JP4086440B2 - エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主燃焼室において燃料と酸素含有ガスとをピストンによって圧縮して燃焼させ、前記ピストンをシリンダ内で往復作動させ、クランク軸の回転を維持するエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなエンジンは、一般的に、火花点火式のエンジンとディーゼルエンジンとに大別することができる。
【0003】
火花点火式のエンジンは、酸素含有ガスの一例である空気と燃料との混合気を主燃焼室内に吸引して圧縮し、その後、着火手段である点火プラグにより着火するもので、理想的なサイクルはオットーサイクル(定容加熱サイクル)と考えられており、圧縮比を高くして希薄燃焼させることによって熱効率が向上する。
更に、火花点火式のエンジンでは、特に部分負荷時の火炎温度低下、サイクル効率向上、ポンピング損失低下などにより排ガス対策、燃費改善に有力である希薄燃焼方式として、層状給気方式がある。層状給気方式とは、点火しやすい濃度の混合気を点火プラグの周りにつくり、その外側に希薄領域を形成するように構成し、まず濃い混合気に点火し、その火炎により希薄混合気の部分も燃焼させ、全体として希薄混合気を燃焼させる方式である。
この層状給気方式の燃焼室構造の一例として、燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備え、燃料の燃焼室内噴出により、特に点火プラグ付近に可燃混合気を形成し安定燃焼させるものがある。
【0004】
また、ディーゼルエンジンは、燃料を高圧で噴出する燃料噴射装置により、燃料を上死点付近で噴射して自然着火させるように構成され、火花点火式のエンジンのように火炎伝播の圧力上昇によるノッキングの発生がなく、圧縮比を高くして熱効率の向上を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、燃料を燃焼室に直接噴射し、例えば層状給気方式を採用して、効率の向上を図ろうとする場合、燃焼室内に燃料を加圧して噴射するための燃料噴射弁を備える必要がある。更に、燃料が天然ガスなどの気体燃料の場合、この気体燃料を加圧して燃焼室に直接噴射するのは困難であり、複雑な構造で高価な燃料噴射弁を必要とする。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、燃料を高圧で噴射するための複雑で高価な燃料噴射弁などを必要とせずに、高圧縮比で高効率なエンジンの提供にあり、特に、天然ガスのような気体燃料を使用するエンジンにも適用可能な高効率エンジンの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に係る発明の特徴構成は、主燃焼室において燃料と酸素含有ガスとを上面に滑らかな凹部を有するピストンによって圧縮して燃焼させ、前記ピストンをシリンダ内で往復作動させ、クランク軸の回転を維持するエンジンであって、
前記主燃焼室の混合気に着火する主室着火手段を設け、前記主燃焼室に絞り孔を介して連通する副室を設け、前記副室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記副室の混合気に着火する副室着火手段とを設けるとともに、前記絞り孔の最小直径が、1.7mm〜0.2mmに設定され、前記絞り孔が、前記副室における燃焼により得られる圧力波の伝播によって前記副室における未燃焼燃料の前記主燃焼室への噴出を許容し、かつ、前記副室における燃焼火炎の前記主燃焼室への噴出を阻止し、前記絞り孔が、前記主燃焼室において、前記主室着火手段の方向へ傾斜する方向に開口され、前記未燃焼燃料が、前記ピストンの前記凹部に沿って前記主室着火手段の方向へ導かれる点にある。
【0008】
まず、主燃焼室や副室の圧力が未だ低圧状態のとき、つまり、4サイクルエンジンであれば、吸気行程もしくは圧縮行程の初期に、また、2サイクルエンジンであれば、掃気行程もしくは圧縮行程の初期において、前記燃料供給手段により燃料が副室に低圧で供給される。
このようにして副室に供給された燃料は、その副室において、4サイクルエンジンであれば吸気行程に、また、2サイクルエンジンであれば掃気行程に吸入された酸素含有ガスの一例である空気と混合され、更に、その後の圧縮行程において、絞り孔を介して副室に流入した空気とも混合され、同時に、主燃焼室においては、吸入された空気が圧縮される。その後、副室着火手段によって副室の混合気に着火して燃焼させることにより、副室の圧力が急速に上昇する。
【0009】
すると、前記絞り孔が、副室における燃焼で得られる圧力波の伝播によって副室における未燃焼燃料の主燃焼室への噴出を許容し、かつ、副室における燃焼火炎の主燃焼室への噴出を阻止するように構成されているので、副室の未燃焼燃料が、高圧の状態で絞り孔を介して主燃焼室へ勢い良く噴出される。この主燃焼室へ噴出された未燃焼燃料は、主燃焼室の空気と反応し、その当量比が燃焼上限界以上であれば、主燃焼室の空気と反応して燃焼することになり、いわゆるディーゼルサイクル(定圧サイクル)に近い燃焼となる。
【0010】
したがって、従来のディーゼルエンジンのような複雑で高価な燃料噴射装置や、燃料を燃焼室に直接噴射する層状給気方式における燃料噴射弁などを必要とせずに、副室での圧力上昇を利用して、燃料を確実に主燃焼室へ供給することができ、その燃料がたとえ気体燃料であっても、ディーゼルサイクルに近い燃焼を実現して高効率化を図ることができる。
その上、例えば、当量比を0.2〜1.0と大幅に変化させても、好ましい状態で完全燃焼させることができ、例えば、全体的に混合気の当量比を0.35程度の希薄に設定しても、燃料を好ましい状態で完全燃焼させることができるため、比熱比が高く高効率になるとともに、未燃成分の排出を低減することができ、更に、ノッキングの発生を防止できるので、圧縮比を高く設定してエンジンの効率を一層向上することができる。
さらに、絞り孔を介して副室から勢い良く噴出された未燃焼燃料は、上面に滑らかな凹部を有するピストンが上昇することにより、その凹部に沿って主室着火手段の方へ送られることになり、主燃焼室においては、濃度の異なる混合気が送り込まれる、いわゆる層状給気の状態となり、全体として希薄燃焼が可能となって低NOx化などを図ることができるとともに、その主室着火手段の方へ送られた未燃焼燃料に対して主室着火手段により着火されるので、主燃焼室における着火も確実に行われる。
【0011】
請求項2に係る発明の特徴構成は、上記請求項1に係る発明の特徴構成に加え、前記絞り孔が、前記主燃焼室において、前記ピストンの作動方向に対して旋回方向に開口されている点にある。
【0012】
したがって、絞り孔を介して副室から勢い良く噴出された未燃焼燃料は、ピストンの作動方向の周りを旋回することになり、主燃焼室において、未燃焼燃料と酸素含有ガスとの混合が促進されて、確実な燃焼が可能となる。
【0013】
請求項3に係る発明の特徴構成は、上記請求項1又は2に係る発明の特徴構成に加え、前記燃料が、天然ガスである点にある。
【0014】
したがって、燃料として天然ガスを使用しながら、上述したように複雑で高価な燃料噴射装置を必要とせずに、燃料を確実に主燃焼室へ供給することができるとともに、副室における燃焼火炎の主燃焼室への噴出を確実に阻止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明によるエンジンの実施の形態を図面に基づいて説明する。
このエンジン100は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に収容されてシリンダ1と共に主燃焼室2を形成するピストン3とを備え、ピストン3には、ピストンピン4によって連接棒5が接続され、その連接棒5を介して、前記ピストン3が、クランク軸6に連動連結されている。
【0016】
このエンジン100は、吸気路7を開閉する吸気弁8と排気路9を開閉する排気弁10とを備え、吸気弁8と排気弁10を開閉動作させながら、吸気路7から主燃焼室2内に酸素含有ガスとしての空気Aを取り込み、主燃焼室2において吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を実行して、ピストン3をシリンダ1内において矢印Lで示す方向に往復作動させ、その往復作動をクランク軸6の回転運動に変えて出力するもので、かかる構成は、通常の4サイクルエンジンと変わるところはない。
【0017】
このエンジン100のシリンダヘッド11には、副室12を備えた副室部材13が設けられ、副室12に連通する絞り孔14が主燃焼室2に開口する状態でシリンダヘッド11に取付けられている。
エンジン100は、燃料Gとしてメタンを主成分とする天然ガスを使用し、その燃料Gを副室12に供給する燃料供給手段としての燃料供給弁15が、前記副室部材13に取付けられ、かつ、副室部材13には、副室着火手段としての副室点火プラグ16も取付けられ、更に、主燃焼室2には、主室着火手段としての主室点火プラグ17が設けられている。
【0018】
前記絞り孔14は、その直径が1.7mm〜0.2mmに設定されていて、副室12における燃焼により得られる圧力波の伝播によって、副室12における未燃焼の燃料G、つまり、メタンを主成分とする天然ガスの主燃焼室2への噴出を許容し、かつ、副室12における燃焼火炎の主燃焼室2への噴出を阻止するように構成されている。
そして、前記絞り孔14は、シリンダ1の軸心から外れた位置で、かつ、斜めに向けて設けられ、後に詳しく説明するように、主燃焼室2において、主室点火プラグ17の方向へ傾斜するように開口されている。
【0019】
つぎに、エンジン100の1サイクルにおける動作を図2のタイムチャートに基づいて説明する。
なお、この図2のタイムチャートにおいて、TDCは、ピストン3の上死点におけるクランク軸6の回転角であり、BDCは、ピストン3の下死点におけるクランク軸6の回転角である。
【0020】
まず、ピストン3が上死点に至る直前に吸気弁8が開かれ、ピストン3の下降に伴って、吸気路7から主燃焼室2に空気Aが吸引され、ピストン3が下死点を越えて上昇しはじめた直後に、吸気弁8が閉じられる。
このピストン3の上昇時には排気弁10が閉じられており、ピストン3の上昇に伴って主燃焼室2の空気Aが圧縮され、その圧縮された空気Aの一部が、絞り孔14を介して副室12に供給されるとともに、ピストン3が上昇しはじめた直後、つまり、圧縮行程の初期段階において、前記燃料供給弁15が開かれる。
このように、主燃焼室2や副室12が低圧の圧縮行程の初期段階に燃料供給弁15が開かれて燃料Gが供給されるので、燃料Gのガス圧によって、燃料Gを副室12に供給することができる。
【0021】
この副室12への燃料Gの供給により、副室12における混合気の当量比が、0.65〜1.2の可燃範囲内になるように設定されており、その状態で、ピストン3が上死点に至る直前に副室点火プラグ16が作動されるので、副室12における混合気への着火は確実に行われる。
その着火によって混合気の一部が燃焼すると、その燃焼によって副室12の圧力が急速に上昇し、その圧力波の伝播によって、副室12における混合気、つまり、未燃焼の燃料Gが、絞り孔14を介して主燃焼室2に高圧で勢い良く噴出され、かつ、副室12における燃焼火炎は、絞り孔14によって主燃焼室2への噴出が阻止される。
【0022】
この未燃焼燃料Gの主燃焼室2への噴出に際し、前記絞り孔14が、シリンダ1の軸心から外れた位置で斜めに向けて設けられ、絞り孔14が主室点火プラグ17の方向へ傾斜するように開口されているので、噴出された未燃焼燃料Gは、上昇するピストン3との協働作用によって、図1において点線で示すように、主室点火プラグ17の方へと強制的に送られ、その後、主室点火プラグ17の作動で着火され、主燃焼室2で燃焼する。
このようにして、絞り孔14からの未燃焼燃料Gは、勢い良く噴出されて主室点火プラグ17の方へと送られるので、主燃焼室2は、濃度の異なる混合気を送り込む、いわゆる層状給気の状態となる。そして、主室点火プラグ17の周辺領域に点火しやすい濃度の混合気が送り込まれた時点で着火するので、主室点火プラグ17による着火が確実となり、その火炎によって周囲の希薄混合気を燃焼させることになり、全体として希薄燃焼が可能となって低NOx化を図ることができる。
【0023】
更に、このような燃焼は、いわゆるディーゼルサイクル(定圧サイクル)に近い状態であり、主燃焼室2において混合気を圧縮するのではなくて空気Aを圧縮することになるので、ノッキングを抑制することができ、エンジンの圧縮比を高く設定して、効率の向上を図ることができる。
そして、1サイクルで燃焼させる燃料Gと空気Aの混合気の当量比を0.35程度の超希薄状態にしてエンジン100を運転することができるので、CO、HC、NOxなどの排出を低減させることができる。
【0024】
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、4サイクルエンジン100を例にして説明したが、2サイクルエンジンに適用することもでき、その実施の形態を示したのが図3である。
この図3に示す2サイクルエンジン200も、シリンダ1と、シリンダ1内に収容されてシリンダ1と共に主燃焼室2を形成するピストン3とを備え、ピストン3には、ピストンピン4によって連接棒5が接続され、その連接棒5を介して、前記ピストン3が、クランク軸6に連動連結されている。
【0025】
この2サイクルエンジン200は、クランク室18に連通し、かつ、ピストン3によって開閉される吸気ポート19と排気ポート20、ならびに、クランク室18と主燃焼室2とを連通し、かつ、ピストン3によって開閉される掃気ポート21を備え、吸気ポート19からクランク室18に吸引された酸素含有ガスとしての空気Aを掃気ポート21から主燃焼室2内に取り込み、主燃焼室2において、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を実行して、ピストン3をシリンダ1内において矢印Lで示す方向に往復作動させ、その往復作動をクランク軸6の回転運動に変えて出力するように構成されている。
【0026】
このエンジン200のシリンダヘッド11にも、副室12を備えた副室部材13が設けられ、副室12に連通する絞り孔14が主燃焼室2に開口する状態でシリンダヘッド11に取付けられるとともに、燃料Gとしてのメタンを主成分とする天然ガスを副室12に供給する燃料供給手段としての燃料供給弁15と副室着火手段としての副室点火プラグ16とが、副室部材13に取付けられている。
この絞り孔14も、先の実施形態と同様に、その直径が1.7mm〜0.2mmに設定されていて、副室12における燃焼により得られる圧力波の伝播によって、副室12における未燃焼の燃料Gの主燃焼室2への噴出を許容して、副室12における燃焼火炎の主燃焼室2への噴出を阻止するように構成されるとともに、シリンダ1の軸心から外れた位置で、かつ、斜めに向けて設けられ、主燃焼室2において、主燃焼室2に設けられた主室着火手段としての主室点火プラグ17の方向へ傾斜するように開口されている。
【0027】
この2サイクルエンジン200においては、ピストン3が上死点から下降するのに伴って、まず、排気ポート20が開かれ、その後、掃気ポート21も開かれて、掃気ポート21からの空気Aの送り込みによって、主燃焼室2の排ガスが排気ポート20から押出されて掃気が行われると同時に、主燃焼室2に空気Aが供給される。
ピストン3が下死点を越えて上昇すると、まず、掃気ポート21が、その後に、排気ポート20が閉じられ、ピストン3の上昇に伴って、主燃焼室2の空気Aが圧縮され、圧縮された空気Aの一部が、絞り孔14を介して副室12内に供給される。この圧縮行程の初期段階、つまり、主燃焼室2や副室12が低圧の状態で、燃料供給弁15が開かれて燃料Gが供給されるので、燃料Gのガス圧によって、燃料Gを副室12に供給することができる。
【0028】
この2サイクルエンジン200でも、副室12における混合気の当量比が、0.65〜1.2の可燃範囲内になるように設定されており、ピストン3が上死点に至る直前に副室点火プラグ16が作動されるので、副室12における混合気への着火は確実に行われ、副室12内の混合気の一部が燃焼すると、混合気副室12の圧力上昇に伴って、混合気副室12内の混合気、つまり、未燃焼の燃料Gが、絞り孔14から高圧で勢い良く噴出され、先の実施形態と同様に、上昇するピストン3との協働作用によって、図3において点線で示すように、主室点火プラグ17の方に送られて着火される。
この燃焼もディーゼルサイクルに近い状態であり、主燃焼室2において空気Aのみを圧縮するので、ノッキングを抑制し、かつ、エンジンの圧縮比を高く設定して、効率の向上を図ることができるとともに、燃料Gと空気Aの混合気の当量比を0.35程度の超希薄状態にしてエンジン200を運転することができるので、CO、HC、NOxなどの排出を低減させることができる。
【0029】
(2)これまでの実施形態では、絞り孔14の直径をその全長にわたって、1.7mm〜0.2mmに設定した例を示したが、絞り孔14の最小直径のみを1.7mm〜0.2mmに設定して、その最小直径部分によって、未燃焼の燃料Gの主燃焼室2への噴出を許容し、燃焼火炎の主燃焼室2への噴出を阻止するように構成することもできる。
【0030】
(3)その絞り孔14の配設に関しても、主燃焼室2において、必ずしも主室点火プラグ17の方向へ傾斜するように開口させる必要はないし、その他、種々の構成に変更して実施することができる。
例えば、主燃焼室2において、ピストン3の作動方向Lに対して旋回方向に向けて開口させることもでき、その場合には、絞り孔14から噴出された未燃焼燃料Gが、ピストン3の作動方向Lの周りを旋回することになって、主燃焼室2における空気Aと未燃焼燃料Gとの混合が促進される。
更に、絞り孔14の配設とピストン3の上面形状とによって、絞り孔14から噴出された未燃焼燃料Gが、ピストン3の上昇に伴って、ピストン3の作動方向L周りを旋回しながら主室点火プラグ17の方へと強制的に送られるように構成することもできる。
【0031】
(4)燃料Gに関しても、メタンを主成分とする天然ガスに限るものではなく、水素、プロパン、ブタンなどの各種の気体燃料を使用したり、気体燃料以外の燃料、例えば、ガソリン、軽油、重油、エタノール、メタノールなどの液体燃料を使用することもでき、また、主燃焼室2に供給する酸素含有ガスについても、空気A以外に、酸素成分含有量が空気よりも高い酸素富化ガスなどを使用することができる。
【0032】
(5)これまでの実施形態では、主燃焼室2に主室点火プラグ17を設け、その主室点火プラグ17によって主燃焼室2内の混合気に着火する構成を示したが、主室点火プラグ17を無くし、副室点火プラグ16のみを設けて、副室12内の混合気を高圧状態で主燃焼室2内へ噴出させ、主燃焼室2内の空気Aと反応させて燃焼させる、いわゆるディーゼルエンジンに近い構成にして実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるエンジンの実施の形態を示す概略構成図
【図2】 図1に示すエンジンの動作タイミングを示すタイムチャート
【図3】 本発明によるエンジンの別の実施形態を示す概略構成図
【符号の説明】
1 シリンダ
2 主燃焼室
3 ピストン
6 クランク軸
12 副室
14 絞り孔
15 燃料供給手段
16 副室着火手段
17 主室着火手段
100,200 エンジン
A 酸素含有ガス
G 燃料
L ピストンの作動方向
Claims (3)
- 主燃焼室において燃料と酸素含有ガスとを上面に滑らかな凹部を有するピストンによって圧縮して燃焼させ、前記ピストンをシリンダ内で往復作動させ、クランク軸の回転を維持するエンジンであって、
前記主燃焼室の混合気に着火する主室着火手段を設け、
前記主燃焼室に絞り孔を介して連通する副室を設け、
前記副室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記副室の混合気に着火する副室着火手段とを設けるとともに、
前記絞り孔の最小直径が、1.7mm〜0.2mmに設定され、
前記絞り孔が、前記副室における燃焼により得られる圧力波の伝播によって前記副室における未燃焼燃料の前記主燃焼室への噴出を許容し、かつ、前記副室における燃焼火炎の前記主燃焼室への噴出を阻止し、
前記絞り孔が、前記主燃焼室において、前記主室着火手段の方向へ傾斜する方向に開口され、
前記未燃焼燃料が、前記ピストンの前記凹部に沿って前記主室着火手段の方向へ導かれるエンジン。 - 前記絞り孔が、前記主燃焼室において、前記ピストンの作動方向に対して旋回方向に開口されている請求項1に記載のエンジン。
- 前記燃料が、天然ガスである請求項1又は2に記載のエンジン。
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