JP4055256B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空燃比リーン領域でのリーン燃焼を行わせる内燃機関の空燃比制御システムに適用され、リーン燃焼時に発生する排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するためのNOx吸蔵還元型触媒を有する内燃機関の排ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における内燃機関の空燃比制御装置では、燃費改善を図るべく理論空燃比よりもリーン側で燃料を燃焼させる、いわゆるリーンバーン制御を実施する技術が多用化されつつある。こうしたリーン燃焼を行わせる場合、内燃機関から排出される排ガスにはNOxが多く含まれ、このNOxを浄化するためのリーンNOx触媒が必要となる。一方、燃料や潤滑油はイオウを含有するために内燃機関から排出される排ガス中にはイオウが含まれ、そのイオウがNOxと共に前記NOx触媒に吸着される。NOx触媒にイオウが吸着されるとNOx吸着能力が低下するため、当該NOx触媒に吸着されたイオウを除去するための技術が従来より提案されている。
【0003】
例えば担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合、NOx触媒にイオウが吸着されることで、安定した硫酸塩BaSO4 が生成される。そして、NOx触媒上の硫酸塩BaSO4 が増加すると、当該NOx触媒が吸蔵しうるNOx吸蔵量が次第に低下する。
【0004】
特開平10−54274号公報の「内燃機関の排気浄化装置」では、イオウ吸着量が所定量を超えると、空燃比をリッチ側に制御すると共に排ガスの発熱量を増大させるようにしていた。その具体的な一の手段として、所定期間リーン失火を発生させ、その失火後に空燃比をリッチ化させていた。これにより、未燃成分をNOx触媒に送り、同触媒内で未燃成分を燃焼させて触媒を昇温させるようにしていた。或いは具体的な二の手段として、空燃比をリッチ化すると共に点火時期を遅角させ、これにより排ガス温度を上昇させるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報の排気浄化装置においては以下に示す問題が生ずる。つまり、強制的にリーン失火を発生させる場合、予期せぬトルク変動が生じ、そのトルク変動に伴いドライバビリティが悪化する。さらに、失火に伴いHC,COといった未燃成分が大気に放出されるおそれがあった。また、点火時期を遅角制御する場合、出力トルクを確保するには吸気量を増大させる必要があり、それに伴い排ガス量が増大し、ひいてはHC,CO,NOxといった有害成分のトータル量が増大するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、トルク変動や排気エミッションの増加といった不具合を回避しつつ、触媒に吸着したイオウを放出することができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の排ガス浄化装置はその前提として、機関排気系に設けられたリーンNOx触媒を備え、空燃比リーン領域でのリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOxをリーンNOx触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵したNOxをリーンNOx触媒から放出する。
【0008】
そして、請求項1又は請求項2に記載の発明では、前記リーンNOx触媒が吸蔵しうるNOx吸蔵量が所定値よりも低下した時に、空燃比をリーン及びリッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータを可変に設定し前記リーンNOx触媒の温度を上昇させる昇温手段と、前記昇温手段による昇温処理後、空燃比を理論空燃比或いはリッチに制御してリーンNOx触媒を再生させる触媒再生手段と、前記リーンNOx触媒の劣化を検出する劣化検出手段とを備える。
【0009】
要するに、リッチ燃焼の割合が大きくなるよう空燃比制御パラメータを設定すると、排ガス中の未燃成分(HC,CO)が過剰ぎみになり、未燃成分の反応熱が増加することで触媒温が上昇する。この状態で、空燃比を理論空燃比(λ=1)或いはリッチで制御すると、高温のリーンNOx触媒に対してリッチ成分(HC,CO)が供給され、イオウ被毒により生成された硫酸塩BaSO4 等が還元されてイオウが放出される。この場合、従来装置とは異なりリーン失火や点火遅角を強制的に行わせることはなく、予期せぬトルク変動やエミッションの悪化を招くことはない。その結果、トルク変動や排気エミッションの増加といった不具合を回避しつつ、触媒に吸着したイオウを放出するという本発明の目的が達せられる。
特に、請求項1に記載の発明では、前記劣化検出手段は、前記触媒再生手段による再生処理が実施された後、リーンNOx触媒のNOx吸蔵能力が回復したかどうかを判定し、NOx吸蔵能力が回復していなければ当該NOx触媒が異常である旨を判定する。例えばリーンNOx触媒が高熱に晒されて熱劣化に至った場合には、前記再生処理を行ってもNOx吸蔵能力が回復することはない。従って、かかる場合には異常発生の旨を判定し、異常発生を警告して部品交換等を促すようにすればよい。
また、請求項2に記載の発明では、前記劣化検出手段は、前記触媒再生手段による再生処理の前後で、リーンNOx触媒によるNOx吸蔵量が変化したかどうかを判定し、NOx吸蔵量が増加していれば再生処理の再実施を許可し、NOx吸蔵量が変わらなければ最終的に異常発生の旨を判定する。つまり、リーンNOx触媒が再生可能な状態であれば、再生処理によりNOx吸蔵量が増えるため、かかる場合には再生処理の再実施を許可する。また、リーンNOx触媒が再生不可能な状態であれば、再生処理に拘わらずNOx吸蔵量が変わらないため、かかる場合には最終的に異常発生の旨を判定する(再生処理をそれ以上実施しない)。この場合、より一層確実な触媒再生処理が実現できる。
【0010】
一方、触媒温を上昇させる手法として、
・請求項3に記載したように、リーン燃焼とリッチ燃焼との割合を空燃比制御パラメータとし、リーン燃焼に対するリッチ燃焼の割合を増やして触媒温を上昇させる。
・請求項に記載したように、リーン燃焼のためのリーン時間とリッチ燃焼のためのリッチ時間との時間比(リーン時間/リッチ時間)を空燃比制御パラメータとし、その時間比を短縮させて触媒温を上昇させる。
・請求項に記載したように、リッチ燃焼時のリッチ度合を空燃比制御パラメータとし、そのリッチ度合を増やして触媒温を上昇させる。
といった構成が適用でき、これら何れの場合にも、既述の通り予期せぬトルク変動やエミッションの悪化を回避しつつ所望の触媒昇温作用が得られる。
【0011】
請求項に記載の発明では、前記劣化検出手段により前記リーンNOx触媒の劣化発生が検出された時に、前記昇温手段及び触媒再生手段による触媒再生のための処理を実施する。この場合、リーンNOx触媒の劣化発生時にNOx触媒の再生処理を実施することで、イオウ被毒により触媒が劣化状態になってもその状態が直ぐに解消される。また、触媒劣化時にのみ再生処理を行うことで、空燃比リーン制御が度々中断されるといった、他の制御への影響を必要最小限に止めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態における空燃比制御システムでは、内燃機関に供給する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定し、その目標空燃比に基づいてリーン燃焼を行わせる、いわゆるリーンバーン制御を実施する。同システムの主たる構成として、内燃機関の排気系通路の途中にはNOx吸蔵還元型触媒(以下、NOx触媒という)が設けられ、NOx触媒の上流側には限界電流式の空燃比センサ(A/Fセンサ)が、下流側には酸素センサ(O2 センサ)がそれぞれ配設される。そして、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(以下、ECUという)は、A/Fセンサ並びにO2 センサによる検出結果を取り込み、その検出結果に基づいて空燃比をフィードバック制御する。以下に、図面を用いてその詳細な構成を説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態における空燃比制御システムの概略構成図である。図1に示されるように、内燃機関は4気筒4サイクルの火花点火式エンジン(以下、エンジン1という)として構成されている。その吸入空気は上流よりエアクリーナ2、吸気管3、スロットル弁4、サージタンク5及びインテークマニホールド6を通過して、インテークマニホールド6内で各気筒毎の燃料噴射弁7から噴射された燃料と混合される。そして、所定空燃比の混合気として各気筒に供給される。
【0016】
エンジン1の各気筒に設けられた点火プラグ8には、点火回路9から供給される高電圧がディストリビュータ10を介して分配供給され、点火プラグ8は前記各気筒の混合気を所定タイミングで点火する。燃焼後に各気筒から排出される排ガスは、エキゾーストマニホールド11及び排気管12を経て、排気管12に設けられたNOx触媒14を通過した後、大気に排出される。このNOx触媒14は、主にリーン空燃比での燃焼時に排ガス中のNOxを吸蔵する一方、リッチ空燃比での燃焼時に前記吸蔵したNOxをリッチ成分(CO,HCなど)で還元し放出する。
【0017】
前記吸気管3には吸気温センサ21及び吸気圧センサ22が設けられ、吸気温センサ21は吸入空気の温度(吸気温Tam)を、吸気圧センサ22はスロットル弁4の下流側の吸気管内負圧(吸気圧PM)をそれぞれ検出する。前記スロットル弁4には同弁4の開度(スロットル開度TH)を検出するためのスロットルセンサ23が設けられ、このスロットルセンサ23はスロットル開度THに応じたアナログ信号を出力する。スロットルセンサ23はアイドルスイッチをも内蔵しており、スロットル弁4が略全閉である旨の検出信号を出力する。
【0018】
エンジン1のシリンダブロックには水温センサ24が設けられ、この水温センサ24はエンジン1内を循環する冷却水の温度(冷却水温Thw)を検出する。前記ディストリビュータ10にはエンジン1の回転数(エンジン回転数Ne)を検出するための回転数センサ25が設けられ、この回転数センサ25はエンジン1の2回転、すなわち720°CA毎に等間隔で24個のパルス信号を出力する。
【0019】
さらに、前記排気管12においてNOx触媒14の上流側には、限界電流式のA/Fセンサ26が配設されており、同センサ26はエンジン1から排出される排ガスの酸素濃度(或いは、未燃ガス中のCO濃度)に比例して広域で且つリニアな空燃比信号(AF)を出力する。また、NOx触媒14の下流側にはO2 センサ27が配設されており、同センサ27は排ガスが空燃比がリッチかリーンかに応じて異なる起電力信号(VOX2)を出力する。
【0020】
ECU30は、CPU31、ROM32、RAM33、バックアップRAM34等を中心に論理演算回路として構成され、前記各センサの検出信号を入力する入力ポート35及び各アクチュエータ等に制御信号を出力する出力ポート36に対しバス37を介して接続されている。ECU30は、前記した各種センサの検出信号(吸気温Tam、吸気圧PM、スロットル開度TH、冷却水温Thw、エンジン回転数Ne、空燃比信号等)を入力ポート35を介して入力する。そして、それらの各値に基づいて燃料噴射量TAU、点火時期Ig等の制御信号を算出し、さらにそれら制御信号を出力ポート36を介して燃料噴射弁7及び点火回路9等にそれぞれ出力する。
【0021】
次に、上記の如く構成される空燃比制御システムの作用を説明する。
図2は、CPU31により実行される燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャートであり、本ルーチンは各気筒の燃料噴射毎(本実施の形態では180°CA毎)に実行される。
【0022】
さて、図2のルーチンがスタートすると、CPU31は、先ずステップ101でエンジン運転状態を表すセンサ検出結果(エンジン回転数Ne、吸気圧PM、冷却水温Tw等)を読み込み、続くステップ102でROM32内に予め格納されている基本噴射マップを用いてその時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに応じた基本噴射量Tpを算出する。また、CPU31は、ステップ200で後述の図3のルーチンに従い、目標空燃比AFTGを設定する。
【0023】
その後、CPU31は、ステップ103でその時々の実際の空燃比AF(センサ計測値)と目標空燃比AFTGとの偏差に基づいて空燃比補正係数FAFを設定する。本実施の形態では、現代制御理論に基づく空燃比F/B制御を実施し、例えば特開平1−110853号公報に開示された設定手順に従いFAF値を設定する。但し、その詳細な説明は省略する。
【0024】
FAF値の設定後、CPU31は、ステップ104で下記の数式を用い、基本噴射量Tp、空燃比補正係数FAF及びその他の補正係数FALL(水温、エアコン負荷等の各種補正係数)から最終の燃料噴射量TAUを算出する。
【0025】
TAU=Tp・FAF・FALL
燃料噴射量TAUの算出後、CPU31は、そのTAU値に相当する制御信号を燃料噴射弁7に出力して本ルーチンを一旦終了する。
【0026】
なお、上記F/B制御は、冷却水温Twが所定温度以上であること、高回転・高負荷状態でないこと、A/Fセンサ26が活性状態にあること等のF/B条件の成立時に実行され、F/B条件不成立の場合には空燃比オープン制御が実行される(FAF=1.0とする)。
【0027】
次に、目標空燃比AFTGの設定手順(上記ステップ200の処理)について図3のフローチャートを用いて説明する。当該処理では、リーン燃焼の実施途中において一時的にリッチ燃焼が実施されるよう、目標空燃比AFTGが適宜設定される。すなわち本実施の形態では、燃料噴射毎に計数される周期カウンタの値を基に、所定の時間比となるようにリーン時間TLとリッチ時間TRとが設定され、それら各時間TL,TRに応じてリーン燃焼とリッチ燃焼とが交互に実施される。
【0028】
図3の処理を順を追って説明する。CPU31は、先ずステップ201で今現在の周期カウンタが「0」であるか否かを判別し、周期カウンタ=0であることを条件に、ステップ202でエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに基づきリーン時間TL及びリッチ時間TRを設定する。ステップ201がNOであれば(周期カウンタ≠0の場合)、CPU31はステップ202の処理を読み飛ばす。
【0029】
ここで、リーン時間TLとリッチ時間TRは、それぞれリーン空燃比での燃料噴射回数、リッチ空燃比での燃料噴射回数に相当するものであって、基本的にエンジン回転数Neが高いほど又は吸気圧PMが高いほど、大きな値に設定される。本実施の形態では、図4の関係に基づくマップ検索によりリッチ時間TRが求められる。これに対し、リーン時間TLは、前記リッチ時間TRと所定の係数αとから、
TL=TR・α
として求められる。係数αは「50」程度の固定値とすればよいが、Ne,PMなどのエンジン運転状態に応じて可変に設定してもよい。
【0030】
その後、CPU31は、ステップ203で周期カウンタを「1」インクリメントし、続くステップ204で周期カウンタの値が前記リーン時間TLに相当する値に達したか否かを判別する。周期カウンタ<TLの場合、CPU31はステップ205に進み、その時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに基づき目標空燃比AFTGをリーン制御値として設定する。AFTG値の設定後、CPU31は本ルーチンを終了して元の図2のルーチンに戻る。
【0031】
AFTG値は例えば図5に示す目標空燃比マップを検索して求められ、AFTG値として例えばA/F=20〜23に相当する値が設定される(但し、定常運転時でないなどリーン燃焼の実施条件が不成立の場合にはストイキ近傍でAFTG値が設定される)。かかる場合、前記ステップ205で設定したAFTG値により空燃比がリーン制御される。
【0032】
また、周期カウンタ≧TLの場合、CPU31はステップ206に進み、目標空燃比AFTGをリッチ制御値として設定する。AFTG値はリッチ領域での固定値としてもよいし、エンジン回転数Neや吸気圧PMに基づきマップ検索して可変に設定してもよい。マップ検索を行う場合、エンジン回転数Neが高いほど又は吸気圧PMが高いほど、そのリッチ度合が強くなるようAFTG値が設定される。
【0033】
その後、CPU31は、ステップ207で周期カウンタの値がTL,TR時間の合計時間「TL+TR」に相当する値に達したか否かを判別し、周期カウンタ<TL+TRであればそのまま本ルーチンを終了して元の図2のルーチンに戻る。かかる場合、前記ステップ206で設定したAFTG値により空燃比がリッチ制御される。
【0034】
一方、周期カウンタ≧TL+TRであってステップ207が肯定判別された場合、CPU31は、ステップ208で周期カウンタを「0」にクリアし、その後本ルーチンを終了して元の図2のルーチンに戻る。周期カウンタのクリアに伴い次回の処理時にはステップ201が肯定判別され、リーン時間TL及びリッチ時間TRが新たに設定される。そして、そのリーン時間TL及びリッチ時間TRに基づき再度、上述のリーン制御とリッチ制御とが実施される。
【0035】
図6は、上記図2及び図3のルーチンによる空燃比制御動作を説明するためのタイムチャートである。
図6において、時刻t1〜t2の期間(周期カウンタ=0〜TLの期間)では、空燃比がリーン制御され、排ガス中のNOxがNOx触媒14に吸蔵される。また、時刻t2〜t3の期間(周期カウンタ=TL〜TL+TRの期間)では、空燃比がリッチ制御され、排ガス中の未燃ガス成分(HC,CO)によりNOx触媒14の吸蔵NOxが還元されて放出される。こうして、空燃比のリーン制御とリッチ制御とがリーン時間TLとリッチ時間TRとに応じて繰り返し実施される。
【0036】
次に、NOx触媒14の劣化検出手順について説明する。本実施の形態では、NOx触媒14でのNOx浄化量と、同触媒14へのNOx流入量との比から「NOx浄化率(=NOx浄化量/NOx流入量)」を求め、そのNOx浄化率の応じてNOx触媒14の劣化を検出する。
【0037】
ここで、「NOx浄化量」は、NOx浄化に要した実際のリッチガス量として求めることができる。かかる場合、リッチ燃焼時においてNOx触媒前後の空燃比を監視してリッチガス流入量と余剰ガス量との差を求め、そのリッチガス流入量と余剰ガス量との差からNOx浄化量を求める。実際には、リッチ燃焼時において触媒上流側のA/Fセンサ26の出力AFを積算してリッチガス積算値AFAD(リッチガス流入量)を算出すると共に、同じくリッチ燃焼時において触媒下流側のO2 センサ27の出力VOX2(便宜上、これを「リアO2 出力」という)を積算してリアO2 出力積算値VOX2AD(余剰ガス量)を算出する。そして、リッチガス積算値AFADとリアO2 出力積算値VOX2ADとの差をNOx浄化量とする(NOx浄化量=AFAD−VOX2AD)。
【0038】
また、「NOx流入量」はNOx触媒14に供給されたNOx量として求めることができる。実際には、リーン燃焼時においてエンジン運転状態(Ne,PM,A/F)に基づきNOx流入量としてのNOx積算量CNOXADを算出する。
【0039】
そして、
(AFAD−VOX2AD)/CNOXAD
の演算結果を「NOx浄化率」とし、このNOx浄化率を劣化判定パラメータとしてNOx触媒14の劣化を検出する。
【0040】
NOx触媒14の劣化検出に係わるCPU31の制御動作を図7,図9〜図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図7にはNOx触媒14のNOx積算量を推定する手順を示し、図9,10には触媒劣化の検出手順を示す。
【0041】
図7において、CPU31は、先ずステップ301で今現在のA/Fセンサ26の出力AF(触媒上流側の空燃比)がリーン値であるか否かを判別し、同ステップが肯定判別されることを条件に、ステップ302に進む。CPU31はステップ302で、排ガス中に含まれるNOx量CNOX(モル)をエンジン運転状態に基づいて推定する。CNOX値の推定に際し、例えば図8(a)のマップを用いてその時々のエンジン回転数Neと吸気圧PMとに応じたNOx基本量を求めると共に、図8(b)の関係を用いてその時々の空燃比に応じたA/F補正値を求める。そして、NOx基本量とA/F補正値とを乗算してその積をCNOX値とする(CNOX=NOx基本量・A/F補正値)。
【0042】
因みに、図8(a)ではエンジン回転数Neが高いほど、或いは吸気圧PMが大きいほどNOx基本量が大きな値に設定される。また、図8(b)では理論空燃比(λ=1)でA/F補正値=1.0が設定され、それよりもリーン側では「1.0」以上のA/F補正値が設定される。但し、空燃比がある程度よりもリーン側(例えばA/F>16)では燃焼温度が下がるためにそれ以上の増加側の補正が不要となり、A/F補正値は所定の値に収束する。
【0043】
その後、CPU31は、ステップ303でNOx積算量CNOXADを算出する。このとき、前記ステップ302で算出したCNOX値をCNOXAD値の前回値に加算し、その和をCNOXAD値の今回値とする(CNOXAD=CNOXAD+CNOX)。
【0044】
一方、図9の触媒劣化検出ルーチンでは、CPU31は、先ずステップ401でカウンタCCATDTが「0」であるか否かを判別し、CCATDT=0であることを条件に、ステップ402に進む。そして、CPU31は、ステップ402でリッチ制御開始のタイミングであるか否かを判別する。
【0045】
ステップ402がNOであれば、CPU31はステップ403に進み、今現在リーン制御中であるか否かを判別する。リーン制御中の場合、CPU31は、ステップ404でリアO2 出力VOX2からO2 出力なまし値VOX2SMを算出する。つまり、
VOX2SM=(31/32)VOX2SM+(1/31)VOX2
という演算式を用い、O2 出力なまし値VOX2SMを算出する。
【0046】
また、前記ステップ402がYESであれば、CPU31はステップ405に進み、カウンタCCATDTに所定値「KCCATDT」をセットする。所定値KCCATDTは、リッチ時間TRに対して約3倍程度の時間であればよい。所定値KCCATDTがセットされると、次回からはステップ401がNOとなり、CPU31はステップ406でカウンタCCATDTを「1」デクリメントし、その後ステップ500に進む。
【0047】
そして、CPU31は、ステップ500で後述の図11のルーチンに従い、リアO2 出力積算値VOX2ADを算出する。また、CPU31は、続くステップ600で後述の図12のルーチンに従い、リッチガス積算値AFADを算出する。
【0048】
その後、CPU31は図10のステップ407に進み、カウンタCCATDTが「0」であるか否かを判別する。CCATDT≠0であれば、CPU31はそのまま本ルーチンを終了する。また、前記ステップ406でのカウントダウンに伴いCCATDT=0になると、CPU31はステップ408に進み、
NOXCONV=CNOXAD/(AFAD−VOX2AD)
という演算式を用いて劣化判定値NOXCONVを算出する。
【0049】
その後、CPU31は、ステップ409で図13の関係を用い、前記NOXCONV値からNOx浄化率を算出すると共に、図14の関係を用い、NOx浄化率に基づいて触媒劣化度合を判定する。図14では、NOx浄化率が高いほど触媒劣化度合が小さく、逆にNOx浄化率が低いほど触媒劣化度合が大きくなるような関係が与えられている。この場合、図14の斜線域にあれば「劣化有り」と判定される。
【0050】
そして、ステップ410で劣化有りと判別されると、CPU31は、ステップ411で劣化検出フラグXCATに「1」をセットする。最後に、CPU31は、ステップ412でCNOXAD,VOX2AD,AFADの各値を「0」にクリアし、その後本ルーチンを終了する。
【0051】
次に、リアO2 出力積算値VOX2ADの算出手順(上記ステップ500の処理)について図11のフローチャートを用いて説明する。当該処理において、CPU31は先ずステップ501で、その時々のリアO2 出力VOX2からO2 出力なまし値VOX2SM(前記図9、ステップ404の算出値)を減算してその差をO2 出力偏差VOX2DVとする(VOX2DV=VOX2−VOX2SM)。また、CPU31は、続くステップ502でO2 出力偏差VOX2DVの絶対値が0.02V以上であるか、すなわちその時のリアO2 出力VOX2がリーン燃焼時に計測したO2 出力なまし値VOX2SMに対して「0.02V」以上リッチ側に変化しているか否かを判別する。
【0052】
|VOX2DV|<0.02Vの場合(ステップ502がNO)、CPU31はそのまま本ルーチンを終了して元の図9,10のルーチンに戻る。また、|VOX2DV|≧0.02Vの場合(ステップ502がYES)、CPU31は、ステップ503で前記O2 出力偏差VOX2DVと吸入空気量QAとの積により「VOX2DV1値」を算出する(VOX2DV1=VOX2DV・QA)。なお、吸入空気量QAはその時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに基づき演算される。
【0053】
さらに、CPU31は、ステップ504でリアO2 出力積算値VOX2ADを算出し、その後本ルーチンを終了して元の図9,10のルーチンに戻る。ステップ504では、VOX2AD値の前回値に前記算出したVOX2DV1値を加算し、その和をVOX2AD値の今回値とする(VOX2AD=VOX2AD+VOX2DV1)。
【0054】
リッチガス積算値AFADの算出手順(上記ステップ600の処理)について図12のフローチャートを用いて説明する。当該処理において、CPU31は先ずステップ601で、空燃比基準値AFSD(例えば、理論空燃比1.0)からA/Fセンサ26の出力AF(実空燃比)を減算してその差をリッチ偏差AFDVとする(AFDV=AFSD−AF)。また、CPU31は、続くステップ602で「AFDV>0」であるか、すなわちその時の実空燃比AFが空燃比基準値AFSDよりもリッチ側であるか否かを判別する。
【0055】
AFDV≦0の場合(ステップ602がNO)、CPU31はそのまま本ルーチンを終了して元の図9,10のルーチンに戻る。また、AFDV>0の場合(ステップ602がYES)、CPU31はステップ603で前記リッチ偏差AFDVと吸入空気量QAとの積によりリッチガス量AFDV1を算出する(AFDV1=AFDV・QA)。さらに、CPU31は、ステップ604でリッチガス積算値AFADを算出し、その後本ルーチンを終了して元の図9,10のルーチンに戻る。ステップ604では、AFAD値の前回値に前記算出したAFDV1値を加算し、その和をAFAD値の今回値とする(AFAD=AFAD+AFDV1)。
【0056】
図15は、触媒劣化検出の一連の動作を示すタイムチャートである。図15の時刻t11以前は空燃比リーン制御が実施されており、その時々のリアO2 出力VOX2からO2 出力なまし値VOX2SMが算出される(前記図9のステップ404)。
【0057】
時刻t11では、空燃比リッチ制御が開始され、カウンタCCATDTに所定値KCCATDTがセットされる。また、NOx積算量CNOXADは、触媒上流側の空燃比がリッチ値になるまでの期間(時刻t12までの期間)にて算出される(前記図7の処理)。
【0058】
時刻t11以降、カウンタCCATDTが「0」となる時刻t13までは、図のS1部に相当するリッチガス積算値AFADと、図のS2部に相当するリアO2 出力積算値VOX2ADとが算出される(前記図9のステップ600,500)。そして、時刻t13でCCATDT=0になると、CNOXAD値、AFAD値及びVOX2AD値から劣化判定値NOXCONVが算出され、そのNOXCONV値に応じて劣化検出が行われる(前記図10のステップ408,409)。時刻t13以降、再びO2 出力なまし値VOX2SMが算出される。
【0059】
図15において、仮にNOx触媒14の劣化が進行すると、同触媒14のNOx吸蔵能力が低下することから、リッチガス積算値AFAD(図のS1部)に対してリアO2 出力積算値VOX2AD(図のS2部)が大きくなり、結果としてNOx浄化率が小さくなる。そして、NOx浄化率の低下により、触媒劣化の旨が検出される。
【0060】
ところで、燃料や潤滑油中に含まれるイオウによりNOx触媒14が被毒されると、同触媒14のNOx吸蔵能力が低下し、前記図9,10の処理において劣化発生の旨が検出される。本実施の形態では、NOx触媒14の劣化が検出された時に触媒機能の再生を図るべく、リーン燃焼途中のリッチ燃焼の割合を増やしてNOx触媒14の温度(触媒温)を上昇させると共に、空燃比λ=1でのストイキ制御又は弱リッチ制御を実施する。NOx触媒14を高温にした状態で、同触媒14にリッチ成分(HC,CO)を供給すると、イオウ被毒により生成された硫酸塩BaSO4 が還元されてイオウが放出される。
【0061】
図16は触媒再生処理の具体的な手順を示すフローチャートであり、同処理はCPU31により例えば1秒周期で実行される。図16において、CPU31は、先ずステップ701で劣化検出フラグXCATに「1」がセットされているか否かを判別する。前記図9,10の処理により触媒劣化の旨が検出されてXCAT=1であれば、CPU31は触媒再生処理が必要であるとみなしてステップ702に進み、触媒再生処理が実施中であることを表す再生処理フラグXSRETが「1」であるか否かを判別する。
【0062】
XSRET=0の場合、CPU31はステップ703,704を実行した後ステップ705に進み、XSRET=1の場合、CPU31はそのままステップ705に飛ぶ。つまり、XSRET=0の場合、CPU31は、ステップ703でカウンタCSRETに所定値「KCSRET」をセットすると共に、続くステップ704で再生処理フラグXSRETに「1」をセットする。所定値KCSRETは、例えば1分程度の時間であればよい。
【0063】
その後、CPU31は、ステップ705でカウンタCSRETを「1」デクリメントし、続くステップ706でカウンタCSRETが「0」であるか否かを判別する。CSRET≠0であれば、CPU31は、ステップ707でリーン時間とリッチ時間との時間比を「5:1」とする。この場合、リーン時間とリッチ時間との時間比を通常の「50:1」から「5:1」に変更することで、リッチ燃焼の割合が増大されてNOx触媒14の温度が次第に上昇する。
【0064】
一例として、「リーン時間/リッチ時間」と触媒温の上昇幅とは図18の関係にあることが確認されており、「リーン時間/リッチ時間=5」とする場合、約90℃程度の温度上昇が見込まれる。また図18によれば、「リーン時間/リッチ時間」を短縮することにより触媒温の上昇幅が増大することが分かる。
【0065】
前記ステップ705でのカウントダウンに伴いCSRET=0になると、CPU31はステップ708に進む。そして、CPU31は、ステップ708で別のカウンタCSRICHを「1」インクリメントし、続くステップ709でカウンタCSRICHが所定値「KCSRICH」に達したか否かを判別する。所定値KCSRICHは、例えば3分程度の時間であればよい。CSRICH≦KCSRICHであれば、CPU31はステップ710に進み、空燃比λ=1でのストイキ制御を実施する。但し、ステップ710では空燃比を弱リッチで制御してもよい。
【0066】
カウンタCSRICHが所定値KCSRICHに達すると、CPU31はステップ711に進み、再生処理フラグXSRETを「0」にクリアすると共に、カウンタCSRICHを「0」にクリアする。つまり、一連の触媒再生処理が完了したとみなされ、再生処理フラグXSRETのクリアに伴いリーン時間とリッチ時間との時間比を「50:1」とする通常の空燃比制御が再開される。
【0067】
一方、前記ステップ701がNOの場合(XCAT=0の場合)、CPU31はステップ712に進み、XSRET,CSRET,CSRICHをそれぞれ「0」にクリアしてその後本ルーチンを終了する。
【0068】
但し、前記図16の処理に基づき空燃比制御される場合(ステップ707,710が実施される場合)、同制御が前記図3の処理に基づく空燃比制御よりも優先される。例えば再生処理フラグXSRETに「1」がセットされる期間に限り、前記図3により設定される目標空燃比AFTGを無効にして前記図16のステップ707,710の処理に従い空燃比が制御されるとよい。
【0069】
前記図16による触媒再生処理が実施された後には、当該再生処理にてイオウ被毒が解消されたかどうかを判定すべく、図17の処理が実施される。すなわち、CPU31はステップ801で、再生処理後に前記図9,10に示す触媒劣化の検出処理が実施されたか否かを判別する。また、CPU31は、ステップ802で異常発生フラグXSDGLMPが「0」であるか否かを判別し、続くステップ803で劣化検出フラグXCATが「1」であるか否かを判別する。
【0070】
ステップ801〜803が全てYESの場合、CPU31はステップ804に進む。CPU31は、ステップ804で異常警告灯(MIL:Malfunction Indicator Light )を点灯して異常発生の旨を運転者に警告すると共に、続くステップ805で異常発生フラグXSDGLMPに「1」をセットする。つまり、前記図16による再生処理に拘わらず、NOx触媒14の劣化状態が継続して検出されると、同触媒14が再生不可能な状態にあるとみなされて最終的に異常発生と判断される。最終的に異常発生と判断された場合、それ以降のリーン制御が禁止されて例えばλ=1でのストイキ制御が実施される。
【0071】
上記制御動作を図19のタイムチャートを用いて説明する。図19において、時刻t21以前は通常のリーン/リッチ制御が実施され、例えば「50:1」の時間比にてリーン制御とリッチ制御とが繰り返し実行される。また、前記図9,10の手順に従い、その時々のNOx浄化率に基づいてNOx触媒14の劣化検出処理が実行される。
【0072】
そして、時刻t21で触媒劣化の旨が検出されると、劣化検出フラグXCATに「1」がセットされる(前記図10のステップ411)。その後、時刻t22では前記図16の触媒再生処理が起動され、同処理の実行に伴い再生処理フラグXSRETに「1」がセットされる(前記図16のステップ704)。時刻t22以降、「5:1」の時間比にてリーン制御とリッチ制御とが繰り返し実行される(図16のステップ707)。
【0073】
時刻t22でリーン制御/リッチ制御の時間比が短縮されると、排ガス中のリッチ成分(未燃HC)が過剰ぎみになる。従って、NOx触媒14で未燃HCが酸化反応する際に生じる熱量が増え、触媒温が上昇する。本実施の形態の場合、リーン制御とリッチ制御との時間比を「5:1」に短縮することで、90℃程度の温度上昇が得られる。
【0074】
再生処理の開始後、所定値KCSRETに相当する時間が経過する時刻t23では、目標空燃比AFTGを「1.0」とするストイキ制御が開始される(図16のステップ710)。
【0075】
その後、所定値KCSRICHに相当する時間が経過する時刻t24では、再生処理フラグXSRETが「0」にクリアされると共に、リーン制御とリッチ制御との時間比を「50:1」とする通常の空燃比制御が再開される。
【0076】
時刻t24以後、前記図9,10の触媒劣化検出処理が新たに実行され、NOx触媒14のNOx吸蔵能力が回復したかどうかが判定される。このとき、NOx吸蔵能力が回復していれば、図示のように劣化検出フラグXCATが「0」にクリアされる。これに対して、NOx吸蔵能力が回復していなければ、劣化検出フラグXCATが「1」のまま保持される。
【0077】
また、再生処理後に前記図18の処理が実行され、NOx吸蔵能力の回復がなければ(XCAT=1であれば)図示しない異常発生フラグXSDGLMPに「1」がセットされる。さらに、異常警告灯が点灯されて異常発生の旨が運転者に警告される。
【0078】
なお本実施の形態では、前記図16のステップ707が請求項記載の昇温手段に相当し、同ステップ710が触媒再生手段に相当する。また、前記図9,10の処理が劣化検出手段に相当する。
【0079】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
本実施の形態では、NOx触媒14の劣化発生が検出された時、すなわち同NOx触媒14のNOx吸蔵量が所定値よりも低下したと判断された時に、リーン燃焼に対するリッチ燃焼の割合を増やして触媒温を上昇させ、触媒温の上昇後、空燃比を理論空燃比(λ=1)に制御してNOx触媒14を再生させるようにした。この場合、従来装置とは異なりリーン失火や点火遅角を強制的に行わせることはなく、予期せぬトルク変動やエミッションの悪化を招くことはない。その結果、従来の不具合を回避しつつNOx触媒14に吸着したイオウを適正に放出することができる。
【0080】
以上の如くNOx触媒14の再生処理が実施されることにより、同触媒14によるNOx浄化が適正に行われ、排気エミッションを良好な状態でに保つことができる。
【0081】
NOx触媒14の劣化発生時に同触媒14の再生処理を実施することで、イオウ被毒により触媒が劣化状態になってもその状態が直ぐに解消される。また、触媒劣化時にのみ再生処理を行うことで、空燃比リーン制御が度々中断されるといった、他の制御への影響を必要最小限に止めることができる。
【0082】
さらに、触媒再生処理が実施された後、NOx触媒14のNOx吸蔵能力が回復したかどうかを判定し、NOx吸蔵能力が回復していなければ当該触媒が異常である旨を判定するようにした。例えばNOx触媒が高熱に晒されて熱劣化に至った場合には、前記再生処理を行ってもNOx吸蔵能力が回復することはない。従って、かかる場合には異常発生の旨を判定し、異常発生を警告して部品交換等を促すようにする。
【0083】
また前記図9,10に示す触媒劣化の検出処理によれば、NOx触媒14に供給した排ガスが実際にどれだけリッチになるか、或いはリッチ度合がどの程度になるかといったことを反映させつつ、正確にNOx吸蔵能力が判定できる。従って、NOx触媒14の劣化を正確に検出することができる。
【0084】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態では、前記図9,10の処理に従いNOx触媒14の劣化を検出したが、これを変更する。リッチ燃焼時におけるリアO2 出力VOX2(触媒下流側のO2 センサ27の出力)の大きさに基づいてNOx触媒14のNOx吸蔵能力を推定し、そのNOx吸蔵能力から触媒劣化度合を検出する。より具体的には、リアO2 出力VOX2のピーク値、時間積分値(面積)、軌跡の何れかに基づいてNOx触媒14のNOx吸蔵能力を推定する。つまり、図20に見られるように、NOx触媒14の劣化度合が相違すれば、例えばリアO2 出力VOX2のピーク値が相違し、同図(b)では(a)よりもピーク値が大きいことから触媒劣化が進行していると判断できる。
【0085】
他方で、特段の事情がない限り、触媒劣化は時間の経過に伴いある程度同じ速度で進行すると考えられる。そこで、所定時間が経過した時点、或いは車両が所定距離を走行した時点で、NOx吸蔵能力が低下したとみなして触媒再生処理を実施する。
【0086】
上記実施の形態では、触媒再生処理(前記図16の処理)を実施した後、NOx吸蔵能力が回復したかどうかを判定し、NOx吸蔵能力が回復していなければ、熱劣化等、再生不能な状態に陥ったとして異常発生の旨を判定したが、この構成を変更する。触媒再生処理後においてNOx吸蔵能力が回復していないと判定した場合、触媒再生処理を再度実施し、その後、改めてNOx吸蔵能力が回復したかどうかを判定する(再生処理は最大で10回程度とする)。複数回の再生処理を実施する場合、後続の再生処理ではリーン制御とリッチ制御との時間比を短縮して触媒の温度上昇幅を大きくし(前記図18参照)、再生処理の効率化を図るようにしてもよい。
【0087】
また、再生処理の前後で触媒劣化度合(NOx吸蔵能力)が変化したかどうかを判定し、触媒劣化度合が減少していれば、再生の可能性があるとして再生処理の再実施を許可し、触媒劣化度合が変わらなければ、再生の可能性がないとして最終的に異常発生の旨を判定する(再生処理をそれ以上実施しない)。この場合、より一層確実な触媒再生処理が実現できる。具体的には図21の処理を実行する。図21の処理は前記図17の処理の一部を変更したものであり、以下には図17との相違点のみを説明する。つまり、ステップ801〜803の実施後、CPU31はステップ901において、再生処理の前後で各々記憶した劣化度合値に基づき触媒劣化度合が減少したか否かを判別する。そして、触媒劣化度合が減少していなければ、異常発生の旨を判定する(ステップ804,805)。また、触媒劣化度合が減少していれば、CPU31はステップ902に進み、触媒再生処理(前記図16の処理)を再実行させる。
【0088】
触媒再生処理を実施する際、リッチ制御時のリッチ度合を空燃比制御パラメータとし、そのリッチ度合を増やして触媒温を上昇させるようにしてもよい。又は、リーン時間/リッチ時間の時間比とリッチ度合との両パラメータを使って触媒温を上昇させるようにしてもよい。要は、リーン燃焼とリッチ燃焼との割合を可変に設定して触媒温を上昇させることができる構成であればよく、これら何れの場合にも、既述の通り予期せぬトルク変動やエミッションの悪化を回避しつつ所望の触媒昇温作用が得られる。
【0089】
上記実施の形態では、空燃比のF/B制御に際し、現代制御理論を用いた演算を実施したが、これに代えてPID,PI制御などを用いた演算を実施してもよい。また、リーン燃焼時において空燃比をオープン制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における空燃比制御システムの概要を示す全体構成図。
【図2】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図3】目標空燃比AFTGの設定ルーチンを示すフローチャート。
【図4】エンジン運転状態に応じてリッチ時間をするためのマップ。
【図5】エンジン運転状態に応じてリーン目標空燃比を設定するためのマップ。
【図6】空燃比制御の挙動を示すタイムチャート。
【図7】NOx量推定ルーチンを示すフローチャート。
【図8】NOx量算出に使用するための関係図。
【図9】触媒劣化検出ルーチンを示すフローチャート。
【図10】図9に続き、触媒劣化検出ルーチンを示すフローチャート。
【図11】リアO2 出力積算値VOX2ADの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図12】リッチガス積算値AFADの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図13】劣化判定値NOXCONVとNOx浄化率との関係を示す図。
【図14】NOx浄化率と触媒劣化度合との関係を示す図。
【図15】触媒劣化の検出動作を説明するためのタイムチャート。
【図16】触媒再生ルーチンを示すフローチャート。
【図17】再生処理後に実施される処理を示すフローチャート。
【図18】リーン時間/リッチ時間と触媒温上昇幅との関係を示す図。
【図19】触媒再生処理を具体的に説明するためのタイムチャート。
【図20】触媒劣化前と触媒劣化後とについてセンサ出力波形を示す図。
【図21】他の実施の形態における処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、3…排気管、14…NOx触媒(NOx吸蔵還元型触媒)、26…A/Fセンサ、27…O2 センサ、30…ECU、31…昇温手段,触媒再生手段,劣化検出手段としてのCPU。

Claims (6)

  1. 機関排気系に設けられたリーンNOx触媒を備え、空燃比リーン領域でのリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOxをリーンNOx触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵したNOxをリーンNOx触媒から放出するようにした内燃機関の排ガス浄化装置において、
    前記リーンNOx触媒が吸蔵しうるNOx吸蔵量が所定値よりも低下した時に、空燃比をリーン及びリッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータを可変に設定し前記リーンNOx触媒の温度を上昇させる昇温手段と、
    前記昇温手段による昇温処理後、空燃比を理論空燃比或いはリッチに制御してリーンNOx触媒を再生させる触媒再生手段と
    前記リーンNOx触媒の劣化を検出する劣化検出手段とを備え、
    前記劣化検出手段は、前記触媒再生手段による再生処理が実施された後、リーンNOx触媒のNOx吸蔵能力が回復したかどうかを判定し、NOx吸蔵能力が回復していなければ当該NOx触媒が異常である旨を判定することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 機関排気系に設けられたリーンNOx触媒を備え、空燃比リーン領域でのリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOxをリーンNOx触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵したNOxをリーンNOx触媒から放出するようにした内燃機関の排ガス浄化装置において、
    前記リーンNOx触媒が吸蔵しうるNOx吸蔵量が所定値よりも低下した時に、空燃比をリーン及びリッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータを可変に設定し前記リーンNOx触媒の温度を上昇させる昇温手段と、
    前記昇温手段による昇温処理後、空燃比を理論空燃比或いはリッチに制御してリーンNOx触媒を再生させる触媒再生手段と、
    前記リーンNOx触媒の劣化を検出する劣化検出手段とを備え、
    前記劣化検出手段は、前記触媒再生手段による再生処理の前後で、リーンNOx触媒によるNOx吸蔵量が変化したかどうかを判定し、NOx吸蔵量が増加していれば再生処理の再実施を許可し、NOx吸蔵量が変わらなければ最終的に異常発生の旨を判定することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 前記昇温手段は、リーン燃焼とリッチ燃焼との割合を空燃比制御パラメータとし、リーン燃焼に対するリッチ燃焼の割合を増やして触媒温を上昇させる請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 前記昇温手段は、リーン燃焼のためのリーン時間とリッチ燃焼のためのリッチ時間との時間比(リーン時間/リッチ時間)を空燃比制御パラメータとし、その時間比を短縮させて触媒温を上昇させる請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 前記昇温手段は、リッチ燃焼時のリッチ度合を空燃比制御パラメータとし、そのリッチ度合を増やして触媒温を上昇させる請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  6. 前記劣化検出手段により前記リーンNOx触媒の劣化発生が検出された時に、前記昇温手段及び触媒再生手段による触媒再生のための処理を実施する請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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