JP4115684B2 - 画像形成法およびトナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ、装置あるいはこれら複合機等の電子写真方式の画像形成方法、画像形成装置、及びこれら画像形成方法及び装置に用いられる2成分現像剤用のトナーに関し、特に電子写真方式において、トナーリサイクル機構を備えた画像形成に用いる2成分現像剤用のトナー、及びこのトナーを用いた画像形成方法、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2成分現像を用いた電子写真法を用いた画像形成法は広く知られ、プリンタや複写機等に利用されている。
【0003】
最近は、特開昭60−41079号公報に開示されているように、トナーにより感光体上に形成された潜像を現像画像装置として転写後に感光体ドラムに残留したトナーを除去するためのクリーナーと、クリーナーで除去されたトナーを現像装置に戻すリサイクル装置とを有するものが多くなってきている。
【0004】
また、特開平11−73079号公報に開示されているように、リサイクルトナー搬送の一手段としてクリーニング部で回収されたトナーを、スクリューポンプおよびエアー供給手段を有するトナー移送手段の作動により気体流と混合してパイプやチューブでレイアウト自由に排トナーをニューマティック状態が多分に保持された状態で搬送し現像装置に戻す技術が提案されている。
【0005】
更にまた、特開平7−199538号公報に開示されているように、低温定着のリサイクルシステムにおいてもトナー劣化が少なく長時間良好な画質を形成することのできるトナーとして、流動性向上剤として、帯電量を増加させる添加剤と減少させる添加剤の2種類を含有し、更に離型剤としてカルナウバワックス等を含有したトナーが提案されている。
【0006】
最近は、コピー機にもプリンタ機能が付加されたものが多く、コピーやプリント1枚のみの出力が多くなり、コピー、プリント枚数に対し現像での現像剤の攪拌時間が多くなってきている。
【0007】
現像装置においては、現像剤の攪拌が現像剤の劣化に大きく影響している。現像剤が現像ローラに汲み上げられ、ドクター部でキャリアとトナーは擦られる。その結果、現像剤の温度上昇となり、局部的にトナーの成分がキャリアに付着する。オイルレストナーには、定着離型性を確保するためにワックスが分散している。現像剤に熱ストレスを加えた場合、ワックスがトナー表面に出てワックス過多となり、キャリア表面にもワックスを付着させてしまう。その結果、トナー極性が負の場合、同じ極性のワックスがキャリアに付着することにより現像剤の帯電量が低下してしまう。
【0008】
また画像濃度制御方式として、感光体上の付着トナーの濃さを光検知してトナー濃度を制御して画像濃度をコントロールする方式が使われている。その結果、トナー帯電量が低下すると現像γ特性が立って、飽和画像濃度が低くなる。
【0009】
上記従来技術のスクリューポンプとは、内部にダブルピッチの螺旋溝を設けた雌ネジ形ゴム製ステータ、該ステータ内に回転自在に嵌挿された雄ネジ形金属ロータより構成された一軸偏心スクリューポンプ(通称 モーノポンプ)が使われている。現像、クリーニングで劣化したトナーは更に、スクリューポンプ構成されたトナー搬送手段でトナーにストレスが掛かり、トナー同士の凝集体ができて現像装置に戻される。そして、補給された新しいトナーとリサイクルで戻ったトナーを混合され、そして現像される。
その結果、画像濃度低下やシャープ性不良といった問題とトナー凝集体が原因となる黒ポチが発生し、現像剤寿命が極端に短くなってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記した従来の技術を鑑み、トナーへの熱ストレス、機械ストレスに強く、クリーニング部からの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムを有する画像形成においても、画像濃度低下やシャープ性不良、黒ポチ等のない、安定した画像が得られるトナー条件を備えた画像形成方法及びそのための2成分現像剤用トナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「ワックスを分散したトナーとキャリアから成る2成分現像剤を用い、オイルレス定着を行ない、クリーニングからの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムで、回収トナーの搬送手段として空気流を利用する画像形成方法であって、前記ワックスは、カルナウバワックス、またはライスワックスであり、該ワックスの原材料平均粒径が300〜500μmであり、前記トナーは、体積平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のトナー粒子を60〜70個数%含むことを特徴とする画像形成方法」により達成される。
【0012】
また上記課題は、本発明の()「ワックスを分散したトナーとキャリアから成る2成分現像剤を用い、オイルレス定着を行ない、クリーニングからの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムで、回収トナーの搬送手段として空気流を利用する画像形成方法用トナーであって、前記ワックスは、カルナウバワックス、またはライスワックスであり、該ワックスの原材料平均粒径が300〜500μmであり、前記トナーは、体積平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のトナー粒子を60〜70個数%含むことを特徴とするトナー」により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で実施の機械構成について説明する。
図1のデジタル複写機は、周知の電子写真方式を用い、内部にドラム状感光体(1)を備えている。感光体(1)の周囲には矢印(A)で示す回転方向に沿って、電子写真複写行程を実施する帯電器(2)、露光手段(3)、現像部の現像手段である現像装置(4)、転写手段(5)、クリーニング手段(6)が配置されている。
露光手段(3)は、複写機上面の原稿載置台(7)に置かれた原稿を読み取り手段(8)によって読み取られた画像信号を基に、感光体(1)上に静電潜像を形成する。
感光体(1)上に形成された静電潜像は、現像手段(4)によってトナー像化され、そのトナー像が給紙装置(9)から給送されてくる転写紙に転写手段(5)によって静電転写される。トナー像が載った転写紙は、定着手段(10)に搬送、定着された後に、機外へ排出される。
【0015】
次に、図1、2を用いてこの画像形成工程に用いられているトナーの動きについて説明する。現像装置(4)は、二成分現像装置で現像タンク(50)内にキャリアとトナーからなる現像剤を内包している。現像装置(4)がトナー像を形成すると、現像剤のトナーが消費され、その割合(トナー濃度)が減少する。そこで、画像濃度の低下を抑えるために、現像剤中のトナー濃度Vtがトナー濃度の目標値Vrefに対して所定値以下になると、トナーホッパー(51)からトナーを補給して、現像剤中のトナー濃度を維持することが行なわれる。現像剤中のトナー濃度は、現像装置下ケースにとりついている透磁率センサ(52)によって測定される。トナー濃度の目標値Vrefは、感光体上に作成した測定用トナー像(Pパターン)をフォトセンサーで測定した値Vspにより設定される。トナーホッパ(51)から補給ローラ(53)を介して補給されたトナーは、現像装置(4)内の攪拌部材(54)によって、キャリアと攪拌・摩擦帯電される。キャリアとトナーからなる現像剤は、パドルホイール(55)によって、現像ローラ(56)へ跳ね上げられ、現像ローラ(56)内の磁石によって、現像ローラ(56)上に吸着する。現像ローラ外周のスリーブにより現像剤は搬送され、余剰分は現像ドクタ(57)により掻き落とされる。感光体側に搬送された現像剤中のトナーが静電潜像に対応して、現像バイアスにより付着する。
【0016】
上記現像によって感光体(1)上に付着したトナーは、転写手段(5)によって転写紙に静電転写されるが、約10%のトナーは未転写となって感光体上に残る。未転写トナーはクリーニング手段(6)のクリーニングブレード(6a)やブラシローラ(6b)によって感光体から掻き落とされるようになっていて、この掻き落とされた回収トナーを、リサイクルトナーとして再使用するためトナーリサイクル装置に送られる。図3にトナーリサイクル装置を示した。トナーリサイクル装置には、気体流移送手段として、モーノポンプとも呼ばれる粉体スクリューポンプ(20)が設置されている。クリーニングより送られた回収トナーは、トナー挿入口(21)より粉体スクリューポンプ(20)に入り、気体供給手段(30)により供給される気体(空気)と混合し流動化され、粉体スクリューポンプにて発生する吐出圧により移送されて現像手段(4)に戻り、再度現像に使用される。更に、粉体スクリューポンプについて図4で説明する。この粉体スクリューポンプ(20)は、ホルダに固定されたステータ(22)と、ステータ(22)と接触して回転することにより軸方向に回収トナーを移動させるロータ(23)とを有し、ステータ(22)がロータ(23)を包み込むように通路を形成して配置されている。ロータ(23)は、横搬送スクリュー(24)の軸と係合している。この横搬送スクリュー(24)の他端は、シール部材、軸受、クラッチと係合し、画像形成装置本体からの駆動をタイミングベルト、タイミングプーリ、クラッチを介して、ロータ(23)、横搬送スクリュー(24)が回転駆動される。この粉体スクリューポンプ(20)は、マイクロ・プロセッシング・ユニット(MPU)により駆動開始して回収トナーの移送動作を開始した後、所定時間回転駆動して停止し、回収トナーの移送動作を停止するように間欠回転駆動して、回収トナー移送動作が間欠的に行われるように制御されている。
【0017】
他方、転写手段(5)の転写ベルト(5a)上にも未転写部や非画像部の感光体(1)と接触してトナーが付着するため、クリーニング手段(11)が設けられている。転写ベルト(5a)上の残留トナーは、ベルトに摺接するクリーニングブレード(図示せず)により掻き落とすようになっている。この掻き落とされたトナーには、紙粉等の異物が含まれる可能性が高いため、本発明では、リサイクルせずに排出口(5b)から自重落下して、トナーガイドスクリューパイプ(点線)を介して回収トナー容器としての廃トナータンク(14)に送られる。
【0018】
次に、以上のシステムで使用するトナーの構成について説明する。
トナーに混練するワックス成分としてカルナウバワックス及び/またはライスワックス及び/または合成エステルワックスを用いることが重要である。
カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。
ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。
合成エステルワックスは、単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜10重量部が好ましい。
【0019】
また、本発明では、カルナウバワックス及び/またはライスワックス及び/または合成エステルワックスの平均粒径が100〜500μmであることが重要である。
ワックス成分はトナー中に均一に、しかも所望の粒径で分散していることが極めて望ましい。好ましい分散径としては0.1〜5μm程度である。しかしながら、原材料のワックス粒子は、粒径分布も非常に広いものが多い。
このようなワックスを用いたトナーは、ワックス分散径が不均一となり、0.01〜50μm程度の粒径分布となってしまう。
ワックスを100〜500μmにすることで、所望する分散径とすることが可能となる。ワックスの平均粒径が500μm以上の場合、トナー中の分散径が大きくなり、フィルミング性、スペント性及び耐熱保存性が悪化する。
また、ワックスの平均粒径が100μm以下の場合、トナー中の分散径が小さくなり、低温定着性、オフセット性が悪化する。
【0020】
なお、ワックス原材料粒径は、振動フルイによる測定法、レーザーによる測定法などで調べる。レーザー法による測定の一例として、堀場製作所LA−920を用い、循環速度を5〜7にして、分散媒としてメタノールを用いて調べた。
ワックスのトナー中の分散径は、トナーの透過型走査電子顕微鏡により撮影されたワックス粒子の写真画像を画像解析装置ルーゼックスIIIU(株式会社ニレコ)を用い画像解析により求めた。
【0021】
また、本発明で使用される結着樹脂としては従来公知の樹脂が全て使用可能である。
例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、単独使用も可能であるが、二種類以上併用しても良い。
また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
【0022】
また、外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0023】
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0024】
本発明に使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料の全てが適用される。具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、オイルブラック、アゾオイルブラックなど特に限定されない。
着色剤の使用量は1〜10重量部、好ましくは3〜7重量部である。
また、本発明のトナーを磁性一成分トナーとして用いる場合は、酸化鉄、マグネタイト、フェライトなどの磁性微粉末を添加することができる。
【0025】
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、結着樹脂、ワックス成分、着色剤、その他場合によっては荷電制御剤等をミキサー等を用いて混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用い混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等の粉砕で粉砕し、その後分級し得られる。
トナーの粒径としては、5〜10μmが望ましい。トナー粒径が大きいと、得られる画像の解像力が悪くなる。また、小さすぎるとトナー流動性の低下を招く。なお、測定はCoulter MULTISIZER IIeを使用した。なおアパーチャー径は100μmである。
【0026】
上記トナーに無機無粉末を添加するには、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いる。また、例えば本発明のトナーを二成分系乾式トナーとして使用する場合に混合して使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜500μm程度の粉末、または、該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能である。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
以下、実施例に用いたトナーについて詳細に説明する。
ポリエステル樹脂 60重量%
スチレン−ブチルアクリレート 35重量%
ポリプロピレン 5重量%
カーボンブラック 4重量%
金属アゾ染料 1重量%
以上の組成の混合物をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、ロールミルで130℃〜140℃の温度で30分程度加熱溶融し、常温まで冷却後、得られた混合物を粉砕、分級し、母体トナーを得た。以上の母体トナー1kgに対して、添加剤としてシリカ粉末を1.5重量%の割合で加え、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで3分間混合しトナーを得た。
【0028】
トナーを分級する際、微紛および粗粉のカットレベルを操作することで、トナーの平均粒径およびトナー中に含まれる微紛含有量を制御することができる。
トナー粒径としては、5〜10μmが望ましい。トナー粒径が小さすぎるとトナーの流動性の低下を招き、黒ポチやクリーニング不良等の原因となる。また、トナー組成の均一化が難しく、帯電量がばらつき、トナーが機内に飛散する場合がある。トナー粒径が大きすぎると得られる画像の解像力や階調性、ハーフトーンの粒状性が著しく低下する。解像力や階調性、粒状性の面から見るとトナー粒径10μm以上のものは好ましくない。
【0029】
サンプルとして体積平均粒径9.5μmのトナー中に平均粒径5μm以下の微紛トナーをそれぞれ40個数%、50個数%、60個数%、70個数%、80個数%、90個数%含んだトナーを作成した。トナー粒径測定にはCoulter Multisizer IIeを使用した。なお、アパーチャー径は100μmである。これらのサンプルを用いてデジタル複写機(リコー製MF7070)でランニング試験を行ない、トナーがリサイクルによる熱ストレス、機械ストレスを受けることでどのような変化が起きるかを確認した。
【0030】
テスト機は、既に上記した図1のデジタル複写機の改造機である。感光体(1)の周囲には、矢印(A)で示す回転方向に沿って、電子写真複写工程を実施する帯電器(2)、露光手段(3)、現像手段(4)、転写手段(5)、クリーニング手段(6)が配置されている。上記の微紛量を振ったトナーサンプルをキャリアと混合して直接現像機内に入れて使用した。どのトナーサンプルについてもキャリアは共通とし、平均粒径65μmのものを使用した。キャリアとトナーの重量混合比は一定とした。このようにして得られた剤サンプルを立ち上げるために500枚程度のランニングを行ない、Vsp、Vsg、Vref、Vtの値がそれぞれ適切な値になっていることを確認した。ランニングに用いた画像は6%文字チャート、画像評価用画像はリコー標準プリンタチャートである。剤が立ち上がった後に、各サンプルについてそれぞれ3万枚(30K)のランニング試験を行なった後、トナー評価用画像を出力して、画像品質および異常画像等を評価した。
ランニングは1to2連続モード(インターバル12秒)にて行ない、ランニング試験中はトナー温度を監視した(1to2連続モードとは、1枚の原稿から両面コピーを1枚取り、機械停止後インターバルを間に挟んで、画像出力を繰り返すテストの方法である)。
表1に、体積平均粒径5μm以下トナー(微紛トナー)含有量の画像への影響について示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004115684
微紛量60%未満では解像度や粒状性などの点で、画質の悪さが顕著であった。逆に微紛量が70%以上では帯電が低下しており、現像剤劣化が現われている。また、画像濃度低下、凝集度が悪いことによる異常画像も現われている。
以上の結果より、体積平均粒径5μm以下のトナー含有量は60個数%以上70個数%未満で問題のない画像が得られることがわかる。
【0032】
次に、テスト機として使用したデジタル複写機のリサイクル機能を停止し、新しい現像剤に入れ替えて、上で述べた例と同じく1to2モードで6%文字チャートを使用し3万枚のランニング試験を行ない、画像を評価した。表2に微紛トナー含有量の画像への影響(リサイクルなし)を示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004115684
リサイクルを行なった場合のランニングテスト結果と比べ、特に微紛トナー含有率80個数%のトナーと90個数%のトナーの画像が改善されている。表1に示したトナー凝集による黒ポチ、帯電不良による飽和画像濃度の低下等の異常画像は、トナーがクリーニング部とリサイクル部を通過するときにストレスを受け劣化していることが原因であることが分かる。実施例1に示した粉体スクリューポンプは基本的にトナーを混合気として移送するが、ローターとステータの接触部分が摺れあいながらトナーを移送しているため、その狭部にトナーが入り、トナーに摩擦熱、剪断力、圧力によるストレスを与え、凝集体を作る。
リサイクルによるトナーへのストレスに強く、かつ粒状性、解像度に優れた画像を形成するために、表1に示されるように、トナー条件として微紛トナーを60個数%〜70個数%含むことが重要である。
【0034】
(実施例2)
次に、実施例1の処方において、ポリプロピレンの原材料粒径を変えたものと、ポリプロピレンをカルナウバワックス、ライスワックスに置き換え、原材料粒径を変えたものをトナーサンプルとして作成した。トナーの体積平均粒径は9.5μm、5μm以下の微紛含有量は70個数%とした。
作成したサンプルを表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0004115684
以上のサンプルを実施例1と同様に6%文字チャートを使い、1to2モードで3万枚のランニングテストを行なった後、画像サンプルを調べた。
また、ワックスの原材料粒径を小さくすると、トナー中のワックスの分散径が小さくなり、低温での定着性、オフセット性が弱くなる。低温での定着性を評価するために、低温低湿環境室(室温10℃、湿度15%)にて、コピー電源を入れてから1時間放置後に連続で10枚の画像サンプルを取り、それぞれ定着性を測り、最も定着性の悪い画像サンプルの定着性を比べた。
その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
Figure 0004115684
以上の結果から、リサイクルによるトナーへのストレスに強く、低温定着性に優れるトナー条件として、ワックスにカルナウバワックス、ライスワックスなどの低融点ワックスを用い、かつトナーの原材料粒径が100μm〜500μmであることが重要であることが分かる。
なお、解像度はトナー帯電量の低いサンプルがわずかに悪く、粒状度はほぼすべて変わりがなかった。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明からなように、本発明により、クリーニングからの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムを有する電子写真画像形成装置に用いるトナーにおいて、平均粒径5μm以下の場合、トナー流動性が悪化し、熱履歴(リサイクルによるストレス)を長期に亘り受けると、ますますトナーの流動性が悪化する。トナー組成の均一化が難しく、黒ポチ、トナー飛散を招く。平均粒径10μm以上の場合、熱履歴に対しては強いが画像品質の改善効果が少ない。5μm以下が60個数%以下の場合、熱履歴に対しては強いが、画像品質の改善効果が少ない。5μm以下が70個数%以上の場合、トナー流動性が著しく悪化し、熱履歴を長期に亘り受けると、ますますトナーの流動性が悪化する。トナー組成の均一化が難しく、黒ポチ、トナー飛散を招く。よって、平均粒径は5μm〜10μm、かつ、5μm以下が60個数%〜70個数%であるトナー構成とすることで、リサイクルシステムを有する電子写真画像形成装置において、安定して画像品質のよい画像形成方法、およびトナーを提供できる。
本発明により、リサイクル、現像でのストレスによるワックス成分の染み出しを押さえるためには、トナー中のワックスの分散径を小さくすることが有効であるが、ワックスの分散径を小さくすると低温での定着性が悪くなる。カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックスといった融点の低いワックスを用いることで、小さい分散径であっても低温で良好な定着性を維持できる。
本発明により、ワックスの原材料の平均粒径が500μm以上の場合、トナー中の分散径が大きくなり、フィルミング性、スペント性及び耐熱保存性が悪化する。また、ワックスの原材料の平均粒径が100μm以下の場合、トナー中の分散径が小さくなり、低温定着性、オフセット性が悪化する。よって、ワックスの原材料の平均粒径を100μm〜500μmとすることで、リサイクルでのストレスに強く、定着性に優れたトナーとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた画像形成装置例としてのデジタル画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明に用いた感光体周り、及び現像装置の概略図である。
【図3】本発明に用いたリサイクル装置の概略図である。
【図4】本発明に用いた粉体スクリューポンプの概略図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
5a 転写ベルト
5b 排出口
6 クリーニング手段
6a クリーニングブレード
6b ブラシローラ
6c 排出口
7 原稿載置台
8 読み取り手段
9 給紙装置
10 定着手段
11 クリーニング手段
14 廃トナータンク
20 粉体スクリューポンプ
21 トナー挿入口
22 ステータ
23 ロータ
24 横搬送スクリュー
30 気体供給手段
50 現像タンク
51 トナーホッパー
52 透磁率センサ
53 補給ローラ
54 攪拌部材
55 パドルホイール
56 現像ローラ
57 現像ドクタ
58 トナー受け部
60 現像部ホッパー
A 回転方向

Claims (2)

  1. ワックスを分散したトナーとキャリアから成る2成分現像剤を用い、オイルレス定着を行ない、クリーニングからの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムで、回収トナーの搬送手段として空気流を利用する画像形成方法であって、前記ワックスは、カルナウバワックス、またはライスワックスであり、該ワックスの原材料平均粒径が300〜500μmであり、前記トナーは、体積平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のトナー粒子を60〜70個数%含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. ワックスを分散したトナーとキャリアから成る2成分現像剤を用い、オイルレス定着を行ない、クリーニングからの回収トナーを現像部に戻すリサイクルするシステムで、回収トナーの搬送手段として空気流を利用する画像形成方法用トナーであって、前記ワックスは、カルナウバワックス、またはライスワックスであり、該ワックスの原材料平均粒径が300〜500μmであり、前記トナーは、体積平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のトナー粒子を60〜70個数%含むことを特徴とするトナー。
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