JP4054500B2 - 抗原、抗体及びdna等の核酸を検出用のプローブとして用いた多項目検査方法 - Google Patents

抗原、抗体及びdna等の核酸を検出用のプローブとして用いた多項目検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗原、抗体及びDNA等の核酸を検出用のプローブとして用いた多項目検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫学的分析法は、抗原抗体反応を利用した分析方法である。基本的には、目的とする物質に対して特異的に結合する抗体又は抗原等を使用し、それらを標識することにより、微量物質を正確に検出することを可能にする方法である。現在では、医療を始めとする多くの分野において、種々の物質を検出するために一般的に使用されている。しかしながら、測定感度や精度の更なる向上、また測定の迅速性を求めて、多くの改良がなされている。
【0003】
例えば、特公平6−65989は、多項目を同時に測定するための免疫学的分析方法を開示する。この方法は、粒径の異なる担体粒子毎に、各分析項目に対応する抗原又は抗体を固相した担体粒子を用意し、この担体粒子とサンプルとを流路内で反応し、更に標識物質で標識し、得られた検出されるべき物質と前記担体粒子と前記標識物質からなる免疫複合体について、フローサイトメトリー等のフロー系により前記複合体毎に、その大きさと、該複合体1個当たりの標識物質量を求める方法である。しかしながら、このような方法により測定のできる項目数には限りがあり、また、凝集塊等を識別することは困難であるため測定精度にも問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の事情に鑑み、本発明の目的は、より多くの項目の測定を同時に行える、抗原、抗体及びDNA等の核酸を検出用のプローブとして用いた多項目検査方法を提供することである。また、本発明の更なる目的は、一括して測定される複数の項目に関して、それらをより明確に識別でき、且つ高い検査精度を有する、抗原、抗体及びDNA等の核酸を検出用のプローブとして用いた多項目検査方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下に示す本発明によって達成される。即ち、それぞれが複数の被検物質を含む複数のサンプルについて、同時に、全サンプルの前記複数の被検物質を検出する分析方法において、(1)粒子の内容構造及び/又は表面構造と粒子径との組合せによって光学的散乱特性が相互に異なる複数の担体粒子であって、これら担体粒子の夫々の表面には、前記複数の被検物質のうちの一つと特異的に結合するためのプローブが夫々に固相されている複数の担体粒子からなる一組の検査試薬を、少なくとも前記複数のサンプルに対応した複数組だけ準備する工程と;(2)前記複数のサンプル夫々に、前記一組の検査試薬を混合させることにより、前記複数の担体粒子のそれぞれを該粒子に対応する前記被検物質に特異的に結合させて、担体粒子/被検物質の複合体を形成する工程と;(3)前記複合体が形成された複数のサンプルに、各サンプル毎に異なる種類の標識物質を添加することにより、1つのサンプル中に含まれる前記複数の被検物質を、同じ種類の標識物質で標識し、被標識複合体を形成する工程と;(4)前記被標識複合体が形成された複数のサンプルを同一容器内に集め、異なる種類の標識物質で標識された前記複数のサンプルの混合溶液を調製する工程と;(5)前記混合溶液に対して光を照射して前方散乱光及び側方散乱光を得るとともに、前記前方散乱光と側方散乱光によって規定される各検査項目において、前記異なる種類の標識物質から得られる複数種類の光信号を得る工程とを具備する方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
1.検出方法の詳細な説明
本発明の方法は、試料中に微量に含有される2つ以上の検出すべき物質を、同時に且つ高精度に検出するための方法である。また、本方法は、特異的に結合する結合対(例えば、抗原と抗体、一本鎖DNAとその相補鎖等)の何れか一方を検出するための方法である。
【0007】
本方法は、抗原抗体反応に基づく。即ち、特異的に結合する結合対の何れか一方を検出するために、前記結合対の他方を、プローブとしてその表面に固着した固相担体粒子を使用する。使用可能なプローブは、抗原、抗体及びDNA等の核酸等である。
【0008】
本発明の方法では、前記固相担体粒子は、内容構造及び/又は表面構造の相違により識別が可能な2以上の粒子から構成される。前記識別可能な2以上の粒子表面に、各種類毎に、所望する2以上のプローブを結合し、固相担体粒子とする。
【0009】
検出方法は、前記2以上の固相担体粒子と検出すべき2以上の物質を含有する試料を混合し、夫々、検出物質−プローブ複合体を形成し、これを検出すると同時に、前記粒子を識別することにより行う。
【0010】
このとき、粒子の種類毎にプローブを固相化した後で、複数種類の固相担体粒子を混合し、その混合した固相担体粒子と試料とを反応させてもよく、また、前記固相化の後に、各固相担体粒子と試料とを各種の担体毎に反応した後で、その反応液を混合して分析装置に供してもよい。
【0011】
また、前記粒子の識別は、前記固相担体粒子の内容構造及び/又は表面構造の相違により行う。具体的には、前記粒子に対して光を照射し、得られる前方散乱光及び側方散乱光を検出し、これらの違いにより識別を行う。
【0012】
具体的には、本発明の方法は、 2以上の物質を検出する分析方法であって、
(1)内容構造及び/又は表面構造の異なる2以上の粒子に対して、検出すべき物質と複合体を形成することが可能なプローブを固相することにより得た固相担体粒子と試料とを混合することにより、前記試料に含まれる検出すべき物質と該固相担体粒子とを含む複合体を形成する工程と、
(2)前記検出対象を標識物質で標識する工程と、及び
(3)前記固相担体粒子に対して光を照射し、それにより得られる前方散乱光及び側方散乱光、並びに標識物質量を検出する工程と
を具備する方法である。以下、各項目毎に説明する。
【0013】
[内容構造と表面構造]
本発明の方法の特徴は、内容構造及び/又は表面構造の異なる2以上の粒子を担体として用いることである。
【0014】
ここで使用される「内容構造の異なる」は、異なる内容構造を有する粒子に対して光を照射した場合、異なる側方散乱光を得ることが可能な内容及び構造の違いを言う。本方法において、該内容構造は、用いる材質の違いにより変更してもよい。例えば、担体粒子の材質として、ラテックス、ポリスチレン等の人工材料を使用する場合には、前記材料中に、金コロイド、炭素粉末若しくは顔料等を含有することが可能である。この場合、含有される物質の濃度により内容構造を変えることが可能である。内容構造のバリエーションの例を図1に示す。
【0015】
例えば、図1のIからIIIは、ラッテクス粒子に炭素粉末を濃度を変えて、均一に混合した場合の模式図を示す。図1のIが最も濃く、続いてIIが次に濃く、IIIは炭素粉末を含まない粒子である。このように、炭素粉末の濃度を変えることにより、濃いもの程、側方散乱光を強く、薄いもの程、側方散乱光を弱く得ることが可能である。
【0016】
また、図1のIV及びVは、ラテックス粒子に金コロイドを均等に混合した粒子の模式図を示す。図1のIVは、Vよりも多くの金コロイドを含有する。この2種類から得られる側方散乱光は、異なるものとなる。また、金コロイドの大きさを変えてもよい。
【0017】
ここで使用される「表面構造の異なる」は、異なる表面構造を有する粒子に対して光を照射した場合、異なる側方散乱光を得ることが可能な表面構造の違いを言う。
【0018】
本方法において、該表面構造は、その表面に種々の加工を施すことにより行うことが可能である。表面構造のバリエーションの例を図2に示す。例えば、図2のIは粒子の断面図であり、このように表面を刺状に加工することにより、加工しないものに比較して側方散乱光は強くなる。また、その突起の形状や密度に変化を加えることによりバリエーションを増やすことが可能である。また、図2のIIは、粒子を前方から見た模式図であり、半球状の突起を表面に有する粒子を示している。図2のIと同様に、その突起の形状や密度に変化を加えることが可能である。更に、図2のIIIに示すように表面に傷を付けること等により、溝を形成してもよい。溝の形状や密度により変化が得られる。
【0019】
本発明で使用できる担体粒子の材質は、内容構造又は表面構造を変更できる任意のものが使用でき、互いに異なる内容構造又は表面構造であるような任意の異なる材質の組み合わせであってもよい。例えば、血球等の粒子状細胞、ラテックス、プラスチック、ゼラチン、セルロース、及びリポソーム等であり、好ましくは、ラテックス、ポリスチレン、ゼラチン等である。
【0020】
また、本発明の担体粒子の大きさは、0.05μmから100μmの範囲から選ぶことができ、測定精度をある程度高くする上では1μmから50μmが好ましく、3μmから20μmがより好ましい。本方法では、前述の範囲内で、粒子径を変えることが可能である。粒子径を変えることにより、同時に測定が可能な検出すべき物質数を増加することが可能であり、また、検査シリーズを設定する場合にも有利である。
【0021】
[プローブ及び検出対象]
本方法で使用する固相担体粒子は、前記のような特徴を有する担体粒子に、プローブを固相することにより得る。本発明の方法で使用できるプローブは、所望する検出すべき物質に特異的に結合することが可能な物質である。例えば、抗原及び抗体、一本鎖DNA及びその相補鎖、並びにRNA及びその相補鎖等により構成される結合対のどちらか一方をプローブとすることが好ましい。
【0022】
本発明で、検出可能な物質は、前記結合対をなす何れか一方であり、例えば、抗原、抗体、DNA及びRNA等の核酸、アレルゲン、ホルモン、酵素等である。また、本方法で使用できる試料は、血液及び血漿等の体液、組織及び細胞等の生体由来物質であるが、これに限られるものでない。
【0023】
所望するプローブを、担体粒子表面に固相する方法は、それ自体公知の何れかの方法によって行うことが可能である。
【0024】
検出すべき物質を標識する方法は、例えば、標識物質を結合した抗体(所謂、2次抗体)を用いて行うことが可能である。具体的には、前記物質に選択的に結合することが可能な抗体を選択し、この抗体に標識物質をそれ自体公知の方法により結合する。得られた標識抗体を、検出物質−プローブ複合体に結合し、検出物質の検出を行う。本方法で使用可能な標識物質は、混合蛍光物質、発光物質、放射性物質、色素等、一般的に使用される如何なる標識物質も含む。
【0025】
[測定装置]
本方法を実施する装置は、フローサイトメータ及びレーザースキャニングサイトメータ、並びに免疫凝集測定装置等のように、反応後の液中に存在する反応成分を個々に画像解析又はスキャニング等して個別に光学的情報を得ることができる構成を有するものをいう。フローサイトメータは、粒子の1つ1つに対して、前方散乱光、側方散乱光及び標識物質量に関する情報を得ることが可能であり有利である。
【0026】
以下、フローサイトメータの1例を説明する。フローサイトメータは既に知られるように、細胞の分析専用機である。先ず、図3を参照しながら、フローシステムについて説明する。検出すべき物質を含有する試料を、試料採取装置1で採取し、試薬(固相担体粒子及び標識化抗体等)を試薬注入装置2により注入した後、反応槽3で複合体形成反応を行う。この添加は、試料、固相担体粒子及び標識化抗体等を全て同時に添加してもよく、試料と固相担体粒子とを反応させた後に、逐次的に標識抗体溶液を加えてもよい。その後、その反応液を分離装置4に投して、複合体形成に関与しなかった残余の標識抗体を排液槽5に排出し、B−F分離する。分離装置には、例えば、多孔質セラミック等が使用できる。多孔質セラミックの孔径を多様化することにより、目的とするB−F分離を行うことが可能である。
【0027】
B−F分離の後、希釈装置6で担体を含む複合体を緩衝液等で希釈し、フローサイトメータのフローセル7に流す。ここで、レーザ光8の照射により生じた散乱光と、標識を蛍光物質で行った場合には、蛍光を、角ディテクタ9及び10により検出し、その出力をデータ処理装置11で処理して試料中の所定の検出物質を分析する。
【0028】
フローセル周辺の略図である図4を用いて更に説明する。複合体形成反応の後、B−F分離した溶液12は、フローセル7中のニードル11を流れる。この流れに、レーザ光8が照射される。レーザ光8は、前記流れに存在する1つ1つの粒子に照射され、その結果生じる、前方散乱光と標識物質に関する情報、例えば、蛍光等を測定する。前方散乱光は、レーザ入射光8と略水平に位置するディテクタ9で検知され、主に粒子のサイズの測定に用いる。また、レーザ入射角に対して垂直方向に位置するディテクタ10により、粒子の表面で反射による側方散乱光を測定する。更に、ディテクタ10は、粒子表面の蛍光物質等の測定にも使用することが可能である。
【0029】
2.例
[例1] 11種類の担体粒子の識別
フローサイトメータを使用し、異なる粒子径、及び異なる内容構造を有する11種類の粒子について、前方散乱光と側方散乱光を測定した。得られる結果を図5に示す。
【0030】
ラテックスに、炭素粉末を用いてIからVの順で濃度勾配を付けた粒子を用いる。更に、それらは、a、b、cの順で、粒子径が大きい。図5に示すグラフの横軸は、前方散乱光(図中ではFSと示す)の強度を示し、縦軸は側方散乱光(図中ではSSと示す)の強度を示す。ここで、図中の前方散乱の強度と側方散乱の強度は、各円で示される。各円の中のパターンは炭素粉末の濃度を分かり易く示すために、擬似的に示した。また、図には示さないが、表面構造の相違によっても、同様な結果を得ることが可能である。
【0031】
[例2] 11種類の担体粒子に関する蛍光強度の測定
例1で用いた担体粒子に蛍光物質を結合し蛍光を測定した場合、図6に示すグラフが得られる。図6のグラフのx軸は、前方散乱光の強度であり、y軸は側方散乱光の強度であり、z軸は、蛍光強度を示す。また、図7には、従来の方法、即ち、内容構造及び表面構造は同じ粒子であるが、粒子径の異なる粒子を用いた場合の結果を示す。図7のグラフの横軸は前方散乱光強度であり、縦軸は蛍光強度を示す。
【0032】
粒子の測定可能領域は、通常、20μmから200μmである。従って、その範囲中で複数の粒子径を設定した場合、図7に示す通り、粒子径に従って得られる夫々のデータを、粒子径毎にクリアに分けることは困難であり、測定可能な項目数は、4から5種類が限界である。
【0033】
それに対して、本方法を使用した場合、粒子径のバリエーションが3種類であるにもかかわらず、内容構造及び/又は表面構造の多様化により、図6に示す通り、多数の項目に関してクリアにデータを得ることが可能である。このグラフから明らかであるように、本方法では、内容構造及び/又は表面構造の多様化により、11項目を同時に且つ高精度に測定することが可能である。特に、内容構造及び/又は表面構造と粒子径との両方が異なる組み合わせ(例えば、図5ではIaとVcの組み合わせ、IcとVaの組み合わせ)にすることによって、項目毎の結果をより明確に識別できる。このように項目毎に粒径を異ならせる場合には、その1つとして、粒径が実質的にゼロ(即ち、担体粒子に固相化しない遊離型)であるようなプローブを採用してもよい。
【0034】
[例3] 3種類の抗原の同時検出
粒子径をa、b、cの3種類に設定し、且つラテックスに、炭素粉末を用いてIからVの順で濃度勾配を付けることにより、内容構造をI、III、及びVと設定した3種類の粒子を担体として使用する。
【0035】
担体粒子の表面に、所望するプローブを固相する(図8)。粒子径がaであり内容構造がIの粒子(以下、粒子Iaと称す。他の粒子も同様に表す)に、抗HBs抗原抗体を、IIIb粒子には、抗HBe抗原抗体を、粒子Vcには抗IP抗原抗体を夫々固相した。このように、固相することで対感染症専用粒子試薬シリーズを構成することが可能である。
【0036】
図3に示すフローシステムにおける前記対感染症専用粒子試薬シリーズによる試料の分析を行う。試料は、HBs抗原、HBe抗原、及びIP抗原を含有するヒト血清試料を用いる。また、標識物質はFITCを用い、これを2次抗体である抗IgG抗体に結合して標識抗体として使用した。
【0037】
試料10μl及び固相担体粒子溶液50μlを、反応槽3に添加し、37℃で10分間、反応を行う。反応の後、生理食塩水により3回洗浄し、標識抗体溶液を添加することにより染色する。反応槽3から300μlの反応液を吸引し、これを多孔質セラミック筒に通し、B−F分離を行う。B−F分離により回収した免疫複合体を、一定量の緩衝液で希釈し、フローサイトメータに流す。
【0038】
フローサイトメータの微細流路系にて、波長588nmのアルゴンレーザーを照射し、各光学系で検出を行う(図9)。図9に示す通り、クリアに測定することが可能である。
【0039】
[例4] 2シリーズについての同時検査
例3に示す方法と同様に、しかし、複数の蛍光標識物質を用いることも可能である。これにより更なる効果を得ることが可能である。
【0040】
腫瘍関連検査シリーズと、肝炎ウイルス検査シリーズを同時に測定することが可能である。初めに、夫々、腫瘍関連抗原を検出するための抗体を固相した担体粒子と、肝炎ウイルスを検出するための抗体を固相した担体粒子とを調製する。このとき、各シリーズは、測定物質の数に対応する数の異なる粒子を使用する。
【0041】
また、腫瘍関連検査シリーズには、FITC標識2次抗体を用い、肝炎ウイルス検査シリーズにはPE標識2次抗体を用いる。
【0042】
腫瘍関連検査シリーズ用固相担体粒子と肝炎ウイルス検査シリーズ用固相担体粒子を、別の試験管中で試料と反応する。更に、夫々の試験管に夫々の標識2次抗体を添加して染色する。その後、前記2本の試験管を混合しフローサイトメトリーにより測定する。光学系のフィルターを切り替えることにより、夫々複数の検出項目からなる2シリーズを同時に測定することができる。
【0043】
腫瘍関連検査シリーズは、バンドパスフィルター525nm透過光により得られ、肝炎ウイルス関連検査シリーズは、バンドパスフィルター575nm透過光から得ることが可能である。
【0044】
[例5] 凝集塊への応用
本発明の方法は、免疫凝集測定装置においても使用することが可能である。免疫凝集測定装置は、例えば、シスメックス株式会社から製造販売されている(PAMIA-30、シスメックス)。この装置は、表面上に異なる目的物質に反応する物質を固相したラテックス担体粒子を被検体と反応した後、得られた粒子集団をレーザーにより生じる光散乱を計測する光学系を有した微細流路によって構成される。また、この装置は、反応後のラテックス粒子集団の大きさを個々に計測し、凝集の有無により検出されるべき物質を検出する装置である(図10)。
【0045】
粒子の内容構造を多様化した粒子を複数種類使用することにより、前記凝集測定で検出することが可能な項目数を増やすことが可能になる。また、材質の異なる粒子を組合わせることによって、例えば、患者赤血球による凝集(血液型判定、特に、オモテ検査)とラテックス粒子による凝集(不規則抗体、特にウラ検査)とを同時に行なうことも可能となる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上述した例では、必ず担体粒子にプローブを固相したものを使用しているが、プローブと検出対象との結合によって、光学的に前方散乱と側方散乱の両方が異なった値を示すようなプローブであれば担体粒子のような固体に固相させないものであってもよい。また、複数種の項目に対応する各種プローブによる反応は、別個の反応領域で行なってもよいし、同一の反応領域で逐次反応させてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、前方散乱光と側方散乱光と標識物質から得られる光信号の3つのパラメーターにより、固相担体粒子を識別するため、より多くの検出対象を同時に検出することが可能である。
【0048】
前方散乱光と側方散乱光の両方により、従来行われていた前方散乱光だけによる識別とは異なり、各データ集団の重なりが最少化でき、各々のデータをクリアに分別することが可能である。このため、それらの複数の粒子集団から得られる生データに対する補正を必要とせず、従って検査精度が向上する。
【0049】
従来では、各項目毎に行っていた検査を、1つの容器内で反応し、1回の測定で同時に判定できるために、装置の小型化が達成できる。更に、検査の高速化も可能である。従って、コストの低減が可能である。
【0050】
2次抗体として使用する標識物質として、2種類以上の標識物質を使用することによって、多項目の検査が実施でき、従って試薬の取り扱いが簡単であり、コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多様化した粒子の内容構造の例を示す図。
【図2】多様化した粒子の表面構造の例を示す図。
【図3】本発明の方法を実施するフローシステムの1例を示す図。
【図4】フローサイトメータを説明する図。
【図5】前方散乱光と側方散乱光による粒子の識別を示す図。
【図6】11種類の担体粒子を検出した結果を示す図。
【図7】前方散乱光による粒子の識別を示す図。
【図8】プローブの粒子表面への固相化を示す図。
【図9】3種類の抗原の同時検出の結果を示す図。
【図10】凝集測定装置を示す図。
【符号の説明】
8.レーザー光
9.ディテクタ
10.ディテクタ
11.ニードル

Claims (4)

  1. それぞれが複数の被検物質を含む複数のサンプルについて、同時に、全サンプルの前記複数の被検物質を検出する分析方法において、
    (1)粒子の内容構造及び/又は表面構造と粒子径との組合せによって光学的散乱特性が相互に異なる複数の担体粒子であって、これら担体粒子の夫々の表面には、前記複数の被検物質のうちの一つと特異的に結合するためのプローブが夫々に固相されている複数の担体粒子からなる一組の検査試薬を、少なくとも前記複数のサンプルに対応した複数組だけ準備する工程と;
    (2)前記複数のサンプル夫々に、前記一組の検査試薬を混合させることにより、前記複数の担体粒子のそれぞれを該粒子に対応する前記被検物質に特異的に結合させて、担体粒子/被検物質の複合体を形成する工程と;
    (3)前記複合体が形成された複数のサンプルに、各サンプル毎に異なる種類の標識物質を添加することにより、1つのサンプル中に含まれる前記複数の被検物質を、同じ種類の標識物質で標識し、被標識複合体を形成する工程と;
    (4)前記被標識複合体が形成された複数のサンプルを同一容器内に集め、異なる種類の標識物質で標識された前記複数のサンプルの混合溶液を調製する工程と;
    (5)前記混合溶液に対して光を照射して前方散乱光及び側方散乱光を得るとともに、前記前方散乱光と側方散乱光によって規定される各検査項目において、前記異なる種類の標識物質から得られる複数種類の光信号を得る工程と
    を具備する方法。
  2. 前記一組の検査試薬に含まれる複数種類の担体粒子が、互いにその内容構造及び/又は表面構造と粒子径とを異にし、かつ前記内容構造が、金コロイド、炭素粉末、顔料から選ばれる物質の濃度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記一組の検査試薬に含まれる複数種類の担体粒子が、互いにその内容構造及び/又は表面構造と粒子径とを異にし、かつ前記内容構造及び/又は表面構造を備える担体粒子の材質が、血球、ラテックス、プラスチック、ゼラチン、セルロース、及びリポソームからなる群から少なくとも2種以上選択される、互いに異なる内容構造または表面構造であるような異なる材質の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記被検物質が、抗原、抗体、核酸、アレルゲン、ホルモン、及び酵素からなる群から選択されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
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