JPH10238463A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JPH10238463A
JPH10238463A JP9041077A JP4107797A JPH10238463A JP H10238463 A JPH10238463 A JP H10238463A JP 9041077 A JP9041077 A JP 9041077A JP 4107797 A JP4107797 A JP 4107797A JP H10238463 A JPH10238463 A JP H10238463A
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JP
Japan
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suction
valve
passage
compressor
housing
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JP9041077A
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English (en)
Inventor
Kazuya Kimura
一哉 木村
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication of JPH10238463A publication Critical patent/JPH10238463A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
    • F04B39/0027Pulsation and noise damping means
    • F04B39/0055Pulsation and noise damping means with a special shape of fluid passage, e.g. bends, throttles, diameter changes, pipes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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    • F04B39/0055Pulsation and noise damping means with a special shape of fluid passage, e.g. bends, throttles, diameter changes, pipes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の大型化や吸入圧損の増大を招くこと
なく、簡単な構成で、吸入脈動に起因する高周波領域の
脈動成分をカットして、吸入配管や蒸発器で発生する騒
音を低減可能な圧縮機を提供する。 【解決手段】 バルブプレート14に吸入ポート14a
を形成し、その吸入ポート14aに吸入弁14cを開閉
可能に対向配置する。吸入ポート14aには所定の長さ
の筒状通路34を接続して、吸入ポート14aの通路長
を延長する。筒状通路34には、所定の容量を有する吸
入空間としての吸入室13aを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両空調
装置に使用される圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ピストンの往復動により、冷媒
ガスを圧縮するようにした圧縮機においては、バルブプ
レートに吸入ポート及び吐出ポートが形成され、それら
の吸入ポート及び吐出ポートに吸入弁及び吐出弁が開閉
可能に対向配置されている。そして、ピストンの往復動
に伴い、吸入ポートから吸入弁を押し開いてシリンダボ
ア内に冷媒ガスが吸入されるとともに、圧縮冷媒ガスが
吐出ポートから吐出弁を押し開いて吐出されるようにな
っている。
【0003】しかしながら、この種の圧縮機において
は、圧縮運転時に吸入弁の開放や振動等に起因して冷媒
ガスの吸入脈動が発生し、その吸入脈動が吸入配管を通
って蒸発器に伝達される。これにより、吸入配管自体や
蒸発器が振動して、騒音を発生するという問題があっ
た。
【0004】特に、通常、蒸発器は、車室内の前端部分
に配置されることが多い。ここで、高周波領域の脈動成
分が蒸発器に伝達されて振動が発生すると、車室内の騒
音レベルの大きな上昇を招きやすいという問題があっ
た。
【0005】このような問題点を解消するために、従来
の圧縮機においては、ハウジング内に大容量の吸入マフ
ラを区画形成したり、吸入配管上に大容量の配管マフラ
を接続したりしていた。そして、これらのマフラによ
り、吸入脈動を低減するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ハウジング
内に大容量の吸入マフラを区画形成した場合には、圧縮
機の外形が大型になるとともに、吸入圧損が大きくなる
という問題があった。また、吸入配管上に配管マフラを
接続した場合には、配管構成が複雑になるとともに、冷
凍回路全体の部品点数が増すという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、圧縮機の大型化や吸入圧損の増大を招く
ことなく、簡単な構成で、吸入脈動に起因する高周波領
域の脈動成分をカットすることができて、吸入配管や蒸
発器で発生する騒音を低減することができる圧縮機を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、バルブプレートに吸
入ポート及び吐出ポートを形成し、それらの吸入ポート
及び吐出ポートには吸入弁及び吐出弁を開閉可能に対向
配置し、ピストンの往復動に伴い、吸入ポートから吸入
弁を押し開いてシリンダボア内に冷媒ガスを吸入すると
ともに、圧縮冷媒ガスを吐出ポートから吐出弁を押し開
いて吐出するようにした圧縮機において、前記吸入ポー
トには通路長を延長するための延長手段を設けたもので
ある。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の圧縮機において、前記延長手段には所定の容量を有
する吸入空間を接続したものである。請求項3に記載の
発明では、請求項2に記載の圧縮機において、前記バル
ブプレートに対向配置されたハウジングの内側に吸入室
を区画形成し、その吸入室が前記吸入空間を構成するも
のである。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の圧縮機において、前記延長手段は所
定の長さを有する筒状通路よりなるものである。請求項
5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の
圧縮機において、前記延長手段は、前記バルブプレート
に対向配置されたハウジング内に装着され、そのハウジ
ングとは別体をなす部材によりなるものである。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかに記載の圧縮機において、前記延長手段を、
前記バルブプレートに対向配置されたハウジングに一体
形成したものである。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の圧縮機において、前記筒状通路は、前記ハウジング
の端面に形成された溝と、その溝に対向するバルブプレ
ートまたはガスケットとにより構成したものである。
【0013】請求項8に記載の発明では、請求項4に記
載の圧縮機において、前記ハウジングとバルブプレート
の間に接合配置されたガスケットに膨出部を形成し、そ
の膨出部に前記筒状通路を設けたものである。
【0014】請求項9に記載の発明では、請求項4〜8
のいずれかに記載の圧縮機において、各吸入ポートに複
数の筒状通路を接続したものである。さて、請求項1に
記載の圧縮機においては、延長手段により吸入ポートの
通路長が延長されている。このため、圧縮運転時に吸入
弁の開放や振動等に起因して吸入脈動が発生しても、そ
の吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分は、吸入ポー
トの通路長の延長構成によりカットされる。従って、吸
入脈動が吸入配管を通って蒸発器に伝達されることによ
り、吸入配管自体や蒸発器が振動して、大きな騒音を発
生することが抑制される。また、吸入脈動を低減するた
めに、ハウジング内に大容量の吸入マフラを区画形成し
たり、配管上に配管マフラを設けたりするのを省略でき
て、圧縮機の大型化や吸入圧損の増大を招くこともな
い。
【0015】請求項2に記載の圧縮機においては、延長
手段に所定の容量を有する吸入空間が接続されている。
このため、吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分は、
前記吸入ポートの通路長の延長構成と、この吸入空間の
構成との協働作用によって、より効果的にカットされ
る。
【0016】請求項3に記載の圧縮機においては、吸入
空間がハウジングの内側に区画形成した吸入室から構成
されている。このため、吸入室から各吸入ポートに対し
て、冷媒ガスが均等に吸入されて、吸入圧損を小さくす
ることができる。
【0017】請求項4に記載の圧縮機においては、延長
手段が所定の長さを有する筒状通路から構成されてい
る。このため、吸入ポートに所定長さの筒状通路を接続
するという簡単な構成により、吸入脈動に基づく高周波
領域の脈動成分を有効にカットすることができる。
【0018】請求項5に記載の圧縮機においては、延長
手段がハウジングとは別体の部材によりなっている。こ
のため、カットしようとする目標の周波数領域に合わせ
て、筒状通路の長さを調節設定して、吸入ポートの通路
長を容易に調整することができる。
【0019】請求項6に記載の圧縮機においては、延長
手段がハウジングと一体形成されている。よって、延長
手段の形成のために別部材を装設する必要がなく、簡単
な構成で吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分をカッ
トすることができる。
【0020】請求項7に記載の圧縮機においては、筒状
通路がハウジングの端面に形成された溝と、その溝に対
向するバルブプレートまたはガスケットとから構成され
ている。このため、部品点数の増加を招くことなく、ハ
ウジング及びバルブプレートまたはガスケットを利用し
て筒状通路を形成することができて、構造の簡素化を図
ることができる。また、前記溝は、ハウジングを鋳造す
る際に同時に形成することができる。そして、圧縮機の
組付時において、ハウジングとバルブプレートまたはガ
スケットとを接合することで自動的に筒状通路が形成さ
れる。
【0021】請求項8に記載の圧縮機においては、ハウ
ジングとバルブプレートの間に接合配置されたガスケッ
トの膨出部に筒状通路が形成されている。このため、部
品点数の増加を招くことなく、ガスケットを利用して筒
状通路を形成することができて、構造の簡素化を図るこ
とができる。
【0022】請求項9に記載の圧縮機においては、各吸
入ポートに複数の筒状通路が接続されている。このた
め、各吸入ポートには、複数の筒状通路を介して冷媒ガ
スが導かれて、吸入ポートへの冷媒ガスの導入がより容
易なものとなる。これにより、各吸入ポートへの冷媒ガ
スの吸入時の圧力損失が低減される。特に、この構成
は、容積の小さな吸入室内に張り出すように筒状通路を
形成して、その筒状通路の形成により冷媒ガスの吸入時
の圧力損失の増大を招くおそれがある場合に好適であ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明を片頭ピストン式
可変容量圧縮機に具体化した第1の実施形態を、図1〜
図5に基づいて説明する。
【0024】図1に示すように、フロントハウジング1
1は、シリンダブロック12の前部に接合固定されてい
る。リヤハウジング13は、バルブプレート14を介し
てシリンダブロック12の後部に接合固定されている。
つまり、リヤハウジング13が、バルブプレート14に
対向配置されたハウジングをなしている。そして、フロ
ントハウジング11、シリンダブロック12及びリヤハ
ウジング13により、圧縮機全体のハウジングが構成さ
れている。
【0025】前記シリンダブロック12には、複数のシ
リンダボア12aが駆動シャフト16のまわりに所定間
隔をおいて形成されている。前記リヤハウジング13内
の内側及び外側には、吸入室13a及び吐出室13bが
それぞれ区画形成されている。バルブプレート14に
は、複数の吸入ポート14a及び吐出ポート14bが各
シリンダボア12aに対応する位置に形成され、それら
の吸入ポート14a及び吐出ポート14bには吸入弁1
4c及び吐出弁14dが開閉可能に対向配置されてい
る。
【0026】前記フロントハウジング11とシリンダブ
ロック12とにより形成された閉空間は、クランク室1
5をなしている。そのクランク室15内を貫通するよう
に、フロントハウジング11及びシリンダブロック12
には、駆動シャフト16が一対のラジアルベアリング1
7を介して回転可能に架設支持されている。この駆動シ
ャフト16は、図示しないクラッチを介して車両エンジ
ン等の外部駆動源により回転されるようになっている。
【0027】回転支持体18は、前記駆動シャフト16
に止着されている。また、斜板19は、クランク室15
内において駆動シャフト16にその軸線方向へスライド
移動可能かつ傾動可能に支持されている。この斜板19
は、ヒンジ機構20を介して回転支持体18に連結され
ている。そして、斜板19は、そのヒンジ機構20によ
り、軸線方向へのスライド移動及び傾動が案内されると
ともに、駆動シャフト16と一体回転される。
【0028】なお、前記斜板19の最大傾角は、その斜
板19に設けられたストッパ19aと、回転支持体18
との当接によって規定される。また、斜板19の最小傾
角は、駆動シャフト16に装着されたサークリップ16
bと、斜板19との当接によって規定される。
【0029】複数のシリンダボア12aは、駆動シャフ
ト16まわりに所定間隔をおいて前記シリンダブロック
12に形成されている。片頭型のピストン21は、その
ヘッド部21aにおいて各シリンダボア12a内に往復
動可能に収容されている。ピストン21の首部21bの
内側と斜板19の外周両側面との間には、一対のほぼ半
球状のシュー22が介装されて、ピストン21の首部2
1bが斜板19の外周に係留されている。そして、ピス
トン21の圧縮動作に伴う圧縮反力は、シュー22、斜
板19、ヒンジ機構20、回転支持体18及びスラスト
ベアリング23を介してフロントハウジング11で受承
されるようになっている。
【0030】給気通路24は、前記吐出室13bとクラ
ンク室15とを接続するように形成されている。容量制
御弁25は、給気通路24の途中に配設されている。こ
の容量制御弁25は、弁体26と、その弁体26の弁孔
27に対する開度を調整するためのダイヤフラム28と
を備えている。そして、感圧通路29を介してダイヤフ
ラム28に作用する吸入室13a内の吸入圧力Psに応
じて、弁体26による弁孔27の開度が調整される。
【0031】この容量制御弁25の開度調整により、給
気通路24を介して吐出室13bからクランク室15に
供給される冷媒ガスの供給量が変更される。そして、ピ
ストン21の前後に作用するクランク室15内の圧力P
cと、シリンダボア12a内の圧力との差が調整され
る。この差に応じて、斜板19の傾角が変更されて、ピ
ストン21のストロークが変えられ、吐出容量が調整さ
れるようになっている。
【0032】抽気通路30は、前記クランク室15と吸
入室13aを接続するように形成されている。この抽気
通路30は、駆動シャフト16の中心に形成された軸心
通路16a、シリンダブロック12の後端側中央に形成
された収容凹所12bの内部、及びバルブプレート14
に形成された放圧孔14eよりなっている。軸心通路1
6aは、その前端が前側のラジアルベアリング17の近
傍においてクランク室15に開口されている。この抽気
通路30を通して、常時所定量の冷媒ガスがクランク室
15から吸入室13aに導かれるようになっている。
【0033】スラストベアリング31及びシャフト支持
バネ32は、前記シリンダブロック12の収容凹所12
b内において、駆動シャフト16の後端とバルブプレー
ト14との間に介装されている。
【0034】次に、前記吸入弁14cの開放や振動等に
起因して発生する吸入脈動を低減するための構成につい
て詳細に説明する。図1〜図3に示すように、通路形成
部材33はほぼ円筒状に形成され、前記リヤハウジング
13内の中心に嵌合配置されている。延長手段としての
複数の筒状通路34は、各吸入ポート14aの後端に接
続するように、通路形成部材33に所定間隔おきで形成
されている。そして、これらの筒状通路34により、各
吸入ポート14aの通路長が、所定長さ分だけ延長され
ている。
【0035】また、前記吸入室13aは所定容量の吸入
空間を形成するように、通路形成部材33の中心孔33
a、バルブプレート14及びリヤハウジング13の後壁
によって区画形成されている。そして、各筒状通路34
の後端が接続孔34aを介して、吸入室13aに接続さ
れている。さらに、吸入室13aの後部中央には吸入配
管35が直接接続されている。
【0036】次に、前記のように構成された可変容量圧
縮機の動作を説明する。この圧縮機において、車両エン
ジン等の外部駆動源により駆動シャフト16が回転され
ると、回転支持体18及びヒンジ機構20を介して斜板
19が一体回転される。この斜板19の回転運動がシュ
ー22を介してピストン21の往復直線運動に変換さ
れ、そのピストン21のヘッド部21aがシリンダボア
12a内で往復動される。このピストン21の往復動に
より、冷媒ガスが吸入室13aから吸入ポート14aを
介して、吸入弁14cを押し開きながらシリンダボア1
2a内へ吸入される。そして、冷媒ガスはシリンダボア
12a内で、所定の圧力に達するまで圧縮された後、吐
出ポート14bを介して吐出弁14dを押し開きながら
吐出室13bへ吐出される。
【0037】続いて、この可変容量圧縮機の容量制御動
作について説明する。冷房負荷が大きい状態では、吸入
室13a内の高い吸入圧力Psが容量制御弁25のダイ
ヤフラム28に作用しており、弁体26は弁孔27を閉
鎖した状態となる。従って、給気通路24が遮断され
て、吐出室13bからクランク室15への高圧の圧縮冷
媒ガスの供給は停止される。この状態では、クランク室
15内の冷媒ガスは、専ら抽気通路30を通して吸入室
13aに抽出される。このため、クランク室15の圧力
Pcとシリンダボア12a内の圧力とのピストン21を
介した差は小さく、斜板19は図1に実線で示す最大傾
角状態に配置される。そして、ピストン21のストロー
クが増大され、圧縮機は最大吐出容量にて運転される。
【0038】一方、冷房負荷が低い状態では、吸入室1
3a内の低い吸入圧力Psが容量制御弁25のダイヤフ
ラム28に作用しており、そのダイヤフラム28が吸入
圧力Psに応じて変位される。このダイヤフラム28の
変位に伴って、弁体26が弁孔27を開放し、その弁孔
27の開度に応じて、吐出室13bから高圧の圧縮冷媒
ガスが、給気通路24を通してクランク室15に供給さ
れる。この結果、クランク室15の圧力Pcが上昇し
て、クランク室15の圧力Pcとシリンダボア12a内
の圧力との各ピストン21を介した差が大きくなる。こ
の差に応じて、斜板19が図1に鎖線で示す最小傾角側
に移動され、ピストン21のストロークが減少されて、
吐出容量が減少される。
【0039】このように、この可変容量圧縮機では、冷
房負荷、つまり吸入圧力Psの変動に応じた容量制御弁
25の開度調整により、クランク室15の圧力Pcが昇
降されて、斜板19の傾角が変更される。
【0040】さて、この可変容量圧縮機においては、各
吸入ポート14aに所定長さの筒状通路34が接続さ
れ、これらの筒状通路34により吸入ポート14aの通
路長が延長されている。また、各筒状通路34の後端に
は所定容量を有する吸入空間としての吸入室13aが接
続されている。このため、前記の圧縮運転時に、吸入弁
14cの開放や振動等に起因して吸入脈動が発生して
も、その吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分は、吸
入ポート14aの通路長の延長構成と、吸入室13aの
空間構成との協働作用により、有効にカットされる。
【0041】ここで、吸入ポート14aの通路長がカッ
トしようとする目標の脈動成分の波長に対して十分に短
い長さである場合には、吸入ポート14aは電気回路に
おけるコイルと見立てることができる。また、吸入室1
3aを立方体と仮定してその1辺の長さが前記目標の脈
動成分の波長に対して十分に短い長さである場合には、
吸入室13aはコンデンサと見立てることができる。す
なわち、前記吸入脈動の伝達経路を模式的に示すと、図
4の電気回路のように見なすことができる。
【0042】この実施形態では、筒状通路34により吸
入ポート14aの通路長が延長されているので、コイル
のインダクタンスが増加されているのと同等に見なすこ
とができる。このように、吸入脈動に基づく高周波領域
の脈動成分は、コイルの高周波減衰作用と同様に、吸入
ポート14a及び筒状通路34において効果的に低減さ
れる。
【0043】さらに、この実施形態では、各筒状通路3
4の後端に所定容量の吸入空間としての吸入室13aが
接続されているので、前記電気回路におけるコンデンサ
のキャパシタンスが増加されるのと同等に見なすことが
できる。このように、吸入ポート14a及び筒状通路3
4において低減されなかった高周波領域の脈動成分は、
コンデンサの高周波パイパス作用と同様に、吸入室13
aの空間においてさらに低減される。
【0044】ちなみに、この実施形態の圧縮機と従来構
成の圧縮機とについて、吸入脈動の減衰効果を比較測定
したところ、図5に示すような結果を得ることができ
た。この実施形態の圧縮機によれば、吸入脈動に起因し
た特定の高周波領域の脈動成分において、有効に減衰効
果を発揮できることがわかった。
【0045】従って、この第1の実施形態によって期待
できる効果について、以下に記載する。 ・ この実施形態の圧縮機においては、延長手段として
の筒状通路34により、吸入ポート14aの通路長が延
長されている。このため、圧縮運転時に吸入弁14cの
開放や振動等に起因して吸入脈動が発生しても、その吸
入脈動に基づく高周波領域の脈動成分を、吸入ポート1
4aの通路長の延長構成によりカットすることができ
る。従って、吸入脈動が吸入配管35を通って蒸発器に
伝達されることにより、吸入配管35自体や蒸発器が振
動して、大きな騒音を発生するのをを抑制することがで
きる。そして、車室内の騒音レベルを低下させることが
できる。
【0046】また、吸入脈動を低減するために、ハウジ
ング内に大容量の吸入マフラを区画形成したり、吸入配
管上に配管マフラを接続したりする必要がなくなる。従
って、圧縮機の小型化や吸入圧損の低減を図ることがで
きるとともに、冷凍回路の配管構成を簡素化することが
できる。
【0047】・ この実施形態の圧縮機においては、筒
状通路34の後端に所定の容量を有する吸入室13aが
接続されている。このため、吸入ポート14aの通路長
の延長構成と、吸入室13aの空間構成との協働作用に
よって、吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分を、よ
り効果的にカットすることができる。
【0048】・ この実施形態の圧縮機においては、吸
入空間がリヤハウジング13内の内側に形成した吸入室
13aから構成されている。このため、吸入室13aか
ら各吸入ポート14aに対して、冷媒ガスを均等に吸入
することができて、吸入圧損を小さくすることができ
る。
【0049】・ この実施形態の圧縮機においては、延
長手段が所定の長さを有する筒状通路34から構成され
ている。このため、吸入ポート14aに所定長さの筒状
通路34を接続するという簡単な構成により、吸入脈動
に基づく高周波領域の脈動成分を有効にカットすること
ができる。
【0050】・ この実施形態の圧縮機においては、筒
状通路34がリヤハウジング13内に装着した別体の通
路形成部材33に形成されている。このため、カットし
ようとする目標の周波数領域に合わせて、筒状通路34
の長さを調節設定して、吸入ポート14aの通路長を容
易に調整することができる。
【0051】(第2の実施形態)次に、この発明の第2
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0052】さて、この第2の実施形態においては、図
6に示すように、延長手段としての筒状通路34が各吸
入ポート14aに対応して、リヤハウジング13に一体
形成されている。すなわち、各筒状通路34は、リヤハ
ウジング13の端面に放射方向へ延長形成された溝37
と、その溝37に対向するバルブプレート14の後面の
ガスケット38とから構成されている。そして、各筒状
通路34の内端が、リヤハウジング13の中心部に形成
された吸入空間としての吸入室13aに接続されてい
る。
【0053】また、この第2の実施形態においては、シ
リンダブロック12及びリヤハウジング13の上部に吸
入マフラ39が区画形成されている。そして、この吸入
マフラ39が吸入通路40を介して吸入室13aに連通
されるとともに、図示しない吸入配管に接続されてい
る。
【0054】従って、この第2の実施形態によって期待
できる効果について、以下に記載する。 ・ この第2の実施形態においても、前述した第1の実
施形態と同様に、圧縮運転時に吸入弁14cの開放や振
動等に起因して吸入脈動が発生しても、その吸入脈動に
基づく高周波領域の脈動成分を、吸入ポート14aの通
路長の延長構成と、吸入室13aの空間構成との協働作
用により、効果的に低減することができる。
【0055】・ この第2の実施形態の圧縮機において
は、筒状通路34がリヤハウジング13と一体的に形成
されている。よって、筒状通路34の形成のために別部
材を装設する必要がなく、簡単な構成で吸入脈動に基づ
く高周波領域の脈動成分をカットすることができる。
【0056】・ この第2の実施形態の圧縮機において
は、筒状通路34がリヤハウジング13の端面に形成さ
れた溝37と、その溝37に対向するガスケット38と
から構成されている。このため、部品点数の増加を招く
ことなく、リヤハウジング13及びガスケット38を利
用して、筒状通路34を形成することができて、構造の
簡素化を図ることができる。
【0057】また、前記溝38は、リヤハウジング13
を鋳造する際に同時に形成することができる。そして、
圧縮機の組付時において、リヤハウジング13、バルブ
プレート14及びガスケット38を接合することで、自
動的に筒状通路34が形成される。従って、筒状通路3
4を特段の加工を要することなく形成できて、製作上有
利である。
【0058】・ この第2の実施形態の圧縮機において
は、シリンダブロック12及びリヤハウジング13に吸
入マフラ39が区画形成され、この吸入マフラ39が吸
入通路40を介して吸入室13aに連通されている。従
って、この吸入マフラ39を小容量のものとしても、吸
入ポート14aの通路長の延長構成、吸入室13a及び
吸入マフラ39の空間構成によって、吸入脈動に基づく
高周波領域の脈動成分を、一層効果的にカットすること
ができる。
【0059】(第3の実施形態)次に、この発明を両頭
ピストン式圧縮機に具体化した第3の実施形態を、図7
に基づいて説明する。
【0060】さて、この第3の実施形態においては、フ
ロント側のシリンダブロック41とリヤ側のシリンダブ
ロック42とが、中央部において接合されている。シリ
ンダブロック41のフロント側端面には、バルブプレー
ト43を介してフロントハウジング44が接合されてい
る。シリンダブロック42のリヤ側端面にはバルブプレ
ート43を介してリヤハウジング45が接合固定されて
いる。つまり、この実施形態の圧縮機においては、フロ
ントハウジング44及びリヤハウジング45が、バルブ
プレート43に対向配置されたハウジングをなしてい
る。
【0061】前記各バルブプレート43には複数の吸入
ポート43a及び吐出ポート43bが形成され、それら
の吸入ポート43a及び吐出ポート43bには吸入弁4
3c及び吐出弁43dが開閉可能に対向配置されてい
る。フロントハウジング44及びリヤハウジング45と
各バルブプレート43との間にはガスケット46が接合
配置され、各ガスケット46には吐出弁43dの開口量
を規制するためのリテーナ46aが形成されている。
【0062】前記フロントハウジング44及びリヤハウ
ジング45内の内側には、所定容量を有する吸入空間と
しての吸入室44a,45aが区画形成されている。ま
た、フロントハウジング44及びリヤハウジング45内
の外側には、吐出室44b,45bが区画形成されてい
る。
【0063】前記両シリンダブロック41,42には、
複数のシリンダボア41a,42aが互いに平行をなす
ように貫通形成され、それらの内部には両頭型のピスト
ン47が挿入されている。
【0064】前記両シリンダブロック41,42の中央
部には、クランク室49が形成されている。両シリンダ
ブロック41,42の軸孔には、駆動シャフト50が一
対のラジアルベアリング51を介して回転可能に支持さ
れている。この駆動シャフト50は、図示しないクラッ
チを介して車両エンジン等の外部駆動源により回転され
るようになっている。
【0065】前記駆動シャフト50の中間外周部には、
斜板52が嵌合固定されている。この斜板52には、前
記各ピストン47が一対のほぼ半球状のシュー53を介
して係留されている。また、斜板52のボス部は、一対
のスラストベアリング54を介してクランク室49を形
成するシリンダブロック41,42の前後両側壁面に支
持されている。そして、駆動シャフト50にて斜板52
が回転されることにより、ピストン47がシリンダボア
41a,42a内で往復動されるようになっている。
【0066】前記クランク室49は、シリンダブロック
41,42に形成した複数の吸入通路55を介して、吸
入室44a,45aと連通されている。クランク室49
は、シリンダブロック41,42に形成した図示しない
吸入フランジを介して外部冷媒回路に接続されている。
さらに、前記吐出室44b,45bは、両シリンダブロ
ック41,42及び両ハウジング44,45に形成した
吐出通路56及び図示しない吐出フランジを介して外部
冷媒回路に接続されている。
【0067】両ガスケット46には、前記両バルブプレ
ート43上の各吸入ポート43aと対応する位置におい
て、吸入室44a,45a側に向かって膨出部57が形
成されている。そして、その膨出部57には、各吸入ポ
ート43aと連続するように延長手段としての複数の筒
状通路58が設けられている。この筒状通路58は、駆
動シャフト50の軸線と平行に形成されている。そし
て、これらの筒状通路58により、各吸入ポート43a
の通路長が、所定長さ分だけ延長されている。また、各
筒状通路58の先端部が吸入室44a,45a内に開口
され、その筒状通路58は所定の容量を有する吸入空間
としての吸入室44a,45aに接続されている。
【0068】次に、前記のように構成された両頭ピスト
ン式圧縮機について、作用を説明する。この圧縮機にお
いて、車両エンジン等の外部駆動源により駆動シャフト
50が回転されると、斜板52が一体回転され、シュー
53を介して複数のピストン47がシリンダボア41
a,42a内で往復動される。このピストン47の往復
動により吸入フランジ(図示略)からクランク室49に
導かれた冷媒ガスは、そのクランク室49から吸入通路
55を経て吸入室44a,45a内に導かれる。そし
て、吸入室44a,45a内の冷媒ガスは、吸入ポート
43aを介して吸入弁43cを押し開きながらシリンダ
ボア41a、42a内へ吸入される。次に、冷媒ガスは
シリンダボア41a、42a内で、所定の圧力に達する
まで圧縮された後、吐出ポート43bを介して吐出弁4
3dを押し開きながら吐出室44b,45bへ吐出され
る。さらに、吐出室44b,45b内の圧縮冷媒ガス
は、吐出通路56を経て図示しない外部冷媒回路に供給
される。
【0069】従って、この第3の実施形態によって期待
できる効果について、以下に記載する。 ・ この第3の実施形態の圧縮機においても、前述した
第1の実施形態の圧縮機と同様に、各吸入ポート43a
に所定長さの筒状通路58が接続され、これらの筒状通
路58により吸入ポート43aの通路長が延長されてい
る。また、各筒状通路58の端部には所定容量を有する
吸入室44a,45aが接続されている。このため、前
記の圧縮運転時に、吸入弁43cの開放や振動等に起因
して吸入脈動が発生しても、その吸入脈動に基づく高周
波領域の脈動成分は、吸入ポート43aの通路長の延長
構成と、吸入室44a,45aの空間構成との協働作用
により、有効にカットすることができる。
【0070】・ この第3の実施形態の圧縮機において
は、フロントハウジング44及びリヤハウジング45と
バルブプレート43の間に接合配置されたガスケット4
6の膨出部57に筒状通路58が形成されている。この
ため、部品点数の増加を招くことなく、ガスケット46
を利用して筒状通路58を形成することができて、構造
の簡素化を図ることができる。
【0071】(第4の実施形態)次に、この発明の第4
の実施形態を、図8(a)及び(b)に基づいて、前記
第3の実施形態と異なる部分を中心に、リヤハウジング
45を含む部分についてのみ説明する。なお、ここで
は、説明を省略するが、フロントハウジング44を含む
部分についても同様に構成されている。
【0072】さて、この第4の実施形態においては、ガ
スケット46には、バルブプレート43上の各吸入ポー
ト43aと対応する位置において、吸入室45a側に向
かってバルブプレート43に沿うように延びる膨出部6
1が形成されている。そして、膨出部61と、この膨出
部61に対向するバルブプレート43とにより、各吸入
ポート43aと連続するように延長手段としての複数の
筒状通路62が設けられている。各筒状通路62は、リ
ヤハウジング45の中心に向かって放射状に形成され、
それら筒状通路62の先端部は吸入室45a内に開口さ
れている。そして、これらの筒状通路62により、各吸
入ポート43aの通路長が、所定長さ分だけ延長されて
いる。また、その筒状通路62は所定の容量を有する吸
入空間としての吸入室45aに接続されている。
【0073】従って、この第4の実施形態によって期待
できる効果について、以下に記載する。 ・ この第4の実施形態の圧縮機においても、前述した
第1の実施形態の圧縮機と同様に、吸入脈動に基づく高
周波領域の脈動成分は、吸入ポート43aの通路長の延
長構成と、吸入室45aの空間構成との協働作用によ
り、有効にカットすることができる。また、前述した第
3の実施形態の圧縮機と同様に、部品点数の増加を招く
ことなく、ガスケット46を利用して筒状通路62を形
成することができて、構造の簡素化を図ることができ
る。
【0074】・ この第4の実施形態の圧縮機において
は、膨出部61がバルブプレート43に沿うように設け
られているため、その膨出部61が吸入室45a内に大
きく張り出すことがない。従って、吸入室45aの軸線
方向の深さを拡大する必要がなく、リヤハウジング45
の大型化を回避することができる。
【0075】(第5の実施形態)次に、この発明の第5
の実施形態を、図9(a)〜(c)に基づいて、前記第
3の実施形態と異なる部分を中心に、リヤハウジング4
5を含む部分についてのみ説明する。なお、ここでは、
説明を省略するが、フロントハウジング44を含む部分
についても同様に構成されている。
【0076】さて、この第5の実施形態においては、ガ
スケット46には、バルブプレート43上の各吸入ポー
ト43aと対応する位置において、吸入室45a側に向
かってバルブプレート43に沿うように膨出部65が形
成されている。各膨出部65は、吸入ポート43aを中
心にその吸入ポート43aを跨ぐように形成されるとと
もに、吸入室45aと吐出室45bと区画する隔壁66
に対してほぼ平行に列設されている。また、各膨出部6
5の両端には、開口部67が形成されている。そして、
膨出部65と、この膨出部65に対向するバルブプレー
ト43とにより、各吸入ポート43aと連続するように
延長手段としての複数の筒状通路68が設けられてい
る。そして、各吸入ポート43aについて、それぞれ2
本の筒状通路68が接続され、各吸入ポート43aの通
路長が所定長さ分だけ延長されている。また、筒状通路
68は、所定の容量を有する吸入空間としての吸入室4
5aに接続されている。つまり、各吸入ポート43aに
は、2本の筒状通路68を介して吸入室45aから冷媒
ガスが導かれるようになっている。
【0077】従って、この第5の実施形態によって期待
できる効果について、以下に記載する。 ・ この第5の実施形態の圧縮機においても、前述した
第1の実施形態の圧縮機と同様に、吸入脈動に基づく高
周波領域の脈動成分は、吸入ポート43aの通路長の延
長構成と、吸入室44a,45aの空間構成との協働作
用により、有効にカットすることができる。また、前述
した第3の実施形態の圧縮機と同様に、部品点数の増加
を招くことなく、ガスケット46を利用して筒状通路6
8を形成することができて、構造の簡素化を図ることが
できる。さらに、前述した第4の実施形態の圧縮機と同
様に、リヤハウジング45の大型化を回避することがで
きる。
【0078】・ この第5の実施形態の圧縮機において
は、各吸入ポート43aには、それぞれ2本の筒状通路
68を介して冷媒ガスが導かれるようになっている。こ
のため、吸入ポート43aへの冷媒ガスの導入がより容
易なものとなって、吸入ポート43aへの冷媒ガスの吸
入時の圧力損失が低減される。特に、この構成は、容積
の小さな吸入室44a、45a内に張り出すように膨出
部65を形成して、その膨出部65の形成により冷媒ガ
スの吸入時の圧力損失の増大を招くおそれがある場合に
好適である。
【0079】なお、前記各実施形態は、次のように変更
して具体化することも可能である。 ・ 前記第5の実施形態において、筒状通路68を、吸
入ポート43aを中心とし、平面、例えば略L、V、
U、T、Y、X、十字状に形成し、その先端部に開口部
67を設けること。
【0080】このように構成した場合、各吸入ポート4
3aへの冷媒ガスの導入が一層容易なものとなって、吸
入時の圧力損失をさらに低減することができる。 ・ 前記各実施形態において、所定容量を有する吸入空
間としての吸入室13a、44a、45aを省略するこ
と。
【0081】・ 前記第2の実施形態において、ガスケ
ット38を省略して、溝37と、その溝37に対向する
バルブプレート14とにより筒状通路34を構成するこ
と。 ・ 前記第3の実施形態において、ガスケット46を省
略して、バルブプレート43の吸入ポート43aの周囲
を吸入室44a、45a内に向かって突出させて、筒状
通路58を形成すること。
【0082】・ 前記第5の実施形態において、筒状通
路68を、吸入室45a内に第1の実施形態に示す別体
の通路形成部材33を配置して形成すること。 ・ 前記第5の実施形態において、筒状通路68を、第
2の実施形態に示すリヤハウジング13の端面に形成さ
れた溝37と、その溝37に対向するバルブプレート1
4あるいはガスケット38の後面とから構成すること。
【0083】・ 前記第1及び第2の実施形態の吸入ポ
ート14aの通路長の延長構成及びそれに接続される吸
入空間の構成を両頭ピストン式圧縮機において具体化す
ること。
【0084】・ 前記第3〜第5の実施形態の吸入ポー
ト44a、45aの通路長の延長構成及びそれに接続さ
れる吸入空間の構成を片頭ピストン式圧縮機において具
体化すること。
【0085】・ この発明を、前記各実施形態に記載の
圧縮機とは異なったタイプの圧縮機、例えば片頭ピスト
ン式固定容量圧縮機、両頭ピストン式可変容量圧縮機、
ワブル式圧縮機、ウェーブカムプレート式圧縮機等にお
いて具体化すること。
【0086】これらのように構成しても、前記各実施形
態とほぼ同様の効果が期待される。
【0087】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明によれば、圧縮機の大型化や吸入圧損の増大を招くこ
となく、吸入脈動に起因する高周波領域の脈動成分をカ
ットすることができる。そして、吸入配管や蒸発器で発
生する騒音を低減できて、車室内の騒音レベルを低下さ
せることができる。また、冷凍回路の配管構成を簡素化
することができる。
【0088】請求項2に記載の発明によれば、吸入ポー
トの通路長の延長構成と、吸入空間の構成との協働作用
によって、吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分を、
より効果的にカットすることができる。
【0089】請求項3に記載の発明によれば、吸入室か
ら各吸入ポートに対して、冷媒ガスを均等に吸入するこ
とができて、吸入圧損を低減することができる。請求項
4に記載の発明によれば、吸入ポートに所定長さの筒状
通路を接続するという簡単な構成により、吸入脈動に基
づく高周波領域の脈動成分を有効にカットすることがで
きる。
【0090】請求項5に記載の発明によれば、カットし
ようとする目標の周波数領域に合わせて、吐出ポートの
通路長を調節設定して、吸入ポートの通路長を容易に調
整することができる。
【0091】請求項6に記載の発明によれば、延長手段
の形成のために別部材を装設する必要がなく、簡単な構
成で吸入脈動に基づく高周波領域の脈動成分をカットす
ることができる。
【0092】請求項7に記載の発明によれば、部品点数
の増加を招くことなく、ハウジング及びバルブプレート
またはガスケットを利用して筒状通路を形成することが
できて、構造の簡素化を図ることができる。また、筒状
通路を特段の加工を要することなく形成できて、製作上
有利である。
【0093】請求項8に記載の発明によれば、部品点数
の増加を招くことなく、ガスケットを利用して筒状通路
を形成することができて、構造の簡素化を図ることがで
きる。
【0094】請求項9に記載の発明によれば、吸入ポー
トへの冷媒ガスの導入がより容易なものとなって、各吸
入ポートへの冷媒ガスの吸入時の圧力損失を低減するこ
とができる。特に、この構成は、容積の小さな吸入室内
に張り出すように筒状通路を形成して、その筒状通路の
形成により冷媒ガスの吸入時の圧力損失の増大を招くお
それがある場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の圧縮機を示す断面図。
【図2】 図1の2−2線における要部断面図。
【図3】 図1の要部を拡大して示す部分断面図。
【図4】 吸入脈動の伝達経路を模擬的に示すモデル
図。
【図5】 吸入脈動の減衰効果を説明する特性図。
【図6】 第2の実施形態の圧縮機の要部を示す部分断
面図。
【図7】 第3の実施形態の圧縮機を示す断面図。
【図8】 (a)は第4の実施形態の圧縮機の要部を示
す部分断面図、(b)は図8(a)の8b−8b線にお
ける要部断面図。
【図9】 (a)は第5の実施形態の圧縮機の要部を示
す部分断面図、(b)は図9(a)の9b−9b線にお
ける要部断面図、(c)は図9(b)の9c−9c線に
おける要部拡大断面図。
【符号の説明】
12a、41a、42a…シリンダボア、13、45…
バルブプレートに対向配置されたハウジングとしてのリ
ヤハウジング、13a、44a、45a…吸入空間とし
ての吸入室、14、43…バルブプレート、14a、4
3a…吸入ポート、14b、43b…吐出ポート、14
c、43c…吸入弁、14d、43d…吐出弁、16、
50…駆動シャフト、21、47…ピストン、33…ハ
ウジングとは別体をなす部材としての通路形成部材、3
4、58、62、68…延長手段を構成する筒状通路、
37…溝、38、46…ガスケット、44…バルブプレ
ートに対向配置されたハウジングとしてのフロントハウ
ジング、57、61、65…膨出部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブプレートに吸入ポート及び吐出ポ
    ートを形成し、それらの吸入ポート及び吐出ポートには
    吸入弁及び吐出弁を開閉可能に対向配置し、ピストンの
    往復動に伴い、吸入ポートから吸入弁を押し開いてシリ
    ンダボア内に冷媒ガスを吸入するとともに、圧縮冷媒ガ
    スを吐出ポートから吐出弁を押し開いて吐出するように
    した圧縮機において、 前記吸入ポートには通路長を延長するための延長手段を
    設けた圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記延長手段には所定の容量を有する吸
    入空間を接続した請求項1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記バルブプレートに対向配置されたハ
    ウジングの内側に吸入室を区画形成し、その吸入室が前
    記吸入空間を構成する請求項2に記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記延長手段は、所定の長さを有する筒
    状通路である請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記延長手段は、前記バルブプレートに
    対向配置されたハウジング内に装着され、そのハウジン
    グとは別体をなす部材によりなる請求項1〜4のいずれ
    かに記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記延長手段を、前記バルブプレートに
    対向配置されたハウジングに一体形成した請求項1〜4
    のいずれかに記載の圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記筒状通路は、前記ハウジングの端面
    に形成された溝と、その溝に対向するバルブプレートま
    たはガスケットとにより構成した請求項6に記載の圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 前記ハウジングとバルブプレートの間に
    接合配置されたガスケットに膨出部を形成し、その膨出
    部に前記筒状通路を設けた請求項4に記載の圧縮機。
  9. 【請求項9】 各吸入ポートに複数の筒状通路を接続し
    た請求項4〜8のいずれかに記載の圧縮機。
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