JP4051223B2 - プルスタッド及び工具ホルダ - Google Patents

プルスタッド及び工具ホルダ Download PDF

Info

Publication number
JP4051223B2
JP4051223B2 JP2002138568A JP2002138568A JP4051223B2 JP 4051223 B2 JP4051223 B2 JP 4051223B2 JP 2002138568 A JP2002138568 A JP 2002138568A JP 2002138568 A JP2002138568 A JP 2002138568A JP 4051223 B2 JP4051223 B2 JP 4051223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
tool
cutting
fluid passage
stud
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002138568A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003334738A (ja
Inventor
雄策 山本
弘英 釘宮
Original Assignee
株式会社日研工作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日研工作所 filed Critical 株式会社日研工作所
Priority to JP2002138568A priority Critical patent/JP4051223B2/ja
Publication of JP2003334738A publication Critical patent/JP2003334738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4051223B2 publication Critical patent/JP4051223B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
  • Jigs For Machine Tools (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具を掴持した工具ホルダを工作機械の主軸に挿着するためのプルスタッド、及びこのプルスタッドを利用して工作機械側から主軸の中心を通して供給される切削液を切削工具及び該切削工具により切削される被加工物の切削箇所に供給できるようにした工具ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタなどの工作機械において、被加工物の所定箇所を所定の工具、例えばドリルやエンドミル等の切削工具により切削加工する場合は、これらの切削工具を掴持した工具ホルダを工作機械の主軸に装着し、工作機械側から主軸の中心を通して供給されるクーラントや切削油等の切削液を工具ホルダの供給穴及びコレットのスリ割り部、あるいは切削工具の軸方向に貫通する中心部に形成した給油穴を通して切削工具の刃先及び被加工物の切削箇所に供給し、これにより被加工物の切削加工性を向上できるようにしている。
【0003】
ところで、切削工具の刃先及び被加工物の切削箇所への切削液の供給量は、被加工物に対する切削加工形態により変更する必要がある。例えば、エンドミル加工やドリル加工または荒ボーリング加工などの場合は、切削工具の刃先から突出される切削液の流量及び圧力を比較的大きく設定し、また、仕上げボーリング加工やタッピング加工などの場合は、切削工具の刃先から突出される切削液の流量及び圧力を比較的小さく設定するようにしている。そして、これら切削液の流量調整は、工作機械側の切削液供給装置に設けられた流量調整手段を操作することにより行われるように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の方式では、工作機械側の切削液供給装置に設けられた流量調整手段を操作することにより切削液の流量を調整するものであるため、工作機械の主軸に工具ホルダを介して装着される切削工具の種類及び加工形態に応じて、その都度、流量調整手段により切削液の流量を調整し直す必要があり、その調整操作が煩雑になるとともに流量調整手段の規模も大型化してコスト高になる問題がある。
また、切削工具の種類及び加工形態に応じた切削液の流量設定は主に手動で行われるため、その流量設定が適正になされない場合、例えば、エンドミル加工やドリル加工のように切削液の流量を大きく設定しなければならない時に切削液の流量設定が不足した場合には被加工物の切削加工性に支障を来たすことがあり、また、仕上げボーリング加工のように切削液の流量を小さく設定しなければならない時に切削液の流量が過剰に設定された場合には仕上げの穴形状(真円度、面粗度)が悪化するなどの不具合があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、切削工具の種類及び加工形態に応じた切削液の流量設定を簡便に、かつ低コストに実現できるようにしたプルスタッド、及びこのプルスタッドを用いた工具ホルダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題が解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、切削工具を掴持した工具ホルダを工作機械の主軸に挿着するためのプルスタッドであって、前記工作機械の主軸を通して供給される切削液を前記工具ホルダ内へ導入する流体通路が全長に亘り形成されたスタッド本体を備え、前記流体通路には該流体通路を通過する切削液の流量を切削工具の種類及び被加工物の加工形態に応じて調整する流量調整部材が設けられおり、前記流量調整部材は、軸心に流量設定用貫通孔を有するネジ部材から構成され、前記ネジ部材は前記スタッド本体に前記流体通路と連通するように設けた雌ネジ穴に交換可能に螺着されると共に、前記ネジ部材の一端には、該ネジ部材を螺合操作するための工具が係合される係合部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項の発明は、請求項1記載のプルスタッドにおいて、前記流量設定用貫通孔の径は前記切削工具の種類及び被加工物の加工形態に適合するように設定されることを特徴とする。
【0008】
請求項の発明は、請求項記載のプルスタッドにおいて、前記流量調整部材は、前記スタッド本体の一端部に前記流体通路と同心に形成した前記流体通路より大きい径の雌ネジ穴に着脱可能に螺合されるネジ部材から構成され、前記ネジ部材の前記雌ネジ穴への螺入側先端には前記雌ネジ穴に連通する前記流体通路の開口部の開口面積を調節して流量を調整する円錐部が形成され、さらに前記ネジ部材には前記開口部から前記雌ネジ穴内に流入された切削液をスタッド本体外へ流出させる流通路が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項記載のプルスタッドにおいて、前記ネジ部材は前記雌ネジ穴への螺合位置を安定に保持する保持機構を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項の発明は、一端に工作機械の主軸に挿着されるシャンク部を有し他端に工具取着部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体内に前記シャンク部の後端から前記工具取着部へ貫通するように形成された孔部と、前記シャンク部の後端に結合されたプルスタッドとを備える工具ホルダであって、前記プルスタッドは前記工作機械の主軸を通して供給される切削液が前記工具ホルダ内へ導入されるように全長に亘り形成された流体通路を有するスタッド本体を備え、前記流体通路には該流体通路を通過する切削液の流量を切削工具の種類及び被加工物の加工形態に応じて調整する流量調整部材が設けられており、前記流量調整部材は、軸心に流量設定用貫通孔を有するネジ部材から構成され、前記ネジ部材は前記スタッド本体に前記流体通路と連通するように設けた雌ネジ穴に交換可能に螺着されると共に、前記ネジ部材の一端には、該ネジ部材を螺合操作するための工具が係合される係合部が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項記載の工具ホルダにおいて、前記流量設定用貫通孔の径は前記切削工具の種類及び被加工物の加工形態に適合するように設定されることを特徴とする。
【0010】
請求項の発明は、請求項5記載の工具ホルダにおいて、前記流量調整部材は、前記スタッド本体の一端部に前記流体通路と同心に形成した前記流体通路より大きい径の雌ネジ穴に着脱可能に螺合されるネジ部材から構成され、前記ネジ部材の前記雌ネジ穴への螺入側先端には前記雌ネジ穴に連通する前記流体通路の開口部の開口面積を調節して流量を調整する円錐部が形成され、さらに前記ネジ部材には前記開口部から前記雌ネジ穴内に流入された切削液をスタッド本体外へ流出させる流通路が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項の発明は、請求項記載の工具ホルダにおいて、前記ネジ部材は前記雌ネジ穴への螺合位置を安定に保持する保持機構を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるプルスタッド、及びこのプルスタッドを用いた工具ホルダの実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかるプルスタッドを用いた工具ホルダの一実施の形態を示す縦断側面図、図2はこの一実施の形態におけるプルスタッドの拡大断面図である。
【0013】
図1において、この実施の形態に示す工具ホルダ10はホルダ本体11を有し、このホルダ本体11は、工作機械の主軸8に設けたテーパ孔8aに係脱可能に嵌合されるテーパシャンク部12と、このテーパシャンク部12の大径側端部に形成した掴持用のフランジ13と、このフランジ13の反テーパシャンク部側の端面からテーパシャンク部12と反対の方向に該テーパシャンク部12の軸線と一致して延設され、外周面にフランジ13から先端に行くに従い径が小さくなるテーパ面14aが形成された円筒形状のチャック筒14とを備えている。
また、ホルダ本体11の軸心部にはテーパシャンク部12の後端からチャック筒14内へ貫通する孔部11aが形成されている。この孔部11aの後端寄りの内周箇所には雌ネジ部11bが形成されている。なお、チャック筒14は、請求項に記載した工具取着部を構成する。
また、チャック筒14が連接されるフランジ13の端面13aには、チャック筒14の径方向への弾性変形を容易にするためにチャック筒14の有効長を拡大するリング状溝13bが形成されている。
【0014】
図1において、15は前記チャック筒14の外周に遊嵌されるローラ保持筒であり、このローラ保持筒15は、チャック筒14のテーパ面14aとほぼ同様なテーパ角度で先端に行くに従い径が小さくなる筒体から形成されている。また、このローラ保持筒15は、チャック筒14の先端部外周に設けた止めリング16によってチャック筒14から抜け落ちないように保持されている。
【0015】
前記ローラ保持筒15には、該ローラ保持筒15の軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜させて嵌め込んだニードルローラ17が円周方向に多数配設されている。この各ニードルローラ17はローラ保持筒15の肉厚寸法より大きい径に形成され、これにより、ローラ保持筒15の内周面側へ突出する各ニードルローラ17はチャック筒14のテーパ面14aに当接され、ローラ保持筒15の外周面側へ突出する各ニードルローラ17は後述する締付筒18の内周面に当接される構成になっている。
【0016】
前記締付筒18は、チャック筒14を縮径させることにより、チャック筒14内に挿入された切削工具20のシャンク部20aを緊密に掴持するもので、チャック筒14の外周にローラ保持筒15で保持されたニードルローラ17を介して嵌合される。また、この締付筒18の内周面は、フランジ13と対向する端部から先端に行くに従い径が小さくなるテーパ付き円筒面に構成されている。さらに、締付筒18のフランジ13側の基端部内周には、シール兼用の抜け止めリング19が装着されており、このシール兼用の抜け止めリング19はチャック筒14の外周面に当接することによりシール機能を発揮し、また、ローラ保持筒15の端面に当接することで締付筒18のチャック筒14からの抜け落ちを防止する。 なお、ローラ保持筒15、ニードルローラ17及び締付筒18は、請求項に記載したチャック機構を構成する。
【0017】
前記切削工具20の軸心には、シャンク部20aの挿入側端面から刃部20bに達する切削液供給通路20cが形成され、さらに、刃部20bの内部には、切削液供給通路20cと連通して刃部20bの先端に開口する複数の切削液噴出口20dが形成されている。
【0018】
図1において、21はホルダ本体11のテーパシャンク部12を主軸8のテーパ孔8a内に嵌合状態に引き込むためのプルスタッドである。
このプルスタッド21は、図1及び図2に示すように、軸心に全長に亘り形成された流体通路21aを有する所定長さの中空の筒状を呈するスタッド本体21Aを有し、このスタッド本体21Aの一端部外周には、前記ホルダ本体11の雌ネジ部11bと螺合する雄ネジ部21bが形成されており、そして、スタッド本体21Aの長手方向の中間箇所には、スタッド本体21Aの雌ネジ部11bへの螺合操作用の鍔部21cが形成され、さらに、スタッド本体21Aの他端には、工作機械の主軸8内に配設されたプルスタッド引き込み用コレット9と係脱される係合頭部21dが形成されている。また、雄ネジ部21bと鍔部21cとの間に位置するプルスタッド21の外周箇所には、ホルダ本体11の孔部11aとの液密性を保持するOリング21fが設けられている。
【0019】
前記スタッド本体21Aの流体通路21aの出口側箇所には、工作機械の主軸8の軸心部に配置された切削液供給用アダプタ7からプルスタッド21の流体通路21aを通してホルダ本体11の孔部に11aに流入される切削液の流量を切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に応じて調整する流量調整部材22が設けられている。
【0020】
前記流量調整部材22は、軸心に流量設定用の貫通孔22aを有するネジ部材22bから構成され、このネジ部材22bは流体通路21aの出口側箇所に同心に形成した雌ネジ穴21eに着脱、かつ交換可能に螺着されている。
前記ネジ部材22bの流量設定用貫通孔22aの径は、切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に適合する値、例えば0.8mmのように設定される。また、ネジ部材22bの一端には、ネジ部材22bを螺合操作するための六角棒スパナのような工具が係合される係合部22cが形成されている。
【0021】
このように構成された本実施の形態に示す工具ホルダ10において、流量調整部材22が装着されたプルスタッド21をホルダ本体11のテーパシャンク部12の後端に結合する場合は、スタッド本体21Aの雄ネジ部21bをホルダ本体11の孔部11a内にテーパシャンク部12側から挿入して、この雄ネジ部21bをホルダ本体11の雌ネジ部11bに螺合し、鍔部21cにモンキーレンチ等の工具を係合して締め付けることにより行う。
【0022】
また、切削工具20を工具ホルダ10に掴持する場合は、切削工具20のシャンク部20aをチャック筒14の円筒穴内に挿入する。この状態で、締付筒18を時計回り方向に回転すると、締付筒18のテーパ付き円筒面と当接する各ニードルローラ17は自身の軸線に直角な方向に自転しながらチャック筒14の外周面を螺旋状に公転転動するため、ローラ保持筒15はチャック筒14の先端側からフランジ32の方向へニードルローラ34の公転に伴い回転しつつ移動し、同時に締付筒18もフランジ32の方向へ移動する。これにより、締付筒18のテーパ付き円筒面とチャック筒14の外周テーパ面間の間隔が減少するため、締付筒18は各ニードルローラ17を介してチャック筒14を外周から内周方向へ全周面から強圧し縮径させることになる。その結果、チャック筒14の円筒穴内に挿入された切削工具20のシャンク部20aは締め付けられ、掴持される。
【0023】
また、切削工具20を掴持した工具ホルダ10を工作機械の主軸8に装着する場合は、ホルダ本体11のテーパシャンク部12を主軸8のテーパ孔8a内に工具交換装置などを利用して差し込む。その後、プルスタッド引き込み用コレット9を動作させて、スタッド本体21Aの係合頭部21dを把持する。この状態で、プルスタッド引き込み用コレット9を後方へ作動させることにより、プルスタッド21を含む工具ホルダ10全体を引き込む。これにより、工具ホルダ10は工作機械の主軸8に装着される。このとき、スタッド本体21Aの係合頭部21d側の流体通路21aに切削液供給用アダプタ7が係合される。
【0024】
次に、本実施の形態における工具ホルダに掴持された切削工具20への切削液供給動作について説明する。
図1に示すように、図示しない工作機械側の切削液源から供給される切削液は切削液供給用アダプタ7を通してプルスタッド21の流体通路21aに流入し、さらに、流量調整部材22により切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に適合した流量に調整されて、ホルダ本体11の孔部に11aに流入する。この流量調整された切削液は、さらに切削工具20の切削液供給通路20c及び各切削液噴出口20dを通して切削工具20の先端から噴出される。
【0025】
このような本実施の形態によれば、プルスタッド21の流体通路21aの出口側箇所に、流量設定用の貫通孔22aを有するネジ部材22bから構成される流量調整部材22を設けてなるものであるため、この流量調整部材22により工作機械側から切削液供給用アダプタ7を通して工具ホルダ10に流入される切削液の流量を切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に応じて工具ホルダ10毎に簡単に、かつ低コストで調整することができる。これにより、従来のような工作機械側での流量調整手段による切削液の流量調整が不要になり、工作機械側の切削液源を含む切削液供給回路の規模も小型化されるほか、切削工具20の種類及び加工形態に応じた切削液の流量及び切削箇所に噴出される切削液の圧力を流量調整部材22のみで正確に設定することができる。
【0026】
したがって、例えば、エンドミル加工やドリル加工のように切削液の流量を大きく設定する場合でも、このエンドミル加工やドリル加工に適合する切削液の流量設定を工具ホルダ毎に設定することができ、被加工物の切削加工性に支障を来たすことがない。また、仕上げボーリング加工のように切削液の流量を小さく設定する場合でも、この仕上げボーリング加工に適合する切削液の流量設定を工具ホルダ毎に設定することができ、仕上げの穴形状(真円度、面粗度)を悪化させることがない。
【0027】
また、この実施の形態によれば、流量調整部材22を構成するネジ部材22bの一端に六角棒スパナのような工具が係合される係合部22cが形成されているため、この係合部22cに工具を係合してネジ部材22bを回すことにより、流量調整部材22を容易に交換することができ、この流量調整部材22を流量設定用貫通孔22aの異なる他の流量調整部材22と交換することにより、単体の工具ホルダ10を切削液流量の異なる複数の工具ホルダとして使用することができる。
【0028】
次に、図3により本発明にかかるプルスタッド21の他の実施の形態について説明する。
この図3において、図1と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図1と異なる部分を重点に述べる。
この実施の形態において、図1と異なる点は流量調整部材23にある。この流量調整部材23は、図3からも明らかなように、スタッド本体21Aの一端部に流体通路21aと同心に形成した流体通路21aより大きい径の雌ネジ穴21eに着脱可能に螺合されるネジ部材23aから構成され、このネジ部材23aの雌ネジ穴21eへの螺入側先端には、雌ネジ穴21eに連通する流体通路21aの開口部21gの開口面積を調節して流量を調整する円錐部23bが形成され、さらに、ネジ部材23aには前記開口部21gから雌ネジ穴21e内に流入された切削液をスタッド本体外21Aへ流出させる流通路23cが円錐部23bからネジ部材23aの外方側他端に向けて形成されている。
また、ネジ部材23aの他端には、ネジ部材23aを螺合操作するための六角棒スパナのような工具が係合される係合部23dが形成されている。
【0029】
このような実施の形態におけるプルスタッド21においては、ネジ部材23aの係合部23dに六角棒スパナのような工具を係合して回転操作することにより、ネジ部材23aを図3の矢印A方向に移動すれば、ネジ部材23aの円錐部23bが開口部21gの開口面積を調節する。これにより、この開口面積の調節された開口部21gを通して流量調整部材23の下流側へ流出される切削液の流量を切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に適合した流量に調整することができる。
【0030】
したがって、この他の実施の形態によれば、ネジ部材23aを図3の矢印A方向に移動するだけで、切削液の流量を切削工具20の種類及び被加工物の加工形態に適合した流量に調整することができるため、単一の流量調整部材23を各種の切削工具及び被加工物への切削液供給の流量調整に兼用することができ、より低コスト化できる。しかも、図1に示す実施の形態と同様に、従来のような工作機械側での流量調整手段による切削液の流量調整が不要になり、工作機械側の切削液源を含む切削液供給回路の規模も小型化されるほか、切削工具20の種類及び加工形態に応じた切削液の流量及び切削箇所に噴出される切削液の圧力を流量調整部材23のみで正確に設定することができる。
【0031】
次に、図4及び図5により本発明にかかるプルスタッドの変形例について説明する。
この図4及び図5に示すプルスタッド21は、スタッド本体21Aの雌ネジ穴21eに螺合されたネジ部材23aの螺合位置が切削液の流れや圧力によってみだりに変動しないようにしたものである。
このために本実施の形態では、図4及び図5に示すように、流量調整部材23を構成するネジ部材23aに、ネジ部材23aの係合部23d側である他端からネジ部材23aの軸線方向に延在するスリット23eをネジ部材23aの円周方向に複数形成し、このスリット23eで区切られた分割片23fを図5の矢印に示す外方へ僅かに拡開された弾性変形可能な状態に構成する。これにより、ネジ部材23aの雌ネジ穴21eへの螺合位置を安定に保持する保持機構を構成している。
【0032】
このような実施の形態においては、ネジ部材23aが雌ネジ穴21eに螺合された時、外方へ拡開された弾性変形可能な分割片23fの雄ネジ部が雌ネジ穴21eに密着された状態に螺合される。このため、雌ネジ穴21eに螺合されたネジ部材23aの螺合位置が切削液の流れや圧力によってみだりに変動するようなことがなくなり、ネジ部材23aの螺合位置を安定に保持できるとともに、安定した流用設定が可能になる。
【0033】
なお、上記実施の形態に示す工具ホルダ10では、流量調整部材22または23で流量設定された切削液を切削工具20の切削液供給通路20c及び各切削液噴出口20dを通して切削工具20の先端から噴出させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図1に示すチャック筒14の内壁に、チャック筒14の軸線方向に延在してチャック筒14の端面に開口する複数の溝を形成し、この溝のチャック筒14の端面側開口から切削工具20の刃部先端方向に噴出するように構成される方式のものでもよい。
【0034】
また、上記実施の形態に示す工具ホルダ10では、切削工具20のシャンク部20aをチャック筒14内に直接挿入してチャックングする場合について説明したが、本発明はこれに限らず、コレットを介して切削工具20のシャンク部20aを掴持するようにしてもよい。
また、上記実施の形態に示す工具ホルダ10では、チャック筒14の外周にニードルローラ17を介して締付筒18を嵌合したローラロック式のチャックについて説明したが、本発明はこれに限らず、チャック筒14の外周面と締付筒18の内周面に半円状の溝を螺旋状に形成し、この両螺旋溝に多数の鋼球を介在したボールネジ式等のチャックを有する工具ホルダまたはコレットチャック方式のチャック機構を有する工具ホルダにも適用できるほか、ボーリングバーや正面フライスアーバ等にも適用できる。
また、本発明における保持機構は、上記図4及び図5に示す構造のものに限定されず、例えば、雌ネジ穴21eにOリングを設け、このOリングにより、雌ネジ穴21eに螺合されたネジ部材23aの安易な回転を防止するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプルスタッド及びこれを用いた工具ホルダによれば、スタッド本体の流体通路に流量設定用の貫通孔を有する流量調整部材を設け、この流量調整部材により工作機械側からホルダ本体内に流入される切削液の流量を切削工具の種類及び被加工物の加工形態に応じて工具ホルダ毎に設定する構成にしたので、切削液の流量を簡単に、かつ低コストで調整することができる。これにより、従来のような工作機械側での流量調整手段による切削液の流量調整が不要になり、工作機械側の切削液源を含む切削液供給回路の規模を小型化できるほか、切削工具の種類及び加工形態に応じた切削液の流量及び切削箇所に噴出される切削液の圧力を流量調整部材のみで正確に設定することができる。
【0036】
また、本発明のプルスタッド及びこれを用いた工具ホルダによれば、流量調整部材を構成するネジ部材の一端に工具が係合される係合部を形成し、この係合部に工具を係合してネジ部材を回すことにより、流量調整部材を容易に交換することができ、この流量調整部材を流量設定用貫通孔の異なる他の流量調整部材と交換することにより、単体の工具ホルダを切削液流量の異なる複数の工具ホルダとして使用することができる。
【0037】
また、本発明のプルスタッド及びこれを用いた工具ホルダによれば、流量調整部材を流体通路より大きい径の雌ネジ穴に着脱可能に螺合されるネジ部材から構成し、このネジ部材の雌ネジ穴への螺入側先端には雌ネジ穴に連通する流体通路の開口部の開口面積を調節して流量を調整する円錐部を設け、さらに、ネジ部材には開口部から雌ネジ穴内に流入された切削液をスタッド本体外へ流出させる流通路を設ける構成にしたので、単一の流量調整部材を各種の切削工具及び被加工物への切削液供給の流量調整に兼用することができ、より低コスト化できる。
また、本発明のプルスタッド及びこれを用いた工具ホルダによれば、ネジ部材が雌ネジ穴への螺合位置を安定に保持する保持機構を備えることにより、雌ネジ穴に螺合されたネジ部材の螺合位置が切削液の流れや圧力によってみだりに変動するようなことがなくなり、ネジ部材の螺合位置を安定に保持できるとともに安定した流用設定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における工具ホルダの縦断側面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態におけるプルスタッドの拡大断面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態における工具ホルダの縦断側面図である。
【図4】 本発明にかかるプルスタッドの変形例を示す一部の断面図である。
【図5】 図4の矢印5方向から見たネジ部材の端面図である。
【符号の説明】
7 切削液供給用アダプタ
8 主軸
9 プルスタッド引き込み用コレット
10 工具ホルダ
11 ホルダ本体
11a 孔部
12 テーパシャンク部
13 フランジ
14 チャック筒
15 ローラ保持筒
17 ニードルローラ
18 締付筒
20 切削工具
20a シャンク部
21 プルスタッド
21A スタッド本体
21a 流体通路
21b 雄ネジ部
21d 係合頭部
21e 雌ネジ穴
21g 開口部
22,23 流量調整部材
22a 流量設定用貫通孔
22b ネジ部材
22c 係合部
23b 円錐部
23c 流通路
23d 係合部
23e スリット
23f 分割片

Claims (8)

  1. 切削工具を掴持した工具ホルダを工作機械の主軸に挿着するためのプルスタッドであって、
    前記工作機械の主軸を通して供給される切削液を前記工具ホルダ内へ導入する流体通路が全長に亘り形成されたスタッド本体を備え、前記流体通路には該流体通路を通過する切削液の流量を切削工具の種類及び被加工物の加工形態に応じて調整する流量調整部材が設けられおり、前記流量調整部材は、軸心に流量設定用貫通孔を有するネジ部材から構成され、前記ネジ部材は前記スタッド本体に前記流体通路と連通するように設けた雌ネジ穴に交換可能に螺着されると共に、前記ネジ部材の一端には、該ネジ部材を螺合操作するための工具が係合される係合部が形成されていることを特徴とするプルスタッド。
  2. 前記流量設定用貫通孔の径は前記切削工具の種類及び被加工物の加工形態に適合するように設定されることを特徴とする請求項1記載のプルスタッド。
  3. 前記流量調整部材は、前記スタッド本体の一端部に前記流体通路と同心に形成した前記流体通路より大きい径の雌ネジ穴に着脱可能に螺合されるネジ部材から構成され、前記ネジ部材の前記雌ネジ穴への螺入側先端には前記雌ネジ穴に連通する前記流体通路の開口部の開口面積を調節して流量を調整する円錐部が形成され、さらに前記ネジ部材には前記開口部から前記雌ネジ穴内に流入された切削液をスタッド本体外へ流出させる流通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載のプルスタッド。
  4. 前記ネジ部材は前記雌ネジ穴への螺合位置を安定に保持する保持機構を備えることを特徴とする請求項記載のプルスタッド。
  5. 一端に工作機械の主軸に挿着されるシャンク部を有し他端に工具取着部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体内に前記シャンク部の後端から前記工具取着部へ貫通するように形成された孔部と、前記シャンク部の後端に結合されたプルスタッドとを備える工具ホルダであって、
    前記プルスタッドは前記工作機械の主軸を通して供給される切削液が前記工具ホルダ内へ導入されるように全長に亘り形成された流体通路を有するスタッド本体を備え、前記流体通路には該流体通路を通過する切削液の流量を切削工具の種類及び被加工物の加工形態に応じて調整する流量調整部材が設けられており、前記流量調整部材は、軸心に流量設定用貫通孔を有するネジ部材から構成され、前記ネジ部材は前記スタッド本体に前記流体通路と連通するように設けた雌ネジ穴に交換可能に螺着されると共に、前記ネジ部材の一端には、該ネジ部材を螺合操作するための工具が係合される係合部が形成されていることを特徴とする工具ホルダ。
  6. 前記流量設定用貫通孔の径は前記切削工具の種類及び被加工物の加工形態に適合するように設定されることを特徴とする請求項記載の工具ホルダ。
  7. 前記流量調整部材は、前記スタッド本体の一端部に前記流体通路と同心に形成した前記流体通路より大きい径の雌ネジ穴に着脱可能に螺合されるネジ部材から構成され、前記ネジ部材の前記雌ネジ穴への螺入側先端には前記雌ネジ穴に連通する前記流体通路の開口部の開口面積を調節して流量を調整する円錐部が形成され、さらに前記ネジ部材には前記開口部から前記雌ネジ穴内に流入された切削液をスタッド本体外へ流出させる流通路が形成されていることを特徴とする請求項5記載の工具ホルダ。
  8. 前記ネジ部材は前記雌ネジ穴への螺合位置を安定に保持する保持機構を備えることを特徴とする請求項記載の工具ホルダ。
JP2002138568A 2002-05-14 2002-05-14 プルスタッド及び工具ホルダ Expired - Lifetime JP4051223B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138568A JP4051223B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 プルスタッド及び工具ホルダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138568A JP4051223B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 プルスタッド及び工具ホルダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003334738A JP2003334738A (ja) 2003-11-25
JP4051223B2 true JP4051223B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=29699977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002138568A Expired - Lifetime JP4051223B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 プルスタッド及び工具ホルダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4051223B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8043036B2 (en) * 2007-04-18 2011-10-25 Cook Harold D Tool holder dampening system
KR200448517Y1 (ko) * 2008-06-09 2010-04-21 최광배 탭핑머신의 마스터스핀들
US8573098B2 (en) * 2011-03-07 2013-11-05 Kennametal Inc. Cutting tool including a locking screw and adapter with coolant delivery
JP5269955B2 (ja) * 2011-07-04 2013-08-21 株式会社牧野フライス製作所 工作機械のクーラント供給装置およびクーラント供給方法
KR101440822B1 (ko) * 2013-03-29 2014-09-23 주식회사 다인정공 풀스터드 볼트 체결용 척 및 그의 제조 방법
DE102013103427A1 (de) * 2013-04-05 2014-10-23 Franz Haimer Maschinenbau Kg Werkzeugaufnahme
KR102197215B1 (ko) * 2019-10-10 2020-12-31 주식회사 삼천리기계 절삭공구 체결용 홀더

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003334738A (ja) 2003-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5011366B2 (ja) 工具ホルダおよび工具ホルダの組立方法
CA1170867A (en) Chuck
US8550755B2 (en) Tap driver for rigid/synchronous tapping
US20110123282A1 (en) Tool for machining a workpiece
WO2015056406A1 (ja) 切削工具用ホルダ及び切削工具
WO2015037697A1 (ja) 切削工具
JP4051223B2 (ja) プルスタッド及び工具ホルダ
JP5234682B2 (ja) 工具ホルダ
JP4982253B2 (ja) コンビネーションホルダ
US20030047891A1 (en) Collet adapter
JP3009999B2 (ja) 切削工具の工具ホルダ
JP4209523B2 (ja) 工具保持具
US11654494B2 (en) Machining tool
JP3801862B2 (ja) 流体通路を備えた工具ホルダ
JP4872534B2 (ja) 切削工具
JP2002059313A (ja) 穴加工方法および穴加工工具
JP4177079B2 (ja) コレットチャック用コレット
JP3749668B2 (ja) 流体通路を備えた工具ホルダ
JP2007168003A (ja) 工具ホルダ
JPH0717452U (ja) クーラント噴出路を備えた工具ホルダ
JP2019115967A (ja) 工具ホルダ
JP2009291858A (ja) 穴加工工具
KR101617603B1 (ko) 편심조절 터렛용 공구홀더
JP2008030138A (ja) 工具ホルダ
JP2003191148A (ja) 工具ホルダ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4051223

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term