JP4109785B2 - 画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ - Google Patents
画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像データを処理して出力する画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像処理方法、特に、デジタル的に画像データを生成し、プリント出力するときの出力画像の品位を向上させる方法および画像処理システムの一例について、図15を用いて説明する。
【0003】
図15は従来の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0004】
図15に示す画像処理システムは、ホストコンピュータ101を用いてDTPなどのページレイアウト文書やワープロ、グラフィック文書などを作成してレーザビームプリンタやインクジェットプリンタなどによりハードコピー出力するシステムである。102はホストコンピュータ101上で動作するアプリケーションであり、代表的なものとしてMicrosoft社のマイクロソフトワード(MicrosoftWord:登録商標)のようなワープロソフトや、Adobe社のページメーカー(PageMaker:登録商標)のようなページレイアウトソフトが有名である。これらのソフトウェアで作成されたデジタル文書データは、不図示のオペレーティングシステム(OS)を介してプリンタドライバ103に送信される。
【0005】
デジタル文書データは、通常、ひとつのページを構成する図形や文字等をあらわすコマンドデータの集合として表されており、これらのコマンドデータをプリンタドライバ103に送信することになる。一連のコマンドでーたはPDL(ページ記述言語)と呼ばれる言語体系として表現されており、PDLの代表例としてはGDI(登録商標)やポストスクリプト(PsotScript:登録商標)等が有名である。
【0006】
プリンタドライバ103は、送信されてきたPDLコマンドをラスタイメージプロセッサ104内のラスタライザ105に転送する。ラスタライザ105はPDLコマンドで表現されている文字、図形等を実際にプリンタ出力するために2次元のビットマップイメージに展開する。ビットマップイメージは、2次元平面を1次元のラスタ(ライン)のくり返しとして構成される画像であるため、このように呼ばれる。展開されたビットマップイメージは、画像メモリ106に一時的に格納される。画像メモリ106に格納されたビットマップイメージは、カラープリンタ108へ送信され、画像形成ユニット108によって記録媒体上にビットマップイメージに基づく画像が形成される。
【0007】
以上の構成によって実行される動作を模式的に示したのが、図16である。
【0008】
ホストコンピュータ101上で表示されている文書画像111はPDLコマンド列112としてプリンタドライバ103経由でラスタライザ105へ送信される。次に、ラスタライザ105は2次元のビットマップイメージ113を画像メモリ106上に展開する。
【0009】
展開されたビットマップイメージ113はカラープリンタ107へ送信される。カラープリンタ107には、周知の電子写真方式やインクジェット記録方式の画像形成ユニット108が搭載されており、この画像形成ユニット108を用いて記録媒体上に可視画像を形成してプリント出力される。尚、画像メモリ107中のビットマップイメージ113は画像形成ユニット108を動作させるために必要な同期信号やクロック信号あるいは特定の色成分信号の転送要求等と同期して転送される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像処理システムにおいて、ビットマップイメージの出力に利用される画像形成ユニットについて考えてみると、種々の問題点が生じてくることが明らかになっている。
【0011】
例えば、通常、カラープリンタはプリント出力上にカラー画像を形成するため、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)という、4色のトナー、またはインクを用いて、いわゆる減法混色の原理に基づいて画像形成における色を表現する。
【0012】
一方、ホストコンピュータのアプリケーションが画像を表示する際にはカラーモニタを利用するのが普通であり、カラーモニタはレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)という加法混色の3原色を用いて色を表現する。
【0013】
従って、文書を構成する文字や図形の色、あるいは写真等をスキャナで読み込んでレイアウトした画像等の色はすべてR,G,Bをある割合で混合した色として表現されている。
【0014】
即ち、ラスタライザ105はPDLとしてR,G,Bで定義されてホストコンピュータ101から転送されてくる色情報をC,M,Y,Kに変換した後、ビットマップイメージを生成してプリンタに送信する必要がある。
【0015】
ところが、RGB信号をCMYK信号に変換する方法は一義的に決まっているものではなく、最適な変換方法というのはPDLで定義されている図形の属性によって異なってくる。
【0016】
例えば、図16の例を参照すると、イメージ114はスキャナ等で読み込まれた自然画像、イメージ115は円形、長方形といった電子的に発生させたグラフィック画像、イメージ116は文字(TEXT)画像といったそれぞれ異なる属性を持っている。これらの属性を有する画像をラスタライズする際に、属性を画像上の画素と対応づけて記憶する属性マップを作成することで、異なる属性に異なる画像処理を切り替える手法もある。しかし、イメージ114のような自然画像のみならば、このような手法でことたりるのであるが、図8の7bのように自然画像内に文字(TEXT)画像が含まれる場合、属性としては自然画像と判断されてしまうために、文字(TEXT)画像の性質に合わない処理となる可能性があった。
【0017】
このような問題を解決するため、ラスタライザ105はCMYK信号への変換を行わずRGB信号の値を用いてビットマップイメージに展開するようにし、画像形成ユニット108側で送信されてくるRGB信号のビットマップイメージ中から周知の像域分離処理を用いて文字画像領域を検出し、検出された文字画像領域とそれ以外の領域とでRGB信号からCMYK信号への変換方法を切り替えてCMYK信号を生成して出力するという方法も考えられている。
【0018】
しかし、この場合に用いる像域分離処理を画像全体に施すためには、時間がかかってしまう場合も考えられ、また、もともとが文字である画素においても誤判定し、文字ではないと判定してしまう可能性もあるという問題があった。
【0019】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数種類の属性の画像が混在した画像を高品位でかつ効率的に出力することができる画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、
入力された画像データを処理して出力する画像処理装置であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力手段と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開手段と、
前記展開手段で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定手段と
を備える。
【0022】
また、好ましくは、前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、ビットマップフラグを含む。
【0023】
また、好ましくは、前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成される。
【0024】
また、好ましくは、前記生成手段は、生成した属性マップ情報を記憶する属性マップメモリを備える。
【0025】
また、好ましくは、前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンに付加された属性マッププレーンとして管理される。
【0026】
また、好ましくは、前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素の付加されて管理される。
【0027】
また、好ましくは、前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンのいずれかのプレーンもしくは複数のプレーンの各画素に付加されて管理される。
【0028】
また、好ましくは、前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素ごとのRGBデータのいずれか色情報もしくは複数の色情報に付加されて管理される。
【0029】
また、好ましくは、前記決定手段は、ビットマップイメージデータに対し像域分離処理を施す像域分離処理手段と
を備える。
【0030】
また、好ましくは、前記決定手段は、前記像域分離処理手段の処理結果に基づいて、前記属性マップ情報を変更する。
また、好ましくは、前記所定の画像処理は、ソフトウェアによって実現される。
【0031】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理方法は以下の構成を備える。即ち、
入力された画像データを処理して出力する画像処理方法であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定工程と
を備える。
【0032】
上記の目的を達成するための本発明によるコンピュータ可読メモリは以下の構成を備える。即ち、
入力された画像データを処理して出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ可読メモリであって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定工程と
をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は実施形態1の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0034】
10はホストコンピュータである。11はホストコンピュータ10内で用いられるワープロ、ドロー系のソフト、グラフィックのソフト等のアプリケーションである。12はアプリケーション11から文字やグラフィックやビットマップイメージをカラープリンタ18に出力する際に、カラープリンタ18とのインタフェースを司るプリンタドライバである。
【0035】
13はプリンタドライバ12を通して出力されたデータを展開して画像データにするためのラスタイメージプロセッサである。ラスタイメージプロセッサ13内には、ラスタライザ14及び画像データを記憶しておくための画像メモリ15及び属性マップメモリ16を含む。
【0036】
20は像域分離処理部であり、属性マップメモリ16に記憶された属性マップに応じて像域分離処理の有効である画像データの範囲のみを処理するように制御される。17は画像メモリ15に蓄えられた画像データをより高品質な画像にするため及び後述の画像形成ユニット19で出力可能な画像データにするための画像処理部であり、像域分離処理部20からの信号で処理を切り替えるように構成される。18はカラープリンタであり、画像データを記録媒体にプリントするための画像形成ユニット19を含む。画像形成ユニット19は、電子写真方式やインクジェット方式等の記録方式を採用している。
【0037】
尚、属性マップの詳細については、後述する。また、実施形態1では、カラープリンタ18として説明を進めるが、白黒プリンタでも本発明を容易に適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
また、説明をわかりやすくするために、画像メモリ15と属性マップメモリ16を別々のブロックで書き表しているが、1つの記憶媒体に画像データおよび属性マップが読み出し可能なように記憶させておくことも可能である。
【0039】
アプリケーション11で作成されるデジタル文書データは、従来例でも説明したようにPDLというコマンド体系により表現されており、PDLは大きく分けて、3つのオブジェクトから構成される。1つは文字オブジェクト、2つ目は、図形や自由曲線などのベクトルデータなどのグラフィックオブジェクト、3つ目はスキャナなどで写真や印刷物を読みとった画像データなどのビットマップオブジェクトである。
【0040】
オブジェクトは、文字であれば、どの文字であるかを識別するための文字コード、文字の形を定義したフォント、文字の大きさを表わすサイズ情報、文字の色を表わす色情報などのデータからなり、そのままでは、画像形成ユニット19で解釈できる情報ではない。プリンタドライバ12は、カラープリンタ18とのインターフェースを司り、最終段である画像形成ユニット19で適正な画像が出力できるように同期をとるなどの役割をしながら、ラスタライザ14に文字、グラフィック、ビットマップなどのオブジェクトを表わすコマンド列を送る。ラスタライザ14は、受け取ったコマンド列を画像形成ユニット19で適正な解釈が可能な2次元のビットマップイメージデータに変換すると同時に、本発明の特徴である属性マップを出力する。
【0041】
属性マップとは、各画素のもつ属性情報を各画素ごとに持たせて2次元の情報としたものであり、属性マップメモリ16に、画素ごとの対応づけが該2次元画像データと該属性マップとで可能なように格納する。
【0042】
ここで、属性マップのフォーマットの一例について、図2を用いて説明する。
【0043】
図2は実施形態1の属性マップのフォーマットの一例を示す図である。
【0044】
0bit目のみの1bit情報をもち、0bit目は、ビットマップ(Bitmap)フラグである。1ならビットマップ(Bitmap)オブジェクトから生成された画素、0ならベクトル(Vector)オブジェクトから生成された画素、つまり、文字またはグラフィック画像を示す。ラスタライザ14は、オブジェクトを2次元のビットマップデータに変換する際に、最終的に文字、グラフィック、自然画像のどのオブジェクトから生成されたのかを各画素ごとに判断して、属性マップに2次元画像データと対応づけが可能なように格納する。
【0045】
図3は実施形態1の各画素ごとに対応づけられた属性マップの一例を示す図である。
【0046】
図3では、ビットマップオブジェクト上に文字オブジェクトである数字の“1”を重ねた画像を表わしている。2次元ビットマップに変換する際に、属性マップのフォーマットにのっとって、各画素ごとにベクトルオブジェクト(文字もしくはグラフィックオブジェクト)で生成された画素であれば1、ビットマップオブジェクトであれば0を出力し、図3のような属性マップを生成する。ここで、図2とは属性マップの情報が逆転していることに注意されたい。フォーマットの作り方次第で、図2のように、ビットマップなら1、ベクトル(文字もしくはr グラフィック)なら0としてもよいし、図3のように、ビットマップなら0、ベクトル(文字もしくはグラフィック)なら1のようにしてもよい。
【0047】
属性マップは、各画素ごとに対応がつけられるように格納されれば、どのように構成されてもよい。例えば、図3のような属性マップのプレーンとして、画像データを画像メモリ15に記憶し、属性マップは属性マップメモリ16に記憶するように構成してもよいし、同じ記憶媒体に記憶するのであれば、図4のように、RGBの各プレーンに属性マップのプレーンを付加してやったり、図5のように、RGBデータが1画素内に構成される場合、各画素のRGBの情報に付加する形で埋め込んでもよい。また、データ量を増やさないように構成するために、図6のように、RGB各プレーンのうちのいずれか1つのプレーンもしくは複数のプレーンの画素ごとの下位bitに属性マップを埋め込むように構成したり、図7のようにRGBデータが1画素内に構成される際に、各画素ごとのRED,GREEN,BLUE各8bitの色情報のうちのいずれか1つもしくは複数の色情報の下位bitに属性マップを埋め込むように構成してもよい。図7では、BLUEの情報の8bitのうち、下位3bitに属性マップを埋め込んだ例を示している。
【0048】
例えば、属性マップを用いると以下のようなことが可能になる。図16の例を参照すると、イメージ114はスキャナなどで読み込まれた自然画像、イメージ115は円形、長方形といった電子的に発生させたグラフィック画像、イメージ116は文字(TEXT)画像といったそれぞれ異なる属性を持っている。ここで、画像形成ユニット19が、2値のドットしか再現できないような場合も考えられる。この場合、ラスタライザ14がY,M,C,Kの多値のビットマップイメージを画像メモリ15に展開する。そして、そのビットマップイメージを受け取った画像形成ユニット19は、誤差拡散法やディザ処理といった周知の2値化処理をおこなって多値画像信号を2値画像信号に変換した後プリント出力するという構成となる。このとき、最適な2値化手法というものは画像の属性によって変わることになる。すなわち、文字や図形などのグラフィックはディザのマトリックスサイズを小さくして解像度を重視した2値化が好ましいし、また、写真のような自然画像はマトリックスサイズを大きくして階調再現性を重視した方が好ましい。
【0049】
そこで、上述した図2で示した属性マップを用いると、イメージ116の文字画像、イメージ115のグラフィック画像は、属性マップの0bit目が0であり、イメージ114の自然画像(ビットマップ)は、属性マップの0bit目が1となる。そのため、画素ごとに、自然画像と、文字画像、グラフィック画像の切り分けが簡単にできる。但し、自然画像として属性マップに割り当てられるビットマップオブジェクトの中には、イメージスキャナ等の読み取りデバイスを用いて原稿から読み取られた画像で、写真や印刷物などのいわゆる自然画像の他に原稿上に存在していた文字画像を読み取っている場合がある。この場合、今まで説明してきた属性マップによれば、全て一律に自然画像として情報を記憶してしまい、階調再現性を重視した2値化処理が全面に施されることになり、ビットマップオブジェクトに存在する文字画像は、解像度が低く読み取りにくい画像となってしまう。
【0050】
そこで、実施形態1では、像域分離処理部20を用いてビットマップオブジェクトに存在する文字画像領域を検出する。像域分離処理部20は、各画素ごとまたはブロック毎に文字部であるか、文字部以外であるかを判定するための手段である。但し、像域分離処理部20は、完全に原稿上の文字を判定できるわけではない。文字オブジェクトなど像域分離処理が必要でない場合には、誤判定のため文字と認識されない箇所がでてしまう可能性があるため、処理をしないようにするのが望ましい。また、一般に像域分離処理は計算規模が大きくなるため、処理時間を短縮する上でも範囲を限定することは重要となる。とくに、ソフト的に行う場合は、CPUなどのリソースの負荷を減じる意味もでてくる。そのため、実施形態1では、属性マップに応じて、像域分離処理部20による像域分離処理を施す画像データの範囲を限定して行うように構成する。
【0051】
以下、像域分離処理部20で実行する像域分離処理の具体例について、図8を用いて説明する。
【0052】
図8は画像データをビットマップイメージに展開した後の画像を示す図である。
【0053】
7aは、“ABC”および“いろは”とかかれた文字でベクトルオブジェクトであり、7bはビットマップオブジェクトである。図9は図8の画像から生成される属性マップを示したものである。黒く描かれているところが属性マップで1と表示され、ビットマップオブジェクト7bから生成されたものである。ここで、ビットマップオブジェクト7bの内部には、アルファベットの“H”が描かれているが、もともとの画像中に文字が描かれていたため属性マップ上はビットマップオブジェクトとなってしまっている。そこで、像域分離処理部20は、ベクトルオブジェクト7aをビットマップオブジェクトと判定する誤判定を防ぎ、かつ演算量を軽減するために、図8の画像に対応する属性マップ上でビットマップオブジェクトの属性の範囲のみに像域分離処理を施す。
【0054】
そして、像域分離処理を施す範囲以外及び像域分離処理で文字と判定された画素またはブロックについては、例えば、図10に示すようなディザマトリクスを用いる。この範囲を図11に示す。白い部分が図10のディザマトリクスを用いる範囲である。図9と比較すると、ビットマップオブジェクト中の文字“H”の部分が追加されているのがわかる。また、像域分離処理で自然画像と判定された画素は、図12のディザマトリクスを用いる。これは、図11の黒い部分である。
【0055】
ここで、実施形態1で用いる多値データは8bit、0〜255レベルとして、図10、図12のディザマトリクスの各セルの閾値よりも各画素の多値データの値のはうが大きい場合、ドットをONにして、各セルの閾値以下の場合ドットをOFFにする。図10は、3×3のサイズのディザマトリクスであり、1画素を600dpiと仮定すると、200dpiの解像度で再現可能で、階調数は、10階調である。よって、階調数は少ないが、高解像に画像再現が可能である。一方、図12は、8×8のサイズのディザマトリクスであり、1画素を600dpiと仮定すると、75dpiであり、階調数は65階調である。低解像ながら、階調数が多く、自然画像を図10のディザマトリクスに比べて、高品質に再現できる。このように構成することで、像域分離処理の誤判定を少なく、かつ演算量を少なくしながら、ビットマップオブジェクト内の文字を高解像度に、かつそれ以外のビットマップオブジェクトを高階調に出力することができる。
【0056】
次に、実施形態1で実行される処理の処理フローについて、図13を用いて説明する。
【0057】
図13は実施形態1で実行される処理フローを示すフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS101で、入力された複数のオブジェクトから構成される画像データの各オブジェクトを、ラスタライザ14でビットマップイメージデータに展開する。展開されたビットマップイメージデータを画像メモリ15に格納する。ステップS102で、展開されたビットマップイメージデータと、オブジェクトの属性に基づいて、ビットマップイメージデータの属性マップを生成する。生成された属性マップは、属性マップメモリ16に格納される。ステップS103で、生成された属性マップに基づいて、ビットマップイメージデータ中の像域分離処理を施す範囲を決定し、像域分離処理部20で実行する。そして、像域分離処理されたビットマップイメージデータと、残りのビットマップイメージデータに対し、画像処理部17で画像処理を行って得られる画像を、画像形成ユニット19において形成する。
【0059】
以上説明したように、実施形態1によれば、出力対象のビットマップイメージデータ中の像域分離処理で効果のある範囲を属性マップで特定し、その特定された範囲のみ像域分離処理を施す。このようにすることで、文字である画素を自然画像と判定してしまう誤判定を少なくし、像域分離処理自体の演算量を少なくすることができる。また、像域分離処理の結果をさらに、属性マップをより細かく指定するように構成することで、より操作者にとって好ましい画像再現が可能となる。
[実施形態2]
実施形態2では、図14に示すように、実施形態1の図1で示した画像処理システムに対し、像域分離処理部20により検出された文字画像領域を属性マップメモリ16の属性マップにフィードバックし更新するように構成する。
【0060】
このように構成することで、ラスタライザ14が、入力された画像データをビットマップデータに展開する際に、属性マップを作成した後、像域分離処理の結果に応じて、1つ以上の属性マップが作成されるもしくは更新されることで、より高度な画像品貿を実現可能なシステムが構築できる。
【0061】
そして、属性マップを参照して、画像処理部17は、画像データ中の各画素を処理する。つまり、画像処理部17は、属性マップに応じて、各画素に用いるディザマトリクスを切り替える。これにより、画像データ中の自然画像は階調性を保ちながら、かつ文字やグラフィック画像は解像度を高く再現することが可能となり、高品質な画像を提供することが可能になる。
【0062】
また、自然画像の中において、文字が存在した場合にも、上記のように属性マップを像域分離処理部20によって更新することで、解像度を高く表現することができ、さらに高品質な画像を再現することができる。
【0063】
また、属性マップを更新することで、別の画像処理や更に細かい属性を定義することが可能となり、よりきめ細かな制御及び高画質化を図ることができる。
【0064】
尚、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0065】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0066】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0067】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0068】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0069】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0070】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図13に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数種類の属性の画像が混在した画像を高品位でかつ効率的に出力することができる画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1の属性マップのフォーマットの一例を示す図である。
【図3】実施形態1の各画素ごとに対応づけられた属性マップの一例を示す図である。
【図4】実施形態1の属性マップの構成の一例を示す図である。
【図5】実施形態1の属性マップの構成の一例を示す図である。
【図6】実施形態1の属性マップの構成の一例を示す図である。
【図7】実施形態1の属性マップの構成の一例を示す図である。
【図8】画像データをビットマップイメージに展開した後の画像を示す図である。
【図9】図8の画像から生成される属性マップを示す図である。
【図10】実施形態1のディザマトリクスの一例を示す図である。
【図11】実施形態1の像域分離処理を施す範囲を説明するための図である。
【図12】実施形態1のディザマトリクスの一例を示す図である。
【図13】実施形態1で実行される処理フローを示すフローチャートである。
【図14】実施形態2の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図15】従来の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図16】従来の画像処理システムで実行される処理手順を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ホストコンピュータ
11 アプリケーション
12 プリンタドライバ
13 ラスタイメージプロセッサ
14 ラスタライザ
15 画像メモリ
16 属性マップメモリ
17 画像処理部
18 カラープリンタ
19 画像形成ユニット
20 像域分離処理部
Claims (22)
- 入力された画像データを処理して出力する画像処理装置であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力手段と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開手段と、
前記展開手段で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、ビットマップフラグを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記生成手段は、生成した属性マップ情報を記憶する属性マップメモリを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンに付加された属性マッププレーンとして管理される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素の付加されて管理される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンのいずれかのプレーンもしくは複数のプレーンの各画素に付加されて管理される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素ごとのRGBデータのいずれか色情報もしくは複数の色情報に付加されて管理される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、ビットマップイメージデータに対し像域分離処理を施す像域分離処理手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記像域分離処理手段の処理結果に基づいて、前記属性マップ情報を変更する
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記像域分離処理は、ソフトウェアによって実現される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 入力された画像データを処理して出力する画像処理方法であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、ビットマップフラグを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成される
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記生成工程は、生成した属性マップ情報を属性マップメモリに記憶する
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンに付加された属性マッププレーンとして管理される
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素の付加されて管理される
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記ビットマップイメージデータがRGBの各プレーン毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、該各プレーンのいずれかのプレーンもしくは複数のプレーンの各画素に付加されて管理される
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記ビットマップイメージデータのRGBデータが画素毎で管理される場合、前記属性マップ情報は、各画素ごとのRGBデータのいずれか色情報もしくは複数の色情報に付加されて管理される
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。 - 前記決定工程は、ビットマップイメージデータに対し像域分離処理を施す像域分離処理工程と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。 - 前記決定工程は、前記像域分離処理工程の処理結果に基づいて、前記属性マップ情報を変更する
ことを特徴とする請求項20に記載の画像処理方法。 - 入力された画像データを処理して出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ可読メモリであって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記オブジェクトをビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、前記オブジェクトの属性に基づいて、該ビットマップイメージデータの構成を示す属性マップ情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の像域分離処理を行う範囲を決定する決定工程と
をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたことを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
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