JP4083398B2 - 加熱治療装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管、尿道、腹腔等の生体内腔あるいは管腔に挿入部を挿入し、あるいは外科手術的に生体組織に押し当て部分を押し当て、または体表に押し当て部分を押し当てた後に、挿入部や押し当て部分に設置された出射部から、レーザ光、マイクロ波、ラジオ波、超音波等のエネルギーを、前立腺組織等の生体組織に照射して加熱治療を行う加熱治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の体腔を利用しあるいは生体に小切開を施すことによって生体内に挿入される長尺状の挿入部を用い、その生体の病変部位にレーザ光、マイクロ波、ラジオ波、超音波等のエネルギーを照射して、その病変部位の組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させて消滅させることにより、病変部位を加熱治療する加熱治療装置が知られている。
【0003】
例えば、特開平11−333005号公報には、生体組織の表層またはその近傍に位置する病変部位に、レーザ光源装置から供給されたレーザ光を、挿入部の先端近傍に設置されたレーザ反射面であるミラーで反射させて照射するように構成された側射式の加熱治療装置が示されている。
【0004】
ここで、加熱治療装置における治療条件の設定は、一般に、術者自身が経験により判断して、レーザ光等のエネルギーの出力やエネルギーの照射時間などの治療条件を個々に入力することにより行われている。
【0005】
ところが、上記のレーザ光をミラーで反射させて病変部位に照射する加熱治療装置においては、レーザ照射中におけるミラーの状態、特に温度の状態を知ることが不可能であった。レーザ出力値を十分に大きく、あるいは照射時間を十分に長く術者が選択した場合で、且つこれらに組み合わされる条件としてミラー周辺を冷却する冷媒の冷却能力が比較的少ない場合にはミラーの温度が上昇する可能性があり、ミラーの温度を実測値として把握することは重要である。
【0006】
すなわち、ミラーがそのベースとなる基材に対して接着固定等の方法で固定されている場合には、熱作用で接着剤が劣化し、ミラー自身が浮き上がったり、またははがれるなどの可能性がある。また、ミラーと基材が熱膨脹係数において大きく異なる材質の組み合わせで構成されている場合も同様の可能性がある。さらには、基材が特に熱膨脹性に富んだ材質で構成される場合には、基材の熱膨脹により、ミラーを摺動可能に案内するレール手段との摺動抵抗が増加し、ミラーの滑らかな動きが阻害される可能性がある。
【0007】
また、上記公報には、長尺の挿入部を例えば尿道に挿入した後、レーザ反射面であるミラーを備えた出射部を挿入部内で長手方向に往復運動させながら、レーザ光の出射角度、つまりミラーの角度を変化させることにより、生体組織内の深部に位置する目的部位にレーザ光を集中させるようにした技術が提案されている。これにより、目的部位のみが所望の温度に加熱治療され、目的部位以外の部位は低い温度に保持される。しかしながら、上記公報に記載された加熱治療装置においては、連続的に移動する出射部によるレーザ光の出射動作自体を検出することができなかった。このため、加熱治療される生体組織に対して、レーザ光が適切に移動しながら照射されていることを直接確認することが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、エネルギーを、目的とする病変部位に向けて適確に印加することにより、良好な治療効果を得ることができる加熱治療装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0010】
(1) 生体組織にエネルギーを印加して加熱治療を行う加熱治療装置であって、治療のためのエネルギーを供給するエネルギー供給手段と、前記エネルギー供給手段に接続され、当該エネルギー供給手段から供給されるエネルギーを反射するエネルギー反射手段を備えた、エネルギー出力手段と、前記エネルギー反射手段を往復直線運動させることにより当該エネルギー反射手段の位置を直線方向に変化させるとともに当該位置の変化に伴って当該エネルギー反射手段の角度を変化させる駆動手段と、前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果を用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御するエネルギー制御手段と、を有することを特徴とする加熱治療装置。
【0014】
(2) 前記駆動手段の動作状態を監視する監視手段を更に有し、前記エネルギー制御手段は、更に前記監視手段からの出力結果を用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御することを特徴とする上記(1)に記載の加熱治療装置。
【0016】
(3) 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出するエネルギー検出部を備え、当該エネルギー検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする上記(1)に記載の加熱治療装置。
【0017】
(4) 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあることを検出する位置検出部を備え、当該位置検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする上記(1)に記載の加熱治療装置。
【0018】
(5) 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が第1の位置にあることを検出する位置検出部と、前記エネルギー反射手段が第2の位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出するエネルギー検出部とを備え、前記位置検出部と前記エネルギー検出部とにおける検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする上記(1)に記載の加熱治療装置。
【0019】
(6) 前記検出手段は、更に、加熱治療される生体組織の表面温度を検出することを特徴とする上記(1)に記載の加熱治療装置。
【0020】
(7) 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出する1つのエネルギー検出部を備え、当該エネルギー検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出するとともに、当該エネルギー検出部により前記生体組織の表面温度を検出することを特徴とする上記(6)に記載の加熱治療装置。
【0021】
(8) 前記検出手段の検出結果を用いて、往復直線運動する前記エネルギー反射手段からのエネルギーの出射が適正に行われているか否かの診断を行う診断手段を更に有することを特徴とする上記(6)に記載の加熱治療装置。
【0022】
(9) 前記エネルギー反射手段の両側部に設けられた突起部を摺動可能に支持するための一対の溝部が形成された壁部材を更に有し、前記壁部材は、前記検出手段が設置される収容部を備えることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0023】
(10) 前記検出手段は、光センサまたは温度センサを備えることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0024】
(11) 前記エネルギー供給手段は、外枠を構成する第1の筐体を備え、前記エネルギー制御手段は、前記第1の筐体とは別体とされた外枠を構成する第2の筐体を備え、前記加熱治療装置は、前記エネルギー制御手段に接続される遠隔操作手段と、前記エネルギー供給手段および前記エネルギー制御手段を接続する少なくとも一つの信号伝達手段と、を更に有することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0025】
(12) 前記遠隔操作手段は、操作者により踏まれることによって前記エネルギー供給手段の動作を促す信号を出力するフットスイッチ手段と、加熱治療装置の所定の状態に連動して前記エネルギー供給手段の動作を停止する信号を出力するインターロックスイッチ手段と、を備えたことを特徴とする上記(11)に記載の加熱治療装置。
【0026】
(13) 前記エネルギー供給手段は、レーザ光をエネルギーとして供給することを特徴とする上記(1)〜(12)に記載の加熱治療装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の側面図、図2は、レーザ照射装置の先端部の断面図である。
【0029】
本実施形態の加熱治療装置は、レーザ光を生体組織に照射する、側射式のレーザ照射装置1を有している。この加熱治療装置は、生体内にレーザ照射装置1の長尺状の挿入部121を挿入し、この挿入部121に設置されたレーザ出射部122から、レーザ光を生体組織1001(図6参照)に向けて照射して加熱治療を行うものであり、例えば、前立腺肥大症や、各種の癌等の腫瘍の治療に用いられる。
【0030】
図1および図2に示すように、エネルギー出力手段としてのレーザ照射装置1は、長尺状の挿入部121と、レーザ光を照射するためのレーザ出射部122と、レーザ出射部122を内包しかつ挿入部121の先端部に連接されるハウジング124とを有している。
【0031】
レーザ出射部122には、一本のアーム128が接続されている。アーム128は、ハウジング124内のレーザ出射部122を支持する。アーム128を挿入部121の軸方向に移動させることにより、レーザ出射部122は軸方向に移動される。
【0032】
レーザ出射部122は、片面に形成された、レーザ光を反射する平滑なレーザ反射面(ミラー)123を有している。このレーザ出射部122は、例えば樹脂、ガラス、金属、あるいはこれらの複合材料から形成されている。具体的には、例えば、金属を基材として表面を鏡面に研磨したもの、樹脂や金属を基材として金属等の薄膜を蒸着等により形成して鏡面としたもの、ガラス製の鏡等の反射材を樹脂や金属等の基材に接着したもの、等が挙げられる。本実施形態では特に、レーザ出射部122の温度を検出するミラー温度センサ111が設けられている。ミラー温度センサ111としては、例えばサーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
このミラー温度センサ111は、好ましくは、レーザ反射面123の裏面に設置される。これにより、ミラー温度センサ111は、レーザ光を直接受けることが防止されるので、温度の検出精度が良好に保たれるとともに、損傷からも保護される。また、レーザ光の導光効率を低下させることもない。なお、ミラー温度センサ111の設置位置は、レーザ反射面123の裏面に限られるものではなく、レーザ出射部122のうちのレーザ反射面123を除く領域であれば設置可能である。ミラー温度センサ111からの信号は、ミラー温度センサ信号リード線112により送られる。
【0034】
ハウジング124は、レーザ光照射用の窓部127を有するステンレス鋼などの硬質の管状体からなり、レーザ光透過性のカバー部材125によって覆われている。ハウジング124は、レーザ出射部122から出射されるレーザ光の出射角度を変更するために、レーザ出射部122の両側に突出した突起131(図3参照)と係合するための一対の溝129が設けられた内壁を有する。レーザ出射部122のガイドとして機能する溝129は、レーザ出射部122をはさんで両側に配置され、挿入部121の軸方向に対し傾斜している。なお、ハウジング124の先端部は、キャップ126により密封されている。
【0035】
レーザ光を導くため、光ファイバ101が、挿入部121の内部に配置されている。なお、光ファイバ101の先端に、レンズを設けてもよい。このレンズは、レーザ光の照射角を小さくするための光学素子である。光ファイバ101は、レーザ光源装置3で発生させられたレーザ光を伝達する。緩衝装置132は、ループを形成している光ファイバを収容しており、光ファイバの運動を、吸収する。
【0036】
レーザ照射装置1には、生体組織表層の観察を行う観測装置8が付設されている。この観測装置8は、レーザ照射装置1に対して脱着自在の内視鏡801を有している。内視鏡801は、レーザ照射装置1の基端部から先端部に向かい、挿入されている。内視鏡801の基端側には、カメラヘッド803が取り付けられており、カメラ信号リード804を通じて画像を送ることができる。また、内視鏡801の基端側にはライトガイド802が接続されており、レーザ光が照射される表層の照明が可能となっている。なお、カメラヘッド803を接続しなくても、内視鏡801に装着されている接眼レンズを介して直接目視することも可能である。
【0037】
図3は、レーザ照射装置のレーザ出射部およびアームの構造を説明するための斜視図である。
【0038】
アーム128は、ハウジング124内で左右に分岐してレーザ出射部122を支持しているため、レーザ出射部122の表面にレーザ光が当たることが妨げられることはない。レーザ出射部122は、一辺に、支持部130が設けられ、他辺に、一対の突起131が設けられている。支持部130は、アーム128に回動自在に取付けられており、レーザ出射部122の照射角度の変更に対応可能とされている。突起131は、前述したように、ハウジング124の内壁に配置される溝129と係合する。
【0039】
アーム128は、レーザ照射装置1の基端部に配置される駆動ユニット4に連結されている。なお、駆動ユニット4をレーザ照射装置1の外部に設置し、アーム128をドライブシャフトを介して駆動ユニット4と接続するように構成してもよい。この場合、ドライブシャフトとしては、金属ワイヤ等を使用することができる。
【0040】
駆動ユニット4は、モータ401を有している(図13参照)。モータ401としては、例えば、インダクションモータ、サーボモータ、ステッピングモータ等を使用することができる。駆動ユニット4は、モータ401の回転運動を図示しないカム機構ないしリンク機構により往復直線運動に変換してアーム128に伝達することによって、レーザ出射部122を、挿入部121の軸方向に、往復運動させる。そして、レーザ出射部122は、アーム128と溝129との連動に基づき、軸方向の位置に伴って、傾斜角度が変化する。
【0041】
本実施形態では特に、駆動ユニット4は、レーザ照射装置1に対して、着脱可能に構成されている。具体的には、例えば、モータ401には、モータ401の駆動力を伝達するための駆動力伝達部402が連結されており、一方、レーザ照射装置1のアーム128には、駆動力伝達部402が着脱可能な駆動力受容部135が、支持部134を介して設けられている(図13参照)。なお、アーム128を省略し、光ファイバ101の先端近傍に固着された固定部材にレーザ出射部122を回動可能に取り付け、光ファイバ101自身を往復運動させることにより、レーザ出射部122の位置および角度を変化させる構成とすることもできる。この場合、駆動力受容部135に連設された支持部134は、往復移動される光ファイバ101に連結される。
【0042】
このように、駆動ユニット4とレーザ照射装置1とを互いに着脱可能に構成すれば、生体内に挿入されるレーザ照射装置1は治療ごとに廃棄することができる一方で、駆動ユニット4は繰り返し使用するという使い方が可能となり、ランニングコストの低減が図られている。また、駆動ユニット4は、当該駆動ユニット4がレーザ照射装置1に接続されていることを検知する接続検知手段として、例えばマイクロスイッチ403を備えている。
【0043】
図4は、レーザ出射部の動きとレーザ光の照射方向との関係を説明するための図である。
【0044】
図4に示すように、位置P2における、アーム128と非平行な溝129との間の距離は、位置P1に比べ、短い。したがって、レーザ出射部122の支持部130が、位置P1から位置P2に、移動する場合、レーザ出射部122の突起131が、溝129に沿ってスライドし、レーザ出射部122の傾斜角度が、調整される。つまり、レーザ出射部122の挿入部121の軸に対する傾斜角度が、小さくなる。同様に、レーザ出射部122の支持部130が、位置P2から位置P3に、移動する場合、レーザ出射部122の挿入部121の軸に対する傾斜角度が、更に小さくなる。一方、位置P1〜位置P3において、レーザ出射部122によって反射されるレーザ光は、病変部位、つまり目標とする加熱部位であるターゲット部位1101内部のターゲットポイント1102に集中する。
【0045】
つまり、レーザ光は、ターゲットポイント1102にのみに、連続的に照射され、表層等の他の生体組織には、間欠的に照射される。したがって、ターゲットポイント1102は、照射されたレーザ光により、加熱され、所望温度に達する。一方、表層等の他の生体組織は、レーザ光を受光する時間が短いため、発生する熱量も少なく、ほとんど加熱されない。
【0046】
図5は、図2の線A−Aに関する断面図である。
【0047】
図5に示されるように、挿入部121には、アーム128がスライド自在に挿入されているワーキングルーメン141が、設けられている。ワーキングルーメン141は、挿入部121の軸線と平行に形成されている。挿入部121には、更に、光ファイバ101用のルーメン142と、内視鏡801用のルーメン143と、冷却用の冷媒として使用される冷却水の注入用のルーメン144と排出用のルーメン145とが、設けられている。なお、図5においては、光ファイバ101および内視鏡801は図示省略されている。冷却水は、レーザ光により生じるハウジング124内の発熱を抑え、かつハウジング124に接触する生体組織の表面を冷却するために利用される。
【0048】
ルーメン144,145は、それぞれ、冷却水入口コネクタ103、冷却水出口コネクタ104を介し、給水チューブ272、排水チューブ273に接続されている(図1参照)。冷却水を循環させることにより、冷却能率の向上が図られる。冷却水の温度は、レーザ光の照射によるレーザ出射部122や生体組織の照射表面の損傷を低減できれば特に限定されないが、好ましくは0〜37℃、より好ましくは凍傷の虞れが少なく、かつ冷却効果が高い8〜25℃である。冷却水が逆流することを防ぐために、ルーメン141〜143に、それぞれ、逆止弁を設けることが好ましい。冷却用の冷媒としては、滅菌された液体、例えば精製水や生理食塩水を使用することが好ましい。
【0049】
図6は、レーザ照射装置の使用例を説明するための断面図である。
【0050】
挿入部121の先端部が、体腔1002内に挿入され、レーザ出射部122が収容されているハウジング124を、病変部位、つまり目標とする加熱部位であるターゲット部位1101の近傍の表層に密着させる。この際、内視鏡801によって、ハウジング124の位置を、直接確認することが望ましい。なお、挿入部121の長手方向に関する、ターゲットポイント1102の位置は、レーザ照射装置1全体を挿入部121の長手方向に移動させることによって、調整される。また、挿入部121の周方向に関する、ターゲットポイント1102の位置は、レーザ照射装置1全体を回転させることによって、調整される。
【0051】
レーザ光の照射に際しては、レーザ出射部122は、0.1〜10Hz好ましくは1〜6Hzの周期で、照射角度を変化させながら、軸方向に往復運動させられる。こうしてレーザ光の光路は、連続的に変更されるが、全て、ターゲットポイント1102で交差する。
【0052】
これにより、生体組織1001内部のターゲットポイント1102およびその近傍は、照射されたレーザ光により、加熱され、所望温度に達する。こうして表層部分の温度上昇を抑えながら、所望のターゲット部位1101内の温度だけを高めることができる。
【0053】
なお、生体組織1001に照射されるレーザ光は、発散光、平行光あるいは収束光を用いることができる。レーザ光を収束光とするためには、レーザ光の光路の途中に、レーザ光を収束光にする光学系を設ける。また、使用されるレーザ光は、生体深達性を有するものであれば、特に限定されない。しかし、レーザ光の波長は、750〜1300nmまたは1600〜1800nm程度が特に優れた生体深達性を有するため好ましい。なお、上記波長範囲のレーザ光を発生させるレーザ光源装置としては、例えば、He−Neレーザ等の気体レーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、GaAlAsレーザ等の半導体レーザ等が挙げられる。
【0054】
また、レーザ照射装置1の挿入部の直径、すなわち挿入部121の外径は、体腔1002内に挿入可能であれば、特に限定されない。しかし、挿入部121の外径は、2〜20mm程度が好ましく、3〜8mm程度がより好ましい。
【0055】
図7は、加熱治療装置を前立腺の治療に使用した例を示す断面図である。レーザ照射装置1の挿入部121は、尿道1003に挿入され、レーザ出射部が設置されている挿入部121の先端近傍が、前立腺1004近傍の表層に密着させられる。図中符号1005は膀胱を示している。尿道壁の温度を検出する尿道温度センサ113a,113bが、挿入部121の先端近傍の内部に配置されている。
【0056】
また、本実施形態の加熱治療装置は、直腸プローブ5を有している。直腸プローブ5は、肛門1007から直腸1006に挿入される挿入部501と、操作者によって握られるグリップ502とを備える。直腸プローブ5の挿入部501には、直腸壁の温度を検出する複数の直腸温度センサ503a〜503eが設けられており、その検出値が、センサ信号リード504を通って送信されるようになっている。このように、直腸温度センサ503a〜503eは、生体組織に刺入されることなく、尿道1003から見て前立腺1004の深部に配置される。
【0057】
したがって、加熱治療装置は、尿道壁の温度および直腸壁の温度の検出結果を用いて、加熱治療を実施することができる。これにより、前立腺の近傍に存在する尿道や直腸の正常組織を必要以上に加熱することを防止することが可能となる。ここで、尿道温度センサ113a,113bに用いる温度センサとしては、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体などが挙げられるが、好ましくは素子が小さく、レーザ照射への影響が小さい熱電対である。また、直腸温度センサ503a〜503eに用いる温度センサとしては、同様にサーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体などが挙げられるが、好ましくは安価なサーミスタである。
【0058】
図8は、加熱治療装置の全体構成を示す図、図9は、制御本体およびレーザ光源装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図、図10〜図12は、図9の線B−Bに関する断面図である。
【0059】
図8に示すように、本実施形態に係る加熱治療装置は、レーザ照射装置1、制御本体2、レーザ光源装置3、駆動ユニット4、直腸プローブ5、フットスイッチ6、および観測装置8を有している。レーザ照射装置1、レーザ光源装置3、駆動ユニット4、直腸プローブ5、およびフットスイッチ6は、それぞれ制御本体2に接続されている。フットスイッチ6は、操作者により踏まれることによって制御本体2にレーザ光の照射を促す信号を出力する。
【0060】
観測装置8は、内視鏡観察のための照明用の光を供給する光源装置805と、内視鏡により観察された画像を取り込むためのテレビカメラ装置806と、テレビカメラ装置806に取り込まれた画像を表示させるための受像機807と、これらが集合的に設置され移動可能なカート808とを備えている。光源装置805は、ライトガイド802に接続される。また、テレビカメラ装置806は、カメラ信号リード804を介してカメラヘッド803に接続される。これにより、内視鏡801により観察しながら加熱治療を行うことが可能となっている。
【0061】
制御本体2は、レーザ照射装置1、駆動ユニット4、および直腸プローブ5に設置されている各種センサやマイクロスイッチからの検出信号等を用いて、加熱治療装置全体の動作を制御する。
【0062】
図9に示すように、制御本体2の前面には、電力投入のためのメインスイッチ201、所定の異常時に点灯して告知するための異常告知表示灯202、所定の異常時に音で告知するための異常告知ブザー203、外部記憶メディアの情報を入力するためのメディアインタフェース204が設けられている。メディアインタフェース204は、本実施形態では、患者を診断することによって得られた画像情報等が記憶されたフレキシブルディスク(FD)や光磁気ディスク(MO)等のドライブユニット等である。また、制御本体2の上部には、ユーザに対して所定の情報を表示するとともに、所定の設定や操作を受け付けるユーザインタフェース205が設けられている。ユーザインタフェース205は、本実施形態では、表示画面を含むタッチ式の操作パネルである。
【0063】
また、制御本体2の側面には、駆動ユニット4から伸びる信号リード線を接続するための駆動ユニットコネクタ211、レーザ照射装置1に設置されている各センサから伸びるセンサ信号リード線102,112を接続するための尿道センサコネクタ212、および直腸プローブ5に設置されている各センサから伸びるセンサ信号リード線504を接続するための直腸センサコネクタ213が設けられている。
【0064】
また、制御本体2の背面には、フットスイッチ6から伸びる信号リード線を接続するためのフットスイッチ信号入力コネクタ214と、フットスイッチ信号ケーブル291を接続するためのフットスイッチ信号出力コネクタ215とが設けられている。フットスイッチ信号ケーブル291は、フットスイッチ6からのフットスイッチ信号を、制御本体2を経由した上で伝達するものである。さらに、制御本体2の背面には、インターロックスイッチ7(図13参照)から伸びる信号リード線を接続するためのインターロックスイッチ信号入力コネクタ217と、インターロックスイッチ信号ケーブル292を接続するためのインターロックスイッチ信号出力コネクタ216とが設けられている。インターロックスイッチ信号ケーブル292は、インターロックスイッチ7からのインターロックスイッチ信号を、制御本体2を経由した上で伝達するものである。なお、図中の符号218は、図示しない電力供給用ケーブルが接続されるインレットを示す。
【0065】
レーザ光源装置3の前面には、電力投入のためのメインスイッチ301、レーザ光の出力条件を操作者が設定するための設定ダイアル302a〜302c、および緊急時にレーザ光の出力を停止するための緊急停止スイッチ303が設けられている。設定ダイアル302a〜302cで、例えばレーザ出力値、レーザパルス時間、レーザパルス間隔、レーザ出力時間等の出力条件を設定することができる。そして、制御本体2により計画されたレーザ光の出力条件の推奨値が、ユーザインタフェース205上に表示されるようになっている。操作者は、レーザ光の出力条件を、推奨値を参考にして任意に設定することができる。
【0066】
また、レーザ光源装置3の側面には、光ファイバ101の基端側を接続するためのレーザ出力コネクタ304が設けられている。さらに、レーザ光源装置3の背面には、上記したフットスイッチ信号ケーブル291およびインターロックスイッチ信号ケーブル292をそれぞれ接続するための、フットスイッチ信号入力コネクタ305およびインターロックスイッチ信号入力コネクタ306が設けられている。なお、図中の符号307は、図示しない電力供給用ケーブルが接続されるインレットを示す。
【0067】
図9に示すように、レーザ光源装置3は、制御本体2とは別体とされ、それぞれ異なる外枠を構成する筐体を備えている。制御本体2と組み合わされるレーザ光源装置3は、専用のものに限定されず、フットスイッチ信号およびインターロックスイッチ信号の仕様が同一の範囲内であれば、異なるレーザ光源装置を適宜制御本体2に組み合わせて使用することができる。例えばレーザ光の定格出力値が異なる複数のレーザ光源装置を用意しておいて、これらを適宜交換しながら使用することができる。これにより、加熱治療装置全体としてのシステム性が向上し、また、レーザ光源装置を容易に取り外すことができるのでメンテナンス性が向上する。
【0068】
図9および図10〜図12に示すように、制御本体2の内部には、冷却ユニットが設置されており、制御本体2の前面には、冷却ユニット扉206が開閉可能に取り付けられている。冷却ユニットは、冷却水を収容するバッグ271を有している。バッグ271には、給水チューブ272と排水チューブ273とが接続される。これら給水チューブ272および排水チューブ273は、チューブパネル207を経て、レーザ照射装置1の冷却水入口コネクタ103、冷却水出口コネクタ104に接続される。バッグ271は、互いに平行な2つの側面を備えており、それぞれの側面にバッグ側壁275が貼付されている。バッグ271は、例えばシリコンゴムの板ないしシート等から形成され、また、バッグ側壁275は、熱伝達率の良好な例えばアルミニウムの板ないしシート等から形成されている。
【0069】
この冷却ユニットは、バッグ側壁275および冷却面253を介してバッグ271の一方の側面に接触する第1の冷却素子252aと、バッグ側壁275および冷却面253を介してバッグ271の他方の側面に接離可能に設けられる第2の冷却素子252bとを備えている。冷却素子252a,252bとしては、例えばペルチェ素子を利用したものを使用することができる。第1の冷却素子252aは、固定されたフレーム276a上に設置されており、第2の冷却素子252bは、フレーム276bとともにスライドレール279に沿って移動可能となっている。
【0070】
冷却ユニットの使用時、バッグ側壁275が貼着されたバッグ271が、断熱性を有する断熱ハウジング277内に収納される(図10)。次いで、第2の冷却素子252bを第1の冷却素子252aの方にスライド移動させて(図11)、ヒンジ式固定部材280により固定する(図12)。このように、バッグ271は、第1および第2の冷却素子自体で、はさみ込まれて位置決めされる。そして、断熱性を有する断熱扉278を閉めることにより、バッグ271が収納されている断熱ハウジング277が密閉される。断熱扉278には、冷却水の温度を検出する水温センサ256と、冷却水の水位を検出する水位センサ257とが取り付けられており、それらの検出結果が送信可能とされている。
【0071】
図13は、本発明の第1実施形態に係る加熱治療装置の制御本体を中心とした制御系のブロック図、図14は、図13に示される制御部の詳細を説明するための図である。なお、既に述べた部分については、適宜省略して以降の説明を行う。
【0072】
図13に示すように、制御本体2は、制御部251aを有している。そして、図14に示すように、制御部251aは、測温部233、光検出部234、ミラー駆動部235、接続検出部236、水温制御部237、流量制御部238、圧力検出部239、水位検出部240、レーザ光源装置制御部241、表示・操作入力部242、およびデータ入出力部243等の周辺制御部と、これら周辺制御部の各々の統括的な制御を行うCPU231と、所定のプログラムやデータを記憶するメモリ232とを備えている。
【0073】
測温部233には、尿道センサコネクタ212を介して、ミラー温度センサ111、尿道温度センサ113a,113bからの検出信号が、また、直腸センサコネクタ213を介して、直腸温度センサ503a〜503eからの検出信号が入力される。光検出部234には、尿道センサコネクタ212を介して、光センサ114からの検出信号が入力される。この光センサ114は、レーザ照射装置1に設置されており、レーザ照射装置1の挿入部121がレーザ光の照射対象に当接されていることを光学的に検知する。これにより、挿入部121が例えば生体内に挿入されていない状態でレーザ光が照射される事態を防止することが可能となる。
【0074】
ミラー駆動部235は、駆動ユニットコネクタ211を介して、駆動ユニット4のモータ401に接続されており、信号の授受が行われる。すなわち、ミラー駆動部からモータ401へ、駆動信号が出力される。また、モータ401には、回転速度、回転角度位置、および回転負荷を検出する図示しない検出手段が設けられており、これらの検出手段からの信号がミラー駆動部へフィードバックされる。接続検出部236には、駆動ユニットコネクタ211を介して、駆動ユニット4がレーザ照射装置1に接続されていることを検知するためのマイクロスイッチ403からの検知信号が入力される。
【0075】
また、水温制御部237には、水温センサ256からの検出信号が入力され、該検出信号に応じて、水温制御部237は、冷却素子252に冷却のための電力を供給する。したがって、循環される冷却水の温度を治療に好適な範囲に制御することが可能となる。また、水温制御部237は、サーモスタット254により冷却素子252の過度の高温状態を検出した場合、冷却素子への電力供給を停止することができる。水位検出部240には、水位センサ257からの検出信号が入力されており、冷却水が必要量確保されているか否かを判断することが可能となっている。
【0076】
流量制御部238は、ポンプ258に接続されており、信号の授受が行われる。すなわち、流量制御部238からポンプ258へ駆動信号が出力され、ポンプ258から流量制御部238へ流量に関する検出信号等がフィードバックされる。これにより、冷却水の流量制御が可能となる。ポンプ258としては、例えばローラポンプ、ダイアフラムポンプ、マグネットポンプ等を使用することができる。圧力検出部239には、給水チューブ272内の水圧を検出する圧力センサ259からの検出信号が入力される。圧力センサ259の検出結果を監視することにより、例えば冷却水が過度な高圧となることを回避することができる。
【0077】
レーザ光源装置制御部241には、フットスイッチ信号入力コネクタ214を介して、フットスイッチ6からの信号が入力される。レーザ光源装置制御部241は、必要に応じて、フットスイッチ信号ケーブル291を介して、レーザ光源装置3にレーザ光を出力する旨の信号を出力する。また、インターロックスイッチ信号入力コネクタ217を介して、インターロックスイッチ7からの信号が入力された場合、レーザ光源装置制御部241は、インターロックスイッチ信号ケーブル292を介して、レーザ光源装置3にレーザ光の出力を停止する旨の信号を出力する。インターロックスイッチ7は、例えばレーザ管理区域の扉が開けられたことに連動して、レーザ光源装置3の動作を停止するための信号を出力する。
【0078】
表示・操作入力部242は、所定の異常事態が発生した場合、異常告知表示灯202を点灯させ、異常告知ブザー203を作動させる旨の信号を出力する。また、表示・操作入力部242は、ユーザインタフェース205に接続されており、信号の授受が行われる。すなわち、表示・操作入力部242からユーザインタフェース205へ、所定の情報が出力され、ユーザインタフェース205から表示・操作入力部242へ、例えば操作者による所定の設定や操作に応じた信号が出力される。
【0079】
データ入出力部243は、メディアインタフェース204に接続されており、患者の診断情報や加熱治療履歴等の種々の情報の入出力を、外部記憶メディアを介して行うことが可能となっている。なお、メディアを介さずに外部記憶装置に直接接続して情報の入出力を行うことも可能である。
【0080】
以上のように構成された加熱治療装置を使用する場合にあっては、まず、予め、患者の病変部位を診断しておく。病変部位の診断は、例えば、光学内視鏡、超音波内視鏡、X線造影、磁気共鳴映像法(MRI;magnetic resonance imaging)、X線あるいは磁気共鳴を利用したコンピュータ連動断層撮影(CT;computed tomography )、陽電子射出断層撮影(PET;positron emission tomography)、単一光子射出コンピュータ連動断層撮影(SPECT;single photon emission computed tomography)などを利用して行われる。
【0081】
そして、例えばあらかじめ患者を診断することにより得られた病変部位周辺の画像情報が、FDなどを介してメディアインタフェース204から入力される。入力された病変部位周辺の画像情報は、ユーザインタフェース205上に表示される。操作者は、表示された病変部位から、目標とする加熱部位であるターゲット部位を決定し、ユーザインタフェース205を通してターゲット部位についての情報を入力する。
【0082】
制御本体2は、操作者により決定されたターゲット部位に基づいて、治療条件を計画し、治療条件の推奨値をユーザインタフェース205上に表示する。操作者は、その推奨値を参考にして、治療条件としてのレーザ光の出力条件を、レーザ光源装置3の設定ダイアル302a〜302cを使用して設定する。
【0083】
治療条件としてのレーザ光の出力条件は、例えばレーザ出力値、レーザ出力時間等である。なお、冷却水の温度、冷却水の流量、およびレーザ出射部の移動速度等の他の治療条件は、当該加熱治療における一般的な値が採用されるが、必要に応じてユーザインタフェース205を通して設定できるようにしてもよい。
【0084】
治療条件の設定が完了し、操作者によりフットスイッチ6が踏まれると、フットスイッチ信号が制御本体2の制御部251aに入力される。本実施形態では、フットスイッチ6を踏むだけでは、レーザ光源装置3は作動されない。すなわち、制御部251aは、加熱治療装置の各部の状況を把握し、レーザ光を出力してもよい条件が満たされている場合に、フットスイッチ信号ケーブル291を介して、レーザ光源装置3に、レーザ光を出力する旨の信号を出力する。
【0085】
具体的には、レーザ照射装置1に設置されたミラー温度センサ111の検出信号が予め設定された値を越えた場合に、制御部251aは、フットスイッチ信号ケーブル291を介してのレーザ光を出力する旨の信号の出力を停止して、レーザ光源装置3の動作を停止する。
【0086】
このようにすれば、レーザ出力値を十分に大きく、あるいは照射時間を十分に長く術者が選択した場合で、且つこれらに組み合わされる条件としてミラー周辺を冷却する冷媒の冷却能力が比較的少ない場合において、ミラーの温度上昇が発生しても、下記のような不具合現象に至る以前に十分余裕を持って装置を停止することができる。そのため、装置、特にミラー周辺の消耗を防止することが可能となる。
【0087】
想定される不具合現象としては、例えば、ミラーがそのベースとなる基材に対して接着固定等の方法で固定されている場合には、熱作用で接着剤が劣化し、ミラー自身が浮き上がったり、またははがれるなどの可能性を有することである。また、ミラーと基材が熱膨脹係数において大きく異なる材質の組み合わせで構成されている場合も同様の可能性を有する。さらには、基材が特に熱膨脹性に富んだ材質で構成される場合には、基材の熱膨脹により、ミラーを摺動可能に案内するレール手段(溝129)との摺動抵抗が増加し、ミラーの滑らかな動きが阻害される可能性がある、などの現象が挙げられる。
【0088】
また、制御部251aは、駆動ユニット4のモータ401からフィードバックされる回転速度、回転角度位置、および回転負荷の検出信号等から、モータ401の停止、あるいは指令値に対する所定許容範囲以上の偏差の発生があると判断した場合、レーザ光源装置3の動作を停止する。さらに、制御部251aは、駆動ユニット4のマイクロスイッチ403の検出信号から、駆動ユニット4がレーザ照射装置1に確実に接続されていないと判断した場合も、レーザ光源装置3の動作を停止する。このようにして、所定の周波数でレーザ出射部122を確実に往復運動させつつ、レーザ光を病変部位に向けて照射することが可能となる。
【0089】
なお、加熱治療中に、例えばレーザ管理区域の扉が開けられた場合等の異常な状態が生じた場合、インターロックスイッチ7が働いて、制御部251aは、レーザ光源装置3の動作を停止する。制御部251aは、さらに、加熱治療装置におけるその他のセンサ、マイクロスイッチ、サーモスタット等からの信号、および各部の動作状態を監視しており、必要に応じて、レーザ光源装置3等の加熱治療装置における各部の動作を制御する。
【0090】
図15は、本発明の第2実施形態に係る加熱治療装置の制御本体を中心とした制御系のブロック図、図16は、図15に示される制御部の詳細を説明するための図である。以下、第2実施形態について、上述した第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0091】
図15および図16に示すように、この第2実施形態では、制御本体2の制御部251bは、通信部を備えており、この通信部は、通信コネクタ294、通信ケーブル293を介して、レーザ光源装置3と接続されている。上述した第1実施形態では、治療条件としてのレーザ光の出力条件は、最終的には、操作者によりレーザ光源装置3の設定ダイアル302a〜302cを通して設定されるように構成されていたが、この第2実施形態では、制御部251bで計画された治療条件としてのレーザ光の出力条件が、通信ケーブル293を介して、レーザ光源装置3に送信されることによって自動的に設定されるように構成されている。
【0092】
図17は、レーザ出力値の設定動作を説明するためのフローチャート、図18は、レーザ出力時間の設定動作を説明するためのフローチャート、図19は、レーザ光の出力状態の監視動作を説明するためのフローチャートである。
【0093】
図17に示すように、制御本体2の制御部251bは、診断情報などを用いて決定されたターゲット部位に基づいて治療条件を計画し、治療条件としてのレーザ出力値の設定値(例えば30W)を、通信ケーブル293を介してレーザ光源装置3に送信する(S11)。レーザ光源装置3は、制御部251bから送信されたレーザ出力値の設定値を確認し、レーザ出力値の確認値として通信ケーブル293を介して制御部251bに返送する。制御部251bは、レーザ光源装置3から返送されたレーザ出力値の確認値を受信すると(S12でYES)、レーザ出力値の設定値と確認値とが一致しているか否かを判断する(S13)。
【0094】
そして、制御部251bは、レーザ出力値の設定値と確認値とが一致している場合(S13でYES)、ユーザインタフェース205にレーザ出力値の設定が完了した旨を表示し(S14)、レーザ出力値の設定動作を終了する。これにより、レーザ光出力値が、通信ケーブル293を使用することによって自動的にかつ確実に設定される。一方、レーザ出力値の設定値と確認値とが一致していない場合(S13でNO)、ユーザインタフェース205上に、レーザ出力値の設定にエラーがあった旨を表示し(S15)、操作者に所定の処理を促す。
【0095】
また、図18に示すように、制御部251bは、治療条件としてのレーザ出力時間の設定動作(S21〜S25)を行うが、上記のレーザ出力値の設定動作(S11〜S15)と同様な内容であるため、その説明を省略する。なお、治療条件としてのレーザ出力時間は、例えば300秒等に設定される。
【0096】
さらに、図19に示すように、事前の初期設定がなされていることを前提として、操作者によりフットスイッチ6が踏まれると、制御部251bは、加熱治療装置の各部の状況を把握し、レーザ光を出力してもよい条件が満たされている場合、レーザ光源装置3にレーザ光を出力する旨の信号を出力する。これにより、レーザ光源装置3は、設定された条件に基づいてレーザ光の出力を開始する(S31)。
【0097】
ここで、一定時間(例えば1秒)ごとに、レーザ光源装置3から通信ケーブル293を介して制御部251bに、現在のレーザ出力値が送信される。レーザ光源装置3からのレーザ出力値の送信がない場合(S32でNO)、制御部251bは、ユーザインタフェース205上に通信エラーがあった旨を表示し(S35)、レーザ光の出力を停止して(S37)、操作者に所定の処理を促す。
【0098】
制御部251bは、レーザ光源装置3から送信されたレーザ出力値を受信すると(S32でYES)、実際のレーザ出力値が設定値に対して許容範囲内(例えば、設定値に対して±10%以内)であるか否かを判断する(S33)。レーザ出力値が設定値に対して許容範囲内にない場合(S33でNO)、制御部251bは、ユーザインタフェース205上に出力エラーがあった旨を表示し(S36)、レーザ光の出力を停止して(S37)、操作者に所定の処理を促す。
【0099】
また、制御部251bは、レーザ出力値が設定値に対して許容範囲内であると判断した場合(S33でYES)でも、レーザ光の出力中は常に、加熱治療装置の各部の状況を把握してレーザ光の出力を継続してよいか否かを判断する(S34)。例えば、制御部251bは、ミラー温度センサ111の検出信号から得られた温度が所定値以上の高い温度になった場合(S34でNO)、フットスイッチ信号ケーブル291を介してのレーザ光を出力する旨の信号の出力を停止することにより、レーザ光の出力を停止する。あるいは、制御部251bは、ミラー温度センサ111の検出信号に応じて、通信ケーブル293を介して、レーザ光源装置3によるレーザ出力値を変更(増大または低減)する信号を送信する等の調整を行ってもよい(S37)。なお、制御部251bは、その他の各種センサ等からの信号や、加熱治療装置の各部の状況を監視しており、レーザ光の出力をそのまま継続すべきでないと判断したときも、レーザ光の出力を停止ないし調整する(S37)。
【0100】
このように、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができることに加え、治療条件としてのレーザ光の出力条件を自動的かつ確実に設定することが可能となり、操作性および信頼性が向上する。また、通信ケーブル293を通して、レーザ光源装置3によるレーザ光の出力条件を自動的に調整(例えばレーザ出力値を変更等)することができ、多様な制御が可能となり、機能性が向上する。
【0101】
上述した第1および第2実施形態の加熱治療装置では、レーザ出射部から出射されるレーザ光の出射機能に関する情報を検出する検出手段として、レーザ出射部の温度を検出するミラー温度センサを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばレーザ出射部の歪み量等を検出するものを使用することも可能である。
【0102】
図20は、本発明の第3実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の先端部の断面図、図21は、図20の下方から見た概略図、図22は、図20の線C−Cに関する断面図、図23は、図20の線D−Dに関する断面図である。以下、第3実施形態について、上述した第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については説明を適宜省略する。
【0103】
図20に示すように、この第3実施形態のレーザ照射装置1aは、長尺状の内層パイプ151を備え、生体内に挿入される挿入部150と、挿入部150の先端側に内包され、レーザ光を出射するためのレーザ出射部122とを有している。また、レーザ出射部122は、レーザ光を反射する平滑なレーザ反射面(ミラー)123を有している。
【0104】
挿入部150の内層パイプ151は、ステンレス鋼などの硬質の管状体から構成される。内層パイプ151の先端側には、レーザ光を透過させるための開口である窓部127が形成されている。窓部127を含め、内層パイプ151の全体は、レーザ透過性の良好な外層チューブ152により覆われる。
【0105】
内層パイプ151の先端には、キャップ153が取り付けられる。キャップ153には、挿入部150の生体内への挿入時に前方を観察するための前方観察窓154が設けられている。前方観察窓154には、例えば光透過性の良好な透光板155がはめこまれて固着される。また、挿入部150の先端部分の内部には、内部空間を規定する壁部材156が設けられる。この壁部材156は、左右一対の板状部を有している。
【0106】
挿入部150の内部には、レーザ光を伝達する光ファイバ107が配置されている。光ファイバ107の基端は、レーザ光源装置3に光コネクタを介して接続される。この光ファイバ107は、挿入部150内では先端部分を除いて例えばステンレス鋼製の保護パイプによって破損や湾曲を起こさないように覆われている。光ファイバ107の先端近傍に固着された固定部材157には、レーザ出射部122が回動可能に取り付けられる。固定部材157に形成された貫通孔158には、パイプ159が挿通される。これにより、固定部材157はパイプ159に沿って安定して摺動することができる。また、パイプ159の内部を通って洗浄水を供給することができる。この洗浄水は、キャップ153内に形成された流路170により前方観察窓154の方へ曲げられた後、透光板155の外側を洗浄するように流れる。
【0107】
レーザ出射部122の先端の両側部に設けられた突起131は、壁部材156に形成された挿入部150の軸方向に対して傾斜している一対の溝129に摺動可能に支持される。光ファイバ107は、駆動ユニットに連結されており、挿入部150の軸方向に往復運動可能とされている。したがって、光ファイバ107自身が往復運動させられると、光ファイバ107の先端に取り付けられたレーザ出射部122は、往復運動させられながら、溝129の作用により傾斜角度が変化させられる。
【0108】
冷却水は、レーザ光を受ける生体組織の表面、および挿入部150の内部のレーザ出射部122等を冷却するために、挿入部150の内部を循環する。給水チューブ272を経て供給された冷却水は、ルーメン160に流入した後、挿入部150の先端近傍で孔163からルーメン161に流れ込み、排水チューブ273を経て流出される。なお、冷却水は、壁部材156に形成された孔164からルーメン162にも流入する。
【0109】
また、挿入部150の内部には、内視鏡801が配置されている。この内視鏡801は、レーザ照射装置1aの基端側から挿入され、挿入部150の内部で軸方向に移動可能とされている。内視鏡801は、窓部127および前方観察窓154の双方からの観察野を得るのに好適な視野を有している。なお、図22〜図24においては、内視鏡801は図示省略されている。
【0110】
この第3実施形態では特に、ミラー123を有するレーザ出射部122の往復運動を検出するとともに、加熱治療される生体組織の表面温度を検出する検出ユニット165を有しており、この検出ユニット165の検出結果を用いて、レーザ光源装置3の動作状態が制御される。なお、かかる制御は、単独で実施されてもよく、あるいは上述した第1および第2実施形態における制御と適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0111】
検出ユニット165は、レーザ出射部122の往復運動を検出する往復運動検出センサ166と、加熱治療される生体組織の表面温度、すなわち尿道壁の温度を検出する尿道温度センサ167とを備える。センサ166、167は、壁部材156に形成された収容部に設置される。図23に示すように、センサを設置する際、接着剤169を使用してもよい。センサ166、167としては、サーミスタが使用される。ただし、熱電対などの他の測温センサを使用することも可能である。また、センサ166は、光電素子などのレーザ光を検出可能なセンサであっても良い。
【0112】
往復運動検出センサ166は、レーザ出射部122の往復運動における後端位置近傍、すなわち窓部127の後端部近傍に設置される。これにより、図20に示すように、レーザ出射部122が後端位置(図20の実線で示される位置)にあるときにレーザ出射部122から出射されるレーザ光を検出することができる。この往復運動検出センサ166における検出の時間間隔を求めることによりレーザ出射部122の往復運動が検出される。
【0113】
図25は、往復運動検出センサの検出値を示す図である。往復運動検出センサ166は、レーザ出射部122から出射されるレーザ光を受けると、図示のように、瞬間的に通常時よりも大きなピーク信号Taを出力する。また、往復運動検出センサ166は、レーザ光を受けないとき、上記ピーク信号Taよりも低い定常信号Tbを出力する。図25は、レーザ出射部122が例えば5Hzの周期で往復運動する場合の検出値を示しており、約0.2秒ごとにピーク信号Taが表れていることがわかる。このような往復運動検出センサ166により検出されるピーク信号Taの間隔、すなわち周期C等を求めることにより、レーザ光の移動照射に関するレーザ出射部122の動作状態を知ることができる。なお、往復運動検出センサ166をレーザ出射部122の往復運動の例えば前端位置および後端位置に設けてもよい。このようにすれば、より短時間でレーザ出射部122の動作が適正であるか否かを検出することができる。また、往復運動の往路と復路とで異なる移動速度を設定する場合でも、それぞれの行路に応じてレーザ出射部122の動作状態を検出することができる。
【0114】
一方、尿道温度センサ167は、窓部127の中央側部近傍に設置される。これにより、レーザ光の生体組織への照射を極力妨げずに、尿道壁の温度Tcをより確実に検出することができる。
【0115】
なお、検出ユニット165は、図24に示すように、レーザ出射部122の往復運動および尿道温度を検出する検出センサ168を1つだけ有する構成とすることも可能である。この検出センサ168は、尿道温度センサ167と同様に窓部127の中央側部近傍に設置されるが、図24に示すように、好ましくはレーザ光を検出し易いように、図23に示される尿道温度センサ167よりも若干窓部127の中心に近い位置に設置される。この場合、図25に示すように、ピーク信号Taをカットして得られる信号に相当する定常信号Tbから、尿道温度を知ることができる。
【0116】
次に、図26を参照して、レーザ光の移動照射に関する制御手順について説明する。
【0117】
まず、往復運動検出センサ166からの信号に基づいて、レーザ出射部122の往復運動の検出が行われる。具体的には、往復運動検出センサ166の検出値に基づいて、ピーク信号Ta、およびピークからピークまでの間(ピーク/ピーク)の周期C等が検出される(S41)。
【0118】
また、尿道温度センサ167からの信号に基づいて、尿道の表面温度が検出される(S42)。
【0119】
続いて、ステップS41およびS42における検出結果を用いて、レーザ光の移動照射に関する診断処理が行われる(S43)。診断処理は、具体的には、図27に示される診断テーブルに基づいて実施される。図27の診断テーブルは一例であり、あらかじめ設定されて図示しない記憶部に保存されているが、例えば術者あるいは装置の管理者等により適宜変更可能である。
【0120】
図27によれば、ピーク/ピーク周期Cが一定(設定周期に対する変動幅が所定の割合以下)、および尿道表面温度Tcが設定範囲内(例えば20〜45℃)の場合、正常と診断され、レーザ光の移動照射は適正と想定される。
【0121】
一方、尿道表面温度Tcが設定範囲内であっても、ピーク/ピーク周期Cが不安定の場合、レーザ出射部の駆動状態が不適正と診断され、動作ムラがあると想定される。この原因としては、例えば、駆動系の不良、ミラー動作の不良、あるいは伝達系の不良などが想定される。この場合、駆動系の不良には、動作不良、ガタの存在、モータの不良、電源の不良が含まれ、ミラー動作の不良には、ガタの存在、過剰負荷が含まれ、伝達系の不良には、プローブへの過剰負荷が含まれる。また、尿道表面温度Tcが設定範囲内であっても、ピーク/ピーク間隔が小さい場合、レーザ出射部の駆動状態が不適正等と診断され、動作が速いと想定される。この原因としては、例えば、駆動系の不良などが想定される。この場合、駆動系の不良には、動作不良、モータの不良、電源の不良、部品の欠損が含まれる。また、尿道表面温度Tcが設定範囲内であっても、ピーク/ピーク間隔が大きい場合、レーザ出射部の駆動状態が不適正等と診断され、動作が遅いと想定される。この原因としては、例えば、駆動系の不良などが想定される。この場合、駆動系の不良には、動作不良、ガタの存在、モータの不良、電源の不良が含まれる。また、尿道表面温度Tcが設定範囲内であっても、ピーク/ピーク信号が無い場合、レーザ出射部の駆動状態またはレーザ光の反射状態が不適正と診断され、動作が停止していると想定される。この原因としては、例えば、駆動系の不良、ミラー動作の不良、あるいは伝達系の不良などが想定される。この場合、駆動系の不良には、動作不良、ガタの存在、モータの不良、電源の不良が含まれ、ミラー動作の不良には、ガタの存在、過剰負荷が含まれ、伝達系の不良には、プローブへの過剰負荷が含まれる。
【0122】
さらに、ピーク/ピーク周期Cは一定だがピーク信号Taが設定範囲に対して低く、尿道表面温度Tcが設定範囲内の場合、レーザ出力の不良と診断され、レーザ出力値が小さいと想定される。この原因としては、例えば、光源の不良、あるいは光学部材の不良などが想定される。この場合、光源の不良には、レーザ出力の低下が含まれ、光学部材の不良には、光ファイバの折損、ミラーの研磨不良、ミラーの焼けが含まれる。また、ピーク/ピーク周期Cは一定だがピーク信号Taが設定範囲に対して高く、尿道表面温度Tcが設定範囲内の場合、レーザ出力の不良と診断され、レーザ出力値が大きいと想定される。この原因としては、例えば、光源の不良、あるいは設定ミスなどが想定される。この場合、光源の不良には、レーザ出力の上昇が含まれ、設定ミスには、術者によるレーザ出力値の設定の誤りが含まれる。
【0123】
また、ピーク/ピーク周期Cが一定であっても、尿道表面温度Tcが設定範囲内に対して低い場合、レーザ出力の不良、または冷却不良と診断され、レーザ出力値が小さい、または過冷却と想定される。この原因としては、例えば、光源の不良、光学部材の不良、あるいは冷却系の不良などが想定される。この場合、光源の不良には、レーザ出力の低下が含まれ、光学部材の不良には、光ファイバの折損、ミラーの研磨不良、ミラーの焼けが含まれ、冷却系の不良には、冷却水の流量が過剰である場合、冷却水の温度が低温である場合が含まれる。また、ピーク/ピーク周期Cが一定であっても、尿道表面温度Tcが設定範囲内に対して高い場合、レーザ出力の不良、または冷却不良と診断され、レーザ出力値が大きい、または冷却不足と想定される。この原因としては、例えば、光源の不良、設定ミス、あるいは冷却系の不良などが想定される。この場合、光源の不良には、レーザ出力の上昇が含まれ、設定ミスには、術者によるレーザ出力値の設定の誤りが含まれ、冷却系の不良には、冷却水の流量が不足している場合、冷却水の温度が高温である場合が含まれる。
【0124】
続いて、ステップS43においてレーザ光の移動照射が適正と診断されたか否かが判断される(S44)。
【0125】
レーザ光の移動照射が適正と診断されなかった場合(S44でNO)、制御部は、レーザ光を出力する旨の信号の出力を停止して、レーザ光源装置3の動作を停止する等の処置が行われる(S45)。この場合、術者に、ステップS43において得られたレーザ光の移動照射に関する診断結果を告知する処置を行うことができる。したがって、術者は、診断結果に対してより適切に対処することが可能となる。
【0126】
このように、第3実施形態によれば、レーザ光の移動照射、すなわち連続的に移動するレーザ出射部によるレーザ光の出射動作自体を直接監視することができる。したがって、加熱治療される生体組織にレーザ光が適切に照射されているか否かをより早くかつ確実に検出することが可能となる。これにより、レーザ光を、目的とする病変部位に向けて適確に印加して、良好な治療効果を得ることができる。
【0127】
図28〜図30は、本発明の第4実施形態に係る加熱治療装置のレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。以下、第4実施形態について、上述した第3実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については説明を適宜省略する。
【0128】
第4実施形態では、レーザ出射部122が後端位置(図20の実線で示される位置)にあることを検出する例えばフォトインタラプタ等の出射部位置センサ(不図示)が設けられている。この出射部位置センサは、好ましくはレーザ出射部122自体を検出できる位置に設置される。ただし、出射部位置センサは、例えば、光ファイバ107を覆う保護パイプの先端側のレーザ出射部122が取り付けられた固定部材157、あるいは光ファイバ107の保護パイプの基端側固定部分を検出できる位置に設置されてもよい。その他の加熱治療装置の構成は、第3実施形態と同様である。
【0129】
この第4実施形態では特に、ミラー123を有するレーザ出射部122の往復運動を検出し、当該往復運動の検出結果を用いて、レーザ光源装置の動作状態が制御される。なお、かかる制御は、単独で実施されてもよく、あるいは上述した第1〜第3実施形態における制御と適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0130】
まず、図28を参照して、レーザ出力開始時におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順について説明する。
【0131】
フットスイッチ6がオンされると(S51でYES)、駆動ユニット4のモータ401を回転させ、モータ401の動作確認中であることを示す確認音を発音する(S52)。続いて、フットスイッチ6のオンから所定時間(例えば2秒)が経過したか否かが判断される(S53)。フットスイッチ6のオンから所定時間が経過する前に(S53でNO)フットスイッチ6がオフされた場合(S54でYES)、モータ401の回転が停止され、確認音の発音も停止される(S55)。
【0132】
フットスイッチ6のオンから所定時間が経過する前であって(S53でNO)フットスイッチ6がオフされていない場合(S54でNO)、出射部位置センサによりレーザ出射部122の位置が検出され(S56)、レーザ出射部122が所定の基準位置である後端位置に到着したか否かが判断される(S57)。そして、レーザ出射部122が往復運動することによって繰り返し後端位置に到着する時間間隔が測定される。ここで、レーザ出射部122の後端位置への到着とは、レーザ出射部122が後端位置でない位置にある状態から後端位置にある状態への変化を示す。また、レーザ出射部122が後端位置で停止してしまった場合も検出することができる。
【0133】
レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出され(S57でYES)、前回の到着から例えば100msec以内の場合(S58でYES)、レーザ出射部122の移動速度が速すぎる、つまり往復運動の周期が短すぎると判断され、モータ401の停止、確認音の停止、および所定のエラー表示が行われる(S60)。一方、レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出されず(S57でNO)、前回の到着から例えば340msecを経過した場合(S59でYES)、レーザ出射部122の移動速度が遅すぎる、つまり往復運動の周期が長すぎると判断され、モータ401の停止、確認音の停止、および所定のエラー表示が行われる(S60)。結果的に、レーザ出射部122が往復運動によって繰り返し後端位置に到着する時間間隔C(msec)が、例えば100<C<340である場合、レーザ出射部122の往復運動は適正であると判断される。
【0134】
ステップS54〜S60に示される動作確認の手順がフットスイッチ6のオンから2秒間繰り返される。この間にモータ401の停止および確認音の停止等が行われなかった場合(S53でYES)、モータ401の回転数がエンコーダ等により検出される(S61)。モータ401の回転数が所定の設定範囲内である場合(S62でYES)、レーザ光源装置3によるレーザ出力が開始され、レーザ出力中であることを示す出力音が発音される(S63)。
【0135】
したがって、レーザ出力開始前に、一定時間、レーザ出射部122の往復運動を確認することにより、レーザ出射部122の移動動作が適正でない状態でレーザ出力が開始される事態を回避することができる。
【0136】
また、フットスイッチ6の操作だけで、レーザ出射部122の往復運動の開始と、レーザ出力の開始とを順次行わせることができる。しかも、誤ってフットスイッチ6をオンさせてしまった場合でもレーザ出力がすぐには開始されないので、レーザ出力開始前に出力指示を解除することができる。
【0137】
次に、図29を参照して、レーザ出力中におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順について説明する。
【0138】
レーザ出力中において、出射部位置センサによりレーザ出射部122の位置が検出され(S71)、レーザ出射部122が所定の基準位置である後端位置に到着したか否かが判断される(S72)。レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出され(S72でYES)、前回の到着から例えば100msec以内の場合(S73でYES)、レーザ出射部122の移動速度が速すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータ401の停止、および所定のエラー表示が行われる(S81)。一方、レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出されず(S72でNO)、前回の到着から例えば340msecを経過した場合(S74でYES)、レーザ出射部122の移動速度が遅すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータ401の停止、および所定のエラー表示が行われる(S81)。
【0139】
レーザ出射部122が往復運動によって繰り返し後端位置に到着する時間間隔C(msec)が、例えば100<C<340である場合において、さらに、往復運動検出センサ166からの出力値の検出が行われ(S75)、ピーク信号Ta(図25参照)が検出されたか否かが判断される(S76)。ここで、往復運動検出センサ166により、レーザ出射部122が後端位置にあるときにレーザ出射部122から出射されるレーザ光自体が検出される。
【0140】
往復運動検出センサ166による新たなピーク信号が検出され(S76でYES)、前回のピーク信号検出から例えば100msec以内の場合(S73でYES)、レーザ出射部122の移動速度が速すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータ401の停止、および所定のエラー表示が行われる(S81)。一方、往復運動検出センサ166による新たなピーク信号が検出されず(S76でNO)、前回のピーク信号検出から例えば340msecを経過した場合(S78でYES)、レーザ出射部122の移動速度が遅すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータ401の停止、および所定のエラー表示が行われる(S81)。
【0141】
ステップS79では、モータ401の回転数がエンコーダ等により検出される(S79)。モータ401の回転数が所定の設定範囲内でない場合(S80でNO)、レーザ出力の停止、モータ401の停止、および所定のエラー表示が行われる(S81)。なお、レーザ出力中は、図29のフローチャートに示される手順が繰り返される。
【0142】
したがって、レーザ出力中において、常に、レーザ出射部122の往復運動を確認することにより、レーザ出射部122の移動動作が適正でない状態でレーザ出力が継続される事態を回避することができる。また、レーザ出射部122から出射されるレーザ光自体を往復運動検出センサ166で検出することにより、レーザ光が出射されていることの確認を合わせて行うことができる。
【0143】
次に、図30を参照して、レーザ出力停止時におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順について説明する。
【0144】
レーザ出力中において、フットスイッチ6をオフすることによってレーザ出力停止指示があったか、挿入部150の先端部への内視鏡801の挿入が検出されたか、または、尿道温度センサ167による設定範囲外の温度の検出、冷却水の設定範囲外の温度の検出等に基づくエラーが発生した場合(S91でYES)、ただちにレーザ出力が停止される(S92)。
【0145】
続いて、出射部位置センサによりレーザ出射部122の位置が検出され(S93)、レーザ出射部122が所定の基準位置である後端位置に到着したか否かが判断される(S94)。そして、レーザ出射部122が後端位置に到着した時点で(S94でYES)、モータ401が停止される(S97)。つまり、レーザ出力の停止時において、レーザ出射部122は、後端位置で位置決め停止される。
【0146】
一方、レーザ出射部122が後端位置に到着せずに(S94でNO)、340msecが経過した場合(S95でYES)、所定のエラー表示が行われ(S96)、モータ401が停止される(S97)。
【0147】
したがって、レーザ出力停止時に、レーザ出射部122が後端位置に移動および停止されたことを確認することにより、レーザ出射部122の移動動作が適正でない状態のまま次の操作が開始される事態を回避することができる。
【0148】
また、レーザ出射部122が後端位置で停止させられたとき、レーザ出射部122は、図20において最も水平に近い方へ傾斜された状態で、挿入部150内の上部に位置される。したがって、レーザ出力の停止時において、内視鏡801をレーザ出射部122と干渉することなく挿入部150の先端部へ移動させることができ、内視鏡801による前方あるいは側方の観察を容易に実施することが可能となる。
【0149】
このように、第4実施形態によれば、連続的に移動するレーザ出射部の往復運動を直接監視することができる。したがって、レーザ出射部の往復運動が良好でないことに基づいてレーザ光の移動照射が不適正となってしまう事態を、より早くかつ確実に検出することが可能となる。これにより、レーザ光を、目的とする病変部位に向けて適確に印加して、良好な治療効果を得ることができる。
【0150】
図31は、本発明の第5実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の先端部の断面図、図32は、図31の下方から見た概略図である。以下、第5実施形態について、上述した第4実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については説明を適宜省略する。
【0151】
第5実施形態のレーザ照射装置1bは、検出ユニット165aの往復運動検出センサ166がレーザ出射部122の往復運動における先端位置近傍、すなわち窓部127の先端部近傍に設置される点で、上記第4実施形態と相違している。これにより、図31に示すように、レーザ出射部122が先端位置(図31の2点鎖線で示される2つの位置のうちの右側)にあるときにレーザ出射部122から出射されるレーザ光を検出することができる。その他の加熱治療装置の構成は、第4実施形態と同様である。第5実施形態では、往復運動検出センサ166および出射部位置センサにおける各検出の時間間隔を求めることによりレーザ出射部122の往復運動が検出される。
【0152】
図33および図34は、本発明の第5実施形態に係る加熱治療装置のレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【0153】
図33および図34を参照して、レーザ出力中におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順について説明する。なお、レーザ出力開始時、およびレーザ出力停止時におけるレーザ光の移動照射に関する制御については、上記第4実施形態と同様である。
【0154】
レーザ出力中において、出射部位置センサによりレーザ出射部122の位置が検出され(S101)、レーザ出射部122が所定の基準位置である後端位置に到着したか否かが判断される(S102)。レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出され(S102でYES)、往復運動検出センサ166による前回のピーク信号の検出から例えば50msec以内の場合(S103でYES)、レーザ出射部122の移動速度が速すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータの停止、および所定のエラー表示が行われる(S109)。一方、レーザ出射部122の後端位置への新たな到着が検出されず(S102でNO)、往復運動検出センサ166による前回のピーク信号の検出から例えば170msecを経過した場合(S104でYES)、レーザ出射部122の移動速度が遅すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータの停止、および所定のエラー表示が行われる(S109)。
【0155】
ステップS103においてNOと判断された場合、往復運動検出センサ166からの出力値の検出が行われ(S105)、ピーク信号Ta(図25参照)が検出されたか否かが判断される(S106)。ここで、往復運動検出センサ166により、レーザ出射部122が先端位置にあるときにレーザ出射部122から出射されるレーザ光自体が検出される。
【0156】
往復運動検出センサ166による新たなピーク信号が検出され(S106でYES)、出射部位置センサにより検出された前回の後端位置到着から例えば50msec以内の場合(S107でYES)、レーザ出射部122の移動速度が速すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータの停止、および所定のエラー表示が行われる(S109)。一方、往復運動検出センサ166による新たなピーク信号が検出されず(S106でNO)、出射部位置センサにより検出された前回の後端位置到着から例えば170msecを経過した場合(S108でYES)、レーザ出射部122の移動速度が遅すぎると判断され、レーザ出力の停止、モータの停止、および所定のエラー表示が行われる(S109)。
【0157】
また、ステップS104またはステップS108においてNOと判断された場合、図34に示される処理が実行される。ただし、図34のステップS111〜S117の処理は、図29のステップS75〜S81の処理と同様であるので、説明を省略する。また、図33のステップS104の処理に続いて図34に示される処理が行われる場合、図34のステップS116においてYESと判断されたときは、図33のステップS101に進み、図33のステップS108の処理に続いて図34に示される処理が行われる場合、図34のステップS116においてYESと判断されたときは、図33のステップS105に進む。なお、レーザ出力中は、図33および図34のフローチャートに示される手順が繰り返される。
【0158】
このように、第5実施形態によれば、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができることに加え、新たにセンサを増設すること無く往復運動検出センサ166の設置位置を変更することにより、センサ往復運動の往路と復路とで異なる移動速度が設定される場合であっても、それぞれの行路に応じてレーザ出射部122の動作状態を検出することができる。また、より短時間でレーザ出射部122の動作が適正であるか否かを検出することができる。
【0159】
なお、以上説明した実施形態は、本発明を限定するために記載されたものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【0160】
上述した実施形態では、生体組織に向けて照射されるエネルギーとしてレーザ光を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばマイクロ波、ラジオ波、超音波等のエネルギーの照射を行なうものでもよい。
【0161】
また、加熱治療の対象となる生体組織として、前立腺の場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、血管や消化管(食道、腸管など)、腹腔などの生体内から、あるいは体表からエネルギーを照射して加熱治療を行うことが可能な生体組織のすべてを含む。
【0162】
[付記]
(付記項1) 前記エネルギー出力手段は、尿道に挿入可能な形状であって、尿道に挿入された状態でエネルギーの出力方向が前立腺部位に臨むように構成され、前記加熱治療装置は、前記エネルギー出力手段に設置され尿道壁の温度を検出する尿道温度検出手段と、直腸壁の温度を検出する直腸温度検出手段と、を更に有し、前記エネルギー制御手段は、更に前記尿道温度検出手段および直腸温度検出手段の検出結果を用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0163】
(付記項2) 前記エネルギー出力手段に設置され、当該前記エネルギー出力手段がエネルギーの出力対象に当接されていることを光学的に検知する光検知手段を更に有し、前記エネルギー制御手段は、前記検知手段の検知結果を更に用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御することを特徴とする請求項1〜13、付記項1のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0164】
(付記項3) 冷媒を収容する冷媒容器と、前記冷媒容器と前記エネルギー出力手段との間を連絡する冷媒供給路および冷媒回収路と、前記エネルギー出力手段に向けて冷媒を送出するための冷媒送出手段と、冷媒を冷却する冷却手段と、前記冷媒送出手段および前記冷却手段の動作状態を制御することにより冷媒の流量および温度を調整する冷媒制御手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜13、付記項1,2のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0165】
(付記項4) 前記冷媒容器は、第1の側面と、当該第1の側面に平行な第2の側面と、を備え、前記冷却手段は、前記冷媒容器の第1の側面に接触する第1の冷却部と、前記冷媒容器の第2の側面に接離可能に設けられる第2の冷却部と、を備えたことを特徴とする付記項3に記載の加熱治療装置。
【0166】
(付記項5) 前記エネルギー出力手段の内部を長手方向に沿って延伸し、当該エネルギー出力手段の先端近傍で開口するルーメンと、前記ルーメンの内部に挿入可能な生体を観察するための観察手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜13、付記項1〜4のいずれかに記載の加熱治療装置。
【0167】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の加熱治療装置によれば、エネルギーを、目的とする病変部位に向けて適確に印加することにより、良好な治療効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の側面図である。
【図2】 レーザ照射装置の先端部の断面図である。
【図3】 レーザ照射装置のレーザ出射部およびアームの構造を説明するための斜視図である。
【図4】 レーザ出射部の動きとレーザ光の照射方向との関係を説明するための図である。
【図5】 図2の線A−Aに関する断面図である。
【図6】 レーザ照射装置の使用例を説明するための断面図である。
【図7】 加熱治療装置を前立腺の治療に使用した例を示す断面図である。
【図8】 加熱治療装置の全体構成を示す図である。
【図9】 制御本体およびレーザ光源装置を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。
【図10】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図11】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図12】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図13】 本発明の第1実施形態に係る加熱治療装置の制御本体を中心とした制御系のブロック図である。
【図14】 図13に示される制御部の詳細を説明するための図である。
【図15】 本発明の第2実施形態に係る加熱治療装置の制御本体を中心とした制御系のブロック図である。
【図16】 図15に示される制御部の詳細を説明するための図である。
【図17】 レーザ出力値の設定動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】 レーザ出力時間の設定動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】 レーザ光の出力状態の監視動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】 本発明の第3実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の先端部の断面図である。
【図21】 図20の下方から見た概略図である。
【図22】 図20の線C−Cに関する断面図である。
【図23】 図20の線D−Dに関する断面図である。
【図24】 検出ユニットの変形例を示す図20の線D−Dに関する断面図である。
【図25】 往復運動検出センサの検出値を示す図である。
【図26】 本発明の第3実施形態に係る加熱治療装置のレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図27】 診断テーブルを示す図である。
【図28】 本発明の第4実施形態に係る加熱治療装置のレーザ出力開始時におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図29】 本発明の第4実施形態に係る加熱治療装置のレーザ出力中におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図30】 本発明の第4実施形態に係る加熱治療装置のレーザ出力停止時におけるレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図31】 本発明の第5実施形態に係る加熱治療装置に適用されるレーザ照射装置の先端部の断面図である。
【図32】 図31の下方から見た概略図である。
【図33】 本発明の第5実施形態に係る加熱治療装置のレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図34】 本発明の第5実施形態に係る加熱治療装置のレーザ光の移動照射に関する制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1a…レーザ照射装置(エネルギー出力手段)、
111…ミラー温度センサ(検出手段)、
122…レーザ出射部(エネルギー反射手段)、
123…レーザ反射面(反射面)、
165…検出ユニット(検出手段)、
166…往復運動検出センサ、
167…尿道温度センサ、
2…制御本体、
251a,251b…制御部(エネルギー制御手段)、
293…通信ケーブル(信号伝達手段)、
3…レーザ光源装置(エネルギー供給手段)、
4…駆動ユニット(駆動手段)、
6…フットスイッチ(遠隔操作手段)、
7…インターロックスイッチ(遠隔操作手段)、
1001…生体組織。
Claims (13)
- 生体組織にエネルギーを印加して加熱治療を行う加熱治療装置であって、
治療のためのエネルギーを供給するエネルギー供給手段と、
前記エネルギー供給手段に接続され、当該エネルギー供給手段から供給されるエネルギーを反射するエネルギー反射手段を備えた、エネルギー出力手段と、
前記エネルギー反射手段を往復直線運動させることにより当該エネルギー反射手段の位置を直線方向に変化させるとともに当該位置の変化に伴って当該エネルギー反射手段の角度を変化させる駆動手段と、
前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果を用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御するエネルギー制御手段と、
を有することを特徴とする加熱治療装置。 - 前記駆動手段の動作状態を監視する監視手段を更に有し、
前記エネルギー制御手段は、更に前記監視手段からの出力結果を用いて、前記エネルギー供給手段の動作状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。 - 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出するエネルギー検出部を備え、当該エネルギー検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
- 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあることを検出する位置検出部を備え、当該位置検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
- 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が第1の位置にあることを検出する位置検出部と、前記エネルギー反射手段が第2の位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出するエネルギー検出部とを備え、前記位置検出部と前記エネルギー検出部とにおける検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出することを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
- 前記検出手段は、更に、加熱治療される生体組織の表面温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の加熱治療装置。
- 前記検出手段は、前記エネルギー反射手段が所定位置にあるときに前記エネルギー反射手段から出射されるエネルギーを検出する1つのエネルギー検出部を備え、当該エネルギー検出部における検出の時間間隔を求めることにより前記エネルギー反射手段の往復直線運動を検出するとともに、当該エネルギー検出部により前記生体組織の表面温度を検出することを特徴とする請求項6に記載の加熱治療装置。
- 前記検出手段の検出結果を用いて、往復直線運動する前記エネルギー反射手段からのエネルギーの出射が適正に行われているか否かの診断を行う診断手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の加熱治療装置。
- 前記エネルギー反射手段の両側部に設けられた突起部を摺動可能に支持するための一対の溝部が形成された壁部材を更に有し、
前記壁部材は、前記検出手段が設置される収容部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加熱治療装置。 - 前記検出手段は、光センサまたは温度センサを備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加熱治療装置。
- 前記エネルギー供給手段は、外枠を構成する第1の筐体を備え、前記エネルギー制御手段は、前記第1の筐体とは別体とされた外枠を構成する第2の筐体を備え、
前記加熱治療装置は、前記エネルギー制御手段に接続される遠隔操作手段と、前記エネルギー供給手段および前記エネルギー制御手段を接続する少なくとも一つの信号伝達手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の加熱治療装置。 - 前記遠隔操作手段は、操作者により踏まれることによって前記エネルギー供給手段の動作を促す信号を出力するフットスイッチ手段と、加熱治療装置の所定の状態に連動して前記エネルギー供給手段の動作を停止する信号を出力するインターロックスイッチ手段と、を備えたことを特徴とする請求項11に記載の加熱治療装置。
- 前記エネルギー供給手段は、レーザ光をエネルギーとして供給することを特徴とする請求項1〜12に記載の加熱治療装置。
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