JP2002017747A - 加熱治療装置 - Google Patents

加熱治療装置

Info

Publication number
JP2002017747A
JP2002017747A JP2000201646A JP2000201646A JP2002017747A JP 2002017747 A JP2002017747 A JP 2002017747A JP 2000201646 A JP2000201646 A JP 2000201646A JP 2000201646 A JP2000201646 A JP 2000201646A JP 2002017747 A JP2002017747 A JP 2002017747A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
unit
energy
heat treatment
laser light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000201646A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Nagase
徹 長瀬
Norihiko Haruyama
典彦 晴山
Takefumi Uesugi
武文 上杉
Satoshi Mizukawa
聡 水川
Makoto Inaba
誠 稲葉
Shigenobu Iwahashi
茂信 岩橋
Shin Maki
伸 牧
Satoshi Sakaguchi
諭 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Olympus Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp, Olympus Optical Co Ltd filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2000201646A priority Critical patent/JP2002017747A/ja
Publication of JP2002017747A publication Critical patent/JP2002017747A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Laser Surgery Devices (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)
  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能や性能を常時確保しつつ、生体内に使用
される長尺の本体部分と、レーザ射出部を駆動するため
の駆動ユニットを分離することができる加熱治療装置を
提供する。 【解決手段】 レーザ射出装置1と、レーザ射出装置1
内部に設けられているレーザ射出方向を変更するレーザ
射出ミラーを駆動する駆動ユニット4とを着脱自在とし
て、レーザ射出装置1と駆動ユニット4の接続部分に、
マイクロスイッチ403を設けて接続状態を常時監視
し、レーザ射出装置1と駆動ユニット4がはずれた場合
は、レーザの照射を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、尿道、腹腔
などの生体内腔あるいは管腔に挿入部を挿入し、あるい
は外科手術的に生体組織に押し当て部分を押し当て、ま
たは体表に押し当て部分を押し当てた後に、挿入部や押
し当て部分に設置された出射部から、レーザ光、マイク
ロ波、ラジオ波、超音波などのエネルギーを生体組織の
病変部に照射して加熱治療を行う加熱治療装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体の体腔を利用しあるいは生体に小切
開を施すことによって生体内に挿入される長尺状の挿入
部を用い、生体内の病変部位にレーザ光、マイクロ波、
ラジオ波、超音波などのエネルギーを照射して、病変部
組織を加温、変性、壊死、凝固、焼灼あるいは蒸散させ
て消滅させることにより、病変部位を加熱治療する加熱
治療装置が知られている。
【0003】例えば前立腺肥大症の治療では、前立腺が
膀胱の底部位に尿道後部を取り囲む位置にあることか
ら、レーザ光等を利用して経尿道的に治療するための加
熱治療装置が使用されている。
【0004】このような前立腺肥大症の治療用の装置に
おいては、例えば、長尺の本体を尿道に挿入した後、レ
ーザ出射部を本体内で長手方向に往復運動させながら、
レーザ光の出射角度を変化させることにより、生体組織
内の深部に位置する目的部位にレーザ光を集中させるよ
うにした技術が提案されている。これにより、目的部位
のみが所望の温度に加熱治療され、目的部位以外の部位
は低い温度に保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記したような従来の加熱治療装置は、生体内に挿入さ
れる長尺の本体と、当該本体内でレーザ出射部を往復運
動させるためのモータなどを収納した駆動ユニットとが
組み合わされた比較的大掛かりな装置構成となってい
る。このため、一度治療に使われた長尺の本体は、洗浄
や滅菌が行われた後、繰り返し使用される。
【0006】したがって、繰り返しの使用により経時的
に装置が磨耗、消耗する虞れがあるといった問題があ
る。また、長尺の本体部分と駆動ユニットが一体化した
構造のため、形状的に洗浄や滅菌処理に手間が掛かるた
め、形状的に洗浄や滅菌処理がしやすい構造、あるいは
使い捨てに出来るような構造が求められている。
【0007】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたものであり、本発明の目的は、生体内に
使用される長尺の本体部分と、レーザの射出部を駆動す
るための駆動ユニットを分離することが出来、かつ、加
熱治療中においては、確実にレーザ射出部の駆動が確保
することができる加熱治療装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0009】(1)生体組織にエネルギーを印加して加
熱治療を行う加熱治療装置であって、治療のためのエネ
ルギーを供給するエネルギー供給手段と、前記エネルギ
ー供給手段に接続され、当該エネルギー供給手段から供
給されるエネルギーを反射するエネルギー反射手段を備
えたエネルギー出力手段と、前記エネルギー出力手段に
着脱自在に接続され、前記エネルギー反射手段の位置お
よび角度を変化させる駆動手段と、前記エネルギー出力
手段と前記駆動手段との接続状態を検知する接続検知手
段と、前記接続検知手段が検知した接続状態に応じて、
前記エネルギー供給手段を制御するエネルギー制御手段
と、を有することを特徴とする加熱治療装置。
【0010】(2)前記検知手段は、マイクロスイッチ
であることを特徴とする。
【0011】(3)前記エネルギー供給手段は、レーザ
光をエネルギーとして供給することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の実施形態に係る加熱治療
装置に適用されるレーザ照射装置の側面図、図2は、レ
ーザ照射装置の先端部の断面図である。
【0014】本実施形態の加熱治療装置は、レーザ光を
生体組織に照射する、側射式のレーザ照射装置1を有し
ている。この加熱治療装置は、生体内にレーザ照射装置
1の長尺状の挿入部121を挿入し、この挿入部121
に設置されたレーザ出射部122から、レーザ光を生体
組織1001(図6参照)に向けて照射して加熱治療を
行うものであり、例えば、前立腺肥大症や、各種の癌な
どの腫瘍の治療に用いられる。
【0015】図1および図2に示すように、エネルギー
出力手段としてのレーザ照射装置1は、長尺状の挿入部
121と、レーザ光を照射するためのレーザ出射部12
2と、レーザ出射部122を内包しかつ挿入部121の
先端部に連接されるハウジング124とを有している。
【0016】レーザ出射部122には、一本のアーム1
28が接続されている。アーム128は、ハウジング1
24内のレーザ出射部122を支持する。アーム128
を挿入部121の軸方向に移動させることにより、レー
ザ出射部122は軸方向に移動される。
【0017】レーザ出射部122は、片面に形成され
た、レーザ光を反射する平滑なレーザ反射面(ミラー)
123を有している。このレーザ出射部122は、例え
ば樹脂、ガラス、金属、あるいはこれらの複合材料から
形成されている。具体的には、例えば金属を基材として
表面を鏡状に研磨したもの、樹脂や金属を基材として金
属などの薄膜を蒸着などにより形成して鏡面としたも
の、ガラス製の鏡などの反射材を樹脂や金属の基材に接
着したもの、などが挙げられる。本実施形態では特に、
レーザ出射部122の温度を検出するミラー温度センサ
111が設けられている。ミラー温度センサ111とし
ては、例えばサーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】このミラー温度センサ111は、好ましく
は、レーザ反射面123の裏面に設置される。これによ
り、ミラー温度センサ111は、レーザ光を直接受ける
ことが防止されるので、温度の検出精度が良好に保たれ
るとともに、損傷からも保護される。なお、ミラー温度
センサ111の設置位置は、レーザ反射面123の裏面
に限られるものではなく、レーザ出射部122のうちの
レーザ反射面123を除く領域であれば設置可能であ
る。ミラー温度センサ111からの信号は、ミラー温度
センサ信号リード線112により送られる。
【0019】ハウジング124は、レーザ光照射用の窓
部127を有するステンレス鋼などの硬質の管状体から
なり、レーザ光透過性のカバー部材125によって覆わ
れている。ハウジング124は、レーザ出射部122の
照射角度を変更するために、レーザ出射部122の両側
に突出した突起131(図3参照)と係合するための一
対の溝129が設けられた内壁を有する。レーザ出射部
122のガイドとして機能する溝129は、レーザ出射
部122をはさんで両側に配置され、挿入部121の軸
方向に対し傾斜している。なお、ハウジング124の先
端部は、キャップ126により密封されている。
【0020】レーザ光を導くため、光ファイバ101
が、挿入部121の内部に配置されている。なお、光フ
ァイバ101の先端に、レンズを設けてもよい。このレ
ンズは、レーザ光の照射角を小さくするための光学素子
である。光ファイバ101は、レーザ光源装置3で発生
させられたレーザ光を伝達する。緩衝装置132は、ル
ープを形成している光ファイバを収容しており、光ファ
イバの運動を吸収する。
【0021】レーザ照射装置1には、レーザ出射部12
2の照射角度を変更するためのアーム128を動かす駆
動手段としての駆動ユニット4が、レーザ照射装置1に
対して着脱自在に取り付けられている。
【0022】また、レーザ照射装置1には、生体組織表
層の観察を行う観測装置8(図8参照)が付設されてい
る。この観測装置8は、レーザ照射装置1に対して脱着
自在の内視鏡801を有している。内視鏡801は、レ
ーザ照射装置1の基端部から先端部に向かい、挿入され
ている。内視鏡801の基端側には、カメラヘッド80
3が取り付けられており、カメラ信号リード804を通
じて画像を送ることができる。なお、カメラヘッド80
3からは、内視鏡801に装着されている接眼レンズを
介して直接目視することも可能である。照明光を照射す
る内視鏡801の光ファイバは、ライトガイド802を
通じて送られるガイド光を照射する機能も有している。
したがって、レーザ光が照射される表層の観察、内視鏡
観察に基づくハウジング124の位置決め、およびレー
ザ光の照射位置を視覚的に確認することができる。
【0023】図3は、レーザ照射装置のレーザ出射部お
よびアームの構造を説明するための斜視図である。
【0024】アーム128は、ハウジング124内で左
右に分岐してレーザ出射部122を支持しているため、
レーザ出射部122の表面にレーザ光が当たることが妨
げられることはない。レーザ出射部122は、一辺に、
支持部130が設けられ、他辺に、一対の突起131が
設けられている。支持部130は、アーム128に回動
自在に取付けられており、レーザ出射部122の照射角
度の変更に対応可能とされている。突起131は、前述
したように、ハウジング124の内壁に配置される溝1
29と係合する。
【0025】アーム128は、レーザ照射装置1の基端
部に配置される駆動ユニット4に連結されている。な
お、駆動ユニット4をレーザ照射装置1の外部に設置
し、アーム128をドライブシャフトを介して駆動ユニ
ット4と接続するように構成してもよい。この場合、ド
ライブシャフトとしては、金属ワイヤなどを使用するこ
とができる。
【0026】駆動ユニット4は、モータ401を有して
いる(図13参照)。モータ401としては、例えば、
インダクションモータ、サーボモータ、ステッピングモ
ータなどを使用することができる。駆動ユニット4は、
モータ401の回転運動を図示しないカム機構ないしリ
ンク機構により往復直線運動に変換してアーム128に
伝達することによって、レーザ出射部122を、挿入部
121の軸方向に往復運動させる。そして、レーザ出射
部122は、アーム128と溝129との連動に基づ
き、軸方向の位置に伴って傾斜角度が変化する。
【0027】駆動ユニット4は、前記のように、レーザ
照射装置1に対して着脱可能に構成されている。具体的
には、例えばモータ401には、モータ401の駆動力
を伝達するための駆動力伝達部402が連結されてお
り、一方、レーザ照射装置1のアーム128には、駆動
力伝達部402が着脱可能な駆動力受容部135が、支
持部134を介して設けられている(図13参照)。な
お、アーム128を省略し、光ファイバ101の先端近
傍に固着された固定部材にレーザ出射部122を回動可
能に取り付け、光ファイバ101自身を往復運動させる
ことにより、レーザ出射部122の位置および角度を変
化させる構成とすることもできる。この場合、駆動力受
容部135に連設された支持部134は、往復移動され
る光ファイバ101に連結される。
【0028】このように、駆動ユニット4とレーザ照射
装置1とを互いに着脱可能に構成すれば、生体内に挿入
されるレーザ照射装置1は、1回の治療ごとに廃棄する
ことができる一方で、駆動ユニット4は繰り返し使用す
るという使い方が可能となる。したがって、洗浄、滅菌
処理などは、駆動ユニット4部分についてのみ行えば良
く、その形状が単純であるため、各段に処理しやすくな
る。
【0029】また、駆動ユニット4とレーザ照射装置1
との間には、駆動ユニット4がレーザ照射装置1に確実
に接続されていることを検知する接続検知手段として、
例えばマイクロスイッチ403を備えている。したがっ
て、このマイクロスイッチ403からの信号により、駆
動ユニット4とレーザ照射装置1の接続状態を検知する
ことが出来る。
【0030】本実施形態では、制御本体2が、このマイ
クロスイッチ403からの信号を検出して、万が一、加
熱治療中に駆動ユニット4とレーザ照射装置1が外れた
場合には、レーザ供給手段であるレーザ光源装置3から
のレーザ光の出力を止めるようにしている。
【0031】図4は、レーザ出射部の動きとレーザ光の
照射方向との関係を説明するための図である。
【0032】図4に示すように、位置P2における、ア
ーム128と非平行な溝129との間の距離は、位置P
1に比べ、短い。したがって、レーザ出射部122の支
持部130が、位置P1から位置P2に、移動する場
合、レーザ出射部122の突起131が、溝129に沿
ってスライドし、レーザ出射部122の傾斜角度が、調
整される。つまり、レーザ出射部122の挿入部121
の軸に対する傾斜角度が、小さくなる。同様に、レーザ
出射部122の支持部130が、位置P2から位置P3
に、移動する場合、レーザ出射部122の挿入部121
の軸に対する傾斜角度が、更に小さくなる。一方、位置
P1〜位置P3において、レーザ出射部122によって
反射されるレーザ光は、病変部位、つまり目標とする加
熱部位であるターゲット部位1101内部のターゲット
ポイント1102に集中する。
【0033】つまり、レーザ光は、ターゲットポイント
1102にのみに、連続的に照射され、表層などの他の
生体組織には、間欠的に照射される。したがって、ター
ゲットポイント1102は、照射されたレーザ光によ
り、加熱され、所望温度に達する。一方、表層などの他
の生体組織は、レーザ光を受光する時間が短いため、発
生する熱量も少なく、ほとんど加熱されない。
【0034】図5は、図3の線A−Aに関する断面図で
ある。
【0035】図5に示されるように、挿入部121に
は、アーム128がスライド自在に挿入されているワー
キングルーメン141が、設けられている。ワーキング
ルーメン141は、挿入部121の軸線と平行に形成さ
れている。挿入部121には、更に、光ファイバ101
用のルーメン142と、内視鏡801用のルーメン14
3と、冷却用の冷媒として使用される冷却水の注入用の
ルーメン144と排出用のルーメン145とが、設けら
れている。なお、図5においては、光ファイバ101お
よび内視鏡801は図示省略されている。冷却水は、レ
ーザ光により生じるハウジング124内の発熱を抑え、
かつハウジング124に接触する生体組織の表面を冷却
するために利用される。
【0036】ルーメン144,145は、それぞれ、冷
却水入口コネクタ103、冷却水出口コネクタ104を
介し、給水チューブ272、排水チューブ273に接続
されている(図1参照)。冷却水を循環させることによ
り、冷却能率の向上が図られる。冷却水の温度は、レー
ザ光の照射によるレーザ出射部122や生体組織の照射
表面の損傷を低減できれば特に限定されないが、好まし
くは0〜37℃、より好ましくは凍傷の虞れが少なく、
かつ冷却効果が高い8〜25℃である。冷却水が、基端
部に向かい逆流することを防ぐために、ルーメン141
〜143に、それぞれ、逆止弁を設けることが好まし
い。冷却用の冷媒としては、滅菌された液体、例えば精
製水や生理食塩水を使用することが好ましい。
【0037】図6は、レーザ照射装置の使用例を説明す
るための断面図である。
【0038】挿入部121の先端部が、体腔1002内
に挿入され、レーザ出射部122が収容されているハウ
ジング124を病変部位、つまり目標とする加熱部位で
あるターゲット部位1101の近傍の表層に密着させ
る。この際、内視鏡801によって、ハウジング124
の位置を直接確認することが望ましい。なお、挿入部1
21の長手方向に関する、ターゲットポイント1102
の位置は、レーザ照射装置1全体を挿入部121の長手
方向に移動させることによって、調整される。また、挿
入部121の周方向に関する、ターゲットポイント11
02の位置は、レーザ照射装置1全体を回転させること
によって調整される。
【0039】レーザ光の照射に際しては、レーザ出射部
122は、0.1〜10Hz好ましくは1〜6Hzの周
期で、照射角度を変化させながら、軸方向に往復運動さ
せられる。こうしてレーザ光の光路は連続的に変更され
るが、全てターゲットポイント1102で交差する。
【0040】これにより、生体組織1001内部のター
ゲットポイント1102およびその近傍は、照射された
レーザ光により加熱され、所望温度に達する。こうして
表層部分の温度上昇を抑えながら、所望のターゲット部
位1101内の温度だけを高めることができる。
【0041】なお、生体組織1001に照射されるレー
ザ光は、発散光、平行光あるいは収束光を用いることが
できる。レーザ光を収束光とするためには、レーザ光の
光路の途中に、レーザ光を収束光にする光学系を設け
る。また、使用されるレーザ光は、生体深達性を有する
ものであれば、特に限定されない。しかし、レーザ光の
波長は、750〜1300nmまたは1600〜180
0nm程度が特に優れた生体深達性を有するため好まし
い。なお、上記波長範囲のレーザ光を発生させるレーザ
光源装置としては、例えば、He−Neレーザなどの気
体レーザ、Nd−YAGレーザなどの固体レーザ、Ga
AlAsレーザなどの半導体レーザなどが挙げられる。
【0042】また、レーザ照射装置1の挿入部の直径、
すなわち挿入部121の外径は、体腔1002内に挿入
可能であれば、特に限定されない。しかし、挿入部12
1の外径は、2〜20mm程度が好ましく、3〜8mm程度
がより好ましい。
【0043】図7は、加熱治療装置を前立腺の治療に使
用した例を示す断面図である。レーザ照射装置1の挿入
部121は、尿道1003に挿入され、レーザ出射部が
設置されている挿入部121の先端近傍が、前立腺10
04近傍の表層に密着させられる。図中符号1005は
膀胱を示している。図7では図示省略するが、尿道壁の
温度を検出する尿道温度センサ113a,113bが、
挿入部121の先端近傍の内部に配置されている(図1
および図13参照)。
【0044】また、本実施形態の加熱治療装置は、直腸
プローブ5を有している。直腸プローブ5は、肛門10
07から直腸1006に挿入される挿入部501と、術
者によって握られるグリップ502とを備える。直腸プ
ローブ5の挿入部501には、直腸壁の温度を検出する
複数の直腸温度センサ503a〜503eが設けられて
おり、その検出値が、センサ信号リード504を通って
送信されるようになっている。このように、直腸温度セ
ンサ503a〜503eは、生体組織に刺入されること
なく、尿道1003から見て前立腺1004の深部に配
置される。
【0045】したがって、加熱治療装置は、尿道壁の温
度および直腸壁の温度の検出結果を用いて、加熱治療を
実施することができる。これにより、前立腺の近傍に存
在する尿道や直腸の正常組織を必要以上に加熱すること
を防止することが可能となる。ここで、尿道温度センサ
113a,113bに用いる温度センサとしては、サー
ミスタ、熱電対、白金測温抵抗体などが挙げられるが、
好ましくは素子が小さく、レーザ照射への影響が小さい
熱電対である。また、直腸温度センサ503a〜503
eに用いる温度センサとしては、同様にサーミスタ、熱
電対、白金測温抵抗体などが挙げられるが、好ましくは
安価なサーミスタである。
【0046】図8は、加熱治療装置の全体構成を示す
図、図9は、制御本体およびレーザ光源装置を示す図で
あって、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背
面図、図10〜図12は、図9の線B−Bに関する断面
図である。
【0047】図8に示すように、本実施形態に係る加熱
治療装置は、レーザ照射装置1、制御本体2、レーザ光
源装置3、駆動ユニット4、直腸プローブ5、フットス
イッチ6、および観測装置8を有している。レーザ照射
装置1、レーザ光源装置3、駆動ユニット4、直腸プロ
ーブ5、およびフットスイッチ6は、それぞれ制御本体
2に接続されている。フットスイッチ6は、術者により
踏まれることによって制御本体2にレーザ光の照射を促
す信号を出力する。
【0048】観測装置8は、内視鏡観察のための照明用
の光を供給する光源装置805と、内視鏡により観察さ
れた画像を取り込むためのテレビカメラ装置806と、
テレビカメラ装置806に取り込まれた画像を表示させ
るための受像機807と、これらが集合的に設置され移
動可能なカート808とを備えている。光源装置805
は、ライトガイド802に接続される。また、テレビカ
メラ装置806は、カメラ信号リード804を介してカ
メラヘッド803に接続される。これにより、内視鏡8
01により観察しながら加熱治療を行うことが可能とな
っている。
【0049】制御本体2は、レーザ照射装置1、駆動ユ
ニット4、および直腸プローブ5に設置されている各種
センサやマイクロスイッチからの検出信号などを用い
て、加熱治療装置全体の動作を制御する。
【0050】図9に示すように、制御本体2の前面に
は、電力投入のためのメインスイッチ201、所定の異
常時に点灯して告知するための異常告知表示灯202、
所定の異常時に音で告知するための異常告知ブザー20
3、外部記憶メディアの情報を入力するためのメディア
インタフェース204が設けられている。メディアイン
タフェース204は、本実施形態では、患者を診断する
ことによって得られた画像情報などが記憶されたフロッ
ピー(登録商標)ディスク(FD)や光磁気ディスク
(MO)などのドライブユニットなどである。また、制
御本体2の上部には、ユーザに対して所定の情報を表示
するとともに、所定の設定や操作を受け付けるユーザイ
ンタフェース205が設けられている。ユーザインタフ
ェース205は、本実施形態では、表示画面を含むタッ
チ式の操作パネルである。
【0051】また、制御本体2の側面には、駆動ユニッ
ト4から伸びる信号リード線を接続するための駆動ユニ
ットコネクタ211、レーザ照射装置1に設置されてい
る各センサから伸びるセンサ信号リード線102,11
2を接続するための尿道センサコネクタ212、および
直腸プローブ5に設置されている各センサから伸びるセ
ンサ信号リード線504を接続するための直腸センサコ
ネクタ213が設けられている。
【0052】また、制御本体2の背面には、フットスイ
ッチ6から伸びる信号リード線を接続するためのフット
スイッチ信号入力コネクタ214と、フットスイッチ信
号ケーブル291を接続するためのフットスイッチ信号
出力コネクタ215とが設けられている。フットスイッ
チ信号ケーブル291は、フットスイッチ6からのフッ
トスイッチ信号を制御本体2を経由した上で伝達するも
のである。さらに、制御本体2の背面には、インターロ
ックスイッチ7(図13参照)から伸びる信号リード線
を接続するためのインターロックスイッチ信号入力コネ
クタ217と、インターロックスイッチ信号ケーブル2
92を接続するためのインターロックスイッチ信号出力
コネクタ216とが設けられている。インターロックス
イッチ信号ケーブル292は、インターロックスイッチ
7からのインターロックスイッチ信号を制御本体2を経
由した上で伝達するものである。なお、図中の符号21
8は、図示しない電力供給用ケーブルが接続されるイン
レットを示す。
【0053】レーザ光源装置3の前面には、電力投入の
ためのメインスイッチ301、レーザ光の出力条件を術
者が設定するための設定ダイアル302a〜302c、
および緊急時にレーザ光の出力を停止するための緊急停
止スイッチ303が設けられている。設定ダイアル30
2a〜302cで、例えばレーザ出力値、レーザパルス
時間、レーザパルス間隔、レーザ出力時間などの出力条
件を設定することができる。そして、制御本体2により
計画されたレーザ光の出力条件の推奨値が、ユーザイン
タフェース205上に表示されるようになっている。術
者は、レーザ光の出力条件を推奨値を参考にして、任意
に設定することができる。
【0054】また、レーザ光源装置3の側面には、光フ
ァイバ101の基端側を接続するためのレーザ出力コネ
クタ304が設けられている。さらに、レーザ光源装置
3の背面には、上記したフットスイッチ信号ケーブル2
91およびインターロックスイッチ信号ケーブル292
をそれぞれ接続するためのフットスイッチ信号入力コネ
クタ305およびインターロックスイッチ信号入力コネ
クタ306が設けられている。なお、図中の符号307
は、図示しない電力供給用ケーブルが接続されるインレ
ットを示す。
【0055】図9に示すように、レーザ光源装置3は、
制御本体2とは別体とされ、それぞれ異なる外枠を構成
する筐体を備えている。制御本体2と組み合わされるレ
ーザ光源装置3は、専用のものに限定されず、フットス
イッチ信号およびインターロックスイッチ信号の仕様が
同一の範囲内であれば、異なるレーザ光源装置を適宜制
御本体2に組み合わせて使用することができる。例えば
レーザ光の定格出力値が異なる複数のレーザ光源装置を
用意しておいて、これらを適宜交換しながら使用するこ
とができる。これにより、加熱治療装置全体としてのシ
ステム性が向上し、また、レーザ光源装置を容易に取り
外すことができるのでメンテナンス性が向上する。
【0056】図9および図10〜図12に示すように、
制御本体2の内部には、冷却ユニットが設置されてお
り、制御本体2の前面には、冷却ユニット扉206が開
閉可能に取り付けられている。冷却ユニットは、冷却水
を収容するバッグ271を有している。バッグ271に
は、給水チューブ272と排水チューブ273とが接続
される。これら給水チューブ272および排水チューブ
273は、チューブパネル207を経て、レーザ照射装
置1の冷却水入口コネクタ103、冷却水出口コネクタ
104に接続される。バッグ271は、互いに平行な2
つの側面を備えており、それぞれの側面にバッグ側壁2
75が貼付されている。バッグ271は、例えばシリコ
ンゴムの板やシートなどから形成され、また、バッグ側
壁275は、熱伝達率の良好な例えばアルミニウムの板
ないしシートなどから形成されている。
【0057】この冷却ユニットは、バッグ側壁275お
よび冷却面253を介してバッグ271の一方の側面に
接触する第1の冷却素子252aと、バッグ側壁275
および冷却面253を介してバッグ271の他方の側面
に接離可能に設けられる第2の冷却素子252bとを備
えている。冷却素子252a,252bとしては、例え
ばペルチェ素子を利用したものを使用することができ
る。第1の冷却素子252aは、固定されたフレーム2
76a上に設置されており、第2の冷却素子252b
は、フレーム276bとともにスライドレール279に
沿って移動可能となっている。
【0058】冷却ユニットの使用時、バッグ側壁275
が貼着されたバッグ271が、断熱性を有する断熱ハウ
ジング277内に収納される(図10)。次いで、第2
の冷却素子252bを第1の冷却素子252aの方にス
ライド移動させて(図11)、ヒンジ式固定部材280
により固定する(図12)。このように、バッグ271
は、第1および第2の冷却素子自体で、はさみ込まれて
位置決めされる。そして、断熱性を有する断熱扉278
を閉めることにより、バッグ271が収納されている断
熱ハウジング277が密閉される。断熱扉278には、
冷却水の温度を検出する水温センサ256と、冷却水の
水位を検出する水位センサ257とが取り付けられてお
り、それらの検出結果が送信可能とされている。
【0059】図13は、本発明の実施形態に係る加熱治
療装置の制御本体を中心とした制御系のブロック図、図
14は、図13に示される制御部の詳細を説明するため
の図である。なお、既に述べた部分については、適宜省
略して以降の説明を行う。
【0060】図13に示すように、制御本体2は、エネ
ルギー制御手段として機能する制御部251aを有して
いる。そして、制御部251aは、図14に示すよう
に、測温部233、光検出部234、ミラー駆動部23
5、接続検出部236、水温制御部237、流量制御部
238、圧力検出部239、水位検出部240、レーザ
光源装置制御部241、表示・操作入力部242、およ
びデータ入出力部243などの周辺制御部と、これら周
辺制御部の各々の統括的な制御を行うCPU231と、
所定のプログラムやデータを記憶するメモリ232とを
備えている。
【0061】測温部233には、尿道センサコネクタ2
12を介して、ミラー温度センサ111、尿道温度セン
サ113a,113bからの検出信号が、また、直腸セ
ンサコネクタ213を介して、直腸温度センサ503a
〜503eからの検出信号が入力される。光検出部23
4には、尿道センサコネクタ212を介して、光センサ
114からの検出信号が入力される。この光センサ11
4は、レーザ照射装置1に設置されており、レーザ照射
装置1の挿入部121がレーザ光の照射対象に当接され
ていることを光学的に検知する。これにより、挿入部1
21が例えば生体内に挿入されていない状態でレーザ光
が照射される事態を防止することが可能となる。
【0062】ミラー駆動部235は、駆動ユニットコネ
クタ211を介して、駆動ユニット4のモータ401に
接続されており、信号の授受が行われる。すなわち、ミ
ラー駆動部からモータ401へ、駆動信号が出力され
る。また、モータ401には、回転速度、回転角度位
置、および回転負荷を検出する図示しない検出手段が設
けられており、これらの検出手段からの信号がミラー駆
動部へフィードバックされる。
【0063】接続検出部236には、駆動ユニットコネ
クタ211を介して、駆動ユニット4がレーザ照射装置
1に接続されていることを検知するためのマイクロスイ
ッチ403からの検知信号が入力される。そして、CP
U231がこのマイクロスイッチ403の信号から、駆
動ユニット4がレーザ照射装置1から外れたことを検知
した場合に、レーザ光源装置制御部241に対してレー
ザ光の出力を停止するように指令する。レーザ光源装置
制御部241では、このCPU231からの指令によ
り、インターロックスイッチ信号ケーブル292を介し
て、レーザ光源装置3にレーザ光の出力を停止する信号
を出力する。このようにして、所定の周波数でレーザ出
射部122を確実に往復運動させつつ、レーザ光を病変
部位に向けて照射することが可能となる。
【0064】また、CPU231は、同時に、表示・操
作入力部242を介してユーザインタフェース205
に、駆動ユニット4がレーザ照射装置1から外れたこ
と、およびレーザ光の出力を停止したことを警告する表
示を行う。
【0065】水温制御部237には水温センサ256か
らの検出信号が入力され、該検出信号に応じて、水温制
御部237は冷却素子252に冷却のための電力を供給
する。したがって循環される冷却水の温度を治療に好適
な範囲に制御することが可能となる。また水温制御部2
37は、サーモスタット254により冷却素子252の
過度の高温状態を検出した場合、冷却素子への電力供給
を停止することができる。
【0066】水位検出部240には、水位センサ257
からの検出信号が入力されており、冷却水が必要量確保
されている否かを判断することが可能となっている。
【0067】流量制御部238は、ポンプ258に接続
されており、信号の授受が行われる。すなわち、流量制
御部238からポンプ258へ駆動信号が出力され、ポ
ンプ258から流量制御部238へ流量に関する検出信
号などがフィードバックされる。これにより、冷却水の
流量制御が可能となる。ポンプ258としては、例えば
ローラポンプ、ダイアフラムポンプ、マグネットポンプ
などを使用することができる。
【0068】圧力検出部239には、給水チューブ27
2内の水圧を検出する圧力センサ259からの検出信号
が入力される。圧力センサ259の検出結果を監視する
ことにより、例えば冷却水が過度な高圧となることを回
避することができる。
【0069】レーザ光源装置制御部241には、フット
スイッチ信号入力コネクタ214を介して、フットスイ
ッチ6からの信号が入力される。レーザ光源装置制御部
241は、必要に応じて、フットスイッチ信号ケーブル
291を介して、レーザ光源装置3にレーザ光を出力す
る旨の信号を出力する。
【0070】また、レーザ光源装置制御部241は、イ
ンターロックスイッチ信号入力コネクタ217を介し
て、インターロックスイッチ7からの信号が入力された
場合、および、先に説明したように、CPU231から
のレーザ光の出力を停止する旨の指令を受けた場合に
は、即刻、レーザ光の出力を止めるために、インターロ
ックスイッチ信号ケーブル292を介して、レーザ光源
装置3にレーザ光の出力を停止する信号を出力する。な
お、インターロックスイッチ7は、例えばレーザ光管理
区域の扉が開けられたことに連動して、レーザ光源装置
3の動作を停止するための信号を出力する。
【0071】表示・操作入力部242は、所定の異常事
態が発生した場合、異常告知表示灯202を点灯させ、
異常告知ブザー203を作動させる旨の信号を出力す
る。また、表示・操作入力部242は、ユーザインタフ
ェース205に接続されており、信号の授受が行われ
る。すなわち、表示・操作入力部242からユーザイン
タフェース205へ、所定の情報が出力され、ユーザイ
ンタフェース205から表示・操作入力部242へ、例
えば術者による所定の設定や操作に応じた信号が出力さ
れる。
【0072】データ入出力部243は、メディアインタ
フェース204に接続されており、患者の診断情報や加
熱治療履歴などの種々の情報の入出力を外部記憶メディ
アを介して行うことが可能となっている。なお、メディ
アを介さずに外部記憶装置に直接接続して情報の入出力
を行うことも可能である。
【0073】以上のように構成された加熱治療装置を使
用する場合にあっては、まず、予め、患者の病変部位を
診断しておく。病変部位の診断は、例えば、光学内視
鏡、超音波内視鏡、X線造影、磁気共鳴映像法(MR
I;magnetic resonance imaging)、X線あるいは磁気
共鳴を利用したコンピュータ連動断層撮影(CT;comp
uted tomography )、陽電子射出断層撮影(PET;po
sitron emission tomography)、単一光子射出コンピュ
ータ連動断層撮影(SPECT;single photon emissi
on computed tomography)などを利用して行われる。
【0074】そして、例えばあらかじめ患者を診断する
ことにより得られた病変部位周辺の画像情報が、FDな
どを介してメディアインタフェース204から入力され
る。入力された病変部位周辺の画像情報は、ユーザイン
タフェース205上に表示される。術者は、表示された
病変部位から、目標とする加熱部位であるターゲット部
位を決定し、ユーザインタフェース205を通してター
ゲット部位についての情報を入力する。
【0075】制御本体2は、術者により決定されたター
ゲット部位に基づいて、治療条件を計画し、治療条件の
推奨値をユーザインタフェース205上に表示する。術
者は、その推奨値を参考にして、治療条件としてのレー
ザ光の出力条件をレーザ光源装置3の設定ダイアル30
2a〜302cを使用して設定する。
【0076】治療条件としてのレーザ光の出力条件は、
例えばレーザ出力値、レーザ出力時間などである。な
お、冷却水の温度、冷却水の流量、およびレーザ出射部
の移動速度などの他の治療条件は、当該加熱治療におけ
る一般的な値が採用されるが、必要に応じてユーザイン
タフェース205を通して設定できるようにしてもよ
い。
【0077】治療条件の設定が完了し、術者によりフッ
トスイッチ6が踏まれると、フットスイッチ信号が制御
本体2の制御部251aに入力される。本実施形態で
は、フットスイッチ6を踏むだけでは、レーザ光源装置
3は作動されない。すなわち、制御部251aは、加熱
治療装置の各部の状況を把握し、レーザ光を出力しても
よい条件が満たされている場合に、フットスイッチ信号
ケーブル291を介して、レーザ光源装置3に、レーザ
光を出力する旨の信号を出力する。
【0078】具体的には、レーザー照射装置1に設置さ
れたミラー温度センサー111の検出信号があらかじめ
設定された値を超えた場合に、制御部251aはフット
スイッチ信号ケーブル291を介してのレーザー光を出
力する旨を信号の出力を停止してレーザ光源装置3の動
作を停止する。
【0079】このようにすれば、レーザ出力値を十分に
大きく、あるいは照射時間を十分に長く術者が選択した
場合で、かつこれらに組み合わされる条件としてミラー
周辺を冷却する冷媒の冷却能力が比較的少ない場合にお
いて、ミラーの温度上昇が発生しても、下記のような不
具合現象に至る以前に十分に余裕もって装置を停止する
ことができる。このため装置、特にミラー周辺の消耗を
防止することが可能となる。
【0080】想定される不具合現象としては、例えばミ
ラーがそのベースとなる基材に対して接着固定などの方
法で固定されている場合には、熱作用で接着剤が劣化
し、ミラー自身が浮き上がったり、またははがれるなど
の可能性を有することである。また、ミラーと基材が熱
膨張係数において大きく異なる材質の組み合わせで構成
されている場合も同様の可能性を有する。さらには、基
材が特に熱膨張性に富んだ材質で構成される場合には機
材の熱膨張によりにレール手段との摺動抵抗が低下し、
ミラーの滑らかな動きが阻害される可能性がある、など
の現象が挙げられる。
【0081】また、制御部251aは、駆動ユニット4
のモータ401からフィードバックされる回転速度、回
転角度位置、および回転負荷の検出信号などから、モー
タ401の停止、あるいは指令値に対する所定許容範囲
以上の偏差の発生があると判断した場合、レーザ光源装
置3の動作を停止する。
【0082】さらに、制御部251aは、マイクロスイ
ッチ403、インターロックスイッチ7などからの信号
を監視して、加熱治療中に、例えばレーザ照射装置1と
駆動ユニット4が外れた場合、あるいはレーザ管理区域
の扉があけられた場合などには、レーザ光源装置3の動
作を停止する。制御部251aは、さらに、加熱治療装
置におけるその他のセンサやサーモスタットなどの信号
から、各部の動作状態を監視しており、必要に応じて、
レーザ光源装置3などの加熱治療装置における各部の動
作を制御する。
【0083】このように本実施形態では、レーザ射出方
向を変更するためにレーザ出射部を動かす駆動ユニット
をレーザ照射装置に対して着脱自在としたことにより、
生体内に挿入されるレーザ照射装置は、1回の治療ごと
に廃棄することができる一方で、駆動ユニットは繰り返
し使用するという使い方を可能にすると共に、レーザ照
射装置と駆動ユニットとの間にマイクロスイッチを設け
て、これらの接続状態を常時検知出来るようにして、万
が一、レーザ照射装置と駆動ユニットが外れた場合には
レーザ光を停止することで、加熱治療中にレーザ光が一
方向へ連続して照射されるのを防止することが出来る。
【0084】なお、以上説明した実施形態は、本発明を
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【0085】例えば生体組織に向けて照射されるエネル
ギーとして、上述した実施形態ではレーザ光を例に説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ばマイクロ波、ラジオ波、超音波などのエネルギーの照
射を行なうものでもよい。
【0086】また、加熱治療の対象となる生体組織とし
て、前立腺の場合を例に説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、血管や消化管(食道、腸管な
ど)、腹腔などの生体内から、あるいは体表からエネル
ギーを照射して加熱治療を行うことが可能な生体組織の
すべてを含む。
【0087】[付記] (付記項1)前記エネルギー出力手段は、尿道に挿入可
能な形状であって、尿道に挿入された状態でエネルギー
の出力方向が前立腺部位に臨むように構成され、前記加
熱治療装置は、前記エネルギー出力手段に設置され尿道
壁の温度を検出する尿道温度検出手段と、直腸壁の温度
を検出する直腸温度検出手段と、を更に有し、前記エネ
ルギー制御手段は、更に前記尿道温度検出手段および直
腸温度検出手段の検出結果を用いて、前記エネルギー供
給手段の動作状態を制御することを特徴とする請求項1
〜3のいづれか一つに記載の加熱治療装置。
【0088】(付記項2)前記エネルギー出力手段に設
置され、当該前記エネルギー出力手段がエネルギーの出
力対象に当接されていることを光学的に検知する光検知
手段を更に有し、前記エネルギー制御手段は、前記検知
手段の検知結果を更に用いて、前記エネルギー供給手段
の動作状態を制御することを特徴とする請求項1〜3、
付記項1のいづれか一つに記載の加熱治療装置。
【0089】(付記項3)冷媒を収容する冷媒容器と、
前記冷媒容器と前記エネルギー出力手段との間を連絡す
る冷媒供給路および冷媒回収路と、前記エネルギー出力
手段に向けて冷媒を送出するための冷媒送出手段と、冷
媒を冷却する冷却手段と、前記冷媒送出手段および前記
冷却手段の動作状態を制御することにより冷媒の流量お
よび温度を調整する冷媒制御手段と、を更に有すること
を特徴とする請求項1〜3、付記項1〜2のいづれか一
つに記載の加熱治療装置。
【0090】(付記項4)前記冷媒容器は、第1の側面
と、当該第1の側面に平行な第2の側面と、を備え、前
記冷却手段は、前記冷媒容器の第1の側面に接触する第
1の冷却部と、前記冷媒容器の第2の側面に接離可能に
設けられる第2の冷却部と、を備えたことを特徴とする
請求項1〜3、付記項1〜3のいづれか一つに記載の加
熱治療装置。
【0091】(付記項5)前記エネルギー出力手段の内
部を長手方向に沿って延伸し、当該エネルギー出力手段
の先端近傍で開口するルーメンと、前記ルーメンの内部
に挿入可能な生体を観察するための観察手段と、を更に
有することを特徴とする請求項1〜3、付記項1〜4の
いづれか一つに記載の加熱治療装置。
【0092】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の加熱治療装
置によれば、エネルギー出力手段と、このエネルギー出
力手段に設けられているエネルギー反射手段を駆動する
駆動手段とを着脱自在とし、これらの接続状態を接続検
知手段により検知して、その検知結果によりエネルギー
制御手段が、エネルギーの供給を制御することとしたの
で、生体内に使用されるエネルギー出力手段の部分を分
離することが出来きるようになり、生体内に使用される
部分であるエネルギー出力手段を使い捨てにすることを
も可能とし、一方、エネルギー出力手段と駆動手段を分
離可能としたことによって、治療中において万が一、エ
ネルギー出力手段と駆動手段が外れた場合には、エネル
ギー制御手段が接続検知手段によりこれを検知してエネ
ルギーの照射を停止することで、駆動手段が接続されな
い状態でのエネルギーの照射を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る加熱治療装置に適用
されるレーザ照射装置の斜視図である。
【図2】 レーザ照射装置の先端部の断面図である。
【図3】 レーザ照射装置のレーザ出射部およびアーム
の構造を説明するための斜視図である。
【図4】 レーザ出射部の動きとレーザ光の照射方向と
の関係を説明するための図である。
【図5】 図3の線A−Aに関する断面図である。
【図6】 レーザ照射装置の使用例を説明するための断
面図である。
【図7】 加熱治療装置を前立腺の治療に使用した例を
示す断面図である。
【図8】 加熱治療装置の全体構成を示す図である。
【図9】 制御本体およびレーザ光源装置を示す図であ
って、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面
図である。
【図10】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図11】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図12】 図9の線B−Bに関する断面図である。
【図13】 本発明の第1実施形態に係る加熱治療装置
の制御本体を中心とした制御系のブロック図である。
【図14】 図13に示される制御部の詳細を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…レーザ照射装置、 2…制御本体、 251a…制御部、 403…マイクロスイッチ 3…レーザ光源装置、 4…駆動ユニット、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月30日(2000.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】(付記項5)前記エネルギー出力手段の内
部を長手方向に沿って延伸し、当該エネルギー出力手段
基端部から開口するルーメンと、前記ルーメンの内部
に挿入可能な生体を観察するための観察手段と、を更に
有することを特徴とする請求項1〜3、付記項1〜4の
いづれか一つに記載の加熱治療装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 7/12 A61N 5/01 A 5F072 A61N 1/02 5/06 E 1/40 H01S 3/00 A 5/01 A61B 17/36 350 5/06 H01S 3/00 330 340 (72)発明者 晴山 典彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 上杉 武文 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 水川 聡 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 稲葉 誠 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 岩橋 茂信 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 牧 伸 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 坂口 諭 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 Fターム(参考) 4C026 AA04 GG01 4C053 LL01 4C060 JJ17 JJ25 JJ29 KK03 KK04 KK25 4C082 MA02 MC01 MC05 ME18 ME21 MG07 RA02 RA03 RJ01 4C099 AA01 CA13 CA17 CA18 JA11 JA13 5F072 AA01 AB02 AB13 HH02 HH03 JJ11 JJ20 KK30 RR01 RR03 YY01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体組織にエネルギーを印加して加熱治
    療を行う加熱治療装置であって、 治療のためのエネルギーを供給するエネルギー供給手段
    と、 前記エネルギー供給手段に接続され、当該エネルギー供
    給手段から供給されるエネルギーを反射するエネルギー
    反射手段を備えたエネルギー出力手段と、 前記エネルギー出力手段に着脱自在に接続され、前記エ
    ネルギー反射手段の位置および角度を変化させる駆動手
    段と、 前記エネルギー出力手段と前記駆動手段との接続状態を
    検知する接続検知手段と、 前記接続検知手段が検知した接続状態に応じて、前記エ
    ネルギー供給手段を制御するエネルギー制御手段と、 を有することを特徴とする加熱治療装置。
  2. 【請求項2】 前記検知手段は、マイクロスイッチであ
    ることを特徴とする請求項1記載の加熱治療装置。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー供給手段は、レーザ光を
    エネルギーとして供給することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の加熱治療装置。
JP2000201646A 2000-07-03 2000-07-03 加熱治療装置 Withdrawn JP2002017747A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000201646A JP2002017747A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 加熱治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000201646A JP2002017747A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 加熱治療装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002017747A true JP2002017747A (ja) 2002-01-22

Family

ID=18699304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000201646A Withdrawn JP2002017747A (ja) 2000-07-03 2000-07-03 加熱治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002017747A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006506628A (ja) * 2002-11-18 2006-02-23 ナノフォーカス アクチエンゲゼルシャフト 共焦点顕微鏡を用いてシリンダ内壁の表面を測定するための装置及び方法
CN104812327A (zh) * 2012-11-29 2015-07-29 奥林巴斯株式会社 器械、机械手***和器械的控制方法
KR20190086510A (ko) * 2016-12-05 2019-07-22 후지필름 소노사이트, 인크. 기구 팁 시각화를 위한 레이저 광원
JPWO2020012545A1 (ja) * 2018-07-10 2021-05-13 オリンパス株式会社 光治療支援装置、光治療システムおよび光治療支援方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006506628A (ja) * 2002-11-18 2006-02-23 ナノフォーカス アクチエンゲゼルシャフト 共焦点顕微鏡を用いてシリンダ内壁の表面を測定するための装置及び方法
CN104812327A (zh) * 2012-11-29 2015-07-29 奥林巴斯株式会社 器械、机械手***和器械的控制方法
JP2015535435A (ja) * 2012-11-29 2015-12-14 オリンパス株式会社 処置具、マニピュレータシステム、および処置具の制御方法
US10188469B2 (en) 2012-11-29 2019-01-29 Olympus Corporation Instrument, manipulator system, and control method of instrument
KR20190086510A (ko) * 2016-12-05 2019-07-22 후지필름 소노사이트, 인크. 기구 팁 시각화를 위한 레이저 광원
KR102523450B1 (ko) 2016-12-05 2023-04-18 후지필름 소노사이트, 인크. 기구 팁 시각화를 위한 레이저 광원
JPWO2020012545A1 (ja) * 2018-07-10 2021-05-13 オリンパス株式会社 光治療支援装置、光治療システムおよび光治療支援方法
JP7066850B2 (ja) 2018-07-10 2022-05-13 オリンパス株式会社 光治療支援装置、光治療システムおよび光治療支援方法
US11839774B2 (en) 2018-07-10 2023-12-12 Olympus Corporation Phototherapy assistance device, phototherapy system, and phototherapy assistance method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6544257B2 (en) Thermal treatment apparatus
RU2721647C2 (ru) Системы подачи энергии и их применение
US6605082B2 (en) Thermal treatment apparatus
US7591794B2 (en) Therapy probe
EP1075853B1 (en) Thermal therapy apparatus
US8256430B2 (en) Hyperthermia treatment and probe therefor
US20040249261A1 (en) Hyperthermia treatment and probe therefor
JP4194771B2 (ja) 加熱治療装置
JP4504718B2 (ja) 加熱治療装置
JP2002017877A (ja) 医療用エネルギー照射装置
JP4216414B2 (ja) 加熱治療装置
JP2001046396A (ja) レーザ照射装置
JP2000000319A (ja) エネルギー照射装置
JP4083398B2 (ja) 加熱治療装置
JP2002017747A (ja) 加熱治療装置
JPH10127678A (ja) 超音波診断治療装置
JP2003010207A (ja) 加熱治療装置
JP6439274B2 (ja) アブレーションデバイス及びアブレーションシステム
JP2001046388A (ja) 加熱治療装置
JP3813038B2 (ja) 医療用レーザ照射装置
JP2005287804A (ja) 加熱治療装置および加熱治療装置の異常通知方法
JP2001046389A (ja) 加熱治療装置
JP4481600B2 (ja) エネルギー治療装置
CN108938083B (zh) 一种基于t型引流管通道的胆道造影激光治疗机
JP2001079015A (ja) 前立腺加熱治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904