JP4129510B2 - 押出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出成形性に優れるポリプロピレン系樹脂組成物であって、耐傷付き性及び耐衝撃性に優れると共に、表面光沢が小さく且つ外観に優れる成形体を提供できる樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いて形成した押出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは、その成形体が剛性、硬度及び耐熱性などの品質に優れているため、従来から広範な用途に利用されている。しかしながら、ポリプロピレンは、その性質として通常は結晶性であり、溶融粘度が低いために押出成形、特に異形押出成形には不向きとされており、且つ、その成形体は耐傷付き性、耐衝撃性及び靱性に劣るため、その用途が限定されるという問題点があった。
【0003】
このようなポリプロピレン成形体の耐衝撃性を向上させるための方法として、ポリプロピレンに、ポリエチレン、ゴム状物質(例えばポリイソブチレン、ポリブタジエン)、非晶性又は低結晶性エチレン・プロピレン共重合体などを配合してポリプロピレン組成物を形成する方法が知られている。これらの中でも、エチレン・プロピレンランダム共重合体(以下、「EPR」という)を用いる場合が多い。
【0004】
しかしながら、このEPRによる耐衝撃性改良効果は小さく、従って、耐衝撃性の著しく改善されたポリプロピレン組成物を得るには、EPRを多量に含有させる必要がある。ところが、EPRを多量に含有するポリプロピレン組成物成形体は、EPRが添加されていないポリプロピレン成形体に比べて、耐傷付き性に大きく劣るのみならず、剛性、硬度及び耐熱性も大きく劣る傾向にある。このように、ポリプロピレンにEPRを配合することにより、剛性、硬度及び耐熱性に優れるとともに、耐衝撃性さらには靱性も向上された成形体を提供できるポリプロピレン組成物を得ることは困難であった。
【0005】
また、EPRに代えて他のエチレン・α−オレフィン共重合体[例えばエチレン・1−ブテン共重合体(以下、「EBR」という)]をポリプロピレンに配合して、耐衝撃性が向上した成形体を提供できるポリプロピレン組成物を得ようとする試みもなされている。例えば、特公昭58−25693号公報及び特公昭58−38459号公報には、結晶性ポリプロピレンと、1−ブテン単位含有量が15モル%以下であるEBRとを含む組成物が開示されており、また、特開昭61−243842号公報には、結晶性ポリプロピレンと、チタン不均一系触媒を用いて得られるEBRとを含むポリプロピレン組成物が開示されている。さらに、特開平9−40821号公報には、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体及び無機充填材を含む組成物が開示されている。これら公報に開示されているポリプロピレン組成物の成形体は、剛性が低下することなく耐衝撃性が改善されているが、さらなる向上が望まれている。
【0006】
一方、従来から、ポリプロピレンの押出成形性、特に異形押出などでの賦形性の改良のために、無機物を充填する手段が知られている。ここで、押出成形性の改良効果を得るために必要な無機物の量は、組成物全体の重量に対して20%以上と考えられている。しかし、このような量の無機物を充填させた組成物からなるポリプロピレン複合材は、耐衝撃性に劣り、また、無機物の種類によっては、複合材の表面外観が悪く、時には表面の耐傷付き性も悪い。
【0007】
また、上述したEPRやEBRと無機充填材とをポリプロピレンに配合することで、押出成形性及び耐衝撃性の両立を図る手段も知られている。しかし、この場合においてもやはり、成形体の耐傷付き性及び剛性は不十分であり、表面に荒れが発生して外観に劣るため、さらなる改善の余地があった。
【0008】
【特許文献1】
特公昭58−25693号公報
【特許文献2】
特公昭58−38459号公報
【特許文献3】
特開昭61−243842号公報(実施例の項を参照のこと)
【特許文献4】
特開平9−40821号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に鑑み、押出成形性に優れると共に、耐傷付き性及び耐衝撃性に優れ、表面光沢が小さく、なおかつ表面平滑性にも優れた成形体を提供することが出来る押出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いた押出成形体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討をした結果、特定のプロピレン単独重合体、特定のプロピレン系共重合体及び特定の無機充填材を使用することにより、上記目的を達成できることを見出した。
【0011】
即ち本発明は、下記成分(A)、(B)及び(C)を含むポリプロピレン系樹脂組成物であって、これら三成分の合計量を100重量%として、
(A)メルトフローレートが0.3〜5g/10分であるプロピレン単独重合体を45〜90重量%、
(B)室温キシレン可溶分の割合が30〜65重量%である、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体であるプロピレン系共重合体を5〜35重量%、及び
(C)平均粒径が0.1〜10μmの無機物充填材を0〜25重量%
含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
メルトフローレートが0.3〜5g/10分のプロピレン系共重合体(B)を用いるのが好ましい。
【0013】
また、一段目の重合によりプロピレン単独重合体が生成される二段以上の重合によって得られ、DSC融解ピーク温度が150℃以上であるプロピレン系共重合体(B)を用いるのも好ましい。
【0014】
無機物充填材(C)として、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ウィスカー及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種以上を用いるのが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記ポリプロピレン系樹脂組成物を押出成形してなる成形体を提供するものである。
【0016】
さらに、本発明は、金属又は樹脂製の基材と、当該基材の一方の表面上に形成された上記ポリプロピレン系樹脂組成物に由来する表皮材とを備えてなる押出成形体を提供するものである。
【0017】
当該押出成形体の一態様として、基材がポリプロピレンを主体とする樹脂組成物製であり、基材と表皮材とを別体の押出機を用いてそれぞれ押出した後、一体的に成形してなる成形体がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるプロピレン単独重合体(A)は、メルトフローレートが0.3〜5g/10分、好ましくは0.5〜4g/10分、さらに好ましくは1〜3g/10分のものである。本発明におけるメルトフローレート(以下、「MFR」という)は、JIS K7210(樹脂温度:230℃、荷重:2.16kg)に従って測定された値である。
【0019】
プロピレン単独重合体(A)は、立体規則性の指標であるアイソタクチック・ペンタッド分率(以下、「IPF」と略す)が、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%〜99.5%のものである。IPFとは、13C核磁気共鳴(13C−NMR)法を用いて測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。IPFは、周知の方法(例えば、A. Zambelli; Macromolecules, 6, p625(1973)、同8, p687(1975)を参照のこと)で測定され、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中、mmmmピークの強度分率によって表される。
【0020】
プロピレン単独重合体(A)は、融解ピーク温度(以下、「Tm」と略す)が、好ましくは164℃以上、より好ましくは165℃以上、さらに好ましくは167℃以上のものである。Tmは、示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解曲線のピーク温度である。Tmの測定には、一般的にはパーキン・エルマー社製の示差走査熱量計(DSC)を用いる。サンプル10mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で冷却してサンプルを結晶化させ、次に10℃/分の昇温速度でサンプルを融解させる。このときに描かれる曲線のピーク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
【0021】
プロピレン系共重合体(B)は、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体である。ここで、「共重合体」とは、ランダム共重合体のみならず、ブロック共重合体、さらにはランダム共重合部分を含むブロック共重合体等をも包含する概念である。
【0022】
プロピレン系共重合体(B)は、室温のキシレンに不溶の結晶性成分(B1)と、室温のキシレンに可溶の非晶性成分(B2)とからなり、室温キシレン可溶分(B2)がプロピレン系共重合体(B)全体に対して30〜65重量%であることが必須である。室温キシレン可溶分(B2)が30〜65重量%であると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物が、成形性に優れ、また、当該組成物から製造される成形体が、耐衝撃性を保持して耐傷付き性に優れる。
【0023】
ここで、室温キシレン可溶分(B2)の割合は、下記手法によって求めた。
サンプル1gを油浴槽中のキシレン300ミリリットルに入れ、140℃で撹拌下に溶解させる。サンプルの添加から1時間後より、サンプルとキシレンとの混合物を、撹拌を続けながら1時間以内に100℃まで降温させる。その後、サンプルとキシレンとの混合物を急冷用油浴槽に移し、撹拌を続けながら23±2℃まで急冷し、その温度に20分間以上保持する。得られた析出物を濾紙で自然濾過して除去する。濾液をエバポレータを用いて蒸発乾固させ、得られた固形分を120℃で2時間減圧乾燥させ、その後常温まで放冷する。固形分の重量を測定し室温キシレン可溶分(B2)を算出する。
【0024】
プロピレン系共重合体(B)として、Tmが150℃以上のものを用いることが望ましい。また、MFRが0.3〜5g/10分のものを用いることが望ましい。
【0025】
本発明のプロピレン系共重合体(B)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2000−119459号公報に記載の方法(リアクターTPOの製造方法の一種)を挙げることができる。この方法では、一段目でプロピレン単独重合部が製造され、二段目でプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合部が製造される。この反応生成物は、プロピレン単独重合部に共重合部が結合しているものである。
【0026】
本発明で用いられる無機充填材(C)は、その平均粒径(以下、「D50」という)が0.1〜10μmのものである。D50が0.2〜8μmのものが好ましい。
【0027】
また、無機充填材(C)として、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ウィスカー及び水酸化マグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの中でも、タルクが特に好ましい。なお、タルクの粒径は、液相沈降法によって測定でき、その測定結果から、D50を算出する。
【0028】
また、本発明で用いる無機物充填材(C)、特にタルクは、無処理であってもその表面が処理されているものであってもよい。表面処理方法として、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、酸及び酸無水物変性樹脂などの処理剤を用いる、化学的又は物理的処理が挙げられる。
【0029】
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)、(B)及び(C)の合計量を100重量%として、プロピレン単独重合体(A)を45〜90重量%、好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは50〜80重量%、プロピレン系共重合体(B)を5〜35重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、そして、無機物充填材(C)を0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは5〜20重量%の量で含有している。
【0030】
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)、(B)及び(C)に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、増核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、銅害防止剤、顔料などの添加剤を含有していてもよい。なお、これら添加剤の各々は、上記成分(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対し、一般的には0.0001〜10重量部の範囲で用いられる。
【0031】
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分各々を、同時に又は逐次的に、例えばヘンシェル・ミキサー、リボン・ブレンダー、コーン・タンブラーなどに装入して混合させた後、単軸押出機、多軸押出機、バンバリー・ミキサー、ニーダーなどの混練性能に優れる各種装置を用いてさらに混合することで、各成分がより均一に分散した高品質のポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。
【0032】
上記のようにして得られたポリプロピレン系樹脂組成物は、公知の押出機による成形が可能であり、またその成形体は表面性状に優れることから、成形体の表皮材の形成に好適に使用できる。
【0033】
表皮材の形成方法としては、樹脂又は金属製の長尺成形体の一表面を、押出機を用いて本発明のポリプロピレン系樹脂組成物で被覆する方法が挙げられる。この場合、溶融したポリプロピレン系樹脂組成物の押出方向と、基材となる樹脂又は金属製の成形体の移動方向は直交する。ダイス内で溶融したポリプロピレン系樹脂組成物により、溶融しない樹脂又は金属製の基材の一方の表面上に層が一体的に形成される。このような成形法は、クロスヘッドダイスを用いて実施される。
【0034】
ポリプロピレン系樹脂組成物製表皮材と、これと熱融着可能な熱可塑性樹脂製基材とからなる一体成形体の他の製造方法として、それぞれを構成する樹脂組成物を各々別の押出機を用いて溶融混練し、得られた二種類の樹脂組成物を一つのダイスにて賦形・融着させ、一体成形体を形成することからなる方法も挙げられる。このような方法では、基材を構成する材料が、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物と熱融着可能であり、且つ同様の温度領域で成形可能な樹脂組成物であることが好ましい。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の具体例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
本発明組成物及び比較組成物を調製するため、以下の原料を用いた。
PP1: プロピレン単独重合体(MFR:1.9g/10分、曲げ弾性率:2000MPa、アイゾット衝撃強度:3.2KJ/m2、押出成形体の光沢:22、IPF値:97.3、Tm:168℃)
PP2: プロピレン系ブロック共重合体(MFR:2.5g/10分、曲げ弾性率:1500MPa、アイゾット衝撃強度:10KJ/m2、押出成形体の光沢:14.3、Tm:168℃)
PPC: プロピレン系共重合体(室温キシレン可溶分:42%、Tm:164℃、MFR:0.8g/10分、曲げ弾性率:300MPa、押出成形体の光沢:16.3)
EPR: エチレン・プロピレン共重合ゴム(室温キシレン可溶分:100%、
MFR:0.5g/10分、プロピレン含量:28%)
talc1: タルク(D50:6.0μm)
talc2: タルク(D50:18μm)
【0037】
上記の原料を、表1に記載の重量比で用い、二軸押出機で混練して実施例1乃至4及び比較例1乃至4の組成物を調製した。射出成形体(曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度の試験片)は、樹脂温度220℃及び金型温度40℃で射出成形することによって得た。また、押出成形体(光沢(グロス)、耐傷付き性、表面平滑性の試験片)は、L/D=22、シリンダ口径40mmの単軸押出機、断面形状で幅25mm×厚み1mmのダイスを用い、押出温度210℃で押出すことによって得た。
【0038】
なお、上記原料の欄に記載された物性値及び実施例1乃至4及び比較例1乃至4の成形体の物性値は、以下のようにして測定した。また、実施例1乃至4及び比較例1乃至4の組成物の押出成形性は、組成物を下記の方法で押出し、下記の基準で評価した。
【0039】
(1)曲げ弾性率
JIS K7203に準拠(試験片:幅12.7mm×厚み4mm×長さ127mmの射出成形体、スパン間:101.6mm、曲げ速度:1.5mm/分、測定温度:24℃)
【0040】
(2)アイゾット衝撃強度
JIS K7110に準拠(試験片:幅12.7mm×厚み4mm×長さ64mmの射出成形体、ノッチは機械切削)
【0041】
(3)光沢(グロス)
ASTM D523に準拠(試験片:幅25mm×厚み1mm×長さ60mmの押出成形体、入射角度:60度)
【0042】
(4)耐傷付き性
長さ200mm×幅25mm×厚み1mmの押出成形体を作製し、それを鉛筆硬度試験方法(荷重:200g、鉛筆硬度:HB)に供し、傷付きレベルを評価した。全く傷が付いていないか又は薄く筋状の跡が残った程度を○、明らかに傷が目立ったものを×とした。
【0043】
(5)押出成形性
L/D=22、シリンダ口径40mmの単軸押出機、断面形状で幅25mm×厚み1mmのダイスを用い、押出温度210℃で押出成形した。評価は、ドローダウンが大きく、ヒケや反りが大きいものを×、ドローダウン及びヒケや反りが見られるが、寸法はダイス寸法とほぼ一致しているものを△、ドローダウンが小さく、ヒケや反りも少なく、寸法精度が高いものを○とした。
【0044】
(6)表面平滑性
押出成形性の評価のために作製した押出成形体を、目視で評価した。表面に明らかな凹凸が見られるものを×、見られないものを○とした。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から明らかなように、実施例1乃至4のポリプロピレン系樹脂組成物は、曲げ弾性率及びアイゾット衝撃強度が比較例1乃至4のものとほぼ同等で、且つ耐傷付き性、押出成形性、及び表面平滑性が良好である。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、押出成形性に優れ、また、その成形体は、従来のポリプロピレン成形体が持ち合わせていた物性(剛性、耐熱性に優れること)に加え、耐傷付き性及び表面外観にも優れる。従って、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、広範な用途に利用することができる。
【0048】
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は成形性に優れ、また、その成形体は表面性状に優れることから、当該組成物は、例えば各種枠材、自動車部品、建材などの押出成形体、特に異形押出成形体に、好適に利用することができる。また、当該組成物を目的とする製品の表皮材の製造に利用することで、コスト・パフォーマンスに優れる製品を得ることができる。
Claims (6)
- 下記成分(A)、(B)及び(C)を含むポリプロピレン系樹脂組成物であって、これら三成分の合計量を100重量%として、
(A)メルトフローレートが0.3〜5g/10分であり且つDSC融解ピーク温度が164℃以上であるプロピレン単独重合体を45〜90重量%、
(B)一段目の重合によりプロピレン単独重合体が生成される二段以上の重合によって得られ、DSC融解ピーク温度が150℃以上であり、且つ室温キシレン可溶分の割合が30〜65重量%である、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体であるプロピレン系共重合体を5〜35重量%、及び
(C)平均粒径が0.1〜10μmの無機物充填材を0〜25重量%
含有し、且つ、当該ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形体が、JIS K7203に準拠して測定して1600MPa以上の曲げ弾性率を示すことを特徴とする押出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。 - メルトフローレートが0.3〜5g/10分のプロピレン系共重合体(B)を用いる、請求項1に記載の押出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 無機物充填材(C)が、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ウィスカー及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の押出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を押出成形してなる成形体。
- 金属又は樹脂製の基材と、当該基材の一方の表面上に形成された請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物に由来する表皮材とを備えてなる押出成形体。
- 基材がポリプロピレンを主体とする樹脂組成物製であり、基材と表皮材とを別体の押出機を用いてそれぞれ押出した後、一体的に成形してなる、請求項5に記載の押出成形体。
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