JP4105379B2 - 車輪用軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等における車輪用軸受に関し、特に回転検出用のエンコーダ格子を一体化した車輪用軸受に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、図5に示すように転動体103を介して転接する内方部材101および外方部材102間にシール装置105を設けた車輪用軸受において、シール装置105にエンコーダ格子106を一体化させたものが提案されている(例えば、特開平6−281018号)。シール装置105は、各々断面L字状とされた第1,第2のシール板107,108を内方部材101および外方部材102にそれぞれ嵌合させ、第2のシール板108にリップ109を設けたものである。第1のシール板107は、スリンガと呼ばれる。エンコーダ格子106は、磁性体粉が混入された弾性部材であり、第1のシール板107に加硫接着されている。エンコーダ格子106は、円周方向に交互に磁極が形成されたものであり、対面配置された磁気センサ110で検出される。
【0003】
スリンガとなるシール板107と回転輪となる内方部材101とは、圧入状態に嵌合しているが、外部環境により、この嵌合部に錆が発生することがある。車輪用軸受は、路面状況等により泥水等が降りかかる厳しい環境下にあり、特に、塩泥水等がかかる環境下で使用される場合、錆が発生し易くなる。上記車輪用軸受では、内方部材101の外径面とエンコーダ格子106の内径面との間に隙間Gが生じる構造であるため、この隙間Gに錆が発生した場合、錆の成長に伴い、磁性ゴムからなるエンコーダ格子106のの内径面を押し広げることになり、磁気特性を劣化させる。そのため、磁気センサ110による検出精度の低下を招く恐れがある。
【0004】
図6は、回転部材と静止部材間の密封装置において、エンコーダ格子を兼用させた他の例を示す(特開平6−281018号)。このシール装置115は、第1のシール板107の立板部107bに軸方向内方側に凹む凹所107bbを設け、この凹所107bbに一部が埋まるように、立板部107bの外向き面の略全体に磁性ゴムからなるエンコーダ格子106を設けている。また、エンコーダ格子106には、第1のシール板107が嵌合したシャフト111の外径面に先端が接触するリップ106aが一体に形成してある。第2のシール板108は、ハウジングからなる外方部材102の内径面に嵌合させてある。
【0005】
このシール装置115では、エンコーダ格子106のリップ106aがシャフト111に接するため、第1のシール板107とシャフト111との嵌合部から軸方向内方側へ水や泥水が浸入することが阻止できる。しかし、リップ106aによる水等の浸入阻止は、初期には効果が得られるが、ある程度の発錆が生じると、リップ106aの有無によるシール効果の差がなくなるうえ、リップ106aがエンコーダ格子106と一体であることから、成長した錆によりリップ106aが押され、却ってエンコーダ格子106の変形への影響が大きくなる。
このため、どちらかと言うと、図5の例のように、磁性ゴムのエンコーダ格子106と、そのシール板107の嵌合した部材101との間に、相当量のラジアル隙間Gが形成されている方が、影響が少ない。しかし、この隙間Gを大きくすると、磁性ゴムのエンコーダ格子本体の面積が減少し、必要な磁気特性を得ることができなくなる。
【0006】
この発明の目的は、シールと回転側部材との嵌合部で発生する錆によるエンコーダ格子の変形および磁性劣化を防止でき、またエンコーダ格子の面積が十分に得られて必要な磁気特性を確保することのできる車輪用軸受を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の車輪用軸受は、内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複数の転動体と、上記内外の部材間の端部環状空間を密封するシール装置とからなり、
上記シール装置が、上記内方部材と外方部材のうちの互いに異なる部材に各々取付けられた第1および第2の環状のシール板を有し、両シール板は、各々円周部と立板部とでなる断面L字状に形成されて互いに対向し、第1のシール板は上記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材に嵌合され、立板部は軸受外方側に配されると共に、この立板部に磁性体粉が混入された弾性部材が加硫接着されて、この弾性部材は周方向に交互に磁極が形成され、第2のシール板は他の弾性部材が加硫接着されてこの弾性部材の一部として上記立板部に摺接する1枚のサイドリップと円筒部に摺接する2枚のラジアルリップとを一体に有し、この第2のシール板の円筒部と上記第1のシール板の立板部の先端とを僅かな径方向間隔をもって対峙させた車輪用軸受において、
上記第1のシール板はステンレス製であって、その円筒部と立板部の間に軸受外方側に突曲する折曲重合部を有し、前記第1のシール板に加硫接着される弾性部材は、第1のシール板の立板部の軸方向外向きの面と前記折曲重合部との間で形成される凹所に、前記折曲重合部の突出端まで埋設し、上記2枚のラジアルリップは、互いに軸方向の内外に位置し、その内側のラジアルリップは先端が内側に向き、外側のラジアルリップは先端が外側に向き、上記第2のシール板に加硫接着された弾性部材は、第2のシール板の円筒部の内径面から先端外径面までを覆う先端覆い部を有することを特徴とする。
この構成によると、第1のシール板の立板部に、磁性体粉が混入された弾性部材が加硫接着され、周方向に交互に磁極が形成されているため、この弾性部材でいわゆるエンコーダ格子が構成され、これに対面する磁気センサで回転検出を行うことができる。
内外の部材間のシールについては、第2のシール板に設けられた各シールリップの摺接と、第2のシール板の円筒部に第1のシール板の立板部先端が僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシールとで得られる。
第1のシール板には円筒部と立板部の間に軸受外方側に突曲する折曲重合部が設けられているので、第1のシール板の嵌合部と弾性部材とが折曲重合部で遮断されて、嵌合部で発生した錆が弾性部材の形成部に進展することが阻止される。回転側の部材における第1のシール板の嵌合部に錆が発生したとしても、その錆の成長により弾性部材が圧迫されることがない。そのため、錆の発生し易い厳しい環境下で使用されても、エンコーダ格子となる弾性部材の変形および磁性劣化を防止できる。また、折曲重合部は、湾曲部に比べて径方向の厚さが薄くて済み、そのためエンコーダ格子となる弾性部材の面積を大きく得ることができて、磁気特性の確保が容易となる。
【0008】
この発明において、上記第1のシール板の立板部に設けた凹所の深さを、その第1のシール板の板厚よりも深くしても良い。
このように凹所を深く形成することにより、エンコーダ格子となる弾性部材の厚みを厚くすることができ、弾性部材の軸受外側に向く面が小さくても、磁気特性の確保が容易となる。
【0010】
この発明において、上記折曲重合部の突出端面と上記回転側部材の端面とを略同一平面内に位置させても良い。
【0011】
この発明において、上記弾性部材の軸受外方側に向く端面と上記回転側部材の端面とを略同一平面内に位置させても良い。
このように構成することにより、車輪用軸受の幅寸法を大きくすることなく弾性部材の厚みを十分確保できる。
【0012】
この発明において、上記弾性部材の軸受外方側に向く端面が、上記第2のシール板の円筒部の軸受外方側に向く端面に対して、略同一平面内に位置し、または僅かに軸受内方側に後退しているものとしても良い。この構成の場合、上記弾性部材と第2のシール板の円筒部との間で、常に、所定軸方向幅のラビリンスシールが維持され、シール性が向上する。また、弾性部材を後退させるだけで良いため、シール板に複雑な形状の加工を施すことが不要で、シール板の形状が簡素なもので済み、また密封手段の配置空間を大きくすることなく、シール性を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の基礎となる提案例を図1〜図3と共に説明する。この提案例は、駆動輪の支持に用いる車輪用軸受に適用した例であって、着磁エンコーダがシールスリンガを兼用した例である。
図1に示すように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、着磁エンコーダ20付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側の部材および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。
【0015】
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪1A,1Bからなる。これら内輪1A,1Bは、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。なお、内方部材1は、上記のようにハブ輪6および一対の分割型の内輪1A,1Bからなる3部品の組立部品とする代わりに、ハブ輪6および片方の内輪1Bが一体化された軌道面付きのハブ輪と、もう片方の内輪1Aとで構成される2部品からなるものとしても良い。
【0016】
ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸に連結される。
外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
【0017】
図3は、着磁エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の環状のシール板11,12を有する。これらシール板11,12は、各々内方部材1および外方部材2に圧入状態に嵌合させることで取付けられている。両シール板11,12は、各々円筒部11a,12aと立板部11b,12bとでなる断面L字状に形成されて互いに対向する。
第1のシール板11は、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材である内方部材1に嵌合され、スリンガとなる。第1のシール板11の立板部11bは、軸受外方側に配され、その外方側の側面に、磁性体粉が混入された弾性部材14が加硫接着されている。この弾性部材14は、第1のシール板11と共に着磁エンコーダ20を構成するエンコーダ格子となるものであり、周方向に交互に磁極N,S(図2)が形成され、いわゆるゴム磁石とされている。磁極N,Sは、ピッチ円直径(PCD)において、所定のピッチpとなるように形成されている。この着磁エンコーダ20の弾性部材14に対面して、同図のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用のロータリエンコーダが構成される。
弾性部材14は、第1のシール板11の立板部11bの先端部から先端内側面を覆う先端覆い部14aを有している。なお、この先端覆い部14aは、省略しても良い。
【0018】
第2のシール板12は、第1のシール板11の立板部11bに摺接するサイドリップ16aと円筒部11aに摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。図3の例では、1枚のサイドリップ16aと、軸方向の内外に位置する2枚のラジアルリップ16c,16bとを設けている。第2のシール板12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16を抱持したものとしてある。すなわち、弾性部材16は、円筒部12aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部16dを有するものとし、この先端覆い部16dが、第2のシール板12と外方部材2との嵌合部に介在する。第2のシール板12の円筒部12aの先端部12aaは、円筒部12aの他の部分よりも薄肉とされて斜め内径側へ屈曲しており、この屈曲した先端部12aaを先端覆い部16dが覆っている。
【0019】
第2のシール板12の円筒部12aと第1のシール板11の立板部11bの先端とは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。第1,第2のシール板11,12の弾性部材14,16に先端覆い部14a,16dを設けた場合は、これら先端覆い部14a,16d間の隙間が上記ラビリンスシール17を構成する隙間となる。
【0020】
第1のシール板11の立板部11bには、軸受内方側に凹む凹所11bbが設けられ、この凹所11bbに弾性部材14が埋設されている。その凹所11bbの深さは、第1のシール板11の板厚よりも深く設定されている。この提案例の場合、第1のシール板11の円筒部11aと立板部11bの間に軸受外方側に突曲する湾曲部11cが形成され、この湾曲部11cの突出端面は回転側の部材である内方部材1の端面と略同一平面内に位置している。すなわち、この車輪用軸受の軸心に対する同一の垂直面内に略位置している。
また、弾性部材14の軸受外方側に向く端面は、回転側の部材である内方部材1の端面に対しても、略同一平面内に位置している。
さらに、弾性部材14の軸受外方側に向く端面は、第2のシール板12の円筒部12aの軸受外方側に向く端面に対して、略同一平面内に位置させるか、または僅かに軸受内方側に後退させてある。
【0021】
各部材の材質例を説明する。内方部材1、外方部材2、および転動体3は、いずれも軸受鋼等の炭素鋼からなる。第1のシール板11は、磁性体でかつ防錆性を有する鋼板であり、強磁性体等の磁性体の鋼板、例えばフェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)が用いられる。第2のシール板12は、鋼板、例えば非磁性体であるオーステナイト系のステンレス鋼板(SUS304系等)や、防錆処理された圧延鋼板等が用いられる。例えば、第1のシール板11をフェライト系のステンレス鋼板とし、第2のシール板12をオーステナイト系のステンレス鋼板としても良い。
【0022】
この構成の車輪用軸受によると、第1のシール板11の立板部11bに、磁性体粉の混入された弾性部材14が加硫接着され、周方向に交互に磁極N,Sが形成されているため、この弾性部材14と第1のシール板11とでパルサリングとなる着磁エンコーダ20が構成され、弾性部材14に対面する磁気センサ15で回転検出を行うことができる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2のシール板12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板11の立板部11bの先端が僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
【0023】
スリンガとなる第1のシール板11の立板部11bには軸受内方側に凹む凹所11bbが設けられ、この凹所11bbにエンコーダ格子となる弾性部材14が埋設されているので、回転側部材である内方部材1における第1のシール板11の円筒部11aの嵌合部に錆が発生したとしても、その錆の成長により弾性部材14が圧迫されることがなく、弾性部材14の変形および磁性劣化を防止できる。したがって、磁気センサ15による回転検出精度が維持される。
また、第1のシール板11の立板部11bに設けた凹所11bbの深さは、その第1のシール板11の板厚よりも深くされているので、弾性部材14の全体を凹所11bb内に設けながら、弾性部材14の肉厚を十分に得ることができる。そのため、弾性部材14の軸方向に向く面の面積が小さくても、磁気特性を確保することができる。
第1のシール板11の円筒部11aと立板部11bとの間には、軸受外方側に突曲する湾曲部11cが形成されていて、この湾曲部11cの突出端面が回転側部材である内方部材1の端面と略同一平面内に位置させてあるので、内方部材1における第1のシール板11の嵌合部に発生した錆が弾性部材14に進展するのを阻止できる。湾曲部11cは、第1のシール板11の剛性を増大する補強効果を得ることもできる。
弾性部材14の軸受外方側に向く端面は、回転側部材である内方部材1の端面と略同一平面内とされているので、この点でも、内方部材1における第1のシール板11の嵌合部に発生した錆が、弾性部材14に進展することが阻止される。
【0024】
防錆性能を向上させるために、第1のシール板11は、磁性体で、かつ防錆性を有する鋼板で形成するのが好ましい。このように磁性体で、かつ、防錆性を有する鋼板により第1のシール板11を形成することにより、着磁エンコーダの磁気コアとなる第1のシール板11において十分な磁束密度を確保できると共に、この第1のシール板11と回転側部材である内方部材1との嵌合部での防錆性が向上する。
【0025】
図4は、この発明の一実施形態を示す。上記提案例では、第1のシール板11における円筒部11aと立板部11bとの間に、軸受外方側に突曲する湾曲部11cを形成したが、この実施形態では、上記湾曲部11cに代えて、軸受外方側に突曲する折曲重合部11dを形成し、その折曲重合部11dの突出端面が回転側部材である内方部材1の端面と略同一平面となるようにする
このように構成した場合、内方部材1における第1のシール板11の嵌合部に発生した錆が弾性部材14に進展することを折曲重合部11dによって阻止することができる。また、折曲重合部11dは、湾曲部11cに比べて径方向の厚さが薄くて済み、そのためエンコーダ格子となる弾性部材14の面積を大きく得ることができて、磁気特性の確保が容易となる。
【0026】
【発明の効果】
この発明の車輪用軸受は、スリンガとなる第1のシール板の円筒部と立板部の間に軸受外方側に突曲する折曲重合部を有し、前記第1のシール板に加硫接着される弾性部材は、第1のシール板の立板部の軸方向外向きの面と前記折曲重合部との間で形成される凹所に、前記折曲重合部の突出端まで埋設したため、回転側の部材における第1のシール板の嵌合部に錆が発生したとしても、その錆の成長により弾性部材が圧迫されることがなく、エンコーダ格子となる弾性部材の変形および磁性劣化を防止できる。そのため、厳しい環境下で使用されても、エンコーダ格子の検出による回転検出精度が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基礎となる提案例にかかる車輪用軸受を設置した車輪支持装置の断面図である。
【図2】 そのエンコーダ格子となる弾性部材の部分正面図である。
【図3】 同車輪用軸受の部分断面図である。
【図4】 この発明の一実施形態にかかる車輪用軸受の部分断面図である。
【図5】 従来例の断面図である。
【図6】 他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1…内方部材
2…外方部材
3…転動体
5…シール装置
11…第1のシール板
11bb…凹所
11c…湾曲部
11d…折曲重合部
12…第2のシール板
11a,12a…円筒部
11b,12b…立板部
14…弾性部材
16a〜16c…リップ部
N,S…磁極

Claims (4)

  1. 内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複数の転動体と、上記内外の部材間の端部環状空間を密封するシール装置とからなり、
    上記シール装置が、上記内方部材と外方部材のうちの互いに異なる部材に各々取付けられた第1および第2の環状のシール板を有し、両シール板は、各々円周部と立板部とでなる断面L字状に形成されて互いに対向し、第1のシール板は上記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材に嵌合され、立板部は軸受外方側に配されると共に、この立板部に磁性体粉が混入された弾性部材が加硫接着されて、この弾性部材は周方向に交互に磁極が形成され、第2のシール板は他の弾性部材が加硫接着されてこの弾性部材の一部として上記立板部に摺接する1枚のサイドリップと円筒部に摺接する2枚のラジアルリップとを一体に有し、この第2のシール板の円筒部と上記第1のシール板の立板部の先端とを僅かな径方向間隔をもって対峙させた車輪用軸受において、
    上記第1のシール板はステンレス製であって、その円筒部と立板部の間に軸受外方側に突曲する折曲重合部を有し、前記第1のシール板に加硫接着される弾性部材は、第1のシール板の立板部の軸方向外向きの面と前記折曲重合部との間で形成される凹所に、前記折曲重合部の突出端まで埋設し、上記2枚のラジアルリップは、互いに軸方向の内外に位置し、その内側のラジアルリップは先端が内側に向き、外側のラジアルリップは先端が外側に向き、上記第2のシール板に加硫接着された弾性部材は、第2のシール板の円筒部の内径面から先端外径面までを覆う先端覆い部を有することを特徴とする車輪用軸受。
  2. 上記第1のシール板の立板部に形成された凹所の深さを、その第1のシール板の板厚よりも深くした請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 上記折曲重合部の突出端面と上記回転側部材の端面とを略同一平面内に位置させた請求項1または請求項2に記載の車輪用軸受。
  4. 上記第1のシール板に加硫接着された弾性部材の軸受外方側に向く端面が、上記第2のシール板の円筒部の軸受外方側に向く端面に対して、略同一平面内に位置し、または僅かに軸受内方側に後退している請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車輪用軸受。
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