JP5104516B2 - 軸受用密封装置の取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の軸受(例えば、自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受(車輪支持用軸受ユニット)等の軸受装置など)の内部を密封状態に保つための軸受用密封装置の取付構造に関し、特に、当該車輪支持用軸受ユニットに取り付ける密封装置の変形防止構造の改良に関する。
従来から、軸受装置には、軸受の内部を外部から遮蔽して密封状態(気密状態、及び液密状態)に保つために各種の密封装置が取り付けられており、当該密封装置を取り付けることで、軸受装置の外部から異物(例えば、泥水、塵埃など)が内部に侵入することを防止しているとともに、内部に封入された潤滑剤(例えば、グリース、潤滑油など)が外部へ漏洩することを防止している。
このような密封装置は、接触型と非接触型とに大別することができ、例えば、接触型としては、鋼板等を断面がL字状を成すようにプレス加工などにより成形した環状の芯金の一部に、各種の弾性材(例えば、ゴムやプラスチックなどの樹脂材)を連結した構造を成すシールがあり、非接触型としては、ステンレス板、鉄板等の金属板(鋼板)からプレス加工などにより成形されたシールドがある。さらには、前記接触型シールと非接触型シールド(いわゆるスリンガ)とを断面形状が略箱形(矩形)状となるように組み合わせ、パッケージ構造とした接触型の密封装置(いわゆるパックシール)も知られている(図3(a))。
一般的に、接触型の方が非接触型よりも密封性能が高く、軸受装置の使用条件や使用目的などに応じて要求される密封性(気密性や液密性)のレベルによって、これらの密封装置の使い分けが行われている。
一例として、パックシールは、その断面積が小さく、大きな配設スペースを確保する必要がないという特長を有するだけでなく、その密封性能が非常に高いという優れた特長を有するため、厳しい密封性能(例えば、高レベルの泥水浸入防止効果)が要求される軸受装置、例えば、図2(a)に示すような自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受(以下、軸受ユニットという)Aに対する密封装置として広く使用されている(特許文献1参照)。
図3(a)には、かかるパックシール2の構成例が示されており、当該パックシール2は、所定の間隔を空けて対向して配置されたスリンガ22及び芯金(以下、シール芯金という)24と、これらの間に介在するシール26で構成されている(同図点線円内参照)。この場合、スリンガ22及びシール芯金24は、いずれも断面形状が略L字状を成す環状に構成されており、シール26は、当該スリンガ22あるいはシール芯金24の一方に連結されるとともに、他方に摺接する複数のリップ26lを設けて構成されている。
このような構成を成すパックシール2が、図3(a)に示すように軸受ユニットAに組み付けられた場合、スリンガ22は、回転輪10(具体的には、内輪構成体16)に固定(具体的には、嵌合)されて当該回転輪10(内輪構成体16)とともに回転するのに対し、シール芯金24は、静止輪12に固定(具体的には、嵌合)されて常時静止状態に維持される。なお、図3(a)に示す構成において、シール26は、回転するスリンガ22にリップ26lを摺接させた状態で静止している。
ところで、パックシール2のスリンガ22及びシール芯金24は、加工の容易性やコストなどを考慮し、通常、薄い鋼板などをプレス加工することによって成形され、軸受ユニットAの回転輪10(内輪構成体16)や静止輪12に対して嵌合されることで、位置決め固定されている。
例えば、図3(a)に示すようなパックシール2のスリンガ22は、円筒状を成す固定部22aの内周面(同図点線円内の下側の面)を軸受ユニットAの回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面(軌道面10iの溝肩部分)10s(同図(b),(c))と当接させるように、当該回転輪10(内輪構成体16)に対して嵌合される。
このようにスリンガ22を回転輪10(内輪構成体16)に対して嵌合させる際、スリンガ22には嵌合によるフープストレスが生じるが、上述したようにプレス加工などにより略均一の肉厚に成形されたスリンガ22の場合、一般に当該フープストレスに対するスリンガ22の剛性は、固定部22aよりも円板部22bの方が高い。このため、スリンガ22の嵌合時に、例えば、当該スリンガ22の嵌合方向に対して円板部22bが前傾するように変形してしまう場合(図3(b))や、固定部22aが先端部分を浮き上がらせるように拡径方向へ変形してしまう場合(同図(c))がある。
例えば、図3(b)に示すように、スリンガ22が円板部22bを前傾させて変形した場合、当該スリンガ22とシール26のリップ26lとの摺接状態(いわゆる、リップ26lのしめ代(以下、単にしめ代という))が変化、具体的にはしめ代が増加してしまう。
しめ代が増加すると、スリンガ22とシール26(リップ26l)とが過度に摺接し、摩擦による発熱などが生じて当該スリンガ22及びシール26の早期劣化を招き、パックシール2の密封性能(例えば、泥水浸入防止効果)を低下させてしまう虞がある。
また、図3(b)に示すように、スリンガ22の円板部22bにセンサ(図示しない)の被検出体であるエンコーダ28が設けられている場合には、当該円板部22bが前傾変形すると、エンコーダ28とセンサとのエアギャップが変化するため、回転輪10(内輪構成体16)の回転状態(例えば、回転速度、回転方向あるいは回転角度など)の計測精度の低下を招いてしまう虞がある。
これに対し、図3(c)に示すように、スリンガ22が固定部22aの先端部分を浮き上がらせて変形した場合、当該スリンガ22は、固定部22aと円板部22bとの連続部位(以下、屈曲部位という)の面取り止まり(R止まり)位置で回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sと当接する。すなわち、スリンガ22と回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sとが線接触状態となり、その接触面積が減少してしまうため、当該スリンガ22と嵌合面10sとの嵌合部分(線接触部分)からの浸水を招きやすく、パックシール2の密封性能(例えば、泥水浸入防止効果)を低下させてしまう虞がある。
そこで、このような不都合を解消すべく、従来から軌道輪(一例として、回転輪10(内輪構成体16))への嵌合時におけるスリンガ22(固定部22a及び円板部22b)の変形を防止するための各種の方策が講じられている。例えば、特許文献2及び3には、スリンガの固定部と円板部との連続部位(屈曲部位)の剛性を、当該固定部や円板部よりも大きく低下させたスリンガ構造が開示されている。
特開2003−130075号公報 特開2002−147474号公報 特開2006−046628号公報
しかしながら、このようにスリンガの屈曲部位の剛性を低下させるだけでは、当該スリンガ自体の剛性、すなわち強度を低下させることとなり、必ずしも得策とはならない。特に、自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受(例えば、図3(a)に示す軸受ユニットA)においては、パックシールのスリンガには泥水だけでなく、飛び石などの固形物や勢いよく跳ねかかる水など、力積の大きな状態の対象物から軸受を防護する機能が必要とされるため、スリンガの屈曲部位の剛性を大きく低下させ、当該スリンガの強度を低下させるような構造とすることは好ましくない。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、密封装置の強度を低下させることなく、軸受装置への嵌合時における密封装置の変形を防止し、長期に亘って一定の密封性能を保ち続けることが可能な軸受用密封装置の取付構造を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受用密封装置の取付構造は、相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内部を気密並びに液密に保つための密封装置を具備した軸受装置において、当該密封装置を前記いずれかの軌道輪へ固定するための取付構造であって、前記密封装置は、基端から先端まで所定方向に延出する筒状の固定部、及び当該固定部の基端に連続するとともに、当該固定部に対して所定の角度で延出する円板部で成り、前記いずれかの軌道輪に前記固定部が固定される環状のスリンガを少なくとも備えて構成されている。
そして、前記スリンガは、固定部の基端と先端との間の中途の部位において、他の部位よりも肉厚で、且つ当該スリンガが固定される軌道輪へ向けて全周に亘って突出させた突出部位を備え、当該突出部位を前記軌道輪と当接させて固定する。
本発明において、固定部と円板部との連続部位は、前記突出部位を除く固定部の肉厚よりも薄肉に設定されており、当該連続部位は、プレス加工により引き延ばすことで薄肉にする。
本発明は、相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪の軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の玉と、内部を気密並びに液密に保つための密封装置を具備した玉軸受において、当該密封装置を前記いずれかの軌道輪へ固定するための軸受用密封装置の取付構造であって、前記密封装置は、基端から先端まで所定方向に延出する筒状の固定部、及び当該固定部の基端に連続するとともに、当該固定部に対して所定の角度で延出する円板部で成り、前記いずれかの軌道輪に前記固定部が固定される環状のスリンガを少なくとも備えて構成されており、前記スリンガが固定される軌道輪には、スリンガの固定部の基端と先端との間の中途の部位に対向する部位を、前記スリンガの固定部へ向けて全周に亘って突出させた突出部位が備えられ、かつ、突出部位は、軌道面の溝肩まで達することのない幅で、軌道面と同時に研削して形成されており、当該突出部位に前記スリンガの固定部の基端と先端との間の中途の部位を当接させて、当該スリンガが固定される。
本発明の軸受用密封装置の取付構造によれば、密封装置の強度を低下させることなく、軸受装置への嵌合時における密封装置の変形を防止することができる。この結果、密封装置の耐久性を高めて密封性能の向上を図ることができるとともに、軸受装置の密封性能を長期に亘って一定に保ち続けることができる。
以下、本発明の軸受用密封装置の取付構造について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る軸受用密封装置の取付構造は、各種の軸受装置の内部を気密、並びに液密に保つ(密封する)ための密封装置を取り付けるための構造として適用することができるが、ここでは、図3(a)に示すような自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受(軸受ユニットA)の内部を密封する密封装置の取付構造として用いられている場合を一例として想定する。この場合、前記密封装置が、自動車の車体内方側(図3(a)の右側)へ取り付けられている場合を一例として想定している。また、以下の説明においては、便宜上、前記密封装置が取り付けられている自動車の車体内方側(図3(a)の右側)をインボード側といい、その反対側、すなわち自動車の車体外方側(車輪側(同図の左側))をアウトボード側という。
なお、図3(a)には、自動車の駆動輪(前置エンジン後輪駆動(FR)車及び後置エンジン後輪駆動(RR)車の後輪、前置エンジン前輪駆動(FF)車の前輪及び四輪駆動(4WD)車の全輪)を支持するハブユニット軸受の構成が一例として示されているが、軸受ユニットは、自動車の従動輪(FR車及びRR車の前輪、FF車の後輪)を支持するハブユニット軸受として構成してもよい。
また、軸受ユニットの型式(タイプ)は特に限定されず、例えば、回転輪10(ハブ14)のフランジ14fの有無や数、静止輪12のフランジ12fの有無や数、あるいは内輪構成体16の有無、及び転動体18の種類(玉や各種のころ)などは、いずれも軸受ユニットの使用条件や使用目的などに応じて任意に設定すればよい。さらに、図3(a)に示す構成においては、外方部材(外方軌道輪)を静止輪12、内方部材(内方軌道輪)を回転輪10(ハブ14及び内輪構成体16)としているが、これとは逆に外方部材(外方軌道輪)を回転輪、内方部材(内方軌道輪)を静止輪とした構成の軸受ユニットであってもよい。
なお、内輪構成体16は、静止輪12のインボード側の軌道面12oと対向する軌道面10iが形成され、ハブ14のインボード側に外嵌されて当該ハブ14とともに回転輪10を構成する部材のことを指す。
また、上述したいずれの軸受ユニットにおいても、回転輪10は、車輪構成部材(例えば、ディスクホイール(図示しない))が固定されて当該車輪構成部材とともに回転しているのに対し、静止輪12は、車体構成部材(例えば、懸架装置のナックル(図示しない))に固定されて静止状態に維持される。
図1(a),(b)には、本発明の第1実施形態に係る軸受用密封装置(以下、単に密封装置ともいう)6、並びにその取付構造が示されており、当該密封装置6は、図3(a)に示すような軸受ユニットA、すなわち、相対回転可能に対向配置して成る軌道輪10,12、当該軌道輪10,12間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体(玉)18を具備した車輪支持用軸受ユニット(ハブユニット軸受)の内部を外部から遮蔽し、その内部を密封状態(気密状態並びに液密状態)に保っている。具体的には、軌道輪10,12として、車体構成部材(例えば、懸架装置のナックル(図示しない))に固定される静止輪12、及び車輪構成部材(例えば、ディスクホイール(図示しない))が固定されて当該車輪構成部材とともに回転する回転輪10が相対回転可能に対向配置されており、当該静止輪12及び回転輪10にそれぞれ形成されて相互に対向する軌道面10i,12i間、及び軌道面10o,12o間へ複数の転動体(玉)18が転動可能に組み込まれて、軸受ユニットAが構成されている。
この場合、静止輪12には、その外周面12aから外方(拡径方向)に向かって突出した固定フランジ12fが一体成形されており、当該固定フランジ12fを貫通する固定孔12hに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側に締結することで、静止輪12を図示しない懸架装置(サスペンション)のナックルに固定することができる。
一方、回転輪10には、略円筒形を成すハブ14が設けられており、当該ハブ14は、ブレーキのブレーキロータ(図示しない)を介して車輪のディスクホイール(図示しない)に固定され、当該ディスクホイールとともに回転するように構成されている。なお、かかるハブ14には、そのアウトボード側にブレーキロータ及びディスクホイールを固定(外嵌)するためのハブフランジ14fが周方向に沿って連続して突設されている。
ハブフランジ14fは、静止輪2を越えて外方(ハブ14の拡径方向)に向かって延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って複数の貫通孔(ボルト孔)14hが設けられている。また、図示しないブレーキロータ及びディスクホイールにも、それぞれ当該ボルト孔14hと連通可能な貫通孔が周方向に沿って複数個(一例として、ボルト孔14hと同数個)設けられている。そして、ハブボルト14bをボルト孔14hから前記貫通孔へ挿通し、ハブナット(図示しない)で締結(供締め)することにより、ブレーキロータ及びディスクホイールをハブフランジ14fに対して位置決めして固定することができる。
また、ハブ14には、そのインボード側に略円筒状の内輪構成体16が外嵌されるようになっており、例えば、静止輪12とハブ14との間に複数の転動体(玉)18を組み込んだ状態で、内輪構成体16をハブ14に形成された段部14sまで当て付けた後、ハブ14のインボード側端部(図3(a)の右端)を加締めることにより、当該内輪構成体16をハブ14のインボード側に固定することができるとともに、軸受ユニットA(より具体的には、転動体(玉)18)に対して所定の予圧を与えることができる。
なお、上述したような加締固定に代えて、例えば、内輪構成体16をハブ14に形成された段部14sまで外嵌した後、インボード側からナットなどの締結部材により締め付けることで、当該内輪構成体16がハブ14のインボード側に固定される場合もある。
また、図3(a)に示す構成においては、転動体(玉)18は、環状の保持器17に形成されたポケットへ1つずつ回転自在に保持された状態で軌道面10i,12i間及び軌道面10o,12o間に組み込まれ、所定間隔(一例として、等間隔)でこれらの間を転動している。
これにより、各転動体(玉)18は、その転動面が相互に接触することなく軌道面10i,12i間及び軌道面10o,12o間をスムーズに転動することができ、結果として、当該各転動体(玉)18が相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や、焼付きなどを防止することができる。その際、軸受ユニットAには、このような回転抵抗の増大や焼付きなどをさらに効果的に防止すべく、内部に潤滑剤(一例として、グリース)を封入することが好ましい。
なお、保持器としては、転動体の種類に応じて任意のタイプを適用すればよい。例えば、転動体が玉18である場合、傾斜型(図3(a))や冠型などのタイプを適用することができ、転動体が各種のころ(円錐ころ、円筒ころ及び球面ころなど)である場合、もみ抜き型、くし型及びかご型などのタイプを適用することができる。
本実施形態においては、図1(a),(b)に示すように、密封装置6は、基端abから先端at(同各図の右端から左端)まで所定方向に延出する筒状の固定部62a、及び当該固定部62aの基端abに連続するとともに、当該固定部62aに対して所定の角度で延出する円板部62bで成り、回転輪10(具体的には、内輪構成体16)に固定される環状のスリンガ62を少なくとも備えて構成されている。
図1(a)に示す構成において、密封装置6(スリンガ62)は、固定部62aが所定方向(同図の左右方向)に所定の長さ(回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sの幅(同図同方向の距離)と略同寸)で延出した円筒状に形成されているとともに、円板部62bが固定部62aに対して略直角に所定の長さ(回転輪10(内輪構成体16)と静止輪12との対向間隔(図3(a)の上下方向の距離)よりも小寸)で、当該固定部62aの基端abに連続して拡径方向(図1(a)の上方向)へ延出した円環の平板状(リング板状)に形成されている。すなわち、この場合、スリンガ62は、縦断面形状が略L字状を成すように構成されている。
なお、固定部62aの大きさ(延出長さ、肉厚(図1(a)の上下方向の距離)及び径寸法など)、及び円板部62bの大きさ(延出長さ、肉厚(同図の左右方向の距離)及び径寸法など)は、例えば、軸受ユニットAの回転輪10(内輪構成体16)とともに回転可能となるように、当該回転輪10(内輪構成体16)の大きさや形状などに応じて任意に設定すればよいため、ここでは特に限定しない。また、円板部62bの固定部62aに対する傾斜角度も特に限定されず、密封装置6(スリンガ62)の使用条件などに応じて任意に設定すればよい。
さらに、スリンガ62の材質及び形成方法も特に限定されず、例えば、スリンガ62を所定の金属板製(鋼板製)とし、当該金属板(鋼板)をプレス加工することなどによってかかるスリンガ62を形成すればよい。例えば、スリンガ62をステンレス鋼製とした場合、密封装置6を後述するパッケージ構造(パックシール)とした際、シール26のリップ26l(図3(a)の点線円内参照)との摺接面である固定部62aの外周面(図1(a)の上側の面)、及び円板部62bの内面(同図の左側の面)に対する発錆が防止され、当該外周面及び内面との摺接時に、リップ26lに傷が生じてしまうことを有効に防止することができる。
スリンガ62は、固定部62aがその基端abよりも先端at寄りの部位を他の部位よりも肉厚で、且つ当該スリンガ62が固定される回転輪10(内輪構成体16)へ向けて全周に亘って突出させた突出部位70を備え、当該突出部位70を回転輪10(内輪構成体16)と当接させて固定されている。
図1(a),(b)に示す構成においては、固定部62aの基端abと先端atとの間の中途の部位の内径寸法を、固定部62aの延出方向に対して幅Wだけ縮径させるとともに、当該固定部62aの内周面asよりも高さHだけ全周に亘って縮径させることで、突出部位70が形成されている。これにより、スリンガ62は、固定部62aが突出部位70をその他の部位よりも高さHだけ肉厚とし、且つ当該突出部位70を回転輪10(内輪構成体16)へ向けて高さHだけ突出させた構造体となる。
スリンガ62をこのような構造体とすることで、当該スリンガ62を回転輪10(内輪構成体16)に対して嵌合固定する際、固定部62aは、その突出部位70のみで当該回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sと当接する。すなわち、かかる嵌合時において、スリンガ62と回転輪10(内輪構成体16)との嵌合位置を、当該スリンガ62の円板部62bのフープストレスに対する剛性の影響を固定部62aが受け難い位置まで遠ざけることができる。この結果、スリンガ62の嵌合時に生じるフープストレスに対する固定部62aと円板部62bの剛性を、見かけ上略均一に保つことが可能となる。
したがって、スリンガ62の嵌合時に、例えば、当該スリンガ62の嵌合方向に対して円板部62bが前傾するような変形や、固定部62aの先端部分が浮き上がるような拡径方向への変形などが生じることを有効に防止することができ、スリンガ62の強度を高めることができる。
このように、本実施形態に係る軸受用密封装置の取付構造、具体的には、スリンガ62の嵌合構造によれば、スリンガ62の変形に対する耐久性を高めて密封性能(気密性及び液密性)の向上を図ることができるとともに、当該取付構造によりスリンガ62を回転輪10(内輪構成体16)に取り付ける(嵌合させる)ことで、軸受ユニットA(図3(a))の密封性能を長期に亘って一定に保ち続けることができる。
ここで、固定部62aの突出部位70の形態(大きさ(幅Wや高さHの寸法)、形状など)は、スリンガ62の大きさや形状などに応じて任意に設定すればよいため、特に限定されない。
例えば、図1(a),(b)に示す構成においては、突出部位70を固定部62aの先端atまで達することのない幅Wで回転輪10(内輪構成体16)へ向けて突出させているが、突出部位70は、固定部62aの先端atまで達する所定の幅で回転輪10(内輪構成体16)へ向けて突出させてもよい。この場合、固定部62aの先端at側には段差(図1(a),(b)参照)が形成されず、突出部位70の先端at側が当該固定部62aの先端at側と略面一に構成される。
ただし、突出部位70の幅Wは、固定部62aの延出寸法(図1(b)に示す基端abから先端atまでの距離L)の3分の1程度(W≒L/3)に設定することが好ましい。例えば、固定部62aの延出寸法Lが1.5〜6.0mm程度の場合、突出部位70の幅Wを0.5〜2.0mm程度に設定すればよい。
また、突出部位70の高さHは、0.03〜0.1mm程度に設定すればよい。
なお、この場合、スリンガ62は、その内径寸法(具体的には、突出部位70の内径寸法)に対し、回転輪10(内輪構成体16)へ嵌合させる際の嵌合代を設けて構成してもよい。すなわち、スリンガ62は、突出部位70の内径寸法を回転輪10(内輪構成体16)の外径寸法(具体的には、嵌合面10sの径寸法)よりも、当該嵌合代の分だけ小さな寸法に設定して構成することができる。その際、突出部位70に設定する嵌合代は、回転輪10(内輪構成体16)の大きさなどに応じて任意に設定すればよい。
また、突出部位70の形成方法も特に限定されず、例えば、スリンガ62をプレス加工により形成する場合には、当該スリンガ62の成形と同時にその固定部62aに対して同時に突出部位70を成形することができる。
その際、固定部62aに対する突出部位70の形成位置は、スリンガ62を回転輪10(内輪構成体16)に嵌合させた際、その嵌合位置を円板部62bのフープストレスに対する剛性の影響を固定部62aが受け難い位置まで遠ざけることが可能となる位置、別の捉え方をすれば、スリンガ62の嵌合時に生じるフープストレスに対する固定部62aと円板部62bの剛性を見かけ上略均一に保つことが可能となる位置に、スリンガ62の大きさや材質などに応じて設定すればよい。
なお、図1(a),(b)に示す構成においては、一例として、スリンガ62の固定部62aと円板部62bの肉厚を、突出部位70を除いて略均一に設定しているが、固定部62に対して突出部位70を設けることで、当該固定部62aのフープストレスに対する剛性を高めることができ、円板部62bの剛性との見かけ上の均一性を保つことが可能となるため、図2(a)に示す変形例のように、スリンガ62全体の剛性(強度)を確保可能な範囲で、固定部62aと円板部62bとの連続部位(以下、屈曲部位という)72を、突出部位70を除く固定部62aや円板部62bの肉厚よりも薄肉に設定してもよい。
その際、薄肉部位である屈曲部位72をスリンガ62に対して形成するための方法は、特に限定されず、例えば、プレス加工などによりスリンガ62(固定部62a、円板部62b及び突出部位70)を成形した後、当該成形後のスリンガ62に対して所定の機械加工(旋削加工や切削加工など)を施すことで、屈曲部位72の肉厚を他の部位よりも薄肉にすることもできるが、プレス機などにより屈曲部位72を引き延ばせれば、加工効率がよく、より容易に屈曲部位72の肉厚を他の部位よりも薄肉にすることができる。
例えば、一般的にプレス機でバーリング加工を行う場合は、パンチラジアスrpとダイラジアスrdは板厚の4〜6倍以上、10〜20倍以内でrp=rdに設定されて型が作られることが多いが、rp<rdなる関係に設定すると、屈曲部位72の固定部62a側の面取部(R止り)の若干円板部62b側をパンチが引っ掛け、本来なら面取部(R止り)となる部分の近傍の肉を引き延ばして屈曲部位72の肉厚を他の部位よりも薄肉にすることができる。
また、上述した本実施形態(第1実施形態)、及びその変形例においては、スリンガ62に対して突出部位70を設けることで、当該スリンガ62の固定部62aを回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sへ向けて突出させた構成としているが、例えば、図2(b)に示す本発明の第2実施形態にかかる軸受用密封装置の取付構造(一例として、スリンガ62の嵌合構造)のように、回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10s側をスリンガ62の固定部62aへ向けて突出させた取付構造(嵌合構造)としてもよい。
この場合、図2(b)に示すように、回転輪10(内輪構成体16)には、嵌合面10sの周縁部をスリンガ62の固定部62aへ向けて全周に亘って突出させた突出部位80が備えられており、当該突出部位80にスリンガ62の固定部62aの基端abよりも先端at寄りの部位を当接させて、当該スリンガ62が固定されている。
具体的に説明すると、スリンガ62の固定部62aの基端abと先端atとの間の中途の部位と対向する回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sを、所定の幅(図1(b)に示す突出部位70の幅Wに相当)だけ拡径させるとともに、当該嵌合面10sよりも所定の高さ(同、突出部位70の高さHに相当)だけ全周に亘って拡径させることで、突出部位80が形成されている。これにより、回転輪10(内輪構成体16)は、嵌合面10sが突出部位80をその他の部位よりもスリンガ62の固定部62aへ向けて所定の高さだけ突出させた構造体となる。
回転輪10(内輪構成体16)をこのような構造体とすることで、スリンガ62を当該回転輪10(内輪構成体16)に対して嵌合固定する際、当該スリンガ62の固定部62aは、当該回転輪10(内輪構成体16)の嵌合面10sと突出部位80のみで当接する。すなわち、かかる嵌合時において、スリンガ62の回転輪10(内輪構成体16)との嵌合位置は、突出部位80に当接される固定部62aの基端abよりも先端at寄り(基端abと先端atとの間の中途の部位)となる。したがって、上述した第1実施形態の場合と同様に、スリンガ62と回転輪10(内輪構成体16)との嵌合位置を当該スリンガ62の円板部62bのフープストレスに対する剛性の影響を固定部62aが受け難い位置まで遠ざけることができ、結果として、スリンガ62の嵌合時に生じるフープストレスに対する固定部62aと円板部62bの剛性を、見かけ上略均一に保つことが可能となる。
ここで、嵌合面10sの突出部位80の形態(大きさ(幅や高さの寸法)、形状など)は、上述したスリンガ62の固定部62aの突出部位70(図1(a),(b))と同様に、スリンガ62の大きさや形状などに応じて任意に設定すればよいため、特に限定されない。
例えば、図2(b)に示す構成においては、突出部位80を回転輪10(内輪構成体16)に形成された軌道面10iの溝肩まで達することのない幅でスリンガ62の固定部62aへ向けて突出させているが、突出部位80は、軌道面10iの溝肩まで達する所定の幅で固定部62aへ向けて突出させてもよい。この場合、嵌合面10sの溝肩側には段差(図2(b)参照)が形成されず、突出部位80の溝肩側が軌道面10iと連続して構成される。
ただし、突出部位80の幅は、突出部位70の幅Wと同様に、固定部62aの延出寸法Lの3分の1程度に設定することが好ましい。例えば、固定部62aの延出寸法Lが1.5〜6.0mm程度の場合、突出部位80の幅を0.5〜2.0mm程度に設定すればよい。同様に、突出部位80の高さは、0.03〜0.1mm程度に設定すればよい。
なお、この場合、スリンガ62は、その内径寸法(具体的には、固定部62aの内径寸法)に対し、回転輪10(内輪構成体16)へ嵌合させる際の嵌合代を設けて構成してもよい。すなわち、スリンガ62は、固定部62aの内径寸法を回転輪10(内輪構成体16)の外径寸法(具体的には、嵌合面10sの突出部位80の径寸法)よりも、当該嵌合代の分だけ小さな寸法に設定して構成することができる。その際、固定部62aに設定する嵌合代は、突出部位80の大きさなどに応じて任意に設定すればよい。
また、突出部位80の形成方法も特に限定されないが、回転輪10(内輪構成体16)の軌道面10iに対して研削加工を施す際、同時に嵌合面10sに対しても同様の研削加工を施すことで、当該軌道面10iの形成と同時に嵌合面10sに対して突出部位80を形成することができる。
なお、一般的に、スリンガ62の嵌合面10s(突出部位80)は、ダイヤモンドホイールで成形された砥石を用いて、軌道面10iと一体研削される場合が多い。その際、軌道面10iの溝肩付近は砥石の回転軸と研削面の交差角が大きいため砥石の切れ味が悪く、その上、砥石の凹部での研削になるためクーラントの供給も難しく、研削焼けなどの不具合が発生しやすい。また、回転輪10(内輪構成体16)に対する研削速度は、溝肩付近の研削状況によって左右される場合が多い。
本実施形態においては、図2(b)に示すように、固定部62aの基端abと先端atとの間の中途の部位と対向する部位のみが当該固定部62aへ向けて突出するように、嵌合面10sに対して突出部位80を形成しているため、回転輪10(内輪構成体16)の軌道面10iの溝肩付近はスリンガ62(固定部62a)と嵌合(当接)せず、当該溝肩付近を研削する必要がない。したがって、当該研削時においてクーラントの供給状況を著しく改善することができるので、回転輪10(内輪構成体16)に対する研削速度が向上し、研削コストの低減を図ることが可能となるというメリットを得ることができる。
この場合、嵌合面10sに対する突出部位80の形成位置は、スリンガ62を当該突出部位80に嵌合させた際、その嵌合位置(すなわち、突出部位80の形成位置)を円板部62bのフープストレスに対する剛性の影響を固定部62aが受け難い位置まで遠ざけることが可能となる位置、別の捉え方をすれば、スリンガ62の嵌合時に生じるフープストレスに対する固定部62aと円板部62bの剛性を見かけ上略均一に保つことが可能となる位置に、スリンガ62の大きさや材質などに応じて設定すればよい。
なお、上述した本発明の第1実施形態及びその変形例、第2実施形態においては、密封装置6をスリンガ62の単体構造として説明したが、密封装置6の構成は、このようなスリンガ単体構造には限定されない。
例えば、密封装置6は、パッケージ構造(いわゆる、パックシール)、すなわちスリンガ62(図1(a),(b)及び図2(a),(b))、芯金(図3(a)の点線円内に示すようなシール芯金24に相当)及びシール(同図のシール26に相当)を組み合わせた構造であってもよい。
この場合、パックシールは、スリンガ62と、基端から先端まで所定方向に延出する筒状の芯金固定部、及び当該芯金固定部の基端に連続するとともに、当該芯金固定部に対して所定の角度で延出する芯金円板部で成る環状の芯金と、スリンガ62と芯金との間に介在され、当該スリンガ62及び芯金の一方に連結されるとともに、他方に摺接するシールを備えている。そして、スリンガ62、前記芯金及び前記シールを断面の輪郭形状が略矩形状となるように組み合わせることで、密封装置6を構成すればよい(図3(a)の点線円内に示すようなパックシール2とスリンガ62の構成のみが異なる類似した構成)。
密封装置6をこのようなパッケージ構造(パックシール)とすることで、その密封性能(気密性能及び液密性能)を格段に高めることができる。
また、例えば、スリンガ62の円板部62bに対し、当該スリンガ62(具体的には、回転輪10(内輪構成体16))の回転状態を検出するセンサ(図示しない)の被検出体として使用されるエンコーダ(図示しない)を取り付けた構成としてもよい。この場合、一例として、検出体であるセンサを磁気センサとし、当該磁気センサの被検出体として、多極に着磁された所定の磁性材で成る磁極体(センサエンコーダ(図示しない))を円板部62bに取り付けてスリンガ62を構成することができる。
これにより、内部を密封状態(気密状態並びに液密状態)に保ちつつ、その回転状態(例えば、回転速度、回転角度あるいは回転方向など)を計測することが可能なセンサ機能を備えた軸受ユニットを構成することが可能となる。なお、この場合、スリンガ62は、密封装置6として構成されているとともに、磁極体(センサエンコーダ(図示しない))を取り付けるための芯金(すなわち、エンコーダ芯金)としても構成されている。
以上、本発明に係る軸受用密封装置の取付構造(一例として、スリンガ62の嵌合構造)によれば、密封装置(スリンガ62)の強度を低下させることなく、軸受装置(一例として、軸受ユニットA(図3(a)))への嵌合時における密封装置(スリンガ62)の変形を防止することができる。この結果、密封装置(スリンガ62)の耐久性を高めて密封性能(気密性能及び液密性能)の向上を図ることができるとともに、軸受装置(軸受ユニットA)の密封性能を長期に亘って一定に保ち続けることができる。
本発明の第1実施形態に係る軸受用密封装置の取付構造を示す図であって、(a)は、スリンガを回転輪(内輪構成体)に嵌合させた状態を示す要部断面図、(b)は、スリンガ(突出部位)の構成を示す断面図。 (a)は、第1実施形態の変形例に係る軸受用密封装置の取付構造を示す断面図、(b)は、本発明の第2実施形態に係る軸受用密封装置の取付構造を示す断面図。 従来の軸受用密封装置の取付構造を示す図であって、(a)は、パックシールが取り付けられた軸受ユニット(ハブユニット軸受)の断面図(点線円内は、パックシールの要部拡大断面図)、(b),(c)は、スリンガの嵌合時における変形状態を示す断面図。
符号の説明
6(62) 密封装置(スリンガ)
10(16) 回転輪(内輪構成体)
62a 固定部
62b 円板部
70 突出部位
ab 固定部基端
at 固定部先端

Claims (3)

  1. 相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内部を気密並びに液密に保つための密封装置を具備した軸受装置において、当該密封装置を前記いずれかの軌道輪へ固定するための軸受用密封装置の取付構造であって、
    前記密封装置は、基端から先端まで所定方向に延出する筒状の固定部、及び当該固定部の基端に連続するとともに、当該固定部に対して所定の角度で延出する円板部で成り、前記いずれかの軌道輪に前記固定部が固定される環状のスリンガを少なくとも備えて構成されており、
    前記スリンガは、固定部の基端と先端との間の中途の部位において、他の部位よりも肉厚で、且つ当該スリンガが固定される軌道輪へ向けて全周に亘って突出させた突出部位を備え、当該突出部位を前記軌道輪と当接させて固定されることを特徴とする軸受用密封装置の取付構造。
  2. 固定部と円板部との連続部位は、前記突出部位を除く固定部の肉厚よりも薄肉に設定されており、当該連続部位は、プレス加工により引き延ばすことで薄肉にすることを特徴とする請求項1に記載の軸受用密封装置の取付構造。
  3. 相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪の軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の玉と、内部を気密並びに液密に保つための密封装置を具備した玉軸受において、当該密封装置を前記いずれかの軌道輪へ固定するための軸受用密封装置の取付構造であって、
    前記密封装置は、基端から先端まで所定方向に延出する筒状の固定部、及び当該固定部の基端に連続するとともに、当該固定部に対して所定の角度で延出する円板部で成り、前記いずれかの軌道輪に前記固定部が固定される環状のスリンガを少なくとも備えて構成されており、
    前記スリンガが固定される軌道輪には、スリンガの固定部の基端と先端との間の中途の部位に対向する部位を、前記スリンガの固定部へ向けて全周に亘って突出させた突出部位が備えられ、かつ、突出部位は、軌道面の溝肩まで達することのない幅で、軌道面と同時に研削して形成されており、当該突出部位に前記スリンガの固定部の基端と先端との間の中途の部位を当接させて、当該スリンガが固定されることを特徴とする軸受用密封装置の取付構造。
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