及び負荷状態に基づいて外部EGRマップOM3により外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S24)(図5(b)参照)。すると、EGRバルブ17の開度が急速に小さくなり、外部EGR量の減少率が通常制御時の減少率よりも大きくなり、外部EGR量が急速に減少する。このように、急減速の場合、高温の排気ガスが急速に減少するとともに低温の排気ガスも急速に減少してトータルのEGR量が急速に減少するので、吸入空気量が急速に減少しても空気量に対するEGR量の割合が大きくなることもなく、過度に燃焼状態が悪化することはない。そのため、NOxの低減量が減るが、トルク変動やドライバビリティの悪化を招くことはなく、極度の燃焼状態の悪化による失火の恐れも全くない。
【0050】
図1、図2、図8、図9を参照して、エンジンECU2における第2の実施の形態に係るEGR制御について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る加速時のEGR制御のタイムチャートであり、(a)がスロットル開度であり、(b)が内部EGR量であり、(c)が外部EGR量である。図9は、第2の実施の形態に係る減速時のEGR制御のタイムチャートであり、(a)がスロットル開度であり、(b)が内部EGR量であり、(c)が外部EGR量である。
【0051】
第2の実施の形態のEGR制御は、第1の実施の形態のEGR制御と比較すると、EGRマップを用いないで内部EGR量及び外部EGR量を設定する点が異なる。そこで、第2の実施の形態では、通常制御時、急加速制御時、急減速制御時における内部EGR量及び外部EGR量の設定について詳細に説明する。
【0052】
通常時の制御の場合、エンジンECU2では、スロットル開度の変化(すなわち、車両の加減速)に応じて内部EGR量及び外部EGR量を設定する。車両が加速の場合(スロットル開度の変化率がプラス値の場合)、エンジンECU2では、スロットル開度の増加に応じて(図8(a)の一点鎖線参照)、減少する内部EGR量を設定するとともに(図8(b)の一点鎖線参照)、増加する外部EGR量を設定する(図8(c)の一点鎖線参照)。また、車両が減速の場合(スロットル開度の変化率がマイナス値の場合)、エンジンECU2では、スロットル開度の減少に応じて(図9(a)の一点鎖線参照)、増加する内部EGR量を設定するとともに(図9(b)の一点鎖線参照)、減少する外部EGR量を設定する(図9(c)の一点鎖線参照)。また、車両が定速の場合(スロットル開度の変化率が0の場合)、エンジンECU2では、前回と同量の内部EGR量及び外部EGR量を設定する。そして、エンジンECU2では、設定した内部EGR量及び外部EGR量により第1の実施の形態に係るEGR制御と同様の処理を行う。ちなみに、第2の実施の形態における制御でも、第1の実施の形態と同様に、図2に示すような負荷状態に応じて変化する内部EGR量IE、外部EGR量OE及びEGR量TEとなる。なお、第2の実施の形態に係る通常時のEGR制御でも、第1の実施の形態と同様に、図3に示す内部EGRマップIM1及び外部EGRマップOM1を用いて、内部EGR量及び外部EGR量を設定してもよい。
【0053】
急加速時のEGR制御では、第1の実施の形態と同様に、内部EGR量を迅速に減らすとともに外部EGR量を迅速に増やす制御を行う。そのために、エンジンECU2では、スロットル開度の変化率が所定増加率より大きいと判定すると、内部EGR量を0に設定する(図8(b)の太線参照)。そして、エンジンECU2では、内部EGR量が0になるようにバルブオーバラップ量を設定し、そのバルブオーバラップ量に応じた制御信号を可変バルブタイミング・リフト機構22に送信する。また、エンジンECU2では、スロットル開度の変化率が所定増加率より大きいと判定すると、一気に所定量増加した外部EGR量を設定し、所定量増加後に加速に応じて増加する外部EGR量を設定する(図8(c)の太線参照)。そして、エンジンECU2では、外部EGR量が一気に増量するようにEGRバルブ17の開度を全開に設定し、その後、加速に応じて増加する外部EGR量になるようにEGRバルブ17の開度を設定し、その開度に応じた制御信号をEGRバルブ17に送信する。なお、第2の実施の形態に係る急加速時のEGR制御では、図3(b)に示す外部EGRマップOM1の各領域に設定される外部EGR量に所定量増量したマップを用いて、外部EGR量を設定してもよい。
【0054】
急減速時のEGR制御では、第1の実施の形態と同様に、内部EGR量及び外部EGR量を迅速に減らす制御を行う。そのために、エンジンECU2では、スロットル開度の変化率が所定減少率より小さいと判定すると、内部EGR量を0に設定する(図9(b)の太線参照)。そして、エンジンECU2では、内部EGR量が0になるようにバルブオーバラップ量を設定し、そのバルブオーバラップ量に応じた制御信号を可変バルブタイミング・リフト機構22に送信する。また、エンジンECU2では、スロットル開度の変化率が所定減少率より小さいと判定すると、外部EGR量を0に設定する(図9(c)の太線参照)。そして、エンジンECU2では、外部EGR量が0になるようににEGRバルブ17の開度を全閉に設定し、その全閉に応じた制御信号をEGRバルブ17に送信する。
【0055】
図1、図2、図8、図9を参照して、エンジン1における第2の実施の形態に係るEGR制御時の動作について説明する。ここでは、車両の加速時の動作を図10のフローチャートに沿って説明し、減速時の動作を図11のフローチャートに沿って説明する。図10は、第2の実施の形態に係る加速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。図11は、第2の実施の形態に係る減速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【0056】
まず、車両の加速時の動作について説明する。図10に示すように、エンジンECU2では、一定時間毎に、スロットル開度の増加率が所定増加率以下か否かを判定する(S30)。
【0057】
S30にて増加率が所定増加率以下と判定した場合、エンジンECU2では、スロットル開度の増加変化に応じて(すなわち、車両の加速に応じて)、減少する内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S31)(図8(a)(b)参照)。すると、加速に応じて、バルブオーバラップ量が徐々に減少し、内部EGR量が徐々に減少していく。また、エンジンECU2では、スロットル開度の増加変化に応じて、増加する外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S32)(図8(a)(c)参照)。すると、加速に応じて、EGRバルブ17の開度が大きくなり、外部EGR量が徐々に増加していく。
【0058】
一方、S30にて増加率が所定増加率より大きいと判定した場合、エンジンECU2では、内部EGR量を0に設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S33)(図8(a)(b)参照)。すると、バルブオーバラップ量が急速に減少し、内部EGR量の減少率が通常制御時の減少率よりも大きくなり、内部EGR量が急速に減少して0になる。また、エンジンECU2では、外部EGR量を所定量増量設定し、さらに、スロットル開度の増加変化に応じて増加する外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S34)(図8(a)(c)参照)。すると、EGRバルブ17の開度が急速に大きくなり、外部EGRの増加率が通常制御時の増加率よりも大きくなり、外部EGR量が急速に増加する。急加速時にこのように制御することにより、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
【0059】
次に、車両の減速時の動作について説明する。図11に示すように、エンジンECU2では、一定時間毎に、スロットル開度の減少率が所定減少率以上か否かを判定する(S40)。
【0060】
S40にて減少率が所定減少率以上と判定した場合、エンジンECU2では、スロットル開度の減少変化に応じて(すなわち、車両の減速に応じて)、増加する内部EGR量を設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S41)(図9(a)(b)参照)。すると、減速に応じて、バルブオーバラップ量が徐々に増加し、内部EGR量が徐々に増加していく。また、エンジンECU2では、スロットル開度の減少変化に応じて、減少する外部EGR量を設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S42)(図9(a)(c)参照)。すると、減速に応じて、EGRバルブ17の開度が小さくなり、外部EGR量が徐々に減少していく。
【0061】
一方、S40にて減少率が所定減少率より小さいと判定した場合、エンジンECU2では、内部EGR量を0に設定し、設定した内部EGR量に応じて可変バルブタイミング・リフト機構22を制御する(S43)(図9(a)(b)参照)。すると、バルブオーバラップ量が急速に減少し、内部EGR量が急速に減少して0になる。また、エンジンECU2では、外部EGR量を0に設定し、設定した外部EGR量に応じてEGRバルブ17を制御する(S44)(図9(a)(c)参照)。すると、EGRバルブ17の開度が急速に小さく、外部EGRの減少率が通常時の減少率よりも大きくなり、外部EGR量が急速に減少して0になる。急減速時にこのように制御することにより、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
【0062】
エンジンECU2によれば、車両が急加速の場合、通常制御時よりも内部EGR量を迅速に減少させるとともに外部EGR量を迅速に増加させるので、高温の排気ガスの影響による異常燃焼を防止でき、ノッキングも引き起こさない。また、エンジンECU2によれば、車両が急減速の場合、内部EGR量及び外部EGR量を共に迅速に減少させるので、空気量に対するEGR量の割合が大きくなることによる過度の燃焼状態の悪化を防止でき、トルク変動やドライバビリティの悪化も引き起こさない。
【0063】
特に、第1の実施の形態に係る制御の場合、急加速制御時又は急減速制御時に内部EGR量及び外部EGR量の設定量を通常制御時から変更するために、急加速用又は急減速用のEGRマップに切り換えるだけの簡単な処理でよい。また、第2の実施の形態に係る制御の場合、急加速制御時又は急減速制御時には内部EGR量及び外部EGR量の設定量を0にするかあるいは所定量加算するだけの簡単な処理でよい。
【0064】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0065】
例えば、本実施の形態では吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミングとリフト量を変えることができる可変バルブタイミング・リフト機構により可変バルブ手段を構成したが、吸気バルブ又は排気バルブの一方のバルブの開閉タイミングとリフト量を変えることができる手段でもよいし、開閉タイミング又はリフト量の一方を変えることができる手段でもよい。
【0066】
また、本実施の形態ではスロットルバルブ開度の変化率で加減速を検出する構成としたが、アクセルペダルの操作量の変化率や吸入空気量の変化率等で検出する構成でもよい、あるいは、車両の加速度を直接検出する構成でもよい。
【0067】
また、本実施の形態では内部EGR及び外部EGRをエンジンECUで制御する構成としたが、EGRを制御する専用の制御装置等の他の制御装置に構成してもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、急な加減速の場合でも、EGRの排気ガスの影響による過度の燃焼状態の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るエンジンの構成図である。
【図2】本実施の形態に係る負荷状態に対するEGR量及び外部EGR量と内部EGR量とを示すグラフである。
【図3】第1の実施の形態に係る通常制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。
【図4】第1の実施の形態に係る急加速制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。
【図5】第1の実施の形態に係る急減速制御時のEGRマップであり、(a)が内部EGRマップであり、(b)が外部EGRマップである。
【図6】第1の実施の形態に係る加速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る減速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る加速時のEGR制御のタイムチャートであり、(a)がスロットル開度であり、(b)が内部EGR量であり、(c)が外部EGR量である。
【図9】第2の実施の形態に係る減速時のEGR制御のタイムチャートであり、(a)がスロットル開度であり、(b)が内部EGR量であり、(c)が外部EGR量である。
【図10】第2の実施の形態に係る加速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る減速時におけるEGR制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…エンジンECU、3…気筒、4…インジェクタ、5…シリンダ、6…ピストン、7…吸気通路、7a…サージタンク部、8…点火プラグ、9…排気通路、10…エアフロセンサ、11…スロットルバルブ、12…アクセルポジショニングセンサ、13…アクセルペダル、14…スロットルモータ、15…スロットルポジショニングセンサ、16…EGR通路、17…EGRバルブ、18…吸気バルブ、19,21…カム、20…排気バルブ、22…可変バルブタイミング・リフト機構、23…クランクシャフト、24…回転数センサ

Claims (3)

  1. 吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を調整する可変バルブ手段と、排気系から吸気系に還流させる排気ガスの流量を調整する可変流量手段とを備える内燃機関の制御装置であって、
    車両の加減速を検出する加減速検出手段を備え、
    前記加減速検出手段で検出した加減速に基づいて前記可変バルブ手段による内部EGR量及び前記可変流量手段による外部EGR量を増減制御し、
    前記加減速検出手段で検出した加速が所定加速より大きい場合、前記可変バルブ手段による内部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくするとともに前記可変流量手段による外部EGR量の増加率を通常制御時よりも大きくすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量を調整する可変バルブ手段と、排気系から吸気系に還流させる排気ガスの流量を調整する可変流量手段とを備える内燃機関の制御装置であって、
    車両の加減速を検出する加減速検出手段を備え、
    前記加減速検出手段で検出した加減速に基づいて前記可変バルブ手段による内部EGR量及び前記可変流量手段による外部EGR量を増減制御し、
    前記加減速検出手段で検出した減速が所定減速より大きい場合、前記可変バルブ手段による内部EGR量を減量制御するとともに前記可変流量手段による外部EGR量の減少率を通常制御時よりも大きくすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記加減速検出手段は、スロットルバルブの開度を検出する開度検出手段であり、
    前記開度検出手段で検出した開度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記可変バルブ手段による内部EGR量及び前記可変流量手段による外部EGR量を増減制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する内燃機関の制御装置。
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