JP2746466B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2746466B2 JP16185590A JP16185590A JP2746466B2 JP 2746466 B2 JP2746466 B2 JP 2746466B2 JP 16185590 A JP16185590 A JP 16185590A JP 16185590 A JP16185590 A JP 16185590A JP 2746466 B2 JP2746466 B2 JP 2746466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はホットフロースタンピング成形などの熱成形
に好適な樹脂組成物に関する。さらにくわしくは、ホッ
トフロースタンピング成形などの熱成形により、射出成
形によって得られたと同様な表面外観を有する成形品を
製造することが可能であるのみならず、剛性がすぐれ、
かつ耐衝撃性も良好で、しかも軽量である樹脂組成物に
関する。
[従来の技術] 従来、プロピレン系重合体(ポリプロピレン系樹脂)
は、種々の機械的特性がすぐれているのみならず、成形
加工性も良好で、しかも化学的に比較的安定なため、ホ
ットフロースタンピング成形、真空成形などの成形法に
よって各種自動車部品に広く成形されている。しかし、
ホットフロースタンピング成形法によって製造する場
合、金型に溶融材料を充填する際に金型と樹脂との間の
温度差によって冷却ムラが発生し、その結果製品価値を
落し、機能材にしか使われていないのが現状である。こ
のため、射出成形法によって得られる成形品に匹敵する
ような優れた表面外観を有するものは今までに得られて
いなかった。
さらに、ポリプロピレン系樹脂は前記のごとく成形加
工性が良好であり、種々の機械的特性が優れているが、
機械的特性のうち剛性(曲げ弾性率)についてはバンパ
ーなどの自動車部品に利用するさい、かならずしも満足
すべきものではない。そのためにエチレン−プロピレン
ブロック共重合体およびエチレン−プロピレン共重合ゴ
ムにさらに充填剤を配合することにより、曲げ弾性率を
向上することが提案されている(例えば、特開昭58−11
1846号、同57−73034号、同57−159841号、同63−4342
号)。
さらに、出願人はバンパーに好適な組成物として
(A)プロピレン単独重合体およびおよび/またはプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体、(B)エチレン−
プロピレンランダム共重合体、(C)エチレン−プロピ
レン共重合体ならびに(D)タルクからなるプロピレン
系重合体組成物について以前に提案した(特開平1−20
3898号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記のバンパー用組成物については、
いずれも衝撃強度が良好で、特に低温(例えば、0〜−
40℃)における衝撃強度がすぐれている。しかも、本願
出願人が以前に提案した発明では、ウレタン塗料の密着
性は良好であり、耐ガソホール性についてもすぐれてい
る等の長所を有するが、剛性についてはかならずしも満
足し得る程度のものではなかった(すなわち、曲げ弾性
率が低い)。
さらに合成樹脂の溶融材料をホットフロースタンピン
グ成形法によって成形するさいの該材料の改良にあた
り、ポリプロピレン系樹脂が結晶性材料のため、金型上
で溶融したポリプロピレン系樹脂が固化するさいに冷却
ムラが発生するが、これを抑制する方法として下記のよ
うな三つの方法が考えられる。
(1)結晶化速度を遅らせる方法。
(2)結晶化度を低くする方法。
(3)結晶化が始まるまでの誘導時間を遅くする方法。
以上の方法のうち、結晶化速度を遅らせる方法は、溶
融する材料であるポリプロピレン系樹脂の冷却を遅くす
ることを意味しており、成形サイクルが長くなるので経
済的でない。また、結晶化度を低くすることは、材料の
機械的強度を低下させ、機能そのものの価値と用途を狭
くするため得策でない。
以上のことから、本発明は前記の三つの方法のうち、
結晶化が始まるまでの誘導時間を遅くする(誘導時間を
長くする)方法により、とりわけ軽量であり、かつ剛性
が優れ、耐衝撃性が良好な樹脂組成物を得ることを目的
とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明に従えば、これらの課題は (A)30℃の温度においてキシレン可溶分が多くとも、
5.0重量%であるプロピレン単独重合体、 (B)30℃の温度においてキシレン不溶分が多くとも、
5.0重量%であり、かつプロピレンの共重合割合が30〜7
5重量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合
体、 (C)エチレンの共重合割合が1.0〜10重量%であるプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、 (D)ムーニー粘度〔ML1+4,(100℃)〕が20〜100であ
り、かつプロピレンの含有量が20〜30重量%未満である
無定形エチレン−プロピレン共重合体、 ならびに (E)充填剤、 からなる組成物で、組成物中の充填剤の組成割合は9.0
〜23重量%であり、プロピレン単独重合体およびエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体の合計量中に占めるエ
チレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は5.0
〜30重量%であり、これらの重合体の総和のメルトイン
デックス(JIS K7210にしたがい、第1表の条件が14で
測定、以MFRという)は2.0〜200g/10分であり、「プロ
ピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重
合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体および無
定形エチレン−プロピレン共重合体」(以下「全重合
体」と云う)の合計量中に占めるプロピレン単独重合体
およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の総和の
組成割合は40〜80重量%で、かつ全重合体の合計量中に
占めるプロピレン−エチレンランダム共重合体の組成割
合は25重量%未満であるが、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体1重量部に対するプロピレン単独重合体お
よびエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合
はそれらの合計量として2.5重量部を越えるが、多くと
も9.0重量部で、しかも全重合体中に占める無定形エチ
レン−プロピレン共重合体の組成割合は少なくとも5.0
重量%であるが、無定形エチレン−プロピレン共重合体
およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割
合はそれらの合計量として多くとも40重量%である樹脂
組成物、 によって解決することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(A)プロピレン単独重合体 本発明において使われるプロピレン単独重合体は30℃
の温度においてキシレンに可溶な成分を多くとも5.0重
量%(好ましくは、3.0重量%以下)を含有するもので
ある。また、該重合体のMFRは一般には2.0〜200g/10分
であり、5.0〜200g/10分のものが望ましく、とりわけ5.
0〜180g/10分のものが好適である。MFRが2.0〜10分未満
のプロピレン単独重合体を用いると、混練性がよくな
く、さらに組成物の成形性もよくない。一方、200g/10
分を越えるものは、組成物の耐衝撃性がよくない。
(B)エチレン−プロピレンランダム共重合体 また、本発明において用いられるエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体のプロピレンの共重合割合は30〜75
重量%であり、30〜70重量%が好ましく、特に30から60
重量%が好適である。プロピレンの共重合割合が30重量
%未満のエチレン−プロピレンランダム共重合体を使用
すると、組成物の耐衝撃性がよくない。一方、プロピレ
ンの共重合割合が75重量%を越えたエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体は、製造が困難で、かりに得られた
としても組成物の剛性の点で問題がある。
該エチレン−プロピレンランダム共重合体は30℃の温
度においてキシレンに不溶な成分を多くとも5.0重量%
(好ましくは、4.5重量%以下)含有するものである。
以上のプロピレン単独重合体およびエチレン−プロピ
レンランダム共重合体をそれぞれ単独重合および共重合
によって製造し、本発明の組成物を製造するさいに後記
の組成割合で混合してもよく、またあらかじめプロピレ
ン単独重合体を製造し、重合体および重合体の製造に使
用した触媒系の存在下でエチレンとプロピレンとを同じ
重合器または別の重合器で共重合させるいわゆるブロッ
ク共重合によって製造してもよい。
以上いずれかの場合でも、プロピレン単独重合体およ
びエチレン−プロピレンランダム共重合体の総和のMFR
は2.0〜200g/10分であり、5.0〜200g/10分が望ましく、
とりわけ5.0〜180g/10分が好適である。プロピレン単独
重合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の
合計量のMFRが2.0g/10分未満では、混練性および組成物
の成形性がよくない。一方、200g/10分を越えると、組
成物の機械的特性、とりわけ耐衝撃性がよくない。
(C)プロピレン−エチレンランダム共重合体 さらに、本発明のプロピレン−エチレンランダム共重
合体のエチレン共重合割合は1.0〜10重量%であり、1.5
〜8.0重量%が望ましく、とりわけ2.0〜7.0重量%が好
適である。エチレンの共重合割合が1.0重量%未満のプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体を用いると、耐衝
撃性が良好な組成物を得ることができない。一方、10重
量%を越えると、耐熱性が低下するので好ましくない。
また、該プロピレン−エチレンランダム共重合体のMF
Rは前記のプロピレン単独重合体の場合と同じ理由によ
って2.0〜100g/10分であり、3.0〜80g/10分が好まし
く、特に5.0〜70g/10分が好適である。
(D)無定形エチレン−プロピレン共重合体 さらに、本発明において使用される無定形エチレン−
プロピレン共重合体のムーニー粘度〔ML1+4,(100
℃)〕は20〜100であり、20〜80が望ましく、とりわけ3
0〜75が好適である。ムーニー粘度が20未満の無定形エ
チレン−プロピレン共重合体を使うと、成形性は向上す
るが、樹脂がゲートを通過するさいなどに層剥離が発生
することもあり、トラブルの原因となる。一方、100を
越えたものを用いると、混練り時の他の組成生物と均一
な分散が困難になるのみならず、たとえ均一な組成物が
得られたとしても、成形物の表面にフローマーク,ウエ
ルドラインなどが目立つようになり、外観の良好な成形
物が得られない。さらに、この共重合体のプロピレンの
含有量は一般には20〜30重量%未満であり、特に25〜30
重量%未満のものが望ましい。この無定形エチレン−プ
ロピレン共重合体はゴム的特性を有するもので、工業的
に生産され、多方面にわたって利用されており、その製
造方法についても広く知られているものである。
該無定形エチレン−プロピレン共重合体は実質的に無
定形のもので、X線で測定した結晶化度は3%未満であ
る。
(E)充填剤 本発明において用いられる充填剤は一般に合成樹脂お
よびゴムの分野において広く使われているものである。
これらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸素およ
び水と反応しない無機化合物で、混練時および成形時に
おいて分解しないものが好ましい。該無機充填剤として
は、アルミニウム,銅,鉄,鉛,ニッケル,マグネシウ
ム,カルシウム,バリウム,亜鉛,ジルコニウム,モリ
ブデン,ケイ素,アンチモン,チタンなどの金属の酸化
物,その水和物(水酸化物),硫酸塩,炭酸塩,ケイ酸
塩のような化合物,これらの複塩ならびにこれらの混合
物に大別され、特開昭59−8535号に代表例が記載されて
いる。これらの、無機充填剤のうち、粉末状のものはそ
の粒径が30μm以下(好適には10μm以下)のものが好
ましい。また繊維状のものでは、径が1〜500μm(好
適には1〜300μm)であり、長さが0.1〜6mm(好適に
は0.1〜5mm)のものが望ましい。さらに、平板状のもの
は厚みが30μm以下(好適には10μm以下)のものが好
ましい。これらの無機充填剤のうち、特に平板状(フレ
ーク状)のものおよび粉末状のものが好適で、例えば、
タルク,マイカ,シリカ,ガラス繊維,グラファイトな
どがあげられる。
また、有機充填剤としては木粉,有機繊維,わら,も
みがら,ピーナッツのからなどが挙げられる。
木粉は通常12メッシュパスのものであり、特に45メッ
シュパス以下の粒径を有するものが好ましい。なお、こ
の木粉の木の種類は特に限定されるものではない。
また有機繊維は、羊毛などの動物繊維,綿,ジュー
ト,パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロ
ン繊維,ポリエステル繊維,ナイロン繊維,アクリル繊
維などの合成繊維である。これら有機繊維の長さおよび
平均径は最終的に得られる組成物の用途、混合条件など
によって異なるから、一概に規定することができない
が、一般的には平均径の範囲が3〜500μm、平均の長
さが0.1〜6mmであるものが適当である。
そのほか、わらについては混合性の点から、有機繊維
と同様な平均径および長さを有するように裁断されて使
用される。
また、もみがら,ピーナッツのからは前記の木粉のよ
うに破砕されて用いられる。
(F)組成割合 本発明の樹脂組成物において、プロピレン単独重合体
およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の合計量
中に占めるエチレン−プロピレンランダム共重合体の組
成割合は5.0〜30重量%であり、5.0〜25重量%が好まし
く、7.0〜25重量%が好適である。プロピレン単独重合
体およびエチレン−プロピレンランダム共重合体の合計
量中に占めるエチレン−プロピレンランダム共重合体の
組成割合が5.0重量%未満では、得られる組成物の耐衝
撃性がよくなく、また、30重量%を越えると、組成物の
剛性が低下する。
また、プロピレン単独重合体,エチレン−プロピレン
ランダム共重合体,プロピレン−エチレンランダム共重
合体および無定形エチレン−プロピレン共重合体(すな
わち、全重合体)中に占めるプロピレン単独重合体およ
びエチレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は
40〜80重量%であり、42〜80重量%が望ましく、とりわ
け45〜75重量%が好適である。全重合体中に占めるプロ
ピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンランダム
共重合体の組成割合が40重量%未満では、得られる組成
物の耐衝撃性がよくなく、80重量%を越えると、組成物
の剛性が低下するために成形品の機械的強度が低下す
る。
さらに、全重合体中に占めるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の組成割合は30重量%未満であり、5.0
重量%〜30重量%未満が好ましく、7.0重量%〜30重量
%未満が好適である。全重合体中に占めるプロピレン−
エチレンランダム共重合体の共重合割合が5.0重量%未
満では、得られる組成物の結晶化が始まるまでの誘導時
間を満足するように遅らせることができない。一方、30
重量%以上では、得られる組成物の剛性が低くなる。
また、プロピレン−エチレンランダム共重合体1重量
部に対するプロピレン単独重合体およびエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体の組成割合はそれらの合計量と
して2.5重量部を越えるが、多くとも9.0重量部であり、
2.5〜8.5重量部が望ましく、とりわけ2.8〜8.0重量部が
好適である。プロピレン−エチレンランダム共重合体1
重量部に対するプロピレン単独重合体およびエチレン−
プロピレンランダム共重合体の組成割合が合計量として
2.5重量部未満では、誘導時間が短く、外観が悪くなる
上に、剛性の低下が認められる。一方、9.0重量部を越
えると、耐衝撃性の低下が著しく、高温におけるクリー
プ強度が低下する。
さらに、全重合体中に占める無定形エチレン−プロピ
レン共重合体の組成割合は少なくとも5.0重量%であ
る。しかし、25重量%を越えて配合すると、得られる組
成物の成形性が低下する。これらのことから全重合体中
に占める無定形エチレン−プロピレン共重合体の組成割
合は7.0〜25重量%が好ましく、特に7.0〜20重量%が好
適である。
また、全重合体中に占める無定形エチレン−プロピレ
ン共重合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合
体の合計の組成割合は耐熱性および剛性の点から、多く
とも40重量%である。しかし、全重合体中に占めるこれ
らの重合体の合計の組成割合が40重量%を越えると、誘
導時間が短く、冷却ムラが生じ易く、外観が悪くなる。
これらのことから全重合体中に占める無定形エチレン−
プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体の合計の組成割合は7.0〜35重量%が望まし
く、とりわけ10〜35重量%が好適である。
さらに、全組成物中に占める充填剤の組成割合は9.0
〜23重量%であり、特に9.0〜22重量%が好ましい。全
組成物中に占める充填剤の組成割合が9.0重量%未満で
は、得られる組成物の剛性が低い。一方、23重量%を越
えると、剛性は向上するけれども、密度が高くなり、し
かも、耐衝撃性が悪くなる。
(G)組成物の製造 本発明の組成物は全重合体および充填剤を均一に混合
することによって製造することができるが、また、必要
に応じて、オレフィン系重合体に一般に使われている酸
素,光または熱に対する安定剤,難熱化剤,加工性改良
剤,滑剤,帯電防止剤,および顔料のごとき添加剤を添
加してもよい。
該組成物を得るには、タンブラー,リボンブレンダー
およびヘンシェルミキサーのような混合機を使ってドラ
イブレンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえ
ば、バンバリーミキサー),または連続式混練り機(た
とえば、押出機)を用いて混練りすることができる。ま
た、これらの方法を併用する(たとえば、ドライブレン
ドした後、連続的に混練りする)ことによってさらに均
一に混合することもできる。
(H)成形方法 以上のようにして得られる組成物をポリオレフィン系
樹脂の分野において一般に行われているホットフロース
タンピング成形などの熱成形や射出成形することによっ
て種々の成形物を製造することができる。
熱成形するさい、前記の各組成成分の種類およびその
組成割合によって異なるが、通常成形温度は190〜250℃
である。また、射出成形する場合には、一般に成形温度
は200〜230℃である。
[作用] 本発明の樹脂組成物において、前記プロピレン単独重
合体と無定形エチレン−プロピレン共重合体、あるいは
これらの重合体と充填剤とからなる組成物に前記プロピ
レン−エチレンランダム共重合体または無定形エチレン
−プロピレン共重合体をそれぞれ単独に配合すれば、結
晶開始に至るまでの誘導時間、すなわち核開始時間
(τ)を遅くすることができる。しかしながら、それら
の重合体のうち、いずれかのみを配合した樹脂組成物は
その他の機能において満足すべき結果を得ることができ
ない。たとえば、プロピレン−エチレンランダム共重合
体のみを配合した場合では、核開始時間を長くすること
ができるが、低温における衝撃強度(耐寒衝撃強度)、
すなわちアイゾットインパクト値は低くなる。一方、無
定形エチレン−プロピレン共重合体のみを添加した場合
では、耐寒衝撃強度は向上するものの、耐熱変形および
剛性の低下を招くために好ましくない。その理由は定か
でないが、これらのプロピレン−エチレンランダム共重
合体と無定形エチレン−プロピレン共重合体を併用する
と、それぞれ単独配合して核開始時間を遅らせるより
も、より少ない配合量で効果的に誘導時間を遅くするこ
とができる。
これらのことから、結晶開始に至るまでの誘導時間、
すなわち核開始時間の測定は走査型示差熱分析計を用い
て等温結晶化を行ってそのさいの結晶開始に至るまでの
誘導時間の長い材料のスタンピング成形を行った場合、
表面外観の良好な結果が得られることがわかった。評価
はこの誘導時間を急冷したさいの温度でアウレニウスプ
ロットをすると、金型に相当する温度での誘導時間を推
定することができる。そのさいの時間の長さによって材
料を判定することができる。
本発明の樹脂組成物の密度は0.96〜1.05であり、した
がって軽量である。さらに、曲げ弾性率(JIS K7113に
したがって測定)は19,000〜28,000kg/cm2であり、剛性
が高い。これらのことから、比弾性率(曲げ弾性率/密
度)が比較的に高く、自動車の内装材として有望であ
る。
[実施例] 以下、実施例,比較例を示して本発明をさらにくわし
く説明する。
実施例および比較例において、核開始時間(τ)は前
記のごとく走査型示差熱量計を用いて等温結晶化に至る
までの時間を測定した。また、アイゾット衝撃強度はAS
TM D256にしたがい、23℃においてノッチ付きで測定し
た。また、曲げ弾性率はASTM D790にしたがって測定し
た。さらに、熱変形温度はASTM D648にしたがい、荷重
が4.6kg/cm2(66psi)で測定した。
実施例および比較例において、第1図に平面図が示さ
れ、また第2図に側面図が示される公知のスタンピング
成形機を用い、クォータートリム(投影面積 約2000cm
2)を樹脂温度が200℃、成形圧力が50kg/cm2の条件でス
タンピング成形を行った。第1図および第2図におい
て、1は押出機,1aはノズル,2は計量部,3はホッパー,4
は移動テーブル,6はシリンダー,7は油圧ポンプ,8はプレ
ス機,8aは該プレス機の下金型,8bは上金型,9は制御盤で
ある。
前記スタンピング成形機において、ホッパー3に充填
された樹脂組成物は押出機1の計量部2で計量され、移
動テーブル4によって位置決めされ、油圧ポンプ7で駆
動されるシリンダー6を経て、ノズル1aから押出され、
プレス機8の下金型8aに一定量押出される。ここで押出
された樹脂組成物はプレス機8の下金型8aと上金型8bで
プレスされる。なお、これらの操作は、制御盤9によっ
て温度,圧力などが制御される。
さらに、射出成形は前記スタンピング成形で成形した
フォータートリムとほぼ同じ程度の大きさで形状は類似
した金型を行い、型締め圧が1300トンの規模の射出成形
機を用い、金型温度40℃,樹脂温度200℃の条件下で行
った。
また、実施例および比較例において、使用したプロピ
レン単独重合体およびエチレン−プロピレンランダム共
重合体はそれぞれ重合器中でチーグラー・ナッタ触媒を
用いて溶媒を使用しないでプロピレンの単独重合を行っ
た。ついで重合器中にエチレンを供給し、エチレンとプ
ロピレンとの共重合を行うことによって各混合物を製造
した。得られた混合物中のプロピレン単独重合体はいず
れも30℃の温度においてキシレンに可溶分は0%であ
り、エチレン−プロピレンランダム共重合体はいずれも
30℃の温度においてキシレンに不溶分は0%であった。
得られた各混合物(I)(II)(III)中のエチレン−
プロピレンランダム共重合体(B成分)の混合割合、プ
ロピレン単独重合体(A成分)のMFRおよび全混合物のM
FRを第1表に示す。
また、プロピレン−エチレンランダム共重合体とし
て、エチレンの共重合割合が2.5重量%、MFRが50g/10分
であるプロピレン−エチレンランダム共重合体を用い
た。さらに、無定形エチレン−プロピレン共重合体とし
て、プロピレンの共重合割合が28重量%であり、ムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)が35で、しかも結晶化度が0%
である無定形エチレン−プロピレン共重合体を使用し
た。また、充填剤として、平均粒径が2μmとあるタル
クを使った。
実施例1〜7,比較例1〜7 第1表に示す混合物(I)(II)(III)〔なお、比
較例7はMFRが50g/10分であるプロピレン単独重合体
(以下「PP」と云う)を使用〕,プロピレン−エチレン
ランダム共重合体(C成分),無定形エチレン−プロピ
レン共重合体(D成分)およびタルクを第2表に示す割
合にそれぞれ混合して実施例,比較例の原料とした。
これら混合物をあらかじめ5分間ヘンシェルミキサー
を使ってドライブレンドを行った。得られた各混合物を
同方向の二軸のスクリュー(径45mm,長さ1350mm,30ピッ
チ)を有す押出機を用いて樹脂温度が230℃で溶融混練
を行った。得られら各組成物(ペレット状)を走査型示
差分析計の使用して等温結晶化を求めた。該等温結晶化
のクエンチング温度は先に述べた如く、3点以上の温度
において結晶核開始までの誘導時間を測定し、それらを
クエンチング温度(絶対温度)の逆数でアウレニウスプ
ロットをとり、金型温度における結晶開始までの誘導時
間を算出する。なお、クエンチング温度は、115℃とし
た。
得られた各組成物を樹脂温度が230℃において射出成
形し、アイゾット衝撃強度および曲げ弾性率を測定する
ための試片を製造し、これらの物性を測定した。また、
前記組成物の比重およびMFRを測定した。さらに、曲げ
弾性率と比重から比弾性率を計算によって求め、また各
組成物を前記の条件でホットフロースタンピング成形を
行い、前記のフォータートリムを成形し、目視によって
外観を観察し、一括して第3表に示した。
但し、第3表中、○は外観のよいもの、×は悪いもの
を示す。
比較例7の結果から、エチレン−プロピレンランダム
共重合体を配合しない場合、耐衝撃性(耐寒衝撃性も含
めて)が低い。
[発明の効果] 本発明の樹脂組成物は射出成形することができること
はもちろんのこと、ホットフロースタンピング成形も可
能であり、その得られる成形物も含めて下記のごとき効
果を発揮する。
(1)ホットフロースタンピング成形によってニット,
ポリ塩化ビニル樹脂のレザー,モケットなどの表皮と一
体成形し、表皮と貼り合せるさい、表皮と樹脂組成物と
の貼り合せた側と直接金型に接触冷却されている側とで
は、冷却速度の差が比較的に小さいため、得られる製品
のソリの発生が少ない。
(2)比重が小さく、部品の軽量化に適している。
(3)ホットフロースタンピング成形したとしても、射
出成形の場合と同様に得られる成形物に冷却痕がなく、
その表面がほぼ同じ程度である。
(4)耐寒衝撃強度が良好である。
(5)剛性(曲げ弾性率)がすぐれている。
(6)耐熱性が良好である。
(7)成形性がすぐれている。
本発明の樹脂組成物は射出成形,ホットフロースタン
ピング成形などによって多方面に利用することができ
る。代表的な用途として、トランクトリム,ドアートリ
ム,ピラー,クォータートリム,インストルーメントパ
ネルのシェルフ,インストルーメントパネルセスティ
ー,アームレストなどの自動車の内部部品があげられ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例および比較例においてスタンピング成形
するさいの装置の平面図であり、第2図は該装置の側面
図である。 1……押出機、1a……ノズル、2……計量部、 3……ホッパー、4……移動テーブル、 6……シリンダー、7……油圧ポンプ、 8……ブレス機、8a……下金型、 8b……上金型、9……制御盤。
フロントページの続き (72)発明者 大村 悟 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 細川 輝夫 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3―2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 柴野 博 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3―2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 五明 広光 愛知県名古屋市中村区4―7―23 昭和 電工株式会社名古屋支店内 (72)発明者 中谷 晃 東京都港区芝大門1丁目13番9号 昭和 電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−197544(JP,A) 特開 平1−247441(JP,A) 特開 昭61−247747(JP,A) 特開 昭58−84838(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)30℃の温度においてキシレン可溶分
    が多くとも、5.0重量%であるプロピレン単独重合体、 (B)30℃の温度においてキシレン不溶分が多くとも、
    5.0重量%であり、かつプロピレンの共重合割合が30〜7
    5重量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合
    体、 (C)エチレンの共重合割合が1.0〜10重量%であるプ
    ロピレン−エチレンランダム共重合体、 (D)ムーニー粘度〔ML1+4,(100℃)〕が20〜100であ
    り、かつプロピレンの含有量が20〜30重量%未満である
    無定形エチレン−プロピレン共重合体、 ならびに (E)充填剤、 からなる組成物で、組成物中の充填剤の組成割合は9.0
    〜23重量%であり、プロピレン単独重合体およびエチレ
    ン−プロピレンランダム共重合体の合計量中に占めるエ
    チレン−プロピレンランダム共重合体の組成割合は5.0
    〜30重量%であり、これらの重合体の総和のメルトイン
    デックスは2.0〜200g/10分であり、プロピレン単独重合
    体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレ
    ン−エチレンランダム共重合体および無定形エチレン−
    プロピレン共重合体からなる全重合体の合計量中に占め
    るプロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンラ
    ンダム共重合体の総和の組成割合は40〜80重量%であ
    り、かつ全重合体の合計量中に占めるプロピレン−エチ
    レンランダム共重合体の組成割合は30重量%未満である
    が、プロピレン−エチレンランダム共重合体1重量部に
    対するプロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体の組成割合はそれらの合計量として
    2.5重量部を超えるが、多くとも9.0重量部であり、しか
    も全重合体中に占める無定形エチレン−プロピレン共重
    合体の組成割合は少なくとも5.0重量%であるが、無定
    形エチンレ−プロピレン共重合体およびエチレン−プロ
    ピレンランダム共重合体の組成割合はそれらの合計量と
    して多くとも40重量%である樹脂組成物。
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