JP4141723B2 - モノトーン印刷 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像のモノトーン印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像の印刷装置として、カラーインクジェットプリンタが広く普及している。通常のカラーインクジェットプリンタは、ブラックインク(K)と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色相を有する複数種類のインクとを使用している。カラー画像の任意の色を、これらの複数種類のインクを用いて再現することで、高画質なカラー印刷を実現している。
【0003】
カラー印刷が広く用いられる一方、銀塩写真で用いられるモノトーン画像も広く好まれており、プリンタで画像を印刷する場合にも、モノトーン表現を行う印刷(モノトーン印刷)を行う場合がしばしばある。モノトーン表現には、純粋な無彩色を用いて階調を再現する表現(いわゆるニュートラル表現)に限らず、様々な色味を帯びた表現がある。例えば、黄色がかったグレーを用いて階調を表現するウォーム表現や、青色がかったグレーを用いて階調を表現するクール表現など、色相が黄や青といった様々な色感を与える表現がある。さらに、同じ色相であっても、淡い黄色と濃い黄色や、淡い青色と濃い青色のように、彩度が異なる様々な色感を与える表現がある。従来は、このような様々な色感を有するモノトーン印刷を行う場合も、CMYKの複数種類のインクを用いてその色感を再現していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のカラーインクジェットプリンタでは、使用可能な複数のインクを組み合わせることで、モノトーン印刷で用いられる様々な色感を再現していた。例えば、クール表現を再現する場合には、ブラックインクの他に、シアンインクとマゼンタインクとを組み合わせて青色を再現していた。
【0005】
ここで、それぞれのインクの吐出量にばらつきがあった場合、再現される色感が所望の色感からずれることになる。例えば、マゼンタインクの吐出量が所定の量より多くなった場合は、紫色っぽいクール表現となる。人の色覚はグレーに近い領域での色相の違いについて非常に敏感である。そのため、このような色感の微妙なずれが、非常に大きなずれとして感じられてしまう。このように、モノトーン印刷を行う場合には、再現される色感が不安定になりやすいという問題があった。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、様々な色感を与えるモノトーン印刷を安定に行う技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、印刷媒体上にインクを吐出することによって画像のモノトーン印刷を行う印刷装置であって、混色のために、ブラック系インクと、所定の色相を有する第1有彩色インクと、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、色感の異なる複数のモノトーン印刷モードから、一つのモノトーン印刷モードを選択することをユーザに許容する印刷モード選択部と、前記印刷モード選択部で選択されたモノトーン印刷モードの色感を明度によらず前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクのみで再現するように、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出量を調整する調整部と、を備え、前記第1有彩色インクはイエローインクであり、前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、前記複数のモノトーン印刷モードは、前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモードと、を含む
【0008】
この発明による印刷装置は、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの2種類のインクの吐出量を調整することで、選択されたモノトーン印刷モードの色感を再現するので、CMYKの4種類のインクの吐出量のバランスで色感を再現する場合よりも調整するインクの種類が少なくて済み、再現する色感の安定性を向上させることができるという利点がある。
【0009】
上記印刷装置において、
前記ブラック系インクが、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有しているのが好ましい。
【0010】
こうすれば、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクの吐出量を調整することで、ニュートラル表現を再現することができるという利点がある。さらに、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出割合を調整することで、異なる色相を有する2種類のモノトーン表現を再現することもできるという利点がある。また、それぞれのインクの吐出量にばらつきがある場合でも、その再現される色相が変わらないため、所望の色感をより安定して再現できるという利点がある。
【0011】
上記各印刷装置において、
前記ブラック系インクは、色相がほぼ同一で、濃度が互いに異なる複数種類のブラック系インクで構成されているのが好ましい。
【0012】
こうすれば、比較的明るい領域では、濃度の薄いインクを用いることでインクドットの数を増やすことができる。よって、インクドットの数が少ないほど目立ちやすい粒状性(画像のざらつき)を改善できるという利点がある。また、比較的暗い領域では、濃度の濃いインクを用いることでインクドットの数を制限することができる。よって、インクドットの数が多い場合に目立ちやすいバンディング(筋状の画質劣化)を抑制することができるという利点がある。
【0013】
なお、複数種類のインクの濃度を比較する場合には、同一の印刷媒体に等量ずつインクを吐出し、それぞれについて濃度計を用いて濃度を測定するという方法を用いることができる。
【0014】
上記各印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、更に、前記第1有彩色インクの色相と異なる少なくとも一つの色相について、それぞれ少なくとも一つの第2有彩色インクを吐出することが可能であり、前記調整部は、前記複数のモノトーン印刷モードのそれぞれにおいて、前記第1有彩色インクの吐出量が最も多いモノトーン印刷モードでの前記第1有彩色インクの吐出量よりも、少ない量だけ前記第2有彩色インクを吐出することによって、印刷画像の色感の微調整を行うのが好ましい。
【0015】
こうすることで、利用可能なインクが有する色にばらつきがあったり、印刷媒体が色味を帯びていたりする場合でも、第2有彩色インクを用いて、再現される色感を微調整することができるという利点がある。また、前記第2有彩色インクの吐出量を、前記第1有彩色インクの吐出量が最も多いモノトーン印刷モードでの前記第1有彩色インクの吐出量よりも少なく抑えることで、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとで再現された色感を大きく変更せずに色感を調整することができる。すなわち、所望の色感の再現を安定に行うことができるという利点がある。さらに、ブラック系インクの一部を複数種類のインクに置き換えて印刷を行うことで、インクドットの数を増やすことができる。よって、インクドットの数が少ないほど目立ちやすい粒状性を改善できるという利点がある。
【0016】
上記各印刷装置において、前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、前記調整部は、前記複数のモノトーン印刷モードのそれぞれにおいて、ほぼ無彩色のモノトーン印刷モードでの前記第1有彩色インクの吐出量よりも、少ない量だけ前記第2有彩色インクを吐出することによって、印刷画像の色感の微調整を行うのが好ましい。
【0017】
こうすることで、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとで再現された色感を大きく変更せずに色感を調整することができる。すなわち、所望の色感の再現を安定に行うことができるという利点がある。
【0018】
上記各印刷装置において、
前記第2有彩色インクの吐出量は、前記モノトーン印刷モードに依存しないのが好ましい。
【0019】
こうすることで、印刷媒体の色による色感のずれを微調整する場合や印刷画像の粒状性を改善する場合には、一つのモノトーン印刷モードについて行ったインク吐出量の微調整結果を、他の印刷モードにも適用することができるという利点がある。
【0020】
上記各印刷装置において、
前記第2有彩色インクは、前記第1有彩色インクより濃度の薄いインクであるのが好ましい。
【0021】
こうすることで、前記第2有彩色インクの吐出量や、前記第2有彩色インクが有する色にばらつきがある場合でも、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクで決定される色感を、大きく変更することなく色感を再現することができるという利点がある。さらに、比較的明るい領域では、薄いインクを用いて再現することで、粒状性をさらに改善することができるという利点がある。
【0022】
上記各印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、前記第2有彩色インクとして、色相がほぼ同じで濃度が互いに異なる複数の濃淡インクを吐出することが可能であり、前記調整部は、モノトーン印刷時に前記複数の濃淡インクの中の比較的濃度の薄いインクを用いるのが好ましい。
【0023】
こうすることで、色相がほぼ同じで濃度が互いに異なる複数の濃淡インクを利用可能なプリンタ、例えば、カラープリンタを用いてモノトーン印刷を行うことができるという利点がある。さらに、モノトーン印刷時には淡インクを用いることで、前記第2有彩色インクの吐出量や、前記第2有彩色インクが有する色にばらつきがある場合でも、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクで決定される色感を、大きく変更することなく色感を再現することができるという利点がある。さらに、比較的明るい領域では、薄いインクを用いて再現することで、粒状性をさらに改善することができるという利点がある。
【0024】
上記各印刷装置において、前記調整部は、第1の表色系で表された第1の画像データから、前記印刷装置で利用可能なインクで構成される第2の表色系で表された第2の画像データへの変換を、ルックアップテーブルを使用して行うインク量データ変換部と、前記複数のモノトーン印刷モードに対応して準備される複数のルックアップテーブルと、を備え、前記インク量データ変換部は、選択されたモノトーン印刷モードに対応したルックアップテーブルを選択して使用するのが好ましい。
【0025】
こうすれば、画像データをインク量データに変換する処理を、ルックアップテーブルを参照することで迅速に行うことができるという利点がある。さらに、複数のモノトーン印刷モードの色感に対応したルックアップテーブルを備え、その中から選択されたモノトーン印刷モードの色感に対応したルックアップテーブルを選択して使用するので、選択された色感に応じたモノトーン印刷を行うことができるという利点がある。
【0026】
上記各印刷装置において、
前記第1有彩色インクはイエローインクであるのが好ましい。
【0027】
こうすることで、モノトーン画像のなかでもしばしば用いられるウォーム表現を再現することができるという利点がある。さらに、イエローインクは通常のカラープリンタでも使用されているインクであるため、カラー印刷用のイエローインクと、モノトーン印刷用のイエローインクとを、共用することができるという利点がある。
【0028】
上記各印刷装置において、前記第1有彩色インクはイエローインクであり、前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、前記複数のモノトーン印刷モードは、前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモードと、を含むのが好ましい。
【0029】
これらのユーザに好まれるモノトーン印刷モードに対応することで、利便性を向上させることができるという利点がある。
【0030】
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B1.実施例1:
B2.実施例2:
B3.実施例3:
C1.変形例1:
C2.変形例2:
C3.変形例3:
【0032】
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのプリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90とは、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0033】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91や調整部としてのプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
【0034】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換部97と、明度変換部101と、インク量データ変換部98と、ハーフトーン処理部99と、印刷データ生成部100と、ルックアップテーブル102と、印刷モード選択部103と、が備えられている。ここで、プリンタドライバ96が受け取る画像データとして、カラー画像データあるいは白黒画像データのいずれとすることもできるが、ここでは、RGBの3つの色成分データからなるカラー画像データを受け取るものとして説明する。
【0035】
解像度変換部97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、印刷解像度に変換する役割を果たす。
【0036】
明度変換部101は、解像度変換された画像データから明度情報を抽出し、画像データを画像の明度を表す明度データに変換する。具体的には、R,G,B各色のデータの階調値を加算することで明度データを求めることができる。もちろん、明度情報の抽出は周知な他の方法を用いることでもできる。例えば、R,G,Bの各色のデータの階調値にそれぞれ異なる重みをつけて加算することで、明度データを求めることもできる。なお、プリンタドライバ96が受け取る画像データが、白黒画像である場合やL*a*b*表色系で表現されたカラー画像である場合のように、明度情報が分離された画像データである場合には、明度変換部101による処理、もしくは、明度変換部101そのものを省略することができる。
【0037】
インク量データ変換部98は、ルックアップテーブル102を参照しつつ、各画素の明度データ(第1の画像データ)を、プリンタ20が利用可能な複数のインクの量に相当する多階調データ(第2の画像データ)に変換する。なお、本実施例では、インク量データ変換部98は、明度変換部101で変換された画像データを処理するように構成されているが、明度変換を含めたルックアップテーブル102を準備することで、第1の画像データとしての解像度変換された画像データを、第2の画像データに変換することもできる。
【0038】
ルックアップテーブル102は、印刷モード選択部103で選択可能な複数のモノトーン印刷モードに対応して、複数準備される。インク量データ変換部98は、複数のルックアップテーブルの中から、選択されたモノトーン印刷モードの色感に対応したルックアップテーブルを選択して参照する。選択できるモノトーン印刷モードの種類とインクの種類、インク量データ変換部98、ルックアップテーブル102については、後述する。
【0039】
インク量データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーン処理部99は、いわゆるハーフトーン処理を実行して、インク量データからハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、印刷データ生成部100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0040】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0041】
図2は、プリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0042】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0043】
図3は、制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。I/F専用回路50が内蔵する回路は、パラレルインタフェース回路に限らず、ユニバーサルシリアルバスインタフェース回路などコンピュータ90との接続の容易性を考慮して決めることができる。プリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。
【0044】
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を有しており、また、利用可能なインクのインクカートリッジを搭載可能である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてプリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。印刷ヘッド28の下面には利用可能なインクを吐出するためのノズルが設けられる。ノズルについては、後述する。
【0045】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動して、各インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上にモノトーン画像を形成する。
【0046】
B1.実施例1:
この実施例は、上述の印刷システムを用いて構成されている。以下、この実施例が用いるインクの種類とノズルについて説明し、続いて、色感、インク量データ変換部、ルックアップテーブルの説明を行う。
【0047】
図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノズル「Nz」の配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、ブラック系インク「K」を吐出するためのノズル群と、第1有彩色インクとしてのイエローインク「Y」を吐出するためのノズル群とが形成されている。ブラック系インク「K」は、イエローの補色であるブルーの色相を有している。
【0048】
図5は、ブラック系インク「K」とイエローインク「Y」とのインク成分の一例を示した説明図である。図5に示すように、各色のインクは蒸留水をベースとして、所望の色を付与するための各種染料あるいは顔料からなる色材や、粘度調整用のジエチレングリコールなどが適量ずつ添加された混合溶液である。
【0049】
この実施例のイエローインク「Y」には、従来のカラープリンタで用いられているイエローインクと同様に、ダイレクトイエロー2が添加されている。また、ブラック系インク「K」には、通常のブラックインクに用いられている色材であるフードブラック1と、ブルーインクに用いられている色材であるコバルトブルー3とが添加されている。このブラック系インクは、これらの色材によって青色がかった黒色を呈する。このように、ブラック系インクは、通常のブラックインクに、ブルーインクに用いられる色材、例えばコバルトブルーを混ぜたものが好ましい。また、通常のブラックインクに、シアンインクに用いられる色材、例えばダイレクトブルーと、マゼンタインクに用いられる色材、例えばアシッドレッドとを、所定量ずつ混ぜたものを利用することもできる。こうすることで、従来のカラープリンタで用いられているインクの色材を利用することができる。
【0050】
ブラック系インクとイエローインクとの色相は補色の関係となっているので、これら2種類のインクの吐出量を調整することで、無彩色の印刷画像を再現することができる。ここからさらにイエローインクの吐出割合を増やすと、やや黄色の色相を持たせることができ、イエローインクの吐出割合を減らすと、やや青色の色相を持たせることができる。このように、2種類のインクの吐出割合を調整することで、無彩色以外に、黄色と青色という2種類の色相を再現することができる。これらの色相を用いることで、いわゆるウォーム表現(黄色)、ニュートラル表現(無彩色)、クール表現(青色)を再現することができる。
【0051】
図6は、明度の階調と各インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図6において、(a)はウォーム表現、(b)はニュートラル表現、(c)はクール表現における各インクの吐出量を示し、「K」はブラック系インクの吐出量、「Y」はイエローインクの吐出量を示している。横軸は明度の階調である。この明度は、最も明るい場合(真っ白)を「255」とし、最も暗い場合(真っ黒)を「0」としている。縦軸は、インクの吐出量である。この吐出量は、1画素に吐出可能な最大インク量を100%としたときの吐出量を意味しており、各インクごとに定義される。以下に、各インクの吐出量について説明する。
【0052】
再現される画像の明度は、主にブラック系インクの吐出量によって決まる。そのため、ブラック系インク「K」の吐出量は、明度の低い領域では吐出量が多くなり、明度の高い領域では吐出量が少なくなる。一方、再現される画像の色相と彩度は、ブラック系インクとイエローインクとの吐出割合で決まる。明度の低い領域では、ブラック系インクの吐出量が多くなるため、イエローインクの影響力が弱くなる。明度の高い領域では、ブラック系インクの吐出量が少なくなるため、イエローインクの影響力が強くなる。そのため、比較的明度の高い領域では、ブラック系インクとイエローインクとの吐出割合が適当な値となるように調整し、明度の低い領域では、イエローインクの吐出量が少なくなるように調整する。ここで、イエローインクの吐出量は、ブラック系インクの吐出量よりも少なくするのが好ましい。こうすることで、インク量が多いために、インクが乾くのに必要な時間が長くなったり、印刷媒体が波打ったりすることを防止できる。
【0053】
ブラック系インクとイエローインクとの吐出割合は、再現したいモノトーン印刷モードの色感によって決められる。図6(b)は、無彩色であるニュートラル表現を再現する場合の吐出量を示している。各明度におけるブラック系インクとイエローインクとの混色の結果が無彩色となるように吐出量が調整されている。
【0054】
図6(a)は、色相が黄色であるウォーム表現を再現する場合の吐出量を示している。イエローインクの吐出割合がニュートラル表現の場合よりも多いため、黄色を帯びた色感を再現することができる。イエローインクの吐出割合は、ニュートラル表現の場合よりも多い範囲において、様々な値をとることができる。例えば、イエローインクの吐出割合が少なく彩度の低い、淡いウォーム表現や、イエローインクの吐出割合が多く彩度の高い、濃いウォーム表現を再現することができる。
【0055】
図6(c)は、色相が青色であるクール表現を再現する場合の吐出量を示している。イエローインクの吐出割合がニュートラル表現の場合よりも少ないため、青色を帯びた色感を再現することができる。イエローインクの吐出割合は、ニュートラル表現の場合よりも少ない範囲において、様々な値をとることができる。例えば、イエローインクの吐出割合が多く彩度の低い、淡いクール表現や、イエローインクの吐出割合が少なく彩度の高い、濃いクール表現を再現することができる。
【0056】
この実施例では、インクの吐出量にばらつきがある場合にも、再現される色感があまり変化しないという利点がある。例えば、ウォーム表現を再現する場合を考える。2種類のインクの吐出量のばらつきにより、イエローインクの吐出割合が多くなったとしても、人の色覚が敏感に反応する色相は黄色のままで不変である。イエローインクの吐出割合が少なくなっても、色相は黄色のままで不変である。クール表現を再現する場合も同様に、2種類のインクの吐出量にばらつきがあったとしても、色相は青色のままで不変である。このように、インクの吐出量にばらつきがある場合でも、その色感を安定に再現することができる。
【0057】
次に、この実施例におけるインク量データ変換部98(図1)について説明する。インク量データ変換部98は、複数準備されたルックアップテーブル102の中から、印刷モード選択部103で選択されたモノトーン印刷モードの色感に対応したルックアップテーブル102を選択し参照しつつ、画像の明度データ(第1の画像データ)を、各インクの量に相当する多階調データ(第2の画像データ)に変換する。ルックアップテーブル102は、明度の各階調値に対する各インク量の階調値を記憶したテーブルであり、このテーブルを参照することで、明度の階調値から、ブラック系インクのインク量階調値とイエローインクのインク量階調値とを決めることができる。このようにルックアップテーブル102を参照してデータ変換を行うことで、所望のモノトーン印刷を迅速に行うことができる。ここで、明度とインク量の階調は256段階に細分されており、0以上255以下の値をとる。こうすることで、高画質なモノトーン印刷を行うことができる。なお、明度階調や、インク量階調は256段階に限定されるものではない。より多い段階数、例えば512段階とすることで、さらに高画質なモノトーン印刷を行うことができ、より少ない段階数、例えば128段階とすることで、ルックアップテーブルを記録するのに必要な記録媒体の大きさを小さくすることができる。
【0058】
インク量データ変換部98は、解像度変換部97からの画像データを第1の画像データとして、各インク量データに変換する構成とすることもできる。この場合、ルックアップテーブルは、RGBの各階調値に対する各インク量の階調値を記憶したテーブルであり、このテーブルを参照することで、RGBの3つの階調値から、ブラック系インクのインク量階調値とイエローインクのインク量階調値とを決めることができる。なお、第1の画像データを、RGBの3つの色成分からなる画像データに限定するものではなく、L*a*b*表色系や、XYZ表色系など様々な表色系の画像データを第1の画像データとして用いることができる。
【0059】
次に、モノトーン印刷モードとルックアップテーブルとの関係について説明する。ルックアップテーブル102は、選択可能な複数のモノトーン印刷モードの色感に対応して、複数準備される。例えば、ウォーム表現、ニュートラル表現、クール表現の3種類の印刷モードを選択することができる場合には、図6の(a)(b)(c)に示す構造をもつ3種類のルックアップテーブルを準備する。印刷モード選択部103にてウォーム表現が選択された場合には、インク量データ変換部98は、複数のルックアップテーブルの中から、図6(a)の構造をもつルックアップテーブルを選択して参照することで、所望の色感を与えるモノトーン印刷を行うことができる。
【0060】
選択できるモノトーン印刷モードは上述の3種類に限らず、彩度が異なる様々な色感を与える印刷モードを選択できるようにすることができる。例えば、ニュートラル表現と、3段階のウォーム表現と、3段階のクール表現とを選択可能としてもよい。この場合、選択可能な印刷モードに対応した7種類のルックアップテーブルを準備するのが好ましい。また、ウォーム表現、クール表現の彩度を連続的に変更して色感を選択できるようにすることもできる。図7は、CRT21上からプリンタドライバ96の印刷モード選択部103に対して、印刷しようとする印刷モードを設定する様子を示す説明図である。図示されているように、プリンタドライバ96の印刷モード選択画面を開くと、色感の設定を行う画面が表示される。画面中に表示されている矢印を適切な位置に移動させることで、所望の色感を再現するモノトーン印刷モードを選択することができる。選択可能なモノトーン印刷モードの種類が多い場合には、準備するルックアップテーブル102の数を限定して対応することもできる。ここで、選択された色感に対応するルックアップテーブル102が無い場合は、その色感に近い色感に対応する複数のルックアップテーブル102の値を補間して、インク量階調値を求めるのが好ましい。
【0061】
B2.実施例2:
図8は、実施例2における印刷ヘッド28の下面におけるノズル「Nz」の配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、3種類のブラック系インク「K1」「K2」「K3」と、第1有彩色インクとしてのイエローインク「Y」とを吐出するためのノズル群が形成されている。
【0062】
イエローインク「Y」は実施例1と同じものである。3種類のブラック系インク「K1」「K2」「K3」は色相がほぼ同一で、イエローの補色であるブルーの色相を有している。また、これら3種類のブラック系インクは互いに濃度が異なっており、濃いインクから順番に、濃ブラックインク「K1」、中ブラックインク「K2」、淡ブラックインク「K3」の3種類のインクがブラック系インクとして用いられる。
【0063】
図9は、ブラック系インク「K1」「K2」「K3」とイエローインク「Y」とのインク成分の一例を示した説明図である。3種類のブラック系インクには、いずれも、フードブラック1とコバルトブルー3とが添加されており、これら色材の添加割合は、インクによらずほぼ同じ割合となっている。また、これら色材の添加量は、「K1」インクが最も多く、「K2」インク、「K3」インクの順で色材の添加量が少なくなっている。
【0064】
ブラック系インクとイエローインク「Y」との色相は補色の関係となっているので、上述の実施例1と同様に、これら4種類のインクの吐出量を調整することで、ウォーム表現(黄色)、ニュートラル表現(無彩色)、クール表現(青色)を再現することができる。また、各インクの吐出量にばらつきがある場合でも、その色感を安定に再現することができる。
【0065】
図10は、この実施例における、明度の階調と各インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図10において、(a)はウォーム表現、(b)はニュートラル表現、(c)はクール表現における各インクの吐出量を示し、「K1」は濃ブラックインクの吐出量、「K2」は中ブラックインクの吐出量、「K3」は淡ブラックインクの吐出量、「Y」はイエローインクの吐出量を示している。横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0066】
ブラック系インクは濃度の異なる3種類のインクで構成されている。よって、再現する画像の明度に応じて適切な濃度のインクを使い分けることで、より高画質なモノトーン印刷を行うことができる。比較的明るい領域では、低濃度の淡ブラックインクを用いることで、粒状性を改善することができる。比較的暗い領域では、高濃度の濃ブラックインクを用いることで、バンディングを抑制することができる。明度階調レベルの中間領域は、中濃度の中ブラックインクを用いることで、濃インクと淡インクとの切り替えを滑らかに行うことができる。なお、ブラック系インクの種類は3種類に限定されるものではない。例えば、ブラック系インクを濃ブラックインクと淡ブラックインクの2種類で構成しても、粒状性の改善とバンディングの抑制とを実現することができる。また、4種類以上のブラックインクで構成することで、より滑らかに明度階調を再現することができる。
【0067】
この実施例での、図1における、インク量データ変換部98とルックアップテーブル102との構成は、実施例1と同様である。なお、インク量データ変換部98、ルックアップテーブル102ともに、3種類に増えたブラック系インクに関するデータを扱えるように拡張されている。
【0068】
B3.実施例3:
図11は、実施例3における印刷ヘッド28の下面におけるノズル「Nz」の配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、ブラック系インク「K1」「K2」「K3」と、第1有彩色インクとしてのイエローインク「Y」、第2有彩色インクとしてのシアンインク「lc」とマゼンタインク「lm」とを吐出するためのノズル群が形成されている。イエローインク「Y」と3種類のブラック系インク「K1」「K2」「K3」は実施例2と同じものである。
【0069】
図12は、ブラック系インク「K1」「K2」「K3」と、イエローインク「Y」と、シアンインク「lc」と、マゼンタインク「lm」とのインク成分の一例を示した説明図である。3種類のブラック系インクとイエローインクについては、上述の実施例2の場合と同じ組成である。シアンインク「lc」には、従来のカラープリンタで用いられているシアンインクと同様に、ダイレクトブルーが添加されている。マゼンタインク「lm」には、従来のカラープリンタで用いられているマゼンタインクと同様に、アシッドレッドが添加されている。これらのイエローインク「Y」、シアンインク「lc」、マゼンタインク「lm」として、従来のカラープリンタで用いられているインクを利用することができる。
【0070】
シアンインク「lc」とマゼンタインク「lm」とは、互いに色相が異なっており、ブラック系インクの色相ともイエローインクの色相とも異なっている。よって、ブラック系インクのみで再現できるグレー色を、イエローインク、シアンインク、マゼンタインクの3種類のインクを用いて再現することができる。このように、3種類のインクを用いて再現されたグレー色は、一般に「コンポジットブラック」と呼ばれている。この実施例では、印刷に必要なブラック系インクの一部をコンポジットブラックに置き換えることで、インクドットの数を増やし、印刷画像の粒状性の改善を行っている。
【0071】
図13は、この実施例における、明度の階調と各インクの吐出量との関係を説明するグラフである。図9において、(a)はウォーム表現、(b)はニュートラル表現、(c)はクール表現における各インクの吐出量を示し、「K1」は濃ブラックインクの吐出量、「K2」は中ブラックインクの吐出量、「K3」は淡ブラックインクの吐出量、「Y」はイエローインクの吐出量、「lc」はシアンインクの吐出量、「lm」はマゼンタインクの吐出量を示している。横軸と縦軸の定義は、図6のグラフと同じである。
【0072】
各種モノトーン印刷モードにおけるインクの吐出量については、上述の実施例2とほぼ同様であるが、この実施例は実施例2と異なり、ブラック系インクの一部がコンポジットブラック、すなわち、イエローインク、シアンインク、マゼンタインクに置き換えられている。
【0073】
シアンインクや、マゼンタインクの吐出量は、ニュートラル表現(ほぼ無彩色のモノトーン印刷モード)のイエローインクの吐出量よりも少ない量となっている。よって、ブラック系インクとイエローインクとで再現された色感を大きく変更せずに、印刷画像の粒状性を改善することができる。さらに、実施例3では、シアンインク「lc」とマゼンタインク「lm」の吐出量は、モノトーン印刷モードに依存しない値に設定されている。従って、一つのモノトーン印刷モードについて行った粒状性の改善効果を、他のモノトーン印刷モードにも適用することができる。
【0074】
また、シアンインク「lc」とマゼンタインク「lm」とは、イエローインク「Y」の濃度よりも薄くなっている。よって、シアンインク「lc」やマゼンタインク「lm」の吐出量や色にばらつきがある場合でも、ブラック系インクとイエローインクとで決定される色感が大きく変わることを防止することができる。なお、従来のカラープリンタのように、色相がほぼ同じで濃度の異なるインク、例えば、濃シアンインクと淡シアンインクや、濃マゼンタインクと淡マゼンタインクを利用することが可能な場合は、濃度の薄い淡インクを利用するのが好ましい。こうすることで、シアンインクやマゼンタインクの吐出量や色にばらつきがある場合でも、ブラック系インクとイエローインクとで決定される色感が大きく変わることを防止することができる。
【0075】
この実施例では、第2の有彩色インクを用いて印刷画像の粒状性の改善を行ったが、第2有彩色インクを用いることで、色感の調整を行うこともできる。例えば、イエローインクの色が黄緑の色相を有することになった場合、3種類のブラック系インクとイエローインクとでニュートラル表現を再現しようとしても、緑色を帯びたものとなってしまう。そこで、シアンインクとマゼンタインクとを適量使用することで、印刷画像の色相を無彩色に調整することができる。また、印刷媒体が白色ではなく色味を帯びたものである場合も、色感を調整することができる。例えば、薄い朱色の印刷媒体にニュートラル表現を再現したい場合は、シアンインクを適量利用するようにユーザが指定することで、所望のモノトーン印刷を行うことができる。このような場合には、シアンインクとマゼンタインクとの吐出量を、モノトーン印刷モードに応じて変更するようにしても良い。但し、前述したように、シアンインクとマゼンタインクの吐出量を、モノトーン印刷モードに依存しない値に設定すれば、例えば、印刷媒体の色味に応じた色感の微調整を、複数のモノトーン印刷モードに共通した調整量で実行することができる。
【0076】
なお、第2有彩色インクの種類は、シアンインクとマゼンタインクの2種類に限定するものではない。コンポジットブラックを使用しない場合は、所定の1種類の第2有彩色インクを用いるのが好ましい。こうすることで、コストをかけずに所定の色感調整を行うことができる。また、3種類以上の第2有彩色インクを用いるのも好ましい。こうすることで、より細かい色感の調整を行うことができる。
【0077】
この実施例での、図1における、インク量データ変換部98とルックアップテーブル102との構成は、実施例2と同様である。なお、インク量データ変換部98、ルックアップテーブル102ともに、第2有彩色インクに関するデータを扱えるように拡張されている。
【0078】
なお、この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0079】
C1.変形例1:
上記実施例では、ルックアップテーブルを用いて印刷を行っていたが、本発明は、このようなルックアップテーブルを使用しない印刷方法や印刷装置にも適用可能である。
【0080】
C2.変形例2:
この発明はドラムスキャンプリンタにも適用可能である。この発明は、いわゆるインクジェットプリンタのみではなく、一般に、印刷ヘッドからインクを吐出することによって画像を印刷する印刷装置に適用することができる。このような印刷装置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置がある。
【0081】
C3.変形例3:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、プリンタドライバ96(図1)の機能の一部を、プリンタ20内の制御回路40(図3)が実行するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】プリンタの構成を示す説明図。
【図3】プリンタ20における制御回路40の構成を示すブロック図。
【図4】実施例1における印刷ヘッド28下面のノズル配列を示す説明図。
【図5】実施例1の印刷装置に備えられたインクの成分を例示する説明図。
【図6】実施例1における明度階調とインク吐出量階調との関係を示す説明図。
【図7】モノトーン印刷モードを設定している様子を例示する説明図。
【図8】実施例2における印刷ヘッド28下面のノズル配列を示す説明図。
【図9】実施例2の印刷装置に備えられたインクの成分を例示する説明図。
【図10】実施例2における明度階調とインク吐出量階調との関係を示す説明図。
【図11】実施例3における印刷ヘッド28下面のノズル配列を示す説明図。
【図12】実施例3の印刷装置に備えられたインクの成分を例示する説明図。
【図13】実施例3における明度階調とインク吐出量階調との関係を示す説明図。
【符号の説明】
20…プリンタ
21…CRT
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
43…P−ROM
44…RAM
45…CG
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換部
98…インク量データ変換部
99…ハーフトーン処理部
100…印刷データ生成部
101…明度変換部
102…ルックアップテーブル
103…印刷モード選択部

Claims (9)

  1. 印刷媒体上にインクを吐出することによって画像のモノトーン印刷を行う印刷装置であって、
    混色のために、ブラック系インクと、所定の色相を有する第1有彩色インクと、を吐出することが可能な印刷ヘッドと、
    色感の異なる複数のモノトーン印刷モードから、一つのモノトーン印刷モードを選択することをユーザに許容する印刷モード選択部と、
    前記印刷モード選択部で選択されたモノトーン印刷モードの色感を明度によらず前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクのみで再現するように、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出量を調整する調整部と、
    を備え
    前記第1有彩色インクはイエローインクであり、
    前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、
    前記複数のモノトーン印刷モードは、
    前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモードと、
    を含む、
    印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記ブラック系インクは、色相がほぼ同一で、濃度が互いに異なる複数種類のブラック系インクで構成されている、印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記調整部は、
    第1の表色系で表された第1の画像データから、前記印刷装置で利用可能なインクで構成される第2の表色系で表された第2の画像データへの変換を、ルックアップテーブルを使用して行うインク量データ変換部と、
    前記複数のモノトーン印刷モードに対応して準備される複数のルックアップテーブルと、
    を備え、
    前記インク量データ変換部は、選択されたモノトーン印刷モードに対応したルックアップテーブルを選択して使用する、
    印刷装置。
  4. 印刷媒体上にインクを吐出することによって画像のモノトーン印刷を行う印刷方法であって、
    (a)混色のために、ブラック系インクと、所定の色相を有する第1有彩色インクとを、吐出することが可能な印刷ヘッドを準備する工程と、
    (b)色感の異なる複数のモノトーン印刷モードの中から選択されたモノトーン印刷モードの色感を明度によらず前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクのみで再現するように、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出量を調整する工程と、
    を備え
    前記第1有彩色インクはイエローインクであり、
    前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、
    前記複数のモノトーン印刷モードは、
    前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモ ードと、
    を含む、
    印刷方法。
  5. 請求項に記載の印刷方法であって、
    前記ブラック系インクは、色相がほぼ同一で、濃度が互いに異なる複数種類のブラック系インクで構成されている、印刷方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の印刷方法であって、
    前記工程(b)は、
    第1の表色系で表された第1の画像データから、前記印刷方法で利用可能なインクで構成される第2の表色系で表された第2の画像データへの変換を、ルックアップテーブルを使用して行う変換工程と、
    前記複数のモノトーン印刷モードに対応して準備される複数のルックアップテーブルを準備する工程と、
    を含み、
    前記変換工程は、選択されたモノトーン印刷モードに対応したルックアップテーブルを選択して使用する、
    印刷方法。
  7. 混色のために、ブラック系インクと、所定の色相を有する第1有彩色インクとを吐出することが可能な印刷ヘッドを備える印刷部を用いて印刷を行うために、前記印刷部に供給すべき印刷データを生成する印刷制御装置であって、
    色感の異なる複数のモノトーン印刷モードから、一つのモノトーン印刷モードを選択することをユーザに許容する印刷モード選択部と、
    前記印刷モード選択部で選択されたモノトーン印刷モードの色感を明度によらず前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクのみで再現するように、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出量を調整する調整部と、
    前記調整部で調整されたインクの吐出量に従って、印刷媒体上の各画素における各インクの吐出状態を表す印刷データを生成する印刷データ生成部と、
    を備え
    前記第1有彩色インクはイエローインクであり、
    前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、
    前記複数のモノトーン印刷モードは、
    前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモードと、
    を含む、
    印刷制御装置。
  8. 請求項に記載の印刷制御装置であって、
    前記調整部は、
    第1の表色系で表された第1の画像データから、前記印刷装置で利用可能なインクで構成される第2の表色系で表された第2の画像データへの変換を、ルックアップテーブルを使用して行うインク量データ変換部と、
    前記複数のモノトーン印刷モードに対応して準備される複数のルックアップテーブルと、
    を備え、
    前記インク量データ変換部は、選択されたモノトーン印刷モードに対応したルックアップテーブルを選択して使用する、
    印刷制御装置。
  9. 混色のためにブラック系インクと所定の色相を有する第1有彩色インクとを印刷媒体上に吐出することによって画像のモノトーン印刷を行う印刷部に供給すべき印刷データを生成するためのコンピュータプログラムであって、
    色感の異なる複数のモノトーン印刷モードから、一つのモノトーン印刷モードを選択することをユーザに許容する機能と、
    選択されたモノトーン印刷モードの色感を明度によらず前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクのみで再現するように、前記ブラック系インクと前記第1有彩色インクとの吐出量を調整する機能と、
    調整されたインクの吐出量に従って、印刷媒体上の各画素における各インクの吐出状態を表す印刷データを生成する機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを備え、
    前記第1有彩色インクはイエローインクであり、
    前記ブラック系インクは、前記第1有彩色インクと補色の関係にある色相を有し、
    前記複数のモノトーン印刷モードは、
    前記混色によって、ほぼ無彩色の印刷画像を再現するニュートラルモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて多いウォームモードと、
    前記第1有彩色インクの吐出割合が前記ニュートラルモードと比べて少ないクールモードと、
    を含む、
    コンピュータプログラム。
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