JP4087137B2 - 二輪車用スタンド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車用スタンド装置に係り、特に内燃機関始動用のスタータモータの動力を用いてスタンド本体の起立を行うようにしたスタンド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車においては、駐車時の姿勢保持のためにスタンド装置が設けられ、この装置のスタンド本体を起立位置へ向けて回動させるための手段として、内燃機関始動用のスタータモータの動力を用いることが行われている。その一例として特開平3−239688号公報に示されている技術が知られている。
【0003】
この装置では、スタンド本体を起立させる場合は、スタータモータを逆転させ、スタータクラッチを介し、かつ多数のギヤからなる動力伝達装置を介し、さらにワンウエイクラッチを介して、その回転駆動力をスタンド本体に伝え、スタンド本体を起立させるものである。上記の動力は、スタンド起立操作時には、クランク軸を経由することなくスタンド本体へ伝達される。
【0004】
【解決しようとする課題】
一般に、スタンド起立動作においては、スタンド本体の脚部の下端が接地した瞬間に荷重がかかる。従来の動力駆動式のスタンド装置では、この瞬間にモータへの負荷が急増するので、動力を大にし、かつギヤレシオを大にして、負荷の急増に対応できるようにしておく必要があった。このため、モータやバッテリは大型化し、動力伝達機構は多軸化し、また上記従来例に示されるように、遊星ギヤ装置を用いる必要などから、装置が複雑化していた。
【0005】
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、モータへの負荷を減らして、モータやバッテリを小型化し、またギヤレシオを小にして、動力伝達系統も簡単化すると共に、スタンド起立の作動速度を速めようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、クランクケース内に回転自在に支持されるクランク軸、クランク軸を回転させて内燃機関を始動させるスタータモータ、左右一対の脚部材を備えたスタンド本体、クランク軸を介して伝わるスタータモータの動力を内燃機関始動時の回転方向と同じ方向に回転させてスタンド本体へ起立力として伝達する動力伝達機構、および 上記動力の伝達を継脱する機構を備えたことを特徴とする二輪車用スタンド装置である。
【0007】
本発明は上記構成となっているので、クランク軸の慣性質量を利用してスタンド接地時の負荷を吸収させることができる。これによって、モータやバッテリを小型化し、動力伝達系統を簡単化すると共に、スタンド起立の作動速度を速めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二輪車用スタンド装置において、スタータモータが、クランク軸上に配置されていることを特徴とするものである。このような構成によって、スタータモータからクランク軸への動力伝達機構を省き、動力伝達機構を簡素化することが出来る。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の二輪車用スタンド装置において、スタータモータと上記動力伝達機構が、車体の左右に分けて配置されていることを特徴とするものである。このような構造であるから、左右方向の動力伝達軸としてクランク軸を有効利用して、スタンド装置の小型化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るスタンド装置を搭載したスクータ型自動二輪車1の側面図である。図には、後述のパワーユニット10の全体を表示するために、カバーの一部を除去して図示してある。構造部材である車体フレーム2は、フロントカバー3、フロアパネル4、リヤカバー5等に覆われている。車体フレーム2の前部に回動自在に装着されたフロントフォーク6の下端部には前輪7が回転自在に装着され、同フロントフォーク6の上端部にはステアリングハンドル8が装着されている。リアカバー5の上部にはシート9が装着され、車体フレーム2の下部にはパワーユニット10がパワーユニット取付けボルト11を中心として揺動可能に設けられている。同パワーユニット10の後端部には後輪12が回転自在に保持され、同パワーユニット10と車体フレーム2との間にはリヤクッション13が設けられている。車体の前部に、イグニッションスイッチ14が設けてある。
【0011】
パワーユニット10の前半部は内燃機関15であり、前端からパワーユニット10の中央部へ向かってシリンダヘッドカバー16、シリンダヘッド17、シリンダブロック18、およびクランクケース19と続く。図には、クランク軸33の位置が示してある。クランクケース19の側部から後方へ向かってVベルト無段変速機22の収納部が設けられている。パワーユニット10のクランクケース19下部には、スタンド本体40がスタンド取付けボルト44を介して回動可能に装着してある。図には、スタンド起立状態を実線で、収納状態を一点鎖線で示してある。Gは地面である。図にはスタンド起立駆動力伝達機構24の中間軸57の位置も示してある。また、スタンド起立に用いられるソレノイド62の位置も示してある。
【0012】
図2は、図1におけるパワーユニット10の、クランク軸33、中間軸57、スタンド取付けボルト44、およびスタンド本体40を含む断面を、車両の後方から前方へ向かって見た図である。また、スタンド取付けボルト44からソレノイド62に至る断面も併せて図示してある。図2の上部には、クランク室20、ACGスタータ21の収納部、および前記Vベルト無段変速機22の収納部が描かれている。ACGスタータ21は、交流発電機(略称ACG)とスターターモータとを兼ねた装置である。前記内燃機関15は、図1に示したように、シリンダ中心線を略水平にして車両に搭載される形式のものであるので、図2のクランク室中央奥部にシリンダ穴23が見える。クランク室20の下方にはスタンド本体40がある。クランク室20とVベルト無段変速機22の収納部とスタンド本体40とに挟まれた部分は、スタンド起立駆動力伝達機構24の収納部となっている。スタンド起立駆動力伝達機構24は、クランク軸33の回転をスタンド本体40に伝えてスタンド本体40を起立させる機構である。
【0013】
図2において、パワーユニット10の外殻はクランクケース19、クランク室カバー27、ACGスタータカバー28、変速機ケース29、プーリカバー30、および軸支持部材31から構成されている。クランク軸33はベアリング35、36を介してクランクケース19に支持されている。中央にコンロッド34の大端が見える。ACGスタータ21の固定部21aはクランク室カバー27に取付けられ、ACGスタータ21の回転部21bはクランク軸33の右端にキー固定されている。Vベルト無段変速機22の収納部内のクランク軸33の左端には、Vベルト無段変速機22のドライブプーリ38が設けてある。クランク軸33の下方に、クランク軸33からギヤ(図示せず)を介して駆動されるオイルポンプ75が設けてある。オイルポンプ75から供給される潤滑油はクランクケース19内に形成された油路76を経由して、内燃機関内の要所へ送られる。
【0014】
パワーユニット10の下部において、変速機ケース29と軸支持部材31とによってスタンド駆動軸46が回動可能に支持されている。スタンド駆動軸46に隣接してスタンド本体40が設けてある。スタンド本体40は、スタンド脚部41、スタンド基部板状部42、およびスタンド基部パイプ部43から構成され、スタンド基部板状部42に上記他の2部材が溶接されて、全部が一体化されている。スタンド本体40の基部パイプ部43の右端はクランクケース19の下部のブラケット32に挿通されて回動可能に支えられている。スタンド本体40の基部の左端はスタンド取付けボルト44によって前記スタンド駆動軸46に結合して支えられている。図7に示されるように、スタンド駆動軸46の右端部は、両側部が平面状に削除された扁平状軸端46aとなっており、スタンド基部板状部42の左上端には、上記扁平状軸端46aの断面と同形の両側部直線状長穴42cが設けてある。スタンド駆動軸46とスタンド本体40とを接続する時には、図7に示したスタンド駆動軸46の扁平状軸端46aを、スタンド基部板状部42の両側部直線状長穴42cに嵌入し、スタンド取付けボルト44を図2に示すようにスタンド基部パイプ部を貫通させて、スタンド駆動軸46の右端部のボルト穴46bに螺入して締付けることによって、スタンド駆動軸46とスタンド本体40とが一体回動可能に接続される。
【0015】
スタンド基部板状部42の左側下端にリターンスプリング(図示していない)の一方の端を掛止するための掛止部42aが設けてある。リターンスプリングの他方の端は、パワーユニット10下部の掛止部(図示していない)に掛けられる。リターンスプリングはスタンド本体40を収納する時に、スタンド本体40を収納位置へ引っ張る作用をする。スタンド本体40がリターンスプリングによって収納される際の、パワーユニット下部のストッパーに対する衝撃を緩和するために、スタンド基部板状部42の中央下端に緩衝材取付け部42bが設けてある。本実施形態のスタンド装置は、以上に述べたACGスタータ21、クランク軸33、スタンド起立駆動力伝達機構24、スタンド本体40、および後述のスタンド起立操作部等から構成されている。
【0016】
図3は図2の一部、特にスタンド起立駆動力伝達機構24の部分、の拡大図である。図4および図5は上記スタンド装置のスタンド起立駆動力伝達機構24の構成を示す側面図であり、図4はスタンド本体を起立させた状態、図5はスタンド本体を収納した状態を示す図である。図3、図4、および図5を参照して、スタンド起立駆動力伝達機構24の構成について述べる。クランク軸33の、クランクケース19と変速機ケース29とに挟まれた部分に、駆動ギヤ51がクランク軸33に一体的に固定されている。上記駆動ギヤ51の下方において、変速機ケース29と軸支持部材31とによって、前記クランク軸33に平行の中間軸57が軸受58を介して回転可能に支持されている。この中間軸57の中央部には中間軸小径ギヤ54が一体的に形成してある。同中間軸小径ギヤ54に隣接して中間軸大径ギヤ53が中間軸57に一体的に固定してある。したがって、中間軸大径ギヤ53と、中間軸小径ギヤ54と、中間軸57とは、回転時には一体となって回転するものである。中間軸大径ギヤ53に隣接して、図4、図5に示す台形状の回動アーム59が中間軸57を中心として回動できるように装着してある。同回動アーム59の先端部には固定軸60が設けられ、同固定軸60に、前記中間軸大径ギヤ53に常時噛合うアイドルギヤ52が回転可能に保持されている。このアイドルギヤ52は、図5に示すような、スタンド本体を収納した車両走行時には、駆動ギヤ51には噛合っていないが、図4に示すように、スタンドを起立させるために、後述のソレノイドを作動させた時には、回動アーム59の傾斜姿勢が変わり、アイドルギヤ52は駆動ギヤ51に噛合う。
【0017】
上記中間軸57の下方のスタンド駆動軸46に、扇形ギヤ55がスプライン嵌合され、軸方向に摺動可能に装着されている。同扇形ギヤ55と軸支持部材31との間には、図3に示されるように、扇形ギヤ付勢用コイルスプリング47が介装され、車両走行時には、扇形ギヤ55は中間軸小径ギヤ54に噛合わない位置へ押されている。
【0018】
スタンド駆動軸46の近傍にソレノイド62が設けてある。このソレノイド62には、前記スタンド駆動軸46と平行の作動軸63(図3)が挿通されている。作動軸63は、車両走行時には最大突出位置にある。スタンド起立のためにソレノイド62に通電されると、作動軸63は磁力によって吸引され、ソレノイド62の方へ急速に動く。作動軸63には、その中心線に直交する2本のピンが固定されている。作動軸先端部の第1ピン64と、作動軸中央部の第2ピン65である。
【0019】
上記ソレノイド62の作動軸63の先端部近くに、回動アーム駆動レバー66が設けられている。同回動アーム駆動レバー66の基端部に管状基部67が一体的に取付けられ、同管状基部67はその外周で変速機ケース29に回動可能に支持されている。同管状基部67の中心孔には上記作動軸63の先端部が挿通されている。同管状基部67には、上記作動軸63の軸線に対して傾斜したカム長穴68(図3)が設けてあり、前記作動軸63の第1ピン64が挿通されている。これによって、作動軸63の軸方向移動に応じて回動アーム駆動レバー66が作動軸63を中心として回動する。回動アーム駆動レバー66の先端には、図4、図5に示されるように、駆動ピン69が固定されている(図3には示していない)。同駆動ピン69の突出端は前記回動アーム59に設けられた長穴59aに摺動可能に挿入されており、回動アーム駆動レバー66の回動に応じて回動アーム59が回動し、アイドルギヤ52を駆動ギヤ51に噛合う位置へ動かす。
【0020】
上記ソレノイド62の作動軸63の中央部近くに、扇形ギヤ駆動レバー70が設けてある。この扇形ギヤ駆動レバー70はソレノイドの作動軸63からスタンド駆動軸46に至るレバーであり、これら両軸を側部から挟む一対の部材からなり、その中央部で両者を貫通している支点ピン71は、変速機ケース29に設けられたピン保持部72(図3)に保持され、押えバネ73で脱落が防がれている。扇形ギヤ駆動レバー70は同支点ピン71を中心としたシーソー状の回動が可能である。扇形ギヤ駆動レバー70の作動軸側端部には切り込み70aが設けてあり、作動軸63の第2ピン65が挿通されている。これによって、作動軸63の軸方向移動に応じて扇形ギヤ駆動レバー70が支点ピン71を中心として回動し、扇形ギヤ55のボス部を押し、扇形ギヤ55を中間軸小径ギヤ54に対して噛合い可能な位置へ動かす。
【0021】
図6は、図1の車体の前部に装着されているイグニッションスイッチ14の正面図である。このスイッチには、「ON」:内燃機関起動、「OFF」:点火電流系統遮断、「LOCK」:ハンドルロック、および「ST」:スタンド起立、の各記号が表示されている。スタンド収納状態からスタンドを起立させる時は、イグニッションスイッチ14のキー挿入孔14aに挿入されているキーを、スタンド起立位置「ST」の方へ回すと、所定のプログラムにしたがって、(a)点火電流系統遮断、(b)ソレノイドに通電、(c)スタータモータ起動、が行われる。
【0022】
本発明のスタンド装置の一実施形態は上記のように構成されている。次に本実施形態の作用について述べる。まず、スタンド本体が収納位置にある時は、リターンスプリングに引っ張られて、スタンド本体は図1の一点鎖線の位置、あるいは図5に示される位置にある。
【0023】
イグニッションスイッチ14のキー挿入孔14aに挿入されているキーが、スタンド起立位置「ST」の方へ回されると、点火電流系統遮断の状態で、ソレノイド62に通電される。この時、作動軸63がソレノイド62の方へ引き付けられ、カム長穴68に挿通されている第1ピン64が軸方向に移動し、軸線に対して傾斜しているカム長穴68の縁がこれに押されて回動アーム駆動レバー66が回動し、同レバー66の駆動ピン69(図4、図5)によって回動アーム59の長穴59aの縁が押され、回動アーム59が回動し、アイドルギヤ52が駆動ギヤ51に噛合う。
【0024】
同時に、切り込み70aに挿通されている第2ピン65も移動し、これに押されて扇形ギヤ駆動レバー70が回動し、同レバー70のスタンド駆動軸46側の端部によって扇形ギヤ55のボス端部が押され、扇形ギヤ55は扇形ギヤ付勢用コイルバネ47の付勢力に抗して移動し、中間軸小径ギヤ54に噛合う。このように、ソレノイド62が作動した時には、駆動ギヤ51、アイドルギヤ52、中間軸大径ギヤ53、中間軸小径ギヤ54、および扇形ギヤ55からなるギヤ列は全部つながり、ギヤ列を介して動力伝達が可能になる。
【0025】
次に、ACGスタータ21が起動される。これによって、クランク軸33が正回転する。予め、点火電流系統が遮断されているので、内燃機関は起動しない。また、クランク軸33の回転によって、Vベルト無段変速機22のドライブプーリ38も回転し、Vベルト39によって図示していないドリブンプーリも回転駆動されるが、ドリブンプーリ側に発進クラッチが設けてあり、ACGスタータ21による回転では発進速度に達しないので、クランク軸33の回転は後輪12へは伝達されない。
【0026】
クランク軸33の回転駆動力は、前記のようにつながったギヤ列によって、扇形ギヤ55に伝達され、スタンド駆動軸46が回動し、スタンド駆動軸46と係合しているスタンド本体40が回動駆動され、スタンドは起立状態となる。スタンド本体40が最終起立位置に達する前の、接地開始時点において、駆動力に対して急激に抵抗力が増加する。本装置では、重量物であるクランク軸の慣性質量によって、この抵抗力急増を乗り切ることができる。スタンド本体40が起立停止位置に達した後には、扇形ギヤ55は図4に示されるように、中間軸小径ギヤ54から離れた位置へ回動しているので、クランク軸33が回転していても、その回動駆動力は、それ以上はスタンド本体40へ伝わらない。
【0027】
スタンド本体40が起立停止位置に達した後、図示されていないリミットスイッチの作用によって、ACGスタータ21とソレノイド62への通電が遮断され、作動は停止させられる。その後、図6のスタンド起立位置「ST」の方へ回していたキーを「LOCK」または「OFF」の方へ戻す。ソレノイド62への通電が停止された時、扇形ギヤ付勢用コイルスプリング47の付勢力によって、扇形ギヤ55と扇形ギヤ駆動レバー70は元の位置へ押しもどされ、同駆動レバー70によって第2ピン65を介してソレノイドの作動軸63も元の位置へ押し戻される。さらに第1ピン64とカム長穴68によって、回動アーム駆動レバー66も元の位置へ戻り、駆動ピン69を介して回動アーム59も元の位置へ戻り、アイドルギヤ52は駆動ギヤ51から離れる。
【0028】
スタンド本体起立状態では、車両は、前輪7とスタンド本体40の左右の接地部との3点で安定的に支持される。なお上記の説明では、ACGスタータ作動の条件として点火電流系統遮断の例を述べたが、燃料供給系統遮断でも同様な効果が得られる。
【0029】
上記スタンド装置では、動力はスタンド本体40を起立させる場合にのみ使われる。走行等のためにスタンド本体40を収納する場合は車両を前方へ押す。すると、リターンスプリングに引っ張られてスタンド本体40は収納状態となる。
【0030】
上記実施形態の説明においては、クランク軸の端部に設置された交流発電機兼用スタータモータ(略称:ACGスタータ)21を用いた例を示しているが、モータ軸がクランク軸やACG軸とは別軸で、スタータピニオン方式でクランク軸が駆動される従来のスタータモータに対しても、本発明を適用することができる。
【0031】
本実施形態のスタンド装置は、従来の同様の動力式スタンド装置に比して、非常に単純な構造となっている。従来のものは、スタンド本体の接地時負荷を克服するために、歯車の減速比を大にする必要があり、多軸化し、遊星ギヤの使用が必要だったが、本実施形態では、クランク軸質量を利用してスタンド本体の接地時負荷を乗り越えるので、歯車列の構成は簡単になっている。また、従来はスタンド起立時に、スタータモータを逆転させるので、ワンウエイクラッチが必要であったが、本実施形態では、スタータモータは正転し、ソレノイドを利用して動力伝達の継脱を行うので構造は簡単である。
【0032】
また、スタンドを起立状態にするということは、しばらくは車両を使わないで放置するということである。本実施形態では、クランク軸33とギヤで連結されているオイルポンプ75が、スタンド起立時のクランク軸33の回転によって作動を開始するので、車両を放置する前に、内燃機関内の要所に油路76を経由して潤滑油が供給され、内燃機関の整備上好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のスタンド装置を搭載したスクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】上記実施形態のパワーユニットの中央部を、車両の後方から前方へ向かって見た図である。
【図3】図2の一部、特にスタンド起立駆動力伝達機構24の部分、の拡大図である。
【図4】上記実施形態のスタンド起立駆動力伝達機構の構成を示す側面図であり、スタンド本体を起立させた状態を示す図である。
【図5】上記実施形態のスタンド起立駆動力伝達機構の構成を示す側面図であり、スタンド本体を収納した状態を示す図である。
【図6】上記実施形態のイグニッションスイッチの正面図である。
【図7】上記実施形態のスタンド駆動軸とスタンド本体との接続部の分解斜視図である。
【符号の説明】
G…地面、1…スクータ型自動二輪車、2…車体フレーム、3…フロントカバー、4…フロアパネル、5…リヤカバー、6…フロントフォーク、7…前輪、8…ステアリングハンドル、9…シート、10…パワーユニット、11…パワーユニット取付けボルト、12…後輪、13…リヤクッション、14…イグニッションスイッチ、15…内燃機関、16…シリンダヘッドカバー、17…シリンダヘッド、18…シリンダブロック、19…クランクケース、20…クランク室、21…ACGスタータ、22…Vベルト無段変速機、23…シリンダ穴、24…スタンド起立駆動力伝達機構、27…クランク室カバー、28…ACGスタータカバー、29…変速機ケース、30…プーリカバー、31…軸支持部材、32…ブラケット、33…クランク軸、34…コンロッド、35…ベアリング、36…ベアリング、38…ドライブプーリ、39…Vベルト、40…スタンド本体、41…スタンド脚部、42…スタンド基部板状部、42a…コイルスプリング掛止部、42b…緩衝材取付け部、42c…両側部直線状長穴、43…スタンド基部パイプ部、44…スタンド取付けボルト、46…スタンド駆動軸、46a…扁平状軸端、46b…ボルト穴、47…扇形ギヤ付勢用コイルスプリング、51…駆動ギヤ、52…アイドルギヤ、53…中間軸大径ギヤ、54…中間軸小径ギヤ、55…扇形ギヤ、57…中間軸、58…軸受、59…回動アーム、59a…回動アーム長穴、60…回動アーム先端部の固定軸、62…ソレノイド、63…作動軸、64…第1ピン、65…第2ピン、66…回動アーム駆動レバー、67…管状基部、68…カム長穴、69…駆動ピン、70…扇形ギヤ駆動レバー、70a…切り込み、71…支点ピン、72…ピン保持部、73…押えバネ、75…オイルポンプ、76…油通路
Claims (3)
- クランクケース内に回転自在に支持されるクランク軸、
クランク軸を回転させて内燃機関を始動させるスタータモータ、
左右一対の脚部材を備えたスタンド本体、
クランク軸を介して伝わるスタータモータの動力を内燃機関始動時の回転方向と同じ方向に回転させて、スタンド本体へ起立力として伝達する動力伝達機構、および
上記動力の伝達を継脱する機構
を備えたことを特徴とする二輪車用スタンド装置。 - 上記スタータモータが、クランク軸上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用スタンド装置。
- 上記スタータモータと上記動力伝達機構が、車体の左右に分けて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の二輪車用スタンド装置。」
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