JP4077621B2 - 低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材 - Google Patents

低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂を含み、低誘電率で、耐熱性および接着性に優れた低誘電接着剤、フィルム状接合材および接着性積層材に関するものであり、特に、フレキシブル印刷基板(FPC)やTAB(Tape Automated Bonding)テープ、複合リードフレーム、積層材料等のように低誘電性、耐熱性、接着性が要求される用途の積層構造体の製造に好適に用いることできる低誘電接着剤、フィルム状接合材および接着性積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化、高性能化、小型化が進んでおり、これに伴って用いられる電子部品に対しても小型化、軽量化が求められている。そのため、従来より、電子部品や実装基板の技術分野では、パターンの微細化や高密度化が図られ、LOC(Lead On Chip)パッケージ等や、MCM(Multi Chip Module )、多層FPC等の高密度実装法が用いられるようになっている。
【0003】
このような微細配線基板においては、回路形成用の積層材料として、低誘電率かつ低誘電正接の誘電特性を示す低誘電性の材料が非常に好ましく用いられる。これは、配線の電気的信頼性を保ち、回路の信号伝達速度をより一層高速化するためである。
【0004】
一般にFPCでは、基板として、絶縁性に優れた高分子(樹脂)からなる絶縁フィルムが用いられている。具体的には、例えば、ポリイミドフィルムを基板として用い、その片面または両面に接着剤の層(接着層)を介して銅箔等の導電体層を積層し、回路を形成することで、FPCが製造される。ここで、上記接着剤としては、エポキシ樹脂を含む接着剤(接着材料)が用いられることが多い。
【0005】
しかしながら、上記エポキシ樹脂は誘電率が比較的大きい。そのため、FPCの基板として、ポリイミドフィルム等の誘電率の低い絶縁フィルムを用いたとしても、接着層の誘電率が高いために、基板全体としての誘電率が上昇してしまうという問題が生じていた。
【0006】
そこで、上記接着剤として、誘電特性に優れたポリイミド系接着剤を含む樹脂組成物を用いる技術も種々提案されている。しかしながら、ポリイミド樹脂は汎用の熱硬化性樹脂に比べて加工性や取扱性に大きく劣るため、ポリイミド系接着剤を、FPC製造用の接着剤として実際に用いるには種々の問題点を生じることになる。
【0007】
具体的には、そもそもポリイミド系接着剤で基板(絶縁フィルム)に導電体層を接着するためには、300℃前後の高温と高圧力とを要する。しかも、ポリイミド系接着剤の接着力もそれほど高いとはいえない。さらに、接着剤は、各種溶媒に溶解または分散させた樹脂組成物として用いられることが多い。ところが、ポリイミド樹脂は各種溶媒に対する溶解性が非常に低いため、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルアセトアミド(DMAc)等のごく数種類の有機溶媒にしか溶解させることができず、樹脂組成物を容易に調製することができないという問題点も生じる。
【0008】
それゆえ、従来より、上記ポリイミド系接着剤の欠点を改善した技術が種々提案されている。たとえば、本発明者らは、以前、溶媒可溶性の熱可塑性ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂とをブレンドした接着剤を提案している(特開2000−109645号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術では、十分に誘電率を低下させた接着層を得ることができない場合が生じるという問題点が発生する。
【0010】
つまり、上記特開2000−109645号公報の技術では、低吸水率と高い半田耐熱性とを有する接着層を形成できる樹脂組成物を得ることを目的としている。そのため、上記公報の技術では、上記目的を達成するには十分な効果を発揮することができるものの、接着層の誘電率を十分に低下させるには不十分となる場合がある。
【0011】
より具体的には、上記公報の樹脂組成物にはエポキシ樹脂が含まれている。前述したようにエポキシ樹脂は誘電率が比較的高いため、エポキシ樹脂の比率がある程度高くなると、接着剤自体の誘電率が上昇してしまい、低誘電率の接着層を形成できなくなる場合がある。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、低誘電率で、加工性、取扱性、耐熱性に優れ、FPC製造用の接着剤として好適に用いることができる、ポリイミド樹脂を主成分の一つとした低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を鋭意検討した結果、特定の構造を有するエステル酸二無水物およびジアミンを用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂が、各種溶媒への溶解性または分散性が高く、しかも、熱硬化性樹脂であるシアナート樹脂と十分に混合可能であり、得られる接着層の誘電率を十分に低下できるだけでなく、高い加工性・取扱性・耐熱性を実現できることを独自に見いだし、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明にかかる低誘電接着剤は、上記の課題を解決するために、次に示す一般式(1)
【0015】
【化7】
Figure 0004077621
【0016】
(式中、Xは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または芳香環を含む二価の有機基を示す)
で表されるエステル酸二無水物、および、次に示す一般式(2)
【0017】
【化8】
Figure 0004077621
【0018】
(式中、Yは、直接結合、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、または−C(=O)O−の何れかの結合を示し、m及びnはそれぞれ1以上5以下の整数である)
で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを有機溶媒に溶解または分散させてなることを特徴としている。
【0019】
本発明で用いられる上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物、および、上記一般式(2)で表されるジアミンを少くとも用いて合成されるものであり、特に、有機溶媒に対する溶解性・分散性に優れている。
【0020】
上記一般式(1)のエステル酸二無水物としては、式中、Xが、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または芳香環を含む二価の有機基となる条件に合致する化合物であれば特に限定されるものではない。
【0021】
上記アルキレン基とは、−(CH2k−で表される二価の直鎖飽和炭化水素基であり、kが1以上10以下の整数である構造であって、具体的には、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−が挙げられる。
【0022】
上記芳香環を含む二価の有機基とは、炭素原子が環状に不飽和結合し、共鳴構造を有する炭化水素化合物を含む二価の有機化合物基であって、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリミジン構造、インドール構造等、一般的に芳香族化合物に分類される構造を含む有機化合物の二価の基が挙げられる。
【0023】
本発明で用いられる上記エステル酸二無水物の具体的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,3−トリメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,4−テトラメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,5−ペンタメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等が好ましく挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0024】
上記一般式(2)のジアミンとしては、式中、Yが、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、または−C(=O)O−の置換基か、あるいは直接結合であり、mおよびnが1以上10以下の整数である条件に合致する化合物であれば特に限定されるものではない。
【0025】
なお、上記一般式(2)のジアミンにおいては、複数個のY構造が含まれることになるが、この複数個のY構造の種類については特に限定されるものではない。すなわち、各Y構造は、何れも同一の置換基(または直接結合)であってもよいし、それぞれ異なる置換基(または直接結合)であってもよいし、部分的に同一であってもよい。したがって、複数個のY構造においては、上記各置換基または直接結合が1種以上含まれていればよい。
【0026】
また、上記一般式(2)のジアミンに含まれる各ベンゼン環の水素は、当業者の考え得る範囲内で、種々の置換基で適宜置換されてもよい。上記ベンゼン環の水素を置換し得る置換基(ベンゼン環水素置換基Rと称する)としては、特に限定されるものではないが、たとえば、メチル基(CH3−)、エチル基(C25−)等の炭化水素基や、塩素(Cl)、臭素(Br)等のハロゲン基を挙げることができる。なお、説明の便宜上、一般式(2)には明記していないが、実際には、ベンゼン環水素置換基Rが含まれている。
【0027】
さらに、一般式(2)のジアミンにおいては、アミノ基はメタ位に結合していることが非常に好ましい。アミノ基がメタ位以外のオルト位、パラ位に結合していてもよいが、一般式(2)に示すようにメタ位にアミノ基が結合していれば、生成されるポリイミド樹脂の有機溶媒への溶解性または分散性がより一層良好となり、本発明にかかる低誘電接着剤、および、後述するフィルム状接合材並びに接着性積層材の加工性・取扱性を向上させることができる。
【0028】
本発明で用いられる上記ジアミンの具体的な例としては、3,3’−ビス(アミノフェノキシフェニル)スルフォン、1,3,−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン等が好ましく挙げられるが、特に限定されるものではない。上記ジアミンは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0029】
本発明にかかる上記低誘電接着剤においては、上記熱可塑性ポリイミド樹脂が、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物を50モル%以上含む酸無水物成分と、上記一般式(2)で表されるジアミンを50モル%以上含むジアミン成分とを等モル重合してなるポリアミド酸を脱水閉環することによって得られるものであることが非常に好ましい。
【0030】
すなわち、本発明において用いられるポリイミド樹脂は、少くとも、酸無水物成分とジアミン成分との2種類のモノマー成分を原料として、まず前駆体としてのポリアミド酸を重合(合成)し、その後、このポリアミド酸を脱水閉環することで合成される。
【0031】
上記酸無水物成分には、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物とその他の酸二無水物とが含まれており、酸無水物成分全体を100モル%とした場合、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物が少くとも50モル%以上、好ましくは70モル%以上含まれている。同様に、上記ジアミン成分には、上記一般式(2)で表されるジアミンが1種類以上とその他のジアミンとが含まれており、ジアミン成分全体を100モル%とした場合、上記一般式(2)で表されるジアミン(1種類以上)が少くとも50モル%以上、好ましくは70モル%以上含まれている。
【0032】
上記ポリアミド酸は、該上記酸無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モルとなる量で使用するとともに、有機極性溶媒中でこれら成分を重合することによって合成される。具体的には、たとえば、所定の反応容器に、上記各モノマー成分と有機極性溶媒とを仕込み、アルゴン、窒素などの不活性雰囲気中にて撹拌して、上記各モノマー成分を有機極性溶媒中に溶解または拡散させてポリアミド酸を重合する方法を好適に用いることができる。
【0033】
上記各モノマー成分の添加順序は特に限定されるものではない。すなわち、酸無水物成分を有機極性溶媒中に先に加えておき、後からジアミン成分を加えて、ポリアミド酸の溶液を得るようにしてもよいし、先に、ジアミン成分を有機極性溶媒中に適量加え、次に酸無水物成分を加え、最後に残りのジアミン成分を加えてポリアミド酸の溶液を得るようにしても良い。この他にも、従来公知の様々な添加方法がある。
【0034】
上記各モノマー成分中においては、前述したように、各モノマー成分を100モル%とした場合、少くとも、上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物が少くとも50モル%以上含まれている必要がある。各モノマー成分における上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の含有率が50モル%未満の場合、本発明で要求される物性を有するポリイミドを得ることができないため好ましくない。なお、各モノマー成分における上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の含有率が70モル%以上であれば、得られるポリイミドが有する上記物性をより向上できるため好ましい。また、上記各モノマー成分における上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の含有率の上限が100モル%であることはいうまでもない。
【0035】
上記ポリアミド酸の重合に用いられる有機極性溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−,m−またはp−クレゾール、キシノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;ヘキサメチルホスホルアミド;γ−ブチロラクトン;等を好適に用いることができる。N,N−ジメチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒が好ましい。さらに、必要に応じて、上記各有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエン等の芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
【0036】
本発明にて用いられる熱可塑性ポリイミド樹脂は、上記ポリアミド酸を所定の方法により脱水閉環(イミド化)することで得られる。このイミド化の方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド酸溶液を加熱処理して脱水する熱的方法、あるいは脱水剤を用いて脱水する化学的方法の何れであってもよく、さらに他の方法であってもよい。
【0037】
上記熱的方法の具体的な条件等については特に限定されるものではない。例えば、ポリアミド酸を重合した後に真空オーブン中に投入し、減圧下で加熱することによってイミド化を行い、固形のポリイミド樹脂として取り出す手法が挙げられる。加熱温度や減圧条件等についても特に限定されるものではない。
【0038】
同様に、上記化学的方法の具体的な条件等については特に限定されるものではない。この化学的方法にて用いられる脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、及び芳香族酸無水物が挙げられるが特に限定されるものではない。また、触媒としては、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン等の複素環第3級アミン類等が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0039】
得られた熱可塑性ポリイミド樹脂は、そのまま所定の溶媒に溶解または分散させてポリイミド溶液として用いることができるが、さらに精製してもよい。具体的には、貧溶媒中にポリイミド溶液を投入して、ポリイミド樹脂を析出させる精製方法が簡便であり、好ましく用いられるが、特にこの方法に限定されるものではない。
【0040】
上記貧溶媒とは、上記ポリアミド酸の重合に用いた溶媒とは十分混合し得るがポリイミド樹脂は溶解し難い溶媒を指す。この貧溶媒中に、ポリイミド溶液を投入してポリイミド樹脂を析出させた上で、乾燥させ固形の精製ポリイミド樹脂とすることによって、未反応モノマー等の不純物を取り除くことができる。上記貧溶媒としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、メチルエチルケトン等を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
【0041】
ポリイミド樹脂は一般的に有機溶媒に対する溶解性が極端に低く、シアナート樹脂などの熱硬化樹脂と混合することは困難である。これに対して、一般式(1)で表されるエステル酸二無水物と一般式(2)で表されるジアミンからなる上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、従来のポリイミド樹脂よりも有機溶媒に対する溶解性に優れており、有機溶媒に対して良好な溶解・分散性を示す(有機溶媒可溶性を有する)。そのため、溶媒を適宜選択することによって、上記熱可塑性ポリイミド樹脂を熱硬化性樹脂であるシアナート樹脂と混合することが可能となり、後述するように、低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材の物性を向上させることができる。
【0042】
また、上記ポリイミド樹脂は、ガラス転移点Tgが比較的低温(具体的には、200℃以下)であるため、加工温度を下げることが可能になる。そのため、接着剤の加工温度を下げることが可能となり、後述するように、低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材の物性をより一層向上させることができる。
【0043】
本発明で用いられる上記シアナート樹脂は、上記熱可塑性ポリイミド樹脂と混合してFPC製造用の接着剤として用いることによって、ポリイミド系接着剤の各種特性を損なうことなく、接着性を向上させることができる。
【0044】
本発明で用いる上記シアナート樹脂の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、 lonza(ロンザ)社製の商品名BADCY 、LECY、METHTLCY;旭チバ社製の商品名Arocy B−10、B−30、B−50、Arocy M−10、M−30、M−50、Xu−366、Xu−371;等が挙げられる。
【0045】
本発明にかかる低誘電接着剤におけるシアナート樹脂の混合割合は、まず下限については、上記熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して1重量部であり、5重量部であることがより好ましい。1重量部未満であると、すなわち上記熱可塑性ポリイミド樹脂の全重量の100分の1未満の量しか混合しないと、低誘電接着剤の接着強度が低くなり、得られる接着層(あるいはフィルム状接合材または接着性積層材)の接着性が低下するため好ましくない。一方、上限については、上記熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して100重量部であり、50重量部であることがより好ましい。100重量部を越えると、すなわち上記熱可塑性ポリイミド樹脂の全重量を超える量を混合すると、得られる接着層(あるいはフィルム状接合材または接着性積層材)の可撓性、耐熱性が低下するため好ましくない。
【0046】
また、接着剤の用途にもよるが、シアナート樹脂の混合割合が5重量部以上か50重量部以下の範囲内であれば、得られる接着層(あるいはフィルム状接合材または接着性積層材)の物性をより優れたものとすることができる。
【0047】
したがって、本発明にかかる低誘電接着剤においては、上記熱可塑性ポリイミド樹脂とシアナート樹脂との混合比は、重量比で100:1〜100:100の範囲内にあることが好ましく、100:5〜100:50の範囲内であることがより好ましい。
【0048】
なお、上記BADCY 、LECY等のシアナート樹脂を用いる場合、モノマー状態から反応してオリゴマー化、ポリマー化するため、十分に硬化反応が進まず、低誘電性などの必要特性を発現しないことがある。そこで、このようなシアナート樹脂(ここではモノマー型と表現する)を用いる場合は、亜鉛(II)アセチルアセトナートなどの触媒を用いて、ある程度オリゴマー化した状態で用いたほうが好ましい。モノマー型のシアナート樹脂に添加する触媒の添加量としては特に限定されるものではないが、触媒が亜鉛(II)アセチルアセトナートの場合、シアナート樹脂100重量部に対して0.01重量部以上0.1重量部以下の範囲内であることが好ましい。
【0049】
亜鉛(II)アセチルアセトナートの添加量が0.01重量部未満であれば、オリゴマー化の効果が十分得られないため好ましくない。一方、添加量が0.1重量部を超えると、得られる接着層(あるいはフィルム状接合材または接着性積層材)の物性に支障が生じる可能性があるため好ましくない。また、反応を進めやすくするため、上記触媒の添加は、溶媒の共存下で行った方が好ましい。
【0050】
本発明にかかる低誘電接着剤は、上記熱可塑性ポリイミド樹脂およびシアナート樹脂を有機溶媒に溶解または分散させることによって得られる。なお、説明の便宜上、低誘電接着剤に用いられる有機溶媒のことを、以下「接着剤用溶媒」と表現する。
【0051】
上記接着剤用溶媒としては、上記熱可塑性ポリイミド樹脂およびシアナート樹脂を十分に溶解または分散させることができる有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;等を挙げることができる。
【0052】
上記接着剤用溶媒は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら接着剤用溶媒を2種類以上用いる場合、組み合わせる溶媒の種類、数、混合する順番等の混合条件についても特に限定されるものではない。
【0053】
また、接着層の形成や、後述するフィルム状接合材または接着性積層材を製造する工程上の問題から、本発明にかかる低誘電接着剤を塗布した後の乾燥温度を低く設定したい場合、上記接着剤用溶媒には、低沸点のエーテル系溶媒も併用することも可能である。
【0054】
上記エーテル系溶媒としては、特に限定されるものではないが、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジオキソラン等を特に好ましく挙げることができる。これらエーテル系溶媒を、乾燥温度を下げるために用いる場合には、接着剤用溶媒の全量に対して、上記エーテル系溶媒の少くとも1種が、全溶媒量の30重量%以上含まれていることが好ましい。勿論、上記接着剤溶媒としては、エーテル系溶媒単独で用いてもよい。
【0055】
上記接着剤用溶媒に上記熱可塑性ポリイミド樹脂およびシアナート樹脂を溶解または分散させる際の溶解/分散方法、すなわち本発明にかかる低誘電接着剤の調製方法としては特に限定されるものではない。
【0056】
例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂を接着剤用溶媒に溶解させた後、シアナート樹脂を添加して本発明にかかる低誘電接着剤として用いてもよいし、各樹脂成分をそれぞれ接着剤用溶媒に溶解させた後、それらの溶液を混合して用いてもよい。熱可塑性ポリイミド樹脂が接着剤用溶媒に溶解し難いようであれば、必要に応じて加熱を行ってもよい。ただし、接着剤用溶媒にエーテル系溶媒が含まれている場合、該エーテル系溶媒は沸点が低く揮発しやすいため、加熱温度や加熱時間を必要最低限に留めるよう加熱条件を設定する必要がある。
【0057】
したがって、本発明にかかる低誘電接着剤の製造方法は、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物を50モル%以上含む酸無水物成分と、一般式(2)で表されるジアミンを50モル%以上含むジアミン成分とを等モル重合してポリアミド酸を得るポリアミド酸重合工程と、得られたポリアミド酸を脱水閉環して熱可塑性ポリイミド樹脂を得るポリイミド生成工程と、得られた熱可塑性ポリイミド樹脂とシアナート樹脂とを有機溶媒に溶解または分散させて低誘電接着剤を調製する接着剤調製工程とを含む方法となる。
【0058】
このように、本発明にかかる低誘電接着剤には、上記構成の熱可塑性ポリイミド樹脂とシアナート樹脂とが含まれている。
【0059】
ポリイミド樹脂のみを主成分とする接着剤では、形成した接着層の誘電率を低くできるという利点があるものの、接着性があまり高くない上に、接着に高温と高圧力とを要したり、ごく数種類の溶媒にしか溶解または分散できなかったりといった問題点を有していた。すなわち、従来のポリイミド系接着剤は加工性・取扱性に劣っていた。
【0060】
一般に、シアナート樹脂のみからなる接着剤で接着層を形成すると、柔軟性に劣るという欠点があったが、上記構成の熱可塑性ポリイミド樹脂と混合することで、双方の樹脂の特性を兼ね備え互いの欠点を解消した低誘電接着剤を得ることが可能となる。しかも、この低誘電接着剤は、2種類の樹脂を混合することによって調製可能であるので、製造過程も簡素であり、品質も安定化させることが可能である。それゆえ、本発明にかかる低誘電接着剤は、低誘電性、耐熱性、接着性が要求される用途の積層構造体、例えばFPC製造用の接着剤として好適に用いることができる。
【0061】
しかも、上記構成の熱可塑性ポリイミド樹脂は、有機溶媒に対する溶解性・分散性が良好であるため、溶液とすることでシアナート樹脂と容易かつ確実に混合できるとともに、上記接着剤用溶媒として選択することのできる有機溶媒の種類の幅も広がることになる。その結果、従来のポリイミド系接着剤に比べて、品質だけでなく加工性・取扱性の面でも優れることになり、汎用の熱硬化性樹脂と同様に、上記用途の材料として好適に用いることができる。
【0062】
本発明にかかるフィルム状接合材は、上記の課題を解決するために、前記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物、および、前記一般式(2)で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを含むことを特徴としている。
【0063】
同様に、本発明にかかる接着性積層材は、絶縁フィルムの少くとも一方の面に接着層を積層してなる接着性積層材であって、上記接着層が、前記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物、および、前記一般式(2)で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを含む低誘電接着層であることを特徴としている。
【0064】
本発明にかかるフィルム状接合材とは、上記構成から明らかなように、本発明にかかる低誘電接着材溶液をフィルム状に加工して乾燥したものであり、換言すれば、フィルム状の接着剤あるいはフィルム状の固形接着剤と表現することができる。
【0065】
また、本発明にかかる接着性積層材とは、上記構成から明らかなように、本発明にかかる低誘電接着材溶液を接着層(低誘電接着層)として有する絶縁フィルムであり、換言すれば、接着層付き絶縁フィルムあるいは上記フィルム状接合材付き絶縁フィルムと表現することができる。
【0066】
本発明にかかるフィルム状接合材は、前述した製造方法で得られた低誘電接着剤を、支持体表面に流延または塗布し(接着剤塗布工程)、塗布した低誘電接着剤を乾燥させ(乾燥工程)、乾燥により得られたフィルム状接合材を支持体から剥離する(剥離工程)ことによって製造される。
【0067】
上記支持体としては、上記誘電接着剤を塗布・乾燥して得られるフィルム状接合材を剥離しやすい材質・形状となっていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。本実施の形態では、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等からなる高分子フィルムを支持体として好ましく用いることができる。
【0068】
また、本発明にかかる接着性積層材も、前述した製造方法で得られた低誘電接着剤を絶縁フィルムの表面に流延または塗布し(接着剤塗布工程)、流延または塗布した低誘電接着剤を乾燥させて低誘電接着層を形成する(乾燥工程)によって製造される。あるいは、前記低誘電接着剤を上記支持体表面にキャストして接着剤溶媒を除去することでシート化(フィルム化)し(フィルム状接合材形成工程)、これを絶縁フィルム表面に貼り付けて(フィルム状接合材貼り付け工程)もよい。すなわち、上記フィルム状接合材を絶縁フィルムに貼り付けてもよい。
【0069】
上記の製造方法のうち、前者の方法では、絶縁フィルムの片面のみに低誘電接着剤を塗布乾燥してもよいし両面に塗布乾燥してもよい。同様に後者の方法でも、絶縁フィルムの片面のみにフィルム状接合材を貼り付けてもよいし、両面に貼り付けてもよい。すなわち、本発明にかかる接着性積層材においては、低誘電接着層が少くとも一方の面に形成されていればよい。
【0070】
上記絶縁フィルムとしては、所定の絶縁特性を有する材質により形成されるフィルム状のものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。本実施の形態では、例えば、公知のポリイミド樹脂を主成分とするフィルム(ポリイミドフィルム)を好ましく用いることができる。また、絶縁フィルムの厚みについても特に限定されるものではないが、10μm以上80μm以下の範囲内であれば、FPCやTAB用の接着性積層材として好適に用いることができるため好ましい。
【0071】
上記フィルム状接合材の厚み、または接着性積層材における低誘電接着層の厚みとしては、下限が5μmであり上限が30μmであることが好ましい。フィルム状接合材または接着層の厚みが、5μm以上30μm以下の範囲であれば、本発明にかかるフィルム状接合材または接着性積層材を、FPC、TAB、複合リードフレーム、積層材料等の製造に好適に用いることができる。なお、接着層の厚みが30μmを超えると、得られるFPCやTAB等が厚くなり、柔軟性が低下するなどの影響が生じるおそれがある。また、5μm未満となれば、接着性が不十分になるおそれがある。
【0072】
上記フィルム状接合材または接着性積層材においては、硬化後のフィルム状接合材そのものまたは上記低誘電接着層が、周波数12GHzでの誘電率が3.3未満となり、誘電正接が0.01以下となる誘電特性を示すことが非常に好ましい。換言すれば、本発明にかかる低誘電接着剤を接着剤として用いてこれを乾燥させ硬化させれば、周波数12GHzでの誘電率が3.3未満となり、誘電正接が0.01以下となる誘電特性を発揮できる。
【0073】
誘電特性が上記の範囲内であれば、上記フィルム状接合材または接着性積層材(あるいは低誘電接着剤)を用いて微細配線を形成しても配線の電気的信頼性を維持し、回路の信号伝達速度を高速化することができる。
【0074】
また、本発明にかかる低誘電接着剤を接着剤として用いてこれを乾燥させれば、ポリイミド樹脂のみを主成分とする接着剤よりも十分な接着力を発揮できる。具体的には、たとえば、実施例で後述するように、上記フィルム状接合材または接着性積層材を銅箔で挟み込み、銅張フレキシブル積層板を得た場合に、銅箔引剥強度が5.0N/cm以上であれば、十分な接着力があると評価することができる。
【0075】
本発明にかかるフィルム状接合材または接着性積層材を、金属箔や他のフィルム、印刷回路基板等を加熱加圧して接着することで、FPC、TAB、複合リードフレーム、その他積層材料等、低誘電性が要求されるような各種積層構造体を容易に製造することができる。
【0076】
上記金属箔としては、FPC製造用途等であれば、例えば銅箔・アルミ箔・42合金等が挙げられるが特に限定されるものではない。上記その他のフィルムの種類についても特に限定されるものではなく、例えば、FPC製造用途等であれば、上記絶縁フィルムと同様のポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等を用いることができる。
【0077】
本発明にかかるフィルム状接合部材または接着性積層材は、従来のポリイミド系接着剤を用いたものと比べて、銅箔等の金属箔やポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムと比較的低温条件下で接着することが可能である。使用に際し加工性・取扱性に優れる。この場合の接着条件としては、接着硬化するために必要十分である接着条件で有れば特に限定されるものではない。本実施の形態では、加熱と加圧とを併用する加熱加圧接着法を好適に用いることができ、例えば、加熱温度が150℃以上250℃以下の範囲内、圧力が0.1MPa以上10MPa以下の範囲内、加熱時間が5分以上20分以下の範囲内程度の条件を好ましく適用することができる。
【0078】
また、本発明にかかるフィルム状接合材または接着性積層材においては、接着剤成分に前述したモノマー型のシアナート樹脂が含まれている場合には、該シアナート樹脂の反応を十分に進行させるため、接着後に、ポスト加熱処理を実施することがより好ましい。ポスト加熱処理の条件については特に限定されるものではないが、例えば、加熱温度が150℃以上250℃以下の範囲内、加熱時間が1時間以上3時間以下の範囲内程度の条件を好ましく適用することができる。
【0079】
このように、本発明にかかるフィルム状接合材または接着性積層材は、上記構成の熱可塑性ポリイミド樹脂とシアナート樹脂とが含まれてなる低誘電接着剤を用いて製造されるものである。
【0080】
従来のポリイミド系接着剤を用いてFPC等の積層構造体を製造する場合には、銅箔等の金属やポリイミドフィルム等の樹脂フィルムに対して有効な接着力を発現させるためには、接着条件として高温高圧が必要とされていた。したがって、その加工性・取扱性が劣ることになっていた。また、加工性・取扱性を向上させるために、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂とを混合しようとしても、ポリイミド樹脂が有機溶媒に対して難溶性であるため困難であった。さらに、可溶性のポリイミド樹脂を用いることでエポキシ樹脂との混合を可能にした接着剤においては、加工性・取扱性は向上するものの、接着層の誘電率が高くなり、ポリイミド系接着剤を用いた長所のうち、特に誘電特性を損なう結果となっていた。
【0081】
これに対して、本発明にかかるフィルム状接合材または接着性積層材では、上記構成の可溶性ポリイミド樹脂にシアナート樹脂を混合した構成の接着剤を用いているため、誘電特性・耐熱性に優れており、また、約250℃以下の温度で接着可能であるため加工性・取扱性にも優れる。それゆえ、上記従来の接着剤で生じる問題点を十分に解消することが可能になり、その結果、フレキシブル印刷回路基板(FPC)、TAB、複合リードフレーム、その他積層材料等、低誘電性が要求されるような各種積層構造体の製造に好適に用いることができる。
【0082】
なお、本発明にかかる低誘電接着剤、フィルム状接合材または接着性積層材には、その特性を低下させない限り、前述した以外の成分が含まれていてもよいことは言うまでもない。同様に、本発明にかかる低誘電接着剤、フィルム状接合材または接着性積層材の製造過程においては、前述した以外の工程が含まれていても良いことも言うまでもない。
【0083】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
なお、以下の実施例および比較例で得られたフィルム状接合材または接着性積層材を用いて得られた銅張フレキシブル積層板の銅箔引剥強度、およびフィルム状接合材(各実施例・比較例では単層フィルム部材)の誘電特性については、次のようにして測定・評価した。
【0085】
〔銅箔引剥強度〕
得られた銅張フレキシブル積層板の片面をマスキングした後エッチングし、3mm幅の導体層を形成した。そしてJIS C6481に従って銅箔引剥強度を測定した。ただし、導体幅は3mmとした。銅箔引剥強度が5.0N/cm以上であれば、十分な接着力があると評価した。
【0086】
〔誘電特性〕
測定装置として、MOA−2012A型分子配向計(商品名、KSシステムズ社製)を用い、測定周波数12GHz、測定角度:0,45°および90°の条件で、200℃で加熱して硬化させたフィルム状接合材(単層フィルム部材)の誘電率および誘電正接を測定した。誘電率が3.3未満かつ誘電正接が0.01以下であれば、十分に誘電特性が低下していると評価した。
【0087】
〔合成例1〕
容量1000mlのガラス製フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)263g、3,3’−ビス(アミノフェノキシフェニル)スルフォン(BAPS−M)0.112molを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(ESDA)0.112molを徐々に添加した。その後、氷浴下で30分間攪拌し、粘度が1500poise に達したところで攪拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液300gをフッ素樹脂コートしたバットに移し、真空オーブンで200℃×3時間、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件で減圧加熱することによって、84gの熱可塑性ポリイミド樹脂(a)を得た。
【0088】
〔合成例2〕
BAPS−Mに代えて、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)を用いた以外は、合成例1と同一の量および同一の条件で、82gの熱可塑性ポリイミド樹脂(b)を得た。
【0089】
〔合成例3〕
ESDAに代えて、3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(TMEG)を用いた以外は、合成例1と同一の量および同一の条件で、83gの熱可塑性ポリイミド樹脂(c)を得た。
【0090】
〔実施例1〕
合成例1で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(a)粉末30gを70gのDMFに加えて撹拌、溶解させ、ポリイミド溶液(a)を得た(固形分率(SC)=30%)。また、シアナート樹脂 BADCY(商品名、lonza 社製)300g、亜鉛(II)アセチルアセトナート0.09gを700gのDMFに加え、60℃で1時間加熱還流を行うことによって、 BADCYのプレポリマー溶液を得た(SC=30%)。上記ポリイミド溶液(a)70gと BADCYのプレポリマー溶液30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(1)を得た(SC=30%)。
【0091】
次に、上記低誘電接着剤(1)を、支持体としての25μm厚のPETフィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延した。その後、60℃で10分間乾燥し、さらに120℃で10分間、180℃で10分間乾燥した後剥離することによって、本発明にかかるフィルム状接合材としての単層フィルム部材(1)を得た。該単層フィルム部材(1)の厚みは20μmであった。
【0092】
さらに、上記低誘電接着剤(1)を、絶縁フィルムである12.5μm厚のポリイミドフィルム(商品名アピカル12.5NPI、鐘淵化学工業社製)の一方の表面上に流延し、60℃で5分間乾燥した。その後、該絶縁フィルムの他方の表面にも上記低誘電接着剤(1)を流延し、60℃で5分間乾燥した。さらにその後、120℃で5分間、180℃で5分間乾燥することによって、本発明にかかる接着性積層材としての三層フィルム部材(1)を得た。該三層フィルム部材(1)の厚みは22.5μmであった。
【0093】
得られた上記単層フィルム部材(1)および三層フィルム部材(1)をそれぞれ18μmの圧延銅箔(商品名BHY−22B−T、ジャパンエナジー社製)で挟み込み、温度200℃、圧力3MPaの条件で5分間加熱加圧した後、200℃で3時間加熱処理を行うことによって、銅張フレキシブル積層板(1−I)(単層フィルム部材(1)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(1−II)(三層フィルム部材(1)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0094】
上記各銅張フレキシブル積層板(1−I)・(1−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(1)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0095】
〔実施例2〕
実施例1のポリイミド溶液(a)70gと、シアナート樹脂Arocy M−50(商品名、旭チバ社製)のDMF溶液(SC=30%)30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(2)を得た(SC=30%)。
【0096】
上記低誘電接着剤(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、単層フィルム部材(2)(厚み20μm)および三層フィルム部材(2)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(2−I)(単層フィルム部材(2)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(2−II)(三層フィルム部材(2)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0097】
上記各銅張フレキシブル積層板(2−I)・(2−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(2)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0098】
〔実施例3〕
合成例2で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(b)粉末30gを70gのDMFに加えて撹拌、溶解させ、ポリイミド溶液(b)を得た(SC=30%)。このポリイミド溶液(b)70gと、実施例1の BADCYプレポリマー溶液30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(3)を得た(SC=30%)。
【0099】
上記低誘電接着剤(3)を用いた以外は実施例1と同様にして、単層フィルム部材(3)(厚み20μm)および三層フィルム部材(3)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(3−I)(単層フィルム部材(3)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(3−II)(三層フィルム部材(3)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0100】
上記各銅張フレキシブル積層板(3−I)・(3−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(3)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0101】
〔実施例4〕
実施例3のポリイミド溶液(b)70gと、シアナート樹脂Arocy B−50(商品名、旭チバ社製)のDMF溶液(SC=30%)30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(4)を得た(SC=30%)。
【0102】
上記低誘電接着剤(4)を用いた以外は実施例1と同様にして、単層フィルム部材(4)(厚み20μm)および三層フィルム部材(4)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(4−I)(単層フィルム部材(4)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(4−II)(三層フィルム部材(4)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0103】
上記各銅張フレキシブル積層板(4−I)・(4−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(4)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0104】
〔実施例5〕
合成例3で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(c)粉末30gを70gのDMFに加えて撹拌、溶解させ、ポリイミド溶液(c)を得た(SC=30%)。このポリイミド溶液(c)70gと、また、シアナート樹脂LECY(商品名、lonza 社製)300g、亜鉛(II)アセチルアセトナート0.15gを700gのDMFに加え、60℃で1時間加熱還流を行うことによって、LECYのプレポリマー溶液を得た(SC=30%)。上記ポリイミド溶液(c)70gとLECYのプレポリマー溶液30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(5)を得た(SC=30%)。
【0105】
上記低誘電接着剤(5)を用いた以外は実施例1と同様にして、単層フィルム部材(5)(厚み20μm)および三層フィルム部材(5)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(5−I)(単層フィルム部材(5)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(5−II)(三層フィルム部材(5)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0106】
上記各銅張フレキシブル積層板(5−I)・(5−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(5)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0107】
〔実施例6〕
実施例5のポリイミド溶液(c)70gと、Arocy Xu−366(商品名、旭チバ社製)のDMF溶液(SC=30%)30gを混合、撹拌することによって、本発明にかかる低誘電接着剤(6)を得た(SC=30%)。
【0108】
上記低誘電接着剤(6)を用いた以外は実施例1と同様にして、単層フィルム部材(6)(厚み20μm)および三層フィルム部材(6)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(6−I)(単層フィルム部材(6)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(6−II)(三層フィルム部材(6)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0109】
上記各銅張フレキシブル積層板(6−I)・(6−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、単層フィルム部材(6)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0110】
〔比較例1〕
合成例1で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(a)粉末35g、ビスフェノールA系のエポキシ樹脂エピコート1032H60(商品名、油化シェル社製)15g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン4.5gを127gのDMFに添加し、攪拌、溶解させ、比較接着剤としてのワニス(1)を得た(SC=30%)。
【0111】
上記ワニス(1)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較単層フィルム部材(1)(厚み20μm)および比較三層フィルム部材(1)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(7−I)(比較単層フィルム部材(1)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(7−II)(比較三層フィルム部材(1)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0112】
上記各銅張フレキシブル積層板(7−I)・(7−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、比較単層フィルム部材(1)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0113】
〔比較例2〕
熱可塑性ポリイミド樹脂(a)に代えて、合成例2で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(b)粉末を用いた以外は比較例1と同様にして、比較接着剤としてのワニス(2)を得た(SC=30%)。
【0114】
上記ワニス(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較単層フィルム部材(2)(厚み20μm)および比較三層フィルム部材(2)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(8−I)(比較単層フィルム部材(2)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(8−II)(比較三層フィルム部材(2)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0115】
上記各銅張フレキシブル積層板(8−I)・(8−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、比較単層フィルム部材(2)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0116】
〔比較例3〕
熱可塑性ポリイミド樹脂(a)に代えて、合成例3で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(c)粉末を用いた以外は比較例1と同様にして、比較接着剤としてのワニス(3)を得た(SC=30%)。
【0117】
上記ワニス(3)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較単層フィルム部材(3)(厚み20μm)および比較三層フィルム部材(3)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(9−I)(比較単層フィルム部材(3)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(9−II)(比較三層フィルム部材(3)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0118】
上記各銅張フレキシブル積層板(9−I)・(9−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、比較単層フィルム部材(3)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0119】
〔比較例4〕
合成例1で得られた熱可塑性ポリイミド樹脂(a)粉末60gを、140gのDMFに添加し、攪拌、溶解させ、比較接着剤としてのワニス(4)を得た(SC=30%)。
【0120】
上記ワニス(4)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較単層フィルム部材(4)(厚み20μm)および比較三層フィルム部材(4)(厚み22.5μm)を得、さらにこれらを用いて銅張フレキシブル積層板(10−I)(比較単層フィルム部材(4)を圧延銅箔で挟持した構成)および銅張フレキシブル積層板(10−II)(比較三層フィルム部材(4)を圧延銅箔で挟持した構成)を得た。
【0121】
上記各銅張フレキシブル積層板(10−I)・(10−II)について、前述したように銅箔引剥強度を測定するとともに、比較単層フィルム部材(3)の誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
Figure 0004077621
【0123】
表1の結果から明らかなように、本発明にかかるフィルム状接合材としての単層フィルム部材では、良好な銅箔引剥強度とともに十分に低い誘電特性を発揮できた。また、本発明にかかるフィルム状接合材としての単層フィルム部材、接着性積層材としての三層フィルム部材を用いた銅張フレキシブル積層板では、良好な銅箔引剥強度を発揮できるため、本発明にかかるフィルム状接合材および接着性積層材が十分な接着力を発揮できることがわかる。
【0124】
これに対して、比較例1〜3では、銅張フレキシブル積層板では、十分な銅箔引剥強度があるため、十分な接着力が発揮できるが、比較単層フィルム部材では、主成分にエポキシ樹脂が含まれているので高い誘電特性しか得られず不適当であった。また、比較例4の比較単層フィルム部材では、主成分が熱可塑性ポリイミド樹脂のみであるので、誘電特性は十分低く出来るものの、銅箔引剥強度が低く、十分な接着力を発揮できず、不適当であった。
【0125】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材は、熱可塑性ポリイミド樹脂とシアナート樹脂を混合して用いてなる接着剤を用いている構成である。
【0126】
それゆえ上記構成では、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いているため、耐熱性・誘電特性に優れるだけでなく、従来のポリイミド樹脂よりもガラス転移温度が比較的低温であり、より低温で接着することが可能となるため、その加工性にも優れる。しかも、熱硬化成分としてシアナート樹脂が混合されているため、従来のエポキシ樹脂系接着剤や、ポリイミド/エポキシ樹脂混合系接着剤に比べて、得られる接着層の誘電率ならびに誘電正接を低くすることが可能となり、優れた低誘電性を発揮することができる。
【0127】
したがって、本発明にかかる低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材は、従来と比較して低温での接着が可能で加工性・取扱性に優れる上に、優れた耐熱性・誘電特性を発揮することが可能になる。その結果、フレキシブル印刷回路基板(FPC)、TAB、複合リードフレーム、その他積層材料等、低誘電性が要求されるような各種積層構造体の製造に好適に用いることができるという効果を奏する。

Claims (11)

  1. 次に示す一般式(1)
    Figure 0004077621
    (式中、Xは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または芳香環を含む二価の有機基を示す)
    で表されるエステル酸二無水物、および、次に示す一般式(2)
    Figure 0004077621
    (式中、Yは、直接結合、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、または−C(=O)O−の何れかの結合を示し、m及びnはそれぞれ1以上5以下の整数である)
    で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを有機溶媒に溶解または分散させてなることを特徴とする低誘電接着剤。
  2. 上記熱可塑性ポリイミド樹脂は、上記一般式(1)で表されるエステル酸二無水物を50モル%以上含む酸無水物成分と、上記一般式(2)で表されるジアミンを50モル%以上含むジアミン成分とを重合してなるポリアミド酸を脱水閉環することによって得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の低誘電接着剤。
  3. 上記有機溶媒として、スルホキシド系溶媒、ホルムアミド系溶媒、およびアセトアミド系溶媒の少くとも1種が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の低誘電接着剤。
  4. 上記有機溶媒として、エーテル系溶媒が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の低誘電接着剤。
  5. 次に示す一般式(1)
    Figure 0004077621
    (式中、Xは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または芳香環を含む二価の有機基を示す)
    で表されるエステル酸二無水物、および、次に示す一般式(2)
    Figure 0004077621
    (式中、Yは、直接結合、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、または−C(=O)O−の何れかの結合を示し、m及びnはそれぞれ1以上5以下の整数である)
    で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを含むことを特徴とするフィルム状接合材。
  6. 硬化後の周波数12GHzでの誘電率が3.3未満となり、誘電正接が0.01以下となる誘電特性を示すことを特徴とする請求項5に記載のフィルム状接合材。
  7. 厚みが5μm以上30μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項5または6に記載のフィルム状接合材。
  8. 絶縁フィルムの少くとも一方の面に接着層を積層してなる接着性積層材であって、
    上記接着層が、次に示す一般式(1)
    Figure 0004077621
    (式中、Xは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または芳香環を含む二価の有機基を示す)
    で表されるエステル酸二無水物、および、次に示す一般式(2)
    Figure 0004077621
    (式中、Yは、直接結合、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、または−C(=O)O−の何れかの結合を示し、m及びnはそれぞれ1以上5以下の整数である)
    で表されるジアミンを少くとも用いて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂と、シアナート樹脂とを含む低誘電接着層であることを特徴とする接着性積層材。
  9. 硬化後の上記低誘電接着層が、周波数12GHzでの誘電率が3.3未満となり、誘電正接が0.01以下となる誘電特性を示すことを特徴とする請求項8に記載の接着性積層材。
  10. 上記絶縁フィルムがポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項8または9に記載の接着性積層材。
  11. 上記低誘電接着層の厚みが5μm以上30μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項8、9または10に記載の接着性積層材。
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