JP4105147B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、導体を流れる電流の変化を高感度に検知可能な小型の電流センサに関する。
従来、通信機器の回路に流れる微小な信号電流を正確に検知するにあたっては、例えば、その回路内に抵抗を直列接続し、この抵抗の電圧降下を測定する方法が用いられていた。しかし、この場合には、通信系とは異なる負荷が加わることとなり通信系に対して何らかの悪影響を与える可能性が生じてしまう。このため、信号電流によって発生する電流磁界の勾配を検出することによって(直流電流が流れないように絶縁された状態を維持しつつ)間接的に測定する方法が用いられている。例えば、コイル同士を結合させたトランスを用いる方法や、光カプラを利用した方法である。
ところが、上記のトランスを用いた方法では、交流の信号電流を伝達することは可能であるが、直流の信号電流を伝達することは不可能である。その上、交流の信号電流であっても伝達可能な周波数帯域が限定されてしまう。適切な周波数帯域以外の周波数ではトランスのインピーダンスが変化し、直線性に欠けることとなり、通信機器等への悪影響を与えかねないからである。一方、上記の光カプラは、周波数特性に優れるものの、小型化を図ることが困難である。その上、長期的にみると経時変化による信号強度の劣化を招きやすいという問題もある。
こうしたことから、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto-Resistive effect)を発現する巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子)を信号電流による電流磁界中に配置し、その勾配を検出するようにした電流センサが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなGMR素子を用いた電流センサであれば、検出感度や応答性に優れ、温度変化に対しても安定した検出特性が得られる。
米国特許第5621377号明細書
ところで、最近では、より微弱な電流の検出が可能であると共によりコンパクトな全体構成を有する電流センサが求められてきている。しかしながら、従来のGMR素子を用いた電流センサにおいてはGMR素子が被測定線に対して面内方向において隣り合うように設けられていることから、微弱電流の検出が難しく、小型化にも不利となっていた。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクトな構成でありながら、検出対象電流を高精度に測定可能な電流センサを提供することにある。
本発明の電流センサは、以下の(A)から(C)の各構成要件を備えるようにしたものである。
(A)第1の階層において、第1の方向へ延在すると共にこの第1の方向と直交する第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含む第1の磁気抵抗効果素子。
(B)第1の階層と異なる第2の階層において、第1の方向へ延在すると共に第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含む第2の磁気抵抗効果素子。
(C)第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンとそれぞれ対応して第1の方向に延在する複数の第1の巻線体部分を含むように第1の階層と第2の階層との間に位置する第3の階層において巻回し、かつ、検出対象電流が供給されることにより第1磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して複数の第1の巻線体部分の各々から第1の電流磁界を付与するように構成された第1の薄膜コイル。
ここで、帯状とは、第2の方向よりも第1の方向のほうが大きな寸法を有する形状を意味する。
本発明の電流センサでは、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子と第1の薄膜コイルとが面内方向において隣り合うように設けられている場合と比べ、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子が第1の薄膜コイルに対して接近して配置されるので、全体の寸法が縮小するうえ、第1の薄膜コイルを流れる検出対象電流に基づく第1の電流磁界が第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子に対してより強く付与されるようになる。その際、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して、これらと対応する第1の薄膜コイルの各巻線体部分によって形成される第1の電流磁界が個々に付与される。したがって、第1の方向と直交する断面での配置位置および断面寸法に関し、コイルによる発熱およびコイル磁界強度の電流効率の観点における最適化が容易になされ、一つの導体(巻線体部分)を流れる電流のみによって形成される電流磁界が各素子パターンに対して付与される場合と比べ、第1の電流磁界が効率よく各素子パターンに及ぶこととなる。
本発明の電流センサでは、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各抵抗値が、第1の電流磁界に応じて互いに逆方向の変化を示すように構成されていることが望ましい。
本発明の電流センサでは、第1の方向へ延在すると共に第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含み、かつ第1の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように第1の階層における第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域以外の領域に形成された第3の磁気抵抗効果素子と、第1の方向へ延在すると共に第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含み、かつ第2の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように第2の階層における第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域以外の領域に形成された第4の磁気抵抗効果素子と、これら第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンとそれぞれ対応して第1の方向に延在する複数の第2の巻線体部分を含むように第3の階層における第1の薄膜コイルが形成された領域以外の領域において巻回し、かつ、検出対象電流が供給されることにより第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して複数の第2の巻線体部分の各々から第2の電流磁界を付与するように構成された第2の薄膜コイルとをさらに備えるようにすることが望ましい。
上記の場合、第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、第1の電流磁界に応じて、第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値とは互いに逆方向の変化を示すように構成されており、第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、第2の電流磁界に応じて、第1の電流磁界によって生ずる第1の磁気抵抗効果素子における抵抗値の変化とは逆方向に変化するように構成されており、第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、第2の電流磁界に応じて、第1の電流磁界によって生ずる第1の磁気抵抗効果素子における抵抗値の変化と同方向に変化するように構成されていることが望ましい。
さらに、上記の場合、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子における一端同士が第1の接続点において接続され、第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子における一端同士が第2の接続点において接続され、第1の磁気抵抗効果素子の他端と第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、かつ、第2の磁気抵抗効果素子の他端と第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されており、第1の接続点と第2の接続点との間に電圧が印加されたときに生ずる第3の接続点と第4の接続点との間の電位差に基づいて検出対象電流が検出されるようにブリッジ回路が構成されていてもよい。
本発明の電流センサでは、第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンがそれぞれ互いに並列接続されていてもよいし、互いに直列接続されていてもよい。
本発明の電流センサでは、第1から第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンが、いずれも、第1の方向に磁化された磁化固着膜を有することが望ましい。さらに、第1から第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンが、いずれも、第1の方向に沿った長手寸法が第2の方向に沿った幅寸法の10倍以上200倍以下となるように構成されていることが望ましい。その場合、第2の方向に沿った幅寸法が0.5μm以上2.0μm以下であることが望ましい。さらに、第1の薄膜コイルおよび第2の薄膜コイルにおける各巻線体部分が、第1の方向と直交する断面において0.4μm2以上2.0μm2以下の断面積を有するように構成されていることが望ましい。その場合、例えば、0.8μm以上3.0μm以下の幅寸法と0.2μm以上1.4μm以下の厚み寸法とを有するようにする。
本発明の電流センサによれば、第1の階層および第2の階層においてそれぞれ帯状の複数の素子パターンを含むように構成された第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子と、それら第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンとそれぞれ対応した複数の第1の巻線体部分を含むように第3の階層において巻回し、かつ、検出対象電流が供給されることにより第1磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して複数の第1の巻線体部分の各々から第1の電流磁界を付与するように構成された第1の薄膜コイルとを備えるようにしたので、コンパクトな構成でありながら、第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の双方を用いて、第1の薄膜コイルを流れる検出対象電流を感度良く高精度に測定することができる。
この場合、特に、第1の磁気抵抗効果素子における各素子パターンを互いに並列接続するようにすると、第1の磁気抵抗効果素子において抵抗変化率を下げることなく全体の抵抗値を比較的低く抑えることができ、使用時における第1の磁気抵抗効果素子の発熱量を低減することができる。その上、外部からのノイズ(不要な磁界)による影響を低減し、SN比を向上させることができる。一方、第1の磁気抵抗効果素子における各素子パターンを互いに直列接続するようにすると、第1の方向における寸法を長くすることなく感磁部として機能する素子パターンの総延長を稼ぐことができ、第1の磁気抵抗効果素子における全体の抵抗値(インピーダンス)の絶対値をより大きくすることができる。したがって、より微弱な検出対象電流であっても高精度な測定が可能となる。
本発明の電流センサによれば、第1の磁気抵抗効果素子、第2の磁気抵抗効果素子および第1の薄膜コイルに加え、第1の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように第1の階層に形成された第3の磁気抵抗効果素子と、第2の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように第2の階層に形成された第4の磁気抵抗効果素子と、第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して複数の第2の巻線体部分の各々から第2の電流磁界を付与するように構成された第2の薄膜コイルとをさらに備えるようにすると、4つの磁気抵抗効果素子を用いて検出対象電流を測定することとなり、2つの磁気抵抗効果素子を用いた場合よりも検出対象電流の測定値の信頼性がさらに向上する。ここで、例えば第1から第4の磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路を構成すると、各磁気抵抗効果素子における特性上のばらつきによる影響を低減し、測定精度をよりいっそう向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
最初に、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態としての電流センサの構成について説明する。図1は、本実施の形態の電流センサ1の斜視構成を表す概略図である。図2は、図1の電流センサ1に示したII−II切断線における矢視方向(−X方向)の断面構成を表したものである。この電流センサ1は、例えば、通信機器に搭載され、制御信号としての電流を正確に測定するために用いられるものである。なお、後述する第2の実施の形態等における電流センサとの区別を行うため、本実施の形態では電流センサ1Aと呼ぶ。
電流センサ1Aは、シリコン(Si)などからなる基体2の上に、酸化アルミニウム(Al23)などからなる下地膜3を介して、第1の磁気抵抗効果素子21(以下、単に、MR素子21という。)を含む第1の階層L1と、第1の薄膜コイル31(以下、単に、薄膜コイル31という。)を含む第3の階層L3と、第2の磁気抵抗効果素子22(以下、単に、MR素子22という。)を含む第2の階層L2とが順に積層された構造を有している。具体的には、MR素子21は、第1の階層L1において第1の方向(X軸方向)へ延在する2つの素子パターン21A,21Bを有している。MR素子22は、第2の階層L2においてX軸方向へ延在する2つの素子パターン22A,22Bを有している。さらに、薄膜コイル31は、素子パターン21A,22Aのそれぞれと対応してX軸方向へ延在する巻線体部分31Aと素子パターン21B,22Bのそれぞれと対応してX軸方向へ延在する巻線体部分31Bとを含んで第3の階層L3において巻回するように構成されている。
なお、図2の断面において、MR素子21、薄膜コイル31およびMR素子22はAl23などからなる絶縁膜Z1〜Z3によってそれぞれ覆われており、互いに電気的に絶縁されている。さらに、絶縁膜Z3の上には、複数の電極膜41〜44(図1に示す)が設けられている。
薄膜コイル31は、例えば銅(Cu)などの高導電性の金属材料からなる薄膜パターンであり、例えば、制御信号等の、検出対象とする電流(検出対象電流)Imが供給されるものである。薄膜コイル31は、一方の端部31Sがコンタクト層(図示せず)を介して電極膜41と接続されており、他方の端部31Eがコンタクト層(図示せず)を介して電極膜42と接続されている(図1参照)。電流センサ1Aでは、検出対象電流Imが端部31Sから端部31Eへ流れるように設定される。
素子パターン21A,21Bおよび素子パターン22A,22Bは、検出対象電流Imが生ずる第1の電流磁界Hm1(後出)を検出するものであり、薄膜コイル31の巻線体部分31A,31Bと積層方向においてそれぞれ対応する領域に設けられている。素子パターン21A,21Bは、X軸方向に延在すると共にX軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)に互いに隣在し合うように配設され、電極パターン4および電極パターン5の間において互いに並列接続されている。同様に、素子パターン22A,22Bは、X軸方向に延在すると共にX軸方向と直交するY軸方向に互いに隣在し合うように配設され、電極パターン6および電極パターン7の間において互いに並列接続されている。素子パターン21A,21Bおよび素子パターン22A,22Bは、いずれもスパッタリング法などにより例えば0.8μmの厚みを有するように形成されたものである。ここで、電極パターン4はコンタクト層(図示せず)を介して電極膜43と接続され、電極パターン5はコンタクト層(図示せず)を介して電極パターン7と共に電極膜44と接続されている。また、電極パターン6は、電極膜45と接続されている。
素子パターン21A,21Bおよび素子パターン22A,22Bは、それぞれに読出電流を流したときに、薄膜コイル31A,31Bを流れる検出対象電流Imにより生ずる第1の電流磁界Hm1に応じた抵抗値の変化を示すように構成されている。この際、素子パターン21A,21Bの抵抗値と素子パターン22A,22Bとは、互いに逆方向の変化となる。
図3は、図2の要部を拡大して示した断面図である。ここでは、巻線体部分31Aおよび素子パターン21Aを代表して示している。巻線体部分31Aおよび素子パターン21Aは、それぞれのY軸方向における中心位置が互いに一致する(すなわち、いずれの中心位置もX軸方向に延在する仮想の中心線CL上に存在する)ように配置されると共に、Y軸方向において互いに距離Dを隔てるように配置されている。距離Dは、絶縁抵抗の観点から0.2μm以上であることが好ましい。すなわち、巻線体部分31Aと素子パターン21Aとを隔てる絶縁膜Z1の厚みを0.2μm以上とすれば、700Vの電圧の瞬間印加に耐えることができるからである。なお、コンパクト化の観点から、距離Dは可能な限り小さい方が好ましい。具体的には、1.0μm以下であることが望ましい。
また、巻線体部分31AのYZ断面(X軸方向と直交する断面)における断面積Sの範囲は、0.4μm2以上2.0μm2以下であることが望ましい。ここで、断面積Sが0.4μm2を下回ると、巻線体部分31Aを流れる検出対象電流Im(本実施の形態の電流センサ1Aは通信機器等の制御信号を検出対象としていることから、検出対象電流Imの大きさは2mAから50mA程度である。)によって過度な(例えば1.0℃を超えるような)温度上昇が生じ、検出精度が劣化してしまう可能性がある。一方、断面積Sが2.0μm2を上回ると、電流磁界Hm1の強度が低下し、素子パターン21Aによる安定した検出動作が困難となってしまう。
このような断面積Sを有する巻線体部分31Aは、例えばX軸方向と直交するYZ断面において、0.8μm以上3.0μm以下の幅MXと0.2μm以上1.4μm以下の厚みMYとを有するように構成される。また、素子パターン21AのY軸方向の幅MWは、2.0μm以下であることが望ましい。Y軸方向の全体に亘って十分に均一な電流磁界Hm1を素子パターン21Aに対して付与するためである。一方、幅MWの下限については、Y軸方向において均一な成膜を行うため0.5μmとすることが望ましい。なお、図3では、巻線体部分31Aと素子パターン21Aとの関係についてのみ示したが、巻線体部分31Aと素子パターン22Aとの関係についても全く同様の構成であることが好ましい。さらには、巻線体部分31Bと素子パターン21B,22Bとの関係についても全く同様の構成であることが好ましい。
次に、図4〜図7を参照して、素子パターン21A,21Bの構成について、より詳しく説明する。図4は、素子パターン21A,21B,22A,22Bの構成を分解して示す分解斜視図である。ただし、寸法の比率は実際とは一致していない。
素子パターン21A,21B,22A,22Bは、図4に示したように、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造をなしており、+X方向に固着された磁化方向J11を有する固着層11と、電流磁界Hm1をはじめとする外部磁界Hに応じて磁化方向J13が変化する自由層13と、固着層11と自由層13との間に挟まれ、特定の磁化方向を示さない中間層12とをそれぞれ含むものである。自由層13は、ニッケル鉄合金(NiFe)などの軟磁性材料により構成されている。中間層12は、銅(Cu)により構成され、上面が固着層11と接すると共に下面が自由層13と接している。中間層12は、銅のほか、金(Au)などの導電率の高い非磁性金属により構成することができる。なお、固着層11の上面(中間層12と反対側の面)および自由層13の下面(中間層12と反対側の面)は、それぞれ図示しない保護膜によって保護されている。また、固着層11と自由層13との間には磁化方向J11における交換バイアス磁界Hin(以下、単に「交換バイアス磁界Hin」と記す。)が生じており、中間層12を介して互いに作用し合っている。交換バイアス磁界Hinの強度は、固着層11と自由層13との相互間隔(すなわち中間層12の厚み)に応じて自由層13のスピン方向が回転することにより変化する。さらに、図4では、下から自由層13、中間層12、固着層11の順に積層された場合の構成例を示しているが、これに限定されず、反対の順序で構成するようにしてもよい。
また、素子パターン21A,21B,22A,22Bは、X軸方向の長さML(長手寸法)がY軸方向の幅MW(幅寸法)の10倍以上200倍以下となるように構成されている。具体的には、長さMLの好ましい範囲は、例えば20μm以上100μm以下である。このように、素子パターン21A,21Bは、幅MWに対して大きな寸法の長さMLを有する帯状(ストライプ状)をなすことにより、Y軸方向に沿って形状磁気異方性を示すこととなる。したがって、+Y方向または−Y方向)へ外部磁界Hが印加された場合に、その外部磁界Hの変化に対して抵抗変化率の変化の直線性(リニアリティ)が向上する。ここで、長さML(長手寸法)がY軸方向の幅MW(幅寸法)の10倍未満であると、十分な形状異方性磁界が得られない。一方、100倍を超えるような寸法比としても、形状異方性磁界の向上は望めないうえ、抵抗値の増大によるノイズが生じてしまうので好ましくない。
図5に、固着層11の詳細な構成を示す。固着層11は、中間層12の側から磁化固定膜14と反強磁性膜15とが順に積層された構成となっている。磁化固定膜14は、コバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料によって構成されている。この磁化固定膜14の示す磁化方向が固着層11全体としての磁化方向J11となる。反強磁性膜15は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。反強磁性膜15は、+X方向のスピン磁気モーメントと反対方向(−X方向)のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固定膜14の磁化方向J11を固定するように機能するものである。
以上のように構成された素子パターン21A,21B,22A,22Bでは、電流磁界Hm1が印加されることにより自由層13の磁化方向J13が回転し、それによって磁化方向J13と磁化方向J11との相対角度が変化する。その相対角度は、電流磁界Hm1の大きさや向きによって決まるものである。
なお、図4は、電流磁界Hm1が零(Hm=0)であり、かつ、その他の磁界(バイアス磁界など)を印加しない無負荷状態(すなわち、外部磁界Hが零の状態)を示している。自由層13の磁化容易軸方向AE13が固着層11の磁化方向J11と平行となるように形成されていることから、この状態では、磁化容易軸方向AE13と、磁化方向J13と、磁化方向J11とが全て+X方向に沿って互いに平行となっている。このため、自由層13における各磁区のスピン方向がほぼ同一方向に揃うこととなるので、素子パターン21A,21B,22A,22Bに対し、磁化方向J11と直交する方向(+Y方向または−Y方向)へ外部磁界Hが印加された場合には、図6に示したような特性が得られる。図6は、Y方向への外部磁界Hを正として外部磁界Hと抵抗変化率ΔR/Rとの関係を示したものであるが、両者の関係は、外部磁界H=0において極小(ΔR/R=0)となり、ヒステリシスをほとんど示すことのない1本の曲線C1で表される。この場合、ヒステリシスに起因する1/fノイズが極めて小さくなるので、高感度かつ安定したセンシングが可能となる。
ただし、図6から明らかなように、外部磁界Hが零(H=0)の近傍においては直線的な変化が得られないので、実際に電流磁界Hm1を測定する場合には図示しない永久磁石などによるバイアス磁界を磁化方向J11と直交する方向へ印加することで、図7に示したように、磁化方向J13を回転させ、+Y方向の成分または−Y方向の成分を含むように僅かに傾ける(図7では−Y方向へ傾けた場合を例示する)。こうすることにより、図6に示したバイアスポイントBP1を中心とする線形領域LA1またはバイアスポイントBP2を中心とする線形領域LA2において、電流磁界Hm1の変化を精度良く検出することができる。
上記のような構成の電流センサ1Aを用いた検出対象電流Imのセンシング方法について、図1〜図7に加えて図8および図9を参照して以下に説明する。
電流センサ1Aを用いてセンシングを行う場合には、MR素子21,22における各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対して、予め、例えば+Y方向へバイアスポイントBP1(図6参照)に相当する強度のバイアス磁界を印加しておく。その状態において、電極膜41,42を介して検出対象電流Imを薄膜コイル31へ供給するようにし、各巻線体部分31A,31Bが生じる電流磁界Hm1を各素子パターン21A,21B,22A,22Bによって検出するようにする。例えば、検出対象電流Imを薄膜コイル31の端部31Sから端部31Eへ向かうように流した場合には、図8に示したように、巻線体部分31A,31Bでは+X方向に(紙面奥から手前へ向かうように)検出対象電流Imが流れることとなる。その結果、右ねじの法則にしたがって、巻線体部分31A,31Bのそれぞれの周囲を(紙面上では反時計回りに)巻回する電流磁界Hm1が生ずる。このため、各素子パターン21A,21Bに対しては、それぞれ+Y方向の電流磁界Hm1が付与されるので、図6から明らかなように抵抗変化率が増加する(抵抗値が増加する)。これに対し、素子パターン22A,22Bに対しては、−Y方向の電流磁界Hm1が付与されるので、図8から明らかなように抵抗変化率が減少する(抵抗値が減少する)。ここで、YZ断面における巻線体部分31Aおよび巻線体部分31Bの寸法は互いに等しく、さらに、各巻線体部分31A,31Bと各MR素子21,22との積層方向(Z軸方向)の距離Dも等しくなるように形成されているので、各素子パターン21A,21B,22A,22Bに付与される電流磁界Hm1の絶対値は互いに等しい。なお、図8は、図2の一部を拡大して示したものであり、各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対する電流磁界Hm1の作用を説明するための説明図である。
図9に、電流センサ1Aを含む電流計の回路構成を示す。図9では、破線で囲んだ部分が電流センサ1Aに対応する。図9に示したように、電流センサ1Aでは、MR素子21,22と薄膜コイル31とが互いに近接配置されている。ここではMR素子21,22を、それぞれ複数の素子パターンが並列接続されてなる1つの抵抗体として表している。MR素子21とMR素子22とは、第1の接続点P1(電極パターン7)において互いに連結され、電極膜44を介して最終的に接地されている。各MR素子21,22の、第1の接続点P1とは反対側には、第2の接続点P2において互いに連結された定電流源51,52が設けられている。具体的には、MR素子21における第1の接続点P1とは反対側の端部が、第3の接続点P3としての電極膜43を介して定電流源51と接続されており、一方のMR素子22における第1の接続点P1とは反対側の端部が、第4の接続点P4としての電極膜45を介して定電流源52と接続されている。これら定電流源51および定電流源52は、互いに等しい値の定電流I0をMR素子21,22へ供給するものである。
このような構成の電流センサ1Aでは、第1の接続点P1と第2の接続点P2との間に電圧が印加されたときに、第3および第4の接続点P3,P4における電位の差分V0(MR素子21,22のそれぞれに生ずる電圧降下の差分)に基づいて電流磁界Hm1の大きさを求めることができ、その大きさの電流磁界Hm1を発生する検出対象電流Imの大きさを推定することができる。以下、具体的に説明する。
図9において、第1の接続点P1と第2の接続点P2との間に所定の電圧を印加した際の定電流源51,52からの定電流をI0とし、各MR素子21,22全体の抵抗値をそれぞれR1,R2とする。電流磁界Hm1が印加されていない場合、第3の接続点P3(電極膜43)における電位V1は、
V1=I0・R1
であり、第4の接続点P4(電極膜45)における電位V2は、
V2=I0・R2
となる。よって、第3の接続点P3と第4の接続点P4との間の電位差は、
V0=V1−V2
=I0・R1−I0・R2
=I0・(R1−R2) …(1)
となる。
この回路では、電流磁界Hm1が印加されたときに、電位差V0を測定することにより各MR素子21,22における抵抗変化量が得られる。例えば電流磁界Hm1が印加されたときに、抵抗値R1,R2がそれぞれ変化量ΔR1,ΔR2だけ増加したとすると、式(1)は、
V0=V1−V2
=I0・(R1−R2)
=I0・{(R1+ΔR1)−(R2+ΔR2)} …(2)
となる。
すでに述べたように、MR素子21とMR素子22とは電流磁界Hm1によって各々の抵抗値R1,R2が互いに逆方向の変化を示すように配置されていることから、変化量ΔR1と変化量ΔR2とは互いの正負が逆の符号となる。したがって、式(2)において、電流磁界Hm1が印加される前の抵抗値R1および抵抗値R2は互いに打ち消し合う一方で、変化量ΔR1および変化量ΔR2はそのまま維持される。
仮に、MR素子21とMR素子22とが全く同一の特性を有するとした場合、すなわち、
R1=R2=R
かつ
ΔR1=−ΔR2=ΔR
であると仮定した場合、式(2)は、
V0=I0・(R1+ΔR1−R2−ΔR2)
=I0・(R+ΔR−R+ΔR)
=I0・(2ΔR) …(3)
となる。したがって、予め外部磁界と抵抗変化量との関係を把握したMR素子21,22を用いるようにすれば、電流磁界Hm1の大きさを求めることができ、その大きさの電流磁界Hm1を発生する検出対象電流Imの大きさを推定することができる。この場合、2つのMR素子21,22を用いてセンシングを行っているので、MR素子21またはMR素子22のいずれかを単独で用いてセンシングを行う場合と比べて2倍の抵抗変化量を取り出すことができ、測定値の高精度化に有利となる。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1Aによれば、薄膜コイル31と積層方向において対応する位置にMR素子21,22を設けるようにしたので、薄膜コイル31とMR素子21,22とが面内方向において隣り合うように設けられている場合と比べ、互いに接近させて配置することができ、全体の寸法が縮小する。さらに、薄膜コイル31の各巻線体部分31A,31Bにより、これを流れる検出対象電流Imに基づく電流磁界Hm1をMR素子21,22の各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対して個々に付与することができるので、コイルによる発熱およびコイル磁界強度の電流効率の観点からの第1の方向と直交する断面での配置位置および断面寸法に関する最適化を容易に図ることができ、一つの導体(巻線体部分)を流れる電流のみによって形成される電流磁界を各素子パターンに対して付与する場合と比べ、電流磁界Hm1を効率よく各素子パターン21A,21B,22A,22Bに付与することができる。その結果、検出対象電流Imを感度良く検出することが可能となる。
特に、素子パターン21A,21Bおよび素子パターン22A,22Bをそれぞれ互いに並列接続するようにしたので、抵抗変化率を下げることなく第1の磁気抵抗効果素子21としての全体の抵抗値を比較的低く抑えることができ、使用時における発熱量を低減することができる。その上、外部からのノイズ(不要な磁界)による影響を低減し、SN比を向上させることができる。加えて、電流磁界Hm1を、MR素子21およびMR素子22の双方によって検出することができる。この際、電流磁界Hm1を付与されることにより、MR素子21の抵抗値R1とMR素子22の抵抗値R2とが互いに逆方向の変化を示すように構成したので、各MR素子21,22に対して互いに等しい定電流I0を流したときに生ずる電圧降下の差分V0に基づいて、高精度な検出対象電流Imの測定が可能となる。以上の理由により、電流センサ1Aであれば、コンパクトな構成でありながら、薄膜コイル31を流れる検出対象電流Imを高精度に測定することができる。
[第2の実施の形態]
続いて、図10および図11を参照して、本発明の第2の実施の形態としての電流センサ1Bについて説明する。
図10は、電流センサ1Bの斜視構成を表す概略図である。図11は、図10の電流センサ1Bに示したXI−XI切断線における矢視方向(−X方向)の断面構成を表したものである。電流センサ1Bは、上記実施の形態の電流センサ1Aに、第2の薄膜コイル32(以下、単に薄膜コイル32という。)と第3の磁気抵抗効果素子23(以下、単にMR素子23という。)と第3の磁気抵抗効果素子24(以下、単にMR素子24という。)とを追加するように構成したものである。
MR素子23は、第1の階層L1におけるMR素子21が形成された領域以外の領域にMR素子21と直列接続されるように形成されており、X軸方向へ延在すると共にY軸方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の素子パターン23A,23Bを含んでいる。素子パターン23A,23Bは、電極パターン5および電極パターン8の間において互いに並列接続されている。MR素子24は、第2の階層L2におけるMR素子22が形成された領域以外の領域にMR素子22と直列接続されるように形成されており、X軸方向へ延在すると共にY軸方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の素子パターン24A,24Bを含んでいる。素子パターン24A,24Bは、電極パターン7および電極パターン9の間において互いに並列接続されている。素子パターン23A,23Bおよび素子パターン24A,24Bは、いずれもスパッタリング法などにより例えば0.8μmの厚みを有するように形成されたものである。ここで、電極パターン4はコンタクト層(図示せず)を介して電極パターン6と共に電極膜43と接続され、電極パターン5はコンタクト層(図示せず)を介して電極膜48と接続されている。さらに、電極パターン8はコンタクト層(図示せず)を介して電極パターン9と共に電極膜47と接続され、電極パターン7は、電極膜44と接続されている。
さらに、薄膜コイル32は、薄膜コイル31と同様に、例えば銅などの高導電性の金属材料からなる薄膜パターンであり、第3の階層L3における薄膜コイル31が形成された領域以外の領域において巻回するように構成されている。薄膜コイル32は、MR素子23およびMR素子24の各素子パターン23A,23B,24A,24Bとそれぞれ対応してX軸方向に延在する巻線体部分32A,32Bを含むものである。薄膜コイル31の端部31Eは電極膜42および電極膜45を介して薄膜コイル32の一方の端部32Sと接続され、薄膜コイル32の他方の端部32Eはコンタクト層(図示せず)を介して電極膜46と接続されている。したがって、薄膜コイル31,32は回路構成上、1本の導線となっている。
このような構成を備えた電流センサ1Bでは、検出対象電流Imが薄膜コイル31を通過したのち、さらに薄膜コイル32を流れることにより、図12に示したように、各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対して電流磁界Hm1が付与されると共に、MR素子23およびMR素子24の各素子パターン23A,23B,24A,24Bに対して電流磁界Hm2が付与されることとなる。図12は、図11の一部を拡大して示したものであり、各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対する電流磁界Hm1の作用と、各素子パターン23A,23B,23A,23Bに対する電流磁界Hm2の作用とを説明するための説明図である。素子パターン21A,21Bおよび素子パターン22A,22Bは、付与された電流磁界Hm1に応じた抵抗値の変化を示すようになっている。同様に、素子パターン23A,23Bおよび素子パターン24A,24Bは、付与された電流磁界Hm2に応じた抵抗値の変化を示すようになっている。この際、素子パターン22A,22Bおよび素子パターン23A,23Bの各抵抗値は、電流磁界Hm1によって生ずる素子パターン21A,21Bにおける抵抗値の変化とは逆方向に変化する。さらに、素子パターン24A,24Bの抵抗値は、素子パターン21A,21Bにおける抵抗値の変化と同方向に変化する。
例えば、各素子パターン21A,21B,22A,22Bに対して、予め+Y方向へバイアスポイントBP1(図6参照)に相当する強度のバイアス磁界を印加しておく。そこで図14に示したように巻線体部分31A,31Bに+X方向へ検出対象電流Imを流したときには、素子パターン21A,21Bは+Y方向の電流磁界Hm1が印加されるので、図8から明らかなように抵抗変化率が増加する(抵抗値が増加する)。これに対し、素子パターン22A,22Bは、−Y方向の電流磁界Hm1が印加されることとなるので、図8から明らかなように抵抗変化率が減少する(抵抗値が減少する)のである。同様に、各素子パターン23A,23B,24A,24Bに対して、予め+Y方向へバイアスポイントBP1(図6参照)に相当する強度のバイアス磁界を印加しておき、図12に示したように巻線体部分32A,32Bに−X方向へ検出対象電流Imを流すと、素子パターン23A,23Bは−Y方向の電流磁界Hm2が印加されるので、図6から明らかなように抵抗変化率が減少する(抵抗値が減少する)。これに対し、素子パターン24A,24Bは、+Y方向の電流磁界Hm2が印加されることとなるので、図6から明らかなように抵抗変化率が増加する(抵抗値が増加する)こととなる。
図13は、図10に示した電流センサ1Bを含む電流計の回路構成を表す概略図である。図13では、破線で囲んだ部分が電流センサ1Bに対応する。図13に示したように、MR素子21およびMR素子22の各一端同士が、第1の接続点P1において互いに連結され、電極膜43を介して最終的に接地されている。また、MR素子23およびMR素子24の各一端同士が、第2の接続点P2において互いに接続されている。さらに、MR素子21における第1の接続点P1とは反対側の端部とMR素子24における第2の接続点P2とは反対側の端部とが、第3の接続点P3としての電極膜44において接続され、かつ、MR素子22における第1の接続点P1とは反対側の端部とMR素子23における第2の接続点P2とは反対側の端部とが、第4の接続点P4としての電極膜48において接続されている。このように、第1の接続点P1と第2の接続点P2との間に電圧が印加されたときの第3の接続点P3と第4の接続点P4との間の電位差V0に基づいて検出対象電流Imが検出されるようにブリッジ回路が構成されている。
以下、図13に加え、図14を参照して、検出対象電流Imによって形成される電流磁界Hm1,2を測定する方法について説明する。図14は、図13の要部を簡略化して示した回路図である。
図14では、電流磁界Hm1,2が印加されていない状態で読出電流I0を流したときのMR素子21〜24の抵抗値をそれぞれ符号R1〜R4で示す。読出電流I0は第2の接続点P2で分流される。こののち、MR素子24,22を通過する読出電流I1とMR素子23,21を通過する読出電流I2とが第1の接続点P1で合流する。この場合、第2の接続点P2と第1の接続点P1との間の電位差Vは、
V=I1・R4+I1・R2=I2・R3+I2・R1
=I1(R4+R2)=I2(R3+R1) ……(4)
と表すことができる。
また、第3の接続点P3における電位V2および第4の接続点P4における電位V1は、それぞれ、
V2=V−V4
=V−I1・R4
V1=V−V3
=V−I2・R3
と表せる。よって、第3の接続点P3と第4の接続点P4との間の電位差V0は、
V0=V2−V1
=(V−I1・R4)−(V−I2・R3)
=I2・R3−I1・R4 ……(5)
ここで、(4)式から
V0=R3/(R3+R1)・V−R4/(R4+R2)・V
={R3/(R3+R1)−R4/(R4+R2)}・V ……(6)
となる。このブリッジ回路では、電流磁界Hm1,2が印加されたときに、上記の式(6)で示された第3および第4の接続点P3,P4間の電圧V0を測定することにより、抵抗変化量が得られる。電流磁界Hm1,2が印加されたときに、抵抗値R1〜R4がそれぞれ変化量ΔR1〜ΔR4だけ増加したとすると、すなわち、抵抗値R1〜R4がそれぞれ、
R1→R1+ΔR1
R2→R2+ΔR2
R3→R3+ΔR3
R4→R4+ΔR4
のように変化したとすると、電流磁界Hm1,2を印加後は、式(6)より、
V0={(R3+ΔR3)/(R3+ΔR3+R1+ΔR1)−(R4+ΔR4)/(R4+ΔR4+R2+ΔR2)}・V ……(7)
となる。すでに述べたように、電流センサ1Bでは、MR素子21,24の抵抗値R1,R4とMR素子22,23の抵抗値R2,R3とが逆方向に変化する(MR素子21,23とMR素子21,24とでは逆方向に電流磁界Hm1,2が印加されることから、MR素子21〜24の全てに対して、同一方向のバイアス磁界を予め印加するようにする。)ので、変化量ΔR3と変化量ΔR1とが打ち消し合うと共に変化量ΔR4と変化量ΔR2とが打ち消し合うこととなる。このため、電流磁界Hm1,2の印加前後を比較した場合、式(7)の各項における分母の増加はほとんど無い。一方、各項の分子については、変化量ΔR3と変化量ΔR4とは必ず反対の符号を有するので、打ち消し合うことなく増減が現れることとなる。これは、図6から明らかなように、バイアス点BP1に対応するバイアス磁界が予め印加された状態において+Y方向の電流磁界Hm1,2が印加されることにより、MR素子21,24では、抵抗値は変化量ΔR1,ΔR4(ΔR1,ΔR4>0)の分だけそれぞれ変化する(実質的に増加する)一方で、MR素子22,23では、抵抗値は変化量ΔR2,ΔR3(ΔR2,ΔR3<0)の分だけそれぞれ変化する(実質的に減少する)からである。
仮に、MR素子21〜24が完全に同一の特性を有するとした場合、すなわち、
R=R1=R2=R3=R4
かつ
ΔR=−ΔR1=ΔR2=ΔR3=−ΔR4であるとした場合、式(7)は、
V0={(R+ΔR)/(2R)−(R−ΔR)/(2R)}・V
=(ΔR/R)・V
となる。
このように、予め抵抗変化率ΔR/R等の特性値を把握したMR素子21〜24を用いることにより、電流磁界Hm1,2の大きさを求めることができ、その電流磁界Hm1,2を発生する検出対象電流Imの大きさを推定することができる。特に、ブリッジ回路を構成してセンシングを行うようにすることにより、同等の出力を有する単一の素子パターンによりセンシングする場合と比べて、各MR素子における特性上のばらつきによる影響が低減するうえ、各MR素子の素子パターンにおける抵抗変化量を大きく取り出すことができ、測定値の精度を向上させることが可能である。また、本実施の形態では、MR素子21〜24の全ての固着層11の磁化方向J11A〜J11Dを同一方向をなすようにしたので、電流磁界Hmの方向に対して、磁化方向J11A〜J11Dが全て同一角度をなすこととなる。このため、MR素子21〜24における検出感度のばらつきを抑えることが比較的容易である。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1Bによれば、上記第1の実施の形態における電流センサ1Aに加えて、薄膜コイル31と連結した薄膜コイル32と、この薄膜コイル32に対応したMR素子23,24とを加えるようにしたので、ブリッジ回路を構成してセンシングを行うことが可能となり、検出対象電流Imの測定値の精度をさらに高めることができる。この場合、MR素子21と同じ第1の階層L1にMR素子23を設けると共にMR素子22と同じ第2の階層L2にMR素子24を設けるようにしたので、全体としてコンパクトな構成を維持することができる。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば本実施の形態では、固着層の磁化方向と自由層の磁化容易軸方向とが互いに一致したスピンバルブ構造を有する磁気抵抗効果素子を採用するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、固着層の磁化方向と自由層の磁化容易軸方向とが互いに直交するスピンバルブ構造を有する磁気抵抗効果素子を用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、2つの素子パターンにより第1から第4の磁気抵抗効果素子をそれぞれ構成するようにしたが、これに限定されず、3つ以上の素子パターンにより各磁気抵抗効果素子をそれぞれ構成するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンを、互いに並列接続するようにしたが、例えば図15に示した電流センサ1Eのように、互いに直列接続するようにしてもよい。このようにした場合には、第1の方向における寸法を長くすることなく感磁部として機能する素子パターンの総延長を稼ぐことができ、第1および第2の磁気抵抗効果素子における全体の抵抗値(インピーダンス)の絶対値をより大きくすることができる。したがって、より微弱な検出対象電流であっても高精度な測定が可能となる。
本発明の電流センサは、上記実施の形態において説明したように、電流値そのものを図ることを目的とする場合に用いられるほか、プリント配線の欠陥などの検査を行う渦電流探傷技術に応用可能である。例えば、磁気抵抗効果素子を直線上に多数個配置した電流センサとし、渦電流の変化を磁束の変化として捉えるような応用例が考えられる。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの構成を示す斜視図である。 図1に示した電流センサにおけるII-II切断線に対応する断面図である。 図2の要部を拡大して示した断面図である。 図1に示した電流センサの要部である磁気抵抗効果素子の構成を示す分解斜視図である。 図4に示した磁気抵抗効果素子における一部の構成を示す斜視図である。 図4に示した磁気抵抗効果素子における抵抗変化率の磁界依存性を示す特性図である。 図1に示した電流センサの要部である磁気抵抗効果素子の構成を示す他の分解斜視図である。 図2の要部を拡大して示す他の断面図である。 図1に示した電流センサに対応する回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電流センサの構成を示す斜視図である。 図10に示した電流センサにおけるXI-XI切断線に対応する断面図である。 図11の要部を拡大して示す断面図である。 図10に示した電流センサに対応する回路図である。 図13に示した回路図の要部拡大図である。 図10に示した電流センサの変形例としての電流センサの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…電流センサ、2…基体、4〜6…電極パターン、11…固着層、12…中間層、13…自由層、14…磁化固定膜、21〜24…磁気抵抗効果(MR)素子、31,32…第1,第2の薄膜コイル、41〜48…電極膜、L1〜L3…第1〜第3の階層、P1〜P4…第1〜第4の接続点。

Claims (15)

  1. 第1の階層において、第1の方向へ延在すると共にこの第1の方向と直交する第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含む第1の磁気抵抗効果素子と、
    前記第1の階層と異なる第2の階層において、前記第1の方向へ延在すると共に前記第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含む第2の磁気抵抗効果素子と、
    前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンとそれぞれ対応して前記第1の方向に延在する複数の第1の巻線体部分を含むように前記第1の階層と前記第2の階層との間に位置する第3の階層において巻回し、かつ、検出対象電流が供給されることにより前記第1磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して前記複数の第1の巻線体部分の各々から第1の電流磁界を付与するように構成された第1の薄膜コイルと
    を備えたことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子は、前記第1の電流磁界に応じて抵抗値が互いに逆方向の変化を示すように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、それぞれ互いに並列接続されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、それぞれ互いに直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
  5. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、いずれも、前記第1の方向に磁化された磁化固着膜を有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流センサ。
  6. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、いずれも、前記第1の方向に沿った長手寸法が、前記第2の方向に沿った幅寸法の10倍以上200倍以下となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電流センサ。
  7. 前記第2の方向に沿った幅寸法は、0.5μm以上2.0μm以下である
    ことを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
  8. 前記第1の方向へ延在すると共に前記第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含み、かつ前記第1の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように前記第1の階層における前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域以外の領域に形成された第3の磁気抵抗効果素子と、
    前記第1の方向へ延在すると共に前記第2の方向に互いに隣在し合うように配設された帯状の複数の素子パターンを含み、かつ前記第2の磁気抵抗効果素子と直列接続されるように前記第2の階層における前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域以外の領域に形成された第4の磁気抵抗効果素子と、
    前記第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンとそれぞれ対応して前記第1の方向に延在する複数の第2の巻線体部分を含むように前記第3の階層における前記第1の薄膜コイルが形成された領域以外の領域において巻回し、かつ、前記検出対象電流が供給されることにより前記第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子の各素子パターンに対して前記複数の第2の巻線体部分の各々から第2の電流磁界を付与するように構成された第2の薄膜コイルと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  9. 前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記第1の電流磁界に応じて、前記第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値とは互いに逆方向の変化を示すように構成されており、
    前記第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記第2の電流磁界に応じて、前記第1の電流磁界によって生ずる前記第1の磁気抵抗効果素子における抵抗値の変化とは逆方向に変化するように構成されており、
    前記第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記第2の電流磁界に応じて、前記第1の電流磁界によって生ずる前記第1の磁気抵抗効果素子における抵抗値の変化と同方向に変化するように構成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の電流センサ。
  10. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、それぞれ互いに並列接続されている
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電流センサ。
  11. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、それぞれ互いに直列接続されている
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電流センサ。
  12. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、いずれも、前記第1の方向に磁化された磁化固着膜を有している
    ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の電流センサ。
  13. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各素子パターンは、いずれも、前記第1の方向に沿った長手寸法が、前記第2の方向に沿った幅寸法の10倍以上200倍以下となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の電流センサ。
  14. 前記第2の方向に沿った幅寸法は、0.5μm以上2.0μm以下である
    ことを特徴とする請求項13に記載の電流センサ。
  15. 前記第1の磁気抵抗効果素子および第2の磁気抵抗効果素子は、その一端同士が第1の接続点において接続され、
    前記第3の磁気抵抗効果素子および第4の磁気抵抗効果素子は、その一端同士が第2の接続点において接続され、
    さらに、前記第1の磁気抵抗効果素子の他端と前記第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、かつ、前記第2の磁気抵抗効果素子の他端と前記第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されており、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電圧が印加されたときに生ずる前記第3の接続点と前記第4の接続点との間の電位差に基づいて前記検出対象電流が検出されるようにブリッジ回路が構成されている
    ことを特徴とする請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の電流センサ。
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