JP4151425B2 - 圧縮比変更期間における内燃機関の制御 - Google Patents

圧縮比変更期間における内燃機関の制御 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮比を変更可能な内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、圧縮比を変更可能な機構を有する種々の内燃機関が提案されている。圧縮比を高く設定すると、効率よく動力を得ることができるが、ノッキングが発生し易い。このため、圧縮比は、運転条件に応じて変更される。具体的には、内燃機関の負荷が低い場合(すなわちアクセル開度が小さい場合)には、ノッキングが発生し難いため、圧縮比は高く設定される。一方、内燃機関の負荷が高い場合(すなわちアクセル開度が大きい場合)には、ノッキングが発生し易いため、圧縮比は低く設定される。
【0003】
ところで、内燃機関の圧縮比が変更される変更期間においても、ノッキングの発生を抑制する必要がある。なお、ノッキングは、高圧縮比から低圧縮比に変更される際に発生し易い。特許文献1では、高圧縮比から低圧縮比への変更期間に発生し得るノッキングを抑制するために、変更期間において、点火時期および/または供給燃料量の設定値を高圧縮比に適した値に保持する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−108833号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、ノッキングの発生を抑制することが困難な場合があるという問題があった。これは、運転条件の変化に応じて、圧縮比を速やかに変更するのが困難なためである。すなわち、要求される内燃機関の負荷が急激に増大する場合には、通常、燃焼室に供給される空気量と燃料量とが急激に増大するが、圧縮比は迅速に変更されない。このとき、燃焼室内では、燃焼温度が高くなり、エンドガス(燃焼時の未燃混合気)が強い圧縮を受ける。そして、エンドガスが自発火温度まで上昇して自発火し、この結果、ノッキングが発生してしまう。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、高圧縮比から低圧縮比への変更期間に発生し得るノッキングなどの異常燃焼を、より抑制することのできる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の装置は、内燃機関であって、
燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
前記燃焼室内に燃料を供給するための燃料供給部と、
前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記燃料供給部とを制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記圧縮比変更部を制御して、圧縮比を比較的高い第1の状態から比較的低い第2の状態へ変更する場合に、前記燃料供給部を制御して、変更期間の初期を含む所定期間における空燃比を、前記第2の状態における空燃比よりも大きく設定し、
前記変更期間および前記第2の状態における燃料供給量は、前記第1の状態における燃料供給量よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0008】
第1の装置では、変更期間および第2の状態における燃料供給量は、第1の状態における燃料供給量よりも大きく設定されている。しかしながら、変更期間の初期を含む所定期間における空燃比は、第2の状態における空燃比よりも大きく設定されているため、所定期間における燃焼温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間に発生し得るノッキングなどの異常燃焼をより抑制することが可能となる。
【0009】
上記の第1の装置において、
前記所定期間における空燃比は、前記圧縮比の変更に伴って次第に小さくなるように設定されることが好ましい。
【0010】
こうすれば、所定期間の後期における内燃機関の出力を向上させることができる。
【0011】
本発明の第2の装置は、内燃機関であって、
燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
前記燃焼室内に燃料を供給するために、前記燃焼室に導入される空気が通る吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射部と、
前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記燃料噴射部とを制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記圧縮比変更部を制御して、圧縮比を比較的高い第1の状態から比較的低い第2の状態へ変更する場合に、前記燃料噴射部を制御して、変更期間の初期を含む所定期間における燃料噴射期間と前記内燃機関の吸入行程期間との重なり期間を、前記第2の状態における前記重なり期間よりも大きく設定することを特徴とする。
【0012】
第2の装置では、変更期間の初期を含む所定期間では、第2の状態よりも吸入行程期間内に噴射される燃料が多い。このため、燃料が気化する際の潜熱を利用して、燃焼室の温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間に発生し得るノッキングなどの異常燃焼をより抑制することが可能となる。
【0013】
上記の第2の装置において、
前記所定期間における燃料噴射期間は、前記内燃機関の吸入行程期間内にすべての燃料が噴射されるように設定されていることが好ましい。
【0014】
こうすれば、燃焼室の温度をより低くすることができ、ノッキングなどの異常燃焼をより確実に抑制することが可能となる。
【0015】
上記の第2の装置において、
前記第2の状態における燃料噴射期間は、前記内燃機関の吸入行程期間内に燃料が噴射されず、他の行程期間内に燃料が噴射されるように設定されていることが好ましい。
【0016】
こうすれば、第2の状態では、燃焼室の温度を低下させずに済むため、燃焼の際の圧力を高めることができ、この結果、内燃機関の出力を向上させることが可能となる。
【0017】
上記の第2の装置において、
前記所定期間における前記重なり期間は、前記圧縮比の変更に伴って次第に小さくなるように設定されることが好ましい。
【0018】
こうすれば、所定期間の後期における内燃機関の出力を向上させることができる。
【0019】
本発明の第3の装置は、内燃機関であって、
燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
前記燃焼室内に燃料を供給するための燃料噴射部であって、前記燃焼室に導入される空気が通る吸気通路内に燃料を噴射するための第1の噴射部と、前記燃焼室内に燃料を直接噴射するための第2の噴射部と、を含む前記燃料噴射部と、
前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記燃料噴射部とを制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記圧縮比変更部を制御して、圧縮比を比較的高い第1の状態から比較的低い第2の状態へ変更する場合に、前記燃料噴射部を制御して、変更期間の初期を含む所定期間における前記第2の噴射部による燃料量の割合を、前記第2の状態における前記割合よりも大きく設定することを特徴とする。
【0020】
第3の装置では、変更期間の初期を含む所定期間では、第2の状態よりも燃焼室内に直接噴射される燃料の割合が多い。このため、燃料が気化する際の潜熱を利用して、燃焼室の温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間に発生し得るノッキングなどの異常燃焼をより抑制することが可能となる。
【0021】
上記の第3の装置において、
前記所定期間における前記割合は、前記圧縮比の変更に伴って次第に小さくなるように設定されることが好ましい。
【0022】
こうすれば、所定期間の後期における内燃機関の出力を向上させることができる。
【0023】
本発明の第4の装置は、内燃機関であって、
燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
前記燃焼室内の混合気の成層度を変更可能な成層度変更部と、
前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記成層度変更部とを制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記圧縮比変更部を制御して、圧縮比を比較的高い第1の状態から比較的低い第2の状態へ変更する場合に、前記成層度変更部を制御して、変更期間の初期を含む所定期間における前記成層度を、前記第2の状態における前記成層度よりも高く設定することを特徴とする。
【0024】
ここで、混合気の成層度とは、混合気中の燃料濃度の分布を示す指標であり、成層度の高い混合気とは、燃焼室内の一部の領域の燃料濃度が比較的高く、その周辺の領域の燃料濃度が比較的低い混合気を意味する。
【0025】
第4の装置では、変更期間の初期を含む所定期間における混合気の成層度は、第2の状態における混合気の成層度よりも高く設定されている。このため、火炎伝搬距離を短くして燃焼時間を短縮することができ、この結果、変更期間に発生し得るノッキングなどの異常燃焼をより抑制することが可能となる。
【0026】
上記の第4の装置において、
前記成層度変更部は、
前記燃焼室内で渦流を発生または増大させるための渦流形成部を含むようにしてもよい。
【0027】
また、上記の第4の装置において、
前記成層度変更部は、
前記内燃機関の吸入行程期間に前記燃焼室内に燃料を供給するための燃料噴射部を含み、
前記所定期間における燃料噴射終了時期は、第2の状態における前記燃料噴射終了時期よりも遅角側に設定されるようにしてもよい。
【0028】
あるいは、上記の第4の装置において、
前記成層度変更部は、
前記燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射部を含み、
前記所定期間における燃料噴射期間は、前記内燃機関の圧縮行程期間内に設定されており、前記第2の状態における燃料噴射期間は、前記内燃機関の吸入行程期間内に設定されているようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、所定期間において混合気の成層度を高めることができる。
【0030】
上記の第4の装置において、
前記所定期間における前記成層度は、前記圧縮比の変更に伴って次第に低くなるように設定されることが好ましい。
【0031】
こうすれば、所定期間の後期における内燃機関の出力を向上させることができる。
【0032】
上記の第1ないし第4の装置において、
前記所定期間は、前記変更期間とほぼ等しいことが好ましい。
【0033】
こうすれば、変更期間におけるノッキングの発生を確実に抑制することができる。
【0034】
なお、この発明は、内燃機関、内燃機関を搭載した移動体、内燃機関を制御するための制御装置および制御方法、制御装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様で実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
A−1.エンジンの構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、第1実施例におけるガソリンエンジン100の概略構成を示す説明図である。なお、本実施例のエンジンは車両に搭載されている。
【0036】
エンジン100は、エンジン本体10を備えており、エンジン本体10は、シリンダヘッド20とシリンダブロック30とを備えている。
【0037】
シリンダブロック30は、シリンダとして機能する上部ブロック31と、クランクケースとして機能する下部ブロック32と、を含んでいる。シリンダ内には、上下に往復運動するピストン41が設けられており、クランクケース内には、回転運動するクランクシャフト43が設けられている。ピストン41とクランクシャフト43とは、コネクティングロッド42を介して接続されている。この構成によって、ピストン41の往復運動とクランクシャフト43の回転運動との変換が行われる。なお、シリンダヘッド20とシリンダブロック30とピストン41とで囲まれた領域は、燃焼室を形成する。
【0038】
また、上部ブロック31と下部ブロック32との間には、上部ブロック31を下部ブロック32に対して上下方向に移動させるためのアクチュエータ33が設けられている。上部ブロック31を上方に移動させると、シリンダヘッド20も上方に移動する。このとき、燃焼室の容積が大きくなるため、圧縮比は小さくなる。逆に、上部ブロック31を下方に移動させると、シリンダヘッド20も下方に移動する。このとき、燃焼室の容積が小さくなるため、圧縮比は大きくなる。
【0039】
シリンダヘッド20には、吸気ポート23と排気ポート24とが形成されている。吸気ポート23には、吸気弁21が配置されており、排気ポート24には、排気弁22が配置されている。吸気弁21と排気弁22とは、それぞれ、ピストン41の往復運動に応じて動作する動弁機構(カム機構)25,26によって駆動される。
【0040】
吸気ポート23には吸気管50が接続されており、吸気ポート23と吸気管50とは、吸気通路を形成する。排気ポート24には排気管58が接続されており、排気ポート24と排気管58とは、排気通路を形成する。吸気管50には、スロットル弁52と燃料噴射弁55とが設けられている。吸気管50の上流側からはエアクリーナ51を介して空気が供給される。電動アクチュエータ53によって制御されるスロットル弁52は、燃焼室に導かれる空気量を調整する。燃料噴射弁55は、図示しない燃料ポンプから供給される燃料(ガソリン)を吸気ポート23内に噴射する(ポート噴射)。これにより、空気と燃料との混合気が生成される。混合気は、燃焼室内に供給された後、点火プラグ27が形成する電気火花によって、燃焼する。燃焼済みの排気ガスは、燃焼室から排出される。
【0041】
また、エンジン100は、エンジン全体を制御するための電子制御ユニット(ECU:electrical control unit )60を備えている。ECU60は、バスで互いに接続されたCPUとROMとRAMと入出力回路とを備えている。ECU60には、クランクシャフト43に設けられたクランク角センサ61や、アクセルペダルに設けられたアクセル開度センサ62、吸気管50に設けられた吸気圧センサ56などが接続されている。そして、ECU60は、これらの検出結果に基づいて、アクチュエータ33や、燃料噴射弁55、点火プラグ27などを制御する。
【0042】
A−2.エンジンの制御:
図2は、エンジンの制御の概要を示すフローチャートである。なお、ECU60は、ステップS101,S102の処理を繰り返し実行する。
【0043】
ステップS101では、エンジンの運転条件が検出される。具体的には、ECU60は、運転条件として、エンジン回転速度とアクセル開度とを検出する。なお、エンジン回転速度は、クランク角センサ61の検出結果に基づいて決定され、アクセル開度は、アクセル開度センサ62の検出結果に基づいて決定される。
【0044】
ステップS102では、ステップS101で検出された運転条件に基づいて、種々の制御が実行される。
【0045】
ステップS102aでは、圧縮比の制御が実行される。具体的には、ECU60は、まず、検出された運転条件(エンジン回転速度およびアクセル開度)に基づいて、目標圧縮比を決定する。また、ECU60は、アクチュエータ33を駆動させることによって、エンジンの圧縮比を決定された目標圧縮比に設定する。
【0046】
なお、本実施例では、目標圧縮比は、ECU60のROM内に格納されたマップを用いて決定されている。図3は、運転条件に応じた目標圧縮比を示すマップを模式的に示す説明図である。図示するように、アクセル開度が比較的大きい条件(すなわち、エンジン負荷が比較的高い条件)では、目標圧縮比は比較的低い値に設定される。逆に、アクセル開度が比較的小さい条件(すなわち、エンジン負荷が比較的低い条件)では、目標圧縮比は比較的高い値に設定される。また、エンジン回転速度が比較的低い条件では、目標圧縮比は比較的低い値に設定される。
【0047】
図3のマップを用いれば、ノッキングの発生を抑制すると共に、比較的高い圧縮比での運転を実行することが可能となる。すなわち、エンジン負荷が高い場合には、ノッキングが発生し易い。ノッキングの発生は、圧縮比を低くすることによって抑制可能である。このため、図3のマップでは、エンジン負荷が高くなるほど目標圧縮比が低く設定されている。また、エンジン回転速度が低い場合にも、ノッキングが発生し易い。このため、図3のマップでは、回転速度が低くなるほど目標圧縮比が低く設定されている。
【0048】
ステップS102b(図2)では、設定された圧縮比に応じた燃料噴射の制御が実行される。具体的には、ECU60は、燃焼室内に吸入される空気量を求め、吸入空気量に基づいて燃料供給量を決定する。
【0049】
吸入空気量は、本実施例では、吸気圧センサ56の検出結果に基づいて求められる。燃料供給量は、混合気の空燃比が所定の空燃比となるように決定される。本実施例では、所定の空燃比は、ECU60のROM内に格納されたマップを用いて決定される。具体的には、ROM内には、運転条件に応じた目標空燃比を示すマップが、圧縮比毎に格納されている。そして、設定された圧縮比に対応するマップを用いて、目標空燃比が決定される。目標空燃比が決定されると、上記の吸入空気量を用いて、燃料供給量が決定される。なお、本実施例では、単位時間あたりの燃料噴射量と燃料噴射終了時期とが予め定められている。このため、燃料供給量は、燃料噴射開始時期を調整することによって、変更される。燃料噴射弁55による燃料噴射は、クランク角センサ61からの検出結果に基づいて適切なタイミングで実行される。
【0050】
ステップS102cでは、設定された圧縮比に応じた点火時期の制御が実行される。本実施例では、点火時期は、ECU60のROM内に格納されたマップを用いて決定される。具体的には、ROM内には、運転条件に応じた目標点火時期を示すマップが、圧縮比毎に格納されている。そして、設定された圧縮比に対応するマップを用いて、目標点火時期が決定される。なお、点火プラグ27による点火は、クランク角センサ61からの検出結果に基づいて適切なタイミングで実行される。
【0051】
A−3.圧縮比変更期間の制御:
ところで、圧縮比が比較的高い状態から比較的低い状態へ変更される場合には、変更期間において、ノッキングが発生し易い。これは、運転条件の変化に対して、圧縮比の変更が遅れるためである。具体的には、ユーザがアクセル開度を急激に大きく設定すると、これに伴って、スロットル開度も急激に大きく設定される。このとき、燃焼室に吸入される吸入空気量は、急激に大きくなり、これに伴って、燃焼室に供給される燃料供給量も、急激に大きく設定される。しかしながら、圧縮比は、迅速に変更されない。このとき、燃焼室内では、燃焼温度が高くなり、エンドガス(燃焼時の未燃混合気)が強い圧縮を受ける。そして、エンドガスが自発火温度まで上昇して自発火し、この結果、ノッキングが発生してしまう。
【0052】
なお、大型のアクチュエータを用いれば、運転条件の変化に伴って、圧縮比を迅速に変更することができる。しかしながら、大型のアクチュエータを駆動するためには、大きなエネルギが必要となり、この結果、燃料消費率が悪化してしまう。
【0053】
そこで、本実施例では、図2のステップS102bにおいて、混合気の空燃比を調整することによって、変更期間におけるノッキングの発生を抑制している。
【0054】
なお、変更期間では、図2のステップ102cにおける点火時期の制御は、例えば、変更前の比較的高い圧縮比に適した設定で実行されていてもよいし、変更後の比較的低い圧縮比に適した設定で実行されていてもよい。また、変更途中の現行圧縮比に適した設定で実行されていてもよい。変更途中における現行圧縮比は、例えば、アクチュエータ33に対する制御量から求められる。
【0055】
図4は、第1実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図4(a)は、スロットル開度の変化を示し、図4(b)は、圧縮比の変化を示す。図4(c)は、混合気の空燃比の変化を示し、図4(d)は、燃焼室に供給される燃料供給量の変化を示す。
【0056】
図4(b)に示すように、期間Taでは、圧縮比は比較的高い値に設定されており、期間Tcでは、圧縮比は比較的低い値に設定されている。そして、期間Tbでは、圧縮比の値が次第に変更されている。なお、このような圧縮比の変更は、例えば、図3のマップにおいて、アクセル開度が増大し、運転条件が点Caから点Ccに変化したときに実行される。
【0057】
アクセル開度が急激に大きくなると、図4(a)に示すように、スロットル開度も急激に大きくなる。このとき、図2のステップS102aにおいて、目標圧縮比は、比較的小さな値に決定される。しかしながら、図4(b)に示すように、圧縮比は、比較的長い期間Tbを経て変更される。すなわち、圧縮比の変更は、運転条件の変化に対して遅れている。
【0058】
このため、本実施例では、図4(c)に示すように、変更期間Tbにおいて空燃比を変更している。具体的には、期間Ta,Tcにおける空燃比は、ほぼ等しく設定されているが、期間Tbにおける空燃比は、期間Ta,Tcにおける空燃比よりも大きく(すなわち、リーン側に)設定されている。ただし、期間Tb,Tcにおける吸入空気量は、期間Taにおける吸入空気量よりも大きい。このため、図4(d)に示すように、期間Tb,Tcにおける燃料供給量は、期間Taにおける燃料供給量よりも大きく設定されている。なお、期間Tbにおける燃料供給量は、期間Tcにおける燃料供給量よりも小さく設定されており、この結果、図4(c)の期間Tb,Tcにおける空燃比の変化が実現されている。
【0059】
上記のように期間Tbにおける空燃比を期間Tcにおける空燃比よりも大きく(すなわち、リーン側に)設定すれば、変更期間における燃焼温度を比較的低くすることができる。このため、エンドガス(燃焼時の未燃混合気)の温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0060】
図5は、第1実施例の第1の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図5は、図4とほぼ同じであるが、図5(c)が変更されており、この変更に伴って図5(d)が変更されている。
【0061】
具体的には、期間Tbにおける空燃比は、期間Taにおける空燃比とほぼ等しく設定されており、期間Tbにおける空燃比は、期間Tcにおける空燃比よりも大きく設定されている。また、期間Tb,Tcにおける燃料供給量は、期間Taにおける燃料供給量よりも大きく設定されており、期間Tbにおける燃料供給量は、期間Tcにおける燃料供給量よりも小さく設定されている。
【0062】
図5においても、図4と同様に、期間Tbにおける空燃比は、期間Tcにおける空燃比よりも大きく(すなわち、リーン側に)設定されているため、変更期間における燃焼温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0063】
図6は、第1実施例の第2の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図6は、図5とほぼ同じであるが、図6(c)が変更されており、この変更に伴って図6(d)が変更されている。
【0064】
具体的には、図5と同様に、期間Tbにおける空燃比は、期間Tcにおける空燃比よりも大きく設定されている。ただし、期間Tbにおける空燃比は、期間Taにおける空燃比よりも小さく設定されている。また、図5と同様に、期間Tb,Tcにおける燃料供給量は、期間Taにおける燃料供給量よりも大きく設定されており、期間Tbにおける燃料供給量は、期間Tcにおける燃料供給量よりも小さく設定されている。
【0065】
図6においても、図4,図5と同様に、期間Tbにおける空燃比は、期間Tcにおける空燃比よりも大きく(すなわち、リーン側に)設定されているため、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0066】
図7は、第1実施例の第3の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図7は、図4とほぼ同じであるが、図7(c)が変更されており、この変更に伴って図7(d)が変更されている。
【0067】
具体的には、図4(c)では、期間Tbにおける空燃比は、ほぼ一定に保たれているが、図7(c)では、圧縮比の低下に伴って次第に小さく設定されている。また、図7(d)に示すように、燃料供給量は、期間Tbにおいて、圧縮比の低下に伴って次第に大きく設定されている。
【0068】
前述のように、圧縮比が比較的高い状態から比較的低い状態へ変更される場合には、変更期間においてノッキングが発生し易いが、ノッキングは、特に、変更期間の初期において生じ易い。これは、変更期間の初期では、圧縮比が比較的高い状態であるにも関わらす、燃焼温度が高くなるためである。一方、変更期間の後期では、圧縮比が比較的低い状態であるため、ノッキングは比較的発生し難い。したがって、図7に示すように、期間Tbにおいて空燃比を次第に小さく(すなわち、リッチ側に)変化させれば、期間Tbにおけるエンジンの出力を次第に向上させることが可能となる。すなわち、変更期間の初期における空燃比を比較的大きく設定することによって、ノッキングの発生を抑制することができると共に、変更期間の後期における空燃比を比較的小さく設定することによって、エンジンの出力を向上させることができる。
【0069】
図4〜図7から分かるように、一般には、変更期間における空燃比は、変更後の状態における空燃比よりも大きく設定されていればよい。
【0070】
以上の説明から分かるように、エンジン本体10が本発明における圧縮比変更部に相当し、燃料噴射弁55が燃料供給部に相当する。また、ECU60とクランク角センサ61とアクセル開度センサ62とが本発明における制御部に相当する。
【0071】
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図8(a)〜(c)は、それぞれ、スロットル開度の変化と、圧縮比の変化と、燃料噴射終了時期の変化と、を示す。なお、図8(a),(b)は、図4(a),(b)と同じである。また、エンジンの構成は、図1に示したものと同じである。
【0072】
図9は、第2実施例における燃料噴射期間を示す説明図である。図9(a)〜(c)は、それぞれ、期間Ta,Tb,Tcにおける燃料噴射期間を示している。なお、図9では4つの行程が示されており、各行程は、ピストンの上死点(TDC)と下死点(BDC)とで区分されている。
【0073】
図8(c),図9に示すように、期間Ta,Tcでは、燃料噴射は、吸入行程に先行する排気行程期間において実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、排気行程の終わり(すなわちピストンが上死点に位置するとき)に設定されている。なお、燃料噴射弁55から噴射された燃料は、吸気ポート23の内側壁面に付着し、排気行程および吸入行程においてエンジン本体10の熱によって気化し、吸入行程において燃焼室内に供給される。一方、期間Tbでは、燃料噴射は、吸入行程期間において実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、吸入行程の中間(すなわちピストンが上死点と下死点との中間に位置するとき)に設定されている。なお、燃料噴射弁55から噴射された燃料は、吸入される空気と共に燃焼室内に供給される。
【0074】
なお、図9に示すように、期間Tb,Tcにおける燃料噴射期間は、期間Taにおける燃料噴射期間よりも長く設定されている。これは、アクセル開度の増大に伴って、燃焼室に供給すべき燃料量が増大しているためである。
【0075】
このように、期間Tbにおける燃料噴射期間を吸入行程期間と重なるように設定すれば、燃焼室内で燃料を気化させることができる。このため、燃料が気化する際の潜熱を利用して、燃焼室内の温度を比較的低くすることができ、この結果、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0076】
なお、図9では、期間Tbにおける燃料噴射期間は、吸入行程期間内にすべての燃料が噴射されるように設定されている。しかしながら、一部の燃料は、吸入行程に先行する排気期間内に噴射されていてもよい。この場合にも、燃料の気化に伴う潜熱を利用して、燃焼室内の温度を低くすることができる。ただし、図9に示すように期間Tbにおける燃料噴射期間を設定すれば、燃焼室の温度をより低くすることができるため、ノッキングなどの異常燃焼の発生をより確実に抑制することができるという利点がある。
【0077】
また、図9では、期間Ta,Tcにおける燃料噴射期間は、吸気行程期間内に燃料が噴射されないように、換言すれば、排気行程期間内にすべての燃料が噴射されるように設定されている。しかしながら、一部の燃料は、吸入行程期間内に噴射されていてもよい。ただし、図9に示すように期間Ta,Tcにおける燃料噴射期間を設定すれば、期間Ta,Tcにおいて、燃焼室の温度を低下させずに済むため、燃焼の際の圧力を高めることができ、この結果、エンジンの出力を向上させることができるという利点がある。なお、図9では、期間Ta,Tcにおける燃料噴射期間は、排気行程期間に設定されているが、他の期間、例えば、吸入行程に先行する膨張行程期間に設定されていてもよい。
【0078】
なお、本実施例では、変更期間における燃料噴射期間と吸入行程期間との重なり期間は、ほぼ一定に保たれているが、これに代えて、圧縮比の低下に伴って該重なり期間を次第に小さくするようにしてもよい。具体的には、図8(c)において、圧縮比の低下に伴って、燃料噴射終了時期を次第に進角側(上死点側)にシフトさせるようにしてもよい。こうすれば、図7と同様に、ノッキングが比較的発生し易い変更期間の初期において、ノッキングの発生を抑制することができると共に、ノッキングが比較的発生し難い変更期間の後期において、エンジンの出力を向上させることができるという利点がある。
【0079】
一般には、変更期間における燃料噴射期間と吸入行程期間との重なり期間は、変更後の状態における燃料噴射期間と吸入行程期間との重なり期間よりも大きく設定されていればよい。
【0080】
C.第3実施例:
図10は、第3実施例におけるガソリンエンジン100Cの概略構成を示す説明図である。図10は、図1とほぼ同じであるが、第2の燃料噴射弁57が追加されている。第1の燃料噴射弁55は、吸気通路を形成する吸気ポート23内に燃料を噴射する(ポート噴射)。第2の燃料噴射弁57は、燃焼室内に燃料を直接噴射する(筒内噴射)。
【0081】
なお、本実施例では、第1の燃料噴射弁55は、例えば、吸入行程に先行する期間(例えば、排気行程)において燃料を噴射する。一方、第2の燃料噴射弁57は、吸入行程またはその後の圧縮行程において燃料を噴射する。そして、燃焼室では、2つの燃料噴射弁55,57から噴射された燃料を用いて、燃焼が実行される。
【0082】
図11は、第3実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図11(a)〜(c)は、それぞれ、スロットル開度の変化と、圧縮比の変化と、筒内噴射による燃料量の割合の変化と、を示す。なお、図11(a),(b)は、図4(a),(b)と同じである。図11(c)に示す「0%」は、燃焼室内に供給される燃料のすべてが第1の燃料噴射弁55から噴射されることを意味しており、「100%」は、燃焼室内に供給される燃料のすべてが第2の燃料噴射弁57から噴射されることを意味している。
【0083】
図11(c)に示すように、期間Ta,Tcでは、燃焼室に供給される燃料のうち、約20%の燃料が第2の燃料噴射弁57から噴射されている。一方、期間Tbでは、約50%の燃料が第2の燃料噴射弁57から噴射されている。
【0084】
このように、変更期間Tbにおいて、筒内噴射による燃料量の割合を増大させれば、燃焼室内で比較的多くの燃料を気化させることができる。このため、燃料が気化する際の潜熱を利用して、燃焼室内の温度を低下させることができ、この結果、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0085】
なお、図11では、期間Tbにおける筒内噴射による燃料量の割合は、ほぼ一定に保たれているが、これに代えて、圧縮比の低下に伴って、該割合を次第に小さく設定するようにしてもよい。こうすれば、ノッキングが比較的発生し易い変更期間の初期において、ノッキングの発生を抑制することができると共に、ノッキングが比較的発生し難い変更期間の後期において、エンジンの出力を向上させることができるという利点がある。
【0086】
一般には、変更期間における第2の燃料噴射弁による燃料噴射量の割合は、変更後の状態における該割合よりも大きく設定されていればよい。
【0087】
D.第4実施例:
図12は、第4実施例におけるガソリンエンジン100Dの概略構成を示す説明図である。図12は、図1とほぼ同じであるが、燃料噴射弁が変更されている。具体的には、図1では、吸気通路を形成する吸気ポート23内に燃料を噴射する燃料噴射弁55が用いられているが、図12では、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁57が用いられている。
【0088】
図13は、第4実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図13(a)〜(c)は、それぞれ、スロットル開度の変化と、圧縮比の変化と、混合気の成層度の変化と、を示す。なお、図13(a),(b)は、図4(a),(b)と同じである。
【0089】
ここで、混合気の成層度とは、混合気中の燃料濃度の分布を示す指標である。成層度の高い混合気とは、燃焼室内において点火プラグ27付近の領域の燃料濃度が比較的高く、その周辺の領域の燃料濃度が比較的低い混合気を意味する。一方、成層度の低い混合気とは、燃焼室内において燃料濃度がほぼ均一な混合気を意味する。
【0090】
図13(c)に示すように、期間Ta,Tcでは、成層度は比較的低く設定されているが、期間Tbでは、成層度は比較的高く設定されている。
【0091】
このように、変更期間において成層度を高めれば、変更期間におけるノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。具体的には、成層度が高められると、火炎伝播距離が短くなり、この結果、燃焼時間が短縮される。また、点火プラグ付近の混合気の空燃比が比較的小さくなるため(すなわちリッチ空燃比となるため)、燃焼温度が低下する。さらに、周辺の混合気の空燃比が比較的大きくなるため(すなわちリーン空燃比になるため)、周辺の混合気が燃焼し難くなる。これらの現象に起因して、エンドガス(燃焼時の未燃混合気)が自発火に至らずに済み、この結果、ノッキングなどの異常燃焼の発生が抑制される。
【0092】
図14は、混合気の成層度を変更するための第1の例を示す説明図である。第1の例では、燃料噴射期間を変更することによって、混合気の成層度が変更されている。図14(a)〜(c)は、それぞれ、期間Ta,Tb,Tcにおける燃料噴射期間を示す。
【0093】
図示するように、期間Ta,Tb,Tcでは、共に、吸入行程において燃料が噴射されている。ただし、期間Ta,Tcでは、燃料噴射は、吸入行程の前半期間において実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、吸入行程の中間(すなわちピストンが上死点と下死点との中間に位置するとき)に設定されている。一方、期間Tbにおける燃料噴射は、吸入行程の後半期間に実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、吸入行程の終わり(すなわちピストンが上死点に位置するとき)に設定されている。すなわち、期間Tbにおける燃料噴射終了時期は、期間Ta,Tcにおける燃料噴射終了時期よりも遅角側に変更されている。
【0094】
図14に示すように、変更期間Tbにおいて燃料噴射終了時期を遅角させれば、燃料噴射弁57から燃焼室内に直接噴射された燃料が燃焼室内で充分に拡散する前に、換言すれば、混合気の成層度が比較的高い状態で、混合気を燃焼させることができる。
【0095】
図15は、混合気の成層度を変更するための第2の例を示す説明図である。図15(a)〜(c)は、それぞれ、図14(a)〜(c)に対応する。第2の例では、第1の例と同様に、燃料噴射期間を変更することによって、混合気の成層度が変更されている。
【0096】
図示するように、期間Ta,Tcにおける燃料噴射は、吸入行程期間に実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、吸入行程の終わり(すなわちピストンが上死点に位置するとき)に設定されている。一方、期間Tbにおける燃料噴射は、圧縮行程期間に実行されている。そして、燃料噴射終了時期は、圧縮行程の中間(すなわちピストンが下死点と上死点との中間に位置するとき)に設定されている。すなわち、第2の例においても、期間Tbにおける燃料噴射終了時期は、期間Ta,Tcにおける燃料噴射終了時期よりも遅角側に変更されている。
【0097】
図15に示すように、変更期間Tbにおいて燃料噴射終了時期を遅角させれば、図14と同様に、混合気の成層度が比較的高い状態で、混合気を燃焼させることができる。なお、第2の例(図15)を採用すれば、変更期間における混合気の成層度を、第1の例(図14)よりも高く設定することができるという利点がある。
【0098】
第1および第2の例(図14,図15)では、変更期間において、燃料噴射終了時期を遅角側に変更することによって成層度が高められているが、以下の第3および第4の例では、変更期間において、燃焼室内に渦流を発生させることによって成層度が高められている。すなわち、第3および第4の例では、燃料噴射を渦流存在下で実行する制御も、図2のステップS102bの燃料噴射の制御に含まれている。
【0099】
図16は、混合気の成層度を変更するための第3の例を示す説明図である。なお、図16は、エンジン本体に注目して描かれている。図16は、図12とほぼ同じであるが、吸気ポート23には、流れ制御弁71が設けられている。流れ制御弁71の開閉動作は、ECU60が電動アクチュエータ73を駆動することによって、制御される。
【0100】
流れ制御弁71は、吸気ポート23の一部の領域を塞ぐように、より具体的には、吸気ポート23の下方の領域に設けられている。このため、流れ制御弁71が閉状態に設定される場合には、空気は、主に、吸気ポート23内の上方の領域を通って、燃焼室内に供給される。
【0101】
第3の例では、期間Ta,Tcにおいて、流れ制御弁71は開状態に設定される。一方、期間Tbにおいて、流れ制御弁71は閉状態に設定される。このように、期間Tbにおいて流れ制御弁71を閉状態に設定すると、燃焼室内では、タンブル流が発生する。ここで、タンブル流とは、図16に示すように、燃焼室内をシリンダの軸に垂直な方向を中心に旋回する流れである。
【0102】
図16に示すように、変更期間Tbにおいてタンブル流を発生させれば、燃料噴射弁57から燃焼室内に直接噴射された燃料を点火プラグ27付近に偏在させることができ、この結果、混合気の成層度が比較的高い状態を形成することができる。
【0103】
なお、図16では、燃焼室内でタンブル流が形成されているが、これに代えて、旋回方向が逆向きの逆タンブル流が形成されるようにしてもよい。
【0104】
図17は、混合気の成層度を変更するための第4の例を示す説明図である。図17は、図12とほぼ同じエンジンについて、燃焼室を上方から見たときの様子を模式的に示している。図示するように、シリンダヘッドには、2つの吸気ポート23a,23bと、2つの排気ポート24a,24bと、が設けられている。そして、第2の吸気ポート23bには、流れ制御弁81が設けられている。なお、流れ制御弁81の開閉動作は、第3の例と同様に、ECU60が電動アクチュエータ83を駆動することによって、制御される。
【0105】
第4の例では、第3の例と同様に、流れ制御弁81は、期間Ta,Tcにおいて開状態に設定され、期間Tbにおいて閉状態に設定される。このように、期間Tbにおいて流れ制御弁81を閉状態に設定すると、燃焼室内では、スワール流が発生する。ここで、スワール流とは、図17に示すように、燃焼室内をシリンダの軸を中心に旋回する流れである。
【0106】
図17に示すように、変更期間Tbにおいてスワール流を発生させても、図16と同様に、燃料噴射弁57から燃焼室内に直接噴射された燃料を点火プラグ27付近に偏在させることができ、この結果、混合気の成層度が比較的高い状態を形成することができる。
【0107】
なお、第3および第4の例(図16,図17)では、流れ制御弁71,81は、期間Ta,Tcにおいて開状態に設定されているが、これに代えて、比較的開度の大きな中間開度状態に設定されていてもよい。また、流れ制御弁71,81は、期間Tbにおいて閉状態に設定されているが、これに代えて、比較的開度の小さな中間開度状態に設定されていてもよい。こうすれば、期間Ta,Tcにおいて、比較的弱い(すなわち流速が比較的小さい)渦流を発生させることができると共に、期間Tbにおいて、渦流を増大させて、比較的強い(すなわち流速が比較的大きい)渦流を発生させることができる。このようにしても、変更期間における混合気の成層度を高めることができる。
【0108】
また、吸気ポートの形状などを工夫することによって、燃焼室内に常に渦流を発生させるようにしてもよい。この場合にも、流れ制御弁を用いて変更期間において渦流の強度を増大させれば、変更期間における混合気の成層度を高めることができる。
【0109】
さらに、第3および第4の例では、筒内噴射によって燃焼室内に燃料が供給されているが、ポート噴射によって燃焼室内に燃料が供給されていてもよい。この場合にも、渦流を発生させることによって、混合気の成層度を高めることができる。
【0110】
また、第3および第4の例では、流れ制御弁を用いて渦流を発生させているが、これに代えて、吸気弁の動作を制御することによって渦流を発生させるようにしてもよい。例えば、燃焼室に2つの吸気弁が設けられている場合には、一方の吸気弁を開状態に設定し、他方の吸気弁を閉状態に設定することによって、渦流を発生させることができる。
【0111】
図18は、第4実施例の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。図18は、図13とほぼ同じであるが、図18(c)が変更されている。
【0112】
具体的には、図18では、圧縮比が比較的高い期間Taでは、成層度が比較的高く設定されており、圧縮比が比較的低い期間Tcでは、成層度が比較的低く設定されている。そして、変更期間Tbでは、成層度は、期間Taより低く、期間Tcより高く設定されている。すなわち、図18では、圧縮比が比較的高い場合には、成層度が高められ、リーン燃焼が実行されている。
【0113】
このようにしても期間Tbにおける成層度は比較的高く設定されているため、ノッキングなどの異常燃焼の発生を抑制することが可能となる。
【0114】
なお、図13,図18では、期間Tbにおける成層度は、ほぼ一定に保たれているが、これに代えて、圧縮比の低下に伴って、成層度を次第に低く設定するようにしてもよい。こうすれば、ノッキングが比較的発生し易い変更期間の初期において、ノッキングの発生を抑制することができると共に、ノッキングが比較的発生し難い変更期間の後期において、エンジンの出力を向上させることができるという利点がある。
【0115】
一般には、圧縮比変更期間における成層度は、変更後の状態における成層度よりも高く設定されていればよい。
【0116】
以上の説明から分かるように、第1および第2の例(図14,図15)における燃料噴射弁57が本発明における成層度変更部および燃料噴射部に相当する。また、第3および第4の例(図16,図17)における流れ制御弁71,81と電動アクチュエータ73,83とが本発明における成層度変更部および渦流形成部に相当する。
【0117】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0118】
(1)上記実施例では、圧縮比は予め定められた複数の値(図3では、4つの値)のうちのいずれかに設定可能であるが、圧縮比は、予め定められた最大値と最小値との間で連続的に設定可能であってもよいし、最大値と最小値とのいずれかのみに設定可能であってもよい。
【0119】
また、上記実施例では、圧縮比は、上部ブロック31を下部ブロック32に対して上下方向に移動させることによって変更されているが、他の方法で変更されてもよい。
【0120】
一般には、圧縮比変更部は、燃焼室を含み、燃焼室の容積を変更することによって、より具体的には、燃焼室の最大容積と最小容積とのうちの少なくとも一方を変更することによって、圧縮比を変更すればよい。
【0121】
(2)上記実施例では、圧縮比の変更期間のうちの全期間において、ノッキング対策が施されているが、これに代えて、圧縮比の変更期間の初期を含む一部の期間においてのみ、ノッキング対策を施すようにしてもよい。例えば、図4において、期間Tbの前半期間で、空燃比を大きく設定し、後半期間で、空燃比を戻すようにしてもよい。こうすれば、ノッキングが比較的発生し易い変更期間の初期において、効率よくノッキングを抑制することができる。ただし、上記実施例のように、ノッキング対策が施される期間と変更期間とをほぼ等しく設定すれば、ノッキングなどの異常燃焼を確実に抑制することができるという利点がある。
【0122】
一般には、制御部は、圧縮比を比較的高い第1の状態から比較的低い第2の状態へ変更する場合に、変更期間の初期を含む所定期間において、ノッキング対策が施されていればよい。
【0123】
(3)上記実施例では、エンジンは車両に搭載されているが、船舶などの移動体に搭載されていてもよい。また、定置式の装置に搭載されていてもよい。
【0124】
一般には、本発明は、圧縮比変更部を備える内燃機関に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例におけるガソリンエンジン100の概略構成を示す説明図である。
【図2】 エンジンの制御の概要を示すフローチャートである。
【図3】 運転条件に応じた目標圧縮比を示すマップを模式的に示す説明図である。
【図4】 第1実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図5】 第1実施例の第1の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図6】 第1実施例の第2の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図7】 第1実施例の第3の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図8】 第2実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図9】 第2実施例における燃料噴射期間を示す説明図である。
【図10】 第3実施例におけるガソリンエンジン100Cの概略構成を示す説明図である。
【図11】 第3実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図12】 第4実施例におけるガソリンエンジン100Dの概略構成を示す説明図である。
【図13】 第4実施例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【図14】 混合気の成層度を変更するための第1の例を示す説明図である。
【図15】 混合気の成層度を変更するための第2の例を示す説明図である。
【図16】 混合気の成層度を変更するための第3の例を示す説明図である。
【図17】 混合気の成層度を変更するための第4の例を示す説明図である。
【図18】 第4実施例の変形例における圧縮比変更期間の制御内容を示す説明図である。
【符号の説明】
10…エンジン本体
20…シリンダヘッド
21…吸気弁
22…排気弁
23…吸気ポート
24…排気ポート
23a,23b…吸気ポート
24a,24b…排気ポート
25,26…動弁機構
27…点火プラグ
30…シリンダブロック
31…上部ブロック
32…下部ブロック
33…アクチュエータ
41…ピストン
42…コネクティングロッド
43…クランクシャフト
50…吸気管
51…エアクリーナ
52…スロットル弁
53…電動アクチュエータ
55,57…燃料噴射弁
56…吸気圧センサ
58…排気管
60…ECU
61…クランク角センサ
62…アクセル開度センサ
71,81…流れ制御弁
73,83…電動アクチュエータ
100,100C,D…エンジン

Claims (4)

  1. 内燃機関であって、
    燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
    前記燃焼室内に燃料を供給するための燃料供給部と、
    前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記燃料供給部とを制御するための制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記圧縮比変更部を制御して、前記燃焼室に吸入される吸入空気量が比較的少ない運転条件においては、圧縮比を比較的高い第1の状態に設定するとともに、前記吸入空気量が比較的多い運転条件において、圧縮比を比較的低い第2の状態に設定し、
    前記第1の状態から前記第2の状態に変更する場合に、前記燃料供給部を制御して、変更期間の初期における空燃比を、前記第1の状態における空燃比よりも大きく設定すると共に、前記変更期間の初期を含む所定期間における空燃比を、前記第2の状態における空燃比よりも大きく設定し、
    前記変更期間および前記第2の状態における燃料供給量は、前記第1の状態における燃料供給量よりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 内燃機関であって、
    燃焼室を含み、前記燃焼室の容積を変更することによって圧縮比を変更するための圧縮比変更部と、
    前記燃焼室内に燃料を供給するための燃料供給部と、
    前記内燃機関の運転条件を検出し、検出結果に応じて前記圧縮比変更部と前記燃料供給部とを制御するための制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記圧縮比変更部を制御して、前記燃焼室に吸入される吸入空気量が比較的少ない運転条件においては、圧縮比を比較的高い第1の状態に設定するとともに、前記吸入空気量が比較的多い運転条件において、圧縮比を比較的低い第2の状態に設定し、
    前記第1の状態から前記第2の状態に変更する場合に、前記燃料供給部を制御して、変更期間の初期における空燃比を、前記第1の状態における空燃比よりも小さく設定すると共に、前記変更期間の初期を含む所定期間における空燃比を、前記第2の状態における空燃比よりも大きく設定し、
    前記変更期間および前記第2の状態における燃料供給量は、前記第1の状態における燃料供給量よりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関であって、
    前記所定期間における空燃比は、前記圧縮比の変更に伴って次第に小さくなるように設定される、内燃機関。
  4. 請求項1または2記載の内燃機関であって、
    前記所定期間は、前記変更期間とほぼ等しい、内燃機関。
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