JP4136493B2 - 液材吐出用マルチノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の吐出細孔から所望量の接着剤や電子材料等の液材を吐出させることができる液材吐出用ノズルおよびその吐出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
接着剤、電子材料等の液状物質を能率的に定量吐出したり、塗布したりする場合に用いられる液体定量吐出装置100としては、液体の加圧方式によって種々のタイプに分類され、たとえば、図5(a)に示すような加圧エアを用いたものがある。
このタイプの液体定量吐出装置100は、液材が貯留されているシリンジ102と加圧エア供給手段(ディスペンサ)104とをチューブ106によって連通させた構造であり、シリンジ102内の液材はエアの加圧力によって、シリンジ下端に装着したマルチノズル108から吐出されるようになっている。
【0003】
そして、このようなマルチノズル108としては、図5(b)に拡大縦断面図として例示するように、シリンジ102の吐出口に連通する流入口110 から流入させた液状物質を、所要個数の吐出細孔112まで自然に分岐流動させ、それらの各吐出細孔112に装着したニードルと呼ばれるノズル114から液状物質を同時に吐出させるものがある。
【0004】
ところで、このような従来技術において、ノズル114を図示のように横一列に配設した場合には、液状物質が、一の流入口110 からそれぞれの吐出細孔112 に至るまでの分岐流路の長さが吐出細孔112 の位置によって異なることに加え、分岐流路の長いものほど大きな流動抵抗を受けて圧力損失が大きくなること等に起因して、ノズル114 からの液状物質の吐出量が、分岐流路の長さの短い中央部分で多く、端部に向けて次第に減少するという吐出量ないしは塗布量のばらつきの問題や、それに加えて、それぞれの吐出細孔112から所望とする量の液材を吐出 することができないという問題があった。この傾向は、粘性の小さい液体、圧縮性を有する気体についてもほぼ同様である。
【0005】
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題として検討した結果なされたものであり、その主たる目的は、一の流入口から流入させた液体を、複数個の吐出細孔から所望とする量だけ吐出することができる液材吐出用マルチノズルおよび液材の吐出方法を提案することにある。
本発明の他の目的は、一の流入口から流入させた液体を、複数個の吐出細孔から吐出するに当たり、流入口に対する吐出細孔の相対位置のいかんにかかわらず、全ての吐出細孔での吐出量を十分均一にすることができる液材吐出用マルチノズルおよび液材の吐出方法を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、マルチノズル本体内の一の液材流入口と複数の吐出細孔との間の液体流路中に、所定形状の調整部材を配置させることによって、マルチノズル本体内の圧力分布、液材の速度分布、液材流入口から吐出細孔までの距離、液材の流れる抵抗、液材の密度分布、液材の流れの方向等のパラメータを変化させ、そのようなパラメータ変化に応じて各吐出細孔から吐出させる液体量を自在に調整することができるということを知見し、以下に示す内容を要旨構成とする発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、
液材が供給される一の液材流入口と、開口部と、前記液材流入口と前記開口部とを接続する略円錐形状の内壁面とを有するホルダー部と、
複数の吐出細孔を有し、前記ホルダー部の開口部に着脱可能に配設されるキャップ部と、を備えるノズル本体と、
前記ノズル本体内に着脱可能に設けられ、少なくともノズル本体内への装着時において、前記液材流入ロに供給した液材を分流する複数の分岐流路を形成するように構成された調整部材と、
を備える液材吐出用マルチノズルであって、
前記調整部材は、略円錐形状の外周面を有し、その外周面が前記ノズル本体内において前記ホルダー部の略円錐形状の内壁面に接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成されていることを特徴とする液材吐出用マルチノズルである。
【0008】
本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記調整部材は、少なくともノズル本体内への装着時において、前記分岐流路によって分流した液材を前記ノズル本体内における前記複数の吐出細孔の近くで再び合流させるような空間を形成するように構成することができる。
このような構成により、分岐路によって分流された液体を、前記調整部材と前記キャップ部の複数の吐出細孔との間の空間によって、吐出細孔付近の液材の圧力分布、密度分布を比較的均一化することができるので、各吐出細孔からの吐出量のバラツキを少なくすることができ、一部の吐出細孔から全く液材が吐出されないという問題を回避できる。したがって、それぞれの吐出細孔から所望とする量の液材をより確実に吐出させることができる。
また、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記キャップ部は、ホルダー部の開口部に対して螺合によって着脱されるように構成することができる。
【0009】
また、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記調整部材には、前記液材流入口に対面した位置に凹部を形成するとともに、その凹部から調整部材を貫通して前記空間に連通する複数の放射状の流路を形成することができる。
このような構成により、上記効果に加え、前記調整部材内の流動方向と、各貫通孔の入口にかかる圧力方向とを、比較的容易にそろえることができ、前記液材流入口に対面した位置を平面状に形成することに比べ、放射状に形成された流路内の液材の流動を円滑にすることができるので、それぞれの吐出細孔から所望とする量の液材を容易に吐出させることができる。
【0010】
さらに、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記調整部材の外周面に複数の放射状の溝が形成されるとともに、前記分岐流路は、前記調整部材がノズル本体内に装着されたとき、前記溝とノズル本体の内壁面とによって囲まれた空間によって形成することができる。
このような構成により、上記効果に加え、前記流路を容易に形成することができ、また、前記流路に液材が詰まった場合等には、調整部材をノズル本体から取り外すと流路を形成した溝が外部に露出するので、その洗浄を容易に行うことができる。
【0011】
さらにまた、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記複数の流路のそれぞれの流路長および/または流路口径は、前記複数の吐出細孔の口径および/または配置に関連して決めることができる。
このような構成により、上記効果に加え、それぞれの吐出細孔から所望とする量の液材を容易にかつ確実に吐出させることができる。
【0012】
また、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記複数の流路の流路長および流路口径は実質的に同一であるように形成することができる。
このような構成により、上記効果に加え、各吐出細孔付近の液材の圧力をほぼ等しくすることができ、それぞれの吐出細孔から吐出される液材の吐出量をほぼ等しくすることができる。
【0014】
また、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルにおいて、前記調整部材は、ノズル本体内への装着時において、前記液材流入口の反対側に位置する面の中央部が、前記キャップ部の内壁に接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成することができる。
また、前記調整部材は、前記複数の吐出細孔が形成されたキャップ部の内壁に接触するピンを有し、そのピンが前記キャップ部の内壁と接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成することができる。
さらに、前記ピンは、前記調整部材がノズル本体内に装着されたときに、前記調整部材の液材流入ロの反対側に位置する面の中央部に設けることができる。
このような構成により、上記効果に加え、前記調整部材の外周面と前記ホルダー部の内壁面との密着を容易に行なうことができると共に、前記空間を液体の圧力分布、密度分布を平滑化するに十分なスペースを確保できる。また、ピンを用いることで、前記調整部材のキャップ部に接触する部分の面積を小さくできるので、前記吐出細孔を形成することを妨げない。また、ピンの長さを変更することによって、前記空間の大きさを変更することができる。
【0016】
本発明にかかる液材吐出用マルチノズルを用いて、一の液材流入口に供給された液材を、複数の吐出細孔から吐出させる液材の吐出方法によれば、
前記液材流入口に供給された液材を、複数の流路に分流させた後に、その液体を前記吐出細孔を臨んだ空間に流入させ、そこで液圧を前記複数の吐出細孔の口径および/または配置に関連した圧力に調整した後に、前記各吐出細孔から吐出させることができる。
このような方法によれば、各吐出細孔付近の液材の圧力を所望の圧力にすることができるので、各吐出細孔から所望量の液材を吐出させることができる。
【0017】
また、上記液材の吐出方法において、前記液材流入口に供給された液材を、流路長がほぼ同一な流路に分流させた後に、その液体を前記吐出細孔を臨んだ空間に流入させ、そこで液圧を実質的に均等化した後に、前記各吐出細孔から吐出させることができる。
このような方法により、各吐出細孔付近の液材の圧力を実質的に均等化できるので、各吐出細孔からの吐出量を実質的に等しくすることができる。
【0018】
さらに、上記液材の吐出方法において、前記液材を、前記液材流入口の断面積よりも広い断面積を有してなる空間に流入させ、そこで液圧を実質的に均等化した後に、前記吐出細孔から吐出させることができる。
このような方法により、十分な量の液材を均等の圧力にすることができるので、各吐出細孔からの吐出量をより等しくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルの種々の実施形態について、図1〜図4を参照にして説明する。
【0020】
図1(a)は、本発明にかかるマルチノズルの第1の実施形態を示す縦断面図、図1(b)は、マルチノズル本体内に装着される調整部材122の斜視図、図1(c)は、マルチノズル本体の底面図である。
なお、図において、従来技術にかかるマルチノズルを示す図5と同様の符号で示される部分は、同等または類似の部分を示している。
【0021】
上記マルチノズル本体108は、液体吐出装置100のシリンジ102の吐出口側に接続されるホルダー部118と、液材が吐出される吐出細孔112に装着されるニードルと呼ばれるノズル114を有してなるキャップ部120とから構成される。
【0022】
上記キャップ部120は、一方が開放され、他方が閉塞された底面120aに形成された円筒形状であり、この閉塞された底面120aには、複数の貫通孔からなる吐出細孔112が形成され、この吐出細孔112に筒状のニードルが圧入されて吐出ノズル114が形成されている。
【0023】
上記キャップ部120の底面120aから立ち上がる円筒部120bは、ホルダー部118を取り付けるために開口され、この開口された円筒部120bの内面には、雌ネジが形成されている。
【0024】
一方、ホルダー部118は、キャップ部120の雌ネジに螺合する雄ネジが形成された円筒部118bを有するとともに、この円筒部118bの開口と反対側には、シリンジ102の吐出口側に連通する液体流入口110が設けられた円錐部118aを有している。円錐部118上端に形成した液体流入口110は、円筒部118の開口より内径が小さく形成され、ホルダー部118全体としては逆すり鉢状を呈している。
【0025】
また、ホルダー部118の円錐部118a上端には、液体流入口110に対応した位置に、シリンジ102の吐出口側に嵌合するようなつば119が形成されている。
【0026】
上記ホルダー部118の雄ネジとキャップ部120の雌ネジとを螺合させることによって、マルチノズル本体108が形成される。ホルダー部118の開口部とキャップ部120の底面との間には、パッキン132が配設され、これによって、ホルダー部118とキャップ部120とが効果的にシールされ、液体流入口110から吐出細孔112に連通する部分には、内部スペースが形成される。
【0027】
上記マルチノズル本体108の内部スペースには、調整部材122がその外周面をマルチノズル本体108のホルダー部118の内壁に密着するように配設されている。
【0028】
この調整部材122は、ホルダー部118の内壁に密着するような円錐面122aを有して形成され、その円錐面122aの一方の終端部には、ホルダー部118の液体流入口110に対面した位置に、球面状の凹部124が形成されている。
【0029】
また、調整部材122の円錐面122aの他方の終端部から、キャップ部120の底面に向って球面状に膨らんだ凸部122bが一体に形成され、さらにその凸部122bの下面中央部には、垂直方向にピン130が突設されている。
【0030】
上記調整部材122の上部に設けた球面状の凹部124から、調整部材122の下部に設けた球面状の凸部122bに向けて、複数の貫通孔126が放射状に形成され、吐出流入口110から流入した液体の流路を形成している。
【0031】
これらの貫通孔126は、凹部124内の円周上に均等な距離を隔てた複数個所において開口すると共に、調整部材122を放射方向に貫通して、球面状の凸部122bの外周面に開口している。この実施形態では6個の貫通孔126が設けられている。
【0032】
このように、調整部材122がマルチノズル本体108のホルダー部118の内壁に密着するように配設された状態においては、調整部材122の下部中央部に設けられたピン130の先端は、キャップ部材120の底面に接し、調整部材122上部の円錐部122aは、ホルダー部118の円錐部118aの内壁に密着し、両者間が液密にシールされるように保持されている。
【0033】
すなわち、上記ホルダー部118とキャップ部120との間のシールは、ホルダー部118に対してキャップ部120を完全に螺合させることによって行なわれるが、その際に、キャップ部120の底面とホルダー部118の円錐部118aとの距離が、螺合の程度に応じて短くなり、完全に螺合した時に、調整部材122上部の円錐部分122aが、ホルダー部118の円錐部118aの内壁に押し付けられ密着するので、シールが確実なものとなる。
【0034】
なお、調整部材122の外周面にパッキン等のシール部材を設けて、ホルダー部118の内壁との間をより確実にシールすることも可能である。
【0035】
このように調整部材122とホルダー部118とが密着した状態では、調整部材122の凸部122bの外周面とマルチノズル本体108の内壁とで規定される空間140は、複数の貫通孔126を介して放射状に分流された液体がその空間140において開放され、そこで液圧が調整されるように構成される。
【0036】
この実施形態において、前記複数の貫通孔126とキャップ部材120の底面120aに形成された複数の吐出細孔112との位置関係については、各貫通孔126に対して複数個の吐出細孔112を対応させた配置とし、各貫通孔126の出口からそれに対応する複数の吐出細孔112までの距離がほぼ等しくなるように構成される。
このような位置関係とすることで、一の液材流入孔110から複数の吐出細孔112までの流路長を実質的に等しくすることができるので、液材流入孔110に対する吐出細孔112の相対位置のいかんにかかわらず、液材の吐出量をほぼ一定にすることができる。
【0037】
すなわち、この実施形態においては、複数個の吐出細孔112を碁盤の目状に規則正しく配置し、これらの吐出細孔112を複数のグループに分けて、その各グループに属する複数の吐出細孔112毎に1個の貫通孔126を対応配置させたものであるが、液材を吐出する対象物によっては、複数個の吐出細孔112を不規則に配置せざるを得ない場合があり、そのような場合には、不規則配列された複数の吐出細孔112を複数のグループに分けて、その各グループに属する複数の吐出細孔112毎に1個または複数個の貫通孔126を対応配置させることができるように、複数の貫通孔126を不規則な間隔で放射状に形成することが望ましい。
【0038】
また、各吐出細孔からの液材吐出量をほぼ一定にするという目的の範囲内では、吐出細孔112の個数が多いほど、それに対応させる貫通孔126の個数も多くすることが望ましく、また、吐出細孔112の個数と貫通孔126の個数を等しく設けることによって、吐出量の精度を向上させることができる。
【0039】
以下、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルの作用を説明する。
まず、シリンジ102内にエアを送り込むと、シリンジ102内の液体は、シリンジの吐出口からマルチノズル108の液体流入口110に流れる。液体流入口110に流入した液体は、調整部材122の上部の球状凹部124から、複数の貫通孔126を介して放射状に分流され、調整部材108の下部の凸部122b外周面から空間140に開放され、液圧の均等化がなされた後に、吐出細孔112を介してノズル114から吐出される。
【0040】
この実施形態においては、調整部材122の貫通孔126が放射状に並んで配置され、調整部材122がない場合に比べて、液体流入口110から各ノズル114までの流路が比較的等しい距離になり、したがって、各ノズル114から均等な量の液体が吐出されるようになっている。
また、調整部材122とキャップ部材120の底面とは、ピン130によってのみ接触しているので、液体が各ノズル114に均等に行きわたるために必要十分な空間を形成している。
【0041】
また、調整部材122上部の凹部124が球面状に形成されていることにより、この凹部124から各貫通孔126に均等の圧力・速度で液体を流すことができ、しかも液体の流れが安定するために、各ノズル114の詰まりを効果的に阻止することができる。
【0042】
このようなマルチノズル108を作動させる場合には、予めマルチノズル本体118に液体を充満させておき、気泡などが含有しないようにすることが好ましい。気泡があると、各ノズル114から吐出される液体の量が所望の量にならないことがあるので、ノズル114を上方に向けた状態で液体流入口110から液体を供給して、予めノズル114から気泡を排出することが好ましい。
【0043】
本発明にかかるマルチノズル108は、マルチノズル本体内118に調整部材122を装着して構成されるので、従来技術のように調整部材がない場合に比べ、予めマルチノズル本体118内を満たす液体の量が少なくて済むので、液体を充満させてマルチノズルを作動させるまでの時間を短縮化できる。
【0044】
また、本発明にかかるマルチノズル108を構成する調整部材122の材質は、液剤に影響を受けないもので、かつ、マルチノズル本体118内の内壁とのシールを良好に保持できるようなものが好ましい。
【0045】
さらに、本発明にかかるマルチノズル108を構成する調整部材122は、マルチノズル本体118に対して着脱可能、すなわち取り外し可能な構成としたために、洗浄などのメンテナンスが極めて容易となる。
【0046】
また、各ノズルからの液体の吐出量を変更したいときは、そのような条件に合わせた形状、大きさを有する調整部材122に交換することで、容易に所望量の液体吐出を実現することができる。
【0047】
図2(a)〜(c)は、本発明にかかるマルチノズルの第2の実施形態を示している。この実施形態は、調整部材122を第1の実施形態と同様な円錐形状とし、その外周面に複数の放射状の溝142を形成したものであり、調整部材122の外周面がホルダー部118の内壁に密着した状態で、ホルダー部118の内壁と溝142とで形成される細長い空間が液体流路として形成される以外は、第1の実施形態とほぼ同じである。
【0048】
上記調整部材122の上部には、ホルダー部118の液体流入口110に対面した位置に、平坦部141が形成されるとともに、その平坦部141から円錐面122aの表面に沿って、8本の細長い溝142が等間隔で放射状に形成されている。
【0049】
すなわち、調整部材122がマルチノズル本体108のホルダー部118の内壁と密着した状態において、ホルダー部118の内壁と上記溝142で規定される細長い通路が、液体流路を形成する。
【0050】
上記液体流入口110に流入した液体は、調整部材122の平坦部141から上記通路を介して放射状に分流され、調整部材122の下部の凸部122bとの境界部から閉鎖空間140に開放され、液圧の均等化がなされた後に、吐出細孔112を介してノズル114から吐出されるようになっている。
【0051】
このような構成によれば、調整部材122の加工が容易であるとともに、流路が詰まった場合にも洗浄が容易となる。
【0052】
図3(a)〜(c)は、本発明にかかるマルチノズルの第3の実施形態を示している。
この実施形態は、調整部材122の下部122bにピン130を設けないで、調整部材122の下部を下方に延長してキャップ部112の底面に直接接触するように構成するとともに、そのような構成に伴って吐出細孔112およびノズル114を円周上に配置したこと以外は、第2の実施形態とほぼ同じである。
【0053】
図4(a)〜(b)は、本発明にかかるマルチノズルの第4の実施形態を示している。
この実施形態においては、キャップ部120の底部120bには、第1〜第3の実施形態のようなニードル状のノズルを形成しないで、キャップ部120の底部120bの厚みを大きくするとともに、その底部120bを貫通して吐出細孔112が不規則な位置に形成される、すなわち、この実施形態では、吐出細孔112の長さを大きくすることによって、実質的には、第1〜第3の実施形態におけるノズルを構成している。
【0054】
一方、調整部材122の形状は、第1〜第3の実施形態と異なり、一方が閉塞され他方が開口した円筒形とし、この円筒部の閉塞面(図においては上面)には、不規則配列された上記吐出細孔112に関連した位置に貫通孔126が形成されるともに、開口をキャップ部120の底面120bに対して対向配置させた状態で、ホルダー部118の円筒部118b内壁に密着するように装着され、調整部材122を構成する円筒部の開口とキャップ部120の底部120bとの間に空間140が形成されている。
【0055】
すなわち、不規則配列された吐出細孔112の位置にあわせて、ホルダー部118の液材流入口110から流入する液体流路を構成する貫通孔126を不規則に配列させたものである。
【0056】
このように、キャップ部120の底面120bに吐出細孔112が不規則に配列された場合でも、条件に合わせた形状および大きさの流路が形成された調整部材118を用いることによって、各吐出細孔112から所望量の液体を吐出させたり、十分均一な量の液体を吐出するように対応することができる。
【0057】
上記本発明にかかる液材吐出用マルチノズルは、そのマルチノズル本体を必ずしも、シリンジ下端部に直接的に嵌合させる必要はなく、シリンジ下端部の液材吐出口にチューブなどの液送管の一端を接続し、その液送管の他端にマルチノズル本体を接続した形態を採用することもできる。
【0058】
また、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルは、上記第1〜第4の実施形態のように、シリンジ内に貯留された液体の加圧を圧縮空気によって行うタイプの液体吐出装置に用いられるだけではなく、ピストン等により液体を押圧するタイプの液体吐出装置にも用いることができる、すなわち、マルチノズルに液体を流入させることができるタイプの液体吐出装置であればどんなタイプのものであっても、本発明にかかる液材吐出用マルチノズルを適用することができる。
【0059】
また、マルチノズル全体の形態や、それを構成するニードル状の吐出ノズルの大きさ(吐出口径)、個数およびレイアウトは、マルチノズルの使用目的や使用状況によって異なるため、それぞれの条件に合わせて、調整部材の形状および流路構成を変更して、各吐出細孔112から所望量の液体を吐出させたり、十分均一な量の液体を吐出するように対応することができることは勿論のことである。
【0060】
たとえば、ニードル状の吐出ノズルは、マルチノズル本体の底部を貫通して液材流入方向と同じ方向に形成されるだけでなく、マルチノズル本体の側方に配置させる、すなわち、液材流入方向とほぼ直角な方向に配置させ、このような吐出ノズル位置に応じて調整部材の形状や流路構成に変更することもできる。このように、吐出ノズルをマルチノズル本体の側方に配置した実施形態は、容器の内面に液材を塗布する場合などに有利に利用することができる。
【0061】
さらに、ニードル状のノズルの配置が同じ場合でも、各ノズルから吐出させるべき所要の液体量に応じて、調整部材自体の形状を変更させたり、調整部材に設けた複数の流路の流路長や流路径(流路断面積)を同一にしないで変化を持たせて流路構成を変更させることも可能であり、上記第1〜第4の実施形態に限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体吐出用マルチノズルによれば、一の液材流入口から流入させた液体を、調整部材によって複数の流路に分流させた後に、その液体を複数の吐出細孔を臨んだ空間に流入させ、液圧を複数の吐出細孔の相対的な口径および/または相対的な配置に関連した圧力に調整した後に、各吐出細孔から吐出させるように構成したので、所望量の液材を吐出細孔から吐出させることができる。
【0063】
それに加えて、マルチノズル本体に対して調整部材を取り外し可能な構成とすることによって、調整部材をマルチノズル本体と一体的に形成するよりも、加工が容易となり、また、洗浄などのメンテナンスも容易となる。さらに、調整部材を多種類用意しておき、必要に応じて取り替えることで、各吐出細孔から吐出される液体の量を変化させることも容易となる。
【0064】
また、本発明の吐出方法によれば、各吐出口から吐出される液体の吐出量を所望の量に調整することができ、吐出ロの詰まりがなくなり、マルチノズル内の内部空間に液体を満たすまでの時間が短くなるので、吐出開始までの時間を短縮できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明にかかる液体吐出用マルチノズルの第1の実施形態を示す縦断面図、(b)は、マルチノズルを構成する調整部材の斜視図、(c)は、マルチノズルを構成するキャップ部材の底面図である。
【図2】 (a)は、本発明にかかる液体吐出用マルチノズルの第2の実施形態を示す縦断面図、(b)は、マルチノズルを構成する調整部材の斜視図、(c)は、マルチノズルを構成するキャップ部材の底面図である。
【図3】 (a)は、本発明にかかる液体吐出用マルチノズルの第3の実施形態を示す縦断面図、(b)は、マルチノズルを構成する調整部材の斜視図、(c)は、マルチノズルを構成するキャップ部材の底面図である。
【図4】 (a)は、本発明にかかる液体吐出用マルチノズルの第4の実施形態を示す縦断面図、(b)は、マルチノズルを構成する調整部材の斜視図である。
【図5】 (a)は、液体吐出用マルチノズルを加圧エア方式の液体定量吐出装置に適用した場合の概略図であり、(b)は、従来技術にかかる液体吐出用マルチノズルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
108 マルチノズル本体
110 液材流入口
112 吐出細孔
114 ノズル
118 ホルダー部
120 キャップ部
122 調整部材
124 凹部
126 貫通孔
130 ピン
140 閉鎖空間
142 溝
Claims (9)
- 液材が供給される一の液材流入口と、開口部と、前記液材流入口と前記開口部とを接続する略円錐形状の内壁面とを有するホルダー部と、
複数の吐出細孔を有し、前記ホルダー部の開口部に着脱可能であるキャップ部と、を備えるノズル本体と、
前記ノズル本体内に着脱可能に設けられ、少なくともノズル本体内への装着時において、前記液材流入ロに供給した液材を分流する複数の分岐流路を形成するように構成された調整部材と、
を備える液材吐出用マルチノズルであって、
前記調整部材は、略円錐形状の外周面を有し、その外周面が前記ノズル本体内において前記ホルダー部の略円錐形状の内壁面に接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成されていることを特徴とする液材吐出用マルチノズル。 - 前記調整部材は、少なくともノズル本体内への装着時において、前記分岐流路によって分流した液材を前記ノズル本体内における前記複数の吐出細孔の近くで再び合流させるような空間を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記キャップ部は、ホルダー部の開口部に対して螺合によって着脱されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記調整部材は、ノズル本体内への装着時において、前記液材流入口の反対側に位置する面の中央部が前記キャップ部の内壁に接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記調整部材は、前記キャップ部の内壁に接触するようなピンを有し、そのピンが前記キャップ部の内壁と接触した状態で、前記ホルダー部と前記キャップ部とによって挟持されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記ピンは、前記調整部材がノズル本体内に装着されたときに、前記調整部材の液材流入ロの反対側に位置する面の中央部に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記調整部材には、その外周面に複数の溝が形成され、前記分岐流路は、前記調整部材がノズル本体内に装着されたときに、前記溝とノズル本体の内壁面とによって囲まれた空間によって形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記分岐流路は、放射状に均等な間隔で形成されることを特徴とする請求項7に記載の液材吐出用マルチノズル。
- 前記調整部材には、前記液材流入口に対面した位置に凹部が形成されるとともに、その凹部から調整部材を貫通して前記空間に連通する複数の放射状の流路が形成されていることを特徴とする請求項2〜6に記載の液材吐出用マルチノズル。
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