JP4104142B2 - シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター - Google Patents

シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター Download PDF

Info

Publication number
JP4104142B2
JP4104142B2 JP2003307334A JP2003307334A JP4104142B2 JP 4104142 B2 JP4104142 B2 JP 4104142B2 JP 2003307334 A JP2003307334 A JP 2003307334A JP 2003307334 A JP2003307334 A JP 2003307334A JP 4104142 B2 JP4104142 B2 JP 4104142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
wavelength
sharp cut
cut filter
ceo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003307334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005075677A (ja
Inventor
洋一 蜂谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2003307334A priority Critical patent/JP4104142B2/ja
Priority to EP04104105A priority patent/EP1510504A1/en
Priority to US10/927,084 priority patent/US20050148454A1/en
Priority to CNB200410074849XA priority patent/CN100401115C/zh
Publication of JP2005075677A publication Critical patent/JP2005075677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4104142B2 publication Critical patent/JP4104142B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/085Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for ultraviolet absorbing glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Description

本発明は、紫外線を遮断するシャープカットフィルターに好適なガラスおよびシャープカットフィルターに関する。
ある波長以下の光をできるだけ遮断し、これより長波長の光をなるべく完全に透過する性質を有するフィルターは、シャープカットフィルターと呼ばれ、例えば、写真撮影、分光機器において紫外線を遮断するために用いられる。
紫外線を吸収/遮断するガラスとしては、酸化セリウムを含むガラスが知られている(特開2001−89185号公報、特許第3084769号明細書、特開平7−242438号公報)。酸化セリウムは、310nm付近に強い吸収があるが、350nm以上の波長の光も吸収するガラスを得るためには、酸化セリウムを多量に含有させなければならない。しかし、酸化セリウムをガラスに多量に含有させると、可視光域まで吸収が及び、ガラスが黄色または茶色に着色する。このようなガラスは、紫外線のみならず可視光までも遮断するため、紫外線のみを選択的に遮断する性質(シャープカット性)に劣るものであった。
一方、酸化鉛は、酸化セリウムの吸収を補助するとともに、シャープカット性を得るのに有用な成分であった。例えば、「ガラスハンドブック」(1982年版、朝倉書店、pp.1022−1023)には、鉛ガラスにCeを含有させた紫外線吸収無色ガラスが記載されている。しかも、酸化鉛は、ガラスの熔融成形性や化学的耐久性の向上にも有用である。そのため、酸化セリウムと酸化鉛を含むガラスを、紫外線遮断用フィルターとして用いることが提案されていた。
しかし近年、Pb、As、Cd、Crのような有害物質を含むガラスは、環境に対する負荷が大きいため市場に受け入れられなくなっている。即ち、それらのガラスを研磨したときに出る切削屑や廃水に含まれるこれらの有害成分が一部でもそのまま排出されると河川が汚染されたり、フィルターガラスが長期間風雨にさらされたときに有害成分が溶出するなどの問題が指摘されている。
そのため、一部ではこれらのガラスおよびガラスを用いた機器の製造、販売を中止したり、他の材料、例えばプラスチックなどで代替するという動向がある。しかし、プラスチックでは、透過特性、耐久性などガラスに劣る性能が多く、本来の機器の性能が出せないという問題もあった。
特開2001−89185号公報 特許第3084769号明細書 特開平7−242438号公報 「ガラスハンドブック」、1982年版、朝倉書店、pp.1022−1023
本発明の目的は、この現状を踏まえ、環境影響上排除すべき有害成分を含まない環境対応型であって、酸化セリウムと酸化鉛を併用したシャープカットフィルターと同等以上のシャープカット性を有するシャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルターを提供することである。
本発明者らは、単に有害成分を除去するだけでなく、化学的耐久性、耐失透性、熔融成形性を維持あるいは向上させながら、優れた透過特性を有するシャープカットフィルター用ガラスを得るために鋭意研究を重ねた結果、ガラス組成を最適化することにより、Pb、As等の環境影響上排除すべき有害成分を含有することなく、所望の特性を有するガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成するための本発明は、以下の通りである。
[請求項1]質量%表示で、
SiO2 50〜70%
Al23 0〜5%
Li2O 0〜10%
Na2O 0〜20%
2O 0〜20%
(ただしLi2O+Na2O+K2O 10〜30%)
ZnO 8〜20%
CeO2 1〜5%
2 3 0%以上5%未満
を含み、Cdを含まず、実質的にPb、As、およびTiを含まないことを特徴とするシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項2]厚さ2.5mmに換算して、波長200〜700nmにおける分光透過率が5%となる波長と72%となる波長の中点に相当する波長が365〜385nmの範囲にあり、かつ、前記分光透過率が5%となる波長と72%となる波長との間隔が35nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項3] JIS B7113における色相が無色である請求項1または2に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項4]質量%表示で、
SiO 2 55〜65%
Al 2 3 0〜2%
Li 2 O 0〜5%
Na 2 O 5〜15%
2 O 5〜15%
(ただしLi 2 O+Na 2 O+K 2 O 15〜25%)
ZnO 13〜18%
CeO 2 1.5〜3.5%
を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項5]質量%表示で、SiO 2 、Al 2 3 、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、ZnO、およびCeO 2 の合計量が95%超である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項6]質量%表示で、SiO 2 、Al 2 3 、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、ZnO、およびCeO 2 の合計量が98%超である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
[請求項]請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスからなることを特徴とするシャープカットフィルター。
[請求項]JIS B7113における透過限界波長が365〜385nmの範囲にあり、かつ、波長傾斜幅が35nm以下であることを特徴とする請求項に記載のシャープカットフィルター。
本発明によれば、Pb、Asといった環境影響上排除すべき有害成分を含まない環境対応型のシャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルターを提供することができる。
さらに、JIS B7113における透過限界波長が365〜385nmという優れた紫外線遮断性を有すると共に、波長傾斜幅が35nm以下であり、優れたシャープカット性を示すシャープカットフィルターであって、液相温度が認められず耐失透性に優れ、化学的耐久性にも優れたフィルターおよび前記フィルターを得るためのガラスを提供することもできる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(第一の態様)
本発明の第一の態様のシャープカットフィルター用ガラスは、
SiO2 50〜70%
Al23 0〜5%
Li2O 0〜10%
Na2O 0〜20%
2O 0〜20%
(ただしLi2O+Na2O+K2O 10〜30%)
ZnO 8〜20%
CeO2 1〜5%
を含み、実質的にPb、As、およびTiを含まないことを特徴とする。
本発明の第一の態様のガラスにおいて、上記各成分の組成範囲を限定した理由は次の通りである。以下の説明において、各成分の含有量は質量%表示にて示すことにする。
SiO2は、ガラスの基本成分であり、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性を向上するために重要な成分である。その含有量が50%未満では、熱的安定性、化学的耐久性が悪化する。逆に70%を越えると熔融が困難になる傾向がある。従って、本発明のシャープカットフィルター用ガラスにおいて、SiO2の含有量は50〜70%であり、好ましくは55〜65%である。
Al23は、ガラスの分相や失透を抑えるのに有効な成分であるが、その含有量が5%を越えると、液相温度が高くなり、熔融成形が困難になる傾向がある。従って、Al23の含有量は、0〜5%であり、好ましくは0〜2%である。
Li2Oは、ガラスの熔融性を向上させる成分であるが、その含有量が10%を越えるとガラスの化学的耐久性が悪化する傾向がある。従って、Li2Oの含有量は、0〜10%であり、好ましくは0〜5%である。
Na2Oも、ガラスの熔融性を向上させる成分であるが、その含有量が20 %を越えると、ガラスの化学的耐久性が悪化する傾向がある。従って、Na 2Oの含有量は、0〜20%であり、好ましくは5〜15%である。
2Oも、ガラスの熔融性を向上させる成分であるが、その含有量が20%を越えるとガラスの化学的耐久性が悪化する傾向がある。従って、K2Oの含有量は0〜20%であり、好ましくは5〜15%である。
Li2O、Na2O、K2Oの合計含有量が10%未満では、ガラスの粘度が高くなるか、または、液相温度が高く熔融成形が困難になる傾向がある。逆に、それらの合計含有量が30%を越えると化学的耐久性が悪化する傾向がある。従って、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量は、10〜30%とする。Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量は、好ましくは15〜25%である。
ZnOは、PbOを含有することなく、可視光域の透過率を確保しながらCeO2の吸収を補助し、さらにガラスの熔融成形性、耐失透性、化学的耐久性を向上させるのに有効な成分である。ZnOの含有量が8%未満では、その効果がなく、逆に20%を越えると機械的強度が低下する傾向がある。よって、ZnOの含有量は8〜20%とする。ZnOの含有量は、好ましくは13〜18%である。
CeO2は、紫外線を吸収するのに不可欠な成分である。CeO2の含有量が1%未満では、紫外線を効果的に遮断することができず、逆に5%を越えると、シャープカット性に劣る傾向がある。従って、CeO2の含有量は、1〜5%とする。好ましくは1.5〜3.5%である。上記範囲の量のCeO2を含有するガラスを用いれば、後述するJIS B7113における透過限界波長が365〜385nmの範囲であり、かつ、波長傾斜幅が35nm以下であるシャープカットフィルターを得ることができる。
本発明の第一の態様のガラスは、その他の任意成分として、B23、Sb23、ZrO2、SnO2、MgO、CaO、SrO、BaOを、熔融成形性の向上、化学的耐久性の向上、清澄、耐失透性の向上、透過率の調整などの目的で5%未満の範囲で適宜含有することが出来る。
本発明の第一の態様のガラスは、前述のように環境影響上、Pb、Asを実質的に含有しない。なお、本明細書において、「実質的に含まない」とは、ガラス原料として使用しないということであって、不純物としての混入を排除するものではない。但し、不純物としても、これらの元素の含有量が低いガラス原料を用いることが勿論好ましい。
Tiは、CeO2との相互作用で波長傾斜幅を著しく大きくさせ、可視光域にまで吸収が伸びてガラスが黄色く着色する原因となる成分である。従って、本発明の第一の態様のガラスは、Tiを実質的に含まない。
Fは、ガラスの粘度を低下させ熔融性向上の効果があるものの、熔融中に気化するガスが環境に与えるダメージが大きく、それを除去するためには大規模な浄化装置が必要となる。また熔融中の揮発によりガラス粘度や熱的特性が変化しやすい。そのため、本発明の第一の態様のガラスは、Fを含有しない方が好ましい。
本発明の第一の態様のガラスは、Cd、Crも環境影響に配慮して導入しないことが望ましい。
以上の各成分の含有量の好ましい範囲は、任意の組合せが可能であり、更に好ましい組成範囲は、SiO2の量が55〜65%、Al23の量が0〜2%、Li2Oの量が0〜5%、Na2Oの量が5〜15%、K2Oの量が5〜15%、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が15〜25%、ZnOの量が13〜18%、CeO2の量が1.5〜3.5%である。
いずれの組成範囲においても、SiO2、Al23、Li2O、Na2O、K2O、ZnO、およびCeO2の合計量が95%超であることが望ましく、98%超であることがさらに好ましく、99%以上であることがより望ましい。さらに清澄剤として、Sb23を0〜1%含むものが望ましい。特に好ましいものは、SiO2、Na2O、K2O、ZnO、CeO2、およびSb23の合計量が100%のものである。
次に、本発明の第一の態様のガラスの光学特性について説明する。
JIS B7113には、写真撮影用シャープカットガラスフィルタの諸特性について、以下の通り規定されている。
(1)高透過域および高透過限界波長:フィルタの透過率が72%以上となる波長範囲をフィルタの高透過域といい、その限界に該当する波長をフィルタの高透過限界波長という。
(2)吸収域および吸収限界波長:フィルタの透過率が5%以下となる波長領域をフィルタの吸収域といい、その限界に該当する波長をフィルタの吸収限界波長という。
(3)波長傾斜幅:フィルタの分光透過率において、高透過限界波長と吸収限界波長との間隔。
(4)透過限界波長:波長傾斜幅の中点に該当する波長。
(5)フィルタの色相:透過限界波長420nm以下(JIS Z 8401の規定に従い、10nm単位で得られる数値)の場合を、「無色」とする。
本発明のシャープカットフィルター用ガラスは、厚さ2.5mmに換算して、波長200〜700nmにおける分光透過率が5%となる波長(JIS B7113に記載の「吸収限界波長」に相当)と72%となる波長(JIS B7113に記載の「高透過限界波長」に相当)の中点に相当する波長(JIS B7113に記載の「透過限界波長」に相当)が365〜385nmの範囲にあり、かつ、前記分光透過率が5%となる波長と72%となる波長の間隔(JIS B7113に記載の「波長傾斜幅」に相当)が35nm以下であることが好ましい。上記の分光透過率は、ガラス表面における反射損失も含むものである。透過限界波長が365〜385nmの範囲にあることにより、紫外線を効果的に遮断することができる。また、波長傾斜幅が35nm以下であることにより、優れたシャープカット性を得ることができる。
上記のような光学特性を有する本発明の第一の態様のガラスによれば、JIS B7113における色相が無色(即ち、透過限界波長が420nm以下)のシャープカットフィルターを提供することができる。
(第二の態様)
本発明の第二の態様のガラスは、CeO2およびZnOを含有するJIS B7113における色相が無色のシャープカットフィルター用ガラスであって、CeO2の含有量が1質量%以上、ZnOの含有量が8質量%以上であり、実質的にPb、As、およびTiを含まないことを特徴とするシャープカットフィルター用ガラスである。本発明の第二の態様のガラスは、SiO2およびアルカリ金属酸化物を含むものであることができる。
本発明の第二の態様のガラスの組成について説明する。以下の説明において、各成分の含有量は質量%表示にて示すことにする。
CeO2は、紫外線を吸収するのに不可欠な成分である。第二の態様のガラスは、JIS B7113における色相が無色となる、所望の透過限界波長を得るため、CeO2を1質量%以上含有する。CeO2の含有量は、所望の透過限界波長とシャープカット性を考慮して決定することができる。第二の態様のガラスにおいて、CeO2の含有量は、1〜5%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜3.5%である。
ZnOは、PbOを含有することなく、可視光域の透過率を確保しながらCeO2の吸収を補助し、さらにガラスの熔融成形性、耐失透性、化学的耐久性を向上させるのに有効な成分である。第二の態様のガラスは、上記効果を得るために、ZnOを8質量%以上含有する。ZnOの含有量は、JIS B7113における色相が無色となる、所望の光学特性およびガラスの熔融成形性、耐失透性、化学的耐久性、機械的強度を考慮して設定することができる。なお、ZnOを多量に含有すると、得られるガラスの機械的強度が低下する傾向があるため、ZnOの含有量を決定する際には、この点も考慮すべきである。第二の態様のガラスにおいて、ZnOの含有量は8〜20%であることが好ましく、より好ましくは13〜18%である。
第二の態様のガラスは、JIS B7113における色相が無色である範囲で、CeO2およびZnO以外の酸化物を含むことができ、例えば、SiO2およびアルカリ金属酸化物を含むことができる。
SiO2は、ガラスの基本成分であり、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性を得るために重要な成分である。第二の態様のガラスにおけるSiO2の含有量は、所望の熱的安定性および化学的耐久性を考慮して決定することができる。第二の態様のガラスにおいて、SiO2の含有量は、50〜70%であることが好ましく、より好ましくは55〜65%である。
アルカリ金属酸化物は、ガラスの熔融性、成形性を向上させる成分である。アルカリ金属酸化物としては、例えば、Li2O、Na2O、K2Oを用いることができる。アルカリ金属の含有量は、所望の熔融性、成形性を有するガラスが得られるように適宜設定することができる。第二の態様のガラスにおいて、アルカリ金属酸化物の含有量は、10〜30%とすることが好ましく、15〜25%とすることがより好ましい。
第二の態様のガラスは、SiO2およびアルカリ金属酸化物に加えて、Al23を含むこともできる。Al23は、ガラスの分相や失透を抑えるのに有効な成分であり、前述の第一の態様のガラスと同様に、本発明の第二の態様のガラスは、Al23を含有することもできる。Al23の含有量は、所望の熔融成形性を考慮して決定することができる。Al23の含有量は、0〜5%であることが好ましく、より好ましくは0〜2%である。
第二の態様のガラスは、前述の第一の態様のガラスと同様に、任意成分として、B23、Sb23、ZrO2、SnO2、MgO、CaO、SrO、BaOを、熔融成形性の向上、化学的耐久性の向上、清澄、耐失透性の向上、透過率の調整などの目的で5%未満の範囲で適宜用いることが出来る。
また、本発明の第二の態様のガラスは、前述の第一の態様のガラスと同様に、環境影響上、Pb、Asを実質的に含有しない。また、前述の第一の態様のガラスについて述べた理由と同様の理由から、本発明の第二の態様のガラスは、Tiを実質的に含まない。また、第一の態様のガラスと同様に、本発明の第二の態様のガラスは、Fを含有しない方が好ましく、更に、Cd、Crも、環境影響に配慮して導入しないことが望ましい。
本発明の第二の態様のガラスの好ましい組成範囲は、SiO2の量が50〜70%、Al23の量が0〜5%、Li2Oの量が0〜10%、Na2Oの量が0〜20%、K2Oの量が0〜20%、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が10〜30%、ZnOの量が8〜20%、CeO2の量が1〜5%であり、より一層好ましい組成範囲は、SiO2の量が55〜65%、Al23の量が0〜2%、Li2Oの量が0〜5%、Na2Oの量が5〜15%、K2Oの量が5〜15%、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が15〜25%、ZnOの量が13〜18%、CeO2の量が1.5〜3.5%である。
いずれの組成範囲においても、SiO2、Al23、Li2O、Na2O、K2O、ZnO、およびCeO2の合計量が95%超であることが望ましく、98%超であることがさらに好ましく、99%以上であることがより望ましい。さらに清澄剤として、Sb23を0〜1%含むものが望ましい。特に好ましいものは、SiO2、Na2O、K2O、ZnO、CeO2、およびSb23の合計量が100%のものである。
本発明の第二の態様のガラスは、先に説明したJIS B7113における色相が無色(即ち、透過限界波長が420nm以下)のシャープカットフィルター用ガラスである。本発明の第二の態様のガラスについて、光学特性の好ましい範囲とその理由は、第一の態様に関する説明と同様である。
また、本発明の第一および第二の態様のガラスは、日本光学硝子工業会規格「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)06」に定められた耐水性が減量率0.05質量%未満の範囲として定められる1級であることが望ましい。また、上記規格に定められた耐酸性が減量率0.20質量%未満の範囲として定められる1級であることが望ましい。
さらに、本発明の第一の態様のガラスは、液相温度が認められないものであることが好ましい。ここで、「液相温度が認められない」とは、ガラスが失透(結晶化)しないことを意味する。第一の態様のガラスが、液相温度が認められない(失透しない)ものであれば、自由な温度で、様々なガラス成形(例えば、プレス、ブロック、シート等)が可能であり好ましい。
本発明のガラスの作製方法には特に制限はなく、従来慣用されている方法を用いることができる。例えば、ガラス原料として酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫化物などを適宜用い、所望の組成になるように秤量し、混合して調合原料とする。これを耐熱坩堝に入れ、例えば1300〜1450℃程度の温度で熔融し、撹拌、清澄して均質な熔融ガラスとする。次いで、ガラスを成形枠に鋳込み、ガラスブロックを形成した後、ガラスの徐冷点近くに加熱した炉に移し、室温まで冷却し、本発明のガラスを得ることができる。
本発明は更に、第一の態様のガラスまたは第二の態様のガラスからなるシャープカットフィルターに関する。シャープカットフィルターの形状は、特に限定されないが、例えば、平板形状とすることができる。更に、本発明のシャープカットフィルターは、JIS B7113における透過限界波長が365〜385nmの範囲にあり、波長傾斜幅が35nm以下であることが望ましい。
本発明のシャープカットフィルターの作製方法には特に制限はなく、例えば、前述の作製方法により用意したガラスを、所望の形状、寸法に加工し、表面を光学研磨することにより、本発明のシャープカットフィルターを得ることができる。なお、必要に応じて表面にコートを設けてもよい。
このようにして、本発明によれば、有害成分を含まない環境対応型のシャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルターを提供することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
(実施例1〜5、比較例1、2)
表1の組成(比較例2については、各成分の相対量としての数値を示す)を有するガラスが得られるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの原料を秤量して混合した調合原料を、白金坩堝などの耐熱容器に入れ、大気中で1300〜1450℃に加熱、熔融、撹拌し、均質化、清澄を行った後、鋳型に流し込んだ。ガラスが固化した後、ガラスの徐冷点近くに加熱しておいた電気炉に移し、室温まで徐冷した。
表1に、ガラス組成と各種測定データを示す。また実施例1および比較例1、2のガラスの透過率を図1に示す。透過率は、厚さ2.5mmに両面研磨した上記ガラスについて、200〜700nmにおける分光光度計で測定した。透過限界波長および波長傾斜幅は、測定した透過率を元に算出した。
Figure 0004104142
比較例1は、環境上の問題から排除すべきPbOを含むガラスである。
比較例2は、酸化セリウムを含有するがPbOを含まないガラスであって、特開2001−89185号公報に記載の発明に係るガラスである。
図1に示すように、実施例1のガラスは、PbOを排除したにもかかわらず、高透過域において、比較例1および2のガラスよりも高い透過率を示している。
次に、日本光学硝子工業会規格「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)06」に定められた方法により、各ガラスの耐水性と耐酸性を測定した。実施例1〜5のガラスは、減量率が0.05質量%未満の耐水性、減量率が0.20質量%未満の耐酸性を示した。これらの値は上記規格においていずれも1級に相当する。この結果から、実施例1〜5のガラスが、シャープカットフィルター用ガラスとして極めて高い耐水性、耐酸性を備えていることがわかる。また、実施例1〜5のガラスには液相温度が認められなかった。
次いで、実施例1〜5のガラスを厚さ2.5mmの平板に加工し、両面研磨してシャープカットフィルターとした。これらのフィルターは、JIS B7113の規定による色相が無色のシャープカットフィルターであった。これらのシャープカットフィルターの表面には必要に応じてコートを設けることもできる。
本発明によれば、環境影響上排除すべき有害成分を含まない環境対応型のシャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルターを得ることができる。
実施例1および比較例1、2のガラスの分光透過率曲線である。

Claims (8)

  1. 質量%表示で、
    SiO2 50〜70%
    Al23 0〜5%
    Li2O 0〜10%
    Na2O 0〜20%
    2O 0〜20%
    (ただしLi2O+Na2O+K2O 10〜30%)
    ZnO 8〜20%
    CeO2 1〜5%
    2 3 0%以上5%未満
    を含み、Cdを含まず、実質的にPb、As、およびTiを含まないことを特徴とするシャープカットフィルター用ガラス。
  2. 厚さ2.5mmに換算して、波長200〜700nmにおける分光透過率が5%となる波長と72%となる波長の中点に相当する波長が365〜385nmの範囲にあり、かつ、前記分光透過率が5%となる波長と72%となる波長との間隔が35nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
  3. JIS B7113における色相が無色である請求項1または2に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
  4. 質量%表示で、
    SiO 2 55〜65%
    Al 2 3 0〜2%
    Li 2 O 0〜5%
    Na 2 O 5〜15%
    2 O 5〜15%
    (ただしLi 2 O+Na 2 O+K 2 O 15〜25%)
    ZnO 13〜18%
    CeO 2 1.5〜3.5%
    を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
  5. 質量%表示で、SiO 2 、Al 2 3 、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、ZnO、およびCeO 2 の合計量が95%超である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
  6. 質量%表示で、SiO 2 、Al 2 3 、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、ZnO、およびCeO 2 の合計量が98%超である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャープカットフィルター用ガラス。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスからなることを特徴とするシャープカットフィルター。
  8. JIS B7113における透過限界波長が365〜385nmの範囲にあり、かつ、波長傾斜幅が35nm以下であることを特徴とする請求項に記載のシャープカットフィルター。
JP2003307334A 2003-08-29 2003-08-29 シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター Expired - Fee Related JP4104142B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003307334A JP4104142B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター
EP04104105A EP1510504A1 (en) 2003-08-29 2004-08-26 Sharpcut Filter Glass and Sharpcut Filter
US10/927,084 US20050148454A1 (en) 2003-08-29 2004-08-27 Sharpcut filter glass and sharpcut filter
CNB200410074849XA CN100401115C (zh) 2003-08-29 2004-08-30 锐截止滤光片用玻璃及锐截止滤光片

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003307334A JP4104142B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005075677A JP2005075677A (ja) 2005-03-24
JP4104142B2 true JP4104142B2 (ja) 2008-06-18

Family

ID=34101258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003307334A Expired - Fee Related JP4104142B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20050148454A1 (ja)
EP (1) EP1510504A1 (ja)
JP (1) JP4104142B2 (ja)
CN (1) CN100401115C (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102167511B (zh) * 2011-01-07 2012-10-24 李锋 低能辐射防护玻璃的制造方法
US10308541B2 (en) 2014-11-13 2019-06-04 Gerresheimer Glas Gmbh Glass forming machine particle filter, a plunger unit, a blow head, a blow head support and a glass forming machine adapted to or comprising said filter
US10472273B2 (en) 2015-05-18 2019-11-12 Schott Ag Sensitized, photo-sensitive glass and its production
JP6385391B2 (ja) * 2015-05-18 2018-09-05 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG 増感された感光性ガラスおよびその製造
CN110944952A (zh) 2017-03-31 2020-03-31 康宁股份有限公司 高透射玻璃
JP2023150544A (ja) * 2022-03-31 2023-10-16 Hoya株式会社 近赤外線カットフィルタ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SU1143703A1 (ru) * 1982-11-18 1985-03-07 Всесоюзный Научно-Исследовательский,Проектно-Конструкторский И Технологический Светотехнический Институт Стекло
GB9004485D0 (en) * 1990-02-28 1990-04-25 Johnson Matthey Plc Glass composition
US6420288B2 (en) * 1997-11-10 2002-07-16 Ivoclar Ag Process for the preparation of shaped translucent lithium disilicate glass ceramic products
US6017838A (en) * 1998-09-10 2000-01-25 Osram Sylvania Inc. Lead free soft glass having high electrical resistivity
US6207603B1 (en) * 1999-02-05 2001-03-27 Corning Incorporated Solar cell cover glass
JP4215912B2 (ja) * 1999-09-20 2009-01-28 岡本硝子株式会社 耐熱衝撃性紫外線遮断ガラスおよび紫外線遮断フィルター
JP3736733B2 (ja) * 2000-04-24 2006-01-18 日本電気硝子株式会社 陰極線管パネルガラス
US6626986B2 (en) * 2000-06-28 2003-09-30 Ivoclar Vivadent Ag Low-temperature-sintering potassium-zinc-silicate glass
JP2003137596A (ja) * 2001-10-30 2003-05-14 Nippon Electric Glass Co Ltd 陰極線管用パネルガラス

Also Published As

Publication number Publication date
CN1591054A (zh) 2005-03-09
JP2005075677A (ja) 2005-03-24
US20050148454A1 (en) 2005-07-07
CN100401115C (zh) 2008-07-09
EP1510504A1 (en) 2005-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6505793B2 (ja) 光学ガラス、ガラス母材と光学素子
JP4351730B2 (ja) 光学ガラス
TWI305525B (en) An optical glass
JP2565813B2 (ja) 光学ガラス
JP5073353B2 (ja) 光学ガラス
JP2006327926A (ja) 光学ガラス
JP5704503B2 (ja) 光学ガラス
JP5729550B2 (ja) 光学ガラス
JP5843125B2 (ja) モールドプレス成形用光学ガラス
JP5290528B2 (ja) 精密プレス成形用光学ガラス
JP4158369B2 (ja) プレス成形用ガラスおよびレンズ
JP2009173520A (ja) モールドプレス成形用光学ガラス
JP5271483B2 (ja) 光学ガラス
JP5761603B2 (ja) 光学ガラス
JP7086339B2 (ja) 光学ガラスレンズ及び光学ガラスレンズの製造方法
JP5825412B2 (ja) 光学ガラス
JP5880919B2 (ja) 光学ガラス
JP7134396B2 (ja) 光学ガラス
JP5979455B2 (ja) 光学ガラス
JP4104142B2 (ja) シャープカットフィルター用ガラスおよびシャープカットフィルター
JPH10167753A (ja) 無鉛クラウンガラス
JPH0455136B2 (ja)
JP5987364B2 (ja) 光学ガラス
JP2000053441A (ja) 無鉛光学ガラス
JP4758618B2 (ja) 紫外線透過フィルター用ガラスおよび紫外線透過フィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4104142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140404

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees