JP4131771B2 - 多結晶薄膜とその製造方法および酸化物超電導導体 - Google Patents

多結晶薄膜とその製造方法および酸化物超電導導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は結晶方位の整った希土類酸化物C型の結晶構造を有する多結晶薄膜およびその製造方法と、結晶方位の整った希土類酸化物C型の結晶構造を有する多結晶薄膜と酸化物超電導層を有し、超電導特性に優れた酸化物超電導導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年になって発見された酸化物超電導体は、液体窒素温度を超える臨界温度を示す優れた超電導体であるが、現在、この種の酸化物超電導体を実用的な超電導体として使用するためには、種々の解決するべき問題点が存在している。その問題点の1つが、酸化物超電導体の臨界電流密度が低いという問題である。
前記酸化物超電導体の臨界電流密度が低いという問題は、酸化物超電導体の結晶自体に電気的な異方性が存在することが大きな原因となっており、特に酸化物超電導体はその結晶軸のa軸方向とb軸方向には電気を流し易いが、c軸方向には電気を流しにくいことが知られている。このような観点から酸化物超電導体を基材上に形成してこれを超電導導体として使用するためには、基材上に結晶配向性の良好な状態の酸化物超電導体を形成し、しかも、電気を流そうとする方向に酸化物超電導体の結晶のa軸あるいはb軸を配向させ、その他の方向に酸化物超電導体のc軸を配向させる必要がある。
【0003】
そこで従来、金属テープなどの基材上に、スパッタ装置を用いてMgOやSrTiO3などの結晶配向性の良好な中間層を被覆し、この中間層上に酸化物超電 導層を形成することが行なわれている。ところがこの種の中間層上にスパッタ装置により形成した酸化物超電導層は、これらの材料からなる単結晶基材上に形成された酸化物超電導層(例えば、臨界電流密度数10万A/cm2)よりもかなり低い臨界電流密度(例えば、1000〜10000A/cm2程度)しか示さないという問題があった。これは、以下に説明する理由によるものと考えられる。
【0004】
図14は、金属テープなどの多結晶体の基材1上にスパッタ装置により中間層2を形成し、この中間層2上にスパッタ装置により酸化物超電導層3を形成した酸化物超電導導体の断面構造を示すものである。図14に示す構造において、酸化物超電導層3は多結晶状態であり、多数の結晶粒4が無秩序に結合した状態となっている。これらの結晶粒4の1つ1つを個々に見ると各結晶粒4の結晶のc軸は基材表面に対して垂直に配向しているものの、a軸とb軸は無秩序な方向を向いているものと考えられる。
【0005】
このように酸化物超電導層の結晶粒毎にa軸とb軸の向きが無秩序になると、結晶配向性の乱れた結晶粒界において超電導状態の量子的結合性が失なわれる結果、超電導特性、特に臨界電流密度の低下を引き起こすものと思われる。
また、前記酸化物超電導体がa軸およびb軸配向していない多結晶状態となるのは、その下に形成された中間層2がa軸およびb軸配向していない多結晶状態であるために、酸化物超電導層3を成膜する場合に、中間層2の結晶に整合するように酸化物超電導層3が成長するためであると思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは先に、特殊な方法を用いて多結晶基材上にa軸とb軸の配向性を良好にしたYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)の中間層を形成し、この中間層上に酸化物超電導層を成膜するならば、良好な臨界電流密度を発揮する酸化物超電導導体を製造可能なことを見出し、この技術に関し、特願平4−293464号明細書、特願平8−214806号明細書、特願平8−272606号明細書、特願平8−272607号明細書などにおいて特許出願を行っている。
【0007】
これらの特許出願に係る技術は、YSZのターゲットを用いて多結晶基材上に成膜する際に、多結晶基材の被成膜面に対して斜め方向からAr+などのイオン ビームを同時照射するイオンビームアシストを行うことで結晶配向性の悪いYSZの結晶を選択的に除去し、結晶配向性の良好なYSZの結晶を選択的に堆積させることができ、これにより結果的に配向性の優れたYSZの中間層を成膜することができる技術であった。
【0008】
本願発明者らが先に特許出願した技術によれば、a軸およびb軸が良好に配向したYSZの多結晶薄膜を得ることができ、この多結晶薄膜上に形成した酸化物超電導体は良好な臨界電流密度を発揮することを確認することができたので、本願発明者らは更に別の材料から、より好ましい多結晶薄膜層を製造する技術の研究に着手した。
【0009】
ここで図15は、本発明者らが最近において使用している酸化物超電導導体の一例の断面構造を示す。この例の酸化物超電導導体Dは、金属テープの基材5の上にYSZあるいはMgOの配向制御中間層6を先に説明した技術を用いて成膜し、次いでY23の反応防止中間層7を形成し、その上に酸化物超電導層8を形成した4層構造のものである。
【0010】
このような4層構造を採用したのは、Y1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導層を得るためには、スパッタ等の成膜法により目的の組成の酸化物超電導層を成膜した後、数100度に加熱する熱処理を行う必要があり、この熱処理時の加熱によってYSZとY1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導層との間で元素の拡散反応が進行する場合があり、超電導特性が劣化するおそれを有するのでこの拡散反応を防止するためである。ここで、配向制御中間層6を構成するYSZの結晶は立方晶系の結晶構造を有し、Y1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導層はペロブスカイト型と称される結晶構造を有し、いずれも面心立方構造の1種であり、近似する結晶格子を有するが、両結晶格子の間の格子の大きさには5%程度の差異を有する。例えば、YSZの立方格子の角部に位置する原子と立方格子の面の中央部に位置する原子との最隣接原子間距離は3.63Å、Y23の同様の最隣接原子間距離は3.75Å、Y1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導層の同様の最隣接原子間距離は3.81Åであり、Y23がYSZとY1Ba2Cu37-xの中間の値を示すので、格子の大きさの差異を埋めるためにも有利であり、組成も近いので反応防止層としては有利であると考えている。
【0011】
ところが、図15に示すような4層構造では、必要な層の数が大きくなり、製造工程が増加する問題がある。
そこで本発明者らは、金属テープの基材5の上に直に配向性の良好なY23の反応防止中間層7を形成する目的から、本発明者らが先に特許出願したイオンビームアシスト技術を適用して基材5上にY23の反応防止中間層7を成膜してみたが、従来のイオンビームアシスト技術の成膜条件では配向性の良好なY23の反応防止中間層7を成膜することができなかった。
【0012】
ところで、前記酸化物超電導体の応用分野以外において、多結晶体の基材上に各種の配向膜を形成する技術が利用されている。例えば光学薄膜の分野、光磁気ディスクの分野、配線基板の分野、高周波導波路や高周波フィルタ、空洞共振器などの分野であるが、いずれの技術においても基材上に膜質の安定した配向性の良好な多結晶薄膜を形成することが課題となっている。即ち、多結晶薄膜の結晶配向性が良好であるならば、その上に形成される光学薄膜、磁性薄膜、配線用薄膜などの質が向上するわけであり、更に基材上に結晶配向性の良好な光学薄膜、磁性薄膜、配線用薄膜などを直接形成できるならば、なお好ましい。
【0013】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、本発明者らが先に提供しているイオンビームアシスト法を応用し、基材上に配向性の良好なY23などの希土類酸化物C型の多結晶層を形成するべく研究を重ねた結果、完成されたもので、基材の被成膜面に対して直角向きに希土類酸化物C型の酸化物の結晶粒の結晶軸のc軸を配向させることができると同時に、被成膜面と平行な面に沿って希土類酸化物C型の結晶粒の結晶軸のa軸およびb軸を揃えることができ、結晶配向性に優れた希土類酸化物C型の結晶粒の多結晶薄膜を提供すること、および結晶配向性に優れた希土類酸化物C型の結晶粒の多結晶薄膜を備え、結晶配向性に優れた酸化物超電導層を備えた酸化物超電導導体の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、耐熱性の金属テープの多結晶基材の被成膜面上に形成されたYの組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有する酸化物の結晶粒を主体としてなる多結晶薄膜であって前記多結晶基材の被成膜面と平行な面に沿う前記多結晶薄膜の各結晶粒の同一結晶軸が構成する粒界傾角が、30度以下にされてなり、前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃以上、350℃以下の範囲に設定し、イオンソースが発生させるイオンビームとして、Arのイオンビームを用い、前記イオンビームのイオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲に調整し、前記イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積させてなることを特徴とする。
本発明は前記課題を解決するために前記金属テープをNi合金とすることができる。
本発明は前記課題を解決するために前記金属テープを銀、白金、ステンレス鋼、銅のいずれかから形成することができる。
【0016】
本発明の多結晶薄膜の製造方法は前記課題を解決するために、耐熱性の金属テープの多結晶基材の被成膜面上に形成されたYの組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有する酸化物の結晶粒からなり、前記多結晶基材の被成膜面と平行な面に沿う前記結晶粒の同一結晶軸が構成する粒界傾角を30度以下にしてなる多結晶薄膜を製造する方法であり、
前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を金属テープの多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃以上、350℃以下の範囲に設定し、イオンソースが発生させるイオンビームとして、Arのイオンビームを用い、前記イオンビームのイオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲に調整し、前記イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積させることを特徴とする。
本発明の多結晶薄膜の製造方法は前記金属テープをNi合金あるいは銀、白金、ステンレス鋼、銅のいずれかから形成することができる。
本発明の酸化物超電導導体は前記課題を解決するために、先のいずれかに記載の多結晶薄膜を耐熱性の金属テープの多結晶基材上に備え、前記多結晶薄膜上に形成された酸化物超電薄層とを具備してなることを特徴とする。
【0018】
多結晶基材上に形成されたY23などの希土類酸化物C型の多結晶着膜は、その上に酸化物系の超電導層を設けた場合に、従来のYSZの多結晶薄膜よりも種々の点で有利であると考えられる。
第1に、YSZの結晶において主体となるZrO2の格子定数は5.14Åであり、このZrO2の面心立方格子において面の中央に位置する原子と面のコーナ部分に位置する原子の間隔(最隣接原子間距離)は3.63Åであるとすると、Y23の結晶の格子定数が5.3Åであり、最隣接原子間距離は3.75Åとなり、これらに対してY1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導体の最隣接原子間距離が3.9Åであることを考慮し、3.9Åの21/2倍(ルート2倍)が格子定数の5.4〜5.5Åであることを考慮すると、YSZの多結晶薄膜よりもY23の多結晶薄膜の方が結晶の整合性の面では有利であると考えられる。即ち、イオンビームアシスト法を実施して多結晶薄膜の原子を堆積させる際に、最隣接原子間の距離が近いものの方が、原子の正規な堆積がなされ易いものと考えている。また、Y23が希土類酸化物C型の結晶構造であるので、希土類酸化物C型において近似する結晶格子のものとして、Sc23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Yb23、Lu23、Pm23のいずれかの組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有するものを適用できる。
【0019】
次に、本発明者らの研究により、YSZの多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x酸 化物超電導体層との界面は、製造時の加熱処理あるいは熱処理等の熱拡散によってBaZrO3を生じやすいと考えているが、Y23の多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x酸化 物超電導体層との界面は700〜800℃程度の加熱条件では安定なので、この面においてもY23の多結晶薄膜が有望である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の多結晶薄膜を基材上に形成した一実施形態を示すものであり、図1においてAはテープ状の多結晶基材、Bは多結晶基材Aの上面に形成された多結晶薄膜を示している。
前記多結晶基材Aは、例えば板材、線材、テープ材などの種々の形状のものを用いることができ、多結晶基材Aは、銀、白金、ステンレス鋼、銅、ハステロイ等のNi合金などの金属材料や合金、あるいは、各種ガラスあるいは各種セラミックスなどの材料からなるものである。
【0021】
この実施形態の多結晶薄膜Bは、等軸晶系の希土類酸化物C型の結晶構造を有するY23からなる微細な結晶粒20が、多数、相互に結晶粒界を介して接合一体化されてなり、各結晶粒20の結晶軸のc軸は基材Aの上面(被成膜面)に対して直角に向けられ、各結晶粒20の結晶軸のa軸どうしおよびb軸どうしは、互いに同一方向に向けられて面内配向されている。また、各結晶粒20のc軸が多結晶基材Aの(上面)被成膜面に対して直角に配向されている。そして、各結晶粒20のa軸(あるいはb軸)どうしは、それらのなす角度(図2に示す粒界傾角K)を30度以内、例えば25〜30度の範囲内にして接合一体化されている。
【0022】
前記結晶粒20を構成する酸化物は、Y23の外にY23、Sc23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Yb23、Lu23、Pm23などの希土類酸化物C型の酸化物を適用することができる。
前記Y23の結晶格子は、希土類酸化物C型に属するが、この希土類酸化物C型は立方晶系の蛍石構造から誘導されるもので、図3に示すような面心立方構造の単位格子が8個、縦横方向および奥行き方向に整列された場合に、Yの原子が構成する格子の隙間に侵入している酸素原子Oが1個のみ抜ける構造をとる。よってこのY23の格子が8つ重なった状態においてX線分析の分野では単位胞とみなすので単位胞としての格子定数は10.6であるが、単位格子としての格子の幅は5.3Åであり、最近接原子距離(最隣接原子間距離)は3.75Åとなる

【0023】
このY23の単位格子を後述する条件のイオンビームアシスト法により堆積させる際に重要となるのは、最近接原子距離の3.75Åであり、この値がY1Ba2Cu37-xの組成の酸化物超電導体層の格子定数3.81、最近接原子距離3.81Åのうちの、特に最近接原子距離3.81Åに近いことが望ましい。この最近接原子距離においてY1Ba2Cu37-xの組成の酸化物超電導体層に対する最近接原子距離の差異は、Y23の場合に1.5%であるのに対し、YSZが最近接原子距離3.63Åであるので、YSZの場合に4.5%にも達する。
【0024】
この他の希土類酸化物C型の例として、Scの格子定数は9.84、最近接原子距離は3.48Å、Ndの格子定数は11.08、最近接原子距離は3.92Å、Smの格子定数は10.972、最近接原子距離は3.86Å、Euの格子定数は10.868、最近接原子距離は3.84Å、Gdの格子定数は10.813、最近接原子距離は3.82Å、Tbの格子定数は10.73、最近接原子距離は3.79Å、Dyの格子定数は10.665、最近接原子間隔は3.77Å、Hoの格子定数は10.606、最近接原子距離は3.75Å、Er、の格子定数は10.548、最近接原子距離は3.73、Ybの格子定数は10.4347、最近接原子距離は3.69Å、Luの格子定数は10.39、最近接原子距離は3.67Åであるので、これらの酸化物も利用することができる。
【0025】
次に前記多結晶薄膜Bを製造する装置と方法について説明する。
図3は前記多結晶薄膜Bを製造する装置の一例を示すものであり、この例の装置は、スパッタ装置にイオンビームアシスト用のイオンソースを設けた構成となっている。
【0026】
この例の装置は、テープ状の多結晶基材Aを支持するとともに所望の温度に加熱することができる基材ホルダ23と、基材ホルダ23上にテープ状の多結晶基材Aを送り出すための基材送出ボビン24と、多結晶薄膜が形成されたテープ状の多結晶基材Aを巻き取るための基材巻取ボビン25と、前記基材ホルダ23の斜め上方に所定間隔をもって対向配置された板状のターゲット36と、このターゲット36の斜め上方においてターゲット36の下面に向けて配置されたスパッタビーム照射装置38と、前記基材ホルダ23の側方に所定間隔をもって対向され、かつ、前記ターゲット36と離間して配置されたイオンソース39とが真空排気可能な成膜処理容器40内に収容された概略構成となっている。
【0027】
前記基材ホルダ23は、内部に加熱ヒータを備え、基材ホルダ23の上に送り出されたテープ状の多結晶基材Aを必要に応じて所望の温度に加熱できるようになっている。この基材ホルダ23はピン等により支持体23aに回動自在に取り付けられており、傾斜角度を調整できるようになっている。このような基材ホルダ23は、成膜処理容器40内のイオンソース39から照射されるイオンビームの最適照射領域に配設されている。
【0028】
この例の多結晶薄膜の製造装置においては、前記基材送出ボビン24から基材ホルダ23上にテープ状の多結晶基材Aを連続的に送り出し、前記最適照射領域で多結晶薄膜が成膜された多結晶基材Aを基材巻取ボビン25で巻き取ることで多結晶基材A上に連続成膜することができるようになっている。この基材巻取ボビン25は、前記最適照射領域の外に配設されている。
【0029】
前記ターゲット36は、目的とする多結晶薄膜を形成するためのものであり、目的の組成の多結晶薄膜と同一組成あるいは近似組成のものなどを用いる。ターゲット36として具体的には、CeO2を用いる。このようなターゲット36は、ピン等により回動自在に保持されたターゲット支持体36aに取り付けられており、傾斜角度を調整できるようになっている。
【0030】
前記スパッタビーム照射装置(スパッタ手段)38は、容器の内部に、蒸発源を収納し、蒸発源の近傍に引き出し電圧をかけるためのグリッドを備えて構成されているものであり、ターゲット36に対してイオンビームを照射してターゲット36の構成粒子を多結晶基材Aに向けて叩き出すことができるものである。
【0031】
前記イオンソース39は、スパッタビーム照射装置38と略同様の構成のものであり、容器の内部に蒸発源を収納し、蒸発源の近傍に引き出し電圧をかけるためのグリッドを備えて構成されている。そして、前記蒸発源から発生した原子または分子の一部をイオン化し、そのイオン化した粒子をグリッドで発生させた電界で制御してイオンビームとして照射する装置である。粒子をイオン化するには直流放電方式、高周波励起方式、フィラメント式、クラスタイオンビーム方式などの種々のものがある。フィラメント式はタングステン製のフィラメントに通電加熱して熱電子を発生させ、高真空中で蒸発粒子と衝突させてイオン化する方法である。また、クラスタイオンビーム方式は、原料を入れたるつぼの開口部に設けられたノズルから真空中に出てくる集合分子のクラスタを熱電子で衝撃してイオン化して放射するものである。
この形態の多結晶薄膜の製造装置においては、図5(a)に示す構成の内部構造のイオンソース39を用いる。このイオンソース39は、筒状のイオン室45の内部にグリッド46とフィラメント47とArガス、Krガス、Xeガスなどの導入管48とを備えて構成され、イオン室45の先端のビーム口49からイオンをビーム状に略平行に放射できるものである。
【0032】
前記イオンソース39は、図4に示すようにその中心軸線Sを多結晶基材Aの上面(被成膜面)に対して入射角度θ(多結晶基材Aの成膜面(上面)の垂線(法線)Hと中心線Sとのなす角度)でもって傾斜させて対向されている。この入射角度θは50〜60度の範囲が好ましいが、より好ましくは55〜60度の範囲、最も好ましくは55度前後の角度である。従ってイオンソース39は多結晶基材Aの被成膜面の法線Hに対してある入射角度θでもってイオンビームを照射できるように配置されている。このようなイオンビームの入射角度は、本発明者らが先に特許出願している
なお、前記のイオンソース39によって多結晶基材Aに照射するイオンビームは、Arガスのイオンビーム、Krガスのイオンビーム、Xeガスのイオンビーム、あるいは、これらArガスとKrガスとXeガスの2つ以上の組み合わせの混合イオンビーム、例えば、ArガスとKrガスの混合イオンビームを用いることができる。
【0033】
また、前記成膜処理容器40には、この容器40内を真空などの低圧状態にするためのロータリーポンプ51およびクライオポンプ52と、ガスボンベなどの雰囲気ガス供給源がそれぞれ接続されていて、成膜処理容器40の内部を真空などの低圧状態で、かつ、アルゴンガスあるいはその他の不活性ガス雰囲気にすることができるようになっている。
さらに、前記成膜処理容器40には、この容器40内のイオンビームの電流密度を測定するための電流密度計測装置55と、前記容器40内の圧力を測定するための圧力計55が取り付けられている。
なお、この例の多結晶薄膜の製造装置においては、基材ホルダ23をピン等により支持体23aに回動自在に取り付けることにより傾斜角度を調整できるようしたが、イオンソース39の支持部分に角度調整機構を取り付けてイオンソース39の傾斜角度を調整し、イオンビームの入射角度を調整できるようにしても良く、また、角度調整機構はこの例に限るものではなく、種々の構成のものを採用することができるのは勿論である。
【0034】
次に前記構成の装置を用いて多結晶基材A上にY23の多結晶薄膜Bを形成する場合について説明する。
テープ状の多結晶基材A上に多結晶薄膜を形成するには、Y23からなるターゲット36を用い、多結晶基材Aを収納している成膜処理容器40の内部を真空引きして減圧雰囲気とするとともに、基材送出ボビン24から基材ホルダ23に多結晶基材Aを所定の速度で送り出し、さらにイオンソース39とスパッタビーム照射装置38を作動させる。
【0035】
スパッタビーム照射装置38からターゲット36にイオンのビームを照射すると、ターゲット36の構成粒子が叩き出されて多結晶基材A上に飛来する。そして、基材ホルダ23上に送り出された多結晶基材A上にターゲット36から叩き出した構成粒子を堆積させると同時にイオンソース39から、例えば、Kr+イオンのイオンビーム、Xe+イオンのイオンビーム、あるいは、Kr+とXe+イオンの混合イオンビームを照射して 所望の厚みの多結晶薄膜を成膜し、成膜後のテープ状の多結晶基材Aを基材巻取ボビン25に巻き取る。
【0036】
ここでイオンビームを照射する際の入射角度θは、50度以上、60度以下の範囲が好ましく、より好ましくは55度以上、60度以下の範囲、最も好ましくは55度である。ここでθを90度とすると、Y23の多結晶薄膜のc軸が配向しなくなる。また、θを30度とすると、Y23の多結晶薄膜はc軸配向しなくなる。前記のような好ましい範囲の入射角度でイオンビーム照射するならばY23の多結晶薄膜の結晶のc軸が立つようになる。このような入射角度でイオンビーム照射を行ないながらスパッタリングを行なうことで、多結晶基材A上に形成されるY23の多結晶薄膜の結晶軸のa軸どうしおよびb軸どうしは互いに同一方向に向けられて多結晶基材Aの上面(被成膜面)と平行な面に沿って面内配向している。
【0037】
また、Y23などの希土類酸化物C型の多結晶薄膜Bの成膜の際、アシストイオンビームの照射角度以外に、多結晶基材Aの温度とアシストイオンビームのイオンビームエネルギーを規定の範囲内に設定する必要がある。
多結晶基材Aの温度は200℃以上、400℃以下が好ましく、この範囲の中でも250℃以上、350℃以下の範囲がより好ましく、300℃が最も好ましい。
【0038】
イオンビームエネルギーは100eV以上、300eV以下が好ましく、125eV以上、175eV以下がより好ましく、150eVが最も好ましい。
これらの範囲の温度とイオンビームエネルギーでイオンアシスト法により多結晶基材A上に成膜することで初めて希土類酸化物C型のY23等の多結晶薄膜Bを良好な配向性でもって成膜することができる。
図1と図2に、前記の方法でY23の多結晶薄膜Bが堆積された多結晶基材Aを示す。なお、図1では結晶粒20が1層のみ形成された状態を示しているが、結晶粒20は多層構造でも差し支えないのは勿論である。
【0039】
なお、この多結晶薄膜Bの結晶配向性が整う要因として本発明らは、以下のことを想定している。
の多結晶薄膜Bの結晶の単位格子は、図5(b)に示すように等軸晶系の面心立方晶系の希土類酸化物C型構造であり、この結晶格子においては、基板法線方向が<100>軸であり、他の<010>軸と<001>軸はいずれも図(b)に示す方向となる。これらの方向に対し、基板法線に対して斜め方向から入射するイオンビームを考慮すると、図5(b)の原点Oに対して単位格子の対角線方向、即ち、<111>軸に沿って入射する場合は54.7度の入射角度となる。ここで前記 のように入射角度50〜60度の範囲で良好な結晶配向性を示すことは、イオンビームの入射角度が前記54.7度と一致するかその前後になった場合、イオン チャンネリングが最も効果的に起こり、多結晶基材A上に堆積している結晶において、多結晶基材Aの上面で前記角度に一致する配置関係になって安定した原子のみが選択的に残り易くなり、その他の乱れた原子配列で不安定なものはイオンビームのスパッタ効果によりスパッタされて除去される結果、配向性の良好な原子の集合した結晶のみが選択的に残って堆積してゆくものと推定している。ただし、このイオンビームチャネリングに伴うイオンビームスパッタ効果は、形成しようとするYの多結晶薄膜に対してAr+イオンのイオンビーム、Krイオンのイオンビーム、Xeイオンのイオンビームあるいは、これらのうちのArとKrの混合イオンビームが効果的である。
また、以上のような条件でYの多結晶薄膜Bの成膜を行っても、成膜時の多結晶基材Aの温度とイオンビームアシスト時のイオンビームのエネルギーを前述の規定の範囲内に設定しなければ、良好なイオンビームチェネリング効果が得られない。よって、前述のイオンビームアシスト角度と多結晶基材Aの温度とイオンビームエネルギーの3つの条件を全て規定の条件内に揃えて成膜する必要がある。
【0040】
次に、図6と図7は本発明に係る酸化物超電導導体の一実施形態を示すものであり、本実施例の酸化物超電導導体22は、板状の多結晶基材Aと、この多結晶基材Aの上面に形成された多結晶薄膜Bと、多結晶薄膜Bの上面に形成された酸化物超電導層Cとからなっている。
前記多結晶基材Aと多結晶薄膜Bは先の例において説明した材料と同等の材料から構成され、多結晶薄膜Bの結晶粒20は、図1と図2に示すように粒界傾角30度以内、好ましくは25〜30度になるように結晶配向されている。
【0041】
次に、酸化物超電導層Cは、Y23の多結晶薄膜Bの上面に被覆されたものであり、その結晶粒21のc軸は多結晶薄膜Bの上面に対して直角に配向され、その結晶粒21…のa軸とb軸は先に説明した多結晶薄膜Bと同様に基材上面と平行な面に沿って面内配向し、結晶粒21どうしが形成する粒界傾角K’は30度以内にされている。
この酸化物超電導層を構成する酸化物超電導体は、Y1Ba2Cu37-x、Y2Ba4Cu8x、Y3Ba3Cu6xなる組成、あるいは(Bi,Pb)2Ca2Sr2C u3x、(Bi,Pb)2Ca2Sr3Cu4xなる組成、あるいは、Tl2Ba2Ca2Cu3x、Tl1Ba2Ca2Cu3x、Tl1Ba2Ca3Cu4xなる組成な どに代表される臨界温度の高い酸化物超電導体であるが、こられの例の他の酸化物系の超電導体を用いても良いのは勿論である。
【0042】
前記酸化物超電導層Cは、例えば、先に説明した多結晶薄膜B上にスパッタリングやレーザ蒸着法などの成膜法により形成され、この多結晶薄膜B上に積層される酸化物超電導層もY23等の希土類酸化物C型の多結晶薄膜Bの配向性に整合するように堆積するので、多結晶薄膜B上に形成された酸化物超電導層は、結晶粒界における量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が殆どないので、多結晶基材Aの長さ方向に電気を流し易くなり、MgOやSrTO3の単結晶基材上に形成して得られる酸化物超電導層と同じ程度の十分に高い臨界電流密度が得られる。
【0043】
ところで、多結晶薄膜Bの構成材料として、YSZよりもY23の方が好ましく、そのためYSZの多結晶薄膜上に酸化物超電導層を設けたものよりも、Y23の多結晶薄膜上に酸化物超電導層を設けたもののほうが高温(700〜800℃)での熱処理に強く、しかも、YSZの多結晶薄膜上に設けた場合と同等の優れた臨界電流密度を示す。特に、膜厚が大きくなった場合に熱処理等の加熱処理を経ても臨界電流密度の低下割合が少なく、臨界電流の高い超電導導体を得ることができる。
【0044】
その理由は以下に説明することが起因していると考えられる。
第1に、先に記載した如く、YSZの多結晶薄膜よりも最隣接原子間距離の面で酸化物超電導層に近い最隣接原子間距離を有するY23の多結晶薄膜の方が結晶の整合性の面では有利である。
次に本発明者らの研究により、YSZの多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x酸化 物超電導体層の界面は製造時の加熱処理や熱処理時等の熱拡散によりBaZrO3を生じやすいことがわかっており、Y23の多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x 酸化物超電導体層との界面は700〜800℃程度の加熱条件では安定なので、元素の相互拡散はほとんど生じることがなく、この面においてもY23の多結晶薄膜が有望である。
【0045】
更に、YSZは温度によって立方晶〜斜方晶の相移転が起こるが、Y23の場合は相移転を起こさないので有望であり、また、酸素原子との結合強度を考えても、Y23はYSZよりも酸素原子と結合し易いので、成膜時に酸素分圧を少なくしても十分に成膜可能であり、装置に対する負担も少ない特徴があるので有望である。
【0046】
次に酸化物超電導層Cを形成する装置について説明する。
図8は酸化物超電導層を成膜法により形成する装置の一例を示すもので、図8はレーザ蒸着装置を示している。
この例のレーザ蒸着装置60は処理容器61を有し、この処理容器61の内部の蒸着処理室62にテープ状の多結晶基材Aとターゲット63を設置できるようになっている。即ち、蒸着処理室62の底部には基台64が設けられ、この基台64の上面に多結晶基材Aを水平状態で設置できるようになっているとともに、基台64の斜め上方に支持ホルダ66によって支持されたターゲット63が傾斜状態で設けられ、多結晶基材Aをドラム状のテープ送出装置65aから基台64上に送り出し、これをドラム状のテープ巻取装置65aに巻き取ることができるように構成されている。
処理容器61は、排気孔67aを介して真空排気装置67に接続されて内部を所定の圧力に減圧できるようになっている。
【0047】
前記ターゲット63は、形成しようとする酸化物超電導層Cと同等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体あるいは酸化物超電導体などの板体からなっている。
前記基台64は加熱ヒータを内蔵したもので、多結晶基材Aを所望の温度に加熱できるようになっている。
【0048】
一方、処理容器61の側方には、レーザ発光装置68と第1反射鏡69と集光レンズ70と第2反射鏡71とが設けられ、レーザ発光装置68が発生させたレーザビームを処理容器61の側壁に取り付けられた透明窓72を介してターゲット63に集光照射できるようになっている。レーザ発光装置68はターゲット63から構成粒子を叩き出すことができるものであれば、YAGレーザ、CO2レ ーザ、エキシマレーザなどのいずれのものを用いても良い。
【0049】
次に前記YSZの多結晶薄膜Bの上に、酸化物超電導層Cを形成する場合について説明する。
前記のように多結晶基材A上にY23の多結晶薄膜Bを形成したならば、この多結晶薄膜B上に酸化物超電導層を形成する。酸化物超電導層を多結晶薄膜B上に形成する場合、この実施形態では図8に示すレーザ蒸着装置60を使用する。
【0050】
多結晶薄膜Bが形成された多結晶基材Aを図8に示すレーザ蒸着装置60の基台64上に設置し、蒸着処理室62を真空ポンプで減圧する。ここで必要に応じて蒸着処理室62に酸素ガスを導入して蒸着処理室62を酸素雰囲気としても良い。また、基台64の加熱ヒータを作動させて多結晶基材Aを所望の温度に加熱する。
【0051】
次にレーザ発光装置68から発生させたレーザビームを蒸着処理室62のターゲット63に集光照射する。これによってターゲット63の構成粒子がえぐり出されるか蒸発されてその粒子が多結晶薄膜B上に堆積する。ここで構成粒子の堆積の際にY23の多結晶薄膜Bが予めc軸配向し、a軸とb軸でも配向しているので、多結晶薄膜B上に形成される酸化物超電導層Cの結晶のc軸とa軸とb軸も多結晶薄膜Bに整合するようにエピタキシャル成長して結晶化する。これによって結晶配向性の良好な酸化物超電導層Cが得られる。
【0052】
前記多結晶薄膜B上に形成された酸化物超電導層Cは、多結晶状態となるが、この酸化物超電導層Cの結晶粒の1つ1つにおいては、図6に示すように多結晶基材Aの厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配向し、多結晶基材Aの長手方向にa軸どうしあるいはb軸どうしが配向している。従って得られた酸化物超電導層は結晶粒界における量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が少ないので、多結晶基材Aの面方向に電気を流し易く、臨界電流密度の優れたものが得られる。なお、更に超電導層Cの結晶配向性や膜質を安定化するために、700〜800℃に必要時間加熱してから冷却する熱処理を施しておくことが好ましい。
【0053】
【実施例】
図4に示す構成の多結晶薄膜の製造装置を使用し、この製造装置の成膜処理容器内部をロータリーポンプおよびクライオポンプで真空引きして3.0×10-4 トール(399.9×10-4Pa)に減圧した。テープ状の基材としては、幅10mm、厚さ0.5mm、長さ100cmの表面鏡面研磨済みのハステロイC276テープを使用した。また、ターゲットはY23製のものを用い、スパッタ電圧1000V、スパッタ電流100mA、イオンソースから発生させるKr+のイオンビームの入射角度を基材の被成膜面の法線に対して55度に設定し、イオンビームの搬送距離40cmに設定し、イオンソースのアシスト電圧を150eVに、イオンソースの電流密度を100μA/cm2に設定し、基材テープの温度を300℃に設定し、雰囲気中に1×10-4トール(133.3×10-4Pa)の酸素を流し、基材上にターゲットの構成粒子を堆積させると同時にイオンビームを照射して厚さ1.0μmの膜状のY23の多結晶薄膜を形成した。
【0054】
得られたY23の多結晶薄膜について、CuKα線を用いたθ−2θ法によるX線回折試験を行った結果、Y23の<200>方向を基にする極点図を求めた結果を図9に示す。図9に示す極点図から、Y23の多結晶薄膜が良好な配向性でもって配向していることが明らかであり、図9の極点図から求めたY23の多結晶薄膜の粒界傾角は27度である。
【0055】
次に、Y23の多結晶薄膜の成膜条件を確認するために、Ar+のイオンビームエネルギーとテープ基材の温度を調整した場合に得られたY23の多結晶薄膜の配向性について試験した結果を以下に示す。
【0056】
次に、Y23の多結晶薄膜の(400)ピークの高さを基材温度毎に測定した結果を図10に示す。
この(400)ピークの高さが高いならば、Y23の多結晶薄膜のC軸、即ち垂直軸の配向が確保されていることを意味する。このことから、Y23の多結晶薄膜の垂直軸の配向を確保するためには、200℃以上、かつ、400℃以下の基材温度、好ましくは250℃以上、350℃以下、最も好ましくは300℃とする必要があることがわかる。
【0057】
次に図11はY23の多結晶薄膜の(400)ピークの高さをイオンビームエネルギー毎に測定した結果を示す。
図11に示す結果から、イオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲にすることでY23の多結晶薄膜の垂直軸の配向を確保できることが明らかであり、より好ましくは125℃以上、175℃以下、最も好ましくは150℃にすることが必要であることがわかる。なお、図11に示す(400)ピークについては、図12に示すようなY23の(400)ピークを試料毎に求め、それらピークをまとめたものを示す。
【0058】
次に、以下の表1に示すイオンビームエネルギー条件と基材温度条件においてY23の多結晶薄膜を成膜し、各多結晶薄膜の極点図を求めた場合に、極点図から得られた粒界傾角を示す。
Figure 0004131771
【0059】
表1に示す結果において、×印は極点図の模様が図9のように収束することなく一様に広がってしまい、粒界傾角を測定不能であったことを示す。この表1に示す結果から、粒界傾角30°以下のY23の多結晶薄膜を得るためには、135eV以上、175eV以下のAr+エネルギーとする必要があり、基材温度は250℃以上、350℃以下とする必要があることが判明した。
【0060】
図13は前記Y23の多結晶薄膜を製造する場合、イオンビーム入射角度以外の条件は先の条件で行い、イオンビーム入射角度のみを変更して試料を製造した場合に、イオンビームの入射角度と得られた多結晶薄膜の結晶配向性の関連性を示すものである。
イオンビームの入射角度については、50度以上、60度以下の範囲において結晶配向性が優れることが明らかである。これらの範囲を外れた試料においては極点図の模様が収束する範囲が見られず、半値全幅の値を測定することができなかった。
【0061】
次に、前記のY23多結晶薄膜上に図8に示す構成のレーザ蒸着装置を用いて酸化物超電導層を形成した。ターゲットとして、Y1Ba2Cu37-xなる組成の酸化物超電導体からなるターゲットを用いた。また、蒸着処理室の内部を1×10-6トール(133.3×10-6Pa)に減圧し、室温にてレーザ蒸着を行なった。ターゲット蒸発用のレーザとして波長193nmのArFレーザを用いた。その後、400゜Cで60分間、酸素雰囲気中において熱処理した。得られた酸化物超電導体は幅1.0cm、長さ100cmのものである。
膜厚(μm) 1
Jc(A/cm2) 4.0×105
Ic(A) 40
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、粒界傾角が30度以下の結晶配向性に優れたY の組成式で示される希土類酸化物C型の結晶粒からなる多結晶薄膜が耐熱性の金属テープ上に形成されたものであるので、その上に形成される種々の薄膜の下地層として好適であり、形成する薄膜が超電導層であるならば、超電導特性に優れたものが得られ、形成する薄膜が光学薄膜であるならば光学特性に優れ、形成する薄膜が磁性薄膜であるならば磁気特性に優れ、形成する薄膜が配線用薄膜であるならば配線抵抗や欠陥の少ない薄膜を得ることができる。
また、前記組成式で示される結晶粒からなる多結晶薄膜であって、前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃以上、350℃以下の範囲に設定し、イオンソースが発生させるイオンビームとして、Arのイオンビーム、Krのイオンビーム、Xeのイオンビーム、あるいはArとKrの混合イオンビームのいずれかを用い、前記イオンビームのイオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲に調整し、前記イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積させてなる多結晶薄膜であるならば、その上に形成される種々の薄膜の下地層として好適であり、形成する薄膜が超電導層であるならば、超電導特性に優れたものが得られ、形成する薄膜が光学薄膜であるならば光学特性に優れ、形成する薄膜が磁性薄膜であるならば磁気特性に優れ、形成する薄膜が配線用薄膜であるならば配線抵抗や欠陥の少ない薄膜を得ることができる。
用いる多結晶基材としてNi合金の耐熱性の金属テープを用いることができ、金属テープ上に前述の希土類酸化物C型の結晶粒からなる多結晶薄膜を備えたものを得ることができる。また、耐熱性の金属テープとして、銀、白金、ステンレス鋼、銅のいずれかを用いることもできる。
【0063】
本発明の製造方法において、 の組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有する酸化物の結晶粒からなり、粒界傾角を30度以下にしてなる多結晶薄膜を製造する方法であり、前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃〜350℃の範囲に設定し、Arのイオンビーム、Krのイオンビーム、XeのイオンビームあるいはArとKrの混合イオンビームを用い、イオンビームエネルギーを100〜300eVに調整し、イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を多結晶基材上に堆積させることで、従来技術では耐熱性の金属テープ上に良好な配向性でもって直接成膜不可能であった前述の希土類酸化物C型の多結晶薄膜を備えた多結晶薄膜を得ることができる。
次に本発明方法においては、耐熱性の金属テープの多結晶基材上にYのターゲットの粒子を堆積させる際に同時にArイオンビームの照射条件として、基材を250〜350℃、Arイオンビームエネルギーを100〜300eV、Arイオンビームの入射角度を被成膜面の法線に対して50〜60度とするので、従来技術では耐熱性の金属テープの多結晶基材上に良好な配向性でもって直接成膜不可能であったYの多結晶薄膜を備えたものを得ることができる。
耐熱性の金属テープの多結晶基材上に直接Yの多結晶薄膜を得ることができるので、更にYSZ多結晶薄膜と積層する必要はなくなり、耐熱性の金属テープの多結晶基材上に結晶配向性の良好な膜を形成する場合の積層数を削減して工程の簡略化に寄与する。
【0064】
に、前記のような結晶配向性に優れたYの多結晶薄膜上に酸化物超電導層を成膜するならば、結晶配向性に優れた酸化物超電導層を形成できるので、高い臨界電流密度を示し、臨界電流値の高い酸化物超電導層を得ることができる。これは、Yの多結晶薄膜であるならば、YSZの多結晶薄膜の場合よりも更に酸化物超電導層との結晶整合性に優れているので、YSZの多結晶薄膜を用いる場合よりも更に良好な結晶配向性の酸化物超電導層を得ることができる可能性を有するためである。
更に本発明では、Yの多結晶薄膜を耐熱性の金属テープの多結晶基材上に直接形成することができるので、従来技術では酸化物超電導層の形成後の熱処理を勘案してYSZとYの2重積層膜にしていたのに対し、本発明では酸化物超電導導体としての積層数を少なくして工程の簡略化を図ることができる。
【0065】
次に、本発明者らの研究により、YSZの多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x酸 化物超電導体層との界面は製造時の熱処理時等の熱拡散によってBaZrO3を 生じやすいが、Y23の多結晶薄膜とY1Ba2Cu37-x酸化物超電導体層との界面は700〜800℃程度の加熱条件では安定であることが判明しているので、この面においてもY23の多結晶薄膜が有利であり酸化物超電導層形成後の熱処理を施しても超電導特性の劣化の生じにくい酸化物超電導導体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明方法により形成された多結晶薄膜の一例の一部を断面とした斜視図である。
【図2】 図2は図1に示す多結晶薄膜の結晶粒とその結晶軸方向および粒界傾角を示す拡大平面図である。
【図3】 図3はY23の多結晶薄膜の結晶格子を示す概念図である。
【図4】 図4は本発明に係る多結晶薄膜を製造する装置の一例を示す構成図である。
【図5】 図5(a)は図4に示す装置のイオンソースの一例を示す構成図であり、図5(b)はイオンビーム入射角度についての説明図である。
【図6】 図6は図1に示す多結晶薄膜の上に形成された酸化物超電導層を示す構成図である。
【図7】 図7は図6に示す酸化物超電導層の結晶粒とその結晶軸方向および粒界傾角を示す拡大平面図である。
【図8】 図8は図1に示す多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成するための装置の一例を示す構成図である。
【図9】 図9は実施例で製造したY23の多結晶薄膜の極点図である。
【図10】 図10は実施例で製造したY23の多結晶薄膜において基材温度とY23(400)ピークの関係を示す図である。
【図11】 図11は実施例で製造したY23の多結晶薄膜においてイオンビームエネルギーとY23(400)ピークの関係を示す図である。
【図12】 図12は実施例で得られたY23の多結晶薄膜の(400)ピークを示すX線回折図である。
【図13】 図13は実施例で得られたY23の多結晶薄膜を製造する際のイオンビーム入射角度と結晶配向性の関連性を示す図である。
【図14】 図14は従来の装置で製造された多結晶薄膜を示す構成図である。
【図15】 図15は従来の酸化物超電導導体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
A・・・多結晶基材、B・・・多結晶薄膜、C・・・酸化物超電導層、K、K’・・・粒界傾角、θ…入射角度、20・・・結晶粒、21・・・結晶粒、22・・・酸化物超電導導 体、36・・・ターゲット、 39・・・イオンソース。

Claims (6)

  1. 耐熱性の金属テープの多結晶基材の被成膜面上に形成されたYの組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有する酸化物の結晶粒を主体としてなる多結晶薄膜であって前記多結晶基材の被成膜面と平行な面に沿う前記多結晶薄膜の各結晶粒の同一結晶軸が構成する粒界傾角が、30度以下にされてなり、
    前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃以上、350℃以下の範囲に設定し、イオンソースが発生させるイオンビームとして、Arのイオンビームを用い、前記イオンビームのイオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲に調整し、前記イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積させてなることを特徴とする多結晶薄膜。
  2. 前記金属テープがNi合金からなることを特徴とする請求項1に記載の多結晶薄膜。
  3. 前記金属テープが銀、白金、ステンレス鋼、銅のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の多結晶薄膜。
  4. 耐熱性の金属テープの多結晶基材の被成膜面上に形成されたYの組成式で示される希土類酸化物C型の結晶構造を有する酸化物の結晶粒からなり、前記多結晶基材の被成膜面と平行な面に沿う前記結晶粒の同一結晶軸が構成する粒界傾角を30度以下にしてなる多結晶薄膜を製造する方法であり、
    前記多結晶薄膜の構成元素のターゲットから発生させた構成粒子を多結晶基材上に堆積させる際に、多結晶基材の温度を250℃以上、350℃以下の範囲に設定し、イオンソースが発生させるイオンビームとして、Arのイオンビームを用い、前記イオンビームのイオンビームエネルギーを100eV以上、300eV以下の範囲に調整し、前記イオンビームを基材の被成膜面の法線に対して50度以上、60度以下の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積させることを特徴とする多結晶薄膜の製造方法。
  5. 前記金属テープがNi合金あるいは銀、白金、ステンレス鋼、銅のいずれかからなることを特徴とする請求項4に記載の多結晶薄膜の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶薄膜を耐熱性の金属テープの多結晶基材上に備え、前記多結晶薄膜上に形成された酸化物超電薄層とを具備してなることを特徴とする酸化物超電導導体。
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