JP5888402B2 - 磁気センサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、外部磁界を検知可能な小型の磁気センサ素子に関する。
一般に、制御機器等の制御をおこなうための制御電流を測定する方法としては、その制御電流によって発生する電流磁界の勾配を検出することによって間接的に測定する方法がある。具体的には、例えば、特許文献1に、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto−Resistive Effect)を発現する巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子)などの磁気抵抗効果素子を4つ用いてホイートストンブリッジを形成し、上記の電流磁界中に配置して、その勾配を検出する方法が開示されている。このように、ホイートストンブリッジを形成することにより、外部からの妨害磁界や環境温度による影響を比較的低く抑えることができる。特に、4つの磁気抵抗効果素子の特性が均一な場合は、より安定した検出特性を得ることができる。
また、特許文献2に、測定ブリッジと補償電流ラインを設けることにより、環境温度や外部からの妨害磁界に起因する出力電圧の変化をさらに低減するようにした例も開示されている。
さらに、特許文献3に開示されているように、2つの磁気抵抗効果素子を用いることで、4つの場合よりもバランスがとりやすく零磁界での抵抗値オフセットの低減が容易になっている。また、特許文献3において、複数の磁気抵抗効果素子における電圧降下の差分に応じた補償電流を利用することにより、検出対象電流の測定をより高精度に行う技術に関しても開示している。
特許文献4には、電流磁界を、複数の磁気抵抗効果素子、ブリッジ回路、さらに、各々の磁気抵抗効果素子と共に延在する帯状部分を有した補償電流線を用いて、高感度、高精度に測定するための電流センサが開示されている。
特許文献4の図3と同じであるが、符号を代えた図を図14に示す。特許文献4は、本発明の主要な従来技術であるため、以降、比較例としてこの図14を用いることにする。図14は、従来の電流センサ100の構成を示した図である。4つの磁気抵抗効果素子として、第1〜第4の磁気抵抗効果素子21〜24があり、この4つの磁気抵抗効果素子上にそれぞれ沿うように、帯状に補償電流線300があり、この補償電流線300であって、第1〜第4の磁気抵抗効果素子21〜24に対応する部分が、第1〜第4の帯状補償電流線310、320、330、340となっている。また、帯状の補償電流線300であって、磁気抵抗効果素子上に沿っていない部分370が存在している。
特許文献4に代表される電流センサの検出原理を簡単に説明する。検出対象の導体に流れる検出対象電流から発生する誘導磁界に対して、電流センサ側から、検出対象誘導磁界を打ち消し、磁界の大きさがゼロになるように、誘導磁界と反平行方向に、補償磁界を発生させる。補償磁界は、電流センサが有する補償電流線に流れる補償電流から生じる。この磁界の強さがゼロになる平衡点は、電流センサの磁気抵抗効果素子の磁界検知出力がゼロになる点を検知する。この平衡点に達したときの補償電流の大きさは、検出対象誘導磁界および電流の大きさに比例しているので、補償電流の値がわかれば、導体に生じる検出対象電流を検出できるという原理である。
特開平06−294854号公報 特表平10−506193号公報 特開2006−105693号公報 特開2011−196798号公報
上記の文献で示されているように、磁気センサ素子に関し、全体構成の小型化に加え、高性能化が求められているが、効率良く対象磁界の検出を行うために、低消費電力化が求められている。本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、広範囲に亘る検出対象外部磁界を高感度、低消費電力にて検出可能な磁気センサ素子を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、基板上に形成された外部磁界に応じて抵抗値が変化を示す磁気抵抗効果素子と、補償電流が流れることにより、外部磁界とは異なる方向の補償磁界を磁気抵抗効果素子に付与する補償電流線とを備え、補償電流線は、磁気抵抗効果素子を、絶縁膜を介して、第1の方向と第1の方向とは逆向きの第2の方向から挟み込むように平行に配置された第1及び第2の電流線と、第1及び第2の電流線を直列に接続する第1の接続導体とを含み、第1および第2の電流線と磁気抵抗効果素子とを基板の法線方向に射影した範囲は、磁気抵抗効果素子の長手方向の全領域において重なる領域を有し、補償電流は、第1及び第2の電流線を磁気抵抗効果素子の長手方向に沿って互いに反平行方向に流れることを特徴とする磁気センサ素子である。
このような構成にすることで、磁気抵抗効果素子を挟む補償電流線から発生する磁界だけではなく、磁気抵抗効果素子を挟む補償電流線を接続する第1の接続導体からの発生磁界も磁気抵抗効果素子部に印加されるため、単位補償電流当りの発生磁界が増加し、さらに、従来技術としての比較例である図14の、各磁気抵抗効果素子と共に対応し延在する各帯状補償電流線以外の帯状補償電流線に相当する分の長さを短くできることによる抵抗減少と、補償電流の低減により感度を上げ、消費電力を低減できる。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、磁気抵抗効果素子と補償電流線間に磁気抵抗効果素子の膜厚の10倍以上である絶縁膜を設けたことを特徴としている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、絶縁膜が3族または4族原子の絶縁材料であって、絶縁膜の膜厚は、300nmを超えることを特徴としている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、絶縁膜が3族または4族原子の絶縁材料であって、絶縁膜の膜厚は、500nm以上であることを特徴としている。
このような絶縁膜を設けることにより、補償電流線と、磁気抵抗効果素子との間に生じる電圧差によって破壊されない程度に厚く、かつ補償電流線からの磁界が十分に磁気抵抗効果素子に印加できる程度に薄くなっている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、磁気抵抗効果素子は、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、中間層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する自由層とを含み、固着層の磁化方向は、補償電流線の延在方向と直交する方向であることを特徴としている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加する永久磁石を備えたことを特徴としている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、第1及び第2の電流線を挟んで第1の接続導体とは反対側に存在する複数の第2の接続導体と、複数の磁気抵抗効果素子とを有し、補償電流線の延在方向と異なる第3の方向に複数の磁気抵抗効果素子が平行に配置され、複数の磁気抵抗効果素子が各々備える第1および第2の電流線のそれぞれに流れる補償電流が複数の磁気抵抗効果素子の長手方向に沿った反平行方向に流れるように、複数の磁気抵抗効果素子がそれぞれ備える第1および第2の電流線が複数の第1及び第2の接続導体によって接続されたことを特徴としている。
さらに、本発明の磁気センサ素子は、磁気抵抗効果素子として、第1から第4の磁気抵抗効果素子を備え、第1および第2の磁気抵抗効果素子の一端同士が第1の接続点において接続され、第3および第4の磁気抵抗効果素子の一端同士が第2の接続点において接続され、第1の磁気抵抗効果素子の他端と第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、第2の磁気抵抗効果素子の他端と第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されることによりブリッジ回路が形成されており、補償電流は、第1の接続点と第2の接続点との間に電圧が印加されたときの第3の接続点と第4の接続点の間の電位差によって生じるものであり、第1および第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、外部磁界に応じて互いに同じ向きに変化し、第2および第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、いずれも、外部磁界に応じて第1および第3の磁気抵抗効果素子とは反対向きに変化することを特徴としている。
本発明の磁気センサ素子によれば、検出対象外部磁界を、高感度、かつ低消費電力にて検出可能となる。
本実施形態の磁気センサの全体構成を表す斜視図である。 本実施形態の電流センサの全体構成を表す斜視図である。 本実施形態の帯状補償電流線対の斜視図である。 本実施形態の磁気センサ素子の斜視図である。 本実施形態の磁気センサ素子の分解斜視図である。 本実施形態の電流センサの磁界の様子を示す模式図である。 磁気抵抗効果素子の帯状部分がミアンダ状である別の実施形態の模式図である。 磁気抵抗効果素子の帯状部分がミアンダ状である別の実施形態の模式図である。 本実施形態の磁気抵抗効果素子の膜構成を表す分解斜視図である。 本実施形態の磁気抵抗効果素子の膜構成を表す分解斜視図である。 本実施形態のブリッジ回路図である。 本実施形態の磁気抵抗効果素子上の補償磁界の分布を示す図である。 本実施形態の補償電流と磁気抵抗効果素子の出力の特性図である。 本実施形態の絶縁膜厚と破壊電圧の関係を示す図である。 本実施形態の変形例のブリッジ回路図である。 比較例の電流センサ素子の斜視図である。 本実施形態の電流センサ以外の、磁気センサの磁界の様子を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(基本構成の説明)
図1は、本実施形態の磁気センサ10の全体構成を表す斜視図である。基板5上に磁気抵抗効果素子20を含む磁気センサ素子1を設置し、更に、後述のバイアス磁界印加のための永久磁石9を配置する。なお、この磁気センサ素子1の感磁方向は、磁気抵抗効果素子20の磁化固定層の磁化固定方向と平行な方向である。この磁気センサ素子1では、任意方向の外部磁界のうち、前述の、感磁方向成分の値を検出する。
図2は、本実施形態の磁気センサ10を用いた、電流センサ1000の全体構成を表す斜視図である。電流センサ1000は、磁気センサ10と、導体2と、シールド構造6から構成されている。具体的には、電流センサ1000は、図1の磁気センサ10に加えて、検出対象電流Imを流す導体2、電流から生じる誘導磁界Hm、誘導磁界以外の外乱磁界を遮蔽するシールド構造6を備える。
図3は、本実施形態の電流センサ1000に備えられた、磁気センサ素子1の、帯状補償電流線対35の斜視図であり、図4は、本実施形態の磁気センサ素子1の斜視図である。また、図5は、本実施形態の磁気センサ素子1の分解斜視図である。図3から図5を用いて、本実施形態の構成について説明する。本実施形態の磁気センサ素子1は、電流センサ1000に備えられた磁気センサ素子1である。また、本実施形態の磁気センサ素子1は、磁気抵抗効果素子20と、補償電流線30から構成されている。補償電流線30は、少なくとも1組、もしくは、複数組の帯状補償電流線対35から構成されている。
本実施形態の、磁気センサ素子1の、磁気抵抗効果素子20は、帯状補償電流線対35の1組に対して1つ配置されている。帯状補償電流線対35は、1つの磁気センサ素子1に対し、少なくとも1組、もしくは、複数組が備えられている。
補償電流線30である帯状補償電流対35は、直線状の検出対象電流Imを流す導体2から発生する誘導磁界Hmに対して、補償電流Idを発生させて反平行の補償磁界Hdをを磁気抵抗効果素子20上に発生させる。ここで、反平行とは、一対の流れる電流や一対の磁界などの方向が一軸方向でみた場合に互いに逆方向になることである。
1組の帯状補償電流線対35は、図3に示すように、第1の電流線301と第2の電流線302から構成されている。第1の電流線301と第2の電流線302は、磁気抵抗効果素子20を、第1の方向および第1の方向とは逆向きの第2の方向から挟み込むように、すなわち、Z軸方向に、上下を挟むように平行に配置されており、かつ、第1の電流線301と第2の電流線302を第1の接続導体7で直列に接続して、さらに、第1の電流線301と第2の電流線302と磁気抵抗効果素子とを基板の法線方向に射影した範囲が、磁気抵抗効果素子の長手方向の全領域において重なる領域を有するいわゆるソレノイド形状とした。このような形状とすることにより、補償電流Idは、第1の電流線301と第2の電流線302を磁気抵抗効果素子の長手方向に沿って互いに反平行方向に流れる。
図6は、この電流センサ1000の、図2のXZ平面に平行な概略断面を示しており、磁気抵抗効果素子20を挟んでZ軸方向上下に、帯状補償電流線対35である第1の電流線301と第2の電流線302が配置されている。図6は、補償電流Idと補償磁界Hd、および、導体2から生じる検出対象電流Imと検出対象誘導磁界Hmの流れる方向や発生する方向の関係を表す模式図である。
図6によれば、検出対象である誘導磁界Hmの方向に対し、電流センサ側の補償磁界Hdは、第1の電流線301から生じる補償磁界Hdと、第2の電流線302から生じる補償磁界Hdが強めあい合成されて、合成補償磁界Hd2となって、誘導磁界Hmと反平行方向であるため、結果として、誘導磁界Hmと合成補償磁界Hd2は互いに打ち消しあう。
図15は、図6と同じもので、電流センサ以外の磁気センサ素子の、磁気抵抗効果素子に及ぶ外部磁界Hおよび補償磁界Hd、および、補償磁界の合成補償磁界Hd2の向きを説明するための模式図である。外部磁界Hの成分のうち、磁気抵抗効果素子20の感磁方向である図中のX成分を検出する。
本実施形態の、電流センサ1000に備えられた磁気センサ素子1は、磁気抵抗効果素子20と、補償電流線30から構成されており、補償電流線30を構成する帯状補償電流線対35は、少なくとも1組、もしくは、複数組が備えられており、例えば、帯状補償電流線対35が4組、すなわち、磁気抵抗効果素子20も4つ、で構成された磁気センサ素子1の補償電流線30が、図4に示されている。
図4のような、ソレノイド形状とすることによって、従来技術としての比較例の、図14に示すような、各磁気抵抗効果素子21〜24と共に対応し延在する各帯状補償電流線310〜340以外の帯状補償電流線370は不要になるため、この分の長さを短くできる。つまり、磁気抵抗効果素子21〜24と近接していない帯状補償電流線370の3本が不要になる。このように、補償電流線の線の長さが短くなることにより、補償電流線の抵抗減少が可能となる。
このような構成にすることで、磁気抵抗効果素子20を挟む、補償電流線30である帯状補償電流線対35から発生する磁界だけではなく、磁気抵抗効果素子20を挟む帯状補償電流線対35を直列に、わかりやすく言うと、第1及び第2の電流線301、302を上下に、接続する第1の接続導体7からの発生磁界も磁気抵抗効果素子部20に印加されるため、単位補償電流当りの発生磁界が増加し、結果として、補償電流Id値を抑えることが可能になる。補償電流Id値を抑えても、十分な単位補償電流当りの発生磁界が増加するため、結果的に、磁気センサ素子1の感度が上がることになる。ちなみに、感度とは、補償電流通電時に、単位補償電流当たりの磁気抵抗効果素子の抵抗変化量と定義する。故に、単位補償電流当たりの発生磁界が増加すれば、単位補償電流当たりの抵抗変化が増えるので、感度が上がる事になる。
前述の、補償電流線の抵抗減少の効果と、検出対象外部磁界に対する補償電流Idの低減により感度を上がることで、消費電力を低減することが可能になる。
本実施形態の電流センサ1000に備えられている磁気センサ素子1に用いる磁気抵抗効果素子20は、図3から図5に示すような帯状の素子であって、面内に1個または、2個、あるいは4個を設けることが好ましい。また、帯状補償電流線対35は、1つの磁気抵抗効果素子20に対し、少なくとも1組、もしくは、複数組が備えられている。また、磁気抵抗効果素子20を複数個備える場合、補償電流線対の延在方向と異なる第3の方向に各々の磁気抵抗効果素子20が平行に配置される事が好ましい。ここで、第3の方向とは基板の法線と直交する方向であり、補償電流線対の延在方向と同一な方向以外の方向を指す。ここで、複数の磁気抵抗効果素子20が各々備える第1及び第2の電流線301、302に流れる補償電流は、磁気抵抗効果素子20の長手方向に沿った反平行方向に流れるように、第1及び第2の電流線301、302は、第1及び第2の電流線を挟んで第1の接続導体とは反対側に存在する複数の第2の接続導体15と第1の接続導体7とによって接続されている。このように、磁気抵抗効果素子20を複数個備える場合に、複数の磁気抵抗効果素子20に対して各々が備える第1及び第2の電流線301、302のそれぞれに流れる補償電流が反平行方向に電流が流れるように第1の接続導体7及び第2の接続導体15が存在しているので、補償電流Id値を抑えることが可能になる。補償電流Id値を抑えても、十分な単位補償電流当りの発生磁界が増加するため、結果的に、磁気センサ素子1の感度が上がることになる。また、第3の方向は、補償電流線対の延在方向と直交する方向が好ましく、この場合、複数の磁気抵抗効果素子20が密集して配置されるので、第1及び第2の電流線301、302と第1の接続導体7及び第2の接続導体15との全体の長さを低減することが可能となるので、電気抵抗を低減することが可能となる。なお、第1の接続導体7と第2の接続導体15とは、第1及び第2の電流線301、302のそれぞれの端部同士を接続することが好ましい。ここで、それぞれの端部同士を接続するに当たり、それぞれの端部同士を結んだ直線と第1の接続導体7と第2の接続導体15を基板に射影した領域がそれぞれの端部同士を結んだ直線の全領域で重なっていることが好ましい。このような構成とすることで、第1の接続導体7と第2の接続導体15の抵抗値を低減することが可能となり、第1の接続導体7と第2の接続導体15との存在領域を小さくすることが可能となる。従って、磁気センサ素子1の低消費電力、小型化が可能となる。
直線状の検出対象電流Imを流す導体2から発生する誘導磁界Hmに対して発生する、補償電流Idは、第1及び第2の電流線301、302を反平行方向に流れる。1つの磁気抵抗効果素子20に対して複数の帯状補償電流線対35をもつ場合も、それぞれの対に流れる電流方向は必ず同じ方向であって、かつ、反平行に流れることが必要である。つまり、4組の帯状補償電流線対35がある場合は、4組とも、それぞれの第1の電流線301に流れる補償電流Idは同じ方向に流れ、それぞれの第2の電流線302に流れる補償電流Idは同じ方向に流れ、4組とも、それぞれの第1及び第2の電流線301、302では反平行方向に流れるということである。
図3において、帯状補償電流線対35に挟まれた磁気抵抗効果素子20について、磁気抵抗効果素子20と、第1及び第2の電流線301、302を、それぞれ絶縁膜によって隔てている。絶縁膜は、図示されていないが、第1の電流線301あるいは、第2の電流線302と、磁気抵抗効果素子20との間に生じる電圧差によって破壊されない程度に厚く、かつ、補償磁界Hdを磁気抵抗効果素子20に十分に印加できる程度に薄くすることによって、必要とされる十分な強度の補償磁界Hdを磁気抵抗効果素子20に付与することができ、かつ十分な耐電圧を得ることが出来る。
図2〜図5を参照して、本実施形態の電流センサ1000を構成する磁気センサ素子1の具体的構成を説明する。図2に示したように、この電流センサ1000は、検出対象電流Imが流れる直線状の導体2と、その導体2の近傍に配置された基板5と、基板5の上に配置された磁気センサ素子1とを備える。さらに、導体2の延在方向、すなわちY軸方向に沿って磁気センサ素子1上には、磁気抵抗効果素子20の自由層63に対してバイアス磁界を付与するための永久磁石9が配置されている。磁気センサ10とは、図1のような、基板5と、永久磁石9と、磁気センサ素子1から構成されるものであり、本実施形態でも、含まれている。
さらに、導体2および電流センサ1000を一括して取り囲むように、例えば、フェライトなどの磁性材料からなる筒型のシールド構造6が設けられている。導体2は、例えば銅(Cu)などの高い導電率の金属材料からなり、検出対象電流Imが流れることにより、その周囲に誘導磁界Hmを発生する。シールド構造6は、磁気センサ素子1を含む磁気センサ10に対して不要な外部磁界が及ぶのを妨げるように機能する。
磁気センサ素子1は、例えば、図4に示すように、帯状補償電流線対35を4組設けた例では、基板5上に、図9に示すような、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24を含む検出回路41が設けられた階層と、それを挟むように4組の帯状補償電流線対35があり、第1の電流線301を含む階層と、第2の電流線302を含む階層の3階層からなっており、第1の電流線301を含む階層、図9の第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24と検出回路を含む階層、第2の電流線302を含む階層の順に積層形成されてなるものである。
図4において、本実施形態の4つの、すなわち、第1から第4の磁気抵抗効果素子は、互いに同方向、すなわち、Y軸方向へ延在している。
図5において、4つの、すなわち、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24は、それぞれ、その延在方向および厚さ方向、すなわちZ軸方向と直交する方向において幅W2の寸法を有している。幅W2は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
磁気抵抗効果素子20は、補償電流線30における帯状補償電流線対35と1対1の対応関係となっている。すなわち、図3に示したように、磁気抵抗効果素子の積層方向、すなわちZ軸方向において、磁気抵抗効果素子20は帯状補償電流対35と重なり合う位置にある。また、図5でみれば、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24は、それぞれ、第1から第4の帯状補償電流線対31〜34と厚さ方向において互いに重なり合う位置関係にあることにより、誘導磁界Hmと共に、第1から第4の帯状補償電流線対31〜34からの補償磁界Hdの影響を受けることとなるので好ましい。
帯状補償電流線対35を4組設けた例では、図5に示すように、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24、磁気抵抗効果素子と同じ階層の検出回路41、および、第1から第4の帯状補償電流線対31〜34は、それぞれ、アルミナ(Al)などからなる絶縁膜によって埋設されており互いに絶縁されている。また、帯状補償電流線対35として扱っていたが、第1から第4の帯状補償電流線対31〜34を構成する各第1の電流線301と第2の電流線302間は、それぞれ、Z方向に延在する第1の接続導体7と第2の接続導体15によって接続されている。絶縁膜はAlの他、酸化硅素(SiO)や窒化珪素(Si)でも良い。
素子基板5は、例えば、ガラスやSiOなどの硅素(Si)の化合物、またはAlなどの絶縁材料、又はSi等の導電性材料上に絶縁膜、例えばAlやSiOを積層させた材料によって構成されるものである。
図4をはじめとする図で示す、帯状補償電流線対を含む補償電流線30は、Cuなどの高い導電率の金属材料によって構成され、磁気抵抗効果素子20の積層面を挟むように引き回された一本の薄膜導線である。補償電流線30は、例えば一方の端部から、図9の検出回路41からの補償電流Idが流入するようになっている。補償電流線30は、その一部として、磁気抵抗効果素子20の延在方向、すなわちY軸方向へ直線状に延在すると共に、その厚さ方向、すなわちZ軸方向と直交する幅方向、すなわちX軸方向に並ぶ4組の帯状補償電流線対35を含んでいる。
図4に示すように、帯状補償電流線対35は、第1の電流線301と第2の電流線302から成っており、第1の電流線301と第2の電流線302は、磁気抵抗効果素子20を、第1の方向および第2の方向から挟み込むように、すなわち、Z軸方向に、上下を挟むように平行に配置されており、かつ、第1の電流線301と第2の電流線302を第1の接続導体7と第2の接続導体15で直列に接続されている。また、それぞれの、第1の電流線301と第2の電流線302は、幅方向において幅W1の寸法を有している。幅W1は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
本実施形態の磁気センサ素子1では、補償電流線30の太さが線毎に異なっていても良い。また、磁気抵抗効果素子20と重ならない部分に補償電流線30が配置されていても良い。これによって、補償電流線30が磁気抵抗効果素子20に印加する磁界を均一にできる。磁気抵抗効果素子20の抵抗変化量のバラツキを抑制できる。
また、別の形態として、帯状部分をつづら折のようなミアンダ状に直列に接続されていても良い。ミアンダ状に磁気抵抗効果素子を構成する場合、帯状部分の本数を偶数個とすることにより、磁気抵抗効果素子に通電したときに発生する磁界、すなわち、自己バイアス磁界の影響をキャンセルできる。図7aは、1個の抵抗体が2本の磁気抵抗効果素子から出来ている例である。また、図7bは、1個の抵抗体が4本の磁気抵抗効果素子から出来ている例である。図中の3は電極、4は中間電極である。
第1の接続導体7と第2の接続導体15は、帯状補償電流対35の、第1の電流線301と第2の電流線302を、図3のように、例えば、Z軸方向に接続する。図4に示されるような第1の接続導体7と第2の接続導体15は、フォトでパターニングしたCuメッキで第1の接続導体7と第2の接続導体15を形成し、その後絶縁膜を積層し、第1の接続導体7と第2の接続導体15上に積層されている絶縁膜をCMP等で除去する方法や、絶縁膜にRIEで穴を開け、穴部分をCuで埋める方法で第1の接続導体7と第2の接続導体15を形成するなどの公知の技術で作製できる。
本実施形態の補償電流線30を構成する帯状補償電流線対35は、磁気抵抗効果素子20の延在方向と同方向へそれぞれ延在すると共に厚さ方向において磁気抵抗効果素子20とそれぞれ重なり合っていることが好ましい。補償電流線30の帯状補償電流線対35と、磁気抵抗効果素子20を隔てている図示しない絶縁膜は、帯状補償電流線対35と、磁気抵抗効果素子との間に生じる電圧差によって破壊されない程度に厚く、かつ帯状補償電流線対35からの磁界が十分に磁気抵抗効果素子に印加できる程度に薄くなっている。
帯状補償電流線対35の少なくとも一部分が、厚さ方向において磁気抵抗効果素子20と重なり合い、かつ、帯状補償電流線対35と磁気抵抗効果素子20とを隔てている絶縁膜の膜厚を最適化したので、磁気抵抗効果素子20と補償電流線対35間の絶縁耐圧を保ちながら、補償磁界Hdのうちの磁気抵抗効果素子20に実際に及ぶ有効磁界の最大強度および平均強度が向上する。
本実施形態において、帯状補償電流線対35と、対応する磁気抵抗効果素子20とを隔てている絶縁膜の膜厚を磁気抵抗効果素子20の厚みの10倍以上としている。図12は、絶縁膜の膜厚と磁気抵抗効果素子20の破壊電圧の関係をしめした図である。磁気抵抗効果素子20の膜厚が約30nmに対し、絶縁膜の膜厚が約300nmより厚い場合に、磁気抵抗効果素子20の破壊電圧が0から上に上がる傾向であり、これにより、絶縁膜は補償電流線30と磁気抵抗効果素子20との間に生じる電圧差によって破壊されないということがわかる。なお、磁気抵抗効果膜の厚みが30nmとは異なる場合についても、図12の結果と同様に、絶縁膜の厚さが300nmを超えると、最小の破壊電圧が0でなくなるので好ましい。絶縁膜の厚さが500nm以上では、最小破壊電圧が概ね一定となるのでより好ましい。絶縁膜の材料としては、例えば、アルミナ(Al2O3 )、酸化硅素(SiO2)や窒化珪素(Si3N4)などの金属酸化物、金属窒化物、又はポリイミドなど有機物、又はこれらの混合物が好ましい。
(磁気抵抗効果素子の説明)
図8aと図8bを参照して、磁気抵抗効果素子20の構成について、詳しく説明する。図8aと図8bは、磁気抵抗効果素子20の構成を分解して表す分解斜視図である。なお、磁化J61の向きを除いて、図4や図5で示す第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24は全て同様の構成を有しているので、ここでは、図3の磁気抵抗効果素子20を例に挙げて説明する。
磁気抵抗効果素子20はスピンバルブ構造を有するものであり、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto−Resistive Effect)素子である。
図8aに示すように、磁気抵抗効果素子20は、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層61と、中間層62と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する自由層63とを順に含む積層体60を有している。その場合、固着層61の磁化方向は、導体2ならびに帯状補償電流線対35の延在方向と直交する方向であるとよい。
より詳細に説明すると、図8aに示したように、例えば+X方向に固着された磁化J61を有する固着層61と、特定の磁化を示さない非磁性の中間層62と、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdなどの、印加磁界の大きさおよび向きに応じて変化する磁化J63を有する自由層63とが順に積層された構造となっている。自由層63の磁化容易軸AE63はY軸と平行であるとよい。
本実施形態の第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24の磁化方向について説明する。図9に示したように、第3の磁気抵抗効果素子23の磁化J61は、第1の磁気抵抗効果素子21の磁化J61と同方向(+X方向)に固着されている。これに対し、第2及び第4の磁気抵抗効果素子22、24の磁化J61はいずれも第1及び第3の磁気抵抗効果素子21、23の磁化J61と逆方向(−X方向)に固着されている。
また、図8aは、誘導磁界Hmや補償磁界Hdを印加しない無負荷状態、すなわち、外部磁界がゼロの状態を示している。この場合には、自由層63の磁化方向J63は、自らの磁化容易軸AE63と平行をなし、かつ、固着層61の磁化J61とほぼ直交する状態となっている。
自由層63は、NiFeなどの軟磁性材料により構成されている。中間層62は、Cuにより構成され、上面が固着層61と接すると共に下面が自由層63と接している。中間層62は、Cuのほか、金(Au)などの導電率の高い非磁性金属により構成することができる。中間層62は、電流センサの動作時に供給される図6に示す読出電流I1、I2の大部分が流れるパスラインとしても機能する。なお、自由層63の下面、すなわち、中間層62に接する面と反対側の面は、それぞれ図示しない保護膜によって保護されていてもよい。
また、固着層61と自由層63との間には磁化方向J61における交換バイアス磁界Hinが生じており、中間層62を介して互いに作用し合っている。交換バイアス磁界Hinの強度は、固着層61と自由層63との相互間隔、すなわち中間層62の厚みに応じて自由層63のスピン方向が回転することにより変化する。したがって、交換バイアス磁界Hinを見かけ上、ゼロとすることもできる。
ここで、図2に示すように、積層体60に対し、固着層61の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段である永久磁石9を備えるようにしてもよい。永久磁石9は、磁気抵抗効果素子20の自由層63に対してバイアス磁界を付与することにより、それらのヒステリシスを低減するように機能する。
また、図8aでは、下から自由層63、中間層62、固着層61の順に積層された場合の構成例を示しているが、これに限定されず、反対の順序で構成するようにしてもよい。なお、中間層62をAlや酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁体とするTMR(Tonneling Magneto Resistive)素子としても良い。
図8bに、固着層61の詳細な構成を示す。固着層61は、例えば中間層62の側から磁化固定膜64と反強磁性膜65と保護膜66とが順に積層された構成となっている。磁化固定膜64はコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料によって構成されており、この磁化固定膜64の示す磁化の向きが固着層61全体としての磁化J61の向きとなる。
一方、反強磁性膜65は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。反強磁性膜65は、+X方向のスピン磁気モーメントと、それとは反対方向(−X方向)のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固定膜64の磁化の向き、すなわち、固着層61の磁化J61の向きを固定するように作用している。保護膜66は、タンタル(Ta)やハフニウム(Hf)などの比較的化学的に安定な非磁性材料からなり、磁化固定膜64や反強磁性膜65などを保護するものである。
以上のような構造を有する磁気抵抗効果素子20では、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdの合成磁界の印加により自由層63の磁化J63が回転し、それによって磁化J63と磁化J61との相対角度が変化する。その相対角度は、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdの大きさおよび向きによって決まるものである。ここで、誘導磁界Hmの向きが+X方向であるのに対し補償磁界Hdの向きは−X方向であるが、通常、誘導磁界Hmは補償磁界Hdよりも大きな強度を有するので、それらの合成磁界の向きは+X方向となる。そのため、磁気抵抗効果素子20における自由層63の磁化J63は、図8aに示した無負荷状態から+X方向へ傾くこととなり、磁気抵抗効果素子20の各抵抗値の増減が生じる。
より具体的には、本実施形態の第1及び第3の磁気抵抗効果素子21、23では磁化J61が+X方向であるので、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdの合成磁界が付与されると磁化J63は磁化J61と平行な状態に近づくこととなり、その抵抗値は減少する。一方、第2及び第4の磁気抵抗効果素子22、24では磁化J61が−X方向であるので、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdの合成磁界が付与されると磁化J63は磁化J61と反平行な状態に近づくこととなり、その抵抗値は増大する。
(検出回路の説明)
図9を用いて、本実施形態の電流センサの回路構成について説明する。図9は、本実施形態の検出回路図である。検出回路41は、4つの磁気抵抗効果素子21〜24がブリッジ接続されたブリッジ回路である。第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24は、それぞれ、導体2に沿って配置された帯状の薄膜パターンであり、導体2を流れる検出対象電流Imにより生ずる誘導磁界Hmに応じて自らの抵抗値が変化を示すものである。
具体的には、第1及び第3の磁気抵抗効果素子11、13の各抵抗値は、検出対象の誘導磁界Hmに応じて互いに同じ向きに変化する、すなわち、増加または減少する。一方、第2及び第4の磁気抵抗効果素子12、14の抵抗値は、いずれも、誘導磁界Hmに応じて第1及び第3の磁気抵抗効果素子11、13の抵抗値の変化とは反対向きに変化する、すなわち、減少または増加する。例えば、第1及び第3の磁気抵抗効果素子11、13の各抵抗値が増加したときは、第2及び第4の磁気抵抗効果素子12、14の各抵抗値は減少するという関係となっている。
本実施形態の電流センサの検出回路41では、第1および第2の磁気抵抗効果素子の一端同士が第1の接続点P1において接続され、第3および第4の磁気抵抗効果素子の一端同士が第2の接続点P2において接続され、第1の磁気抵抗効果素子21の他端と第4の磁気抵抗効果素子24の他端とが第3の接続点P3において接続され、第2の磁気抵抗効果素子22の他端と第3の磁気抵抗効果素子23の他端とが第4の接続点P4において接続されることによりブリッジ回路が形成されており、第1および第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値は検出対象である誘導磁界Hmに応じて互いに同じ向きに変化し、第2および第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値はいずれも誘導磁界Hmに応じて第1および第3の磁気抵抗効果素子とは反対向きに変化するようになっている。
本実施形態の電流センサの検出回路41では、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24において、第1の接続点P1と第2の接続点P2との間に電圧が印加されたときに第3の接続点P3と第4の接続点P4との間の電位差によって生じる補償電流Idに基づき、誘導磁界Hmとは逆方向の補償磁界Hdを各磁気抵抗効果素子21〜24に付与するための補償電流線30を設けるようにしたので、4つの磁気抵抗効果素子間の特性のばらつきや接続抵抗のばらつき、あるいは温度変動などに起因した出力電圧の変化がキャンセルされる。
図9に示したように、検出回路41は、接続点P1〜P4を有している。各接続点P1〜P4は、Cuなどの高導電率を有する非磁性材料によって構成された薄膜パターンである。また、接続点P1は電源Vccと接続され、接続点P2は接地されている。さらに、接続点P3、P4は、いずれも、差動増幅器AMPの入力側と接続されている。
補償電流線30は、その一方の端部が図示しない配線によって差動増幅器AMPの出力側と接続され、他方の端部が抵抗体RLを介して接地されるようになっている。抵抗体RLにおける差動増幅器AMPの側には、補償電流検出手段Sが端部において接続されている。これにより、補償電流線30には、接続点P1と接続点P2との間に電圧が印加されたときの接続点P3と接続点P4との間の電位差に基づく補償電流Idが供給されることとなる。補償電流線30は、補償電流Idが流れたときに、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24に対して補償磁界Hdをそれぞれ付与するような経路を有している。
補償電流線30を構成する帯状補償電流線対35において発生する補償磁界Hdは、導体2を流れる検出対象電流Imによって生じる誘導磁界Hmとは逆方向となっている。すなわち、図9に矢印で示したように、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24に対して誘導磁界Hmが例えば+X方向へ印加されるとき、補償磁界Hdは−X方向へ印加される。
本実施形態の電流センサを使用し、誘導磁界Hmを測定することにより検出対象電流Imを求める方法について説明する。図9において、まず、誘導磁界Hmおよび補償磁界Hdが印加されていない状態を考える。ここで、電源Vccから読出電流I0を流したときの第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24における各々の抵抗値をr1〜r4とする。
電源Vccからの読出電流I0は、接続点P1において読出電流I1および読出電流I2の2つに分流される。そののち、第1の磁気抵抗効果素子21および第4の磁気抵抗効果素子24を通過した読出電流I1と、第2の磁気抵抗効果素子22および第3の磁気抵抗効果素子23を通過した読出電流I2とが接続点P2において合流する。この場合、接続点P1と接続点P2との間の電位差Vは、
V=I1×r4+I1×r1=I2×r3+I2×r2
=I1(r4+r1)=I2(r3+r2) ……(1)
と表すことができる。
また、第3の接続点P3における電位V1および第4の接続点P4における電位V2は
、それぞれ、
V1=V−V4
=V−I1×r4
V2=V−V3
=V−I2×r3
と表せる。よって、第3の接続点P3と第4の接続点P4との間の電位差V0は、
V0=V2−V1
=(V−I2×r3)−(V−I1×r4)
=I1×r4−I2×r3 ……(2)
ここで、(1)式から
V0=r4/(r4+r1)×V−r3/(r3+r2)×V
={r4/(r4+r1)−r3/(r3+r2)}×V ……(3)
となる。
このブリッジ回路では、誘導磁界Hmが印加されたときに、上記の式(3)で示された接続点P3と接続点P4との間の電圧V0を測定することにより、抵抗変化量が得られる。ここで、誘導磁界Hmが印加されたときに、抵抗値r1〜r4がそれぞれ変化量ΔR1〜ΔR4だけ増加したとすると、すなわち、誘導磁界Hmを印加したときの抵抗値r1〜r4がそれぞれ、
R1=r1+ΔR1
R2=r2+ΔR2
R3=r3+ΔR3
R4=r4+ΔR4
であるとすると、誘導磁界Hmを印加した際の電位差V0は、式(3)より、
V0={(r4+ΔR4)/(r4+ΔR4+r1+ΔR1)+(r3+ΔR3)/(r3+ΔR3+r2+ΔR2)}×V ……(4)
となる。
すでに述べたように、この電流センサでは、第1及び第3の磁気抵抗効果素子21、23の抵抗値R1,R3と第2及び第4の磁気抵抗効果素子22、24の抵抗値R2,R4とが逆方向に変化するので、変化量ΔR3と変化量ΔR2とが打ち消し合うと共に変化量ΔR4と変化量ΔR1とが打ち消し合うこととなる。このため、誘導磁界Hmの印加前後を比較した場合、式(4)の各項における分母の増加はほとんど無い。
一方、各項の分子については、変化量ΔR3と変化量ΔR4とは必ず反対の符号を有するので、打ち消し合うことなく増減が現れることとなる。誘導磁界Hmが印加されることにより、第2及び第4の磁気抵抗効果素子22、24では、抵抗値は変化量ΔR2、ΔR4(ΔR2、ΔR4<0)の分だけそれぞれ変化する(実質的に低下する)一方で、第1及び第3の磁気抵抗効果素子21、23では、抵抗値は変化量ΔR1、ΔR3(ΔR1、ΔR3>0)の分だけそれぞれ変化する、すなわち、実質的に増加するからである。そこで、外部磁場と抵抗変化量との関係が既知である第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24を用いるようにすれば、誘導磁界Hmの大きさを測定することができ、その誘導磁界Hmを発生する検出対象電流Imの大きさを推定することができる。
しかしながら、一般的には、抵抗値r1〜r4および変化量ΔR1〜ΔR4は第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24の個体差により相互に異なっているうえ、回路中の接続抵抗のばらつきや温度分布の偏り、あるいは外部からの妨害磁界などが存在することから、電位差Vは上記要因による誤差成分を含んでいる。そこで、この電流センサでは、補償磁界Hdを利用して電位差Vの誤差成分を除去するようにしている。具体的には、この電流センサでは、接続点P3において検出される電位V1と接続点P4において検出される電位V2とが差動増幅器AMPに供給され、その差分、すなわち電位差V0が零となるような補償電流Idが出力される。
差動増幅器AMPからの補償電流Idは、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24にそれぞれ対応して配置された補償電流線30である第1から第4の帯状補償電流線対31〜34を検出対象電流Imとは正反対の方向へ流れることにより、誘導磁界Hmとは逆方向の補償磁界Hdを発生させる。この補償磁界Hdは、回路中の接続抵抗のばらつきや第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24の相互間における特性のばらつき、温度変動、あるいは外部からの妨害磁界などに起因する誤差成分をキャンセルするように作用する。このため、補償電流Idは、結果として誘導磁界Hmのみに比例した大きさに近づくこととなる。
したがって、補償電流検出手段Sにおいて、出力電圧Voutを測定し、既知の抵抗体RLとの関係から補償電流Idを算出することにより、誘導磁界Hmをより正確に求めることができ、ひいては検出対象電流Imの大きさを高精度に推定することができる。また、後出の図11に示すように、第1から第4の磁気抵抗効果素子21〜24は外部磁界に対して非線形性を示すが、このようなフルブリッジ回路を形成することにより、非線形性を示すことの影響、すなわち、出力の誤差をキャンセルすることができ、高精度な測定を可能としている。
本実施形態は、上記の実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、4つの磁気抵抗効果素子を含む検出回路を用いて検出対象電流の検出を行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図13に示した図9の回路を基本とした変形例のように、図9の磁気抵抗効果素子21、22を定電流源81、82に置き換えるようにした検出回路42を用いるようにしてもよい。さらに、図9の磁気抵抗効果素子21、22を抵抗に置き換えるようにした検出回路を用いるようにしてもよい。
(評価)
図10に、図14に示した比較例と、本実施形態の補償電流線30によって、磁気抵抗効果素子20が存在する面上に生じる補償磁界Hd分布の計算結果を示す。図5等の帯状補償電流線対がX軸を横切って配置しているため、補償磁界Hdは、X軸方向に分布する。従って、図10では、X軸方向の任意配置を0として、その位置関係を横軸にとっており、縦軸は、補償磁界Hdの大きさを示している。なお、補償電流線30の幅=8μm、厚み=5.5μm、各線のピッチ=14μm、第1の電流線301の上面と磁気抵抗効果素子面との距離=2μm(ソレノイド型のみ)、第2の電流線302の下面と磁気抵抗効果素子面との距離=0.5μmとして計算した。図10によれば、本実施形態であるソレノイド形状とすることにより、磁気抵抗効果素子面上に発生する磁界の大きさが概ね倍増していることの確認をすることができた。
図11に、図14に示した比較形態の補償電流線300の形状のみを、本実施形態のソレノイド形状に変更した磁気センサ素子1に、補償電流Idを通電した時の磁気抵抗効果素子ブリッジ回路の出力を示す。図10で示した発生磁界量の差により、ゼロ電流近傍での出力/補償電流の勾配が大きく異なっている。このことによって、本実施形態であるソレノイド型の補償電流線を用いることで、補償電流を低減し、電流センサ動作時の消費電力を低減できることが検証できた。
図12は、本実施形態の補償電流線30を構成する帯状補償電流線対35と、磁気抵抗効果素子20とを隔てている絶縁膜の膜厚と、帯状補償電流線対35と磁気抵抗効果素子20間の電圧差による破壊電圧の関係を示す。図12は、絶縁膜としてAlを用い、磁気抵抗効果素子幅=10μm、補償電流線幅=6μmの場合の結果で、各絶縁膜の膜厚に付き35個の電流センサ素子10の破壊電圧を調べた結果で、最小の破壊電圧は、Alの膜厚が500nmで飽和していることを示している。また、300nm以下の絶縁膜厚では、磁気抵抗効果素子の形成するフルブリッジ回路の動作電圧程度で絶縁破壊が生じる可能性がある。これにより、絶縁膜は補償電流線30と磁気抵抗効果素子20との間に生じる電圧差によって破壊されない程度に厚くする必要があることが検証できた。
1 磁気センサ素子
10 磁気センサ
2 導体
3 電極
4 中間電極
5 基板
6 シールド構造
7 第1の接続導体
9 永久磁石
15 第2の接続導体
100、1000 電流センサ
20 磁気抵抗効果素子
21〜24 第1〜4の磁気抵抗効果素子
30、300 補償電流線
301 第1の電流線
302 第2の電流線
31〜34 第1〜4の帯状補償電流線対
310〜340 第1〜4の帯状補償電流線
35 帯状補償電流線対
41、42 検出回路
60 積層体
61 固着層
62 中間層
63 自由層
64 磁化固定膜
65 反強磁性膜
66 保護膜
81、82 電流源

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された外部磁界に応じて抵抗値が変化を示す磁気抵抗効果素子と、
    補償電流が流れることにより、前記外部磁界とは異なる方向の補償磁界を前記磁気抵抗効果素子に付与する補償電流線とを備え、
    前記補償電流線は、前記磁気抵抗効果素子を、絶縁膜を介して、第1の方向と前記第1の方向とは逆向きの第2の方向から挟み込むように平行に配置された第1及び第2の電流線と、第1及び第2の電流線を直列に接続する第1の接続導体とを含み、
    前記第1および第2の電流線と前記磁気抵抗効果素子とを前記基板の法線方向に射影した範囲は、前記磁気抵抗効果素子の長手方向の全領域において重なる領域を有し、
    前記絶縁膜が13族または14族原子の絶縁材料であって、
    前記絶縁膜の膜厚は、前記膜厚に対する最小破壊電圧の飽和開始点近傍の膜厚であり、
    前記補償電流は、前記第1及び第2の電流線を前記磁気抵抗効果素子の長手方向に沿った反平行方向に流れることを特徴とする磁気センサ素子。
  2. 前記磁気抵抗効果素子と前記補償電流線間に前記磁気抵抗効果素子の膜厚の10倍以上である前記絶縁膜を設けたことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ素子。
  3. 基板と、
    前記基板上に形成された外部磁界に応じて抵抗値が変化を示す磁気抵抗効果素子と、
    補償電流が流れることにより、前記外部磁界とは異なる方向の補償磁界を前記磁気抵抗効果素子に付与する補償電流線とを備え、
    前記補償電流線は、前記磁気抵抗効果素子を、絶縁膜を介して、第1の方向と前記第1の方向とは逆向きの第2の方向から挟み込むように平行に配置された第1及び第2の電流線と、第1及び第2の電流線を直列に接続する第1の接続導体とを含み、
    前記第1および第2の電流線と前記磁気抵抗効果素子とを前記基板の法線方向に射影した範囲は、前記磁気抵抗効果素子の長手方向の全領域において重なる領域を有し、
    前記絶縁膜が13族または14族原子の絶縁材料であって、
    前記絶縁膜の膜厚は、前記膜厚に対する最小破壊電圧の飽和開始点近傍の膜厚であり、
    前記補償電流は、前記第1及び第2の電流線を前記磁気抵抗効果素子の長手方向に沿った反平行方向に流れ、
    前記磁気抵抗効果素子は、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、中間層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する自由層とを含み、
    前記固着層の磁化方向は、前記補償電流線の延在方向と直交する方向であることを特徴とする磁気センサ素子。
  4. 前記固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加する永久磁石を備えたことを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ素子。
  5. 前記磁気抵抗効果素子と前記補償電流線間に前記磁気抵抗効果素子の膜厚の10倍以上である前記絶縁膜を設けたことを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ素子。
  6. 基板と、
    前記基板上に形成された外部磁界に応じて抵抗値が変化を示す磁気抵抗効果素子と、
    補償電流が流れることにより、前記外部磁界とは異なる方向の補償磁界を前記磁気抵抗効果素子に付与する補償電流線とを備え、
    前記補償電流線は、前記磁気抵抗効果素子を、絶縁膜を介して、第1の方向と前記第1の方向とは逆向きの第2の方向から挟み込むように平行に配置された第1及び第2の電流線と、第1及び第2の電流線を直列に接続する第1の接続導体とを含み、
    前記第1および第2の電流線と前記磁気抵抗効果素子とを前記基板の法線方向に射影した範囲は、前記磁気抵抗効果素子の長手方向の全領域において重なる領域を有し、
    前記絶縁膜が13族または14族原子の絶縁材料であって、
    前記絶縁膜の膜厚は、前記膜厚に対する最小破壊電圧の飽和開始点近傍の膜厚であり、
    前記補償電流は、前記第1及び第2の電流線を前記磁気抵抗効果素子の長手方向に沿った反平行方向に流れ、
    前記第1及び第2の電流線を挟んで前記第1の接続導体とは反対側に存在する複数の第2の接続導体と、複数の前記磁気抵抗効果素子とを有し、
    前記補償電流線の延在方向と異なる第3の方向に前記複数の磁気抵抗効果素子が平行に配置され、
    前記複数の磁気抵抗効果素子が各々備える前記第1および第2の電流線のそれぞれに流れる前記補償電流が前記複数の磁気抵抗効果素子の長手方向に沿った反平行方向に流れるように、前記複数の磁気抵抗効果素子がそれぞれ備える第1および第2の電流線が前記複数の第1及び第2の接続導体によって接続された磁気センサ素子。
  7. 前記磁気抵抗効果素子として、第1から第4の前記磁気抵抗効果素子を備え、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子の一端同士が第1の接続点において接続され、前記第3および第4の磁気抵抗効果素子の一端同士が第2の接続点において接続され、前記第1の磁気抵抗効果素子の他端と前記第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、前記第2の磁気抵抗効果素子の他端と前記第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されることによりブリッジ回路が形成されており、
    前記補償電流は、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電圧が印加されたときの前記第3の接続点と前記第4の接続点の間の電位差によって生じるものであり、
    前記第1および第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記外部磁界に応じて互いに同じ向きに変化し、
    前記第2および第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値は、いずれも、前記外部磁界に応じて前記第1および第3の磁気抵抗効果素子とは反対向きに変化することを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ素子。
  8. 前記磁気抵抗効果素子は、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、中間層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する自由層とを含み、
    前記固着層の磁化方向は、前記補償電流線の延在方向と直交する方向であることを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ素子。
  9. 前記固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加する永久磁石を備えたことを特徴とする請求項8に記載の磁気センサ素子。
  10. 前記磁気抵抗効果素子と前記補償電流線間に前記磁気抵抗効果素子の膜厚の10倍以上である前記絶縁膜を設けたことを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ素子。
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