JP4054030B2 - コイル部品及びその製造方法。 - Google Patents

コイル部品及びその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、コイル部品及びその製造方法に関する。
平面コイルをコアで挟み込んで形成されるコイル部品が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1に記載されているコイル部品は、平面コイルの軸心部分と外周部分とにコアと一体になった磁性部分が配置されている(下記特許文献の図26参照)。
特開2002−203732号公報
上述したようなコイル部品、すなわち、一平面に沿って形成されるコイルと、コイルを挟み記一平面に沿って配置される一対の磁性基板から構成されるコアとを備えるコイル部品では、コイルに流れる電流によってコアに閉磁路が形成される。コアに閉磁路が形成されると、コアに磁束が発生し磁化される。コイルに継続的に電流が流されてコアの磁化が進行し続けると、やがて磁気飽和状態となる。
そこで本発明では、磁気飽和状態となることを緩和できるコイル部品及びそのコイル部品を簡易に製造することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らはコイル部品を構成するコアに着目した。より具体的には、磁気飽和状態となることを緩和するためには、コアが磁化される速度を抑制することが有効であることに着目した。この場合、閉磁路が形成されるコアに非磁性体部分としてギャップを設けることが考えられる。例えば、上述した従来のコイル部品の場合であれば、コアを構成する一対の磁性基板を離隔して配置することでギャップを設けることが考えられる。しかしながら、一対の磁性基板を離隔して配置する場合には、その離隔寸法を正確に制御することは極めて困難であり、離隔寸法のばらつきがコイル部品のインダクタンス値のばらつきを誘起する場合もある。そこで本発明者らは、磁気飽和状態となることを緩和することができると共に、インダクタンス値のばらつきを抑制することをも可能とするという新たな課題を見出し、本発明を成し得たものである。
この課題を解決するために、本発明のコイル部品は、一平面に沿って形成されるコイルと、コイルをその軸心方向から挟み込むように配置される一対の磁性基板と、を備えると共に、コイルの軸心周りの領域に配置される第1磁性部材と、コイルの外側の領域であって、一対の磁性基板に挟み込まれる領域に配置される第2磁性部材と、を備え、一対の磁性基板の少なくとも一方には、第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分と第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分との間に切り欠き部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、コイル部品のコアを構成する磁性基板の、第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分と第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分との間に切り欠き部を設けているので、コイルに電流を流した場合に生じる閉磁路の途中にギャップを設けることができる。また、切り欠き部は磁性基板に形成されているので、その数や幅や深さを調整することが容易に可能となり、コイル部品のインダクタンス値を適切に調整することが可能となる。
また本発明のコイル部品では、第1磁性部材及び第2磁性部材の少なくとも一方は、一対の磁性基板の互いに対向する内面の少なくとも一方から延出して形成されていることも好ましい。第1磁性部材及び第2磁性部材の少なくとも一方が磁性基板と一体に形成されるので、コイル部品の特性を適切に制御することが容易になる。
また本発明のコイル部品では、切り欠き部が、一平面に沿って直線溝状に形成されていることも好ましい。切り欠き部が直線溝状となっているので、例えば、磁束に交わるように十分長く切り欠き部を形成することができる。従って、切り欠き部は、閉磁路に形成されるギャップとしてより有効に機能する。
また本発明のコイル部品では、切り欠き部が、その両端が磁性基板の外側に開放された直線溝状に形成されていることも好ましい。切り欠き部が直線溝状であると共にその両端が磁性基板外に開放されているので、切り欠き部は磁性基板の一端から他端までに渡って形成される。従って、磁束に交わるように十分長く切り欠き部を形成することができる。従って、切り欠き部は、閉磁路に形成されるギャップとしてより有効に機能する。
また本発明のコイル部品では、切り欠き部が、磁性基板の内面から当該内面に対向する外面に貫通するように設けられていることも好ましい。切り欠き部が磁性基板を貫通するように設けられているので、閉磁路に形成されるギャップとしてより有効に機能する。
また本発明のコイル部品では、切り欠き部が、磁性基板の内面に対向する外面を掘り下げて有底状に形成されていることも好ましい。切り欠き部は磁性基板の厚み方向に対して一部において形成されるので、例えばその深さを調整することが可能となり、コイル部品の性能を調整することが容易になる。
また本発明のコイル部品では、切り欠き部が、第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分から第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分にかけて複数形成されていることも好ましい。切り欠き部が磁束に交わるように複数形成されるので、コイル部品の性能を調整することが容易になる。
本発明のコイル部品の製造方法は、一平面に沿って形成されるコイルと、一対の磁性基板と、第1磁性部材及び第2磁性部材と、を準備する準備工程と、第1磁性部材をコイルの軸心周りの領域に配置し、第2磁性部材をコイルの外側の領域に配置すると共に、一対の磁性基板によってコイル並びに第1磁性部材及び第2磁性部材を挟み込んで接着し、コイル組立体を作製する組立工程と、当該組み立てられたコイル組立体における磁性基板の、第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分と第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分との間に切り欠き部を形成し、コイル部品を作製する切り欠き工程と、を備える。
本発明によれば、コイル組立体を作製した後に磁性基板に切り欠き部を形成するので、磁性基板に切り欠き部を有するコイル基板を容易に製造することができる。
また本発明のコイル部品の製造方法では、準備工程において、コイルが複数形成されたコイル集合体と、当該コイル集合体に対応した面積に形成されている一対の磁性基板母材と、当該コイル集合体におけるコイルの形成数に応じた数量の第1磁性部材及び第2磁性部材と、を準備し、組立工程において、各第1磁性部材をコイル集合体の各コイルの軸心周りに配置し、第2磁性部材をコイル集合体の各コイルの外側の領域に配置すると共に、一対の磁性基板母材によってコイル集合体並びに第1磁性部材及び第2磁性部材を挟み込んで接着し、コイル組立集合体を作製し、切り欠き工程において、当該組み立てられたコイル組立集合体における磁性基板母材の、第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分と各第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分との間にそれぞれ切り欠き部を形成してコイル部品集合体とし、当該コイル部品集合体を切り離してコイル部品を作製することも好ましい。
コイル集合体と磁性基板母材を用いてコイル部品集合体を形成した後にそれぞれを切り離してコイル部品とするので、磁性基板に切り欠き部を有するコイル基板をより容易に製造することができる。
本発明によれば、コイルに電流を流した場合に生じる閉磁路の途中にギャップを設けることができる。また、切り欠き部の数や幅や深さを調整することが容易に可能となり、コイル部品のインダクタンス値を適切に調整することが可能となる。従って、磁気飽和状態となることを緩和することができると共に、インダクタンス値のばらつきを抑制することをも可能とするコイル部品を提供することが可能となる。
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明の実施形態であるコイル部品について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるコイル部品1の斜視図である。コイル部品1は表面実装型のコイル部品である。コイル部品1は、平板状のコア構造体10と、他の基板と電気的に接続される外部端子20とを備えている。コア構造体10は、主に平板状の上部磁性基板11及び主に平板状の下部磁性基板12から構成されており、上部磁性基板11と下部磁性基板12が組み合わされることで全体として平板状の形状をなしている。上部磁性基板11には、後述する直線溝状の切り欠き部11cが、外部端子20に覆われた上部磁性基板11の一辺と垂直方向に延びるように形成されている。
コイル構造体10の分解斜視図を図2に示す。下部磁性基板12は、矩形平板状の平板部121と、その平板部121の中央部分から突出する突起部122(第1磁性部材)と、平板部121の一対の辺に沿って形成されている外脚部123(第2磁性部材)と、を有している。突起部122は、角柱形状をなしている凸部であって、平板部121から延出して形成されている。外脚部123は一対設けられており、一方の外脚部123は平板部121の一辺から、他方の外脚部123はその一辺と平行な辺から、それぞれ同じ方向に延出して形成されている。従って、外脚部123が上部磁性基板11に立脚するように上部磁性基板11を配置すると、上部磁性基板11の平板部111と下部磁性基板12の平板部121との間に空隙が形成される。
上部磁性基板11は、矩形平板状の平板部111と、その平板部111に形成された切り欠き部11cと、を有している。切り欠き部11cは、下部磁性基板12の突起部122が配置される位置に対応する部分11aと、下部磁性基板12の外脚部123が配置される位置に対応する部分11bとの間に設けられている。切り欠き部11cは、外脚部123の長手方向と平行に直線状に形成される溝状の切り欠きであって、上部磁性基板11における平板部111の内面からその内面に対向する外面に貫通するように形成されている。切り欠き部11cの両端は、上部磁性基板11の外側に開放されている。切り欠き部11cの幅は、例えば、50μmである。この切り欠き部11cは、樹脂といった非磁性体材料によって充填されていてもよい。切り欠き部11cに充填する樹脂として、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
上部磁性基板11の平板部111に下部磁性基板12の外脚部123の先端面を突き合わせてコア構造体10を構成すると、実質的に閉磁路となった外殻部が構成されると共に、外殻部の内側に突起部122が配されることになる。閉磁路には、切り欠き部11cによるギャップが形成されている。
図1の状態から外部端子20を取り除いた状態の斜視図を図3に示す。図3に示すように、コア構造体10を構成する上部磁性基板11と下部磁性基板12との間における空隙部分にコイル基板30が納められている。コイル基板30は保護樹脂層33によって覆われている。保護樹脂層33の周囲には接着樹脂層40が設けられている。従って、コイル基板30とコア構造体10との間には保護樹脂層33及び接着樹脂層40が介在している。保護樹脂層33はコイル基板30を保護するために設けられている樹脂層である。接着樹脂層40は、保護樹脂層33で覆われたコイル基板30をコア構造体10に対して固定するための樹脂層である。
コア構造体10の空隙が臨む端面からは、コイル基板30の一端面が露出している。この一端面においては、絶縁板31、導出端電極32、及び保護樹脂層33が露出している。絶縁板31はコイル基板30を構成する基幹部分となる基板である。導出端電極32は後述するコイルに電気的に接続されており、図1に示した外部端子20とも電気的に接続される部分である。
コイル基板30について図4を参照しながら説明する。図4はコイル基板30の平面図である。コイル基板30の中央部分には穴35が形成されている。導体材料によって形成されたコイル34が、穴35を囲むように配置されている。コイル34は、穴35に望む部分から外側に向かって、穴35を囲むように渦巻き状に形成されている。コイル34はコイル基板30の両面に形成されていて、それぞれ導出端電極32に電気的に接続されている。
コイル基板30の一方の面に形成されているコイル34が接続されている導出端電極32と、他方の面に形成されているコイル34が接続されている導出端電極32とは、それぞれコイル基板30の対向する辺に設けられている。また、コイル基板30の両面に設けられているコイル34は、穴35の周縁部に形成された表裏コンタクト部36によって互いに電気的に接続されている。従って、コイル基板30の一方の辺に設けられている導出端電極32と、他方の辺に設けられている導出端電極32との間に電圧を印加すると、コイル基板30の一方の面に形成されているコイル34から、他方の面に形成されているコイル34へと流れる電流が生じる。
コイル基板30の穴35には下部磁性基板12の突起部122が挿入される。この様子を説明するために、図3における下部磁性基板12の突起部122近傍での断面図を図5に示す。図5に示すように、下部磁性基板12の突起部122は、コイル基板30の穴35に挿入されている。下部磁性基板12の突起部122は、コイル基板30に形成されているコイル34の軸心周りの領域に配置されている。下部磁性基板12の外脚部123と突起部122とは同じ長さとなるように形成されている。下部磁性基板12の外脚部123は、コイル34の外側の領域であって、上部磁性基板11及び下部磁性基板12に挟み込まれる領域に配置されている。
本実施形態の場合、上部磁性基板11と、下部磁性基板12の突起部122、外脚部123及び平板部121と、によって形成されている面に沿って接着樹脂層40が形成され、コイル基板30及び保護樹脂層33を挟み込むように固定している。
コイル34及び表裏コンタクト部36の表面には酸化膜34aが形成されている。酸化膜34aはコイル34及び表裏コンタクト部36の表面に一様に形成されている。従って、コイル基板30の周囲に配置される保護樹脂層33は、コイル34の各巻き線の間に一様に入り込む。この結果、コイル34と保護樹脂層33との間に微小空洞が形成されにくくなり、コイル34と保護樹脂層33との密着性がより向上する。
切り欠き部11cは、磁性基板に形成されているので、その数や幅や深さを調整することが容易に可能である。引き続いて、切り欠き部の数又は深さを調整した変形例について図6を用いて説明する。図6の(A)は、上述したコイル部品1の概略断面図である。切り欠き部11cは、突起部122と外脚部123との間に配置されているコイル基板30及び保護樹脂層33の直上部分に1つ設けられている。切り欠き部11cは、上部磁性基板11を貫通するように設けられている。
図6の(B)は、第1の変形例であるコイル部品2の概略断面図である。コイル部品2においては、上部磁性基板61に切り欠き部61c及び切り欠き部61dが形成されている。切り欠き部61cは、図6の(A)の切り欠き部11cと同様の位置に設けられている。切り欠き部61dは、突起部122を挟んで切り欠き部61cと反対側に配置されている。切り欠き部61c,61dは、切り欠き部11cと同形状である。
図6の(C)は、第2の変形例であるコイル部品3の概略断面図である。コイル部品3には、上部磁性基板62の内面に対向する外面を掘り下げて有底状に形成された直線溝状の切り欠き部62cが形成されている。切り欠き部62cの掘り下げ深さは、上部磁性基板62の略半分である。切り欠き部62cは、図6の(A)の切り欠き部11cと同様の位置に設けられている。従って、コイル部品3とコイル部品1とを比較すると、切り欠き部11cと切り欠き部62cとの切り欠き深さが異なっている。
切り欠き部11c,61c,61d,62cは、上部磁性基板11に設けられるとしたが、下部磁性基板12に設けられてもよい。
本実施形態に係るコイル部品1〜3と切り欠き部を有さないコイル部品(図示しない)との直流重畳特性を図7に示す。図7のグラフにおいて、横軸は各コイル部品に重畳される電流値Idcを示し、縦軸はインダクタンスLcを示す。線71は、切り欠き部を有さないコイル部品の直流重畳特性を示す。線72は、コイル部品1の直流重畳特性を示す。線73は、コイル部品2の直流重畳特性を示す。線74は、コイル部品3の直流重畳特性を示す。
図7に示すように、コイル部品1〜3は、切り欠き部を有さないコイル部品よりも直流重畳特性がよい。より具体的には、コイル部品1〜3においては、切り欠き部部11c,61c,61d,62cによって、コイルに電流を流した場合に生じる閉磁路の途中にギャップを設けることができる。よって、外殻部が磁気飽和状態となることを緩和することができ、図7に示すように、コイル部品1〜3は、より長くインダクタンス値を所定の値に保持することができる。
また、コイル部品1〜3の切り欠き部部11c,61c,61d,62cは、上部磁性基板11の一端から他端までに渡って形成された直線溝状となっているので、磁束に交わるように十分長く切り欠き部が形成されている。従って、各切り欠き部部11c,61c,61d,62cは、閉磁路に形成されるギャップとしてより有効に機能している。
またコイル部品2において、2つの切り欠き部61c、61dが磁束に交わるように形成されるので、複数段階に渡って磁気が飽和する特性が得られた。よって、1つのコイル部品によって、所定の電流値に対応して2つのインダクタンス値を示すことができる。切り欠き部の個数は2つに限定されることなく3つ以上形成してもよい。磁束に交わるようい形成する切り欠き部の個数に応じて、複数段階に渡って磁気が飽和するコイル部品を得ることができる。
またコイル部品3において、有底状の切り欠き部62cが形成されることによって、貫通した切り欠き部11cが形成されたコイル部品1と異なる特性を示すこととなる。より具体的には、コイル部品3のインダクタンス値変化はなだらかに下降している。よって、切り欠き部の深さを調整することによって、所望の性能を容易に得ることができる。
引き続いて、本実施形態に係るコイル部品1の製造方法について説明する。図8に本実施形態のコイル部品1の製造方法の手順を示す。本実施形態のコイル部品1の製造方法は、準備工程S01、組立工程S02、切り欠き工程S03、外部電極形成工程S04、の各工程を備えている。
まず、準備工程S01において、図9に示すように、コイル34(図4参照)が複数形成されたコイル集合体92と、コイル集合体92に対応した面積に形成されている一対の上部磁性基板母材91及び下部磁性基板母材93と、を準備する。下部磁性基板母材93には、コイル集合体92におけるコイル34の形成数に応じた数量の突起部122、及びコイル34の形成数に応じた長さの外脚部集合体932が形成されている。
コイル集合体92は、矩形平板状の絶縁板921と、絶縁板921に複数列に配列して形成された複数のコイル34と、から構成されている。本実施形態では、コイル34は、1列に4個ずつ4列に配列されて、合計16個形成されている。各コイル34の軸心付近には絶縁板921を貫通する円形の穴35がそれぞれ形成されている。各コイル34に対応して、コイル34の周りに導出端電極32が形成されている。コイル34の各列の間には、コイル34の列に沿った長方形状の溝922が等間隔に3本形成されている。3本の溝922は、それぞれ、絶縁板921の長手方向の一辺と平行に形成されている。3本の溝922は、後述する外脚部集合体932が挿通可能に形成されている。
ここで、コイル集合体92の製造方法について説明する。まず、絶縁板921を準備する。この絶縁板921は板厚が60μmのものであって、ガラスクロスにBTレジンが含浸されており、既に穴35及び溝922が形成されているものとする。
絶縁板921の表面及び裏面に下地層を無電解めっきにてそれぞれ同時に形成する。この絶縁板921の表面及び裏面に同時に形成した下地層それぞれの上にフォトレジスト層をそれぞれ同時に電着成膜する。この表面及び裏面に形成したフォトレジスト層において、コイル34を形成しようとするパターンに沿ってフォトリソグラフィ法で表面及び裏面の片面毎に露光を行い、その後表面及び裏面同時に現像し、除去部を形成する。
このようにパターン形成したフォトレジスト層をめっきマスクとして、除去部に相当する部分に選択的に電解めっき法により、表面及び裏面の両面同時にコイル用めっき層を形成する。このコイル導体用めっき層を形成した後、めっきマスクとしてのフォトレジスト層を表面及び裏面の両面同時に剥離除去する。
この状態から、コイル用めっき層が形成されている部分以外の下地層をエッチングして除去し、下地部60をコイル用メッキ層と絶縁板921との間に残す。
その後、選択めっきマスク無しで、電解めっき法によりコイル用めっき層を電着により更に成長形成させる。これにより、コイル34としての十分な肉厚の導体部が得られる。隣り合うコイル間の間隔が15μm以下になるまで高密度にコイル34を成長形成させることができる。
コイル用めっき層の形成完了によりコイル34を絶縁板31の両面に形成し終えた後、コイル34の表面に酸化膜34aを形成する。その後、保護樹脂層を絶縁板921の両面に印刷し、保護樹脂層でコイル34を被覆して保護することでコイル集合体92が完成する。
上部磁性基板母材91は矩形平板状で、コイル集合体92に対応する大きさである。上部磁性基板母材91の厚さは、コイル部品1に含まれる上部磁性基板11の厚さと同じである。上部磁性基板母材91は、その主面に沿ってコイル34の個数と対応した枚数の上部磁性基板11が含まれていることになる。
下部磁性基板母材93は、矩形平板状の平板部931と、その平板部931から突出する複数の突起部933及び複数の外脚部集合体932と、を有している。突起部933は、コイル部品1に含まれる突起部122に対応する部分で、突起部122と同形状である。突起部933は、平板部931において、コイル34の配列に対応するように4個ずつ4列に形成されている。
外脚部集合体932は、直方体形状で、長手方向が平板部931の一辺と平行になるように、突起部933の列に沿って形成されている。外脚部集合体932は、突起部933の列の間及び端に5個形成されている。外脚部集合体932の長さは、コイル部品1に含まれる外脚部123の長さの4倍程度である。外脚部集合体932の幅は、外脚部123の幅の2倍程度である。外脚部集合体932の高さは、突起部933の高さと同じである。
準備工程S01の後に、組立工程S02が行われる。組立工程S02では、突起部933を穴35に挿入して、突起部933をコイル集合体92の各コイル34の軸心周りに配置する。それと共に、外脚部集合体932をコイル集合体92の溝922に挿入して、外脚部集合体932を各コイル34の外側の領域に配置する。更に、一対の上部磁性基板母材91及び下部磁性基板母材92によってコイル集合体92並びに突起部933及び外脚部集合体932を挟み込んで接着し、コイル組立集合体を作製する。図10は、組立工程S02によって作製されたコイル組立集合体9を示す図である。
組立工程S02の後に、切り欠き工程S03が行われる。図11は、切り欠き工程S03について説明するための図である。切り欠き工程S03では、上記組立工程S02において組み立てられたコイル組立集合体における上部磁性基板母材91の、各突起部933が配置されている位置に対応する部分と各外脚部集合体932が配置されている位置に対応する部分との間にそれぞれ切り欠き部911を形成する。
切り欠き部911は、直線溝状で、外脚部932の長手方向と平行に4本形成される。切り欠き部911の両端は、上部磁性基板母材911の外側に開放されて形成されている。よって、4列に配列した各コイル34に対応して切り欠き部911が形成される。また、切り欠き部911は、上部磁性基板母材911の内面からその内面に対向する外面に貫通するように設けられている。この切り欠き部911は、例えば、ダイヤモンドブレードを用いて形成される。
切り欠き工程S03において、更に、切り欠き部911が形成されたコイル集合部品を切り離して、16個のコイル部品1に対応した素子に分割する。
切り欠き工程S03の後に、外部電極形成工程S04が行われる。外部電極形成工程S04では、個々分割した素子に外部電極20を形成して図1に示すコイル部品1が完成する。
本実施形態のコイル部品1の製造方法によれば、コイル集合体92と上部磁性基板母材91及び下部磁性基板母材93とを用いてコイル組立集合体を作製した後に上部磁性基板母材91に切り欠き部911を形成するので、磁性基板に切り欠き部11cを有するコイル部品1を容易に製造することができる。また、コイル部品集合体を形成した後にそれぞれを切り離してコイル部品1とするので、磁性基板に切り欠き部11cを有するコイル部品1をより容易に製造することができる。
また、切り欠き部は簡易な方法によって形成されると共に、コイル組立集合体に形成されて複数のコイル部品1を同時に形成するので、切り欠き部11cによって形成されるギャップ寸法のばらつきを抑制することができる。よって、コイル部品1のインダクタンス値のばらつきを抑制することができる。実際に、本実施形態のコイル部品の製造方法によって形成されたコイル部品1は、インダクタンス値のばらつきを±5%以内に抑えることができた。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、突起部122及び外脚部123は下部磁性基板12に形成されることとしたが、突起部122及び外脚部123が下部磁性基板12と分割されていてもよい。また、突起部122又は外脚部123が上部磁性基板11に形成されていてもよい。
本発明の実施形態であるコイル部品の外観を示す図である。 図1のコア構造体を示す図である。 図1のコイル部品から外部端子を取った様子を示す図である。 図3のコイル基板の平面図である。 図3のコイル部品の中央付近における断面図である。 図1のコイル部品の変形例を示す図である。 本発明のコイル部品の電流重畳特性を示す図である。 本発明のコイル部品の製造方法を示すフローチャートである。 本発明のコイル部品の製造方法を説明するための図である。 本発明のコイル部品の製造方法を説明するための図である。 本発明のコイル部品の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1…コイル部品、10…コア構造体、11…上部磁性基板、11c〜11e…切り欠き部、12…下部磁性基板、20…外部端子、30…コイル基板、31…絶縁板、32…導出端電極、33…保護樹脂層、34…コイル、36…表裏コンタクト部、40…接着樹脂層、91…上部磁性基板母材、92…コイル集合体、93…下部磁性基板母材、122…突起部、123…外脚部、911…切り欠き部。

Claims (5)

  1. 一平面に沿って形成されるコイルが複数配列されたコイル集合体と、当該コイル集合体に対応した面積に形成された平面状の一対の磁性基板母材と、当該コイル集合体における前記コイルの形成数に応じた数量の第1磁性部材及び第2磁性部材と、を準備する準備工程と、
    前記第1磁性部材を前記コイル集合体の各前記コイルの軸心周りの領域に配置し、前記第2磁性部材を前記コイル集合体の各前記コイルの外側の領域に配置すると共に、前記一対の磁性基板母材によって前記コイル集合体並びに前記第1磁性部材及び第2磁性部材を挟み込んで接着し、コイル組立集合体を作製する組立工程と、
    当該組み立てられたコイル組立集合体における磁性基板母材の、前記第1磁性部材が配置されている位置に対応する部分と前記第2磁性部材が配置されている位置に対応する部分との間に切り欠き部を形成してコイル部品集合体とし、当該コイル部品集合体を切り離してコイル部品を作製する切り欠き工程と、
    を備え
    前記組立工程では、第1磁性部材及び第2磁性部材の前記一対の磁性基板母材の対向方向と平行な方向の長さが同じである前記コイル組立集合体を作製し、
    前記切り欠き工程では、前記コイル組立集合体の前記磁性基板母材において前記複数のコイルのうち一方向に配列した各コイルに対応する部分を跨る直線溝状の前記切り欠き部を形成することを特徴とするコイル部品の製造方法。
  2. 前記準備工程では、前記第1磁性部材及び前記第2磁性部材の少なくとも一方が、前記一対の磁性基板母材の互いに対向する内面の少なくとも一方から延出して形成されている前記一対の磁性基板母材を準備することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品の製造方法。
  3. 前記切り欠き工程では、前記磁性基板母材の前記内面から当該内面に対向する外面に貫通するように前記切り欠き部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品の製造方法。
  4. 前記切り欠き工程では、前記磁性基板母材の前記内面に対向する外面を掘り下げて有底状に前記切り欠き部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品の製造方法。
  5. 前記準備工程では、保護樹脂層で前記コイルが覆われた前記コイル集合体を準備し、
    前記組立工程では、前記一対の磁性基板母材と前記第1磁性部材と前記第2磁性部材とによって形成される内周面に沿って接着樹脂層を形成し、前記コイル集合体及び前記保護樹脂層を挟み込むように固定し、前記コイル組立集合体を作製することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
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