JP4131438B2 - 自動車の傾倒可能な背もたれの非鎖錠を通報する表示装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載の自動車の傾倒可能な背もたれの非鎖錠を通報する表示装置に関する。

傾倒可能な背もたれを持つ乗用自動車は以前から公知である。若干のモデルでは背もたれが分割されているので、必要に応じて部分的に又は全幅で傾倒させることができる。背もたれ又は背もたれ部分の拘束は鎖錠機構によって行われ、これらの鎖錠機構は、操作ボタン及びこれに結合される機械的伝達手段例えばボーデンケーブル、導杆及びレバーを介して解錠可能である。その場合背もたれ又は背もたれの部分範囲は、積載面積を増大するため前方へ傾倒可能である。使用位置に復旧するため、背もたれは戻される。その際利用者が目で見て背もたれが規則正しく鎖錠されていることを確信しても、背もたれが鎖錠機構に全く又は不完全にしかはまっていないことが起こる。ここでは背もたれを引張ることだけが絶対的な確実性を与えることができるであろう。しかしこの検査は便利さの点で行われないことが多い。全く又は規則正しく鎖錠されない背もたれは、乗客にとって致命的な危険となることがある。なぜならば、追突事故又は強い制動の場合、荷物室に保管されている砲弾のような物体が客室へ侵入することになるからである。

これらの結果を回避するため、後部座席の背もたれが全く又は規則正しく鎖錠されていないことを運転者に通報する表示装置が開発されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０２３０６３７号明細書はこのような表示装置を開示している。この装置は、背もたれが鎖錠されない場合この状態を点灯により通報する照明装置から成っている。この通報装置のほかに、操作素子も非鎖錠状態の表示に用いられる。鎖錠位置において操作素子の上端は、背もたれ上縁に載る枠で終わっている。背もたれを解錠するため、操作素子が上方へ引張られる。この状態で操作素子は背もたれ上縁から突出し、背もたれが解錠されている場合この状態に留まる。

自動車の傾倒可能な背もたれの非鎖錠を通報する表示装置は、特開２００１−９７０９９号公報に開示されている。この公知の解決策では、操作ボタンの横に、背もたれの非鎖錠を通報する別個の表示装置が存在する。

本発明の課題は、このような付加的表示装置なしにすることである。

本発明によればこの課題は、請求項１の特徴を持つ自動車の傾倒可能な背もたれの非鎖錠を通報する表示装置によって解決される。

ここで背もたれを鎖錠するためハウジングへ押込まれる操作ボタンが、背もたれの非鎖錠を通報する表示装置として同時に利用される。この操作ボタンは、従来技術によれば、圧縮ばねにより鎖錠位置へ予荷重をかけられ、操作ボタンが鎖錠位置を越えてハウジングから押出されるのを、ストッパが阻止している。本発明によれば、このストッパが解錠過程により圧縮ばねの作用方向に移動せしめられるので、圧縮ばねが、操作ボタンを鎖錠位置におけるより今や著しく大きく押出すことができる。

本発明の有利な構成は、従属請求項からわかる。実施例により本発明が以下に詳細に説明される。

個々の実施例に立入る前に、まず本発明のすべての実施例に共通な特徴が説明される。

自動車の図示しない傾倒可能な背もたれを解錠する操作装置１は、背もたれの上部範囲でその保持構造体に取付けられているハウジング２に収容されている。ハウジング２の上端において、操作ボタン３が軸線方向に二重矢印４の方向に案内されている。ハウジング２上にはスカート５がはめられ、同様に操作ボタン３の軸線方向案内に役立ち、ハウジング２の取付けの際そのフランジ範囲５．１か背もたれの覆い上に載る。圧縮ばね６は、操作ボタン３に図１，４及び７に示す鎖錠位置へ予荷重をかけ、この鎖錠位置で操作ボタン３の上面３．１が、スカート５のフランジ範囲３．１と同一面をなして終っている。

ハウジング２は更に鎖錠機構７を収容している。この鎖錠機構７は、それぞれハウジング固定軸１０及び１１の周りに揺動可能にハウジング２内に支持される回転掛け金８及び止め爪９から成っている。鎖錠状態（図１，４及び７）で、回転掛け金８に形成される口１２が、ハウジング２の側壁２．１の湾入部１４へ入り込んでいる枠固定の弓形片１３を上から包囲している。回転掛け金８のこの鎖錠位置を確保する止め爪９は、回転軸１１から遠い方の端部に突起１５を持ち、この突起１５が回転掛け金８のそれに合わせて形成された溝１６にはまっている。止め爪９及び回転掛け金８は、引張りばね１７により互いに近づくように予荷重をかけられ、この引張りばね１７の端部は止め爪９及び回転掛け金８の適当な取付け点１８，１９に掛けられている。口１２が枠固定の弓形片１３を釈放する解錠位置（図３，６及び９）への回転掛け金８の揺動は、まず止め爪９が反時計方向に揺動される時にのみ可能である。この揺動は、ハウジング２１の操作ボタン３の押込みによって開始され、操作ボタン３は伝達手段により止め爪９に結合されている。この伝達手段は実施例毎に異なっており、以下に説明される。

図１〜３による実施例では、伝達手段は綱ループ２１から成り、その両端に締付けられる靴形片２１は、止め爪９の回転軸１１から遠い方の端部に設けられるピン２２に揺動可能に掛けられている。綱ループ２０はハウジング固定の転向片（転向ピン）２３の周りに導かれ、それにより辺２０．１及び辺２０．２が形成されている。

辺２０．２上には、操作ボタン３の下端に設けられる室２５内にボーデンケーブルのように掛けられているカム２４が、移動不可能にはまっている。鎖錠位置で両方の辺２０．１及び２０．２は緊張しているので、室２５内に掛けられているカム２４は、操作ボタン３に対するストッパとして役立つ。一端をハウジング固定の段部２６に支持されかつ他端を操作ボタン３の下側に支持される圧縮ばね６により、操作ボタン３が図１に示す鎖錠位置より大きくハウジング２から押出されるのを、カム２４が防止している。鎖錠位置で操作ボタン３の上面３．１は、スカート５のフランジ部分５．１と同一面をなして終っている。

背もたれを解錠するため、図２に示すように、圧縮ばね６の力に抗して操作ボタン３をハウジング２へ押込まねばならない。この押込み運動によりカム２４が連行され、即ち辺２０．１へ引張り力が及ぼされるので、止め爪９が軸１１の周りに反時計方向に揺動する。それにより止め爪９の突起１５が回転掛け金８の溝１６から出て、図２からわかるように回転掛け金８の突起２７上に載る。この状態で、操作ボタン３を更に押込むことは必要でない。なぜならば、引張りばね１７が回転掛け金８の引続く開放を引受けるからである。それから回転掛け金８の突起２７は、止め爪９を更に揺動させながら，止め爪９の下側に沿って反時計方向に回転軸１１の方へ滑って、止め爪９の溝２８へ入り込み、それにより回転掛け金８の解錠位置が固定される。鎖錠位置から解錠位置への回転掛け金８の揺動により、弓形片１３は回転掛け金８の口１２から釈放されるので、背もたれは前方へ傾倒可能である。

解錠過程において止め爪９の揺動により、ピン２２従って綱ループ２０即ちカム２４も、背もたれが鎖錠された状態（図１）と比較して、圧縮ばね６の作用方向に上方へ更に移動される。従って圧縮ばね６は、カム２４によりもはや保持されない操作ボタン３を通報位置へ押圧し、この通報位置で操作ボタン３は、鎖錠位置におけるより大きくハウジング２又はスカート５から突出する。通報作用を更に高めるため、上面３．１を除いて操作ボタン３を赤く着色するのがよい。圧縮ばね６が操作ボタン３をハウジング２から完全に押出すのを防止するため、ハウジングに固定したストッパ２９が設けられ、操作ボタン３の下部角形曲げ部３０又はカム２４のケース２５の上面２５．１が、通報位置でストッパ２９に当接する。

背もたれが使用位置へ戻されると、枠固定の弓形片１３が回転掛け金８の口１２の乗上げ面１２．１へ当たる。それにより回転掛け金８が時計方向に揺動し、その突起２７が止め爪９の下側に沿って滑り、それから止め爪９の突起１５が再び回転掛け金８の溝１６へ入り込み、それにより図１による鎖錠状態が再び得られる。背もたれが鎖錠されておらず、従って枠固定の弓形片１３が回転掛け金８の口１２へはまっていないと、スカート５から突出する操作ボタン３は、背もたれが規則正しく鎖錠されていないことを通報する。

図４〜６による実施例では、伝達手段が双腕揺動片３１及び伝達バー３２により形成されている。双腕揺動片３１はハウジングに固定した軸３３に揺動可能に支持されている。この双腕揺動片３１の一方の腕３１．１の端部に、伝達レバー３２の一端が支点３４を介して関節結合されている。伝達レバー３２の他端は、支点３５を介して、軸１１から遠い方にある止め爪９の端部に関節結合されている。

双腕揺動片３１は、その両方の腕３１．１及び３１．２の端部にストッパ３６，３７即ち保持ストッパ及び操作ストッパを持っている。操作ボタン３が鎖錠位置にあると、ストッパ３７は操作ボタン３の下側に当接し、ストッパ３６は操作ボタン３の角形曲げ部３８の上に載っている。

鎖錠機構７を解錠するため、図５に示すように、操作ボタン３が圧縮ばね６の力に抗してハウジング２へ押込まれる。操作ボタン３のこの押込み運動により、双腕揺動片３１が、操作ボタン３の下側に当接するストッパ３７により、反時計方向に揺動される。この揺動運動により、一方ではストッパ３６が双腕揺動片３１の他方の腕３１．１により上方へ移動され、他方では伝達しレバー３２へ引張り力が及ぼされ、この引張り力が止め爪９へ伝達されるので、止め爪９が反時計方向に揺動される。その場合引続く解錠過程は、先の実施例について説明したのと同じように行われる。

解錠過程により、ストッパ３６は、鎖錠位置（図４）における位置と比較して、上方へ圧縮ばね６の作用方向に移動される。操作ボタン３が釈放されると、圧縮ばね６が、ストッパ３６へ向かって上方へ、操作ボタン３をハウジング２から図６による通報位置へ押出す。

背もたれを使用位置へ戻すと、規則正しい鎖錠の場合、図４による初期状態が再び自動的に現われる。

図７〜９による実施例では、伝達手段は２つの伝達レバー３９，４０から成っている。伝達レバー３９は、ハウジング２の軸線方向案内部４１に、操作ボタン３の操作方向に案内されている。操作ボタン３が鎖錠位置にあると、伝達レバー３９の上端は操作ボタン３の下側に当接するか、又は図７からわかるように、操作ボタン３の下側から少し離れて設けられている。伝達レバー３９の他端には、支点４２を介して伝達レバー４０の一端が関節結合され、伝達レバー４０の他端は、支点４３を介して、この実施例では双腕に構成された止め爪９の一方のレバー腕９．１の端部に関節結合されている。レバー腕９．１は止め爪９のレバー腕９．２に対して正反対に延び、先の実施例におけるように、突起１５がこの止め爪９に形成されている。

止め爪９のレバー腕９．２の端部に、連結片４４を介して緩衝器４５が関節結合されている。この緩衝器４５は、通常のようにハウジング４６，その中に設けられる圧縮ばね４７及びピストン棒４８から成っている。ピストン棒４８の端部は、別の連結片４９を介して操作ボタン３に関節結合されている。運動学的に明白な運動を行うため、緩衝器４６は全体をハウジング固定案内部５０内に案内されているので、緩衝器が連結片４４及び４９の所で首振り運動することはない。

ハウジング４６へ入り込むピストン棒４８の端部には円板４８．１が形成され、この円板に圧縮ばね４７の一端が支持されている。圧縮ばね４７の他端はハウジング４６の下端面４６．２に直接当接している。鎖錠位置で圧縮ばね４７が、ピストン棒４８の円板４８．１をハウジング４６の上端面４６．１へ押付けている。円板４８．１と端面４６．１から成る対は、従ってストッパを形成して、圧縮ばね４７により操作ボタン３が鎖錠位置（図７）を越えてハウジング２から押出されるのを防止している。

止め爪９における上述の相違を除いて先の実施例の鎖錠機構７と一致する鎖錠機構７を解錠するため、図８からわかるように、操作ボタン３がハウジング２へ押込まれる。それにより一方では伝達レバー３９，４０を介して止め爪９が反時計方向に揺動され、他方では緩衝器４５の圧縮ばね４７が負荷される。圧縮ばね４７のこの負荷は２つの運動により、即ち一方では操作ボタン３の押込み従ってハウジング４６へのピストン棒４８の押込みにより、他方では止め爪９の揺動運動により行われ、それにより緩衝器４５は全体として案内部５０内で上方へ移動される。上方への緩衝器４５のこの移動は、前の実施例と一致する解錠過程の運動により続行される。操作ボタン３の釈放後、緩衝器４５の圧縮ばね４７が伸び、それによりピストン棒４８がハウジング４６から押出される。この運動は連結片４９を介して操作ボタン３へ伝達されるので、操作ボタン３はハウジング２から通報位置へ出る。操作ボタン３のこの通報位置は、円板４８．１が緩衝器４５のハウジング４６の上端面４６．１へ当たることによって規定されている（図９）。

図７による鎖錠状態は、背もたれを使用位置へ戻すことによって引起こされ、枠に固定した弓形片１３が再び回転掛け金８の口１２にはまっている。

本発明の第１実施例において鎖錠位置にある操作ボタンを持つ自動車の傾倒可能な背もたれ用鎖錠装置のハウジングの断面図を示す。 解錠位置へ操作ボタンが押される場合の図１による断面図を示す。 操作ボタンが通報位置にある場合の図１による断面図を示す。 第２実施例による操作ボタンが鎖錠位置にある場合における自動車の傾倒可能な背もたれ用鎖錠装置のハウジングの断面図を示す。 操作ボタンが解錠位置にある場合の図４による断面図を示す。 操作部材が通報位置にある場合の図４による断面図を示す。 第３実施例による操作ボタンが鎖錠位置にある場合における自動車の傾倒可能な背もたれ用鎖錠装置のハウジングの断面図を示す。 操作ボタンが解錠位置にある場合の図７による断面図を示す。 操作部材が通報位置にある場合の図７による断面図を示す。

符号の説明

２ ハウジング
３ 操作ボタン
６，４７ 圧縮ばね
７ 鎖錠機構
２０；３１，３２；３９，４０ 伝達手段
２４，３６，４６．１ 保持ストッパ
２９ 別のストッパ

Claims (5)

1. 自動車の傾倒可能な背もたれの非鎖鍵を通報する表示装置であって、ハウジングに軸線方向に案内される操作ボタンを持ち、この操作ボタンが圧縮ばねにより鎖錠位置へ予荷重をかけられ、この鎖錠位置で保持ストッパによりハウジングからのそれ以上の押出しを阻止されており、ハウジングへの操作ボタンの押込みにより背もたれが解錠可能であるように、操作ボタンが機械的伝達手段により鎖錠機構と伝動結合されているものにおいて、保持ストッパ（２４，３６，４６．１）が解錠過程により圧倒ばね（６，４７）の作用方向に軸線方向移動し、従って圧縮ばね（６，４７）により操作ボタン（３）が、保持ストッパ（３６，４６．１）又は別のストッパ（２９）へ向かって通報位置へ押圧可能であり、この通報位置で操作ボタン（３）が、ハウジング（２）から、鎖錠位置におけるより著しく大きく突出することを特徴とする、表示装置。
2. 伝達手段が、ハウジングに固定した転向片（２３）を介して案内される綱ループ（２０）であり、この綱ループの端部が鎖錠機構（９，８）に結合され、綱ループ（２０）の１辺（２０，２）が保持ストッパとして操作ボタン（３）に掛けられ、操作ボタン（３）が鎖錠位置にあると、両辺（２０．１，２０．２）がほぼ緊張しており、解錠過程により圧縮ばね（６）の作用方向に縦軸方向に移動せしめられ、従って圧縮ばね（６）が操作ボタン（３）を別のストッパ（２９）へ向かって通報位置へ押圧することができることを特徴とする、請求項１に記載の表示装置。
3. 伝達手段が、ハウジングに固定した軸（３３）に操作ボタン（３）の作用方向へ揺動可能に支持される双腕揺動片（３１）を持ち、双腕揺動片（３１）の一方の腕に、鎖錠機構（９，８）に結合される伝達レバー（３２）が枢着され、そこに保持ストッパ（３６）が設けられ、双腕揺動片（３１）の他方の腕に、操作ボタン（３）の下側に当接する操作ストッパ（３７）が設けられ、それにより操作ボタン（３）をハウジング（２）へ押込むと、双腕揺動片（３１）が、保持ストッパ（３６）を移動させながら圧縮ばね（６）の作用方向へ揺動し、それにより圧縮ばね（６）が、操作ボタン（３）を、移動した保持ストッパ（３６）へ向かって通報位置へ押圧することができることを特徴とする、請求項１に記載の表示装置。
4. 操作ボタン（３）が、伝達手段に加えて緩衝器（４５）により鎖錠機構（９，８）に結合され、緩衝器（４５）が応力除去状態で操作ボタン（３）を鎖錠位置に保持し、ハウジング（２）への操作ボタン（３）の押込み及び解錠過程により、緩衝器（４５）が応力を加えられ、同時に操作ボタン（３）の方へ移動され、かつ応力を除去されながら操作ボタン（３）を通報位置へ押圧することを特徴とする、請求項１に記載の表示装置。
5. 緩衝器（４５）が、ハウジング（４６）、その中に設けられる圧縮ばね（４７）及びピストン棒（４８）から成り、圧縮ばね（４７）が、ハウジング（４６）の下端面（４６．２）に一端を支持され、かつピストン棒（４８）に結合された円板（４８．１）に他端を支持され、緩衝器（４５）の応力除去の際この円板（４８．１）が、保持ストッパを形成するハウジング（４６）の上端面（４６．１）に当接することを特徴とする、請求項４に記載の表示装置。

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