JP4532084B2 - ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車内装部品等に適用できるポリプロピレン樹脂組成物に関する。
ポリプロピレン樹脂組成物は、安価でありながら、優れた軽量性、機械的強度、成形性等を有するので多くの樹脂成形品に使用されている。中でも、自動車においては、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オーバーフェンダー等の外装部品及びインスツルメントパネル、グローブボックス、ドアライナー、ピラー等の内装部品等に利用されている。その一方でポリプロピレンは高い結晶性を有していることから、温度に対する寸法変化(線膨張係数)が非常に大きいことでも知られている。そして、この性質により、ポリプロピレン系材料を用いた部品、特にバンパー、インストルメントパネル等の大型部品においては、部品の合わせ目に隙間が生じたり、部品組み付け時の建て付け性が低下したりするなどの問題が生じていた。
そこで、上記問題点を解決するために、アスペクト比の大きいフィラーを多量に添加し、線膨張係数の低下或いは寸法安定性の向上を図る方法が提案されている。例えば、特許文献1には、フィラーとしてワラストナイトを用いて、線膨張率を低下させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、特定の構造を有するプロピレン・エチレンランダム共重合体を26質量%以上含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体とタルクとを組み合わせて、物性バランスと低線膨張特性とに優れた組成物を提供する方法が開示されている。
特開2001−220472号公報 特開2002−97337号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ワラストナイトを多量(5.0質量%以上)に添加しなければ目的の線膨張率を達成することはできないので、結果的に製品質量の増加を招いていた。
また、特許文献2に記載された方法では、ノンフィラー及びタルク量が少ない場合に線膨張率の低下が充分ではなく、低線膨張特性を充分に低下させるためには20質量%以上のタルクの添加が必要であった。したがって、この方法においても、製品質量の増加を招くことになり、軽量化という点で好ましくなかった。
このようなことから、フィラーの添加なし或いは少量の添加でも十分な寸法安定性(線膨張係数)を有するポリプロピレン材料の開発が望まれていた。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、フィラーを添加せずに、物性バランス及び線膨張特性がともに優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的する。
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の固有粘度及びエチレン含有量であるエチレン−α−オレフィン共重合体成分を含有するヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を組成物の一成分として用いることにより、フィラーを添加しなくても、−30〜100℃の線膨張係数が極端に小さくなることを見出し、以下のプロピレン樹脂組成物の製造方法を発明した。
すなわち、本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法は、下記(i)〜(iv)の要件を満たすヘテロファジックポリプロピレン成分(A)と、下記他の成分とを配合して、フィラーの含有量が2質量部未満のポリプロピレン樹脂組成物(ポリプロピレン樹脂組成物を100質量部とする。)を得るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、チーグラーナッタ触媒を用いて重合して前記ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を得ることを特徴とする。
(i)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)と結晶性ホモポリプロピレン成分とから構成され、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)全体の質量を100質量%とした場合のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)の含有量が20質量%以上、85質量%未満である。
(ii)ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)の含有量が、該ポリプロピレン樹脂組成物全体を100質量%とした場合の5質量%以上である。
(iii)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)は、135℃、テトラリン中での固有粘度が1.0dl/g以上、3.0dl/g未満である。
(iv)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)中のエチレン含有量が、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)全体を100質量%とした場合の60質量%以上、80質量%未満である。
(他の成分)結晶性ホモポリプロピレン(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A1)以外の他のエラストマー(C)、前記(A)(B)(C)成分以外の他の重合体(D)よりなる群から選ばれる少なくとも1種。
Figure 0004532084
式(1)、式(2)中、W、WA1はそれぞれ結晶性ポリプロピレン(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)のポリプロピレン樹脂組成物中の含有量を百分率で表したものである。
また、前記エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)を構成するα−オレフィンがプロピレンまたは1−ブテンであることが好ましい
た、本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法は、上述したポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤を0.001質量部以上、2.0質量部未満配合するものであってもよい。
ここで、ヘテロファジックポリプロピレンとは、2器以上の反応器を有するリアクターにおいて、1段目またはそれ以降のリアクターで結晶性ホモポリプロピレンを重合し、2段目またはそれ以降のリアクターでエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーを連続的に重合して製造した結晶性ホモポリプロピレンとエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物のことである。このヘテロファジックポリプロピレンにおいては、結晶性ホモポリプロピレンとエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーとが化学結合していてもよいし、単なるブレンド物であっても良い。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、フィラーを添加せずに、物性バランス及び線膨張特性がともに優れるものである。したがって、寸法安定性、建て付け性に優れた成形品を提供することが可能になり、しかも、フィラーを添加しないので、その成形品を軽量化できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)>
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いられるヘテロファジックポリプロピレン(A)は、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)と結晶性ホモポリプロピレン成分とから構成されたものである。ここで、ヘテロファジックポリプロピレン(A)を構成する結晶性ホモポリプロピレン成分には制限がなく、後述する結晶性ホモポリプロピレン成分(B)であってもよいし、それ以外のものであってもよい。
[エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)]
エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、下記(i)〜(iv)の要件を満たすものである。α−オレフィンの種類としては炭素数3以上のオレフィンであれば特に制限はなく、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。この中でも、安価で物性に優れることから、プロピレン、1−ブテンが最も好ましい。
(エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)の含有量)
(i)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)の含有量は、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)全体の質量を100質量%としたときの20質量%以上、85質量%未満の範囲、好ましくは25質量%以上、70質量%未満の範囲、更に好ましくは35質量%以上、60質量%未満の範囲である。上記範囲にあることで、低線膨張特性を有するエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーを十分な量で含ませることができる。また、ヘテロファジックポリプロピレン成分を製造する際に、ファウリング等の製造上の不具合を防止できる。
また、(ii)ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)の含有量は、好ましくはポリプロピレン樹脂組成物全体を100質量%とした場合の5.0質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。5.0質量%未満では−30〜100℃の低線膨張係数が9.0X10−5よりも大きくなり、本発明の目的から逸脱しやすくなる傾向にある。
(固有粘度)
(iii)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)は、135℃、テトラリン中での固有粘度が1.0dl/g以上、3.0dl/g未満の範囲、好ましくは1.5dl/g以上、2.7dl/g未満の範囲である。この範囲にあることで、射出成形時にエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーを流動方向に配向させやすくなり、その配向によってエラストマーのアスペクト比を大きくすることができる。その結果、低線膨張特性を発現する。
(エチレン含有量)
(iv)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)中のエチレン含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー全体の質量を100質量%としたときの60質量%以上、80質量%未満の範囲、好ましくは70質量%以上、80質量%未満の範囲である。この範囲にあることで、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマーに含まれるエチレン結晶成分量が、低線膨張特性を発現するとともに耐衝撃性を高くするような量になる。この範囲から外れた範囲、例えば60質量%未満では低線膨張特性が充分ではなく、また80質量%以上では結晶性ホモポリプロピレンとの相溶性が悪くなるため、機械物性値とりわけ衝撃強度が低くなる傾向にある。
[ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)の製造方法]
ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)の製造方法としては特に制限されず、例えば、連続多段重合により、結晶性ホモポリプロピレン成分及びエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)を含むヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を製造する方法が挙げられる。以下、連続多段重合による方法について説明する。
この方法では、重合したポリマー成分を直ちに次のリアクターに送ることができるような装置を有する3段の気相リアクターを用いる。そして、まず、第1段目のリアクターにてプロピレンガス、予重合した触媒、及び水素(分子量調整の目的で使用)を連続・定速で供給し、プロピレンを重合して結晶性ホモポリプロピレン成分を得る。この際、水素及びプロピレンガスのリアクター内の濃度を分析し、それらの濃度が一定になるように水素及びプロピレンガスを連続的に供給する。
次いで、未反応モノマーをパージした後に、第1段目のリアクターで生成した結晶性ホモポリプロピレン成分及び未反応モノマーを水素、プロピレンと共に第2段目のリアクターに導入する。そして、結晶性ホモポリプロピレン成分を重合する。この際に得られる結晶性ホモポリプロピレン成分は、第1段目のリアクターで得られるものと同じMFRのものであっても良いし、異なるMFRのものであっても良い。
次いで、未反応モノマーをパージした後に、第2段目のリアクターで生成した結晶性ホモポリプロピレン成分を、ガス状のエチレン、1−ブテン及び水素と共に第3段目のリアクターにそれぞれ一定流量で導入する。そして、第3段目のリアクター内で、エチレン−α−オレフィン(1−ブテン)共重合体エラストマー成分(A)を得る。
そして、未反応の反応性モノマー及び揮発分を取り除くために、第3段目のリアクター内に存在する全てのポリマー粒子をスチームで処理して、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を製造する。
上記の重合において使用される触媒としては、上記(i)〜(iv)の要件を満足するようなヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を調製できれば制限はなく、例えば、チーグラーナッタ触媒などの重合触媒を用いることができる。特に、アイソタクチックポリプロピレンを与える触媒を用いることができる。
また、以下の調製方法によって得られるオレフィン重合用触媒成分に有機金属成分を組み合わせたものを用いることができる。
オレフィン系重合触媒成分は、(1)塩化マグネシウム・アルコキシシラン付加物、四塩化チタン・電子供与性化合物錯体、チタン化合物及び電子供与性化合物を共粉砕する方法、(2)塩化マグネシウム・アルコキシシラン付加物と四塩化チタン・電子供与性化合物錯体とを接触させた後、チタン化合物及び電子供与性化合物を逐次的に接触させる方法等により調製することができる。このようにして得られたオレフィン系重合用触媒成分は、そのままオレフィン系重合体の製造に用いてもよいが、ろ過及び洗浄等の操作により未反応物及び副生成物を除去した後に用いることもできる。
上記チタン化合物としては、好ましくは四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン等のハロゲン化チタン、より好ましくはハロゲンを含む4価のチタン化合物、特に好ましくは四塩化チタンである。
また、上記電子供与性化合物としては、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物及び酸素含有化合物の中から選ばれる化合物を少なくとも一種類以上用いることが好ましい。これらのうち、特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。電子供与性化合物の使用量は、重合の際に添加される有機アルミニウム化合物に対するモル比で0.001以上5未満、好ましくは0.01以上1未満の範囲内である。
上記の触媒を用いた連続多段重合において、各リアクターでの重合温度、分子量制御剤量等の各条件を適宜変更することで各種の目的のヘテロファジックポリプロピレン成分を得ることができる。具体的な重合条件を以下に示す。
第1段目のリアクターでの重合では、重合温度は20〜90℃、好ましくは50〜80℃である。重合圧力は1.0〜50MPa、好ましくは3.0〜15MPaである。また水素はフィードされるプロピレンモノマーに対して0〜1.5モル倍、好ましくは0.0001〜1.3モル倍の比率でフィードされる。
また、第2段目のリアクターでの重合では、重合温度は20〜90℃、好ましくは50〜80℃である。またフィードされる水素は第1リアクターから導入される未反応の水素量により変化するが、フィードするプロピレンモノマーに対して0.0001〜2.0モル倍の比率で導入される。
第3段目のリアクターでの重合では、重合温度は30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、重合圧力は2.0〜20MPaである。またエチレンのフィード量はフィードされるモノマー(エチレン及びプロピレン)のモル量(エチレンのモル量+プロピレンのモル量)に対して0.20〜0.85モル倍、好ましくは0.40〜0.70モル倍である。水素のフィードはフィードするエチレンに対して0.001〜1.5モル倍である。
なお、各条件を変更して得た2種類以上のヘテロファジックポリプロピレン(A)を、ポリプロピレン樹脂組成物の構成成分としてもよい。
<結晶性ホモポリプロピレン成分(B)>
ポリプロピレン樹脂組成物は、温度230℃、荷重2.16kgでのMFRが0.01g/10分以上、5.0g/10分未満の結晶性ホモポリプロピレン成分(B)を含有することが好ましい。このような結晶性ホモポリプロピレン成分(B)は、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)と粘度がほぼ等しく、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)の分散性、成形時の配向を促す。その結果、力学特性と低線膨張特性とのバランスがより高くなる。
また、結晶性ホモポリプロピレン成分(B)の前記条件のMFRは、0.5g/10分以上、3.0g/10分未満の範囲であることが好ましい。
(結晶性ホモポリプロピレン成分(B)の含有量)
ポリプロピレン樹脂組成物が結晶性ホモポリプロピレン成分(B)を含有する場合には、その含有量は下記式(1)及び式(2)を満たす。
Figure 0004532084
式(1)、式(2)中、W、WA1はそれぞれ結晶性ポリプロピレン(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)のポリプロピレン樹脂組成物中の含有量を百分率で表示したものである。
上記範囲であれば、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー(A)の流動方向への配向と流動性とのバランスが最も高くなる。上記範囲から外れた範囲、例えば、WA1/Wが0.5未満では低MFRの成分が多くなり、ポリプロピレン樹脂組成物の流動性も低下して成形性が低下する。また、WA1/Wが2.0よりも大きい範囲では(A)成分の量が(B)成分と比較して多くなりすぎるため、(A)成分が流動時に充分に配向しなくなることがある。その結果、低線膨張特性が充分に発揮されなくなることがあり、好ましくない。
(結晶性ホモポリプロピレン成分(B)の配合方法)
前記結晶性ホモポリプロピレン成分(B)のポリプロピレン樹脂組成物への配合方法については、本発明の目的を逸脱しない限りは特に制限されないが、以下の(イ)〜(ハ)に示す方法が好ましい。
すなわち、ポリプロピレン樹脂組成物製造時に、
(イ)(B)成分を単独で配合する方法。
(ロ)(B)成分を含むポリプロピレン樹脂を配合する方法。この方法において、(B)成分を含むポリプロピレン樹脂としては、(B)成分を含む結晶性ホモポリプロピレン、または、(B)成分を含むヘテロファジックポリプロピレンが好ましく用いられる。ここで、(B)成分を含むヘテロファジックポリプロピレンを配合する方法としては、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を得る際に(B)成分の一部または全部を製造して(A)成分中に(B)成分を含有させ、その(A)成分を配合する方法(ロ−1)が挙げられる。
(ハ)(イ)、(ロ)の併用、すなわち、(B)成分を含むポリプロピレン樹脂を配合し、更に(B)成分を配合する方法。
これらの中でも、(ロ)又は(ハ)が好ましく、(ロー1)が特に好ましい。なお、(イ)〜(ハ)のいずれの方法であっても、ポリプロピレン樹脂組成物中で、上記式(1)、式(2)の関係を満足するように(B)成分を配合することが好ましい。
<他の成分>
[他のエラストマー成分(C)]
ポリプロピレン樹脂組成物においては、上述したヘテロファジックポリプロピレン成分(A)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で他のエラストマー成分(C)、他の重合体(D)を含んでいても良い。
他のエラストマー成分(C)としては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、オレフィンを主成分とする非晶性弾性共重合体が挙げられ、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン共重合エラストマーあるいはα−オレフィンと非共役ジエンとが共重合した共重合エラストマーなどが挙げられる。ここで、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
このようなオレフィン系エラストマーとしては、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー、エチレン・1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン・1-ブテン・非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・1-ブテン・非共役ジエン共重合体エラストマーなどが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン類と共役ジエン化合物とのブロック共重合体が挙げられる。ここで、スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルナフタレンおよびこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンおよびこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの中でもブタジエン、イソプレンが好ましい。
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的に、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・イソプレンジブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体、スチレン・ブタジエンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
これらのエラストマー成分の中でも、エチレン−1−オクテン共重合体エラストマーが特に好ましく用いられる。エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー中の1−オクテンの含有量は、通常、エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー全体の質量を100質量%としたときの10質量%以上、40質量%未満、好ましくは20質量%以上、30質量%未満の範囲であり、230℃、2.16kgのMFRが1.0g/10分以上、40g/10分未満、好ましくは5.0g/10分以上、20g/10分の範囲である。
[他の重合体(D)]
他の重合体(D)としては、公知の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン又はα−オレフィン単独重合体、エチレンまたは炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体、これらの混合物、ナイロン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、石油樹脂などが挙げられる。
エチレン又はα−オレフィン単独重合体としては、具体的に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−へプテン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセン、ポリスチレン及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン単独重合体が好ましい。
また、エチレンまたは炭素数3〜10のα-オレフィン共重合体としては、2種類以上のエチレン又はα−オレフィンから成る共重合体であれば特に限定されないが、α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−デセン、スチレン、無水マレイン酸及びこれらの組み合わせが好ましく用いられる。さらに、これらの中でも、エチレンとプロピレン、1−ブテンとの共重合体が好ましく使用される。
上記の単独重合体とエチレンまたは炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体との混合物としては特に制限はないが、ヘテロファジックポリプロピレン、すなわち結晶性ホモポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体の混合物が特に好ましい。
また、熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂などが挙げられる。
<添加剤>
[結晶核剤]
ポリプロピレン樹脂組成物は、結晶核剤を含有していてもよい。結晶核剤を含有していれば、剛性、耐熱性を向上させることができる上に、線膨張係数の低下にも寄与する。また、結晶核剤を含有すると、結晶化速度が向上し、結晶化時に結晶粒子を微細化できるとともに、より高速で成形できるようになる。
結晶核剤としては、従来知られている種々の結晶核剤が特に制限されることなく用いられるが、中でも下記に挙げる芳香族リン酸エステル塩、ジベンジリデンソルビトール誘導体、カルボン酸金属塩、ロジン酸部分金属塩などが好ましい。
芳香族リン酸エステル塩は下記[化1]又は[化2]で表される化合物である。
Figure 0004532084
式中、Rは酸素、硫黄または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R,Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、RとRは同じでもよいし異なっていてもよく、R同士、R同士またはRとRが結合して環状になっていてもよい。また、Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数である。
Figure 0004532084
式中、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、Mは1〜3価の金属原子、nは1〜3の整数である。
[化1]で表される芳香族リン酸エステル塩の具体例としては、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム- ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フオスフェート]、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 及びこれら2種以上の混合物を例示することができる。これらの中でも、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
[化2]で表される芳香族リン酸エステル塩の具体例としては、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートおよびこれらの組み合わせを例示することができる。これらの中でも、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
また、ジベンジリデンソルビトール誘導体は、下記[化3]の一般式で表されるものである。
Figure 0004532084
式中、Rは水素又は炭素数1〜10の炭化水素基である。
ジベンジリデンソルビトール誘導体の具体例としては、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組み合わせを例示することができる。これらの中でも、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組み合わせが好ましい。
ロジン酸部分金属塩とは、下記[化4]又は[化5]の一般式で表されるロジン酸と金属化合物との反応生成物であるロジン酸金属塩を含有するものである。また、ロジン酸部分金属塩は、ロジン酸金属塩と未反応のロジン酸との混合物であってもよいし、未反応のロジン酸を全く含まないロジン酸金属塩であってもよい。
[化4]で表される化合物の具体例としてはデヒドロアビエチン酸などが挙げられ、[化5]で表される化合物の具体例としてはジヒドロアビエチン酸などが挙げられる。
Figure 0004532084
Figure 0004532084
[化4]及び[化5]中、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基やシクロアルキル基又はアリール基であり、R、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、R、R、Rがアルキル基であり、より好ましくはRがイソプロピル基、R及びRがメチル基である。
前記[化4]で表される化合物の金属塩としては、下記[化6]の一般式で表される化合物が挙げられ、前記[化5]で表される化合物の金属塩としては、下記[化7]の一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004532084
Figure 0004532084
[化6]及び[化7]中、R、R及びRは、[化4]及び[化5]と同様である。Mは1〜3価の金属イオンであり、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどの1価の金属イオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛などの2価の金属イオン、アルミニウムなどの3価の金属イオンが挙げられる。これらの中でも、1価または2価の金属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンであることがより好ましい。nは前記金属イオンMの価数と同一の整数であり、1〜3である。
さらに、結晶核剤としては、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩を用いることができ、具体的には、安息香酸アルミニウム塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、タルクなどの無機化合物を結晶核剤として用いることもできる。
上記のような結晶核剤は、ポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対して、通常0.001質量部以上2.0質量部未満の範囲、好ましくは0.01質量部以上1.0質量部未満の範囲、特に好ましくは0.1質量部以上0.5質量部未満の範囲で含まれる。結晶核剤の含有量が0.001質量部未満では結晶核剤としての効果が充分ではなく、剛性、耐熱性を高めることができないし、線膨張係数の低下効果も充分ではない。また、2.0質量部以上では耐衝撃性が低下する傾向にある。
[他の添加剤]
さらに、ポリプロピレン樹脂組成物には、これまでに示した各成分に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの添加剤が含まれていてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などを用いることができる。
上記のような添加剤は、通常、ポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対して0.0001質量部以上10質量部未満の範囲で含まれる。そして、このような範囲で添加剤が含まれる場合には、物性バランス、耐久性、塗装性、印刷性、耐傷付き性および成形加工性などがより一層向上した成形体を得ることができる。
<ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法>
ポリプロピレン樹脂組成物は、上記各必須成分及び、必要に応じて添加剤等を均一に配合させることによって製造される。その配合方法(混合方法)としては特に制限はなく、合成樹脂製造で一般に採用されている方法を適用すれば良い。例えば、混合方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーおよびリボンミキサーのごとき混合機を使用してドライブレンドする方法、オープンロール、押出混合機、ニーダーおよびバンバリーのごとき混合機を用いて溶融しながら混合する方法が挙げられる。ここで、溶融時には、使用する各成分が溶融する温度にしなければならないが、必要以上に高い温度にすると樹脂が熱分解や劣化を起こすため、通常160℃以上350℃未満の範囲、好ましくは170℃以上260℃未満の範囲にする。
また、より一層均一なポリプロピレン樹脂組成物を得るには、これらの混合方法を2種以上併用するとよい。例えば、あらかじめドライブレンドして混合物を得た後、その混合物を溶融混合する。
さらに、ドライブレンドを併用する場合でも、溶融混合する方法を1種または2種以上併用する場合でも、成形体の製造を考慮すると、ペレタイザーを使用してポリプロピレン樹脂組成物をペレット状にすることが特に好ましい。
上述したポリプロピレン樹脂組成物は、ヘテロファジックポリプロピレン(A)を含有するので、アスペクト比が4.0以上のエラストマードメインを20体積%以上、特に40体積%以上含有する。アスペクト比が4.0以上のエラストマードメインを20体積%以上含有すると、ポリプロピレン樹脂組成物が低線膨張特性を発現し、−30℃〜100℃の線膨張係数(JIS K 7197)が9.0×10−5−1以下になる。なお、アスペクト比が4.0以上のエラストマードメインが20体積%未満では低線膨張特性が充分に発現しない。
ここで、エラストマードメインとは、ポリプロピレン樹脂組成物中での、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)の集合部分のことである。
[アスペクト比の測定方法]
エラストマーのアスペクト比は、以下のように求められる。
図1のように透過型電子顕微鏡(TEM)写真におけるエラストマードメインの最も長い部分に直線を引き、その長さを測定する(a(mm))。また、この直線に直交する方向のエラストマードメインの長さを、間隔を開けて測定する(b(mm))。そして、式(3)によりアスペクト比(AR)を算出する。このようなアスペクト比は、せん断作用或いは伸張作用による変形の結果、生じたものである。
Figure 0004532084
[体積分率の測定方法]
TEM写真を画像処理によりデジタル化した後(図2参照)、上記の方法により算出したアスペクト比が4.0以上のエラストマードメインを選択(X)し、その面積の総和を面積計算ソフト((株)プラネトロン製Image−Pro)で求める。これを全体の面積で除して面積分率(SR)を下式(4)により算出する。そして、この面積分率(SR)が体積分率に近似するとみなして、体積分率を決定する。
Figure 0004532084
<成形体>
上述したポリプロピレン樹脂組成物は、各種成形方法によって成形体にされる。ここで、成形方法としては特に制限されず、用途に応じて公知の方法を適用でき、例えば、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法および中空成形法等を適用できる。また、押出成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成形法などの二次加工方法によって所望の形状に成形してもよい。
このようにして得られる成形品は、自動車用部品、例えば、バンパー等の外装部品や、インストルメントパネル、ドアライナーやピラー等の内装部品等に特に好適である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
[1]各成分の調製
[A]ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)の調製
重合に用いた固体触媒は高立体規則性のZiegler−Natta触媒であって、MgCl上に2.5質量%のTiと内部ドナーとしてジイソブチルフタレートをヨーロッパ特許第674991号に記載の方法で担持させたものである。
(触媒及び予備重合)
該固体触媒成分をトリエチルアルミニウム(TEAL)とジシクロペンチルメトキシシラン(DCPMS)との混合物に−5℃において5分間接触させた。ここで、TEAL/DCMP=15(質量比)、TEAL/Ti=65(モル比)とした。さらに、第一重合反応容器で反応させる前に、このようにして得られた触媒を液化プロピレン中に懸濁させ、20℃で20分間保持して予備重合し予備重合触媒を得た。
(重合)
重合は、重合したポリマー成分を直ちに次のリアクターに送ることができる装置を有した3段の気相リアクターを用いて実施した。
まず、第1段目のリアクターにて、重合温度70℃でプロピレンガスを上記予備重合触媒及び水素(分子量調整の目的で使用)とともに連続・定速で供給して重合し、ポリプロピレンホモポリマーを得た。この際、水素、及びプロピレンモノマーは水素/プロピレン=0.003(モル比)となるように連続的に分析・供給した。
未反応モノマーをパージした後、第1段目のリアクターで得られたホモポリプロピレンを放出し、これを水素/プロピレン=0.65(モル比)のプロピレン、水素(分子量調整の目的で使用)とともに第2段目のリアクターに導入し、重合温度75℃で重合してホモポリプロピレン成分を得た。
未反応モノマーをパージした後、第2段目のリアクターで生成したポリマー成分を一定流量で放出し、これをエチレン/(エチレン+プロピレン)=0.55(モル比)のエチレン、プロピレン及び、水素/プロピレン=0.04(モル比)の水素とともに第3段目のリアクターに導入し、重合温度65℃で重合してエチレン−プロピレン共重合体エラストマー成分(A)を得た。次いで、第3段目のリアクター内のポリマー粒子から、反応性モノマー及び揮発分を取り除くためにスチームで処理した。このようしてポリプロピレン成分(A−1)を得た。重合条件を表1に、得られたポリプロピレン成分の分析結果を表2に示す。
Figure 0004532084
Figure 0004532084
各重合条件を表1のように変更したこと以外はポリプロピレン成分(A−1)と同様にして(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−8)、(A−9)、(A−10)を製造した。また、第3段目のリアクターでの重合においてプロピレンの代わりに1−ブテンを用い、重合条件を調整したこと以外はポリプロピレン成分(A−1)と同様にして(A−5)、(A−6)、(A−7)を製造した。
[2]ポリプロピレン樹脂組成物の製造
表3(実施例1〜7)、表4(実施例8〜14)、表5(実施例15、比較例1〜6)に示す配合処方で(A)〜(D)成分を配合し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドして均一にしたものをKTX−30ニ軸押出し機(神戸製鋼製)を用い、下記混練条件にて、実施例1〜15、比較例1〜6のポリプロピレン樹脂組成物を製造した。ここで、(B)成分(結晶性ホモポリプロピレン)、(C)成分(その他のエラストマー成分)、(D)成分(その他の重合体)としては表6に示すものを使用した。
なお、全ての配合処方に共通して以下の添加剤を添加した。
イルガノックスB225(チバスペシャリティケミカルズ社):0.2質量部(A〜D成分の合計100質量部あたり)
ステアリン酸カルシウム(耕正社):0.05質量部(A〜D成分の合計100質量部あたり)
なお、実施例13は上記添加剤の他に結晶核剤(ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート;アデカスタブNA11(旭電化工業))を0.1質量部添加した。
<混練条件>
シリンダー温度;180℃
回転数;350rpm
吐出量;20kg/時間
Figure 0004532084
Figure 0004532084
Figure 0004532084
Figure 0004532084
[3]試験片作製、物性測定条件
(1)物性測定用試験片作製
射出成形機(Funuc α100C、(株)ファナック製)を用い、試験片金型により測定用試験片を作製した。成形条件を下記に示す。
<成形条件>
シリンダー温度;200℃
金型温度;40℃
射出圧力;90MPa
冷却時間;20秒
(2)メルトフローレート
JIS K6921−2に準拠して測定した。
<試料>
ペレット
<試験条件>
温度;230℃
荷重値;2.16kg
(3)曲げ弾性率
JIS K7203に準拠して測定した。
<試験片>
12.7mm(幅)×4.0mm(厚み)×127mm(長さ)
<試験条件>
温度;23℃
スパン間;60mm
曲げ速度;2.0mm/分
(4)熱変形温度
(1)の成形条件にて作製した試験片を用い、JIS K7207に準拠して測定した。
<試験片>
6.4mm(幅)×12.7mm(厚み)×127mm(長さ)
<試験条件>
荷重;0.45MPa
昇温速度;2.0℃/分
スパン間;100mm
(5)アイゾッド衝撃試験
機械切削にてノッチ加工した試験片を用いて、JIS K7110に準拠して測定した。試験は、23℃、10℃の2条件の雰囲気下でそれぞれ行った。
<試験片> 12.7mm(幅)×4.0mm(厚み)×64mm(長さ)
(6)収縮率
IS150射出成形機(東芝機械製)にて成形した140mm(流動方向に直交する方向の長さ)×300mm(流動方向の長さ)×3mm(厚み)の平板状の試験片を作製し、これを試料とした。これを23℃、相対湿度50%の恒温・恒湿室内で48時間静置した後に、流動方向の長さL、流動方向に直交する方向の長さLを計測し、次式により収縮率を求めた。
収縮率(MD)=(300−L)/300×1000
収縮率(TD)=(140−L)/140×1000
ここでMDは流動方向、TDは流動方向に直交する方向を表す。
<成形条件>
シリンダー温度;210℃
金型温度;40℃
射出時間;3.0秒
冷却時間;20秒
(7)加熱収縮率
(6)で使用した試験片を温度80℃のオーブン内に24時間放置し、更に温度23℃、相対湿度50%の恒温、恒湿環境内で24時間放置したものを、試料として(6)と同様に収縮率を測定した。
(8)線膨張係数
(1)の成形条件にて作製した厚み3mmの試験片を樹脂の流動方向(MD)に沿って下記の大きさに切り出し、100℃のオーブン内に24時間放置したものを試料としてJIS K7197に準拠して測定を行った。
<試験装置> Ulvac MTS9000 (真空理工製)
<試験片> 5mm(幅)×3mm(厚み)×15mm(長さ)
<試験条件> 昇温速度;5℃/分
荷重 ;5.0g重
測定温度;−30℃〜100℃
(9)スパイラル流動長
J100EP(日本製鋼製)射出成形機を使用し、スパイラル状のスパイラル評価金型(3mm厚み)を用いて下記成形条件にて成形し、充填された樹脂のゲートから末端までの距離を計測し、この距離をスパイラル流動長とした。
<成形条件>
シリンダー温度;170℃
金型温度;40℃
射出圧力;92MPa
冷却時間;20秒
(10)透過型電子顕微鏡測定
<超薄切片作製>
(1)の成形条件にて作製した厚み3mmの試験片を−70℃に冷却し、これを、ミクロトームを用いてガラスナイフで粗面出しを行い、続いてサファイヤナイフを使用して精密面出しを行った。次いで、4酸化ルテニウム0.5%水溶液に一昼夜浸し、バルク染色を行った。この染色サンプルを−100℃に冷却しミクロトームを用いてダイヤモンドナイフで超薄切片(厚み約30nm)を作製し、コロジオン膜を貼った銅グリッド上に載せて、測定サンプルの調製を行った。
<測定装置及び測定条件>
透過型電子顕微鏡J1200EX(日本電子データム)
加速電圧;120kV
倍率;10000倍
[4]物性測定結果
物性測定結果を表7(実施例)、表8(比較例)に示す。
Figure 0004532084
Figure 0004532084
[5]透過型電子顕微鏡測定結果
図3に実施例1、図4に実施例3、図5に実施例10、図6に比較例3、図7に比較例5のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真を示す。
[6]ポリプロピレン樹脂組成物の評価結果
実施例1〜実施例14のポリプロピレン樹脂組成物は、上記(i)〜(iv)を満たすヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を含んでいたので、フィラーを添加しなくても、線膨張特性及び収縮性が低かった上に、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度、熱変形温度、流動性のバランスに優れていた
施例7と実施例9の結果から、(B)成分を含んだヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を使用する方(実施例7)が、後添加で(B)成分を加えた場合(実施例9)よりも線膨張係数及び収縮率は低く抑えられることがわかった。
実施例3〜実施例6の結果から、ポリプロピレン樹脂中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A)の含有量が減少していくと、線膨張係数が増加していくことがわかった。ただし、実施例6は、(A)成分が18質量%と最も低いが、低線膨張特性を保っていた。
実施例10〜12の結果からは、1−ブテンをコモノマーとする(A)成分を含んだヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を使用しても低線膨張特性、低収縮性が発現することがわかった。
実施例3と実施例13の比較から、結晶核剤の添加は収縮率をやや大きくするものの、加熱収縮率、低線膨張特性に効果があることがわかった。
また実施例14は、(D)成分として(B)成分を含んだ結晶性ホモポリプロピレン、他のエラストマー成分(C)としてエチレン−1−オクテン共重合体エラストマーを使用したものであり、この場合においても線膨張係数、収縮率は小さく抑えられていた。したがって、このエチレン−1−オクテン共重合体エラストマーは低線膨張特性を阻害することなく、他の特性を改善する作用を有することがわかった。
さらに、実施例3は、収縮率(加熱収縮率)、線膨張係数において、フィラーを23質量%含有する比較例7とほぼ同等であることがわかった。
比較例1では、ポリプロピレン樹脂組成物中の(A)成分の含有量が5質量%未満であったので、線膨張特性が低かった。
比較例2〜5では、ヘテロファジックポリプロピレン成分中のエチレン含有量、固有粘度が本願請求項1の範囲から逸脱していたので、低線膨張特性、低収縮性が発現しなかった。
比較例6は、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を含有せず、フィラーを含有するものなので、比重が大きく、成形品の質量が重くなった。
透過型電子顕微鏡測定結果からは、低線膨張特性を有していた実施例のポリプロピレン樹脂組成物ではではエラストマードメインが流動方向に高いアスペクト比で配向しており、このようなモルフォロジー形態をとることが低線膨張特性の発現には重要であることが示された(図3、図4、図5参照)。一方、低線膨張特性を発現しなかった比較例のものは、エラストマードメインのアスペクト比が高くないことが示された(図6、図7参照)。
このポリプロピレン樹脂組成物は、寸法変化が小さいから、大型の成形品に好適に利用できる。自動車用部品、例えば、バンパー等の外装部品や、インストルメントパネル、ドアライナーやピラー等の内装部品等に特に好適である。
エラストマードメインのアスペクト比の測定を説明する図である。 本発明のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真を模式的に示す図である。 実施例1のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。 実施例10のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。 比較例4のポリプロピレン樹脂組成物を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

  1. 下記(i)〜(iv)の要件を満たすヘテロファジックポリプロピレン成分(A)と、下記他の成分とを配合して、フィラーの含有量が2質量部未満のポリプロピレン樹脂組成物(ポリプロピレン樹脂組成物を100質量部とする。)を得るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、
    チーグラーナッタ触媒を用いて重合して前記ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)を得ることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物の製造方法
    (i)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)と結晶性ホモポリプロピレン成分とから構成され、ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)全体の質量を100質量%とした場合のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)の含有量が20質量%以上、85質量%未満である。
    (ii)ヘテロファジックポリプロピレン成分(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)の含有量が、該ポリプロピレン樹脂組成物全体を100質量%とした場合の5質量%以上である。
    (iii)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)は、135℃、テトラリン中での固有粘度が1.0dl/g以上、3.0dl/g未満である。
    (iv)エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)中のエチレン含有量が、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)全体を100質量%とした場合の60質量%以上、80質量%未満である。
    (他の成分)結晶性ホモポリプロピレン(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A )以外の他のエラストマー(C)、前記(A)(B)(C)成分以外の他の重合体(D)よりなる群から選ばれる少なくとも1種。
  2. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー成分(A)を構成するα−オレフィンがプロピレンまたは1−ブテンであること特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得たポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤を0.001質量部以上、2.0質量部未満配合することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物の製造方法
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