JP4121923B2 - 電気回路のための異常検出方法及び異常検出装置 - Google Patents

電気回路のための異常検出方法及び異常検出装置 Download PDF

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Description

この発明は、電気・電子回路に用いられる複数の部品または回路についての信頼性試験などを同時的に並行して行う方法及び装置に関し、特に、電気的なモニタリングによって異常の発生を検出する異常検出方法及びその装置に関する。
電気・電子回路の検査は、総試験時間短縮のために複数の検査対象回路を同時並行で試験することが多い。信頼性試験など長期にわたる計測が必要な場合は特に顕著である。このように同時的に複数の検査対象がある場合、検査対象に応じた数の計測器、あるいは検査対象と計測器との切替えのための選択手段のいずれかが必要となる。一般的に計測器は高価であるため、検査対象の選択手段を用意する方法が採用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特許文献1は、図10に示すように、検査対象回路の抵抗値をモニタリングするための装置の例を示す。検査対象となる各テスト回路1−1〜1−nの2つの端子はそれぞれ選択手段2に接続され、該選択手段は抵抗測定器3に接続されている。選択手段2は、コントローラ4の制御下で、抵抗測定器3をテスト回路1−1〜1−nに選択的に接続する。従って、選択手段2を設けることで、複数の検査対象回路1−1〜1−nを順次切替えてそれぞれの抵抗値を測定することができ、これにより多数の検査対象回路を並行して試験することが可能となる。
また、特許文献2に記載の装置では、図11に示すように、各被試験半導体回路11〜1nにそれぞれ抵抗21〜2n及びスイッチ31〜3nを直列接続して構成される各単位回路が相互に並列接続されている。この単位回路から成る並列回路には電圧源4と電流計5が接続され、各単位回路の抵抗21〜2nはそれぞれ独立的に電圧計6に接続されている。各被試験半導体回路11〜1nの評価時には、電流計5で検出された並列回路の電流が異常値を示すと、単位回路毎における抵抗21〜2nでの電圧降下が電圧計6で計測され、それぞれの電圧降下と各単位回路毎の抵抗21〜2nでの電圧降下の正常値とが比較され、この比較結果で異常回路が特定される。この異常回路のスイッチ31〜3nをオフにした後、引き続き残りの回路のモニタリングが継続される。
特開2002−168917号公報 特開2000−147059号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、1つの計測手段を多数の検査対象回路に選択的に接続するための選択手段が必要となり、自動化のためには選択手段の動作を制御するコントローラが不可欠となる上、制御を受ける選択手段が複雑化し、システム全体が高価にならざるを得ない。
また、特許文献2に記載の技術では、電圧を計測するための電圧計が単位回路の数分だけ必要か、または1つの電圧計を各抵抗に選択的に接続するための選択手段が必要となるために、システム全体としては高価にならざるを得ない。また自動化のためにスイッチをオフするための自動化回路が必要になる。
従って、本発明の目的は、スイッチング操作や切替え手段を用いることなく複数の検査対象回路の異常を検出し得る異常検出方法及び異常検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の異常検出方法は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、正常時にほぼ等しい抵抗値を有する複数の前記検査対象回路と、前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
|R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記並行試験回路の電気抵抗値を検出することにより前記検査対象回路の異常の発生を検出する異常検出方法としたことを特徴とする。
請求項2に記載の異常検出方法は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、正常時にほぼ等しい抵抗値を有する複数の前記検査対象回路と、 前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R0と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R0′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
|R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記並行試験回路の電気抵抗値を検出することにより前記検査対象回路の異常の発生を検出することを特徴とする
請求項3に記載の異常検出方法は、請求項1または2に記載の異常検出方法において、前記検査対象回路が異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、予め、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの抵抗値の変化量を異常であると仮想した前記試験単位回路部の個数に関係付けて求め、前記測定値が変化したとき該測定値の変化分を予め求められた前記各抵抗値の変化量と比較し、この比較に基づいて異常を生じた試験単位回路部の個数を特定することを特徴とする。
請求項4に記載の異常検出方法は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、正常時に電気抵抗値を互いに異にする抵抗値を有する前記検査対象回路と、前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗に重み付を与え、合成電気抵抗が段階的に変化するように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの 前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
|R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記並行試験回路で、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて記憶し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定を行って、測定した合成電気抵抗に異常が生じたときは、測定した抵抗値の変化量と前記記憶している抵抗値の変化量を比較して、この比較に基づいて異常を生じたのがいずれの前記試験回路部であるかを判定することを特徴とする。
請求項5に記載の異常検出方法は、 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、正常時に電気抵抗値を互いに異にする抵抗値を有する前記検査対象回路と、前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗に重み付を与え、合成電気抵抗が段階的に変化するように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
|R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記並行試験回路で、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて記憶し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定を行って、測定した合成電気抵抗に異常が生じたときは、測定した抵抗値の変化量と前記記憶している抵抗値の変化量を比較して、この比較に基づいて異常を生じたのがいずれの前記試験回路部であるかを判定することを特徴とする。
請求項に記載の異常検出方法は請求項1乃至5のいずれか一つに記載の異常検出方法において、前記試験単位回路部は静電容量を有し、該静電容量の等価抵抗値がこれに接続された前記補助抵抗の抵抗値よりも小さいことを特徴とする。
請求項に記載の異常検出方法は、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の異常検出方法において、前記補助抵抗は、前記検査対象回路に比較して充分な耐久性を有することを特徴とする。
請求項に記載の異常検出方法は、請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法において、前記試験単位回路部の許容差は、試験温度範囲の抵抗値変化分を含むことを特徴とする。
請求項に記載の異常検出方法は、請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法において、前記試験単位回路部の前記検査対象回路は、回路本体部分と該本体部分から伸び、回路基板に接続される接合部分とを有し、前記接合部分と前記基板との接合部における耐久性は前記回路本体部分におけるそれよりも優れていることを特徴とする。
請求項10に記載の異常検出方法は、請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法において、前記試験単位回路部の前記検査対象回路は、回路本体部分と該本体部分から伸び、回路基板に接続される接合部分とを有し、前記回路本体部分における耐久性は前記接合部分と前記基板との接合部におけるそれよりも優れていることを特徴とする。
請求項11に記載の異常検出装置は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
|R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記メモリには、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの電気抵抗値の各変化量が、該変化量を与える異常な試験単位回路の個数に関連して格納されており、前記判定回路は、抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定して、前記演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路の個数についての情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
請求項12に記載の異常検出装置は、
複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
|R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記メモリには、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの電気抵抗値の各変化量が、該変化量を与える異常な試験単位回路の個数に関連して格納されており、前記判定回路は、抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定して、前記演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路の個数についての情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
請求項13に記載の異常検出装置は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
|R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記メモリには、前記並行試験回路で前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて格納し、前記判定回路は、前記抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、該演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路部を特定する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
請求項14に記載の異常検出装置は、複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
|R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、前記メモリには、前記並行試験回路で前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて格納し、前記判定回路は、前記抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、該演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路部を特定する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
請求項15に記載の異常検出装置は、請求項11乃至14のいずれか一つに記載の装置において、前記試験単位回路部は静電容量を有し、該静電容量の等価抵抗値がこれに接続された前記補助抵抗の抵抗値よりも小さいことを特徴とする。
請求項1,2に記載の方法によれば、互いに並列または直列に接続された複数の試験単位回路部で構成される並行試験回路の電気抵抗値の変化分が閾値である合計許容差αを超えたとき前記試験単位回路部に異常が生じたと判定されることから、スイッチング操作や切替え手段を用いることなく複数の試験単位回路部のいずれかに異常が発生したことを検出することができる。
請求項1,2に記載の方法によれば、総ての試験単位回路部が正常な状態での並行試験回路の第1の合成抵抗値R0と、ある一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R′0と、前記測定器の許容差及び前記試験単位回路部の許容差の和で示される合計許容差αとの間に式(1)が成り立つように前記試験単位回路部を選定することにより、各試験単位回路部の異常毎に前記並行試験回路の電気抵抗値を段階的に変化させることができるので、この段階的な抵抗変化を検出することにより、各試験単位回路部の異常を確実に検出することができる。
また、請求項1及び2に記載の方法によれば、検査対象回路と、該検査対象回路に直列又は並列に接続される補助抵抗とで試験単位回路部を構成することにより、補助抵抗の抵抗値をこれが接続された検査対象回路の抵抗値に応じて、各試験単位回路部の合成電気抵抗が互いに等しく設定することができ、これにより、検査対象回路の抵抗値のばらつきの如何に拘わらず、誤り無く異常を検出することができる。
請求項3に記載の方法によれば、予め各試験単位回路部が異常を生じる前後での並行試験回路のそれぞれの抵抗値の変化量を異常であると仮想した試験単位回路部の個数に関係付けて求めておき、測定値が変化したとき該測定値の変化分を予め求められた前記各抵抗値の変化量と比較することにより、異常を生じた試験単位回路部の個数を知ることができる。
請求項4,5に記載の方法によれば、並行試験回路の電気抵抗の測定値が変化したときに、該測定値の変化分を予め求められた各試験単位回路部が異常であるときの並行試験回路のそれぞれの抵抗値の変化量と比較することにより、スイッチング操作や切替え手段を用いることなく、試験単位回路部の異常の発生を検出することができ、しかも異常がいずれの試験単位回路部で生じたかを特定することができる。
請求項4,5に記載の方法によれば、ある一つの試験単位回路部が異常であるときの並行試験回路の第2の合成抵抗値R0′と、前記一つの試験単位回路部に加えて他の一つの試験単位回路部が異常を生じたときの並行試験回路の第3の合成抵抗値R0′′と、前記測定器の許容差と前記試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に式(2)が成り立つように前記試験単位回路部を選定することにより、各試験単位回路部の異常の発生毎に前記並行試験回路の電気抵抗値を段階的に変化させることができるので、この段階的な抵抗変化を検出することにより、各試験単位回路部の異常の発生を確実に検出することができると共に、異常がいずれの試験単位回路部で生じたかを確実に検出することができる。
請求項4及び5に記載の方法によれば、検査対象回路と、該検査対象回路に直列または並列に接続される補助抵抗とで試験単位回路部を構成し、補助抵抗の抵抗値をこれが接続された検査対象回路の抵抗値に応じて選択することにより、各試験単位回路部のそれぞれに重み付を与えることができるので、検査対象回路の抵抗値のばらつきの如何に拘わらず、各試験単位回路部の合成電気抵抗を各検査対象回路の異常の発生毎に段階的に変化させることができ、これにより検査対象回路の抵抗値のばらつきに拘わらず、該検査対象回路の異常の発生を検出することができ、あるいはいずれの試験単位回路に異常が生じたかを知ることができる。
請求項に記載の方法によれば、試験回路部に静電容量を適用することができ、この場合、静電容量の等価抵抗値がこれに接続される補助抵抗の抵抗値よりも小さくなるように該補助抵抗の抵抗値を設定することにより、静電容量の異常の検出を正確に行うことができる。
請求項に記載の方法によれば、検査対象回路に比較して充分な耐久性を有する補助抵抗を用いることにより、この補助抵抗の異常による誤判定を確実に防止することができる。
請求項に記載の方法によれば、試験単位回路に温度変化を与える加速試験などにおいても、試験単位回路の温度変化に伴う抵抗値変化が予め考慮されていることから、この温度変化に起因する抵抗値変化による誤検出を確実に防止することができる。
請求項に記載の方法によれば、回路基板への接続部となる検査対象回路の接合部分は、その回路本体部分よりも耐久性が優れていることから、前記接合部分での劣化などによる誤判定が確実に防止でき、回路本体部分の正確な評価が可能となる。
請求項10に記載の方法によれば、検査対象回路の回路本体部分は回路基板への接続部となる接合部分よりも耐久性が優れていることから、前記回路本体部に代えて前記接合部分での異常の発生を確実に検出することができるので、前記回路本体部の評価に代えて前記接合部分での評価が可能となる。
請求項11,12に記載の装置によれば、総ての試験単位回路部が正常な状態での並行試験回路の第1の合成抵抗値R0と、ある一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R′0と、前記測定器の許容差及び前記試験単位回路部の許容差の和で示される合計許容差αとの間に式(1)が成り立つように前記試験単位回路部が選定され、判定回路が抵抗測定器による測定抵抗値の変化分とメモリに格納された各抵抗値の変化量との差分を算出し、求められた前記差分と前記合計許容差αとの比較により、スイッチング操作や切替え手段を用いることなく、試験単位回路部の異常の発生を検出することができ、しかも異常を生じた試験単位回路部の個数を知ることができる。
請求項11及び12に記載の発明によれば、検査対象回路と、該検査対象回路に並列または直列接続される補助抵抗とで試験単位回路部を構成し、補助抵抗の抵抗値をこれが接続された検査対象回路の抵抗値に応じて選択することにより、各試験単位回路部の合成電気抵抗が段階的に変化するようにそれぞれに重み付を与えることができるので、検査対象回路の抵抗値のばらつきの如何に拘わらず、異常の発生を検出することができる。
請求項13,14に記載の発明によれば、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R0′と、前記一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの前記並行試験回路の第3の合成抵抗値R0′′と、前記測定器の許容差と前記試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に式(2)が成り立つように前記試験単位回路部が選定され、判定回路が前記抵抗測定器による測定抵抗値の変化分とメモリに格納された前記各抵抗値の変化量との差分を算出し、求められた前記差分と前記合計許容差αとの比較により、スイッチング操作や切替え手段を用いることなく、試験単位回路部の異常の発生を検出することができ、しかもいずれの試験単位回路部が異常を生じたのかを知ることができる。
請求項13及び14に記載の発明によれば、検査対象回路と、該検査対象回路に並列または直列接続される補助抵抗とで試験単位回路部を構成し、補助抵抗の抵抗値をこれが接続された検査対象回路の抵抗値に応じて選択することにより、各試験単位回路部の合成電気抵抗が段階的に変化するようにそれぞれに重み付を与えることができるので、検査対象回路の抵抗値のばらつきの如何に拘わらず、異常の発生を検出することができる。
請求項15に記載の装置によれば、試験回路部に静電容量を適用することができ、この場合、静電容量の等価抵抗値がこれに接続される補助抵抗の抵抗値よりも小さくなるように該補助抵抗の抵抗値を設定することにより、異常の発生を正確に検出し、いずれの試験単位回路に異常が生じたかを正確に知ることができる。
以上のように、本発明の方法によれば、複数の測定手段や選択手段を用いることなく、またスイッチ切替による作業を伴うことなく、試験単位回路の異常の発生を検出することができる。
また、本発明の方法によれば、複数の測定手段や選択手段を用いることなく、またスイッチ切替による作業を伴うことなく、試験単位回路部の異常の発生を検出することができ、しかも異常がいずれの試験単位回路部で生じたかを知ることができる。
また、本発明の装置によれば、本発明の方法を比較的容易且つ安価に実施することができ、試験単位回路の異常の発生を正確に検出することができる。
また、本発明の装置によれば、本発明の方法を比較的容易且つ安価に実施することができ、試験単位回路部の異常の発生を正確に検出することができ、しかも異常がいずれの試験単位回路部で生じたかを正確に知ることができる。
本発明が特徴とするところは、図示の実施例に沿っての以下の説明により、さらに明らかとなろう。
図1は本発明に係る異常検出方法を実施する異常検出装置を概略的に示すブロック図である。
本発明に係る異常検出装置10は、試験対象である複数の検査対象回路11(11−1〜11−n)を含む並行試験回路12の両端子12a、12aの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器13と、該抵抗測定器により得られた抵抗値データを処理する例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置14とを備える。
各検査対象回路11(11−1〜11−n)は、正常時に規定のほぼ等しい抵抗値を持ち、異常時に断線や回路の抵抗値が急激に上昇する回路、または逆に正常な状態が開放状態で、故障などによって導通状態に至る回路である。具体的には、抵抗体の回路基板へのはんだ付けの接合部分や半導体回路内の導体部分などである。
各検査対象回路11(11−1〜11−n)には、図1に示す例では、それぞれに直列に補助抵抗15(15−1〜15−n)が接続されている。互いに直列接続された各検査対象回路11(11−1〜11−n)及び補助抵抗15(15−1〜15−n)は、試験単位回路部16を構成し、該試験単位回路部の並列接続により並行試験回路12が構成されている。
補助抵抗15(15−1〜15−n)は、抵抗値の製造誤差が同一の、例えば5%の許容差で製造された抵抗体の中から、各検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値のばらつきに応じて、それぞれの試験単位回路部16での合成が等しくなるように、選択されたものが使用される。このような検査対象回路11(11−1〜11−n)の各補助抵抗15(15−1〜15−n)は、該補助抵抗の劣化による検出結果の誤りを防止するために、検査対象回路11(11−1〜11−n)に比較して充分に優れた耐久性を持つものが使用される。
従って、全ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常な状態では、各試験単位回路部16の合成抵抗は等しく保持され、この試験単位回路部16の合成抵抗の変化は、検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常で生じると考えることができる。
また、並行試験回路12の各試験単位回路部16の全てが正常な状態での並行試験回路12の第1の合成抵抗値R0と、ある一つの試験単位回路部16が異常を生じたときの並行試験回路12の第2の合成抵抗値R′0と、測定器13の許容差及び試験単位回路部16の許容差の和で示される合計許容差αとの間に次式(1)
|R0′−R0|/(R0′+R0)>α …(1)
が成り立つように、設定されている。
式(1)は、並行試験回路12のうちの任意の一つの試験単位回路部16が異常を生じたとき、すなわち任意の一つの試験単位回路部16の検査対象回路11(11−1〜11−n)に異常が生じた場合に成り立つ。
試験単位回路部16を並列接続して構成された並行試験回路12の端子間すなわち並行試験回路12の抵抗を測定する抵抗測定器13からの出力は、情報処理装置14に出力される。情報処理装置14は、メモリ17と、抵抗測定器13からの測定データに基づいて試験単位回路部16に異常が生じたか否かを判定する判定回路18と、該判定回路により異常が生じたと判定されたとき異常がある旨を表示するための例えば液晶表示板を有する表示部19とを備える。抵抗測定器13として、測定値を記録紙等に連続的あるいは定期的に記録できる抵抗測定器を用いることが望ましい。情報処理装置14として、パーソナルコンピュータを利用することができる。
情報処理装置14のメモリ17には、並行試験回路12を構成する各試験単位回路部16の検査対象回路11(11−1〜11−n)のそれぞれが異常を生じた場合における並行試験回路12の電気抵抗値に関するデータの一つとして、判定回路18による比較のための閾値が格納されている。この閾値として、前記合計許容差αが格納(記憶)されている。また、メモリ17には、後述するように抵抗測定器13からの測定抵抗値についてのデータが逐次格納(記憶)される。
判定回路18は、抵抗測定器13からの測定抵抗値の変化分を算出する演算処理部18aと、出力部18bとを有する。演算処理部18aは、また、求めた測定抵抗値の変化分とメモリ17に格納された合計許容差αとを比較する。この演算処理部18aでの比較結果により測定抵抗値の変化分が合計許容差αを超えると、判定回路18は、その出力部18bから表示部19に異常発生信号を出力する。
図2は、並行試験回路12の全ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常な状態からそのうちのある一つの検査対象回路11−1〜11−nが異常を生じた状態に変移したときの並行試験回路12の合成抵抗値の変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間(t)を示し、その縦軸は抵抗値(r)を示す。
図2に示す例では、並行試験回路12の各検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常な状態では、並行試験回路12の合成抵抗抵抗値は比較的低い値Aを示すが、一つの検査対象回路11、例えば検査対象回路11−1が異常を示すと、該検査対象回路の異常によって並行試験回路12の合成抵抗値は抵抗値Aよりも高い値Bを示す。
このような検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常の前後での並行試験回路12の抵抗値の変化(B−A)は、新たに異常を生じる検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数に応じて増大する。しかも、前記した式(1)に示した条件を満たすように各補助抵抗15(15−1〜15−n)の値を設定することにより、検査対象回路11(11−1〜11−n)のいずれの異常によっても、図2に示すように、検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常発生前後で並行試験回路12に、異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数に応じて、合計許容差αを超える階段状の明確な抵抗値変化が得られる。
情報処理装置14は、前記したように、並行試験回路12の抵抗値の入力を受けると、それぞれの抵抗値をメモリ17に格納し、該メモリ内の抵抗値データから、判定回路18が抵抗値の変化量を検出し、この変化量がメモリ17に格納された閾値である合計許容差αを超えると表示部19に異常が生じた旨を表示する。
従って、従来のような複数の測定手段や選択手段を用いることなく、またスイッチ切替による作業を伴うことなく、試験単位回路の異常の発生を検出することができる。
メモリ17に格納されるデータとして、総ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常である場合から、並行試験回路12を構成する検査対象回路11(11−1〜11−n)が順次異常を生じ、結果的にそれらの総てが異常を生じた場合における並行試験回路12の抵抗値の各変化量についてのデータを、各変化量を求めるに際し異常が生じていると仮想した検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数に関連付けて格納することができる。
この場合、判定回路18の演算処理部18aは、メモリ17に格納された前記抵抗値の総ての変化量と、抵抗測定器13からの抵抗測定値の変化分との差分を演算し、求められた差分が合計許容差α内にあるとき、この差分を与えた当該変化量に対応する異常な検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数についての情報をメモリ17から読み出し、個数についての情報信号を異常情報信号と共に表示部19に供給する。従って、表示部19には異常の発生と共に、異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数についての情報が表示されることから、検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常の発生及び異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)の個数を知ることができる。
前記した異常検出装置10では、並行試験回路12を構成する各試験単位回路部16の検査対象回路11(11−1〜11−n)の例えば断線による異常によって、図2に示すように、並行試験回路12の抵抗値が階段状に変化することから、異常を生じる検査対象回路11の数が2個、3個…と増加するに従い、異常が発生した時点で抵抗値は順次階段状に値が変化する。この階段状に変化した時点が並行試験回路12のいずれかの試験単位回路部16の寿命を示す。
従って、異常検出装置10を用いた並行試験回路12のモニタリング試験により、並行試験回路12の抵抗値の階段状の変化を読み取り、この変化した時点を順次記録していくことで、例えば寿命診断に用いられるワイブル解析などが可能になる。
また、並行試験回路12の抵抗値が変化した時点間の時間を測定することで、異常が生じた時間または温度サイクル試験でのサイクル数を測定することができる。
前記したように、試験単位回路部16毎の異常を明確に判定する上で、総ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常な状態で各試験単位回路部16が等しい抵抗値を示すように、しかも前記式(1)を満たすように、各検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値のばらつきに応じて適正な抵抗値を示す補助抵抗15(15−1〜15−n)が選定される。このような補助抵抗15(15−1〜15−n)を用いることにより、検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値のばらつきの如何に拘わらず、各検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常を検出することができる。
しかしながら、検査対象回路11(11−1〜11−n)が相互にほぼ等しい抵抗値を示し、かつ検査対象回路11(11−1〜11−n)のみで式(1)が満たされる場合、図3に示すように、検査対象回路11(11−1〜11−n)のみで各試験単位回路部16を構成し、補助抵抗15(15−1〜15−n)を不要とすることができる。
また、図1及び図3に示した例では、試験単位回路部16を相互に並列接続した例を示したが、図4に示すように、互いに等しい抵抗値を示す各試験単位回路部16を相互に直列接続することができる。図4の例では、各検査対象回路11(11−1〜11−n)に補助抵抗15(15−1〜15−n)が並列に接続されて各試験単位回路部16が構成されている。
図4に示す例では、例えば検査対象回路11(11−1〜11−n)が、前記したと同様に、例えば正常時に抵抗値を持ち、異常時に断線状態になるような回路である場合、異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値は上昇する。具体的には、完全に断線するような故障を生じる検査対象回路11(11−1〜11−n)が用いられた場合、正常な状態の試験単位回路部16の抵抗値は、検査対象回路11(11−1〜11−n)とこれに並列接続された補助抵抗15(15−1〜15−n)との並列回路の抵抗値となるが、異常を生じた試験単位回路部16では、断線によって検査対象回路11(11−1〜11−n)が失われたものと等しくなるために、補助抵抗15(15−1〜15−n)の抵抗値と等しくなる。
従って、互いに直列接続された試験単位回路部16からなる並行試験回路12の両端子12a、12a間の電気抵抗値を情報処理装置14でモニタリングすることにより、並行試験回路11の検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常の発生あるいは異常を生じた個数を知ることができる。
また、互いに直列接続された試験単位回路部16からなる並行試験回路12の場合においても、式(1)を満たすように補助抵抗15(15−1〜15−n)を選択することにより、異常発生時の並行試験回路12の抵抗値を階段状に明確に変化させることができる。
図5は、検査対象回路11(11−1〜11−n)の一例を示す概略図である。図5には、回路基板20の配線に接続された電気抵抗器21からなる検査対象回路11と、回路基板20上で電気抵抗器21に接続された表面実装用抵抗体22からなる補助抵抗15とで構成される試験単位回路部16が示されている。
このような試験単位回路部16が温度サイクル試験を受けるとき、補助抵抗15は熱応力を生じ難く、検査対象回路11に比較して充分に長い寿命を持つものが用いられる。この点で、表面実装用抵抗体22は、1.0mm×0.5mmの大きさのものを用いることが望ましい。このサイズの表面実装用抵抗体22は、このタイプで最も小型であることから、熱膨張の影響を受け難く、長寿命である。表面実装用抵抗体22に代えて、リード線を有するタイプの抵抗体あるいは回路基板20と同一の熱線膨張係数を有する抵抗体を用いることができる。
また、各試験単位回路部16の前記許容差が試験温度範囲の抵抗値変化分を含むように、その抵抗値が選定される。このような温度変化による抵抗値変化分を考慮することにより、試験単位回路部16の正常及び異常時における並行試験回路12の抵抗値変化量に温度変化の誤差を超える差分を生じさせることができる。
検査対象回路11である電気抵抗器21の異常の有無を確実に検出するために、補助抵抗15である表面実装用抵抗体22は電気抵抗器21よりも耐久性に優れ、長寿命を示すものが用いられる。
また、電気抵抗器21が、図5に示すように、抵抗器本体21aと、該抵抗器本体から伸長する一対のリード端子21bとからなり、該リード端子が回路基板20の配線への接合部分21cで回路基板20に接続されているとき、抵抗器本体21aの耐久性の試験では、接合部分21cに抵抗器本体21aの耐久性よりも高い耐久性が要求される。例えば、高湿度における抵抗器本体21aの耐久性試験の場合、イオンマイグレーション等によるリード端子に関連する短絡が発生しない程度に接合部21cを近傍の配線部と十分に離された位置に設けることで、接合部分21cでの耐湿性を高めて該接合部分での耐久性を抵抗器本体21aのそれよりも高めることができる。
他方、電気抵抗器21の接合部分21cの高温試験の場合、接合部分21cに比較して抵抗器本体21aにより高い耐久性が要求される。この場合、検査対象回路11に、試験温度範囲が動作温度範囲となるような抵抗器本体21aを有する電気抵抗器21が選定される。
前記した検査対象回路11(11−1〜11−n)を静電容量を有する回路で構成することができる。この回路は、正常な状態が開放状態で、故障などによって導通状態に至る回路例の一つである。
検査対象回路11(11−1〜11−n)がコンデンサなどの静電容量を持つ素子で構成される場合、検査対象回路11(11−1〜11−n)は、正常状態では、直流電源を有する抵抗測定器に対しては断線状態を示す。しかしながら、抵抗測定器13に、例えばLCRメータのように交流で計測する計器を用いることにより、静電容量の等価直列抵抗を計測することができる。このような静電容量は、短絡のような異常を生じると、その等価抵抗値が急激に低下する。
従って、電気抵抗器21のような抵抗素子からなる検査対象回路11とは逆に、静電容量を有する検査対象回路11(11−1〜11−n)からなる並行試験回路12では、各検査対象回路11が正常時には比較的高い抵抗値を示し、いずれかの検査対象回路11(11−1〜11−n)に異常が生じると、並行試験回路12の抵抗値は急激に低下する。そのため、この抵抗値の変化を情報処理装置14で処理することにより、電気抵抗器21を有する検査対象回路11(11−1〜11−n)におけると同様に、検査対象回路11(11−1〜11−n)の異常の発生及びその個数を検出することができる。
検査対象回路11(11−1〜11−n)が静電容量を有する場合、各検査対象回路11の等価直列抵抗値がこれに接続される補助抵抗15(15−1〜15−n)の抵抗値よりも充分に小さくなり、各試験単位回路部16の合成抵抗値が等しくなり、しかも式(1)を満たすように、各補助抵抗15(15−1〜15−n)が選定される。
図6は本発明に係る他の異常検出方法を実施する他の異常検出装置を概略的に示すブロック図である。
図6に示す異常検出装置110は、実施例1におけると同様な複数の検査対象回路11(11−1〜11−n)を含む並行試験回路112の両端子12a、12aの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器13と、該抵抗測定器により得られた抵抗値データを処理するパーソナルコンピュータのような情報処理装置14とを備える。
各検査対象回路11(11−1〜11−n)は、正常時に互いに異なる抵抗値を持ち、異常時に断線や回路の抵抗値が急激に上昇する前記したと同様な抵抗回路である。この抵抗回路に代えて、実施例2でも、正常な状態が開放状態で、故障などによって導通状態に至る前記した静電回路を適用することができるが、以下では、検査対象回路11が抵抗体である例に沿って説明する。
各検査対象回路11(11−1〜11−n)は、図1に示した例におけると同様に、それぞれに直列に補助抵抗15(15−1〜15−n)が接続されている。互いに直列接続された各検査対象回路11(11−1〜11−n)及び補助抵抗15(15−1〜15−n)は、試験単位回路部116を構成し、該試験単位回路部の並列接続により並行試験回路112が構成されている。しかしながら、試験単位回路部116はそれぞれ異なる抵抗値を示すように、各補助抵抗15(15−1〜15−n)が選定されている点で、実施例1と異なる。
すなわち、全ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常な状態では、各試験単位回路部116の合成抵抗は相互に異なるように、各検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値に応じて選定されている。
また、並行試験回路112の各試験単位回路部116のうち、ある一つの試験単位回路部116が異常であるときの並行試験回路112の第2の合成抵抗値R0′と、一つの前記試験単位回路部116に加えて他の一つの試験単位回路部116が異常を生じたときの並行試験回路112の第3の合成抵抗値R0′′と、測定器13の許容差と試験単位回路部116の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式(2)
|R0′−R0′′|/(R0′+R0′′)>α …(2)
が成り立つように、設定されている。
式(2)は、並行試験回路112のうちの任意の一つの試験単位回路部116が異常を生じたとき、すなわち任意の一つの試験単位回路部116の検査対象回路11(11−1〜11−n)に異常が生じた場合に成り立つ。
試験単位回路部116の抵抗値が相互に異なり、しかも式(2)を満足するように、検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値に応じて、該各検査対象回路11に接続される補助抵抗15(15−1〜15−n)の抵抗値を選定することで、並行試験回路112の抵抗値は、異常を生じる試験単位回路部116に応じて、異常を生じる前後での並行試験回路112の抵抗値変化量が異なる。そのため、情報処理装置14で並行試験回路12の抵抗変化量を検知することにより、後述するように、異常を起こした試験単位回路部116すなわち異常を起こした検査対象回路11(11−1〜11−n)を知ることができる。
検査対象回路11(11−1〜11−n)の一つに異常が生じると、並行試験回路112の抵抗値は、図2に示した例におけると同様に、変化する(A−B)。この抵抗値の変化について、説明の簡素化のために、補助抵抗15(15−1〜15−n)が用いられない場合に沿って説明する。
例えば検査対象回路11−1に異常が生じる前後での並行試験回路112の合成抵抗値の変化を考えると、この検査対象回路11−1に異常が生じる前、すなわち総ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常であるときの並行試験回路112の合成抵抗値R0は、図8に示すように、異常を生じる前の正常な検査対象回路11−1の抵抗値Rxと、該検査対象回路11−1が異常になった後の並行試験回路112′の合成抵抗値R0′との並列合成抵抗で示される。
従って、総ての検査対象回路11(11−1〜11−n)が正常であるときの並行試験回路112の合成抵抗値R0と、一つの検査対象回路11(11−1〜11−n)が異常を生じたときの並行試験回路112′の合成抵抗値R0′とを用いて、次式(3)から異常をじた検査対象回路11の正常(11−1〜11−n)な抵抗値Rxを求めることができる。
x =R0′・R0 /(R0′−R0) …(3)
各検査対象回路11(11−1〜11−n)の抵抗値、すなわち補助抵抗15が設けられている場合には検査対象回路11(11−1〜11−n)と補助抵抗15(15−1〜15−n)とから成る各試験単位回路部116の抵抗値は、相互に異なるように設定されていることから、基本的には、この抵抗値すなわち並行試験回路112の抵抗値の変化量を算出することができ、この変化量と後述するメモリ17に格納された並行試験回路112の各抵抗変化量との比較により、いずれの検査対象回路11(11−1〜11−n)が異常を生じたかを知ることができる。以下、並行試験回路112に抵抗値変化が生じる毎に、前記したと同様な手順によって、順次異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)を特定することができる。
図9に示すように、各試験単位回路部116を検査対象回路11(11−1〜11−n)と補助抵抗15(15−1〜15−n)との並列回路で構成し、試験単位回路部116を相互に直列接続することによって並行試験回路112を構成することができる。この場合においても、各試験単位回路部116の抵抗値が相互に異なりかつ式(2)を満たすように、補助抵抗15(15−1〜15−n)が選定される。
図9に示した並行試験回路112では、例えば一つの検査対象回路11−1が断線による異常を生じると、該検査対象回路を含む一つの試験単位回路部116の抵抗値は、補助抵抗15−1との合成抵抗値から該補助抵抗15−1の抵抗値に変化する。すなわち、異常を生じる検査対象回路11−1を含む試験単位回路部116の異常を生じる前の抵抗値Rxと、その補助抵抗15−1の抵抗値rXと、異常を生じる前後での検査対象回路11−1を含む試験単位回路部116の抵抗変化量とは、次式(4)で示される関係を有する。
IX=rx 2/(Rx+rX) … (4)
従って、式(4)の演算処理により、異常を生じた試験単位回路部116を特定することができる。
再び図6を参照するに、異常検出装置110のメモリ17には、予め、各試験単位回路部116の検査対象回路11(11−1〜11−n)が異常を生じる前後での並行試験回路112のそれぞれの電気抵抗値の各変化量が、該変化量を与える異常な検査対象回路11(11−1〜11−n)を含む試験単位回路116を特定する情報に関連して格納されており、判定回路18は、抵抗測定器13による測定抵抗値の変化分とメモリ17に格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部18aを有し、該演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路部を特定する情報を前記表示部に表示させる。
すなわち、図6あるいは図8に示す例では、演算処理部18aは式(3)を実行し、図9に示す例では演算処理部18aは式(4)を実行することにより、並行試験回路12の抵抗値変化から異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)を特定するための抵抗値を求め、この値をメモリ17に格納された抵抗値データと比較することにより、異常を生じた検査対象回路11(11−1〜11−n)を特定し、その情報を出力部18bから表示部19に出力する。
また、メモリ17に、それぞれの検査対象回路11(11−1〜11−n)が単独で異常を生じた場合から総ての検査対象回路11に異常を生じた場合まで、異常を生じる各検査対象回路11(11−1〜11−n)の総ての組み合わせにおいて、それぞれの異常発生前後に対応した並行試験回路12の抵抗値の変化量のデータを格納することができる。この場合、演算処理部18aの演算処理により求めた並行試験回路12の抵抗値の変化量をメモリ17に予め格納された並行試験回路12の変化量データと比較することにより、異常を生じる複数の検査対象回路11(11−1〜11−n)をも特定することができる。
実施例2においても、各試験単位回路部116の前記許容差は試験温度範囲の抵抗値変化分を含むように考慮され、補助抵抗15(15−1〜15−n)は、検査対象回路11(11−1〜11−n)に比較して充分な耐久性を有するものが用いられる。
また、実施例1におけると同様、検査対象回路11(11−1〜11−n)に、実施例1で示したと同様な表面実装用抵抗体22のような抵抗回路あるいは補助抵抗15(15−1〜15−n)の抵抗値よりも充分に小さな等価抵抗値を示す静電容量を適用することができる。
本発明に係る検出方法を実施する検出装置を概略的に示すブロック図である。 本発明に係る検出装置の抵抗測定器により測定される並行試験回路の抵抗変化の一例を示すグラフである。 図1に示した並行試験回路の他の例を示すブロック図である。 図1に示した並行試験回路のさらに他の例を示すブロック図である。 試験単位回路部の一例を示す概略図である。 本発明に係る他の検出方法を実施する検出装置を概略的に示すブロック図である。 異常を生じる前の並行試験回路と、異常を生じた検査対象回路及び該検査対象回路を含む並行試験回路との等価関係を示すブロック図である。 図6に示した検出装置における並行試験回路の他の例を示すブロック図である。 図6に示した検出装置における並行試験回路のさらに他の例を示すブロック図である。 従来の検出装置を示すブロック図である。 従来の他の検出装置を示すブロック図である。
符号の説明
10、110 異常検出装置
11(11−1〜11−n) 検査対象回路
12、112 並行試験回路
13 抵抗測定器
15(15−1〜15−n) 補助抵抗
16、116 試験単位回路部
17 メモリ
18 判定回路
18a 演算処理部
18b 出力部
19 表示部
20 回路基板
21a 回路本体部分(抵抗器本体)
21c 接合部分

Claims (15)

  1. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、
    正常時にほぼ等しい抵抗値を有する複数の前記検査対象回路と、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
    |R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
    が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記並行試験回路の電気抵抗値を検出することにより前記検査対象回路の異常の発生を検出することを特徴とする異常検出方法。
  2. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、
    正常時にほぼ等しい抵抗値を有する複数の前記検査対象回路と、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R0と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R0′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
    |R0′−R0|/(R0′+R0)> α
    が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記並行試験回路の電気抵抗値を検出することにより前記検査対象回路の異常の発生を検出することを特徴とする異常検出方法。
  3. 前記検査対象回路が異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、
    予め、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの抵抗値の変化量を異常であると仮想した前記試験単位回路部の個数に関係付けて求め、前記測定値が変化したとき該測定値の変化分を予め求められた前記各抵抗値の変化量と比較し、この比較に基づいて異常を生じた試験単位回路部の個数を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出方法。
  4. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、
    正常時に電気抵抗値を互いに異にする抵抗値を有する前記検査対象回路と、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗に重み付を与え、合成電気抵抗が段階的に変化するように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの 前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
    |R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
    が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記並行試験回路で、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて記憶し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定を行って、測定した合成電気抵抗に異常が生じたときは、測定した抵抗値の変化量と前記記憶している抵抗値の変化量を比較して、この比較に基づいて異常を生じたのがいずれの前記試験回路部であるかを判定することを特徴とする異常検出方法。
  5. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出方法であって、
    正常時に電気抵抗値を互いに異にする抵抗値を有する前記検査対象回路と、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗に重み付を与え、合成電気抵抗が段階的に変化するように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
    |R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
    が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記並行試験回路で、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて記憶し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定を行って、測定した合成電気抵抗に異常が生じたときは、測定した抵抗値の変化量と前記記憶している抵抗値の変化量を比較して、この比較に基づいて異常を生じたのがいずれの前記試験回路部であるかを判定することを特徴とする異常検出方法。
  6. 前記試験単位回路部は静電容量を有し、該静電容量の等価抵抗値がこれに接続された前記補助抵抗の抵抗値よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の異常検出方法。
  7. 前記補助抵抗は、前記検査対象回路に比較して充分な耐久性を有するように設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の異常検出方法。
  8. 前記試験単位回路部の前記許容差は、試験温度範囲の抵抗値変化分を含む請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法。
  9. 前記試験単位回路部の前記検査対象回路は、回路本体部分と該本体部分から伸び、回路基板に接続される接合部分とを有し、前記接合部分と前記基板との接合部における耐久性は前記回路本体部分におけるそれよりも優れているように設定することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法。
  10. 前記試験単位回路部の前記検査対象回路は、回路本体部分と該本体部分から伸び、回路基板に接続される接合部分とを有し、前記回路本体部分における耐久性は前記接合部分と前記基板との接合部におけるそれよりも優れているように設定することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載の異常検出方法。
  11. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、
    電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、
    前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
    |R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
    が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記メモリには、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの電気抵抗値の各変化量が、該変化量を与える異常な試験単位回路の個数に関連して格納されており、
    前記判定回路は、抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定して、前記演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路の個数についての情報を前記表示部に表示させることを特徴とする異常検出装置。
  12. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、
    電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、
    前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記試験単位回路部の全てが正常な状態での該並行試験回路の第1の合成抵抗値R 0 と、いずれか一つの該試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該抵抗測定器の測定許容差及び該試験単位回路部の設定許容差の和で求まる合計許容差αにより次式
    |R 0 ′−R 0 |/(R 0 ′+R 0 )> α
    が成り立つようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記メモリには、前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での前記並行試験回路のそれぞれの電気抵抗値の各変化量が、該変化量を与える異常な試験単位回路の個数に関連して格納されており、
    前記判定回路は、抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を前記抵抗測定器で測定して、前記演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路の個数についての情報を前記表示部に表示させることを特徴とする異常検出装置。
  13. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、
    電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、
    前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に直列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに並列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
    |R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
    が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記メモリには、前記並行試験回路で前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて格納し、
    前記判定回路は、前記抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、該演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路部を特定する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする異常検出装置。
  14. 複数の電気・電子部品または電気・電子回路からなる検査対象回路を、同時的に並行して異常の発生を検出する異常検出装置であって、
    電気抵抗値を測定する抵抗測定器と、メモリと、前記抵抗測定器により測定された抵抗値に基づいて前記検査対象回路に異常が生じたか否かを判定する判定回路と、表示部とを備え、
    前記検査対象回路は正常時にほぼ等しい抵抗値を有すると共に、異常時に断線あるいは抵抗値が急激に上昇する回路であって、
    前記検査対象回路と該検査対象回路に並列に接続して合成抵抗が等しくなるように選定した補助抵抗を組み合せて試験単位回路部とし、
    複数の前記試験単位回路部を互いに直列に接続して並行試験回路を設定し、
    前記並行試験回路の合成電気抵抗を抵抗測定器で測定したときに、ある一つの前記試験単位回路部が異常であるときの前記並行試験回路の第2の合成抵抗値R 0 ′と、該一つの試験単位回路部に加えて他の一つの前記試験単位回路部が異常を生じたときの該並行試験回路の第3の合成抵抗値R 0 ′′と、該測定器の許容差と該試験単位回路部の許容差との和で示される合計許容差αとの間に次式
    |R 0 ′−R 0 ′′|/(R 0 ′+R 0 ′′)> α
    が成り立ち電気抵抗値の段階的な変化が発生するようにそれぞれの前記試験単位回路部を設定し、
    前記メモリには、前記並行試験回路で前記各試験単位回路部が異常を生じる前後での抵抗値の変化量を、異常が生じたと仮想した該試験単位回路部に関係付けて格納し、
    前記判定回路は、前記抵抗測定器による測定抵抗値の変化分と前記メモリに格納された前記各変化量との差分を算出する演算処理部を有し、該演算処理部により求められた前記差分が前記合計許容差α内にあるとき、異常が生じた旨及び当該差分を与えた前記変化量についての前記試験単位回路部を特定する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする異常検出装置。
  15. 前記試験単位回路部は静電容量を有し、該静電容量の等価抵抗値がこれに接続された前記補助抵抗の抵抗値よりも小さいことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一つに記載の異常検出装置。
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