JP4150928B2 - シートの処理方法及び処理装置、並びに該装置を備えたシートの加工装置 - Google Patents
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Description
このとき、特にシートのオーダチェンジに伴い、シートの切断長さを変更する場合、被切断シートがスタッカに継続的に給送されることとの関係で、以下のような問題点が生じる。
すなわち、積載台に積載された旧オーダのシート群を積載台ごと移動して、ライン外へ排出し、新オーダのために別の積載台を設定するまでの間、新オーダのシート群はスタッカに向けて継続して給送されてくるので、シート群がスタッカに給送されるまでに旧オーダのシート群と新オーダのシート群との区分けを行って、旧オーダのシート群を積載した積載台を積載位置から排出位置へ移動する一方、新オーダのシート群を積載するための積載台を積載位置へ移動完了させるまでの時間を確保する必要がある。
特開平8−34556号は、板状シートの区分け、積み込み方法及び装置に関し、被切断板状シートをいわゆるシングリング状態で給送ラインに沿ってダウンスタッカまで給送する場合に、シートのオーダチェンジの際、それぞれダウンスタッカまで延びる複数のコンベア群のどちらで給送するかを切替コンベアにより切り替えることを開示する。
一方、特開平6−219623号は、同様に板状シートの区分け、積み込み方法及び装置に関し、被切断板状シートをいわゆるシングリング状態で給送ラインに沿ってダウンスタッカまで給送する場合に、複数のシングリングコンベアを給送ラインに沿って直列に隣接して設け、シートのオーダチェンジの際、それぞれの走行速度を適宜増減制御することを開示する。
しかしながら、両者には、以下のような新たな技術的問題がある。
第1に、旧シート群と新シート群との区分けを給送コンベア上で行うため、複数のコンベア群、或いは複数段のコンベア及び走行速度制御装置が必要となり、その分コスト増となっていた。
第2に、シートのオーダチェンジの際、小口のオーダ、例えば十数枚のシートを切断するオーダの場合には、対応が困難で、新オーダのシート群を旧オーダのシート群の上に積載するいわゆる並用積みを行い、オーダごとのシート群の区分けは手作業で行うことが必要であった。
本発明の目的は、小口オーダ群のオーダチェンジにおいても、給送ラインを減速或いは停止することなく、シート群に区分けして積載台へ積載することが可能なシートの加工装置を提供することにある。
給送ラインに沿って給送される連続シートを給送方向に所定長さに切断する段階と、切断された各シートを積載位置まで給送する段階と、給送された各シートを順々に積載する段階と、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ排出する段階とを有するシートの処理方法において、前記積載段階は、積載方向に隣合うシート群同士を給送方向にオフセットさせながら積載することにより、前記隣合うシート群同士の境界部において、一方のシート群の端面と他方のシート群の端面との間に段部を形成する段階を有し、前記排出段階は、前記段部を利用して最下層のシート群の直ぐ上のシート群の最下層のシートの下面を保持しつつ、前記最下層のシート群をライン外へ排出する段階を有する、構成としている。
さらに、前記段部の形成段階は、積載方向に隣合うシート群の境界部において、上層シート群の最下層のシートの端面が下層シート群の最上層のシートの端面から突出するように、シート群を群ごとにオフセット配置する段階を有するのがよい。
さらにまた、最下層のシート群の排出後、それより上層のシート群を保持したまま排出レベルまで下方へ移動させる段階を有するでもよい。
加えて、前記給送段階は、給送方向に隣合う被切断シート同士において、給送方向上流側の被切断シートの前端と給送方向下流側の被切断シートの後端との間に所定の間隔を隔てた形態で給送する段階を有するのでもよい。
また、前記給送段階は、給送方向に隣合う被切断シート同士において、給送方向に重なり合うような形態で給送する段階を有するのでもよい。
さらにまた、前記オフセット配置段階は、上層シート群の最下層のシートから所定枚数に適用され、所定枚数を越えた上層シート群の残りのシートを前記所定枚数のシートの給送方向位置に対して、下層シート群の最上層のシートの端面から突出しない位置に配置するのでもよい。
給送方向に所定長さに切断され、給送ラインに沿って連続的に給送される各被切断シートを順々に積載し、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ排出するシートスタッカにおいて、さらに、積載方向に隣合うシート群同士を区分けするためのシート群区分け手段を有し、該シート群の区分け手段は、給送方向に移動可能であり且つ給送される被切断シートの前端面を受け止める受け止め面を有する、シート群を給送方向に整列させるためのシート群整列手段と、積載方向に隣合うシート群同士のうち、上層のシート群を下層のシート群から分離するためのシート群分離手段とを有する、構成としてある。
さらに、前記シート群分離手段は、前記シート群整列手段によって整列しつつ順次積載することにより形成されるシート群の一端を積載方向に隣り合う下層のシート群から持ち上げるためのシート群持ち上げ手段と、前記シート群持ち上げ手段によって持ち上げられたシート群と積載方向に隣り合う下層のシート群との間に側方から差し込まれて、前記積載方向に隣り合うシート群の他端同士の間に間隙を形成するための間隙形成手段と、前記間隙形成手段によって形成された間隙に差し込むことによりシート群を下方から保持するシート群保持手段と、を有するのがよい。
さらに、前記受け止め面は、下縁がシートの表面に差し向けられるように配置され、上下方向に移動可能であり、前記セパレータは、前記受け止め面と独立に上下方向に移動可能であるのがよい。
さらにまた、前記セパレータは、前記セパレータの外表面から突出するように配置され、且つ前記セパレータの長手方向に略直交する軸線を中心に回転可能なローラを有するのがよい。
加えて、前記ローラの少なくとも1つを前記軸線を中心に回転駆動する回転駆動手段をさらに有するのがよい。
さらに、前記薄板状フォークは、互いにシートの幅方向に所定の間隔を隔てた複数のフォークからなり、前記受け止め面は、前記複数のフォークの各々に上方から噛み合い可能な、下方に臨む切り込みを有し、前記薄板状フォークと前記受け止め面とが協働して、断面L字形のシート受け部を形成するのがよい。
さらにまた、前記セパレータは、両端が先細に形成され、シート群の前記他端から積載されたシートの給送方向の所定中途位置に位置決めして、第2のシート群保持手段を形成するのでもよい。
加えて、シート群の前記一端は、シートの給送方向後端であり、前記シート整列手段は、積載方向に隣り合うシート群の上層のシート群を下層のシート群から給送方向戻り方向に突出するように整列するのでもよい。
また、前記セパレータの上面は、前記薄板状フォークの下面とが略面一となるように位置決めされるのでもよい。
給送ラインに沿って連続的に供給される連続シートを給送方向に所定長さに切断するための切断手段と、切断された各シートを積載位置に給送するための給送手段と、積載位置において各シートを順々に積載し、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ排出するシートスタッカとを有するシート加工装置において、前記シートスタッカは、さらに、給送方向に移動可能であり、且つ給送される被切断シートの前端面を受け止める受け止め面を有し、シートを給送方向に整列させるためのシート整列手段と、前記シート整列手段によって整列しつつ順次積載することにより形成されるシート群の一端を積載方向に隣り合う下層のシート群から持ち上げるためのシート群持ち上げ手段と、前記シート群持ち上げ手段によって持ち上げられたシート群と積載方向に隣り合う下層のシート群との間に側方から差し込まれて、前記積載方向に隣り合うシート群同士の間に間隙を形成するための間隙形成手段と、一方を前記間隙形成手段によって形成された間隙に差し込むことにより、シート群を下方から保持する一対のシート群保持手段と、を有する構成としている。
図1は、本発明の実施形態に係るシートの加工装置の全体概略図である。図2は、図1のスタッカのフレーム駆動機構を示す斜視図である。図3は、図1のスタッカの一対のフォーク及びセパレータを示す斜視図である。図4は、図1のスタッカのフロントストッパを示す斜視図である。図5は、図1に示すフロントストッパの変形例である。図6は、図1に示すフロントストッパのさらなる変形例である。図7は、図3のセパレータの内部構造を示す図である。図8は、図7のセパレータの変形例である。図9は、図1のシートの加工装置の制御系統を示す概略図である。図10は、図1のスタッカによるシート群の区分け及び積載状況を示す概略側面図である。図11は、シート群の積載状況を示す概略側面図である。図12は、図3に示したバックフォークの変形例である。図13は、図3に示したフォークの変形例である。図14(A)は、フロントストッパのさらなる変形例であり、図14(B)は、フロントストッパとフロントフォークとが交錯する状態を示す概略部分平面図である。図15は、シート群の積載の仕方の別の態様を示す図10と同様な図である。図16は、シート群の積載の仕方のさらに別の態様を示す図10と同様な図である。
ロータリカッタ12は、給送ラインに沿って給送される連続シートSを給送方向と直交する機械幅方向に沿って切断して給送方向所定長さのシートSとするように構成されている。給送方向所定長さは、ロータリカッタ12の回転速度を調整することにより調整可能であり、後述する上位生産管理装置210から各オーダごとのシートSの切断長データ、切断回数データが送信されるようにしている。
シングリングコンベア16は、給送された個々の被切断シートSが給送方向に屋根瓦のように重なり合った形態(シングリング状態)となるように、カッタコンベア14の給送速度に対して減速するようにしている。減速割合は、カッタコンベア14の走行速度に応じて決定すればよいが、例えば、走行速度は、カッタコンベア14の走行速度の3分の2程度である。このようなシングリング形態でシートSを給送することにより、給送されるシート群の特に給送方向と直交する方向へのずれを防止することによって、安定な給送が可能となる。なお、カッタコンベア14とシングリングコンベア16との間には、デフレタ(図示せず)を設けて、シートのオーダチェンジの際等に不良シートが発生した場合に備えて、不良シートをデフレタにより給送ライン外へ排出して、スタッカ22に不良シートが給送されないようにしている。
より詳細には、直立バー44と同様に、一対の側面40、42それぞれに、一対のローラ58、60、一対のローラ58、60に巻き掛けられ、上下方向に延在する無端チェーン62と、一対のローラ58、60の一方に連結する駆動モータ64と、リニアガイド66と、駆動モータによる回転駆動力を伝達する連結シャフト67とが設けられている。これにより、一対のバック/フロントフォーク28、30、セパレータ32それぞれは、互いに独立に、シートSの給送方向に移動可能なように構成されている。以上のように、一対のバック/フロントフォーク28、30、セパレータ32はそれぞれ、待機位置と動作位置との間で給送方向に往復移動するように構成されている。
フロントストッパ26は、櫛状に形成された細長板であり、シートSの幅方向に所定間隔を隔てて切り込み78が設けられ、切り込み78が下向きとなるように配置される。フロントストッパ26の長手方向の長さは、シートSの幅方向長さに応じて決定すればよい。フロントストッパ26は、ねじ軸74と、ねじ軸74と略平行に延びるガイド80と、ねじ軸74に螺合し、ガイド80を貫通するブロック84と、ねじ軸74に連結された駆動サーボモータ82とを有する。これにより、駆動モータ82の駆動によりねじ軸74が回転し、ねじ軸74に螺合するブロック84、かくしてフロントストッパ26がガイド80に沿ってシート給送方向に移動するように構成されている。サポートスタンド76は、直立し、上下方向に延びるねじ軸86と、ねじ軸86に略平行に延びるガイド88と、ねじ軸86に螺合し、ガイド88を貫通する上下方向可動ブロック90と、ねじ軸86に連結された駆動サーボモータ92とを有する。これにより、駆動モータ92の駆動によりねじ軸86が回転し、ねじ軸86に螺合するブロック90、かくしてフロントストッパ26がガイド88に沿って上下方向に移動するように構成されている。以上のように、フロントストッパ26は、シートSの給送方向及び上下方向に可動なようにしている。
このように、図5の場合には、フロントストッパ26を新オーダの受け止め位置に移動させた後に、新オーダのシートを受け止め開始するのに対して、図6の場合には、フロントストッパ26を新オーダのシートを受け止めつつ、受け止めたシートを押し戻しながら新オーダの受け止め位置に移動させるものであり、この点で、図5の態様では、新オーダのシートが給送されるまでにフロントストッパ26の移動が完了困難である場合に有効である。
また、フロントフォーク30の各細長片104の給送直交方向の長さは、フロントストッパ26の各切り込み長さ(図4参照)より若干短いのが好ましい。これにより、フロントストッパ26の先端とフロントフォーク30の先端が、交錯するレベルに位置決めされている場合に、図14(B)に示すように、フロントストッパ30の各切り込み78がフロントフォーク28の対応する細長片104を真上から覆うように配置することにより、互いに干渉を回避しつつ給送方向に移動させることが可能となる。
なお、段ボールシートの場合、シートは幅方向、すなわち給送方向直角方向に数枚に分割裁断される(いわゆる丁取り)されるので、フロントストッパ26の切り込み78の幅、及びフォークの細長片104の切り込みの幅はいずれも、丁取りするシートの最小幅よりも小さくする必要がある。
セパレータ32の長手方向長さは、長いほどシート間の摩擦が増大する一方、短いほどセパレータ32のシート群間への挿入によりセパレータ前方に形成されるスペースが小さくなるので、セパレータ32を挿入するシートの重さ、材質、表面状態等に応じて決定すればよい。
セパレータ32は、一対のフロントフォーク28、30と同様に、一対のフロントフォーク28、30それぞれと独立に、給送方向に往復移動可能であるとともに、フレーム38を通じて一対のフロントフォーク28、30と一体で上下方向に移動可能としてある。
このような構成により、セパレータ32は、シート群間に挿入されて、セパレータ32をシート給送方向に往復移動させるようにしてあり、その際シートSの間に挿入されて、給送方向に移動するとき、シートSの表面との摩擦を低減して、シートSの表面を傷つける可能性を低減することが可能となる。
I/Oポート200には、キーボードやタッチパネル等の汎用操作ユニット212が接続され、外部から必要な情報を入力可能とするとともに、タイマー213、さらに速度検出器214が接続されている。
より詳細には、カッタコンベア14、シングリングコンベア16、傾斜コンベア18及び水平コンベア20それぞれに速度検出器214が設置され、各コンベアの走行速度を検出し、その検出値と後に説明するロータリカッタ駆動ユニット218から得られるシート切断パルス信号とから各シートの概略先頭位置を検出する。さらに、I/Oポート200には、水平コンベア20の上方の一箇所とフロントストッパ26の積載シートの上面を検出し得る位置の一箇所に設置された距離センサ216、216´が接続される。より詳細には、水平コンベア20の上方に固定された距離センサ216は、センサとシートの上面との距離を検出することにより、積載直前における各シートの給送状態を正確に検出し、この検出値と各コンベアの速度検出値とシート切断パルス信号とから得られる各シートの概略先頭位置とから、旧オーダの最終シートの正確な先端位置と新オーダの先頭シートの正確な先端位置とを得る。これらの先端位置は、積載部のフロントストッパ26のオーダチェンジにおける上下方向及びシート給送方向の位置決め制御において必要となる。
I/Oポート200には、さらにロータリカッタ駆動ユニット218、カッタコンベア駆動ユニット220、シングリングコンベア駆動ユニット222、傾斜コンベア駆動ユニット224、スタッカ駆動ユニット226がそれぞれ接続されている。ロータリカッタ駆動ユニット218は、ロータリカッタ12を回転駆動する駆動モータを有し、スタッカ駆動ユニット226は、図9(B)に示すように、フレーム上下方向サーボ駆動ユニット228、フロント/バックフォーク給送方向サーボ駆動ユニット230、フロントストッパ上下方向サーボ駆動ユニット232、フロントストッパ給送方向サーボ駆動ユニット233、及びセパレータ給送方向サーボ駆動ユニット234とを有する。各サーボ駆動ユニットは、各サーボモータとパルスジェネレータとに接続され、サーボモータを駆動し、パルスジェネレータは、現在の位置を検出し、検出信号をサーボ駆動ユニットに送信するようにしている。
まず、連続シートSは、ロータリカッタ12により給送方向に所定の長さで切断され、被切断シートSは、カッタコンベア14を経てシングリングコンベア16に至る。ここで、給送速度をカッタコンベア14よりも所定割合低減して、それにより給送方向に隣合う被切断シートS同士を給送方向に所定割合に亘って瓦のように互いに重なり合うような形態にすることが可能となる。なお、オーダチェンジに伴い不良シートが発生した場合には、デフレタにより給送ライン外へ排出するようにしている。次いで、被切断シートSはシングリング状態で傾斜コンベア18、水平コンベア20を経て、スタッカ22に至る。これにより、被切断シートSは、給送ラインに沿って連続してスタッカ22に給送される。なお、スタッカ22におけるシート群の積載高さに応じて、水平コンベア20の高さ及び傾斜コンベア18の傾斜角度を調整するようにしている。
スタッカ22におけるシート群の処理方法について、図10を参照しながら説明する。
より詳細には、フレーム38を積み替えレベルまで移動して、一対のフォーク28、30及びセパレータ32を待機位置へ水平移動させ、バックフォーク28及びセパレータ32は、給送方向第1待機位置へ給送方向戻り方向へ、フロントフォーク30は、給送方向第2待機位置へ給送方向進み方向へ水平移動させる。一対のフォーク28、30及びセパレータ32を待機位置に移動させることにより、一対のフォーク28、30により保持されていたAオーダのシート群が積載台24の上に積み下ろされるとともに、Bオーダのシート群を区分けする準備が可能となる。
この場合、次オーダのBオーダのシート群は、継続してフロントストッパ26によって受け止められながらAオーダのシート群の上に積載している。より詳細には、フロントストッパ26の位置をシートSの給送方向に距離tに亘り移動させることにより、Bオーダのシート群は、Aオーダのシート群の上に積載される際に、Aオーダのシート群より所定距離(図中t)に亘ってシートS給送方向下流側のオフセット位置へ積載されるようにしている。これにより、シート群の給送方向上流側、すなわち後端側には、Bオーダのシート群の端面がAオーダのシート群の端面から給送方向上流方向に距離t突出して段差300が形成され、その結果Bオーダのシート群の下面302が下方に臨む状態となる。
より具体的には、図11(A)は、シート群の後端側に段差を設ける場合を示す。新オーダのシート長さをLn、旧オーダのシート長さをLf、新旧オーダのシート群同士に設定する段差の長さをLdとした場合、図11(A)は、Ln―Ld>Lfの場合、一方図11(B)は、Ln―Ld<Lfの場合を示す。図11(A)の場合は、図の矢印に示すように、フロントストッパ26をシートの給送方向にのみ移動すればよいの対し、図11(B)の場合には、旧オーダの最終シートの受け止めを完了した後、新オーダの先頭シートの前端部が受け止め位置に到達するまでの短時間の間に、図の矢印に示すように、フロントストッパ26をまずシートの上方向へ移動した後に、シートの給送方向へ移動させ、さらにシートのした方向へと、逆コの字状の移動軌跡に沿って移動させる必要があるため、フロントストッパ26の各方向への移動を迅速に行う必要がある。なお、図6のフロントストッパ26を採用する場合には、前述のように、シートを受け止めながらシートを押し戻しつつ受け止め位置まで移動するので、このような迅速さは要求されない。
次いで、図10Fに示すように、Bオーダのシート群を一対のフォーク28、30及びセパレータ32により保持しながら積み込みレベルまで下方に移動させ、図10Aと同様な状態に至る。なお、前述のように、Bオーダのシート群を下方に移動させることに伴い、積載シートの最上面の位置も刻々と変化するので、積載シートの最上面の検出センサーが検出する検出値に基づいて、フロントストッパ26及び水平コンベア20の上下方向位置を制御する必要がある。
以上の工程を繰り返すことにより、シート群のライン外への排出とシート群の区分けとを互いに独立に行うことが可能となり、それにより従来のようにコンベア上で新オーダのシート群と旧オーダのシート群との間に間隔を設けて、それにより積載台24の交換時間を確保する必要がなくなり、たとえば数枚ないし数十枚程度の小ロットのオーダの場合でも、他のシート群から区分けをしてライン外へ排出することが可能である。
なお、異なるシート群間でオフセット配置する際、図12に示すように、上部シート群を下部シート群に対して引っ込め位置に位置決めする場合、一対のフォークのフロントフォークにおいて、大小2種類のフォーク402、404を設けるのがよい。小フォーク402を上部シート群の一端面の下部に食い込ませて(図12A)、それにより上方に上部シート群の一端を持ち上げ、次いで上部シート群と下部シート群との間に形成されたスペースに大フォーク404を挿入して、前述のように、上部シート群全体を持ち上げればよい(図12B)。この場合、小フォーク402による上部シート群の持ち上げ高さは、セパレータ32を挿入可能なスペースが一端に形成されるに足る高さで十分であるから、小フォーク402を上部シート群の一端面の下部に食い込ませるだけで対処可能である。
また、本実施例では、積載方向に隣合うシート群同士の段差について、上層シート群の下面が下層シート群の上面から突出するようにオフセット配置したが、それに限定されることなく、上層シート群が下層シート群の上面から引っ込むようにオフセット配置してもよい。
さらにまた、被切断シートSをいわゆるシングリング状態で給送する場合を記載したが、それに限定されることなく、給送方向に隣り合う被切断シートSにおいて、給送方向上流側の被切断シートSの前端と給送方向下流側の被切断シートSの後端との間に所定の間隔を隔てた形態で給送するのでもよい。シングリング形態によれば、シートS同士が重なり合って給送されることからシートSの走行の安定性、特にシートSの給送方向に直交する方向へのずれを防止することが可能である一方、シングリングコンベア16を設けて上流側のコンベアの走行速度に対して走行速度を低減する必要があり、給送効率の低下及び速度制御装置を含む設備コストの増大が生じるが、このような形態によれば、これらの技術的欠点を克服する一方、シートSの走行の安定性確保については、例えば真空給送等で対応することが可能である。
加えて、本実施例では、いわゆるアップスタッカを対象に説明したが、それに限定されることなく、いわゆるダウンスタッカに対しても適用可能である。
10 シート加工装置
12 ロータリカッタ
14 カッタコンベア
16 シングリングコンベア
18 傾斜コンベア
20 水平コンベア
22 スタッカ
24 積載台
26 フロントストッパ
28 バックフォーク
30 フロントフォーク
32 セパレータ
34 受け面
36 矩形開口
38 フレーム
40 側面
44 直立バー
48 一対のローラ
52 無端チェーン
54 駆動モータ
56 リニアガイド
68 当接面
72 水平支持バー
74 ねじ軸
76 サポートスタンド
78 切り込み
84 ブロック
100 コイルバネ
102 押し当てバー
104 細長片
108 ローラ
200 I/Oポート
202 CPU
204 ROM
206 RAM
210 上位生産管理装置
212 汎用操作ユニット
226 スタッカ駆動ユニット
302 段部
304 第1スペース
306 第2スペース
Claims (16)
- 給送ラインに沿って給送される連続シートを給送方向に所定長さに切断する段階と、切
断された各シートを積載位置まで給送する段階と、給送された各シートを順々に積載する
段階と、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ排出する段階とを有するシ
ートの処理方法において、
前記積載段階は、積載方向に隣合うシート群同士を給送方向にオフセットさせながら積
載することにより、前記隣合うシート群同士の境界部において、一方のシート群の端面と
他方のシート群の端面との間に段部を形成する段階を有し、
前記排出段階は、前記段部を利用して最下層のシート群の直ぐ上のシート群の最下層の
シートの下面を保持しつつ、前記最下層のシート群をライン外へ排出する段階を有し、
前記保持段階は、シートの群の給送方向の一端部において、積載方向に隣合うシート群
のうち下層シート群の上面と上層シート群の下面との間に第1スペースを形成する段階と
、
該第1スペースを利用して、給送方向に沿って前記上面と前記下面とを漸次引き離して
、シート群の他端部において、前記上面と前記下面との間に第2スペースを形成する段階
と、
該第2スペースに臨む前記下面を側方から保持する段階とを、有し、
それにより、上層シート群の下面をシートの給送方向の両端部で保持する、シートの処
理方法。 - 前記段部の形成段階は、積載方向に隣合うシート群の境界部において、上層シート群の
最下層のシートの端面が下層シート群の最上層のシートの端面から突出するように、シー
ト群を群ごとにオフセット配置する段階を有する、請求項1に記載のシートの処理方法。 - 最下層のシート群の排出後、それより上層のシート群を保持したまま排出レベルまで下
方へ移動させる段階を有する、請求項1に記載のシートの処理方法。 - 前記給送段階は、給送方向に隣合う被切断シート同士において、給送方向上流側の被切
断シートの前端と給送方向下流側の被切断シートの後端との間に所定の間隔を隔てた形態
で給送する段階を有する、請求項1に記載のシートの処理方法。 - 前記給送段階は、給送方向に隣合う被切断シート同士において、給送方向に重なり合う
ような形態で給送する段階を有する、請求項1に記載のシートの処理方法。 - 前記オフセット配置段階は、上層シート群の最下層のシートから所定枚数に適用され、
所定枚数を越えた上層シート群の残りのシートを前記所定枚数のシートの給送方向位置に
対して、下層シート群の最上層のシートの端面から突出しない位置に配置する、請求項2
に記載のシートの処理方法。 - 給送方向に所定長さに切断され、給送ラインに沿って連続的に給送される各被切断シー
トを順々に積載し、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ排出するシート
スタッカにおいて、
さらに、積載方向に隣合うシート群同士を区分けするためのシート群区分け手段を有し
、
該シート群の区分け手段は、給送方向に移動可能であり且つ給送される被切断シートの
前端面を受け止める受け止め面を有する、シート群を給送方向に整列させるためのシート
群整列手段と、
積載方向に隣合うシート群同士のうち、上層のシート群を下層のシート群から分離する
ためのシート群分離手段とを有し、
前記シート群分離手段は、前記シート群整列手段によって整列しつつ順次積載すること
により形成されるシート群の一端を積載方向に隣り合う下層のシート群から持ち上げるた
めのシート群持ち上げ手段と、
前記シート群持ち上げ手段によって持ち上げられたシート群と積載方向に隣り合う下層
のシート群との間に側方から差し込まれて、前記積載方向に隣り合うシート群の他端同士
の間に間隙を形成するための間隙形成手段と、
前記間隙形成手段によって形成された間隙に差し込むことによりシート群を下方から保
持するシート群保持手段と、
を有するシートスタッカ。 - 前記シート群保持手段は、シートの側方から差し込んでシートの下面を支持するために
、給送方向に延びる薄板状フォークを有し、
前記間隙形成手段は、一方の先端が先細に形成され、積載方向に隣り合うシート群の下
層のシート群の上面に当たる下面と、上層のシート群の下面に当たる上面を備えたセパレ
ータを有し、
該セパレータは、長手方向に所定の長さを有し、且つ給送方向に移動可能である、
請求項7に記載のシートスタッカ。 - 前記受け止め面は、下縁がシートの表面に差し向けられるように配置され、上下方向に
移動可能であり、
前記セパレータは、前記受け止め面と独立に上下方向に移動可能である、請求項8に
記載のシートスタッカ。 - 前記セパレータは、前記セパレータの外表面から突出するように配置され、且つ前記セ
パレータの長手方向に略直交する軸線を中心に回転可能なローラを有する、請求項8に記
載のシートスタッカ。 - 前記ローラの少なくとも1つを前記軸線を中心に回転駆動する回転駆動手段をさらに有
する、請求項10に記載のシートスタッカ。 - 前記薄板状フォークは、互いにシートの幅方向に所定の間隔を隔てた複数のフォークか
らなり、
前記受け止め面は、前記複数のフォークの各々に上方から噛み合い可能な、下方に臨む
切り込みを有し、
前記薄板状フォークと前記受け止め面とが協働して、断面L字形のシート受け部を形成
する、請求項8に記載のシートスタッカ。 - 前記セパレータは、両端が先細に形成され、シート群の前記他端から積載されたシート
の給送方向の所定中途位置に位置決めして、第2のシート群保持手段を形成する、請求項
8に記載のシートスタッカ。 - シート群の前記一端は、シートの給送方向後端であり、
前記シート整列手段は、積載方向に隣り合うシート群の上層のシート群を下層のシート
群から給送方向戻り方向に突出するように整列する、
請求項7に記載のシートスタッカ。 - 前記セパレータの上面は、前記薄板状フォークの下面とが略面一となるように位置決め
される、請求項8に記載のシートスタッカ。 - 給送ラインに沿って連続的に供給される連続シートを給送方向に所定長さに切断するた
めの切断手段と、切断された各シートを積載位置に給送するための給送手段と、積載位置
において各シートを順々に積載し、積載されたシートを異なるシート群ごとにライン外へ
排出するシートスタッカとを有するシート加工装置において、
前記シートスタッカは、さらに、給送方向に移動可能であり、且つ給送される被切断シ
ートの前端面を受け止める受け止め面を有し、シートを給送方向に整列させるためのシー
ト整列手段と、
前記シート整列手段によって整列しつつ順次積載することにより形成されるシート群の
一端を積載方向に隣り合う下層のシート群から持ち上げるためのシート群持ち上げ手段と
、
前記シート群持ち上げ手段によって持ち上げられたシート群と積載方向に隣り合う下層
のシート群との間に側方から差し込まれて、前記積載方向に隣り合うシート群同士の間に
間隙を形成するための間隙形成手段と、
一方を前記間隙形成手段によって形成された間隙に差し込むことにより、シート群を下
方から保持する一対のシート群保持手段と、
を有することを特徴とするシート加工装置。
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