JP4054742B2 - インク供給システムおよび記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクなどの液体の供給経路中から不要な気体を速やかに排除した上、液体の残量を管理しつつ、気体の混入しない液体を無駄なく供給するインク供給システム、および記録装置に関するものである。
液体使用装置として、例えば、インクジェット記録ヘッドを用いて、液体であるインクを記録媒体へ付与することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置は、記録時の騒音が比較的小さくしかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー画像の記録を含めた多くの記録に利用されている。このようなインクジェット記録装置の一形態としては、一体不可分にまたは分離可能に取り付けられたインクタンクからインクの供給を受けるインクジェット記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して記録媒体に対して記録ヘッドを所定方向に相対的に走査(主走査)させるキャリッジと、記録媒体を記録ヘッドに対して主走査方向と交差する方向に相対的に搬送(副走査)させる搬送手段と、を備え、記録ヘッドの主走査の過程でインク吐出を行わせることにより、記録媒体に記録を行うものがある。さらに、キャリッジ上に、ブラックインクおよびカラーインク(イエロー、シアン、マゼンタ等のインク)の吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト画像のモノクローム記録のみではなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー画像の記録を可能としたものもある。
ところで、インクジェット記録ヘッド内に形成されるインク流路は非常に微細に構成されており、インクタンクから記録ヘッドに供給されるインクは、塵埃等の異物が混入していない清浄な状態であることが要求される。すなわち、塵埃等の異物がインクに混入しているような場合には、記録ヘッド内のインク流路の中でも特に狭い吐出口、およびこれに直接連通する液路部分に異物が詰まるという問題が生じて、正常なインクの吐出動作が行えなくなり、記録ヘッドの機能の回復が不可能となることもある。
そこで、一般に、インクタンクに挿入されるインク供給針と記録ヘッドとの間のインク流路に、異物を除去するためのフィルタ部材を配置し、このフィルタ部材によって記録ヘッド側への異物の侵入を防止する構成を採ることが多い。
一方、昨今においては、記録の高速化を実現するために、インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドの吐出口数も増してきており、またインクを吐出させるためのエネルギを発生する素子に加える駆動信号も益々高周波数のものが採用されつつある。そのために、単位時間当たりのインクの消費量も急激に増加している。これに伴い、フィルタ部材を通過するインク量も当然ながら増大する。このようなフィルタ部材による圧力損失を低減するためには、インクの供給路を一部拡大して大面積のフィルタ部材を配置することが有効となる。しかし、インクの供給経路内に気泡が混入すると、その拡大部におけるフィルタ部材の上流側の空間に気泡が滞留し易くなり、これを排出できない状態となって、インクの円滑な供給が阻害されるおそれがある。また、インクの供給経路の内部に溜まっていた気体が微細な気泡となって、記録ヘッドの吐出口に導かれるインク中に混入し、記録ヘッドにおけるインクの不吐出を生じさせる等の問題を引き起こすおそれもある。そこで、このようなインクジェット記録装置においては、インクの供給経路内部に空気等の気体を混入させないことが重要となる。インクの供給系内部に進入してくる気体の主たる発生要因としては、インクタンク内のインク切れやインクタンクの交換などがある。
従来、交換型のインクタンクとしては、特許文献1に開示されているように、インクタンク内のインク量情報を保持する記憶媒体を搭載したインクタンク、特許文献2に開示されているように、インクタンク内のインク切れの検知機能をもつインクタンク、およびインク検知の機能をもたないインクタンクがある。
米国特許第5,699,091号明細書 特開2001−162820号公報
特許文献1に開示されているように、インクタンク内のインク量情報を保持する記憶媒体を搭載したインクタンクでは、インクジェット記録装置のインク供給経路内部への空気等の気体の混入を最小限に抑えるために、通常は、記憶媒体に保持されるインク量情報に基づきインクタンク内の残量を認識した上、インクタンク内に所定量のインクを残して記録装置を停止させて、インクタンクの交換をユーザーに促している。また、特許文献2に記載されているように、インク切れの検知機能をもつインクタンクにおいては、通常、プリズムと光学センサを利用して光学的にインク残量を検知する方法、または2本の電極ピンに間の通電抵抗変化を利用してインク残量を検知する方法等が採られている。いずれの方法もインク残量が所定量に達したか否かの検知となる。また、インクジェット記録装置のインク供給経路内部への空気等の気体の混入に起因するインク残量の検知誤差をなくすために、インクタンク内にある程度のインクを残したまま、インク切れの検知するように設定されている。
したがって、このような特許文献1,2に開示されているインクタンクは、その内部のインクが使いきらないうちに廃棄されることになる。
また、インク検知の機能をもたないインクタンクにおいては、ユーザーが独自にインク残量を判断するため、インクタンク内およびインク供給経路内部はもとより、記録ヘッド内のインクが使いきられて、記録画像が掠れ初めたときに、インクタンク内のインクがなくなったとユーザーが判断して、インクタンクを交換することになる。
また、このような交換型のインクタンクは、いずれもインクタンクの交換作業自体によって、インクタンクの接続口と記録ヘッド側のインク供給経路との間が一時的にせよ分断されるため、インク供給経路内に空気が導入されることがある。インク供給経路内に導入されてしまった空気を除去するための方法として、次のようなクリーニング動作がある。
まず、記録ヘッドにおける吐出口の形成面(吐出口形成面)をキャップ部材によって覆い、吸引ポンプを高速駆動してキャップ部材の内部に負圧を導入する。これにより、キャッピングされた吐出口形成面に大きな負圧を作用させ、インク供給路内から吐出口方向への高いインク流速を得て、滞留気泡をインクと共に吐出口から吸引排出させる。しかし、この方法により気体を十分に除去するためには、大量のインクを吸引排出する必要があり、その分、インクが無駄に消費されことになる。
以上のように、従来のインクタンクは、インクタンク内部のインクを使い切らないまま廃棄され、また本来使用できるはずの大量のインクがクリーニング動作により無駄に排出されていた。また、クリーニング動作を行っている間は、記録装置本体は記録不可能な状態にあり、ユーザーはクリーニング動作が終了するまでは記録が行えず時間を無駄に消費することにもなる。更に、クリーニング動作を行うための吸引ポンプ機構、および吸引したインクを収納するための廃インク受けが必要となり、その分、記録装置本体のコストと大型化を招くことにもなる。
本発明の目的は、特に交換型のインクタンク(収納容器)を用いる場合に、インクなどの液体の供給経路中から不要な気体を速やかに排除した上、液体の残量を管理しつつ、気体の混入しない液体を無駄なく供給することができるインク供給システム、および記録装置を提供することにある。
本発明のインク供給システムは、インクを収容するインクタンクと、前記インクタンクに複数の連通路を介して接続され、前記インクタンクから導入したインクを記録ヘッドに供給するインク供給部と、を備えるインク供給システムであって、前記インク供給部は、前記複数の連通路および前記記録ヘッドとの接続部を除いて実質的に密閉空間を形成し、かつ前記インクタンクと分離可能な構成であり、前記複数の連通路は、少なくとも1つを通して前記インクタンク内のインクを前記インク供給部内に導入し、少なくとも他の1つを通して前記インク供給部内の気体を前記インクタンク内に移送し、前記インクタンクに、当該インクタンク内のインク量Atを記憶可能なインクタンク側記憶手段を備え、前記インク供給部に、当該インク供給部内のインク量Btを記憶可能なインク供給部側記憶手段を備え、前記インクタンク側記憶手段と前記インク供給部側記憶手段のそれぞれは、使用可能なインク量Qtとして算出されたインク量(At+Bt)を記憶可能であることを特徴とする。
本発明の記録装置は、インクタンクからインクが供給される記録ヘッドを用いて記録をする記録装置において、前記記録ヘッドにインクを供給するための上記のインク供給システムと、前記記録ヘッドのインク消費量を演算する演算手段と、前記演算手段によって演算したインク消費量に基づいて、前記インクタンク側記憶手段に記憶されるインク量AtおよびQtと、前記インク供給部側記憶手段に記憶されるインク量BtおよびQtと、を更新する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、特に交換型のインクタンク(収納容器)を用いる場合に、記録ヘッドなの液体使用部に対して密閉構造をもつ液体供給経路中から、インクなどの液体の使用動作および供給動作の障害となる気体を、構造の複雑化を伴うことなく迅速かつ円滑に排除することができる。液体使用部として、インクジェット方式などの記録ヘッドを用いた場合には、インクの供給経路中に滞留する気泡に起因する問題、すなわちインク供給の不良や吐出口の目詰まり等による記録不良を防止することができる。
しかも、本発明によれば、このようにインクなどの液体の供給経路中から不要な気体を速やかに排除した上、記憶手段を用いて液体の残量を管理しつつ、気体の混入しない液体を無駄なく供給することができる。
以下に、本発明をインクジェット記録装置に適用したいくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、または記録媒体の加工を行う場合を言うものとする。また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとするが、以下では「用紙」または単に「紙」ともいうものとする。
なお、本発明において用いられる液体として、以下の各実施形態ではインクを例にとって説明しているが、適用可能な液体としては、インクに限ることなく、例えばインクジェット記録分野にあっては、記録媒体に対する処理液などを含むことは言うまでもない。
(第1の実施形態)
[構成について]
図1は、本発明の第1の実施形態による液体供給システムの模式的断面図である。
図1に示す実施形態のインク供給システムは、概して、液体収納容器としてのインクタンク10と、インクジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」と称する)20と、それらの間を連絡するインク供給路を形成するインク供給部50と、から構成されている。インク供給部50は、記録ヘッド20と分離可能または分離不能に一体化されたものでも良く、また、記録ヘッド20を搭載するキャリッジに設けられ、かつその上部からインクタンク10の着脱が可能とされて、そのインクタンク10の装着時にインクタンク10から記録ヘッド20に至るインク供給経路を形成するものでも良い。
インクタンク10は、概して、インク収納空間が画成されるインク収納室12およびバルブ室30との2室からなり、その両室12,30の内部は連通路13を介して互いに連通されている。そして、インク収納室12内には記録ヘッド20から吐出させるためのインクIが収納され、その吐出動作に伴って記録ヘッド20に供給される。
インク収納室12の一部には変形可能な可撓性膜(シート部材)11が配設されており、この部分と不撓性の外装との間でインクを収納する空間が画成されている。このシート部材11から見たインク収納空間に対する外側空間、すなわち図1におけるシート部材11の上側空間は、大気に開放されて大気圧と等しくされている。さらに、インク収納室12内は、下方に設けられているインク供給部50への接続部およびバルブ室30への連通路13を除いて、実質的に密閉空間を形成している。
また、インクタンク10には記憶媒体60が設けられており、この記憶媒体60には、インクタンク10の工場での製造時に、インクタンク10内に注入された初期のインク量に関する情報が格納されている。記憶媒体60としては、一般的なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory),FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などのメモリー素子を使用することができるが、これ以外にも、インク量に関する情報の書き込みおよび読み出しが可能な素子・手段であれば良い。同様に、インク供給部50にも記憶媒体(本体記憶媒体)65が設けられている。
本例のシート部材11の中央部分は、平板状の支持部材である圧力板14によって形状が規制されており、その周縁部分が変形可能となっている。そして、このシート部材11は、予めその中央部分が凸状に形成されていて、側面形状がほぼ台形となっている。このシート部材11は、後述するように、インク収納空間内におけるインク量の変化や圧力変動に応じて変形する。その際に、シート部材11の周辺部分がバランスよく伸縮変形し、そのシート部材11の中央部分がほぼ水平姿勢を保ったまま、図の上下方向に平行移動する。このようにシート部材11がスムーズに変形(移動)するため、その変形に伴う衝撃の発生がなく、衝撃に起因するインク収納空間内に異常な圧力変動が生じることもない。
また、インク収納空間内には、圧力板14を介してシート部材11を図1中の上方向に付勢する圧縮ばね形態のばね部材40が設けられている。このばね部材40の押圧力の作用により、記録ヘッド20のインク吐出部に形成されるインクのメニスカスの保持力と平衡して、記録ヘッド20のインクの吐出動作を可能とする範囲の負圧が発生する。図1の状態は、インク収納空間内にほぼ完全にインクが充填された状態を示している。この図1の状態でもばね部材40は圧縮された状態にあり、インク収納空間内に適切な負圧が生じている。
バルブ室30には、インクタンク10内の負圧が所定値以上に高まったときに外部から気体(空気)を導入すると共に、インクタンク10から外部へのインクの漏出を阻止するための一方向弁が構成される。この一方向弁は、連通口36を有する弁閉鎖部材としての圧力板34と、連通口36との対向するバルブ室30の筐体内壁の位置に固定されて連通口36を密閉可能なシール部材37と、圧力板34と接合されると共に連通口36が貫通されたシート部材31と、を有する。このバルブ室30内は、インクタンク10への連通口13および大気への連通口36を除いて実質的に密閉空間を維持している。シート部材31よりも図1中右側におけるバルブ室筐体内の空間は、大気連通口32によって大気に開放されて、大気圧と等しくされている。
シート部材31は、圧力板34と接合されている中央部分以外の周縁部分は変形可能となっており、中央部分が凸状とされていて、側面形状がほぼ台形となっている。このような構成を採ることによって、弁閉鎖部材である圧力板34の図1中の左右方向の移動が円滑に行われる。
バルブ室30の内部には、弁の開放動作を規制するための弁規制部材としてのばね部材35が設けられている。このばね部材35はやや圧縮された状態とされており、その圧縮の反力によって圧力板34が図1中の右方に押される。このばね部材35の伸縮によって、連通口36に対するシール部材37の密着/離間を行うことにより弁として機能し、さらに大気連通口32から連通口36を介してバルブ室30内部への気体の導入のみを許可する一方向弁として機能する。
シール部材31としては、連通口36が確実に密閉されるものであればよい。すなわち、少なくとも連通口36と接触する部位が連通口36の開口面に対して平坦性を保つ形状を有したもの、あるいは連通口36の周囲に密着可能なリブを有したもの、さらには連通口36内に先端が突入して連通口36を閉塞可能な形状を有するものなど、連通口36の密閉状態が確保できるものであればよく、またその材質も特に限定されない。このような密閉状態は、ばね部材35の伸長力によって達成されるため、その伸長力の作用によって圧力板31と共に動きやすいように、収縮性をもつゴムのような弾性体でシール部材31を形成することがより好ましい。
かかるインクタンク10の構成では、インクが十分に満たされている初期状態からインク消費が進んでいく。そして、インク収納室12内の負圧と、バルブ室30内における弁規制部材(ばね部材35)によって作用する力等とがつり合った状態から、さらにインク消費が継続されて負圧がさらに強まった瞬間に、連通口36が開放されて大気がバルブ室30内に流入して、インク収納室10内に取り込まれる。この大気の取り込みによってシート部材11および圧力板14が図1中の上方に変位し、インク収納室12内の容積が増大し、同時に、インク収納室12内の負圧も弱まることによって連通口36が再び閉鎖される。
また、インクタンクの周囲環境の変化、例えば、温度上昇あるいは減圧等が生じても、シート部材11および圧力板14が下方への最大変位位置から図1のような初期位置まで変位するときのインク収納空間の容積変化分、インク収納空間内に取り込まれている空気の膨張が許容される。換言すれば、その容積変化分の空間がバッファ領域として機能し、周囲環境の変化に伴う圧力の上昇を緩和して、記録ヘッド20の吐出口からのインク漏出を効果的に防止することができる。
また、図1のような初期充填状態からのインクの導出に伴ってインク収納空間の内容積が減少して、バッファ領域が確保されるまでは、インク収納空間内に外気が導入されないので、それまでの間に周囲環境の急激な変化や振動や落下などが生じてもインク漏れは発生しない。さらに、インクの未使用状態から予めバッファ領域を確保しているのではないので、インクタンク10の容積効率も高く、それをコンパクトに構成することができる。
また、図示の例では、インク収納室12内のばね40およびバルブ室30内のばね35を共にコイルばねの形態として模式的に示しているが、他の形態のばねを用い得るのは勿論である。例えば、円錐弦巻ばねや板ばねを用いることもできる。板ばねとしては、例えば、断面略U字形状を有する一対の板ばね部材を用い、それらのU字形状の開放端同士を対応させた状態で組合せてもよい。
記録ヘッド20とインクタンク10との結合は、図示の例では、記録ヘッド20側に一体に設けられている供給部50の接続部51がインクタンク10内に挿入されることによってなされる。これにより両者が流体的に結合され、インクタンク10から記録ヘッド20へのインクの供給が可能となる。接続部51が挿通されるインクタンク10側の開口には、ゴム等の封止部材17が取り付けられている。この封止部材17は、接続部51の周囲に密着してインクタンク10からのインク漏出を防止すると共に、接続部51とインクタンク10との接続を確実なものにしている。この封止部材17には、接続部51の挿通を容易とするために、それが挿通される位置に予めスリット等を形成しておいてもよい。その場合、接続部51が挿通されないときには、封止部材17自体の弾性力によってスリットが閉じられることにより、インクの漏出を防止する。
接続部51は、内部が軸方向に沿って2分割された中空針状の部材によって構成されている。それぞれの中空部の上側、すなわちインク収納室12内に位置付けられる開口位置(以下、「タンク側開口位置」という)は鉛直方向に関してほぼ同一の高さであり、一方、それぞれの中空部の下側、すなわち記録ヘッド20に連結されたインク供給部50内の開口位置(以下、「ヘッド側開口位置」という)は異なる高さとなっている。以下、インク供給部50内のヘッド側開口位置が鉛直方向において相対的に下側にある流路(図1中の右の流路)をインク流路53、ヘッド側開口位置が鉛直方向において上側にある流路(図1中の左の流路)をエア流路54と称する。気泡の排除過程においては、主として、インク流路53からインクが記録ヘッド20側に導出され、エア流路54からインクタンク10側にエア(空気)が移送される。しかし、後述するように、各流路53,54においてインクおよびエアの両者の移動も行われる。すなわち、それら流路53,54の呼称は、それぞれの流体専用であることを意味するものではない。
インク供給部50内におけるインク供給経路は、インクタンク10との接続部(上流)側から下流側に向かって徐々に拡大し、そして中間部分から記録ヘッド20(下流)側に向かって徐々に縮小する断面を有する。インク供給経路の最大拡大部にはフィルタ23が備えられ、インクタンク10から供給されるインク中に混入した不純物が記録ヘッド20内へ流れ込むことが防止される。インク供給部50内の気体の滞留によって形成される気液界面の面積は、流路53および54の横方向の断面積よりも大きい。これにより、インク流路53を通してインクタンク10内のインクの水頭差がインク供給部50内のインクにかかった場合に、インク供給部50内に存在する気体の圧力がより高まり、エア流路54から容易にインクタンク10に向けて気体を排出することが可能となる。
記録ヘッド20には、所定方向(例えば、後述のようにキャリッジ等の部材に搭載されて記録媒体に対し相対移動しつつ吐出動作を行うシリアル記録方式を採るものにあっては、その移動方向と異なる方向)に配列された複数の吐出口と、各吐出口に連通する液路と、各液路に配置されてインクを吐出するために利用されるエネルギを発生する素子とが設けられる。ここで、記録ヘッドにおけるインクの吐出方式すなわちエネルギ発生素子の形態は特に限定されるものではなく、例えば、通電に応じ発熱する電気熱変換体を素子として用い、それが発生する熱エネルギをインク吐出に利用するものであってもよい。その場合には、電気熱変換体の発熱によってインクに膜沸騰を生じさせ、そのときの発泡エネルギによってインク吐出口からインクを吐出させることができる。また、電圧の印加に応じて変形するピエゾ素子のような電気機械変換素子を用い、その機械的エネルギを利用してインク吐出を行うものでも良い。
なお、記録ヘッド20およびインク供給部50は、分離可能または分離不能に一体化されたものでもよく、また別体に構成されて連通路51を介して接続されるものでも良い。それらを一体化した場合には、記録装置内の搭載部材(例えば、キャリッジ)に対して着脱可能なカートリッジの形態とすることもできる。
[作用について]
次に、作用について説明する。
図2は、インクタンク10内のインクが使い切られた後、それを取り外したときの状態を示した図である。このとき、本体記憶媒体65には、インク供給部50内に残存するインク量Btが記憶されている。記憶媒体60には、インクタンク10内が空であるため、後述するように、記録装置によってインク量”0”(At=0)が記憶されている。
図3は、図2のインクが使い切られたインクタンク10の代わりに、新たなインクタンク10が装着されるときの状態を示した図である。このとき、記憶媒体60には、インクタンク10の製造時に注入された所定のインク量Acが記憶されている。このときのインクタンク10内のインク量AtはAcである。また、図3のインクタンク10は、その製造段階において、インク収納室12内に若干の空気等の気体が入っている。このように、インクタンク10内に予め若干の気体が入っていても特に問題はない。
図4は、図3で示した新たなインクタンク10の装着が完了した状態を示した図である。このとき記録装置は、後述するように、図3の記憶媒体60に記憶されているインク量At(=Ac)と、図2,図3の本体記憶媒体65に記憶されているインク量Btと、を合算(At+Bt)し、それを記録に使用可能なインク量(以下、「記録可能インク量」という)Qt(=At+Bt)として記憶媒体60および本体記憶媒体65に記憶させる。このとき、インク供給部50内の気体は、インクタンク10内のインクにより置換され、インク供給部50内のインクの液面は、図4のように、常にエア流路54の下端位置に保たれる。
図5は、図4の状態から記録動作が実施されて、インクタンク10内のインクがある程度消費された状態を示した図である。図4の状態から、ユーザーが記録装置によって記録を実施することにより、インクタンク10内のインクが記録ヘッド20に供給され、その記録ヘッド20からインク滴として吐出される。記録装置は、後述するように、記録ヘッド20から吐出されるインク滴の数量データに、インク滴の体積を掛けることにより、記録ヘッド20から吐出されるインク体積(インクの消費量)を算出し、その算出したインク体積を前述した記録可能インク量Qtから減算して、それを新たな記録可能インク量Qtとして記憶媒体60および本体記憶媒体65に随時記録更新させる。
図6は、図5の状態において中途半端にインクが使用されたインクタンク10が一時的に外された状態を示す図である。インク供給部50内のインクの液面は、常にエア流路54の下端位置に保たれているため、そのインク供給部50内のインク量は一定のままである。そこで記録装置は、インク供給部50内のインク量Btとして、液面がエア流路54の下端位置となるインク量(以下、「維持インク量」という)Bcを本体記憶媒体65に記憶させる。記憶媒体60には、図5の状態における記録可能インク量Qtから維持インク量Bcを減算したインク量At(=Qt−Bc)が記憶される。
そして、図6のインクタンク10が再び装着された場合には、図5の状態に復帰し、本体記憶媒体65に記憶された維持インク量Bcと、記憶媒体60に記憶されたインク量At(=Qt−Bc)と、を合算することによって、記録可能インク量Qtを算出する。算出された記録可能インク量Qtは本体記憶媒体65および記憶媒体60に記憶される。
このように、インクタンク10が取り外された際には、そのインクタンク10側の記憶媒体60にインクタンク10内のインク量Atが記憶される。そのため記録装置は、インクタンク10が取り付けられたときに、それが満タン状態のものであるか否かに拘わらず、そのインクタンク10の記憶媒体60に記憶されているインク量Atと、本体記憶媒体65に記憶されている維持インク量Bcとによって、記録可能インク量Qtを算出することができる。
図7は、図5の状態から更にインクが消費され、インクタンク10内のインクが完全に使い切られた状態を示した図である。図5の状態から、ユーザーが記録装置によって記録を行うことによりインクタンク10内のインクが消費される。そして前述したように、随時、記録ヘッド20から吐出されるインク滴の数量データにインク滴の体積を掛けて吐出されたインク体積(インクの消費量)を算出し、それを記録可能インク量Qtから減算して、それを新たな記録可能インク量Qtとして記憶媒体60および本体記憶媒体65に随時記録更新させる。
ここで、インクタンク10の製造時に注入されるインク量Acは一定であるため、そのインク量Acと記録可能インク量Qtとを比較することによって、インクタンク10内のインクが完全に使い切られたか否かを判断することができる。図7の状態のように、インクタンク10内のインクが完全に使い切られたときは、ユーザーに対して、インクを完全に使いきったことをアナウンスして、インクタンク10の交換を促すことができる。また、この図7の状態でも記録動作は可能であり、その間に、ユーザーが新たなインクタンク10を用意することにより、インク切れのために記録装置が使用不可能となる事態を回避して、無駄な時間を無くすことができる。
図8は、図7の状態から更にインクが消費されて、インク供給部50内のインクが完全に使い切られる直前の状態を示した図である。図7の状態から、ユーザーが記録装置によって記録を行うことによりインク供給部50内のインクが消費され、前述したように、記録ヘッド20から吐出されるインク滴の数量データにインク滴の体積を掛けることによって吐出されたインク体積(インクの消費量)を算出し、それを記録可能インク量Qtから算出して、それを新たな記録可能インク量Qtとして記憶更新する。したがって、その記録可能インク量Qtが”0”に近いときに、図8のようにインク供給部50内のインクが完全に使い切られる直前の状態であると判断することができる。このように判断したときには、インクの液面がフィルタ23に行き着く前に記録装置を停止させたり、ユーザーにインク切れを通知して新たなインクタンク10の交換を促す。
このように、インクタンク10内のインクが完全に無くなった状態から、インク供給部50内の液面がフィルタ23に接するレベルLに達するまでの間の記録可能な状態において、インクタンク10の交換を行うことが可能になる。また、インク供給部50内の空気が接続管51を通してインクタンク10に排出され、また記録ヘッド20へ供給されるインク中にインク供給部50内の空気が混入するおそれが生じる程度にまでインク残量が減少する前に、インクタンク10の交換を促すことができるため、インク中に混入した空気をインクと共に排出するようなクリーニング動作を必要とすることなく、インクタンク10内のインクを完全に使い切ることができる。また、インクタンク10を交換したときには、インク供給部50内の空気を速やかにインクタンク10内に排出しつつ、インク供給部50内にインクを補充して、直ちに記録動作することができる。この結果、従来のインクタンクにおける不具合、つまりインクタンク内のインクを使い切らないままインクタンクを廃棄したり、クリーニング動作により大量のインクを排出してインクを無駄に消費する不具合を解消し、それらの廃棄されたり無駄に消費されていたインクを画像の記録のために有効利用することができる。また、クリーニング動作を不要とすることにより、記録動作を中断させるような無駄な時間を削減することができる。
更に、クリーニング動作を不要とすることにより、前述したような吸引ポンプ機構や吸引したインクを収納するための廃インク受けが不要となり、記録装置本体のコスト削減と省スペース化に寄与することができる。
このように、本発明によれば、交換型のインクタンクにおいて、インクタンク内のインクを完全に使いきり、なおかつインクを無駄に消費するクリーニング動作を必要とせずに、記録可能な状態に復帰させることができる。
[記録可能状態への自動復帰について]
次に、図9および図10を用いて、本実施形態におけるインクタンク交換時または新規のインクタンク取付け時から、記録可能状態への自動復帰までの過程について説明する。
まず、図9を用いて各部の圧力バランスについて説明する。図9の状態は、インクタンク10からインク供給部50へのインク移動と、インク供給部50からインクタンク10へのエア排除とが行われるときの状態である。以下の説明においては、仮に、この図9の状態で静止しているものとする。
フィルタ23の上流領域内に滞留する気体の圧力を考える。インク収納室12内の気体の圧力をP、インク収納室12内のインク界面とフィルタ上流領域のインク界面との水頭差による圧力をHsとすると、フィルタ23の上流領域内の気体の圧力は、インク収納室12の気体の圧力PよりもHsだけ大きいP+Hsとなる。これは、インクタンク10および記録ヘッド20との接続部分を除いて、インク供給部50が密閉構造であるために生じる圧力増加である。
次に、エア流路54のヘッド側開口54hのメニスカス位置における圧力のバランスを考える。そのメニスカス位置において、下向きに作用する圧力はP+Ha、上向きに作用する圧力は上述の気体圧力P+Hsである。いまは、この状態でつりあっていると仮定しているため、上下方向の圧力差と、メニスカスに起因する次式で表される圧力Maとがつりあっていることになる。Haは、インク収納室12内のインク界面と、エア流路54のヘッド側開口54hに形成されるメニスカスとの間の水頭差による圧力である。
Ma = 2γcosθa/Ra (1)
ここで、γはインクの表面張力、θaはエア流路54に対するインクの接触角、Raはエア流路54の管径(内径)である。
したがって、エア流路54のヘッド側開口54hの位置での圧力バランスは次式で表される。
P+Hs−(P+Ha) = Ma (2)
Hs−Ha = Ma (3)
つまり、エア流路54のメニスカス位置とフィルタ上流領域のインク界面との間の水頭差による圧力と、エア流路のメニスカスによる圧力とがつりあっている状態である。
よって、フィルタ上流領域に残留する気体の容積が大きくて、
Hs−Ha > Ma (4)
となる場合には、フィルタ上流領域内の気体圧力が高いのでエア流路54内のメニスカスが破れ、インク供給部50内のエアがインク収納室12側に移動することになる。また、これに伴って、インク収納室12内のインクがインク流路53を介してインク供給部50内に移動し、インク供給部50内のインク液面の位置も上がる。
エア流路54の容積は、インク供給部50の容積に比較して非常に小さいので、エアが移動し始める初期の段階では、比較的容積の大きいインク供給部50内のインク液面の上昇はさほど大きくない。一方、エア流路54のメニスカス位置はインクタンク側開口54tの位置に向けて素早く移動する。よって、エア流路54のインクタンク側開口54tの位置からフィルタ上流領域内のインク界面の位置までの水頭差による圧力(Hs−Ha)は、エア流路54のメニスカスによる圧力Maに対してかなり大きくなり、エアの排出(エア移動)が促進される。
そして、エア流路54の長さ分の水頭による圧力Laが次式
La < Ma+Ma’ (5)
(ただしMa’は、エア流路54のタンク側開口54tに形成されるメニスカス圧力)
の関係であるとき、図4の状態までエア排出が行われる。
以上では、図9のように、インク流路53のヘッド側開口53hがインクに接している場合について考察した。次に、インク消費がさらに進み、図10のようにインク流路53のヘッド側開口53hもインク供給部50内のインクに接しなくなった状態について考察する。
図1から図7および図9においては、インク流路53のヘッド側開口53hがインクに接しているため、エア流路54内のメニスカス位置における圧力のバランスだけを考察すれば足りたが、図10の状態では、インク流路53に形成されるメニスカスをも考察しなければならない。
いま、図10の状態で静止していると仮定し、インク供給部50内の気体の圧力をP’、インク流路53内に形成されるメニスカスによる圧力をMiとする。この静止状態においては、エア流路54およびインク流路53の各メニスカス位置での圧力バランスが次式で表され、インクタンク10およびインク供給部50の間では気液交換は生じない。
P’−(P+Ha) = Ma, P’−(P+Hi) = Mi (6)
よって、エア排出およびインク移動が行われるためには、
P’−(P+Ha) > Ma, P’−(P+Hi) < Mi
となればよい。これらから、
P’−P > Ha+Ma, P’−P < Hi+Mi
つまり、
Hi+Mi > Ha+Ma
Hi−Ha = H > Ma−Mi (7)
となる。
したがって、流路53,54のヘッド側開口位置53h,54hの鉛直方向の差に対応した水頭による圧力差Hと、エア流路54およびインク流路53のメニスカスによる圧力の差と、の関係によって、インク移動およびエア排出が行われるか否かが決定されることになる。そのため、記録ヘッド20によるインク吐出あるいは吐出口形成面側からのインク吸引排出等によって、インク供給部20内の負圧を適切に調整することにより、インク移動とエア排出を行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、接続部51の内部を2分割して2つの流路53,54を設け、各流路53,54のヘッド側開口53h、54hの高さ位置に差をつけることにより、複雑な構成を必要とすることなく、インク供給部50内のフィルタ上流領域の滞留気体をインクタンク10側に速やかに移送することが可能となる。
また、インクタンク10の交換後に、記録ヘッド20によって若干のインク吐出、あるいは吐出口形成面側からの若干のインク吸引等を行うことにより、インク供給部50内に滞留していた気体をより迅速かつ円滑にインクタンク10側に移送して、インクの供給経路から排除できることになる。その場合には、前述したクリーニング動作のように、記録ヘッド20の吐出口側から吸引動作を行って気体を排除するときのような大量のインク浪費が生じることもない。
なお、インクタンク10からのインク供給の過程でインク収納室12内の負圧が所定値以上に高まった場合には、バルブ室30の作用により外部からインク収納室12内に気体が取り込まれることは前述した通りである。
[記録装置の制御系]
図11は、本例の記録ヘッド20を用いて画像を記録する記録装置の制御系主要部の概略ブロック構成図であり、図12および図13は、その記録装置によって実行される前述した一連の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図11において、CPU100は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROMおよびRAMからなる記憶部101において、ROMには、CPU100の処理手順等のプログラムが格納され、またRAMは、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。装置本体制御部102は記録装置を制御するための操作部を含み、CPU100は、装置本体制御部102からI/Oコントローラ部103を介して指令を受けることにより処理を実行する。104はデータバス、105はアドレスバスである。記録ヘッド20はヘッド駆動部20Aを介して制御される。CPU100は、PPI(Programmable Printer Interface)を介してホストコンピュータ(ホスト装置)から受信した画像データに基づき、記録ヘッド20を制御して画像を記録する。本体記憶媒体65は、前述した構成においては記録ヘッド20側のインク供給部50に備えられ、またインクタンク10側に備えられた記憶媒体60は、インクタンク内データI/F部107を介してCPU100に接続されている。
図12は、前述した図2から図5の状態までの間に実行される一連の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、図2のようにインクタンク10内のインクが使い切られたときに(ステップS1)、前述したように、インク供給部50内(インク供給路内)に残存するインク量Btが本体記憶媒体65に記憶されると共に(ステップS2)、インクタンク10内に残存するインク量Atとして”0”が記憶媒体60に記憶される(ステップS3)。そして、図2のように、インクが使い切られたインクタンク10を取り外し(ステップS4)、図3および図4のように新規のインクタンク10を取り付ける(ステップS5)。それから、その新規のインクタンク10内のインク量Atを記憶媒体60から読み出し(ステップS6)、そのインク量Atと、本体記憶媒体65に記憶されているインク供給部50内のインク量Btとを合算して、記録可能インク量Qtを求める(ステップS7)。その記録可能インク量Qtは、本体記憶媒体65および記憶媒体60に記憶される(ステップS8)。その後、図5のように、記録動作およびその他の動作によってインクが消費されたときに(ステップS9)、前述したように、そのインクの消費量を記録可能インク量Qtから減算し(ステップS10)、その量を新たな記録可能インク量Qtとして本体記憶媒体65および記憶媒体60に記憶更新する(ステップS11)。
図13は、前述した図5および図6のようなインク使い途中のインクタンク10が取り付けおよび取り外しされる際に実行される一連の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、インクタンク10の取り外し動作が開始されたときに(ステップS21)、前述したように、インク供給部50内(インク供給路内)に残存するインク量Btが本体記憶媒体65に記憶されると共に(ステップS22)、インクタンク10内に残存するインク量Atが記憶媒体60に記憶される(ステップS23)。そして、図6のように、インクが途中まで使われたインクタンク10を取り外し(ステップS24)、図5のように、同様にインクが途中まで使われたインクタンク10(図6のインクタンク10であってもよい)を取り付ける(ステップS25)。それから、使い途中のインクタンク10内のインク量Atを記憶媒体60から読み出し(ステップS26)、そのインク量Atと、本体記憶媒体65に記憶されているインク供給部50内のインク量Btとを合算して、記録可能インク量Qtを求める(ステップS27)。その記録可能インク量Qtは、本体記憶媒体65および記憶媒体60に記憶される(ステップS28)。その後は、前述した図12のステップS9に進む。
第1の参考例
図14および図15を用いて、本発明の第1の参考例(本実施形態ともいう)について説明する。なお、前述した第1の実施形態と同様に構成できる部分については、対応箇所に同一符号を付す。
図14は、前述した第1の実施形態におけるインクタンク10に対して、光学方式のインク液面検出用のプリズム(後述する第2の参考例のように、電極によるインク液面の検出機構を用いても構わない)61を追加した形態の模式的断面図である。このプリズム61に対応する記録装置本体またはインクタンク10の位置には、光学センサー63が取り付けられる。図14のように、プリズム61の周辺にインクがある場合には、光学センサー63からの光がプリズム61によって反射せずにインク中を通過し、一方、図15のように、プリズム61の周辺にインクがない場合には、光学センサー63からの光がプリズム61によって反射されて光学センサー63に戻る。このように、光学センサー63にプリズム61から光が反射してくるか否かによって、記録装置は、インクタンク10内のインクの液面がプリズム61のプリズム面に達しているか否かを判断する。
以下、このようなインク液面検出機構をインクタンク10に追加した場合の作用について説明する。
図14のように、インクタンク10内のインクの液面がプリズム61の位置よりも上にあるとき、記録装置本体またはインクタンク10に設けられた光学センサー63からの光は、プリズム61とインク界面で反射せずに、そのままインク中を通過する。このような状態のときは、インクタンク10に設けられた記憶媒体60内の情報(記録可能インク量Qt)に基づいて、ユーザーにインク残量または記録可能枚数などの表示をする。
図15のように、インクタンク10内のインクが記録動作などによって消費されて、その液面がプリズム61の中心以下に下がったときは、プリズム61により光が反射して光学センサー63に返ってくるため、その絶対的な位置までインクの液面が下がったことを検知することができる。したがって、そのときにおける記録可能インク量Qtが一義的に算出でき、また、その記録可能インク量Qtに基づいて記憶媒体60内に記憶する記録可能インク量Qtを補正することができる。
その後、前述したように、記録可能インク量Qtに基づいてインクタンク10内のインクが全て消費されたことを検知した場合には、ユーザーにインクタンク10が交換可能であること、および記録動作が停止するまで後何枚記録が可能かを知らせる。そして、ユーザーがインクタンク10を交換することにより、前述した第1の実施形態の場合と同様に記録可能な状態に復帰する。プリズム61と光学センサー63によって、インクタンク10内のインクが全て消費されたときのインクの液面を検知するようにしてもよい。
本実施形態のように、記憶媒体60に記憶するインク量を補正するための手段を追加することにより、例えば、高温または低湿度などインクの蒸発が進む環境下のため、あるいは予期しない気体の混入などが生じたために、記憶媒体60が記憶するインク量と実際のインク量との間に誤差が生じた場合に、その誤差を正確に補正することができる。つまり、前述したように記録媒体60に記憶される記録可能インク量Qtから求められるインクタンク10のインク残量と、実際のインクタンク10内のインク残量との間に誤差が生じたときに、その誤差を正確に補正するこができる。
第2の参考例
図16および図17を用いて、本発明の第2の参考例(本実施形態ともいう)について説明する。なお、第1の実施形態と同様に構成できる各部については、対応箇所に同一符号を付している。
本実施形態においては、インク供給部50内にインク液面の検出機構を設けている。具体的には、インク液面の検出機構に電極ピン62a,62bを用いている(第1の参考例のような光学式の検出機構を用いても構わない)。
電極ピン62a,62bは、インク供給部50内の定位置に備えられて、記録装置に接続されている。これらの電極ピン62a,62bの間に、図16のようにインクがあるか、または図17のようにインクがないかによって、それらの間の電気抵抗は著しく変化する。図16のように、インクの液面が上側の電極ピン62dの位置よりも下がったときには、それまでは電極62a,62bの間を電気的に導通させていたインクがなくなるため、電極62a,62b間の電気抵抗値は、それまでよりも著しく上昇する。これにより記録装置は、電極62aの位置までインクの液面が下がったと判断し、その液面からインク残量を算出して記憶媒体60内に記録されているインク量を補正する。
本実施形態の場合は、インク供給部50内においてインクの液面を検出するため、インクの液面がインク供給部50内まで下がったときにも、記録動作に支障を来たすことなくインクタンク10の取り外しおよび取り付けが可能となる。また、インク残量が極めて少ないインクタンクが取り付けられた場合にも、記録可能インク量の誤差を正確に補正することができる。
(インクジェット記録装置の構成例)
図18は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の構成例を説明するための図である。
本例の記録装置150はシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置であり、ガイド軸151,152によって、キャリッジ153が矢印Aの主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ153は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。キャリッジ153には、記録ヘッドおよびインク供給部と、これに装着されてインクを供給するインクタンクと、からなるインク供給システム154が搭載される。そのインク供給システム154としては、前述した実施形態のものを用いることができる。記録媒体としての用紙Pは、装置の前端部に設けられた挿入口155から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ156によって矢印Bの副走査方向に搬送される。記録装置150は、記録ヘッドを主走査方向に移動させつつ、プラテン157上の用紙Pの記録領域に向かってインクを吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙P上に順次画像を記録する。
なお、記録ヘッドは、上述のように、インクを吐出するためのエネルギとして、電気熱変換体から発生する熱エネルギを利用するものであってもよい。その場合には、電気熱変換体の発熱によってインクに膜沸騰を生じさせ、そのときの発泡エネルギによって、インク吐出口からインクを吐出することができる。また、記録ヘッドにおけるインクの吐出方式は、このような電気熱変換体を用いた方式のみに限定されず、例えば、圧電素子を用いてインクを吐出する方式等であってもよい。
キャリッジ153の移動領域における図18中の左端には、キャリッジ153に搭載された記録ヘッドのインク吐出口の形成面と対向する回復系ユニット(回復処理手段)158が設けられている。回復系ユニット158には、記録ヘッドのインク吐出口のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な吸引ポンプなどが備えられており、インク吐出口を覆ったキャップ内に負圧を導入することにより、インク吐出口からインクを吸引排出させて、記録ヘッドの良好なインク吐出状態を維持するための回復処理を行うことができる。また、画像形成とは別に、キャップ内に向かってインク吐出口からインクを吐出させることによって、記録ヘッドの良好なインク吐出状態を維持する回復処理(予備吐出処理」ともいう)を行うこともできる。これら処理は、インクタンクが新たに装着された場合に上記(4)式または(7)式の条件を満たすようにするためにも行うことができる。
(その他)
上述の実施形態においては、インクタンク10及びインク供給部50に記憶手段を設ける実施例、また吐出滴の数量から吐出消費量を換算する実施例、プリズム、電極によるインク残量検知を行う実施例等について説明したが、本発明においては上記実施例を適宜組み合わせることで同様の効果が発揮できる。
また上述のインク供給システムの諸実施形態では、いずれも、基本的に吸収体等にインクを保持させずに、そのままインクを貯留して供給する構成を採用する一方、可動部材(シート部材11、圧力板14)と、これを付勢するばね部材40とによって負圧発生手段を構成すると共に、インク供給システム内を前述したような密閉構造とすることにより、記録ヘッド20に対して適切な負圧を作用するようにした。かかる構成は、インクの吸収体を用いて負圧を発生させる構成に対して、インクの容積効率が高く、かつインクと吸収体との相性を考慮する必要がなく、インク選定の自由度も向上する。また、そればかりでなく、近年の記録の高速化に伴って求められるインク供給の高流量化や安定化の要望にも好ましく応えることができる。
また、本発明が特に主眼とした密閉系のインク供給経路内の滞留気体の排除に対しては、記録ヘッドから最も離れた最上流位置であるインクタンクに滞留気体を移送するものとした。そのために、複数の流路を介してインクタンクとインク供給経路とを連結すると共に、両者の圧力のバランスを利用することにより、インクタンクからのインク導出とインクタンクへの気体導入とが並行して行われるようにした。かかる構成によれば、複雑な装置を必要とせず、しかも部品点数が少ない簡単な構造でありながら、インク供給経路内の滞留気体を円滑かつ迅速にインクタンク側に排除することができる。また、滞留気体の排除は、気体がある程度の量だけ滞留したときの圧力バランスにしたがって自動的に行われるため、気体排除の信頼性が高い。また、気体排除の過程において、常にインクタンク内の負圧を維持しているので、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口などからのインクの漏洩を確実に防止することができる。さらに、気体をインクタンク側に排除するため、記録ヘッドの吐出口側からインク吸引を行うことで気体を吐出口から排除する方法に比較して、インク消費量を格段に減少させることができ、インク浪費を抑えてランニングコストの低減にも貢献することができる。
また、インク供給経路に対して着脱可能に構成されたインクタンクを用いる場合、従来は、インクタンクの交換操作時にインク供給経路側に気体が侵入することを防止するために、インク供給経路がインクで満たされている状態、すなわちインク供給経路内のインクが完全に消費される前に、インクタンクの交換を行っていること多い。しかし、本発明の構成によれば、インクタンクの交換操作時にインク供給経路内に気体が侵入しても、新たなインクタンクを装着すれば、そのインクタンクに対して容易に気体を排除することができる。したがって、インクが完全に消費された後にインクタンクを交換することができ、これにより、ランニングコストのさらなる低減できるのみならず、環境問題に対しても資するところが大きい。さらに、上述の実施形態においては、いずれも、通常の使用時の姿勢においてインクタンクを最も高所に配置し、液室ないし記録ヘッドが低所に配置されている。これは、簡単な構成で気液交換を迅速かつ円滑に行う上で非常に好ましい配置である。
なお、インクタンク内に導入された気体がインク供給経路に戻らずに、その気体によってインク供給が阻害されなければ、インクタンク内のどの位置に気体が貯留されてもよい。しかし、上記の実施形態のように、インクを吸収体などに含浸させずにそのまま貯留した場合には、インクタンク内に導入された気体がそのままインクタンク内の最上部に位置することになるので好ましい。このように、インクタンク内にインクの吸収体が存在しない場合には、インクタンクの容積そのものがインクの収容量となり得るので、必要以上にインクタンクを大きくする必要がなく、またインクタンクの形状も比較的自由に設計することができる。
また、上述した実施形態は、シリアル型のインクジェット記録装置に対しての適用例であるが、本発明は、これに限定されず種々の記録方式に適用することができる。例えば、シリアル型でなくライン走査型の記録装置であっても本発明を適用することができる。さらに、インク供給システムは、インクの色調(色や濃度など)に対応して複数設けることができることは言うまでもない。
また、本発明は、インク以外の液体(薬液や飲料など)を供給するためのシステムとしても広く適用することができる。
本発明の第1の実施形態におけるインク供給システムの断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、インクが使い切られたインクタンクを取り外すときの状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、新規のインクタンクを取り付ける前の状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、新規のインクタンクを取り付けた後の状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、インクタンク内のインクの消費状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、途中までインクが使用されたインクタンクを取り外すときの状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、インクタンク内のインクが使い切られたときのインクの消費状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおいて、インク供給部内のインクがなくなるときのインクの消費状態を示す断面図である。 図1のインク供給システムにおけるインク移動および気体排出の原理を説明するための断面図である。 図1のインク供給システムの図9とは異なる状態におけるインク移動および気体排出の原理を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の要部の制御系のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態における一連の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における他の一連の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の参考例におけるインク供給システムの断面図である。 図14のインク供給システムにおいて、インクタンク内のインク残量が少なくなったときの状態を示す断面図である。 本発明の第2の参考例におけるインク供給システムの断面図である。 図16のインク供給システムにおいて、インク供給部内のインク残量が少なくなったときの状態を示す断面図である。 本発明を適用可能なインクジェット記録装置の構成例を示す斜視図である。
符号の説明
10 インクタンク
11 シート部材
12 インク収納室
13 連通口
14 圧力板
17 封止部材
20 記録ヘッド
22 フィルタ
30 バルブ室
31 シート部材
34 圧力板
35 ばね部材
32,36 連通口
37 シール部材
40 ばね部材
50 インク供給部
51 接続部
53 インク流路
53h インク流路のヘッド側開口
53t インク流路のタンク側開口
54 エア流路
54h エア流路のヘッド側開口
54t エア流路のタンク側開口
150 インクジェット記録装置
154 液体供給システム
153 キャリッジ
158 回復系ユニット

Claims (8)

  1. インクを収容するインクタンクと、
    前記インクタンクに複数の連通路を介して接続され、前記インクタンクから導入したインクを記録ヘッドに供給するインク供給部と、
    を備えるインク供給システムであって、
    前記インク供給部は、前記複数の連通路および前記記録ヘッドとの接続部を除いて実質的に密閉空間を形成し、かつ前記インクタンクと分離可能な構成であり、
    前記複数の連通路は、少なくとも1つを通して前記インクタンク内のインクを前記インク供給部内に導入し、少なくとも他の1つを通して前記インク供給部内の気体を前記インクタンク内に移送し、
    前記インクタンクに、当該インクタンク内のインク量Atを記憶可能なインクタンク側記憶手段を備え、
    前記インク供給部に、当該インク供給部内のインク量Btを記憶可能なインク供給部側記憶手段を備え、
    前記インクタンク側記憶手段と前記インク供給部側記憶手段のそれぞれは、使用可能なインク量Qtとして算出されたインク量(At+Bt)を記憶可能である
    ことを特徴とするインク供給システム。
  2. 前記インクタンク側記憶手段と前記インク供給部側記憶手段に記憶された前記インク量Qtは、前記記録ヘッドから吐出されるインクの消費量に基づいて更新可能であることを特徴とする請求項1に記載のインク供給システム。
  3. 前記インクタンク側記憶手段および前記インク供給部側記憶手段は、EEPROMまたはFeRAMによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のインク供給システム。
  4. 前記インクタンク内および/または前記インク供給部内のインク残量の検知が可能な検知手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク供給システム。
  5. 前記検知手段は、前記インクタンク内および/または前記インク供給部内のインクの液面位置を検出することを特徴とする請求項4に記載のインク供給システム。
  6. 前記検知手段は、プリズムを用いて前記インクタンク内および/または前記インク供給部内のインクを光学的に検知することを特徴とする請求項4または5に記載のインク供給システム。
  7. 前記検知手段は、対の電極を用いて前記インクタンク内および/または前記インク供給部内のインクを電気的に検知することを特徴とする請求項4または5に記載のインク供給システム。
  8. インクタンクからインクが供給される記録ヘッドを用いて記録をする記録装置において、
    前記記録ヘッドにインクを供給するための請求項1から7のいずれかに記載のインク供給システムと、
    前記記録ヘッドのインク消費量を演算する演算手段と、
    前記演算手段によって演算したインク消費量に基づいて、前記インクタンク側記憶手段に記憶されるインク量AtおよびQtと、前記インク供給部側記憶手段に記憶されるインク量BtおよびQtと、を更新する手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
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