JP4045429B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを具備した二成分現像剤を用い、且つ、トナー濃度検知手段を用いずにトナー濃度を自律的に制御可能な現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。
この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子と着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
【0003】
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。
この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担持体上の静電潜像に接近すると、この静電潜像にて形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
しかし、このような磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度斑や画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
【0004】
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサやトナー補給部材を現像装置に搭載して、トナー濃度を一定にする制御を行っている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断した後、トナー補給部材によりトナー補給が行われる。
しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサやトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
【0005】
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置が既に提案されている。
この現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
この自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。
つまり、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つということである。
【0006】
上記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材で層厚規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
【0007】
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
【0008】
更に、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。
また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア一個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
【0009】
更に、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の安易化を図っている。
【0010】
【特許文献1】
特公平5−67233号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−119625号公報(第1−5頁、図1)
【特許文献3】
特開平9−22178号公報(第3−7頁、図1)
【特許文献4】
特開2000−352877号公報(第3−6頁、図1)
【特許文献5】
特開平9−197833号公報(第6−10頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の先行技術にあっては、いずれもトナー濃度変化に対応した現像剤の体積変化と現像剤の動きとによって、トナー濃度の制御をしているため、現像剤の体積変化や現像剤の動きを顕著にする必要がある。
このような要請下においては、通常の二成分現像方式と比較して、少ない現像剤量で且つ現像剤担持体周辺の現像剤収容部内の現像剤密度を高くする必要があるため、現像剤の循環が悪く、現像剤の動きが活発な箇所と活発でない箇所とが存在して、トナーの取り込みが均一に行われない。
また、現像剤量が少ないことから現像剤中に含まれるトナーの絶対量が少ないこと、現像剤密度が高いためトナー濃度が減少しても現像剤の体積変動は緩やかでありトナーの取り込みスピードが遅いことから、トナー消費の激しい高密度画像を連続で出力する際に現像剤担持体上へのトナーの供給が十分に行われず、所望の濃度が得られない。
【0012】
更に、予め現像剤量を少なく設定しなければならないため、1つの磁性キャリアにかかるストレスが大きくなり、磁性キャリアの寿命が短くなる。
つまり、ランニングコストが上昇し、また、応答性が遅いため、高密度画像の濃度を確保できないといった課題が生じてしまう。
【0013】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、トナー濃度センサやトナー補給機構を必要としない小型で低コストな現像装置であって、現像剤の仕込み量を予め多く設定することが可能で、トナーの取り込みを均一にすることによって高密度画像の連続出力に対応でき、ランニングコストを抑えた現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、内部に複数の磁極10が配列された磁界発生手段1を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤2を搬送担持する現像剤担持体3と、現像剤担持体3の現像剤搬送方向が下から上に向かう側に隣接して二成分現像剤2を収容する現像剤収容部4と、現像剤収容部4を介して現像剤担持体3と連通して設けられ且つトナーを供給可能に収容するトナー収容部5と、現像剤収容部4とトナー収容部5との間に設けられ且つトナー収容部5側開口が現像剤収容部4側開口より上方に位置してトナーが供給されるトナー供給路と、現像剤担持体3に隣接して現像剤収容部4の上方に設けられ、現像剤収容部4内の現像剤を一時退避させ且つ退避された現像剤を現像剤収容部4に流出させるように、現像剤収容部4との間が現像剤担持体3から離間する仕切り部12にて隔てられると共にトナー供給路の現像剤収容部4側開口付近の上方にて前記仕切り部12の一部が現像剤収容部4に連通する現像剤退避部7と、現像剤担持体3の周方向における位置関係が前記仕切り部12よりも現像剤搬送方向側で前記仕切り部12と現像剤担持体3との間隙よりも狭い間隙をもって現像剤担持体3に対向配置され且つ現像剤担持体3により担持搬送される二成分現像剤2の一部余剰現像剤としてせき止められるせき止め部11を有し、現像剤担持体3の周方向における位置関係として前記せき止め部11と前記仕切り部12との間に前記磁界発生手段1の磁極10を配置すると共に、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部4又は現像剤退避部7に前記せき止め部11でせき止められた余剰現像剤を分離する現像剤分離手段8と、前記現像剤収容部4内の前記現像剤担持体3に近接又は接触した部位で且つ前記トナー供給路よりも下方に設けられると共に、前記現像剤担持体3との対向部位にて当該現像剤担持体3と同一方向に回転し且つ現像剤収容部4内の現像剤のうちトナー供給路の現像剤収容部4側開口付近に位置する現像剤に対して前記回転方向に沿って撹拌搬送力を与える現像剤撹拌部材(図示せず)とを備え、前記現像剤分離手段8にて前記現像剤退避部7に余剰現像剤が分離退避されることに伴う現像剤収容部4内の現像剤の自重による位置低下によって、前記トナー供給路の現像剤収容部4側開口付近に引き込まれるトナー供給路からのトナーと前記現像剤退避部7から現像剤収容部4に戻される現像剤とを前記現像剤撹拌部材が混合撹拌しながら現像剤担持体3側へ搬送することを特徴とするものである。
【0015】
このような技術的手段において、現像剤担持体3は、内部に磁界発生手段1を具備し、二成分現像剤2を搬送担持するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段1が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
ここで、磁界発生手段1は、複数の磁極10を有しているものであればよく、例えば、磁極10の構成例としては、現像に寄与するための現像磁極10aや、現像剤を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極10cや、現像剤を搬送する搬送磁極10b,10d等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、トナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよい。
【0016】
また、現像剤収容部4とトナー収容部5とは連通していればどのような位置関係にあってもよい。
この場合、二成分現像剤2に対してトナーを均一に取り込ませるためには、現像剤収容部4内に現像剤撹拌部材を設けることが必要である。
一方、トナー収容部5は、トナーを供給可能に収容していることが要件であるため、内部にトナー撹拌部材を設ける態様に限らず、例えば、トナー収容部5を現像剤収容部4よりも上方に配置し、自重によりトナーを下方にある現像剤収容部4へ移動させる態様をも含むものとする。
【0017】
また、現像剤退避部7は、現像剤収容部4からの二成分現像剤2を一時的に収容し、現像剤収容部4における二成分現像剤2を一時的に不足させることにより、トナー収容部5からのトナーを現像剤収容部4に導くと共に、再び二成分現像剤2を現像剤収容部4へ戻す態様であればよい。この態様により、現像剤収容部4内の循環性が良くなり、現像剤退避部7に現像剤を退避させることでできる現像剤収容部4内のスペースに、トナーを補給することができ、現像剤収容部4内の現像剤全体の濃度を上げることができる。
更に、現像剤収容部4との間が現像剤担持体3から離間する仕切り部12にて隔てられると共にトナー供給路の現像剤収容部4側開口付近の上方にて前記仕切り部12の一部が現像剤収容部4に連通するため、現像剤収容部4と現像剤退避部7と少なくとも二箇所で連通していることにより、現像剤収容部4からの二成分現像剤2が現像剤担持体3近傍から現像剤退避部7に進入し、再び現像剤収容部4へ戻る通路である循環路6が形成されるが、循環路6の位置及び大きさ等は適宜選定して差し支えない。
【0018】
また、余剰現像剤は、現像剤担持体3により担持搬送された二成分現像剤2のうち、像担持体9側へ搬送されない二成分現像剤2のことである。
更に、現像剤分離手段8は、現像剤担持体3により搬送される二成分現像剤2を、トナー濃度(磁性キャリアに対するトナー比率)に応じて分離するものであればよい。
このとき、現像剤分離手段8は、トナー濃度に応じて二成分現像剤2の経路を異ならせる態様であるが、通常は、前記余剰現像剤のうち、低トナー濃度の二成分現像剤2を現像剤退避部7へ、高トナー濃度の二次成分現像剤2を現像剤収容部4へ分離する態様が採用されている。
【0019】
また、現像剤担持体3により搬送担持された二成分現像剤2のうち余剰現像剤をせき止め、この余剰現像剤が像担持体9側へ搬送されないようにするために、例えば、現像剤分離手段8は、現像剤担持体3に対向配置されて余剰現像剤がせき止められるせき止め部11を有することが必要である。
更に、現像剤分離手段8は、現像剤担持体3に設けられた磁界発生手段1である磁極10(例えば搬送磁極10b)を含むことが必要である。
この場合、トナー濃度が低い二成分現像剤2では、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が少ないため、外部磁界から受ける磁気吸引力は大きいが、一方、トナー濃度が高い二成分現像剤2では、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いため、磁性キャリアの表面露出が少なく、外部から受ける磁気吸引力は小さいという性質を利用しているものである。
【0020】
上述したように、せき止め部11と磁極10とを組み合せてなる現像剤分離手段8によれば、現像剤担持体3によって搬送された二成分現像剤2が低トナー濃度である場合、この低トナー濃度の二成分現像剤2は、せき止め部11のせき止め力と搬送磁極10bの磁気的拘束力によって滞留している二成分現像剤(低トナー濃度)2を押し出し、この押し出された低トナー濃度の二成分現像剤2は、現像剤退避部7へ移動する。
一方、現像剤担持体3によって搬送された二成分現像剤2が高トナー濃度である場合、この高トナー濃度の二成分現像剤2は、せき止め部11によって滞留している二成分現像剤2まで到達することなく途中で落下し、現像剤収容部4へ戻る。この作動は、上述したトナー濃度の違いによる性質を利用したものである。
【0021】
また、現像剤担持体3上における二成分現像剤2の穂立ち状態を多く形成し、二成分現像剤2をせき止め部11でせき止めるという観点から、現像剤分離手段8は、現像剤担持体3の現像剤搬送方向に対して搬送磁極10bの下流側に隣接配置されるせき止め部11を有することが必要である。
このとき、現像剤分離手段8として、現像剤担持体3における磁界発生手段1である磁極10の配設位置や磁界強度を変化させるようにすれば、現像剤収容部4又は現像剤退避部7へ分離される二成分現像剤2について、分離すべきトナー濃度の程度を可変設定することができる。
【0022】
また、現像剤担持体3により搬送される二成分現像剤2の量を規制する規制部材を別に設けることなく、二成分現像剤2の層厚を規制するという観点から、せき止め部11は、現像剤担持体3に担持される現像剤層が規制せしめられる規制部材を兼用することが好ましい。
【0023】
また、現像剤退避部7における低トナー濃度の二成分現像剤2を、容易に現像剤収容部4へ誘導させるという観点から、現像剤退避部7と現像剤収容部4とを隔てる仕切り部12は、現像剤退避部7内の二成分現像剤2を現像剤収容部4へと導くように傾斜していることが好ましい。
この仕切り部12は、現像剤担持体3側が反対側の端よりも高く設定されていることが好ましいが、この態様に限らず、仕切り部12の略中心を低く設定し、この部分に現像剤収容部4へ通じる循環路6を設ける等、適宜選定して差し支えない。
【0024】
更に、現像剤担持体3に対する二成分現像剤2の供給量を確保するという観点から、現像剤退避部7及び現像剤収容部4間の仕切り部12と現像剤担持体3との間隙は、せき止め部11と現像剤担持体3との間隙よりも大きく設定されている
なお、本件は上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を使用した画像形成装置をも対象とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像担持体であり、この静電潜像担持体21はスコロトロンなどの帯電装置22によって帯電され、レーザ書込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった静電潜像担持体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置24は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体32に前記二成分現像剤を担持させ、この現像剤担持体32にバイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像剤担持体32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。
更に、転写装置26は、例えば静電潜像担持体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって静電潜像担持体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加されることで、静電潜像担持体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。
また、静電潜像担持体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
【0026】
また、本実施の形態において、静電潜像担持体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は、記録材28に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
【0027】
本実施の形態において、現像装置24としては、例えば図3に示す態様のものが用いられる。
同図において、現像装置24は、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像剤担持体32を配設し、前記現像ハウジング31のうち、現像剤担持体32に隣接した部位には二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部33と、現像剤担持体32に隣接し、現像剤収容部33に対して現像剤担持体32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、現像剤収容部33を介して現像剤担持体32に連通し且つトナーTを収容するトナー収容部35とを形成したものである。
なお、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
【0028】
また、本実施の形態において、現像剤担持体32は、回転可能な回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。
上記磁極ロール322は、例えば、ロール本体中心Oを通る水平面右側に合わせて搬送磁極(本例ではS2)を配設し、回転スリーブ321の回転方向(反時計回り)に対し、搬送磁極(S2)から下流側へ略30°間隔で搬送磁極(本例ではN2)と、現像磁極(本例ではS1)とを配設する一方、搬送磁極(S2)から上流側へ略30°間隔でピックアップ磁極(本例ではN1)と、搬送磁極(本例ではS3)と、搬送磁極(本例ではN3)とを配置したものである。
なお、本実施の形態において、現像磁極(S1)は、静電潜像担持体21に対向し、ピックアップ磁極(N1)は、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gを捕獲するようになっているが、夫々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。
一方、回転スリーブ321は、反時計回りに回転すると共に、磁極ロール322の現像磁極(S1)が配設される現像部において、静電潜像担持体21と対向するようになっている。
【0029】
また、本実施の形態において、現像剤収容部33は二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部33内のうち現像剤担持体32に近接(又は接触)した部位に現像剤撹拌部材36が回転自在(時計回り)に配設されている。更に、現像剤収容部33の底部形状は、現像剤担持体32及び現像剤撹拌部材36に沿った湾曲形状をしており、現像剤担持体32、現像剤撹拌部材36との間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
【0030】
また、本実施の形態において、上記現像剤撹拌部材36は、例えばスパイラル状のオーガからなるが、磁性あるいは非磁性のロールでもよく、複数配設しても差し支えない。
この現像剤撹拌部材36によって撹拌された二成分現像剤Gは、現像剤担持体32のピックアップ磁極(N1)近傍で捕獲され、現像剤担持体32の回転スリーブ321の回転により担持搬送されるようになっている。
【0031】
更に、本実施の形態において、トナー収容部35には、収容されるトナーTが撹拌搬送せしめられるトナー撹拌部材351を有しており、このトナー撹拌部材351は、例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーTを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状は、トナー撹拌部材351の移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、現像剤収容部33とトナー収容部35との間の連結部には、トナー供給口37が設けられ、このトナー供給口37の下端縁部は、トナー撹拌部材351の中心位置よりも僅かに高く設定されている。
一方、前記トナー供給口37の上端縁部には、この上端縁部から現像剤撹拌部材36へ向かって突出形成される突出部38が配設され、この突出部38は、トナー収容部35からのトナーTを現像剤収容部33へ誘導する通路を形成している。
【0032】
また、本実施の形態において、現像剤収容部33と現像剤退避部34との間をが、仕切り部39にて隔てられている。
この仕切り部39は、例えば図3に示すように、現像剤担持体32と略同程度の幅で形成されたベースプレート39aを有し、このベースプレート39aは、現像剤担持体32側が上方で、その反対側が下方となるように斜め下方に向かって傾斜配置されている。
そして、ベースプレート39aのうち、現像剤担持体32側に位置する先端部39bは、現像剤担持体32内の搬送磁極(N2)の直上、あるいは搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向上流側(時計回り方向側)の位置において、現像剤担持体32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向している。
一方、先端部39bの反対側である他端部39cは、前述した突出部38近傍へ配置されている。
なお、ベースプレート39aの傾斜角度は任意に設定して差し支えない。
【0033】
また、本実施の形態において、仕切り部39の他端部39cと突出部38との間及び、仕切り部39の先端部39bと現像剤担持体32との間には、現像剤退避部34と現像剤収容部33とを連通している循環路40が形成されている。
上記循環路40は、例えば、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gが先端部39b側から現像剤退避部34に流入し、この流入した二成分現像剤Gが他端部39c側から現像剤収容部33に流出する経路になっている。
【0034】
更に、本実施の形態では、現像剤担持体32内の搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向下流側(反時計回り方向側)の位置において、搬送磁極(N2)と現像磁極(S1)との間には、現像剤担持体32と対向するようにせき止め部41が配設されている。
このせき止め部41は、現像剤担持体32と略同程度の幅を有し、一端を現像ハウジング31により支持され、先端部を数十mm〜数百μm程度の間隙で現像剤担持体32に近接させている。
なお、本実施の形態では、せき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、前記仕切り部39の先端部39bと現像剤担持体32との間隙は、せき止め部41と現像剤担持体32との間隙よりも広く設定されている。
【0035】
また、本実施の形態では、せき止め部41は、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gの層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、層厚規制機能とは別にしてもよい。この場合、例えば、せき止め部41と現像磁極(S1)との間に層厚規制部材42を設ける態様が挙げられる。
【0036】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、現像装置を中心に説明する。
図3において、現像剤収容部33における二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36により撹拌され、現像剤担持体32内のピックアップ磁極(N1)によって捕獲される。
この後、捕獲された二成分現像剤Gは、ピックアップ磁極(N1)及び搬送磁極(S2)の磁気吸引力と現像剤担持体32表面との摩擦力により、現像剤担持体32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。
この搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41の近傍に到達すると、搬送磁極(N2)により穂立ちを形成する。更に、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像剤担持体32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。
更に、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極(S1)の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、静電潜像担持体21と現像剤担持体32との間に形成される現像電界によって、静電潜像担持体21上の静電潜像を可視像化する。
【0037】
次に、せき止め部41付近における二成分現像剤Gの挙動について説明する。まず、図4において、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が少ないことから、比較的磁性キャリアの表面が多く露出している。
つまり、外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍まで確実に搬送される。
このせき止め部41まで確実に搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41のせき止め力と搬送磁極(N2)の磁気拘束力によって、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出し、この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部39上に落下し、図5に示すように、現像剤退避部34を経て、その後、再び現像剤収容部33へ戻る。
【0038】
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤Gが現像剤退避部34に導びかれた場合、図5に示すように、現像剤収容部33内にはその分だけスペースが作られることになる。その結果、トナー供給口37から現像剤収容部33に至るまでのトナー供給路43にあった二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36の搬送力と二成分現像剤Gの自重により、上記スペースに速やかに引き込まれる。
これにより、トナー供給口37は、トナー収容部35からのトナーTを受け入れ、このトナーTは、トナー供給路43を経て現像剤収容部33へと速やかに供給される。
【0039】
一方、現像剤担持体32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的磁性キャリアの表面露出が少ない。
つまり、図6に示すように外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤Gの多くは、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部39の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。
この結果、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、仕切り部39上に落下しない。
このため、図7に示すように、この二成分現像剤Gは、仕切り部39上に落下することなく、現像剤担持体32の回転方向に対して仕切り部39の先端部39bより上流側の位置で落下し、直接現像剤収容部33へ戻る。
このとき、前記トナー濃度が低い場合と異なり、現像剤収容部33内にスペースが作られることなく、トナー供給口37は、二成分現像剤Gによりふさがれている状態となっているため、トナー収容部35からトナーTを供給されない。
【0040】
このように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
そして、低トナー濃度の時には、二成分現像剤Gは、現像剤退避部34へ一時的に誘導されることによって現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの嵩変化が強調されることになり、その分、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gは、トナー収容部35内のトナーTをすばやく取り込むことができ、高密度画像の連続出力に対応することができる。
なお、仕切り部39上に落下し、現像剤退避部34へ導かれる二成分現像剤Gのトナー濃度の範囲は、実施例において詳述する。
【0041】
【実施例】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1に係る現像装置(図3参照)を用いて、磁極ロール322の搬送磁極(N2又はS2)を変化させたとき、仕切り部39上に落下する二成分現像剤Gの流量とトナーの濃度範囲の関係を測定したものである。
本実施例において、現像装置を除いた画像形成装置の条件は次の通りである(図2参照)。
・静電潜像担持体21:
φ84の有機感光体を使用し、周速を65mm/s、画像部電位を−150V、非画像部電位を−650Vに設定した。
・帯電装置22:
スコロトロンを使用し、スコロトロンワイヤを−4kV、グリット電圧を−650Vに設定した。
・露光装置23:
600dpiの密度で書き込み可能なLEDアレイを使用した。
・転写装置26:
φ12の転写ロール(金属ロール上に導電性ゴム層を形成したもの)を使用し、周速を65mm/s、バイアス電源27を1.2kVの直流に設定した。
・クリーニング装置29:
弾性ゴムブレードを使用し、突き当て圧力を1.5g/mmに設定した。
・定着装置50:
加熱ロール51としてφ25の弾性ロール(電源ヒータを装備)と、加圧ロール52としてφ25の金属ロールを使用し、周速を65mm/s、定着温度を180℃に設定した。
【0042】
また、本実施例における現像装置の条件は次の通りである(図3参照)。
・二成分現像剤G:
磁性キャリアとしては、平均35μmの半導電性粒径を使用し、トナーTとしては、磁性体15重量%含有し、粒径が平均6.5μmの粒子を使用した。
また、イニシャルの二成分現像剤仕込み量を100gとした。
・現像剤撹拌部材36:
φ70の円柱状磁性体を使用し、周速を85mm/s(時計回り方向に回転)に設定した。
・仕切り部39:
仕切り部先端39bが搬送磁極(N2)より現像剤搬送方向上流の位置で現像剤担持体32表面と3mmの間隙になるように設定した。
・せき止め部41:
搬送磁極(N2)より現像剤搬送方向下流側で現像剤担持体32表面と400μmの間隙になるように設定した。
・現像剤担持体32:
現像剤搬送量を580g/m2、静電潜像担持体21とのギャップを250μm、−500Vの直流成分に、1.3kVpp、周波数3.5kHzの交流成分を重畳させた現像バイアス、周速を340mm/sに設定した。
・回転スリーブ321:
φ18の金属スリーブを使用し、表面の十点平均表面粗さRz=7μmに設定した。
・磁極ロール322:
現像磁極(S1)を120mT、搬送磁極(S3)を60mT、ピックアップ磁極(N1)を80mT、搬送磁極(N3)を80mTに夫々設定し、搬送磁極(S2)と搬送磁極(N2)とを変化させた。
【0043】
上記の条件で、搬送磁極(N2)を40mTに固定し、搬送磁極(S2)を変化(0〜30mT)させたところ、図8に示すような測定結果が得られた。
同図によれば、搬送磁極(S2)の磁力を強くすると、高いトナー濃度の現像剤でも仕切り部39上に落下し、現像剤退避部34へ導かれることが理解される。
つまり、仕切り部39上に落下する現像剤流量がゼロになるときのトナー濃度を高濃度に設定するためには、搬送磁極(S2)の磁力を強く設定すればよいことが分かる。
【0044】
一方、搬送磁極(S2)を30mTに固定し、搬送磁極(N2)を変化(20〜40mT)させたところ、図9に示すような測定結果が得られた。
同図によれば、搬送磁極(N2)の磁力を強くすると、高いトナー濃度の現像剤でも仕切り部39上に落下することが理解される。
つまり、仕切り部39上に落下する現像剤流量がゼロになるときのトナー濃度を高濃度に設定するためには、搬送磁極(N2)の磁力を強く設定すればよいことが分かる。
以上の測定結果より、せき止め部41近傍の磁極(本実施例ではN2)に限らず、搬送磁極(N2)よりも現像剤担持体32の現像剤搬送方向上流側における磁極(本実施例ではS2)の強さを設定することにより、仕切り部39上に落下するトナー濃度の範囲を制御できることが理解される。
【0045】
◎実施例2
本実施例は、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置(現像装置A)を比較例とし、この比較例と実施の形態1に係る現像装置24(現像装置B)を具現化したものとを用いて高密度画像出力追従テストを行い、このときの画像濃度変化について測定したものである。
なお、現像装置を除いた画像形成装置は、実施例1で使用したものを共通に使用した(図2参照)。また、絵出しチャートは、100%ベタ画像とした。
【0046】
まず、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置(現像装置A)について説明する(図10参照)。
上記現像装置Aは、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング61を有し、この現像ハウジング61の開口に面して現像剤担持体62を配設し、現像ハウジング61の開口上縁には現像剤担持体62上の二成分現像剤Gの層厚が規制せしめられる規制部材63を設け、前記現像ハウジング61のうち、現像剤担持体62に隣接した部位には、二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部64と、この現像剤収容部64を介して前記現像剤担持体62に連通し且つトナーTが収容されるトナー収容部65とを形成したものである。
【0047】
また、上記現像剤担持体62は、回転可能なスリーブ621と、このスリーブ621の内部に固定的に配設された磁極ロール622とを備えている。
そして、磁極ロール622にはロール本体の周囲に所定角度間隔で4極の磁極(現像磁極(S1)、搬送磁極(S2)、搬送磁極(N1)、搬送磁極(N2))
が配設されており、トナーT及びキャリアが含まれる二成分現像剤Gが現像剤担持体62の外周に磁気的に付着するようになっている。
更に、トナー収容部65には収容トナーTが撹拌搬送せしめられる撹拌部材651を有している。
この現像装置Aにおいて、現像によりトナー消費されると現像剤収容部64内の二成分現像剤Gの占める体積が減少するため、現像剤収容部64内に空隙ができる。この空隙にトナー収容部65内のトナーTが撹拌部材651の回転により補給され、トナー濃度制御が行われている。
【0048】
次に、現像装置Aの条件を以下に示す。
・現像剤担持体62:
現像剤搬送量を580g/m2、静電潜像担持体21とのギャップを250μm、−500Vの直流成分に、1.3kVpp、周波数3.5kHzの交流成分を重畳させた現像バイアス、周速を85mm/sに設定した。
・スリーブ621:
φ18の金属スリーブを使用し、表面の十点平均表面粗さRz=7μmに設定した。
・磁極ロール622:
現像磁極(S1)を120mT、搬送磁極(S2)を80mT、搬送磁極(N1)を80mT、搬送磁極(N2)を90mTに夫々設定した。
【0049】
一方、現像装置Bについては、実施の形態1で使用した現像装置を具現化したものであるため、詳細については省略し、夫々の条件は、現像剤担持体32の周速を85mm/sに変更した以外は実施例1と同様にする(図3参照)。
なお、現像装置A及びBで使用される二成分現像剤Gは、実施例1と略同様のものを使用する。
【0050】
上記のような条件で、比較例に係る現像装置A及び実施例に係る現像装置Bを動作させることにより、図11に示すような測定結果が得られた。具体的には、100%黒ベタ画像を現像装置A及びBの夫々で10枚出力し、その画質について反射濃度計X−Rite404による濃度測定と目視により評価したものである。
同図によれば、現像装置Aの場合、出力枚数1枚目と10枚目との間において、Solid Area Density(ベタ画像濃度)が初期値の1.35から0.05ポイント程低下した。更に、出力枚数8枚目以降では、目視により白抜けが観測された(図中破線部分)。
一方、現像装置Bの場合、出力枚数10枚目まで初期値1.35を保っており、目視においても白抜け等の画質欠陥は見られなかった。
【0051】
次に、トナー濃度の初期値を5重量%に設定し、各現像装置(A及びB)のから回しを行なったときにおけるトナー濃度の復帰特性を測定し、図12に示す結果が得られた。
同図によれば、現像装置Aの場合、トナー濃度が15重量%に復帰するまで約60s要したことが理解される。
一方、現像装置Bの場合、約10s程で15重量%まで復帰した(図12(b)参照)。
以上の結果からトナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりも実施例の現像装置Bの方が、トナー取り込み性能が早いため、高密度画像の出力に対する追従性能が優れていることが理解される。
【0052】
◎実施例3
本実施例は、実施例2と同様の現像装置(A及びB)を用いて、ハーフトーン20%画像を5kPVプリントし、この時のトナー帯電量を測定したものである。
図13に示すように、現像装置A(比較例)では、初期設定値5kPVプリント後のトナー帯電量は略5μC/g以上落ち込んでいるのに対し、現像装置Bでは、トナー帯電量はほとんど落ち込まず、現像剤量の劣化の兆しは見られない。
よって、本実施例に係る現像装置Bは、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりもトナー取り込みが均一に行われ、現像剤に対するストレスも少ないことが理解される。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤担持体によって搬送された二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に分離する現像剤分離手段を備え、この現像剤分離手段にて現像剤退避部に余剰現像剤が分離退避されることに伴う現像剤収容部内の現像剤の自重による位置低下によって、現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられたトナー供給路の現像剤収容部側開口付近に引き込まれるトナー供給路からのトナーと現像剤退避部から現像剤収容部に戻される現像剤とを現像剤撹拌部材が混合撹拌しながら現像剤担持体側へ搬送するようにしているため、低トナー濃度の二成分現像剤の場合は、現像剤退避部へ一時的に搬送することにより、現像剤収容部内の二成分現像剤の嵩変化を強調し、現像剤収容部内にトナー収容部からのトナーを速やかに供給することができる。
このため、トナーの取り込みスピードが格段に上がり、高密度画像の連続出力にも対応できる。
さらに、トナー収容部からトナーを供給する場合、二成分現像剤が現像剤退避部を経由するため、現像剤収容部内の二成分現像剤の循環が非常に活発になり、トナーの取り込みが均一に行われる。
また、トナー濃度に応じた二成分現像剤の嵩変化が非常に顕著になり、現像剤収容部内の現像剤密度を高める必要もなく且つ現像剤の仕込み量も増やすことが可能であるため、現像剤に対するストレスが軽減し、低ランニングコストを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】 本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】 (a)は、実施の形態1に係る現像装置を示す説明図、(b)は、仕切り部及びその周辺部の拡大図である。
【図4】 実施の形態1において、低トナー濃度の二成分現像剤が搬送担持されたときの説明図である。
【図5】 実施の形態1において、低トナー濃度の二成分現像剤とトナーの流れを示す説明図である。
【図6】 実施の形態1において、高トナー濃度の二成分現像剤が搬送担持されたときの説明図である。
【図7】 実施の形態1において、高トナー濃度の二成分現像剤とトナーの流れを示す説明図である。
【図8】 実施例1で搬送磁極(N2)の強さを固定したときにおける現像剤流量とトナー濃度範囲との関係を示す説明図である。
【図9】 実施例1で搬送磁極(S2)の強さを固定したときにおける現像剤流量とトナー濃度範囲との関係を示す説明図である。
【図10】 従来の現像装置Aを示す説明図である。
【図11】 実施例2における画像密度変化を示す説明図である。
【図12】 (a)は、実施例2におけるトナー濃度復帰特性を示す説明図、(b)は、(a)におけるトナー濃度復帰特性の詳細図である。
【図13】 実施例3におけるトナー帯電量変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1…磁界発生手段,2…二成分現像剤,3…現像剤担持体,4…現像剤収容部,5…トナー収容部,6…循環路,7…現像剤退避部,8…現像剤分離手段,9…像担持体,10…磁極,10a…現像磁極,10b…搬送磁極,10c…ピックアップ磁極,10d…搬送磁極,11…せき止め部,12…仕切り部

Claims (5)

  1. 内部に複数の磁極が配列された磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、
    現像剤担持体の現像剤搬送方向が下から上に向かう側に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、
    現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ且つトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、
    現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられ且つトナー収容部側開口が現像剤収容部側開口より上方に位置してトナーが供給されるトナー供給路と、
    現像剤担持体に隣接して現像剤収容部の上方に設けられ、現像剤収容部内の現像剤を一時退避させ且つ退避された現像剤を現像剤収容部に流出させるように、現像剤収容部との間が現像剤担持体から離間する仕切り部にて隔てられると共にトナー供給路の現像剤収容部側開口付近の上方にて前記仕切り部の一部が現像剤収容部に連通する現像剤退避部と、
    現像剤担持体の周方向における位置関係が前記仕切り部よりも現像剤搬送方向側で前記仕切り部と現像剤担持体との間隙よりも狭い間隙をもって現像剤担持体に対向配置され且つ現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部余剰現像剤としてせき止められるせき止め部を有し、現像剤担持体の周方向における位置関係として前記せき止め部と前記仕切り部との間に前記磁界発生手段の磁極を配置すると共に、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に前記せき止め部でせき止められた余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と
    前記現像剤収容部内の前記現像剤担持体に近接又は接触した部位で且つ前記トナー供給路よりも下方に設けられると共に、前記現像剤担持体との対向部位にて当該現像剤担持体と同一方向に回転し且つ現像剤収容部内の現像剤のうちトナー供給路の現像剤収容部側開口付近に位置する現像剤に対して前記回転方向に沿って撹拌搬送力を与える現像剤撹拌部材とを備え、
    前記現像剤分離手段にて前記現像剤退避部に余剰現像剤が分離退避されることに伴う現像剤収容部内の現像剤の自重による位置低下によって、前記トナー供給路の現像剤収容部側開口付近に引き込まれるトナー供給路からのトナーと前記現像剤退避部から現像剤収容部に戻される現像剤とを前記現像剤撹拌部材が混合撹拌しながら現像剤担持体側へ搬送することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項記載の現像装置において、
    せき止め部は、現像剤担持体に担持される現像剤層が規制せしめられる規制部材を兼用することを特徴とする現像装置。
  3. 請求項記載の現像装置において、
    現像剤退避部と現像剤収容部とを隔てる仕切り部は、現像剤退避部内の二成分現像剤を現像剤収容部へと導くように傾斜していることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項記載の現像装置において、
    現像剤分離手段は、現像剤担持体における磁界発生手段である磁極の配設位置又は磁界強度を変化させることにより、現像剤収容部又は現像剤退避部へ分離される二成分現像剤について磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度の程度を可変設定することを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至いずれかに記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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