JP4085631B2 - 複合型ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電素子等のアクチュエータによりピストンあるいはダイヤフラムなどの可動壁を振動させることでポンプ室内の容積を変更し、吸入動作及び吐出動作を行なう複合型ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
一回のポンピングで吐出可能な量がポンプの排除体積量(可動壁の変位に伴い排除される体積量)で決まる、ダイヤフラムポンプに代表されるような可動壁を駆動する往復動ポンプは、吸入流量を増やし、吐出した流体体積をより短い時間で吸入させることで、ポンプの吸入吐出サイクル周波数を高くでき、高出力化を図ることが出来る。
【0003】
一方、吸入流量は、ポンプの吸入口側に配置した流体抵抗要素(弁、流体ダイオード、ディフューザー等)より上流と下流との圧力差に比例するが、流体抵抗要素より下流側のポンプ内部圧力は、キャビテーションの発生等があり絶対圧で0気圧以下に低下させるのは難しいため、吸入流量を増やすためには、流体抵抗要素より上流側を高圧にすることが、一般的に考えられてきた。そして、従来は、流体抵抗要素より上流側の圧力を上昇させるため、上流側の流路全体に高圧を加えていた。
また、日本機械学会論文集(C編)59巻564号213ページの「圧電素子を動力源とする油圧式アクチュエータに関する研究」(先願技術と称する)には、ポンプの吸入部に共振管路を接続し、この共振管路内で大振幅の圧力波を発生させることで、吸入部に配置した流体抵抗要素より上流の圧力を上昇させて吸入流量を増大し、ポンプの高出力化を図ることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上流側の流路全体に高圧を加える方法は、圧力発生器が必要になるため、また、上流側流路全体が高圧に耐えるように設計する必要があるため、ポンプが大型化するという課題がある。
また、上述した先願技術は、流体抵抗要素より上流の圧力を上昇させるために、共振管路の材質や管路長を変えて目標とするポンプの駆動周波数に最適な共振周波数が発生するようにしており、一旦共振管路を接続した後は、ポンプの駆動周波数を自由に変更することができないという課題がある。また、管路長が長くなるためポンプの小型化が図れないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化を図るとともに、ポンプ吸入口に配置した流体抵抗要素の上流と下流の圧力差を増大させることで吸入流量を増大させて高出力化を図ることができ、しかも、ポンプ駆動周波数も自由に変更することができる複合型ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1請求項に記載の発明は、ピストン或いはダイヤフラム等の可動壁を往復動作させる駆動部と、前記可動壁の往復動作により容積が変更可能となるポンプ室と、このポンプ室へ動作流体が流入するポンプ吸入口と、前記ポンプ室から動作流体が流出するポンプ吐出口と、前記ポンプ吸入口に設けた流体抵抗要素とを備えたポンプを、少なくとも3以上配置してなる複合型ポンプであって、一つの吸入流路を有し、この吸入流路に動作流体を外部から流入させる外部流入口を接続し、各ポンプのポンプ吸入口を、前記吸入流路内の互いに離れた位置で前記外部流入口を囲む位置に接続し、各ポンプの駆動部を、一定の方向に順番に位相差を付けて駆動させ、各ポンプのポンプ吸入口を、各ポンプの駆動部を駆動させる一定の駆動方向に対して逆側に向かう方向に向かって斜めに形成しており、それらポンプ吸入口の複合ポンプ室側で開口している開口部が、吸入流路側で開口している開口部よりも、前記逆側に向かう方向の前方に位置している複合型ポンプである。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の複合型ポンプにおいて、前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口が接続している位置を中心として略等距離の位置とした。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の複合型ポンプにおいて、前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口が接続している位置を中心とした所定半径の円周上で略等間隔の位置とした。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の複合型ポンプにおいて、前記吸入流路の略中央位置に前記外部流入口を接続するとともに、前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口から離れた前記吸入流路の縁部とした。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の複合型ポンプにおいて、前記吸入流路を略円盤形状の空間として形成した。
【0009】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の複合型ポンプにおいて、前記吸入流路の内部の互いに対向する一対の対向壁の一方に前記外部流入口を接続し、前記一対の対向壁の他方に前記各ポンプのポンプ吸入口を接続した。
また、請求項7記載の発明は、請求項5記載の複合型ポンプにおいて、前記吸入流路の内部の互いに対向する一対の対向壁の一方に前記外部流入口を接続し、前記一対の対向壁の間に設けた周壁に前記各ポンプのポンプ吸入口を接続した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、図1は、圧電素子を駆動源とした一般的なポンプ2の構造を縦断面で示すものであり、円筒形状のケース4内の底部に圧電素子6を配置し、圧電素子6の上部に積層した状態で円形のダイヤフラム8を配置している。ダイヤフラム8は、外周縁がケース4の内壁に固定支持されて弾性変形自在となっている。
【0012】
ダイヤフラム8とケース4の上壁との間の狭い空間がポンプ室10であり、このポンプ室10に向けて、吸入側逆止弁12を設けたポンプ吸入口14と、吐出側逆止弁16を設けたポンプ吐出口18とが開口している。ここで、吸入側逆止弁12が、本発明の流体抵抗要素に相当する。
このポンプ2の動作は、圧電素子6に交流電圧が供給されることによってダイヤフラム8が振動し、図1においてダイヤフラム8が下方に変位すると、ポンプ室10内圧力が吸入側逆止弁12より上流の圧力より低くなるので、吐出側逆止弁16が閉止状態、吸入側逆止弁12が開放状態の吸入行程となって動作流体がポンプ吸入口14からポンプ室10内に流入する。図1においてダイヤフラム8が上方に変位すると、ポンプ室10内圧力が吐出側逆止弁16より下流の圧力より高くなるので、吸入側逆止弁12が閉止状態、吐出側逆止弁16が開放状態の吐出行程となってポンプ室10内の動作流体がポンプ吐出口18から流出する。
【0013】
次に、図2から図4に示すものは、図1のポンプ2を基本構成とした3つのポンプ2A,2B,2Cを使用した本発明に係る参考例1の複合型ポンプ20を示すものである。図2は、本参考例の複合型ポンプ20を平面視で模式的に示した図であり、図3は、図2の複合型ポンプ20をIII−III矢視の断面で示した図である。ここで、図2の白抜きの丸(○印)が本参考例のポンプ吸入口を示し、黒丸(●印)が本参考例のポンプ吐出口を示している。
【0014】
参考例の複合型ポンプ20は、底中央から壁22aが立ち上がることで画成されているケース22内の空間の底部に、平面視で所定の円周上で等間隔となるように3つの圧電素子6a,6b,6c(圧電素子6cは図示せず)が配置され、各圧電素子6a,6b,6cの上部に円形のダイヤフラム8a,8b,8cが配置されている。
各ダイヤフラム8a,8b,8cは、外周縁がケース22の内壁に固定され、内周円が円筒壁22aに支持されて弾性変形自在となっている。各圧電素子6a,6b,6cには、所定のタイミングで交流電圧を供給する駆動制御部30が接続されている。
【0015】
各ダイヤフラム8a,8b,8cとケース22の上壁とで囲まれたそれぞれの空間が、本参考例のポンプ室28a,28b,28cである。そして、本参考例の第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cは、円弧状に配置されている。
また、ケース22内に、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cの各ポンプ吸入口14a,14b,14c及び各ポンプ吐出口18a,18b,18cが、ダイヤフラム8a,8b,8cに直交する方向に延在しながら各ポンプ室28a,28b,28cに向けて開口している。
【0016】
各ポンプ吸入口14a,14b,14cの各ポンプ室28a,28b,28c側の開口部には、それぞれ吸入側逆止弁12a,12b,12c(吸入側逆止弁12cは図示せず)が設けられ、各ポンプ吐出口18a,18b,18cの各ポンプ室28a,28b,28c側の開口部にも、吐出側逆止弁16a,16b,16c(吐出側逆止弁16cは図示せず)が設けられている。
ケース22内に設けた一つの吸入流路24には、外部から動作流体を流入させる外部流入口26が設けられている。そして、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cは、互いに離れた位置で外部流入口26を囲む位置、即ち、外部流入口を含む直線を引いて吸入流路を2つの領域に分割した時には、そのどちらの領域にも、少なくとも1つのポンプ吸入口が存在している関係の位置で、吸入流路24に連通している。 図2に示すように、本実施例では、前記吸入流路24は、平面視において円形状の内周壁24aを設けた略円盤形状の空間であり、この吸入流路24の中心に、外部流入口26が設けられている。
【0017】
ここで、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cは、外部流入口26の中心位置からほぼ等しい距離で前記内周壁24aの近傍に設けられている。また、ポンプ吸入口14a,14b,14c同士は、外部流入口26を中心として約120°の角度をあけて配置することで円周方向にほぼ等距離に設けられている。
次に、本参考例の複合型ポンプ20の制御及び吸入流路24内に存在する動作流体の動きについて図2、図4、図5、図6を参照して説明する。
【0018】
複合型ポンプ20の駆動を停止している状態を初期状態とし、この初期状態から駆動制御部30は、120度の位相差をつけた制御タイミングで、圧電素子6a,6b,6cの順で交流電圧の供給を開始し、その結果、第1ポンプ2A、次に第2ポンプ2B、次に第3ポンプ2Cの駆動が始まる(図2において右回りのポンプの駆動順番)。
初期状態から、第1ポンプ2Aが吸入行程を開始すると、図4に示すように、吸入流路24内では、第2ポンプ2B、第3ポンプ2Cのポンプ吸入口14b,14c側、及び、外部吸入口26側の動作流体がポンプ吸入口14aに流入する。
【0019】
次に、第1ポンプ2Aから120度の位相差がついて第2ポンプ2Bの吸入行程が開始すると、まだ第1ポンプ2Aのポンプ吸入口14aへの動作流体の流れが残っているため、その慣性により、第1ポンプ2Aのポンプ吸入口14a側から第2ポンプ2Bのポンプ吸入口14bへの動作流体が流入しにくくなり、相対的に第3ポンプ2Cのポンプ吸入口14c側から第2ポンプ2Bのポンプ吸入口14bへの動作流体の流れが強くなる。
【0020】
次に、第2ポンプ2Bから120度の位相差がついて第3ポンプ2Cの吸入行程が開始すると、まだ第2ポンプ2Bのポンプ吸入口14bへの動作流体の流れが残っているため、その慣性により、第2ポンプ2Bのポンプ吸入口14b側から第3ポンプ2Cのポンプ吸入口14cへの動作流体が流入しにくくなり、相対的に第1ポンプ2Aのポンプ吸入口14a側から第3ポンプ2Cのポンプ吸入口14cへの動作流体の流れが強くなる。
【0021】
このようにして、吸入流路24内の流れは方向性を持つようになり、更に第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cの駆動を繰り返すと、図2で示す矢印のように、吸入流路24内に左回りの旋回流が発生する。
この旋回流は、動作流体に加わる遠心力と釣り合うように、径方向の外方に向けて正の圧力勾配を持つ。したがって、本参考例のように吸入流路24の中心に外部流入口26を設け、それよりも大きな半径の領域に、吸入側逆止弁12a,12b,12cを設けると、各吸入逆止弁の上流側圧力が上昇し、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流と下流の圧力差が増大する。
【0022】
したがって、本参考例の複合型ポンプ20は、吸入流量が増加し、吸入吐出サイクル周波数を高くできるので、高出力化を実現することができる。
また、高出力化を図るために従来のポンプのような共振管路等の接続が不要となるので、小型化を図れると伴に、ポンプの駆動周波数を自由に変更できる複合型ポンプ20とすることができる。
また、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cが外部流入口26の中心位置から等しい距離で吸入流路24に開口している本参考例の複合型ポンプ20は、例えば、図7に示すように、ポンプ吸入口32a,32b,32cがそれぞれ外部流入口26の中心位置から異なる距離で吸入流路24に開口している複合型ポンプと比較して、より流速の早い旋回流が吸入流路24内で生じ、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流側圧力をさらに上昇させることができる。したがって、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流と下流の圧力差をさらに増大させることができるので、複合型ポンプ20のさらなる高出力化を図ることができる。
【0023】
また、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cが外部流入口26を中心として等しい角度(120°の角度)で位置して吸入流路24に開口している本参考例の複合型ポンプ20は、例えば、図8に示すように、ポンプ吸入口32a,32b,32cがそれぞれ外部流入口26の中心から異なる角度で吸入流路24に開口している複合型ポンプと比較して、より流速の早い旋回流が吸入流路24内で生じ、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流側圧力をさらに上昇させることができる。したがって、複合型ポンプ20のさらなる高出力化を図ることができる。
【0024】
また、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cが吸入流路24の内周壁24a近傍で開口している本参考例の複合型ポンプ20は、例えば、図9に示すように、ポンプ吸入口32a,32b,32cがそれぞれ吸入流路24の内周壁24aから離れて外部吸入口26側に寄った位置で開口している複合型ポンプと比較して、旋回流が径方向の外方に向けて正の圧力勾配を持つため、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流側圧力をさらに上昇させることができる。したがって、複合型ポンプ20のさらなる高出力化を実現することができる。
【0025】
さらに、吸入流路24を平面視において円形空間とした本参考例の複合型ポンプ20は、例えば、図10に示すように、吸入流路34を平面視において略三角形状の空間とした複合型ポンプと比較して、動作流体の旋回流れに対する流体抵抗が小さく、流速の早い旋回流れが発生しやすい。したがって、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流側圧力をさらに上昇させることができるので、複合型ポンプ20のさらなる高出力化を実現することができる。
【0026】
次に、図11及び図12は、本発明に係る実施形態の複合型ポンプの要部を示すものである。
本実施形態は、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cの各ポンプ吸入口36a,36b,36cが、ダイヤフラム8a,8b,8cに直交する方向に延在せず、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cが駆動する順番の方向(以下、駆動順番方向と称する)に対して逆側に向かう方向に斜めに形成されており、各ポンプ吸入口36a,36b,36cの各ポンプ室28a,28b,28c側の開口部40が、吸入流路24側の開口部38より前記逆側に向かう方向の前方に位置している。
【0027】
上記構成によると、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cを順番に位相差をつけて駆動すると、図11で示す矢印(駆動順番方向に対して逆側に向かう方向)の旋回流が吸入流路24内で発生し、各ポンプの吸入行程では、旋回流の一部が吸入流路24側の開口部38に向かって流れるが、ポンプ吸入口をダイヤフラムと直交する方向に延在させた場合よりも、ポンプ吸入口への流入角度が小さく流体抵抗が少ないので、スムーズにポンプ吸入口36a,36b,36cを通過して各ポンプ室28a,28b,28c側の開口部40から各ポンプ室28a,28b,28cに順次流れ込むため、吸入流量が増加し、さらに複合型ポンプの高出力化を実現することができる。
【0028】
また、図13は、本発明に係る参考例2の複合型ポンプ50を示すものである。なお、参考例1と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
参考例の複合型ポンプ50は、円筒形状のケース52の内周面52aに、周方向にほぼ等間隔となるように3つの圧電素子6a,6b,6c(圧電素子6cは図示せず)が配置され、各圧電素子6a,6b,6cより内周側にダイヤフラム8a,8b,8c(ダイアフラム8cは図示せず)が配置されている。
【0029】
各ダイヤフラム8a,8b,8cとケース52の内周部とで囲まれた空間が、本実施形態のポンプ室54a,54b,54c(ポンプ室54cは図示せず)である。また、ケース52内に、第1〜第3ポンプ2A,2B,2C(第3ポンプ2Cは図示せず)の各ポンプ吸入口14a,14b,14c(ポンプ吸入口14cは図示せず)及び各ポンプ吐出口18a,18b,18c(ポンプ吐出口18cは図示せず)が各ポンプ室54a,54b,54cに向けて開口している。
【0030】
また、ケース52内で、ダイヤフラム8a,8b,8cと直交する方向に設けた平面視円形の一つの吸入流路56には、外部から動作流体を流入させる外部流入口58が設けられている。そして、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口14a,14b,14cは、互いに離れた位置で外部流入口56を囲む位置で、この吸入流路56の内周面56aと連通している。そして、本実施例では、この吸入流路56の中心に、外部流入口58が設けられている。 ここで、ポンプ吸入口14a,14b,14cは、外部流入口58を中心とした半径方向に延在するようにケース52に設けられている。
【0031】
上記構成の複合型ポンプ50の第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cを順番に駆動すると、吸入流路56内に、ポンプの駆動順番に対して逆回りの旋回流が発生する。
この旋回流は、動作流体に加わる遠心力と釣り合うように、径方向の外方に向けて正の圧力勾配を持つので、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流側圧力が上昇し、吸入側逆止弁12a,12b,12cの上流と下流の圧力差が増大する。
【0032】
したがって、本参考例の複合型ポンプ50も、吸入流量が増加し、吸入吐出サイクル周波数を高くできるので、高出力化を実現することができるとともに、従来のポンプのような圧力発生器や共振管路等の接続が不要となるので、小型化が図れ、更に、ポンプの駆動周波数を自由に変更することができる。
さらに、図14は、図13で示した参考例2の変形例を示すものである。
変形例は、吸入流路56の内周面56aに設けた第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cのポンプ吸入口60a,60b,60cには、吸入流路56側で開口する開口部62と、各ポンプ室54a,54b,54c側で開口する開口部64が設けられているが、吸入流路56側の開口部62が、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cの駆動順番方向に対して逆側に向かう方向の前方に位置し、各ポンプ室54a,54b,54c側の開口部64が、前記逆側に向かう方向の後方に設けられている。
【0033】
上記構成によると、第1〜第3ポンプ2A,2B,2Cを順番に位相差をつけて駆動すると、図14で示す吸入流路56内の矢印(駆動順番方向に対して逆側に向かう方向)の旋回流が吸入流路56内で発生し、各ポンプの吸入行程では、旋回流の一部が吸入流路56側の開口部62に向かって流れるが、外部流入口を中心とした半径方向にポンプ吸入口を延在させた場合よりも、ポンプ吸入口への流入角度が小さく流体抵抗が少ないので、スムーズにポンプ吸入口60a,60b,60cを通過して各ポンプ室54a,54b,54c側の開口部64から各ポンプ室54a,54b,54cに順次流れ込むため、吸入流量が増加し、さらに複合型ポンプの高出力化を実現することができる。
【0034】
なお、上述した各実施形態では、3つのポンプ2A,2B,2Cを使用した複合型ポンプについて説明したが、本発明の要旨が3つのポンプを使用することに限定されるものではなく、4以上のポンプを使用しても、同様の作用効果を奏することができる。
また、本発明の要旨が逆止弁に限定されるものではなく、流体ダイオード、ディフューザー等の流体抵抗要素を使用しても、同様の効果を奏することができる。
【0035】
さらに、本発明の要旨が駆動源として圧電素子に限定されるものではなく、電磁モータ等他のアクチュエータを使用しても、同様の効果を奏することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の複合ポンプによると、少なくとも3以上の各ポンプの駆動部を、一定の方向に順番に位相差をつけて駆動すると、吸入流路内に、前記一定の方向に対して逆回りの旋回流が発生する。この旋回流は、動作流体に加わる遠心力と釣り合うように、径方向の外方に向けて正の圧力勾配を持つ。したがって、各ポンプのポンプ吸入口の複合ポンプ室側に設けた流体抵抗要素の上流側、すなわち吸入流路側の圧力が上昇し、流体抵抗要素の上流(吸入流路側)と下流(ポンプ室)の圧力差が増大する。これにより、吸入流量が増加し、吸入吐出サイクル周波数を高くできるので、複合ポンプの高出力化を実現することができる。また、高出力化を図るために従来のポンプのような圧力発生器や共振管路等の接続が不要となるので、小型化を図れると伴に、ポンプの駆動周波数を自由に変更可能な複合型ポンプとすることができる。また、各ポンプのポンプ吸入口を、各ポンプの駆動部を駆動させる一定の駆動方向に対して逆側に向かう方向に向かって斜めに形成し、それらポンプ吸入口の複合ポンプ室側で開口している開口部が、吸入流路側で開口している開口部よりも、前記逆側に向かう方向の前方に位置していることから、前記逆側に向かう方向の旋回流が吸入流路内で発生すると、少ない流体抵抗で、吸入流路側の開口部から複合ポンプ室に流れ込むので、吸入流量が増加し、さらに複合型ポンプの高出力化を実現することができる。
【0037】
また、請求項2記載の発明によると、各ポンプのポンプ吸入口が吸入流路に接続している位置を、外部流入口が接続している位置を中心として略等距離の位置としたことから、より流速の早い旋回流が吸入流路内で生じ、流体抵抗要素より上流(吸入流路側)の圧力をさらに上昇させることができる。したがって、流体抵抗要素の上流と下流の圧力差をさらに増大させることができるので、さらに複合型ポンプの高出力化を図ることができる。
【0038】
また、請求項3記載の発明によると、各ポンプのポンプ吸入口が吸入流路に接続している位置を、外部流入口が接続している位置を中心とした所定半径の円周上で略等間隔の位置としたことで、より流速の早い旋回流が吸入流路内で生じ、さらに複合型ポンプの高出力化を図ることができる。
また、請求項4記載の発明によると、吸入流路の略中央位置に外部流入口を接続するとともに、各ポンプのポンプ吸入口が吸入流路に接続している位置を、外部流入口から離れた吸入流路の縁部としたことで、旋回流は径方向の外方に向けて正の圧力勾配を持つので、流体抵抗要素より上流(吸入流路側)の圧力をさらに上昇させることができ、さらに複合型ポンプの高出力化を実現することができる。
【0039】
また、請求項5、6、7記載の発明によると、吸入流路を略円盤形状の空間として形成したことから、動作流体の旋回流れに対する流体抵抗が小さくなり、流速の早い旋回流れが発生しやすくなる、したがって、流体抵抗要素より上流(吸入流路側)の圧力をさらに上昇させることができ、さらに複合型ポンプの高出力化を実現することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 アクチュエータとして圧電素子を使用した一般的なポンプの構造を示す縦断面である。
【図2】 本発明に係る参考例1の複合型ポンプを平面視で模式的に示した図である。
【図3】 図2のIII−III線矢視図である。
【図4】 参考例1の複合型ポンプの第1ポンプを駆動した状態を示す模式図である。
【図5】 参考例1の複合型ポンプの第1ポンプから120°の位相差をつけて、第2ポンプを駆動した状態を示す模式図である。
【図6】 参考例1の複合型ポンプの第1ポンプ及び第2ポンプから120°の位相差をつけて、第3ポンプを駆動した状態を示す模式図である。
【図7】 参考例1の複合型ポンプと構成が異なる第1の例を示す模式図である。
【図8】 参考例1の複合型ポンプと構成が異なる第2の例を示す模式図である。
【図9】 参考例1の複合型ポンプと構成が異なる第3の例を示す模式図である。
【図10】 参考例1の複合型ポンプと構成が異なる第4の例を示す模式図である。
【図11】 本発明に係る第実施形態の複合型ポンプの要部を示す図である。
【図12】 第実施形態の複合型ポンプにおける旋回流の発生状態を示す図である。
【図13】 本発明に係る参考例2の複合型ポンプの要部を示す図である。
【図14】 本発明に係る参考例2の変形例の複合型ポンプの要部を示す図である。

Claims (7)

  1. ピストン或いはダイヤフラム等の可動壁を往復動作させる駆動部と、前記可動壁の往復動作により容積が変更可能となるポンプ室と、このポンプ室へ動作流体が流入するポンプ吸入口と、前記ポンプ室から動作流体が流出するポンプ吐出口と、前記ポンプ吸入口に設けた流体抵抗要素とを備えたポンプを、少なくとも3以上配置してなる複合型ポンプであって、
    一つの吸入流路を有し、この吸入流路に動作流体を外部から流入させる外部流入口を接続し、各ポンプのポンプ吸入口を、前記吸入流路内の互いに離れた位置で前記外部流入口を囲む位置に接続し、各ポンプの駆動部を、一定の方向に順番に位相差をつけて駆動させ
    各ポンプのポンプ吸入口を、各ポンプの駆動部を駆動させる一定の駆動方向に対して逆側に向かう方向に向かって斜めに形成しており、それらポンプ吸入口の複合ポンプ室側で開口している開口部が、吸入流路側で開口している開口部よりも、前記逆側に向かう方向の前方に位置していることを特徴とする複合型ポンプ。
  2. 前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口が接続している位置を中心として距離の位置であることを特徴とする請求項1記載の複合型ポンプ。
  3. 前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口が接続している位置を中心とした所定半径の円周上で間隔の位置であることを特徴とする請求項1又は2記載の複合型ポンプ。
  4. 前記吸入流路の央位置に前記外部流入口を接続するとともに、前記各ポンプのポンプ吸入口が前記吸入流路に接続している位置は、前記外部流入口から離れた前記吸入流路の縁部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の複合型ポンプ。
  5. 前記吸入流路を盤形状の空間として形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の複合型ポンプ
  6. 前記吸入流路の内部の互いに対向する一対の対向壁の一方に前記外部流入口を接続し、前記一対の対向壁の他方に前記各ポンプのポンプ吸入口を接続したことを特徴とする請求項5記載の複合型ポンプ。
  7. 前記吸入流路の内部の互いに対向する一対の対向壁の一方に前記外部流入口を接続し、前記一対の対向壁の間に設けた周壁に前記各ポンプのポンプ吸入口を接続したことを特徴とする請求項5記載の複合型ポンプ。
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