JP4084742B2 - 有機ハロゲン化合物の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体の処理装置に関し、特に、処理後の固体の処理が簡便であり、装置が小型で低コストとなる処理システムを提供できるマイクロ波による有機ハロゲン化合物の処理装置に関する。
従来の有機ハロゲン化合物の処理装置に関して、特に、都市ごみ焼却炉から排出され、集塵機によって回収される集塵灰には有機ハロゲン化合物(特に、ダイオキシン類)が多く含有されており、灰固化装置等によって捕集された集塵灰を固形化し、ダイオキシン類の溶出を防止した後に埋め立て等の処理を行っていた。
しかし、近年ダイオキシン類の人体への悪影響を最小限に抑制する目的で、平成14年12月1日以降、「廃棄物焼却炉に係るばいじん等に含まれるダイオキシン類の量の基準及び測定の方法に関する省令」により、集塵機によって回収される集塵灰であっても、該集塵灰中に含有されるダイオキシン類の含有濃度は、集塵灰1グラムにつき3ナノグラム以下に規制されることとなり、原則として集塵機から回収された集塵灰に対してもダイオキシン類を除去する措置を施す必要が生じることとなった。
この規制に適合すべく有機ハロゲン化合物の処理装置としては、捕集した灰を酸素欠乏状態で、灰温度350℃以上、好ましくは、400℃以上で30分以上加熱し、さらに再合成を防ぐために加熱後急速に100℃以下に冷却する方法や、有害有機化合物を含む灰をアルカリ水溶液と混合し、反応装置に連続的に注入し、マイクロ波を照射して沸点以上の温度に加熱・加圧して連続的に有害有機化合物を分解・無害化するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、炭素系触媒担体に担持された白金族触媒と芳香族系塩素化合物とを含む反応系に水素などの還元性物質の存在下でマイクロ波を照射して芳香族塩素化合物の脱塩素化を行うものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記従来の有機ハロゲン化合物の処理装置は、分解時間が長時間となり、ランニングコストがかかることとなる。
また、有害有機化合物をアルカリ水溶液と混合する場合は、溶液内処理のために設備が大型化し、処理に使用する水処理も別途必要となる等の欠点がある。
特開2000−334062号公報 特開2001−19646号公報
本発明は、上記従来の有機ハロゲン化合物の処理装置が有する問題点に鑑み、溶液内処理に伴う水処理を無くし、反応時間を短くすることができる小型で低コストな有機ハロゲン化合物の処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置は、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体を導入する筐体と、筐体内部に水分を添加する水添加機構と、筐体内部にアルカリ物質を添加するアルカリ物質添加機構と、筐体内部で水分とアルカリ物質が添加された固体にマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構と、筐体内部で発生する排ガスを濾過して外部に排出するフィルタ濾過機構と、フィルタ濾過機構の濾布が捕集した粉塵を気流により逆洗する逆洗機構とを備えた有機ハロゲン化合物の処理装置であって、前記フィルタ濾過機構の濾布にセラミックス濾布を使用するとともに、該セラミックス濾布を筐体内部に配設し、セラミックス濾布が捕集した粉塵を逆洗機構によって前記筐体内部に払い落として処理するようにしたことを特徴とする。
この場合において、筐体内部に電磁波吸収物質を添加する電磁波吸収物質添加機構を設けることができる。
また、筐体内部に還元剤を添加する還元剤添加機構を設けることができる。
また、筐体内部の固体を混合攪拌する混合攪拌機構を設けることができる。
また、筐体内部の固体の温度を検出し、該検出温度に基づいてマイクロ波の照射出力を制御する制御機構を設けることができる。
また、筐体の底部に、筐体を外部から加熱する外部加熱装置を設けることができる。
また、電磁波透過防止体の外側に耐熱・耐薬品性ガラスを配設した観察窓を筐体に設けることができる。
筐体に、筐体内に導入された固体を、混合攪拌しながら順次移送する移送攪拌機構を配設するとともに、固体の移送経路に沿って複数のマイクロ波照射部を配設することができる。
また、筐体から排出した固体を搬送するスクリューコンベアを設けるとともに、該スクリューコンベアを冷却する水冷装置を設けることができる。
また、筐体に冷却用気体を導入する冷気導入機構を設けることができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置によれば、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体を導入する筐体と、筐体内部に水分を添加する水添加機構と、筐体内部にアルカリ物質を添加するアルカリ物質添加機構と、筐体内部で水分とアルカリ物質が添加された固体にマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構と、筐体内部で発生する排ガスを濾過して外部に排出するフィルタ濾過機構と、フィルタ濾過機構の濾布が捕集した粉塵を気流により逆洗する逆洗機構とを備えた有機ハロゲン化合物の処理装置であって、前記フィルタ濾過機構の濾布にセラミックス濾布を使用するとともに、該セラミックス濾布を筐体内部に配設し、セラミックス濾布が捕集した粉塵を逆洗機構によって前記筐体内部に払い落として処理するようにしたことから、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体に対し、水とアルカリ物質を添加し、湿潤状態でマイクロ波を照射せしめアルカリ置換反応と酸化分解反応を迅速に生じさせることができ、さらに、溶液処理のような水処理が不要であり、処理後の物質も水分含有量が少なくその輸送等が容易であることから、小型かつ省エネルギで低コストな有機ハロゲン化合物の処理装置を提供することができる。
そして、筐体内部で発生する排ガスを濾過して外部に排出するフィルタ濾過機構と、フィルタ濾過機構の濾布が捕集した粉塵を気流により逆洗する逆洗機構とを備え、フィルタ濾過機構の濾布にセラミックス濾布を使用するとともに、セラミックス濾布を筐体内部に配設し、セラミックス濾布が捕集した粉塵を逆洗機構によって筐体内部に払い落として処理するようにすることにより、フィルタ抵抗の増加を防止するとともに、フィルタに捕集された未反応物質を筐体内部に再循環させ処理することができ、さらに、濾過機構の濾布に使用するセラミックス濾布は、電磁波吸収特性が低く耐熱性が高いことから、フィルタの電磁波による加熱ロスが生じず、フィルタが熱損傷を受けることがなく、省エネルギとフィルタの耐久性向上を実現することができる。
この場合、筐体内部に電磁波吸収物質を添加する電磁波吸収物質添加機構を設けることにより、固体に電磁波吸収物質を添加してマイクロ波の照射を行うようにし、マイクロ波照射による加熱処理の効率を向上させることができる。
また、筐体内部に還元剤を添加する還元剤添加機構を設けることにより、還元剤により有機ハロゲン化合物などに対して脱ハロゲン化反応を促進することができる。
また、筐体内部の固体を混合攪拌する混合攪拌機構を設けることにより、固体を混合攪拌しながらマイクロ波の照射を行い、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を促進することができる。
また、筐体内部の固体の温度を検出し、該検出温度に基づいてマイクロ波の照射出力を制御する制御機構を設けることにより、固体の加熱温度を常に適正に保持し、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を促進することができる。
また、筐体の底部に、固体を外部から加熱する外部加熱装置を設けることにより、高温域からの電磁波吸収性が飛躍的に高い物質の加温を有利に進めるとともに、筐体の温度を高く保持し、固体の放熱や含有水分などによる固結を防止することができる。
また、電磁波透過防止体の外側に耐熱・耐薬品性ガラスを配設した観察窓を筐体に設けることにより、筐体の内部観察を行うことができる。
また、筐体に、筐体内に導入された固体を、混合攪拌しながら順次移送する移送攪拌機構を配設するとともに、固体の移送経路に沿って複数のマイクロ波照射部を配設することにより、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体を、効率よく連続処理することができる。
また、筐体から排出した固体を搬送するスクリューコンベアを設けるとともに、該スクリューコンベアを冷却する水冷装置を設けることにより、加熱した固体を急激に冷却し、再合成による脱ハロゲン化反応の効率低下を防止することができる。
また、筐体に冷却用気体を導入する冷気導入機構を設けることにより、加熱した固体を急激に冷却し、再合成による脱ハロゲン化反応の効率低下を防止することができる。
以下、本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置の一実施例を示す。
この有機ハロゲン化合物の処理装置は、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体(粉体)1を導入する筐体2と、筐体内部に水分を添加する水添加機構3と、筐体内部にアルカリ物質を添加するアルカリ物質添加機構4と、筐体内部で水分とアルカリ物質が添加された固体1にマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構5とを備えている。
筐体2は、ステンレス・アルミなど電磁波吸収性の低い物質からなり、その形状は円筒型などを採用することができる。筐体2の内壁は面取り加工することにより、電磁波のアンテナとなりにくい突起物が少ない構造とすることが望ましい。
また、マイクロ波照射機構5の照射口は筐体上部に設置することが望ましく、このマイクロ波照射口は、電磁波透過性が高くかつ耐薬品性と耐熱性が高いフッ素樹脂や石英ガラスなどによるシールを行うことで、装置内で発生する高温腐食性ガスのマイクロ波発振機への侵入を防御する構造が望ましい。
水添加機構3による水分添加は、液滴として噴霧可能なノズル(図示省略)により筐体内に噴霧する機構となっている。
また、アルカリ物質添加機構4は、CaO(酸化カルシウム)やNaOH(水酸化ナトリウム)等を予め液体としたものを、液滴として装置に噴霧する機構としてもよい。
なお、酸化反応量調整を主目的として、空気や窒素を筐体内部に添加することも可能である。
また、この有機ハロゲン化合物の処理装置は、活性炭や酸化鉄等の電磁波吸収物質を筐体内部に添加する電磁波吸収物質添加機構6を設けており、これにより、固体1に電磁波吸収物質を添加してマイクロ波の照射を行うようにし、マイクロ波照射による加熱処理の効率を向上させるようにしている。
さらに、筐体内部に還元剤を添加する還元剤添加機構7を設けており、この還元剤により有機ハロゲン化合物などに対して脱ハロゲン化反応を促進するようにしている。
なお、各種添加剤は、電磁弁などにより、供給量や供給時間が手動又は自動にて制御可能となっており、反応に過剰な添加とならないように高効率かつ省エネ制御が図られている。
そして、筐体2の底部には、固体1を混合攪拌するとともに、処理後に排出口21から排出するロータリースクレーパが混合攪拌機構8として設けられている。
これにより、固体1を混合攪拌しながらマイクロ波の照射を行い、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を促進するようにしている。
また、本実施例では、ロータリースクレーパに加えて、エアブローによる混合を行えるエアブロー装置9が併設されており、これにより、固体1のハンドリング性を高めるとともに、マイクロ波の均一加熱への一助を担っている。
そして、筐体2には、筐体内部の固体1の温度を検出し、該検出温度に基づいてマイクロ波の照射出力を制御する照射出力制御機構(図示省略)が設けられており、これにより、固体1の加熱温度を常に適正に保持し、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を優位に促進するようにしている。
有機ハロゲン化合物の分解プロセスの具体化にとって最も重要なことは、反応温度測定と温度によるマイクロ波出力制御であり、本実施例では、固体1の温度検出は、筐体上部に設置された放射温度計10と、筐体底部に設置された複数の熱電対11とにより行われている。
一方、筐体2の上部には、筐体内の空気量調整時に吸引を行い、内部で発生する排ガスを濾過して外部に排出するフィルタ濾過機構12が設けられている。
このフィルタ濾過機構12は、ケーク層13aを有するセラミックス濾布13を筐体内部に配設するとともに、該セラミックス濾布13が捕集した粉塵をパルスジェット等の気流により払い落として逆洗する逆洗機構14を備えている。
これにより、フィルタ抵抗の増加を防止するとともに、フィルタに捕集された未反応物質を筐体内部に再循環させて処理している。なお、フィルタ濾過機構12の逆洗機構14の差動は、一定時間ごとに自動で行ったり、任意の時間に手動で行うことができる。
フィルタ材質としては、セラミックスフィルタなどの電磁波吸収特性が低く耐熱性が高い材質を使用することにより、フィルタの電磁波による加熱ロスが生じず、フィルタが熱損傷を受けることがなく、省エネルギとフィルタの耐久性向上につながる。
電磁波加熱では、筐体内の気体温度が高くなりにくいこと、また、フィルタ表面に形成されるケーク層13aにより、低沸点有害物質の多くを固体状、又はケーク層13aヘの吸着効果により除去することが可能となる。
なお、低沸点物質が有価物である場合は、これを回収することができる。また、触媒層のあるフィルタ材を使用することにより、排ガス中に残存したダイオキシン類の分解が可能となる。
さらに、有用低沸点物質でフィルタを通過したものについては、装置系外に凝縮装置を後置することによって目的物質が回収可能となる。
フィルタ通過後の排ガスの中和処理を必要とする場合は、系外にアルカリ溶液タンク(図示省略)などを後置して、液中で処理を行ったり、フィルタに対して消石灰に代表されるアルカリ物質をプレコート処理したりすることによって対処が可能となる。
なお、筐体内にフィルタを設置するため、取り付けが簡易であり、フィルタ交換時の作業も容易となる
他方、筐体2の底部には、筐体2の外壁温度を測定し、筐体2を外部から加熱する外部加熱装置15が設けられている。
マイクロ波照射の対象となる固体1には、高温域からの電磁波吸収性が飛躍的に高い物質が存在する。これの処理を行うためには、予め筐体2の外壁に設置したヒータなどにより、予め筐体内の固体1を加温することが望ましい。
また、この外部加熱装置15により、筐体内の温度を高く設定することが可能となるため、加温された固体からの熱ロスを防いだり、また、含有水分などの影響により装置外壁で固体(粉体)が固結することを防止することが可能となる。
さらに、図1(b)に示すように、筐体2の壁部22には、内部観察を行うために、電磁波透過防止体16aの外側に耐熱・耐薬品性ガラス16bを配設した観察窓16が設けられている。
具体的には、パンチングメタルなどの電磁波透過防止体16aを内側に取り付けて、マイクロ波の漏洩を防止するとともに、筐体内部の高温による熱損傷や化学的劣化を避けるために耐熱・耐薬品性のあるガラス16bを後置している。放射温度計10による内部温度測定をこの観察窓16より行うことも可能である。
ところで、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体1の処理は、図1に示すようにバッチ処理で行うほか、図2に示す本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置の変形実施例のように、連続処理するようにすることもできる。
この有機ハロゲン化合物の処理装置は、筐体2を略水平方向に延びる複数本の溝状部材20で構成し(この場合、溝状部材20の本数、形状等は、特に限定されるものではない。)、溝状部材20には、筐体2の溝状部材20内に導入された固体1を、混合攪拌しながら順次移送する移送攪拌機構17を配設するとともに、固体1の移送経路に沿ってマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構5の複数のマイクロ波照射部を配設するようにする。
この移送攪拌装置17としては、例えば、スクリューコンベアやパドルミキサー等を用いることができる。
また、筐体2には、水添加機構3及びアルカリ物質添加機構4を備えるようにする。
この有機ハロゲン化合物の処理装置は、略水平方向に延びる複数本の溝状部材20内に導入された固体1を、移送攪拌機構17により混合攪拌しながら順次移送し、その間、マイクロ波照射機構5の複数のマイクロ波照射部からマイクロ波を照射するようにしているので、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体1に対して、満遍なく均一にマイクロ波を照射することができ、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体1を、効率よく連続処理することができる。
この場合、溝状部材20内に導入された固体1が、溝状部材20内を移送される間に所定量(特に限定されるものではないが、例えば、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体10g当たり、0.6KWのマイクロ波を30秒間照射)のマイクロ波エネルギを照射する必要がある。
なお、図1に示すバッチ処理と、図2に示す連続処理とは、次式の関係があり、図2に示す有機ハロゲン化合物の処理装置において、滞留時間(溝状部材20の全長/移送速度)等を適宜設定することにより、図1に示すバッチ処理と同等の分解性能を得ることができる。
(バッチ処理時間)×(単位時間当たりのマイクロ波エネルギ量)/(バッチ処理量)=(滞留時間)×(単位時間当たりのマイクロ波エネルギ量)/(単位時間当たり処理量)
また、図では省略しているが、筐体2から排出した固体1を搬送するスクリューコンベアを設けるとともに、該スクリューコンベアを冷却する水冷装置を設けることにより、加熱した固体1を急激に冷却し、再合成による脱ハロゲン化反応の効率低下を防止することができる。
あるいは、窒素や空気等の冷却用気体を筐体2に導入する冷気導入機構を設けることにより、加熱した固体1を急激に冷却し、再合成による脱ハロゲン化反応の効率低下を防止することができる。
次に、図3〜図4を参照して、本実施例の有機ハロゲン化合物の処理装置を用いた処理方法を説明する。
この有機ハロゲン化合物の処理方法は、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体1に対し、水31とアルカリ物質41を添加し、湿潤状態でマイクロ波を照射せしめアルカリ置換反応と酸化分解反応を迅速に生じさせるようにする。
図3において、1は有機ハロゲン化合物を含む固体を示し、筐体2に送り込まれるもので、実際の設置場所においては、都市ごみ焼却炉に設置される集塵機の底面にダンパから配管を介し筐体2に接続されることとなる。
なお、有機ハロゲン化合物を含む固体1としては、都市ごみ焼却灰・集塵灰・製鋼用電気炉ダストの他、土壌中汚染粒子状物質等が対象となるが、これらに限られるものではない。
水31は、筐体2の内部に水分を供給する供給管から供給するもので固体1を湿潤状態にするため、霧状に噴霧することが好ましい。
また、アルカリ物質41は、CaO(酸化カルシウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)等のアルカリ物質であればその種類は問わない。
例えば、アルカリ物質41としてCaOを供給する場合、固体1に対する含有率は、1〜50%の範囲で供給するようにすることが好ましい。
これは、含有率が1%未満と少ない場合、アルカリ置換反応が生じにくく、反対に50%を超える範囲では、アルカリ置換反応に必要以上のアルカリ物質を供給することとなり、ランニングコストが嵩むこととなる。
アルカリ物質41も、筐体2の内部にアルカリ物質を供給する供給管から供給するものである。
Sは、有機ハロゲン化合物を含む固体1に、水31とアルカリ物質41を加えて湿潤状態となった固体1を示し、図4に示す如く固体1の表面全体に水31が覆うようになる状態をいう。
固体1に対して、添加する水が1%未満の状態においては、水分不足のためアルカリ反応が生じにくくなり、反対に50%を超える範囲においては、溶液内処理と同様な状態になりアルカリ置換後の酸化反応が生じにくい。
51はマイクロ波を示し、水31とアルカリ物質41を加え湿潤状態となった固体に照射するもので、この際に電磁波吸収物質(活性炭や酸化鉄等)を添加して行うことによりマイクロ波51による加熱処理の効率が格段に向上する。
1aは、マイクロ波の照射によって、有機ハロゲン化合物が分解され無害化された固体を示す。
次に示す化学式1が本発明における化学反応の概略を示すものである。
有機ハロゲン化合物に、水とアルカリ物質(式中ではCaO)を加えマイクロ波の照射による加熱によって塩素が水酸基と置換し、この水酸基の存在によって酸化反応が促進され、直鎖有機化合物などが生成される。
この反応によって、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物は分解除去される。
Figure 0004084742
表1は、本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法の実験に用いた模擬灰1の組成を示すもので、都市ごみ焼却炉の集塵機から回収される集塵灰の組成に近い構成となっている。
Figure 0004084742
表2は、模擬灰1に有機ハロゲン化合物としてヘキサクロロベンゼンのみと、ヘキサクロロベンゼンと水を加えてマイクロ波を照射した際における、ヘキサクロロベンゼンの分解率を示すもので、本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法においてはいずれも分解率が50%を越える良好な結果となった。
また、模擬灰重量10グラムに対して水1グラム添加した場合には、分解率は90%となった。
マイクロ波を利用しない外部加熱では加熱に長時間要するとともに、分解率も20%未満で十分な効果は得られないことが知られている。
なお、表中「nd」は、試験検出器によっては検出できない微量であることを示すものである(以下、同じ。)。
Figure 0004084742
表3は、本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法の実験に用いた模擬灰2の組成を示すものである。
Figure 0004084742
表4は、模擬灰2を使用した試験において、4−クロロフェノールを模擬灰2に加えたときの分解率と反応生成物の生成率を示すもので、分解率は到達温度150℃、水分含水率10%において60〜75%であった。
模擬灰2を使用した試験結果より、150℃到達後30秒間処理を行った場合には、直鎖有機化合物の生成率が増加し、分解率も増加していることから、本発明における処理方法では、アルカリ置換反応から酸化分解反応へと移行して直鎖有機化合物が生成していることがわかる。
Figure 0004084742
表5は、本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法の実験に用いた模擬灰3の組成を示すものである。
Figure 0004084742
表6は、模擬灰3を使用した試験において、4−クロロフェノールを模擬灰3に加えたときの、4−クロロフェノールの分解率と反応生成物の生成率を示すもので、分解率は到達温度150℃、含水率10%において50%であった。
表4と表6より、活性炭含有率は12%である模擬灰2の方が、同含有率2%の模擬灰3に比して分解率が高く、同一到達温度までのマイクロ波照射時間が短いことがわかる。これより、活性炭等、電磁波吸収物質の添加効果が確認できるものである。
Figure 0004084742
表7は、本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法の実験に用いた模擬灰4の組成を示すものである。
Figure 0004084742
表8は、模擬灰4を使用した試験において、4−クロロフェノールを模擬灰4に加えたときの、4−クロロフェノールの分解率と反応生成物の生成率を示すもので、分解率は到達温度150℃、含水率10%において30%であり、フェノール類生成率と直鎖有機化合物生成率はndとなっている。
模擬灰3及び模擬灰4を使用した試験結果より、酸化カルシウムによるアルカリ置換反応が生じ、フェノール類の生成反応が生じていることがわかる。
Figure 0004084742
以上、本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置について、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜構成を変更することができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置は、有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体に対し、水とアルカリ物質を添加し、湿潤状態でマイクロ波を照射せしめアルカリ置換反応と酸化分解反応を迅速に生じさせることができ、さらに、溶液処理のような水処理が不要であり、処理後の物質も水分含有量が少なくその輸送等が容易であることから、小型かつ省エネルギで低コストな有機ハロゲン化合物の処理装置を提供することができるという特性を有していることから、廃棄物焼却炉に係るばいじん等の無害化処理の用途に好適に用いることができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置の一実施例を示し、(a)はその断面図、(b)は観察窓の断面図である。 本発明の有機ハロゲン化合物の処理装置の他の実施例を示し、(a)はその全体斜視図、(b)は溝状部材の断面図である。す斜視図である。 同実施例の有機ハロゲン化合物の処理装置によるダイオキシン類の除去方法を示す説明図である。 有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体の湿潤状態を示す説明図である。
符号の説明
1 有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体
1a 処理後の固体
2 筐体
20 溝状部材
21 排出口
22 壁部
3 水添加機構
31 水
4 アルカリ物質添加機構
41 アルカリ物質
5 マイクロ波照射機構
51 マイクロ波
6 電磁波吸収物質添加機構
7 還元剤添加機構
8 混合攪拌機構
9 エアブロー装置
10 放射温度計
11 熱電対
12 フィルタ濾過機構
13 セラミックス濾布
13a ケーク層
14 逆洗機構
15 外部加熱装置
16 観察窓
17 移送攪拌装置

Claims (10)

  1. 有機ハロゲン化合物が付着・吸着した固体を導入する筐体と、筐体内部に水分を添加する水添加機構と、筐体内部にアルカリ物質を添加するアルカリ物質添加機構と、筐体内部で水分とアルカリ物質が添加された固体にマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構と、筐体内部で発生する排ガスを濾過して外部に排出するフィルタ濾過機構と、フィルタ濾過機構の濾布が捕集した粉塵を気流により逆洗する逆洗機構とを備えた有機ハロゲン化合物の処理装置であって、前記フィルタ濾過機構の濾布にセラミックス濾布を使用するとともに、該セラミックス濾布を筐体内部に配設し、セラミックス濾布が捕集した粉塵を逆洗機構によって前記筐体内部に払い落として処理するようにしたことを特徴とする有機ハロゲン化合物の処理装置。
  2. 筐体内部に電磁波吸収物質を添加する電磁波吸収物質添加機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  3. 筐体内部に還元剤を添加する還元剤添加機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  4. 筐体内部の固体を混合攪拌する混合攪拌機構を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  5. 筐体内部の固体の温度を検出し、該検出温度に基づいてマイクロ波の照射出力を制御する制御機構を設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  6. 筐体の底部に、固体を外部から加熱する外部加熱装置を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  7. 電磁波透過防止体の外側に耐熱・耐薬品性ガラスを配設した観察窓を筐体に設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  8. 筐体に、筐体内に導入された固体を、混合攪拌しながら順次移送する移送攪拌機構を配設するとともに、固体の移送経路に沿って複数のマイクロ波照射部を配設したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  9. 筐体から排出した固体を搬送するスクリューコンベアを設けるとともに、該スクリューコンベアを冷却する水冷装置を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
  10. 筐体に冷却用気体を導入する冷気導入機構を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の有機ハロゲン化合物の処理装置。
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