JP4872534B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

この発明は、被切削材に予め設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成するとともに、この加工穴の開口部周縁を前記加工穴と同軸状に切削加工するための切削工具に関するものである。
従来、エンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴を仕上げ加工するとともにこのバルブ穴の開口部を所定の形状に加工するための切削工具として、被切削材に予め設けられた下穴に挿入される穴加工工具と、この下穴の開口部を同軸状に切削加工を行う切刃とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
この種の切削工具は、軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の後端側部分には工作機械の工具保持部に装着される取付部が形成され、工具本体の先端面には軸線に沿って延びる装着孔が穿設されている。この装着孔に長尺の略円柱状をなす穴加工工具として、先端に刃先部を備えたリーマが挿入されている。この装着孔には、工具本体の外周面から穿設されたクランプネジ孔が連通されており、装着孔に挿入されたリーマは、クランプネジ孔に螺着されたクランプネジによって押圧されることで固定されている。また、工具本体の先端外周部には切削インサートが装着されている。
この切削工具は、工具本体後端側に形成された取付部が工作機械の工具保持部に取り付けられ、工具本体が軸線回りに回転されつつ軸線方向先端側に向かって送られることにより、工具本体の装着孔に装着されたリーマが、例えばエンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴からなる下穴を所定の内径に加工するとともに、工具本体先端外周部に装着された切削インサートの切刃によって、このバルブ穴の開口部にバルブヘッドが当接するバルブシート面を加工するようになっている。このように加工することによってバルブ穴とバルブシート面とが同軸状に形成される。
ここで、加工穴を精度良く形成するためには、切削工具の軸線とリーマの中心軸とが良く一致するように固定して、リーマの振れを防止する必要がある。つまり、この切削工具においては、リーマの振れ出しを高い精度で調整しなければならない。しかしながら、リーマを前述のようにクランプネジで押圧して固定した場合には、リーマが押圧方向に寄り易く工具本体の軸線とリーマの中心軸とがずれてしまい、リーマの振れ出しを十分に調整することができなくなる。
そこで、例えば特許文献2には、工具本体の内部にコレットチャックを設けてリーマを固定するものが提案されている。この切削工具においては、リーマはコレットチャックによって内周側に押圧されるようにして固定されるため、切削工具の軸線とリーマの中心軸とが略一致するように配置される。
特許第2748846号公報 特開平05−169305号公報
ところで、前述した従来の切削工具においては、コレットチャックによって切削工具の軸線とリーマの中心軸とを略一致させているものの、コレットチャックの精度以上にリーマの振れ出しを調整することはできない。
また、コレットチャックによってリーマの中心軸を切削工具の軸線と一致させるためには、装着孔のできるだけ先端側、つまり、リーマの刃先部に近接した部分にコレットチャックを配置することが好ましい。しかしながら、この切削工具においては、工具本体の先端外周部に切刃が備えられているため、コレットチャックは切刃よりも後端側に配置されることになり、リーマの振れ出しを高い精度で調整することができない。
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであって、切削工具の軸線とこの切削工具に装着される穴加工工具の中心軸とを精度良く一致させることができ、穴加工工具の振れを防止できる切削工具を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端に、前記軸線に沿って延びる穴加工工具が装着されるとともに、前記工具本体の先端外周部に切刃が配置され、前記穴加工工具によって被切削材に予め設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成するとともに、前記切刃によって前記加工穴の開口部を切削加工する切削工具であって、前記工具本体には、前記穴加工工具を挿入するための装着孔が、前記工具本体の先端面から前記軸線に沿って延びるように穿設されており、前記装着孔の前記軸線方向後端側には、該装着孔よりも一段大径とされるとともに前記軸線に沿って延び、該軸線方向の後端側部分に雌ねじが形成されたコレット孔が設けられ、このコレット孔に、前記軸線方向先端側に配置されたチャック部材と、このチャック部材の径方向内側及び前記軸線方向後端側に配置されるコレットから構成されて前記穴加工工具を保持するコレットチャックが設けられ、前記チャック部材は、前記コレット孔に嵌挿可能な外径を有して外形が円筒状に形成されており、該チャック部材の後端側には、前記軸線方向後端側に向かうにしたがい漸次内径が大きくなるテーパ孔部が形成され、前記コレットは、その先端部が前記テーパ孔部と密着するテーパ形状とされており、この先端部には、該コレットの中心軸を含む平面に沿った複数のスリットが形成されていて、このスリットに挟まれた部分が前記中心軸に対する径方向内側に撓むことにより、当該コレットの内径が縮径される構成とされ、該コレットの前記軸線方向後端部には、径方向外側に向けて張り出した鍔部が形成され、このコレットの前記軸線方向後端側には、前記鍔部と互いに係合される環状溝が形成されたネジ部材が配設され、このネジ部材の外周面には前記コレット孔の内周面に形成された前記雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されており、このネジ部材を回動させることで、前記コレットを前記軸線方向に進退可能に移動させることができる構成とされ、このネジ部材の前記軸線方向後端側を向く面には、該ネジ部材を回動させる作業用工具と係合可能な係合孔が形成されるとともに、前記工具本体の先端には、前記穴加工工具の振れ出しを調整する調整手段が配置されていることを特徴としている。
この構成の切削工具によれば、装着孔の軸線方向後端側にコレットチャックが設けられているので、装着孔に挿入された穴加工工具の後端部分がコレットチャックによって内周側に押し付けられるようにして保持され、切削工具の軸線と穴加工工具の中心軸とが略一致するように配置される。
そして、工具本体の先端に、前記穴加工工具の振れ出しを調整する調整手段が配置されているので、この調整手段によって切削工具の軸線と穴加工工具の中心軸とを精度良く一致するように調整できる。
また、コレットチャックによって穴加工工具は装着孔に押し付けられることなく保持されているので、調整手段によって穴加工工具を押圧した際に、穴加工工具が大きく湾曲するように変形することがなくなる。これにより、穴加工工具に大きな曲げ応力が作用することがなく、穴加工工具の寿命延長を図ることができる。
さらに、コレットチャックが装着孔の軸線方向後端側に設けられるとともに工具本体の先端に調整ネジが配置されているので、コレットチャック(支点)と調整手段(力点)との距離が大きくなり、穴加工工具を小さな押圧力で移動させることができ、穴加工工具の振れ出し調整を容易に行うことができる。
ここで、前記穴加工工具の先端から前記調整手段までの前記軸線方向距離Aと、前記調整手段から前記コレットチャックまでの前記軸線方向距離Bとの比を、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定することにより、コレットチャック(支点)から調整手段(力点)までの距離が比較的大きくなって穴加工工具を調整手段によって移動させ易くなり、振れ出し調整を簡単に行うことができるとともに、穴加工工具先端からの距離が比較的短い部分で振れ出し調整を行うことができる。
すなわち、前記A/Bが0.7よりも小さいとコレットチャックによって保持した際の穴加工工具の中心軸と工具本体の軸線とのずれが先端側で大きくなりすぎて調整手段による振れ出し調整ができなくなるおそれがある。また、穴加工工具を大きく湾曲させて調整することになるため、穴加工工具に大きな曲げ応力が作用することになる。
一方、前記A/Bが1.5よりも大きいと調整手段とコレットチャックとの距離が短くなり調整手段によって穴加工工具を移動させることが困難となる。また、調整手段と穴加工工具先端との距離が長くなり、調整手段による振れ出し調整を精度良く行うことができなくなる。このため、前記A/Bは、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定することが好ましい。
さらに、前記調整手段を、前記装着孔の内周側に突出する複数の調整ネジとし、これらの調整ネジを、前記軸線に直交する平面上において周方向に等間隔に配置してもよい。この場合には、周方向に等間隔に配置された複数の調整ネジで穴加工工具の側面を押圧して振れ出し調整を行うことができ、切削工具の軸線と穴加工工具の中心軸とを確実に一致させることができる。また、複数の調整ネジでクランプすることになり、穴加工工具の先端からの距離が比較的短い部分でも穴加工工具を固定することになり、穴加工工具を確実に固定することができる。
また、前記調整手段を、前記穴加工工具が挿通される貫通孔と前記工具本体の周面と摺動する摺接面とを有するとともに前記貫通孔の中心と前記摺動面の中心とがずれた偏心スリーブとしてもよい。この場合、偏心スリーブを軸線回りに回動させて工具本体の周面と摺動面とを摺動させることにより、貫通孔の中心が軸線Oに対して徐々にずれることになり、貫通孔に挿通されている穴加工工具の側面を押圧する。したがって、穴加工工具の振れ出し調整を精度よく、かつ、簡単に行うことができる。
本発明によれば、切削工具の軸線とこの切削工具に装着される穴加工工具の中心軸とを精度良く一致させることができ、穴加工工具の振れを防止できる切削工具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図3に第1の実施形態である切削工具を示す。
この切削工具10は、穴加工工具としての中心軸Lに沿って延びる長尺状のリーマ11と、軸線O回りに回転される工具本体20とを有している。
前記リーマ11は、超硬合金等の硬質材料によって構成され、中心軸Lに沿って延びる概略長尺円柱状をなしており、その先端側部分に刃先部12が形成されるとともに、刃先部12の後端側がシャンク部13とされている。
工具本体20は、軸線Oに沿って延びる多段円柱状をなしており、軸線O方向先端側(図1において下側)に向かうにしたがい外径が小さくなるように構成されている。工具本体20の軸線O方向後端側(図1において上側)には、この工具本体20を工作機械等の主軸端(図示なし)に取り付けるための取付部21が設けられている。
この取付部21の軸線O方向先端側には、軸線Oに沿って延びる大径孔22が形成されており、この大径孔22にはパイプホルダ23が嵌入されていて、このパイプホルダ23は工具本体20径方向外側から螺着された固定ネジ24によって軸線O方向に移動しないように固定されている。パイプホルダ23には、前記取付部21へと突出するクーラント供給パイプ25が保持されている。
また、この工具本体20の先端面には、軸線Oに沿って延びる断面円形をなす装着孔26が穿設され、この装着孔26の軸線O方向後端側には、装着孔26よりも一段大径とされるとともに軸線Oに沿って延びて前記大径孔22に連通されるコレット孔27が設けられており、このコレット孔27の軸線O方向後端部分の内周面には雌ネジが形成されている。
そして、このコレット孔27には、前記リーマ11を保持するためのコレットチャック28が嵌入されている。コレットチャック28は、軸線O方向先端側に配置されたチャック部材29と、チャック部材29の径方向内側及び軸線方向O後端側に配置されるコレット30とから構成されている。
チャック部材29は、コレット孔27に嵌挿可能な外径を有して外形が略円筒状に形成されており、チャック部材29の後端側には、軸線O方向後端側に向かうにしたがい漸次内径が大きくなるテーパ孔部29Aが形成されている。また、このテーパ孔部29Aよりも軸線O方向先端部分の内径は、前記装着孔26の内径と略同一とされている。
コレット30は、その先端部が前記テーパ孔部29Aと密着するテーパ形状とされており、この先端部には、該コレット30の中心軸を含む平面に沿った多数のスリット(図示なし)が形成されていて、このスリットに挟まれた部分が前記中心軸に対する径方向内側に撓むことにより、当該コレット30の内径が縮径される構成とされている。なお、コレット30の軸線O方向後端部には、径方向外側に向けて張り出した鍔部30Aが形成されている。
このコレット30の軸線O方向後端側には、前記鍔部30Aと互いに係合される環状溝31Aが形成されたネジ部材31が配設されている。このネジ部材31の外周面には前記コレット孔27の内周面に形成された雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されており、このネジ部材31を回動させることで、前記コレット30を軸線O方向に進退可能に移動させることができる構成とされている。なお、このネジ部材31の軸線O方向後端側部分は前記大径孔22に突出されていて、このネジ部材31の軸線O方向後端側を向く面には、ネジ部材31を回動させる作業用工具と係合可能な係合孔31Bが形成されている。
この工具本体20の軸線O方向先端側には、軸線Oと直交し、かつ、径方向に沿って延びて工具本体20の外周面から前記装着孔26へと連通する調整ネジ孔32が複数形成されている。本実施形態においては、図3に示すように、3つの調整ネジ孔32が周方向に120°間隔で配置されており、この調整ネジ孔32の工具本体20径方向外側部分には、調整ネジ孔32よりも一段大径とされた座ぐり孔33が設けられている。
この調整ネジ孔32には、リーマ11の振れ出しを調整する調整手段として、先端面が前記リーマ11のシャンク部13の側面を押圧する押圧面34Aとされた概略円柱状をなす調整ネジ34が螺着されている。
また、工具本体20のうち調整ネジ孔32よりも軸線O方向後端側の外周部には、工具本体20径方向外側及び軸線O方向先端側に向けて開口するように切欠部35が形成されていて、この切欠部35の工具回転方向T後方側には、切刃37を有する切削インサート36が着脱可能に装着される取付座38が設けられている。本実施形態においては、図2に示すように、3つの切欠部35及び取付座38が、前記調整ネジ孔32と位相をずらして周方向に120°間隔に配置されている。なお、本実施形態においては、これら3つの取付座38に装着された切削インサート36の切刃37と軸線Oとがなす角度がそれぞれ異なるように構成されている。
また、切削インサート36は、この取付座38の工具回転方向T前方側に設けられたクランプピース(図示なし)によって取付座38に固定されている。
さらに、取付座38の軸線O方向後端側には、前記取付座38に装着された切削インサート36の軸線O方向位置を調整するための押圧ネジ39が備えられている。
周方向におけるこれら取付座38同士の間には、超硬合金等の硬質材料で構成されたガイドパッド40がそれぞれ配置されている。このガイドパッド40は、クランプネジ41によって工具本体20外周面に固定されており、ガイドパッド40の軸線O方向後端側には該ガイドパッド40の軸線O方向位置を調整する調整クサビ42が設けられている。なお、本実施形態においては、3つのガイドパッド40が周方向に120°間隔で配置されており、ガイドパッド40の先端面が延びる方向と軸線Oとがなす角度は、該ガイドパッド40の工具回転方向T前方側に位置する取付座38に装着された切削インサート36の切刃37の角度と同一に設定されている。
また、工具本体20には、前記大径孔22に連通するとともに前記装着孔26と平行に延びる3つのクーラント供給孔43が穿設されており、これらのクーラント供給孔43の軸線O先端側は、軸線Oに直交するように延びる連絡路44を介して、やはり装着孔26に平行に延びるクーラント孔45に連通されている。このクーラント孔45は、前記取付座38へと開口するとともに、前記装着孔26の先端外周縁へと向かう吐出孔46に連通されている。また、これらのクーラント孔45には工具本体20の先端側から封止部材47がそれぞれ嵌入されている。
次に、この構成の工具本体20にリーマ11を装着する手順について説明する。
まず、ネジ部材31を軸線O方向後端側に移動させてコレット30の内周を拡径させた状態でリーマ11のシャンク部13を装着孔26へと挿入する。そして、ネジ部材31の係合孔31Bにレンチ等の作業用工具を係合して、ネジ部材31を回動させてねじ込んでいき、コレット30を軸線O方向先端側へと移動させる。すると、コレット30がチャック部材29のテーパ孔部29Aの内径が小さくされた側へと挿入され、コレット30の内径が縮径するように変形して、リーマ11のシャンク部13がコレット30によって保持される。
こうしてコレット30に保持されたリーマ11は、工具本体20の先端側に複数(3つ)配置された調整ネジ34によってシャンク部13の側面がそれぞれ押圧されて、切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが一致するように、リーマ11の振れ出し調整が行われる。
なお、本実施形態においては、リーマ11の先端から調整ネジ34の中心までの軸線O方向(中心軸L方向)距離Aと、調整ネジ34の中心からコレットチャック28の中心までの軸線O方向距離Bとの比A/Bは、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定されており、より具体的には、A/B=1.0とされている。
前述のように構成された切削工具10は、工作機械の主軸端に工具本体20の取付部21を介して取り付けられ、切削インサート36及びガイドパッド40の軸線O方向位置を調整するとともに、前述のようにリーマ11の振れ出し調整を行う。そして、工具本体20が軸線O回りに回転されるとともに軸線Oの先端方向に向けて送られて被切削材に予め設けられた下穴に挿入される。これにより、リーマ11の刃先部12によって下穴の内壁面を切削加工して所定の内径の加工穴を形成するとともに、切削インサート36の切刃37によって加工穴の開口部周縁を所定の形状に切削加工する。
このような切削加工を行う際には、クーラントが、工作機械からクーラント供給パイプ25を通じて工具本体20の大径孔22に供給される。大径孔22に供給されたクーラントは、クーラント供給孔43及び連絡路44を通じてクーラント孔45へと流通され、取付座38に装着された切削インサート36の切刃37に向けて排出されるとともに、吐出孔46からリーマ11の外周面に向けて吐出される。
また、本実施形態では、周方向における取付座38同士の間にガイドパッド40が設けられているので、加工穴開口部を切削インサート36の切刃37によって切削加工する際に、切刃37に振れが生じることをガイドパッド40によって防止することができる。
また、3つの取付座38に装着された切削インサート36の切刃37の角度がそれぞれ異なっているので、加工穴の開口部周縁を多段状に切削することができる。
本実施形態である切削工具10によれば、リーマ11の後端側がコレットチャック28によって径方向内側に押圧されるようにして保持されているので、切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが略一致するように配置されることになる。また、工具本体20の先端側には、装着孔26の内周側に突出してリーマ11のシャンク部13の側面を押圧する調整ネジ34が配置されているので、切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが一致するようにリーマ11の振れ出しを高い精度で調整することができる。
また、コレットチャック28によって切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが略一致するように配置されているので、調整ネジ34でリーマ11の側面を押圧した際に、リーマ11が大きく湾曲するように変形することがない。したがって、超硬合金等の硬質材料で構成されたリーマ11に大きな曲げ応力が作用することがなく、リーマ11の寿命延長を図ることができる。
さらに、コレットチャック28が装着孔26の軸線O方向後端側に設けられるとともに工具本体20の先端に調整ネジ34が配置されているので、コレットチャック28(支点)と調整ネジ34(力点)との距離が大きくなり、リーマ11を小さな押圧力で移動させることができ、リーマ11の振れ出し調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態においては、リーマ11の先端から調整ネジ34の中心までの軸線O方向(中心軸L方向)距離Aと、調整ネジ34の中心からコレットチャック28の中心までの軸線O方向距離Bとの比A/Bが、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定され、より具体的にはA/B=1.0に設定されているので、コレットチャック28から調整ネジ34までの距離が比較的大きくなってリーマ11を調整ネジ34によって移動させ易くなり、リーマ11の振れ出し調整を簡単に行うことができる。また、リーマ11の刃先部12からの距離が比較的短い部分において調整ネジ34で振れ出し調整を行うことができ、リーマ11の刃先部12における中心軸Lと前記軸線Oとの位置を精度良く一致させることができる。
また、3つの調整ネジ孔32が、周方向に120°間隔に穿設されており、これらの調整ネジ孔32にそれぞれ調整ネジ34が螺着されているので、これらの調整ネジ34によってリーマ11のシャンク部13の側面を押圧してリーマ11の振れ出しを精度良く調整することができる。さらに、これらの調整ネジ34でリーマ11をクランプすることにより、リーマ11の刃先部12からの距離が比較的短い部分においてリーマ11を保持してリーマ11を確実に固定することができ、加工穴を寸法精度良く形成することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図4及び図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2の実施形態においては、リーマ11の振れ出しを調整する調整手段として、偏心スリーブ50が設けられている。
偏心スリーブ50は、その後端側(図4において上側)が概略円筒状をなす挿入軸部51とされ、先端側(図4において下側)が前記挿入軸部51よりも大径とされた断面六角形をなす本体部52とされている。また、この偏心スリーブ50には、本体部52及び挿入軸部51を貫通し、前記リーマ11を挿通可能な貫通孔53が設けられている。そして、この貫通孔53の中心と挿入軸部51の中心とが僅かにずれるように構成されている。
工具本体20の先端には、装着孔26よりも大径で断面円形をなす挿入孔56が、軸線Oに平行に延びるように穿設されている。この挿入孔56の内周面は、軸線Oを中心とした円筒面状をなしている。また、工具本体20の外周面から挿入孔56にまで達するクランプネジ孔が穿設され、クランプネジ57が螺着されている。
偏心スリーブ50は、挿入軸部51が工具本体20の挿入孔56に挿入されてクランプネジ57によって押圧されることで固定される。なお、挿入軸部51の外周面が工具本体20の挿入孔56の内周面と摺動する摺動面51Aとされている。
ここで、リーマ11の先端から偏心スリーブ50の中心までの軸線O方向(中心軸L方向)距離Aと、偏心スリーブ50の中心からコレットチャック28の中心までの軸線O方向距離Bとの比A/Bは、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定されており、より具体的には、A/B=1.0とされている。
この第2の実施形態においては、偏心スリーブ50の貫通孔53の中心と挿入軸部51(摺動面51A)の中心とが僅かに偏心するように構成されているので、挿入孔56の内周面に沿って偏心スリーブ50を回動させることにより貫通孔53の中心が徐々にずれていくことになる。したがって、貫通孔53の内周面によってリーマ11の側面を押圧して、切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが一致するようにリーマ11の振れ出しを調整することができる。また、偏心スリーブ50を回動させるのみで徐々にリーマ11の位置を移動させることができるので、振れ出し調整を精度よく、かつ、簡単に行うことができる。
また、リーマ11の先端から偏心スリーブ50の中心までの軸線O方向(中心軸L方向)距離Aと、偏心スリーブ50の中心からコレットチャック28の中心までの軸線O方向距離Bとの比A/Bが、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定され、より具体的にはA/B=1.0に設定されているので、コレットチャック28から偏心スリーブ50までの距離が比較的大きくなってリーマ11を偏心スリーブ50によって移動させ易くなる。また、リーマ11の刃先部12からの距離が比較的短い部分において偏心スリーブ50で振れ出し調整を行うことができ、リーマ11の刃先部12における中心軸Lと前記軸線Oとの位置を精度良く一致させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について図6を参照して説明する。なお、第1、第2の実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この第3の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、リーマ11の振れ出しを調整する調整手段として偏心スリーブ60が設けられている。
偏心スリーブ60には、その後端側(図6において上側)に向けて大きく開口した取付孔61が設けられており、この取付孔61の周壁面には、内周側に向けて突出する係合凸部62が形成されるとともに、この偏心スリーブ60の外周面にまで貫通したクランプネジ孔が穿設されている。この取付孔61の底面には、前記リーマ11が挿通される貫通孔65が穿設されている。そして、この貫通孔65の中心と取付孔61の中心とが僅かにずれるように構成されている。
工具本体20の先端には、前記取付孔61に嵌入可能な取付軸部66が設けられており、この取付軸部66の外周面には、前記係合凸部62が係合される係合凹部67が形成されている。
偏心スリーブ60は、取付孔61に工具本体20の取付軸部66が挿入されて、クランプネジ孔に螺着されたクランプネジ64によって固定される。なお、取付孔61の内周面が、工具本体20の取付軸部66の外周面と摺動する摺動面61Aとされている。
この第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、偏心スリーブ60を回動させることにより、貫通孔65の内周面によってリーマ11の側面を押圧して、切削工具10の軸線Oとリーマ11の中心軸Lとが一致するようにリーマ11の振れ出しを調整することができ、振れ出し調整を精度よく、かつ、簡単に行うことができる。
以上、本発明の実施形態である切削工具について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、リーマの後端を保持するコレットチャックにおいて、コレットを軸線方向に移動させる手段としてネジ部材を利用したものとして説明したが、これに限定されることはなく、コレットとチャック部材とが軸線方向において相対的に移動させる構成とされていれば良い。
また、リーマの先端から調整手段(調整ネジ又は偏心スリーブ)までの軸線O方向(中心軸L方向)距離Aと、調整手段(調整ネジ又は偏心スリーブ)からコレットチャックまでの軸線O方向距離Bとの比A/Bを0.7≦A/B≦1.5の範囲内に、より具体的にはA/B=1.0に設定したものとして説明したが、この数値範囲に限定されることはない。但し、この範囲内に設定することにより、コレットチャックから調整手段(調整ネジ又は偏心スリーブ)までの距離が比較的大きくなって穴加工工具を調整手段によって移動させやすくなり振れ出し調整を簡単に行うことができるとともに、穴加工工具の加工部からの距離が比較的短い部分で振れ出し調整を行うことができる。
さらに、第1の実施形態において、調整手段として3つの調整ネジを120°間隔で配置したものとして説明したが、これに限定されることはなく、調整ネジの個数や配置は工具本体20の外径や装着孔の内径等を考慮して適宜設定することが好ましい。
また、3つの切削インサートを120°間隔に配置したものとして説明したが、これに限定されることはなく、加工穴の開口部周縁に形成する形状に合わせて任意に設定することができる。例えば、一つのインサートが軸線に対して傾斜した方向にスライドするような構成とされていても良い。また、切刃と軸線とがなす角度についても、加工穴の開口部周縁に形成する形状に合わせて任意に設定することができる。
さらに、ガイドパッドを設けたものとして説明したが、ガイドパッドが設けられていなくてもよい。
本発明の第1の実施形態である切削工具の断面図である。 図1に示す切削工具の先端面図である。 図1におけるX−X断面図である。 本発明の第2の実施形態である切削工具の断面図である。 図4に示す切削工具の先端面図である。 本発明の第3の実施形態である切削工具の断面図である。
符号の説明
10 切削工具
11 リーマ(穴加工工具)
20 工具本体
26 装着孔
28 コレットチャック
34 調整ネジ(調整手段)
37 切刃
50、60 偏心スリーブ(調整手段)
51A、61A 摺動面
53、65 貫通孔

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端に、前記軸線に沿って延びる穴加工工具が装着されるとともに、前記工具本体の先端外周部に切刃が配置され、前記穴加工工具によって被切削材に予め設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成するとともに、前記切刃によって前記加工穴の開口部を切削加工する切削工具であって、
    前記工具本体には、前記穴加工工具を挿入するための装着孔が、前記工具本体の先端面から前記軸線に沿って延びるように穿設されており、
    前記装着孔の前記軸線方向後端側には、該装着孔よりも一段大径とされるとともに前記軸線に沿って延び、該軸線方向の後端側部分に雌ねじが形成されたコレット孔が設けられ、このコレット孔に、前記軸線方向先端側に配置されたチャック部材と、このチャック部材の径方向内側及び前記軸線方向後端側に配置されるコレットから構成されて前記穴加工工具を保持するコレットチャックが設けられ、
    前記チャック部材は、前記コレット孔に嵌挿可能な外径を有して外形が円筒状に形成されており、該チャック部材の後端側には、前記軸線方向後端側に向かうにしたがい漸次内径が大きくなるテーパ孔部が形成され、
    前記コレットは、その先端部が前記テーパ孔部と密着するテーパ形状とされており、この先端部には、該コレットの中心軸を含む平面に沿った複数のスリットが形成されていて、このスリットに挟まれた部分が前記中心軸に対する径方向内側に撓むことにより、当該コレットの内径が縮径される構成とされ、該コレットの前記軸線方向後端部には、径方向外側に向けて張り出した鍔部が形成され、
    このコレットの前記軸線方向後端側には、前記鍔部と互いに係合される環状溝が形成されたネジ部材が配設され、このネジ部材の外周面には前記コレット孔の内周面に形成された前記雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されており、このネジ部材を回動させることで、前記コレットを前記軸線方向に進退可能に移動させることができる構成とされ、このネジ部材の前記軸線方向後端側を向く面には、該ネジ部材を回動させる作業用工具と係合可能な係合孔が形成されるとともに、
    前記工具本体の先端には、前記穴加工工具の振れ出しを調整する調整手段が配置されていることを特徴とする切削工具。
  2. 前記穴加工工具の先端から前記調整手段までの前記軸線方向距離Aと、前記調整手段から前記コレットチャックまでの前記軸線方向距離Bとの比が、0.7≦A/B≦1.5の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記調整手段は、前記装着孔の内周側に突出する複数の調整ネジであり、これらの調整ネジは、前記軸線に直交する平面上において周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記調整手段は、前記穴加工工具が挿通される貫通孔と前記工具本体の周面と摺動する摺接面とを有するとともに前記貫通孔の中心と前記摺動面の中心とがずれた偏心スリーブであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
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