JP4292899B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、磁性キャリアとトナーとを具備した二成分現像剤を用い、且つ、トナー濃度検知手段を用いずにトナー濃度を自律的に制御可能な現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて可視像化するものが知られている。この種の現像装置に用いられる現像方式としては、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体粒子と着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
【0003】
従来、二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは、像担体上の静電潜像に接近すると、この静電潜像にて形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
しかし、このような磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度低下や濃度斑、画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
【0004】
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサを用いてトナー濃度を検知したり、現像パッチを作成してトナー現像量を検知し、その信号によってトナー補給部材を作動させることによりトナー濃度を一定にする制御を行っている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基づいてトナー濃度が低下したと判断した後、トナー補給部材によりトナー補給が行われる。
しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサや独立してON/OFF駆動できるトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
【0005】
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置が既に提案されている。この現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
この自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。
つまり、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つということである。
【0006】
上記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材で層厚規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
更に、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。
また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア一個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
更にまた、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の安易化を図っている。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−67233号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−119625号公報(第1−5頁、図1)
【特許文献3】
特開平9−22178号公報(第3−7頁、図1)
【特許文献4】
特開2000−352877号公報(第3−6頁、図1)
【特許文献5】
特開平9−197833号公報(第6−10頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の先行技術にあっては、いずれもトナー濃度変化に対応した現像剤の体積変化と現像剤の動きとによって、トナー濃度の制御をしているため、現像剤の体積変化や現像剤の動きを顕著にする必要がある。このような要請下においては、通常の二成分現像方式と比較して、少ない現像剤量で且つ現像剤担持体周辺の現像剤収容部内の現像剤密度を高くする必要があるため、現像剤の循環が悪く、現像剤の動きが活発な箇所と活発でない箇所とが存在して、トナーの取り込みが均一に行われない。更に、帯電性能や磁化特性の劣化により磁性キャリアが現像装置本体から抜け出て現像剤収容部内の磁性キャリア量が減少すると、トナー濃度安定時において現像剤収容部内の磁性キャリア量に対するトナー量比率が大きくなる。結果、十分なトナー帯電が施されず地汚れやトナー飛散が起こる。
【0009】
また、現像剤量が少ないことから現像剤中に含まれるトナーの絶対量が少ないこと、トナー濃度が減少しても現像剤の体積変動は緩やかでありトナーの取り込みスピードが遅いことから、トナー消費の激しい高密度画像を連続で出力する際に所望の濃度が維持できない。
更に、予め現像剤量を少なく設定しなければならないため、1つの磁性キャリアにかかるストレスが大きくなり、磁性キャリアの寿命が短くなる。つまり、ランニングコストが上昇し、また、応答性が遅いため、高密度画像の濃度を確保できないといった課題が生じてしまう。
【0010】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、トナー濃度センサやトナー補給機構を必要としない小型で低コストの現像装置を前提とし、トナーの補給性を安定させながら、トナーの取り込みを均一にすることによって高密度画像の連続出力に確実に対応でき、また、磁性キャリアの量が変化しても、安定したトナー濃度を保つと共にトナーの帯電不良による地汚れ、トナー飛散を有効に抑制でき、更に、現像剤の仕込み量を予め多く設定可能であることにより長寿命化を実現してランニングコストを抑えることができる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、内部に複数の磁極10が配列された磁界発生手段1を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤2搬送担持する現像剤担持体3と、現像剤担持体3の現像剤搬送方向が下から上に向かう側に隣接して二成分現像剤2を収容する現像剤収容部4と、現像剤収容部4を介して現像剤担持体3と連通して設けられ且つトナー供給可能に収容するトナー収容部5と、現像剤収容部4とトナー収容部5との間に設けられ且つトナー収容部5側開口が現像剤収容部4側開口より上方に位置してトナーが補給されるトナー補給路6と、現像剤担持体3に隣接し現像剤収容部4の上方に設けられ、現像剤収容部4内の現像剤を一時退避させ且つ退避された現像剤を現像剤収容部4に流出させるように、現像剤収容部4との間が現像剤担持体3から離間する仕切り部12にて隔てられると共に前記仕切り部12の一部が前記トナー補給路6を介して現像剤収容部4に連通し且つトナー補給路6のトナー収容部5側開口を介してトナー収容部5に連通する現像剤退避部7と、現像剤担持体3の周方向における位置関係が前記仕切り部12よりも現像剤搬送方向側で前記仕切り部12と現像剤担持体3との間隙よりも狭い間隙をもって現像剤担持体3に対向配置され且つ現像剤担持体3により担持搬送される二成分現像剤2の一部余剰現像剤としてせき止められるせき止め部11を有し、現像剤担持体3の周方向における位置関係として前記せき止め部11と前記仕切り部12との間に前記磁界発生手段1の磁極10(例えば10b)を配置すると共に、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部4又は現像剤退避部7に前記せき止め部11でせき止められた余剰現像剤を分離する現像剤分離手段9と、前記現像剤退避部7内に配設され、前記現像剤退避部7へ分離された二成分現像剤2に対し搬送力を与えて現像剤収容部4及びトナー収容部5の両方に向けて前記二成分現像剤2を強制的に流出させる補助搬送部材15とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような技術的手段において、現像剤担持体3は、内部に磁界発生手段1を具備し、二成分現像剤2を搬送担持するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段1が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
ここで、磁界発生手段1は、複数の磁極10を有しているものであればよく、例えば、磁極10の構成例としては、現像に寄与するための現像磁極10aや、現像剤2を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極10cや、現像剤2を搬送する搬送磁極10b,10d等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。また、トナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよい。
【0013】
また、現像剤収容部4は現像剤担持体3に隣接して二成分現像剤2を収容するものであればよく、現像剤収容部4には必要に応じて撹拌部材14を設けるようにしてもよい。この場合、撹拌部材14としては、パドル状、クランク状を始め、ロール状など適宜選定して差し支えなく、この撹拌部材14にて現像剤2のトナーの帯電性を向上させることが可能になる。
更に、トナー収容部5はトナー補給路6を介して現像剤収容部4に連通していればよい。このとき、現像剤収容部4は現像剤担持体3に隣接して設けられるが、トナー収容部5は現像剤担持体3との間に現像剤収容部4を介在しているため、現像剤担持体3に隣接することはなく、トナー収容部5からのトナーが現像剤担持体3上の現像剤層に直接接触することはない。
そして、トナー収容部5は、トナー補給路6を通じてトナーを供給可能であればよく、内部にトナー供給部材5aを設ける態様に限らず、例えばトナー収容部5を現像剤収容部4よりも上方に配置し、自重によりトナーを下方へ移動させる態様を含む。また、トナー収容部5は初期段階において、内部にトナーのみを収容する態様に限らず、キャリアが一部含まれる高トナー濃度の現像剤を収容するようにしてもよい。
【0014】
更にまた、現像剤退避部7としては、現像剤収容部4からの二成分現像剤2が一時的に退避せしめられる迂回路8を備え、この迂回路8に現像剤2を一時的に退避させる態様であればよい。このような態様によれば、現像剤収容部4における二成分現像剤2を一時的に不足または流動させることが可能になり、トナー収容部5からのトナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤を現像剤収容部4に導くことができる。すなわち、この態様により、現像剤収容部4内の循環性が良くなり、現像剤退避部7に現像剤を退避させることでできる現像剤収容部4内のスペースまたは二成分現像剤流動部分に、トナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤2を補給することができ、現像剤収容部4内の現像剤全体の濃度を上げることができる。ここで、非常に高いトナー濃度の二成分現像剤2とは、現像剤退避部7からトナー収容部5に流出した二成分現像剤が該トナー収容部5内のトナーと撹拌混合され、磁性キャリアに対するトナー比率が非常に高い二成分現像剤のことである。
【0015】
更に、迂回路8は、一例として、現像剤収容部4と現像剤退避部7とを少なくとも二箇所で連通していることにより、現像剤収容部4からの二成分現像剤2が現像剤担持体3近傍から現像剤退避部7に進入し、再び現像剤収容部4へ戻る通路であればよい。
特に、本発明においては、現像剤退避部7は、現像剤収容部4との間が現像剤担持体3から離間する仕切り部12にて隔てられると共に前記仕切り部12の一部がトナー補給路6を介して現像剤収容部4に連通し且つトナー補給路6のトナー収容部5側開口である連通口13を介してトナー収容部5に連通するものである。つまり、現像剤退避部7は連通口13を介してトナー収容部5に連通しているため、迂回路8における現像剤流れ方向に対して上流側は現像剤収容部4と連通し、下流側は現像剤収容部4及びトナー収容部5と連通していることが必要である。このような態様であれば、現像剤収容部4からの二成分現像剤2が現像剤担持体3近傍から現像剤退避部7に進入すると、現像剤退避部7に進入した二成分現像剤2は現像剤収容部4に限らず、トナー収容部5にも流出する。尚、迂回路8の位置及び大きさ等は適宜選定して差し支えない。
ここで、トナー収容部5は、現像剤退避部7より流出する二成分現像剤2を収容することが要件であるため、その底面が現像剤退避部7との連通口13よりも重力方向で下の位置関係にあることが好ましい。
【0016】
また、現像剤分離手段9は、現像剤担持体3により搬送される二成分現像剤2の余剰現像剤を、トナー濃度(磁性キャリアに対するトナー比率)に応じて分離するものであればよい。このとき、現像剤分離手段9は、トナー濃度に応じて二成分現像剤2の経路を異ならせる態様であるが、通常は、前記余剰現像剤のうち、低トナー濃度の二成分現像剤2を現像剤退避部7へ、高トナー濃度の二成分現像剤2を現像剤収容部4へ分離する態様が採用されている。尚、余剰現像剤は、現像剤担持体3により担持搬送された二成分現像剤2のうち、像担持体17との間の現像部位へ搬送されない二成分現像剤2を意味する。
【0017】
更にまた、現像剤分離手段9は現像剤担持体3により搬送担持された二成分現像剤2のうち余剰現像剤をせき止め、この余剰現像剤が現像部位へ搬送されないようにするには、例えば、現像剤分離手段9には、現像剤担持体3に対向配置されて余剰現像剤がせき止められるせき止め部11を具備させることが必要である。更に、現像剤分離手段9には、現像剤担持体3に設けられた磁界発生手段1である磁極10(例えば搬送磁極10b)を含むことが必要である。この場合、トナー濃度が低い二成分現像剤2では、現像剤中のトナー量が少ないため、単位体積当たりの磁性キャリア密度が高く、外部磁界から受ける磁気吸引力は大きいが、一方、トナー濃度が高い二成分現像剤2では、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いため、単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さくなって現像剤の磁化が低下し、外部から受ける磁気吸引力は小さくなるという性質を利用しているものである。
【0018】
特に、せき止め部11と磁極10(例えば搬送磁極10b)とを組み合わせてなる現像剤分離手段9にあっては、現像剤担持体3上における二成分現像剤2の穂立ち状態を多く形成し、二成分現像剤2をせき止め部11でせき止めることが可能になる。この態様において、せき止め部11によるせき止め効果を実効あるようにするには、現像剤分離手段9は、現像剤担持体3の現像剤搬送方向に対して搬送磁極10bの下流側に隣接配置されるせき止め部11を有することが必要である
上述したように、せき止め部11と磁極10とを組み合せてなる現像剤分離手段9によれば、現像剤担持体3によって搬送された二成分現像剤2が低トナー濃度である場合、現像剤担持体3内部に引き付けられる磁気吸引力が大きいために現像剤担持体3の回転による二成分現像剤2に対する搬送力が強くなり、せき止め部11のせき止め力と搬送磁極10bの磁気的拘束力によって滞留している二成分現像剤(低トナー濃度)2を押し出し、この押し出された低トナー濃度の二成分現像剤2は、現像剤退避部7へ移動する。
一方、現像剤担持体3によって搬送された二成分現像剤2が高トナー濃度である場合、現像剤担持体3内部に引き付けられる磁気吸引力が小さいために現像剤担持体3の回転による二成分現像剤2に対する搬送力が弱く、せき止め部11に滞留している二成分現像剤2を押し出せない。よって、せき止め部11によって滞留している二成分現像剤2まで到達することなく途中で落下し、現像剤収容部4へ戻る。この作動は、上述したトナー濃度の違いによる性質を利用したものである。
【0019】
また、現像剤担持体3により搬送される二成分現像剤2の量を規制する規制部材を別に設けることなく、二成分現像剤2の層厚を規制するという観点から、せき止め部11は、現像剤担持体3に担持される現像剤層が規制せしめられる規制部材を兼用することが好ましい。
更に、現像剤分離手段9により分離される現像剤のトナー濃度の程度を調整する場合には、現像剤分離手段9として、現像剤担持体3における磁界発生手段1である磁極10の配設位置や磁界強度を変化させるようにすればよく、このようにすれば、現像剤収容部4又は現像剤退避部7へ分離される二成分現像剤2について、分離すべきトナー濃度の程度を可変設定することができる。
【0020】
また、現像剤退避部7における低トナー濃度の二成分現像剤2を、容易に現像剤収容部4又はトナー収容部5へ誘導させるという観点からすれば、現像剤退避部7には現像剤収容部4との間を隔てる仕切り部12を具備させ、この仕切り部12としては、現像剤退避部7内の二成分現像剤2を現像剤収容部4又はトナー収容部5へと導くように傾斜していることが好ましい。
更に、現像剤担持体3に対する二成分現像剤2の供給量を確保するという観点から、現像剤退避部7には現像剤収容部4との間を隔てる仕切り部12を具備させ、この仕切り部12と現像剤担持体3との間隙がせき止め部11と現像剤担持体3との間隙よりも大きく設定されていることが必要である。
【0021】
また、現像剤退避部7の連通口13からトナー収容部5に二成分現像剤2が流出されるが、この二成分現像剤2はトナー収容部5を経て再び現像剤収容部4へと循環搬送され、この搬送過程においてトナー帯電がなされる。
更に、現像剤退避部7に退避された二成分現像剤2は現像剤収容部4及びトナー収容部5の双方に流出されるが、その戻り現像剤量比については任意である。
但し、トナーの補給性及びトナーの帯電立ち上がり特性の向上を両立させるという観点からすれば、現像剤退避部7から現像剤収容部4に流出する現像剤量が現像剤退避部7からトナー収容部5に流出する現像剤よりも多く配分されていることが好ましい。
【0022】
更にまた、現像剤退避部7とトナー収容部5とを連通する連通口13の好ましい態様としては、連通口13はトナー収容部5から現像剤収容部4へトナーを補給するトナー補給路6より上方に配置されていることが好ましい。この場合、連通口13を通じた現像剤のトナー収容部5への供給動作と、トナー収容部5からのトナーの補給動作とが干渉するのを防止する上で好ましい。また、連通口13とトナー補給路6とは分離形成されていてもよいが、相互に連通状態でも差し支えなく、機能的に両者が分かれていればよい。
【0023】
特に、本発明にあっては、補助搬送部材15は、現像剤退避部7に退避した現像剤2を現像剤収容部4及びトナー収容部5に向けて強制的に流出させるものであればよく、パドル状、クランク状、ロール状など適宜選定して差し支えない。
このような補助搬送部材15を設置すると、トナー収容部5から現像剤退避部7にトナーや現像剤が逆流したしても、補助搬送部材15による現像剤2の補助搬送力により、前記トナー等の逆流は直ちに解消される。
特に、例えばジャム処理等でCRU(Customer Replaceable Unit)の脱着操作後にトナー収容部5内のトナー等が偏ったとしても、前記補助搬送部材15の搬送作用により、現像剤退避部7での現像剤詰まりは直ちに解消され、トナーの補給動作は有効に維持される。
【0024】
また、補助搬送部材15の代表的態様としては、現像剤退避部7内の現像剤2に搬送作用が与えられる回転部材(パドル、クランクアーム等)であるものが挙げられる。この回転部材の周速としては適宜選定して差し支えなく、現像剤退避部7内の現像剤2が搬送可能であれば、現像剤担持体3の周速よりも遅い周速であっても差し支えない。
更にまた、補助搬送部材15の好ましい態様としては、現像剤退避部7が現像剤収容部4との間を隔てる仕切り部12を有している態様において、補助搬送部材15が仕切り部12に対し非接触配置されることがよい。本態様によれば、現像剤2へのストレスを最小限に抑えながら、補助搬送部材15による現像剤2の搬送性を維持する上で好ましい。
【0025】
また、本発明の別の態様としては、図1に示すように、上述した現像剤担持体3、現像剤収容部4、トナー収容部5、トナー補給路6、現像剤退避部7及び現像剤分離手段9を備え、更に、前記トナー補給路6のうちトナー収容部5側開口縁に設けられ、トナー収容部5から現像剤退避部7へ向かって逆流するトナー又は現像剤2が規制せしめられる逆流規制部材16(図1中仮想線で示す)を付加したものである。
この態様は、上述した補助搬送部材15を用いない態様を含むものであるが、トナー補給性をより良好に確保するという観点からすれば、上述した補助搬送部材15と逆流規制部材16とを併用する態様が好ましい。
【0026】
本態様において、逆流規制部材16はトナー収容部5からのトナー又は現像剤2が現像剤退避部7に逆流するのを規制するものであれば適宜選定して差し支えない。この逆流規制部材16により、トナー又は現像剤2の逆流を防止し、現像剤退避部7での現像剤詰まりを有効に回避することができる。
ここで、逆流規制部材16としては、トナー収容部5内に設置することも可能であるが、逆流規制をより確実に行うという観点からすれば、現像剤退避部7の連通路13に面した部位に設けることが好ましい。
また、逆流規制部材16のレイアウトについては、トナー補給路6のトナー収容部5端位置よりも現像剤担持体3側に偏位して設けられていることが好ましい。本態様によれば、トナー補給路6へのトナーの補給性能を保ちながら、現像剤退避部7への逆流を有効に規制することができる。
更に、逆流規制部材16の構成については必ずしも単一部材である必要はなく、例えばトナー補給路6へのトナー又は現像剤2の過剰供給が規制される補助規制部材を備えていてもよい。本態様の場合、補助規制部材はトナー補給路6へのトナー等の過剰供給を規制することにより、現像剤退避部7への溢れ現象を間接的に抑制することできる。
【0027】
また、本件は上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を使用し、像担持体17上の静電潜像を可視像化するようにした画像形成装置をも対象とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像担持体であり、この静電潜像担持体21はスコロトロンなどの帯電装置22によって帯電され、レーザ書込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、光の当たった静電潜像担持体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置24は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、現像剤担持体(現像ロール)32に前記二成分現像剤を担持させ、この現像ロール32に現像バイアス電源25からの現像バイアスを印加することで、現像ロール32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。更に、転写装置26は、例えば静電潜像担持体21に接触配置される転写ロールにて構成され、転写バイアス電源27によって静電潜像担持体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、静電潜像担持体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。また、静電潜像担持体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
【0029】
また、本実施の形態において、静電潜像担持体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は、記録材28に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
【0030】
本実施の形態において、現像装置24としては、例えば図3(a)(b)に示す態様のものが用いられる。
同図(a)において、現像装置24は、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像ロール32を配設し、前記現像ハウジング31のうち、現像ロール32に隣接した部位には二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部33と、現像ロール32に隣接し、現像剤収容部33に対して現像ロール32の現像剤搬送方向下流側に設けられる現像剤退避部34と、現像剤収容部33を介して現像ロール32に連通し且つトナーT及び現像剤退避部34から流出した二成分現像剤Gを収容するトナー収容部35とを形成したものである。尚、本実施の形態において、二成分現像剤Gは、トナーTと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーTは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと磁気特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
【0031】
また、本実施の形態において、現像ロール32は、図3及び図4に示すように、回転可能な回転スリーブ321と、この回転スリーブ321の内部に固定的に配設された磁極ロール322とを備えている。上記磁極ロール322は、例えば、ロール本体中心Oを通る水平面右側に合わせて搬送磁極(本例ではS2)を配設し、回転スリーブ321の回転方向(反時計回り)に対し、搬送磁極(S2)から下流側へ所定角度(例えば30°)間隔でトリミング磁極として作用する搬送磁極(本例ではN2)と、現像磁極(本例ではS1)とを配設する一方、搬送磁極(S2)から上流側へ所定角度(例えば30°)間隔でピックアップ磁極(本例ではN1)と、搬送磁極(本例ではS3)と、搬送磁極(本例ではN3)とを配置したものである。尚、本実施の形態において、現像磁極(S1)は、静電潜像担持体21に対向し、ピックアップ磁極(N1)は、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gを捕獲するようになっているが、夫々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。一方、回転スリーブ321は、反時計回りに回転すると共に、磁極ロール322の現像磁極(S1)が配設される現像部において、静電潜像担持体21と対向するようになっている。尚、図4中、符号25は現像ロール32の回転スリーブ321に現像バイアスVを印加する現像バイアス電源である。
【0032】
また、本実施の形態において、図4及び図6に示すように、現像剤収容部33は二成分現像剤Gが収容されるスペースを有し、現像剤収容部33内のうち現像ロール32に接触又は近接した部位に現像剤撹拌部材36が回転自在に配設されている。
本実施の形態において、現像剤撹拌部材36としては、現像剤を撹拌するパドル等を始め適宜選定して差し支えない。この場合において、現像剤撹拌部材36を磁性体で構成するようにすれば、現像ロール32からの磁気力により磁化され、現像剤Gの搬送性が向上する一方、現像剤撹拌部材36を導電性とし、必要に応じて帯電バイアス電源46を接続するようにすれば、搬送する現像剤Gの帯電性をより向上させることができる。
【0033】
ここで、トナーの帯電性をより良好に保つという観点からすれば、現像剤撹拌部材36として弾性撹拌ロールを使用することが好ましい。この弾性撹拌ロールとしては、現像ロール32との対向部で当該現像ロール32の回転方向と逆方向(反時計回り方向)に回転するようになっており、例えば図6に示すように、SUM材等の磁性体からなる金属製芯金361の表面をウレタン発泡樹脂等の発泡部材からなる弾性被覆材362で被覆した構成を備えている。そして、本態様では、金属製芯金361の表面は現像ロール32の表面に対し所定のギャップg1(例えば2mm以下)を有して配置されている。更に、前記弾性被覆材362には導電性のカーボンブラック等の導電性フィラーを含浸させてもよく、金属製芯金361には必要に応じて帯電バイアス電源46を接続するようにしてもよい。このとき、帯電バイアスとしては現像ロール32への現像バイアスVと同極性であればよく、また、現像バイアス電源25を共用するようにしてもよい。
更に、現像剤収容部33の底部形状は、現像ロール32及び現像剤撹拌部材36に沿った湾曲形状をしており、現像ロール32、現像剤撹拌部材36との間に所定間隔の現像剤搬送路を確保している。
【0034】
また、本実施の形態において、トナー収容部35には、収容されるトナーT及び現像剤退避部34から流出する二成分現像剤Gが撹拌搬送せしめられるアジテータ351を有しており、このアジテータ351は、例えば回転体に弾性フィルムを付けたもので、トナー収容部35の底壁面に沿ってトナーT及び現像剤退避部34から流出する二成分現像剤Gを掃き出すようにしたものである。
そして、このトナー収容部35の底部形状は、アジテータ351の移動回転軌跡に沿う湾曲状を有しており、現像剤収容部33とトナー収容部35との間の連結部には、トナー補給路37が設けられている。
特に、本実施の形態では、トナー補給路37のトナー収容部35側開口下縁は前記アジテータ351の回転中心位置より僅かに高く設定されており、アジテータ351にて掻き上げられたトナーT又は現像剤Gが過剰にトナー補給路37に供給されないようになっている。
【0035】
また、本実施の形態において、現像剤退避部34は、現像剤収容部33との間が隔てられる仕切り部39を備えている。この仕切り部39は、例えば図3(a)(b)に示すように、現像ロール32と同程度の幅で形成されたベースプレート39aを有し、このベースプレート39aは、現像ロール32側が上方で、その反対側が下方となるように斜め下方に向かって傾斜配置されている。該ベースプレート39aの傾斜部長さは傾斜部上を流れる現像剤Gが現像剤収容部33に流れ込むような値に設定されている。そして、ベースプレート39aのうち、現像ロール32側に位置する先端部39bは、現像ロール32内の搬送磁極(N2)の直上、あるいは搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向上流側(時計回り方向側)の位置において、現像ロール32の表面と数百μm〜数mmの位置で対向している。
一方、先端部39bの反対側である他端部39cは、前述したトナー補給路37の上側壁面を形成するような形状となっている。尚、ベースプレート39aの傾斜角度は任意に設定して差し支えない。
【0036】
また、本実施の形態において、仕切り部39の先端部39bと現像ロール32との間、及び、トナー補給路37について、現像剤退避部34と現像剤収容部33とを連通している迂回路40が形成されている。そして、この迂回路40のうち、トナー補給路37の上方部位にはトナー収容部35に連通する連通口45が形成されている。
上記迂回路40は、例えば、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gが先端部39b側から現像剤退避部34に流入し、この流入した二成分現像剤Gが他端部39c側からトナー補給路37を介し、現像剤収容部33に流出する経路になっている。このとき、他端部39c側から流出する二成分現像剤Gは全てがトナー補給路37を介し現像剤収容部33に流出するのではなく、過剰分は前記連通口45を介してトナー収容部35へ流出するようになっている。
ここで、現像剤退避部34から現像剤収容部33又はトナー収容部35に流出する現像剤量比については適宜選定されるが、本例では、現像剤収容部33に流出する現像剤量がトナー収容部35に流出する現像剤量よりも多く配分されるようになっており、現像剤収容部33に流出する現像剤がトナー収容部35からのトナーの取り込みを促進するように働く。
【0037】
更に、本実施の形態では、現像ロール32内の搬送磁極(N2)から現像剤搬送方向下流側(反時計回り方向側)の位置において、搬送磁極(N2)と現像磁極(S1)との間には、現像ロール32と対向するようにせき止め部41が配設されている。このせき止め部41は、現像ロール32と同程度の幅を有し、一端を現像ハウジング31により支持され、先端部を数十mm〜数百μm程度の間隙で現像ロール32に近接させている。尚、本実施の形態では、せき止め部41に多くの二成分現像剤Gを供給するために、前記仕切り部39の先端部39bと現像ロール32との間隙は、せき止め部41と現像ロール32との間隙よりも広く設定されている。
また、本実施の形態では、せき止め部41は、現像ロール32により担持搬送される二成分現像剤Gの層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、層厚規制機能とは別にしてもよい。この場合、例えば、せき止め部41と現像磁極(S1)との間に層厚規制部材42を設ける態様が挙げられる。
【0038】
更に、本実施の形態において、現像剤退避部34内には補助搬送部材48が配設されている。
この補助搬送部材48は、図3及び図4に示すように、迂回路40のうち、トナー補給路37及び連通口45に至る直前に配設されている。この種の補助搬送部材48としては、図5(a)に示すように、例えばアルミニウム製のパドル芯体481の周囲に複数のパドル羽材482を所定間隔毎に径方向に突出配置した態様や、図5(b)に示すように、SUS304等のバネ材からなるワイヤ芯材483に対しクランクアーム484を径方向に突出形成した態様が挙げられ、これらの補助搬送部材48は現像剤Gをトナー補給路37側又は連通口45側に流出させるように反時計回り方向に回転する。
そして、この補助搬送部材48は仕切り部39に対し例えば0.5mm〜1.0mmの間隔を置いて非接触配置されており、現像剤退避部34内の現像剤Gにストレスを与えることなく、現像剤Gを搬送するようになっている。
【0039】
更に、現像ロール32、補助搬送部材48及びアジテータ351並びに現像剤撹拌部材36の駆動系については適宜選定して差し支えないが、例えば図7に示すように、現像ロール32、補助搬送部材48及びアジテータ351は、第1の駆動モータ61及び第1の駆動伝達系(伝達ベルト、プーリ、ギアなど)62にて連動駆動されており、一方、現像剤撹拌部材36は、第2の駆動モータ63及び第2の駆動伝達系(伝達ベルト、プーリ、ギアなど)64にて駆動されている。
ここで、第1の駆動伝達系62は、図7及び図8に示すように、張架プーリ81〜83に伝達ベルト80を張架し、例えば張架プーリ83と同軸に現像ロール32を支承する一方、例えば張架プーリ82と同軸に駆動伝達ギア84を固定すると共に、この駆動伝達ギア84には所定の伝達ギア列85〜87を介してアジテータ351を駆動し、更に、伝達ギア87に噛合する伝達ギア88を介して前記補助搬送部材48を回転駆動するようになっている。
【0040】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、現像装置を中心に説明する。
図3(a)において、現像剤収容部33における二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36により撹拌され、現像ロール32内のピックアップ磁極(N1)によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤Gは、ピックアップ磁極(N1)及び搬送磁極(S2)の磁気吸引力と現像ロール32表面との摩擦力により、現像ロール32(回転スリーブ321)の回転方向に搬送される。この搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に到達すると、トリミング磁極として作用する搬送磁極(N2)により穂立ちを形成する。更に、この二成分現像剤Gの穂立ちは、せき止め部41にて規制されることにより、現像剤層として現像ロール32上に形成され、この現像剤層は、現像領域に搬送される。そして更に、現像領域に搬送された二成分現像剤Gの現像剤層は、現像磁極(S1)の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤GにおけるトナーTは、静電潜像担持体21と現像ロール32との間に形成される現像電界によって、静電潜像担持体21上の静電潜像を可視像化する。
【0041】
また、せき止め部41付近における二成分現像剤Gの挙動について説明する。まず、図9において、現像ロール32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤Gは、現像剤中のトナー量が少ないことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きくなっている。つまり、外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍まで確実に搬送される。このせき止め部41まで確実に搬送された二成分現像剤Gは、せき止め部41のせき止め力と搬送磁極(N2)の磁気拘束力によって、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤を押し出し、この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部39上に落下し、図10に示すように、現像剤退避部34を経て、その後、現像剤収容部33又はトナー収容部35へ流れ込む。
【0042】
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤Gが現像剤退避部34に導かれた場合、図10に示すように、現像剤収容部33内にはその分だけスペースが作られることになる。その結果、トナー収容部35から現像剤収容部33に至るまでのトナー補給路37にあった二成分現像剤Gは、現像剤撹拌部材36の搬送力と二成分現像剤Gの自重により、上記スペースに速やかに引き込まれ、トナー補給路37付近の二成分現像剤Gが流動する。
特に、本実施の形態では、現像剤退避部34内には補助搬送部材48が配設されているため、仕切り部39上の現像剤Gは補助搬送部材48にてトナー補給路37に向かって強制的に搬送される。ここで、トナー収容部35ではアジテータ351がトナーT及び現像剤Gを撹拌しながら搬送し、トナー補給路37を通じて現像剤収容部33へ流入せしめる。すると、トナー補給路37に流入されたトナーT等は現像剤退避部34から現像剤収容部33へと戻るトナー濃度の低い現像剤Gと共に現像剤収容部33へと強制的に搬送されることになる。これにより、トナー補給路37は、トナー収容部35からのトナーT及び高いトナー濃度の二成分現像剤Gを受け入れ、このトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gは、トナー補給路37を経て現像剤収容部33へと速やかに供給される。
また、現像剤退避部34の現像剤Gの一部は補助搬送部材48にて連通口45を通じてトナー収容部35へと流出される。すると、トナー収容部35に流出した現像剤Gはトナー収容部35のアジテータ351にて撹拌されるため、トナー収容部35にて予め帯電された後に、トナー補給路37を通じて現像剤収容部33へと供給される。
【0043】
このように、トナー補給路37を経てトナーTが現像剤収容部33に取り込まれると、現像剤収容部33内の現像剤Gは現像剤撹拌部材36にて適宜撹拌された後現像ロール32へと供給されることになり、現像ロール32に磁気的に担持された現像剤Gは層厚規制された後、現像領域に到達して現像に供される。
このとき、トナーTの消費が急激に行われたとしても、上述したように、トナー収容部35からのトナーT又は高濃度の現像剤Gがトナー補給路37を通じて現像剤収容部33に大量に補充されるが、このトナーT等は現像剤退避部34からの現像剤Gと共に補給されるため、低濃度の現像剤Gには早急にトナーTが補充され、かつ、充分に帯電される。このため、現像領域に到達する現像剤GのトナーTの帯電特性は良好に保たれ、かぶりのない高画質の画像を得ることができる。
一方、トナー収容部35内のトナー残量が多いと、アジテータ351によるトナーT(又は現像剤G)の吐き出しが過剰になるが、補助搬送部材48が現像剤Gをトナー補給路37側に強制的に搬送するため、トナー収容部35からのトナーT等が現像剤退避部34側に逆流することはなく、現像剤退避部34からの現像剤Gと共に現像剤収容部33へと確実に送り込まれる。
つまり、トナーTが過剰に消費され、現像剤退避部34に低トナー濃度の現像剤Gが退避された状況下で、トナー収容部35からトナーT又は現像剤Gが過剰に供給されたとしても、当該過剰に供給されたトナーT等が現像剤退避部34にてブロッキングを起こすことはない。このため、現像剤退避部34での現像剤Gの退避動作がスムーズに行われ、結果として、トナーTの取り込み動作(補給動作)を阻害するという懸念はなく、トナー濃度の低下現象は生じない。
【0044】
また、本実施の形態において、ジャム処理などでCRU(Customer Replaceable Unit)の脱着操作を行う場合には、現像装置24のトナー収容部35内のトナーT又は現像剤Gに偏りが生じ、トナー収容部35内のトナーT等が現像剤退避部34側に詰め込まれる事態を生じ得る。しかしながら、本実施の形態にあっては、CRU装着後に、現像装置24を作動させると、現像装置24内の補助搬送部材48が回転するため、現像剤退避部34に詰まっていた現像剤Gは連通口45を通じてトナー収容部35側に戻され、トナーT等の偏りは早急に解消される。
現に、CRUの脱着操作時に、現像装置24の現像ロール32側が鉛直下方位置にくるような姿勢に保った後に、CRUを装着した状況下であっても、現像剤退避部34において現像剤Gのブロッキングはなく、トナー濃度の低下現象の発生は見られない。
【0045】
一方、現像ロール32により担持搬送される二成分現像剤Gのトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤Gは、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さい。つまり、図11に示すように外部磁界(本例ではN2)から二成分現像剤Gが受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤Gの多くは、現像ロール32の回転方向に対して仕切り部39の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。この結果、この二成分現像剤Gは、せき止め部41近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、仕切り部39上に落下しない。このため、図12に示すように、この二成分現像剤Gは、仕切り部39上に落下することなく、現像ロール32の回転方向に対して仕切り部39の先端部39bより上流側の位置で落下し、直接現像剤収容部33へ戻る。このとき、前記トナー濃度が低い場合と異なり、現像剤収容部33内にスペースが作られず、トナー補給路37付近の二成分現像剤Gは流動しないので、二成分現像剤Gによりふさがれている状態となり、トナー収容部35からトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gが供給されない。
このように、本実施の形態に係るトナー補給メカニズムは、トナー濃度に応じた二成分現像剤Gの流動性変化、嵩変化に加えて磁気吸引力の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤Gに対してはトナー補給が行われない構成になっている。
【0046】
すなわち、本実施の形態では、低トナー濃度の時には、二成分現像剤Gは、現像剤退避部34へ一時的に誘導されることによって現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されることになり、その分、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gは、トナー収容部35内のトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤をすばやく取り込むことができ、高密度画像の連続出力に対応することができる。
更に、前述のようなメカニズムにより、現像ロール32上の飽和トナー濃度は二成分現像剤Gに働く磁気吸引力に依存するものであり、二成分現像剤Gの体積に依存しないので、経時で現像装置24内の磁性キャリアの量が減少しても該飽和トナー濃度は安定した値に保たれる。そして、トナー収容部35からトナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gを供給する場合、二成分現像剤Gが現像剤退避部34を経由するため、現像剤収容部33内の二成分現像剤Gの循環が非常に活発になり、トナーT及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤Gの取り込みが均一に行なわれる。また、二成分現像剤Gの嵩変化及び流動性が強調されること、磁性キャリアが現像剤収容部33及び現像剤退避部34からトナー収容部35へ流出しても構わない構成であることから、現像剤収容部33内の現像剤密度を高める必要がなく且つ現像剤Gの仕込み量も増やすことが可能である。このため、現像剤に対するストレスが軽減し、現像剤の長寿命化、低ランニングコストを実現することができる。
尚、仕切り部39上に落下し、現像剤退避部34へ導かれる二成分現像剤Gのトナー濃度の範囲は、実施例において詳述する。
【0047】
また、本実施の形態において、現像剤撹拌部材36として弾性撹拌ロールを使用した態様にあっては、以下のような挙動が起こり、トナーTの帯電性がより良好に行われる。
すなわち、低トナー濃度の現像剤G中にトナーTが補給されると、当該トナーTは磁性キャリアの表面部の周囲に静電的に付着し、磁性キャリア表面には第1層目トナーTが略隙間無く覆われ、更に、第2層目トナーTが弱く静電的に付着し、トナーTは弾性撹拌ロール36に沿って現像ロール32とのニップ域に搬送される。
この現像ロール32と弾性撹拌ロール36とのニップ域では、現像ロール32上の現像剤Gは弾性撹拌ロール36表面に接触し、弾性撹拌ロール36との接触部のトナーTは正規な極性(本例では負極性)に帯電するほか、前記ニップ域では現像剤Gに剪断力が作用するため、第1層目トナーTと他の現像剤粒子(キャリア)上のトナーTあるいは遊離トナーTとの入れ替わりが促進され、かつ、トナー−キャリア間で有効に摩擦帯電が行われる。このため、弾性撹拌ロール36と現像ロール32とのニップ域にて現像剤GのトナーTは正規に且つ十分に帯電されることになり、現像ロール32にて層厚規制域を経た後現像領域へと搬送される。この結果、現像ニップ域には逆極性トナーや帯電不良トナーの存在割合が少なくなり、かぶり等の少ない画像が得られる。
【0048】
特に、本態様においては、弾性撹拌ロール36は、現像ロール32に近接した部位に金属製芯金361を有しているため、この金属製芯金361が現像ロール32の磁極ロール322により磁化され、芯金361の周りに磁気的に吸引する力が作用する。この結果、弾性撹拌ロール36の回転と共に、弾性撹拌ロール36に磁気的に吸引された現像剤Gが搬送され、その分、現像剤Gの搬送性が向上するほか、ニップ域での現像剤Gの撹拌性がより確保される。
また、本態様では、弾性撹拌ロール36は、現像ロール32との対向部で現像ロール32の回転方向に対し逆方向に回転するように設定されているため、現像ロール32上の現像剤Gが剥離され、弾性撹拌ロール36にて搬送される現像剤Gを現像ロール32に供給することができる。よって、現像ロール32の現像領域でトナー濃度が低下した現像剤が現像剤収容部33の現像剤Gと入れ替わらずに再び現像領域に搬送される事態は有効に防止され、所謂現像ゴースト現象は効果的に低減される。
【0049】
◎実施の形態2
図13は本発明が適用された現像装置の実施の形態2を示す。
同図において、現像装置24の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、現像剤退避部34内には補助搬送部材48を配設しておらず、現像剤退避部34の連通口45に面した箇所に逆流規制板70を設けたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、逆流規制板70は、現像剤退避部34とトナー収容部35とを隔てるように現像ハウジング31の上壁部から鉛直下方に垂下されており、この逆流規制板70の下端位置はアジテータ351の水平姿勢位置に略対応して設定されている。一方、トナー補給路37のトナー収容部35端に位置する開口部下縁には前記アジテータ351の回転中心より若干上方に突出する補助規制板71が一体的に設けられ、この補助規制板71はトナー収容部35からトナー補給路37へのトナーT若しくは現像剤Gの供給量を所定量に規制するように働く。
そして、本実施の形態においては、逆流規制板70と前記補助規制板71との間がトナー補給路37の入口開口であると共に、連通口45として機能するようになっている。特に、本実施の形態では、逆流規制板70は、前記補助規制板71より現像ロール32側に偏位配置されている。
【0050】
従って、本実施の形態によれば、トナーTが急激に消費され、現像剤収容部33内のトナー濃度が低下してくると、現像ロール32にて搬送される現像剤Gはせき止め部41にてせき止められ、現像剤退避部34へと一時的に退避させられる。このとき、現像剤収容部33には現像剤Gの退避分だけスペースができるため、現像剤退避部34に退避された現像剤Gは仕切り部39の傾斜面に沿って移動していき、現像剤Gの多くはトナー補給路37を通じて現像剤収容部33へ搬送され、現像剤Gの一部は連通口45を通じてトナー収容部35へと搬送される。
一方、トナー収容部35ではアジテータ351が回動し、このアジテータ351よりトナー収容部35内のトナーT又は現像剤(高濃度現像剤)Gが掃き寄せられてトナー補給路37に供給される。
この状態において、トナー収容部35内のトナーTは現像剤退避部34からの現像剤Gの存在により予めある程度撹拌されており、しかも、トナー収容部35側からトナー補給路37に供給されるトナーT等は、現像剤退避部34側から搬送される現像剤Gの流れによって撹拌されながら移動し、現像剤収容部33へと供給される。このため、現像剤収容部33へ供給されるトナーTはトナー収容部35からトナー補給路37を経て現像剤収容部33に至る間に効果的に摩擦帯電されることになり、トナーTの帯電性は良好に保たれる。
【0051】
また、補助規制板71によりトナー補給路37へのトナー供給量はある程度規制されるが、トナーTの消費が多い場合には、トナー収容部35からトナーTがトナー補給路37の入口開口に過剰に供給される事態が起こり得る。このとき、逆流規制板70がトナー補給路37の入口開口に対し現像ロール32側に偏位配置されているため、逆流規制板70はトナー補給路37の入口開口に供給された現像剤Gが現像剤退避部34側に逆流するのをせき止め、トナー補給路37側へ案内する働きをする。このため、アジテータ351により掃き寄せられた現像剤Gが現像剤退避部34に溢れ出ることはなく、アジテータ351による掃き寄せ圧が現像剤退避部34内の現像剤Gに作用しない。よって、現像剤退避部34で現像剤Gがブロッキングする事態は有効に回避される。
【0052】
このようにして現像剤収容部33にトナーTが補給されると、現像剤収容部33内の現像剤Gは現像剤撹拌部材36により撹拌されながら現像ロール32へと受け渡され、現像ロール32にて磁気拘束されながら層厚規制された後、現像領域へ搬送され、現像に供される。
このとき、現像剤撹拌部材36として、例えば実施の形態1で示した弾性撹拌ロールを使用し、現像ロール32とのニップ域での現像剤撹拌を行うようにすれば、現像剤GのトナーTの帯電性がより良好に保たれる。
【0053】
一方、現像剤収容部33内の現像剤Gが高トナー濃度である場合には、せき止め部41でせき止められる余剰現像剤Gは現像剤退避部34に退避することなく、直ちに現像剤収容部33へと戻される。このため、現像剤収容部33内にスペースが形成されることはなく、トナー補給路37には現像剤Gが充填された状態であるから、現像剤収容部33からトナーT又は現像剤Gがトナー補給路37に供給されることはない。
【0054】
◎実施の形態3
図14は実施の形態3に係る現像装置を示す説明図である。
同図において、本実施の形態に係る現像装置は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、補助搬送部材48を配設することに加えて、現像ハウジング31の上壁には現像剤退避部34とトナー収容部35とを隔てる逆流規制板70を鉛直下方に垂下させたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここでは詳細な説明を省略する。
ここで、逆流規制板70は、その下端位置がアジテータ351の水平姿勢位置に略対応するように設けられており、トナー補給路37のトナー収容部35側側壁上端位置の略鉛直線上に配置されている。
従って、本実施の形態では、補助搬送部材48による現像剤Gの搬送補助、並びに、逆流規制板70による現像剤Gの逆流規制が行われるため、実施の形態1,2に比べて、トナーTの補給動作がより安定し、しかも、現像剤退避部34での現像剤Gのブロッキングは確実に防止される。
【0055】
【実施例】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1に係る現像装置(図3参照)を用いて、磁極ロール322の搬送磁極(N2又はS2)を変化させたとき、仕切り部39上に落下する二成分現像剤Gの流量とトナーTの濃度範囲の関係を測定したものである。本実施例において、現像装置24を除いた画像形成装置の条件は次の通りである(図2参照)。
・静電潜像担持体21:φ84の有機感光体を使用し、周速を65mm/s、画像部電位を−150V、非画像部電位を−650Vに設定した。
・帯電装置22:スコロトロンを使用し、スコロトロンワイヤを−4kV、グリット電圧を−650Vに設定した。
・露光装置23:600dpiの密度で書き込み可能なLEDアレイを使用した。
・転写装置26:φ12の転写ロール(金属ロール上に導電性ゴム層を形成したもの)を使用し、周速を65mm/s、転写バイアス電源27を1.2kVの直流に設定した。
・クリーニング装置29:弾性ゴムブレードを使用し、突き当て圧力を1.5g/mmに設定した。
・定着装置50:加熱ロール51としてφ25の弾性ロール(電源ヒータを装備)と、加圧ロール52としてφ25の金属ロールを使用し、周速を65mm/s、定着温度を180℃に設定した。
【0056】
また、本実施例における現像装置の条件は次の通りである(図3参照)。
・二成分現像剤G:磁性キャリアとしては、平均35μmの半導電性粒径を使用し、トナーTとしては、磁性体15重量%含有し、粒径が平均6.5μmの粒子を使用した。また、イニシャルの二成分現像剤仕込み量を100gとした。
・現像剤撹拌部材36:φ7の円柱状磁性体を使用し、周速を85mm/s(時計回り方向に回転)に設定した。
・仕切り部39:仕切り部39の先端部39bが搬送磁極(N2)より現像剤搬送方向上流の位置で現像ロール32表面と3mmの間隙になるように設定した。
・せき止め部41:搬送磁極(N2)より現像剤搬送方向下流側で現像ロール32表面と400μmの間隙になるように設定した。
・現像ロール32:現像剤搬送量を580g/m、静電潜像担持体21とのギャップを250μm、−500Vの直流成分に1.3kVpp、周波数3.5kHzの交流成分を重畳させた現像バイアス、周速を340mm/sに設定した。
・回転スリーブ321:φ18の金属スリーブを使用し、表面の十点平均表面粗さRz=7μmに設定した。
・磁極ロール322:現像磁極(S1)を120mT、搬送磁極(S3)を60mT、ピックアップ磁極(N1)を80mT、搬送磁極(N3)を80mTに夫々設定し、搬送磁極(S2)と搬送磁極(N2)とを変化させた。
【0057】
上記の条件で、搬送磁極(N2)を40mTに固定し、搬送磁極(S2)を変化(0〜30mT)させたところ、図15に示すような測定結果が得られた。
同図によれば、搬送磁極(S2)の磁力を強くすると、高いトナー濃度の現像剤Gでも仕切り部39上に落下し、現像剤退避部34へ導かれることが理解される。つまり、仕切り部39上に落下する現像剤流量がゼロになるときのトナー濃度を高濃度に設定するためには、搬送磁極(S2)の磁力を強く設定すればよいことが分かる。
一方、搬送磁極(S2)を30mTに固定し、搬送磁極(N2)を変化(20〜40mT)させたところ、図16に示すような測定結果が得られた。
同図によれば、搬送磁極(N2)の磁力を強くすると、高いトナー濃度の現像剤Gでも仕切り部39上に落下することが理解される。つまり、仕切り部39上に落下する現像剤流量がゼロになるときのトナー濃度を高濃度に設定するためには、搬送磁極(N2)の磁力を強く設定すればよいことが分かる。以上の測定結果より、せき止め部41近傍の磁極(本実施例ではN2)に限らず、搬送磁極(N2)よりも現像ロール32の現像剤搬送方向上流側における磁極(本実施例ではS2)の強さを設定することにより、仕切り部39上に落下するトナー濃度の範囲を制御できることが理解される。
【0058】
◎実施例2
本実施例は、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置(現像装置A)を比較例とし、この比較例と実施の形態1に係る現像装置24(現像装置B)を具現化したものとを用いて高密度画像出力追従テストを行い、このときの画像濃度変化について測定したものである。尚、現像装置を除いた画像形成装置は、実施例1で使用したものを共通に使用した(図2参照)。また、絵出しチャートは、100%ベタ画像とした。
まず、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置(現像装置A)について説明する(図17参照)。上記現像装置Aは、静電潜像担持体21に向かって開口する現像ハウジング610を有し、この現像ハウジング610の開口に面して現像ロール620を配設し、現像ハウジング610の開口上縁には現像ロール620上の二成分現像剤Gの層厚が規制せしめられる規制部材630を設け、前記現像ハウジング610のうち、現像ロール620に隣接した部位には、二成分現像剤Gが収容される現像剤収容部640と、この現像剤収容部640を介して前記現像ロール620に連通し且つトナーTが収容されるトナー収容部650とを形成したものである。
【0059】
また、上記現像ロール620は、回転可能なスリーブ621と、このスリーブ621の内部に固定的に配設された磁極ロール622とを備えている。そして、磁極ロール622にはロール本体の周囲に所定角度間隔で4極の磁極(現像磁極(S1)、搬送磁極(S2)、搬送磁極(N1)、搬送磁極(N2))が配設されており、トナーT及び磁性キャリアが含まれる二成分現像剤Gが現像ロール620の外周に磁気的に付着するようになっている。更に、トナー収容部650には収容トナーTが撹拌搬送せしめられる撹拌部材(アジテータ)651を有している。
この現像装置Aにおいて、現像によりトナー消費されると現像剤収容部640内の二成分現像剤Gの占める体積が減少するため、現像剤収容部640内に空隙ができる。この空隙にトナー収容部650内のトナーTが撹拌部材651の回転により補給され、トナー濃度制御が行われている。
【0060】
次に、現像装置Aの条件を以下に示す。
・二成分現像剤G:磁性キャリアとしては、平均35μmの半導電性粒径を使用し、トナーTとしては、磁性体15重量%含有し、粒径が平均6.5μmの粒子を使用した。また、イニシャルの二成分現像剤仕込み量を40gとした。
・現像ロール620:現像剤搬送量を580g/m、静電潜像担持体21とのギャップを250μm、−500Vの直流成分に1.3kVpp、周波数3.5kHzの交流成分を重畳させた現像バイアス、周速を85mm/sに設定した。
・スリーブ621:φ18の金属スリーブを使用し、表面の十点平均表面粗さRz=7μmに設定した。
・磁極ロール622:現像磁極(S1)を120mT、搬送磁極(S2)を80mT、搬送磁極(N1)を80mT、搬送磁極(N2)を90mTに夫々設定した。
一方、現像装置Bについては、実施の形態1で使用した現像装置を具現化したものであるため、詳細については省略し、夫々の条件は、現像ロール32の周速を85mm/sに変更した以外は実施例1と同様にする(図4参照)。尚、現像装置A及びBで使用される二成分現像剤Gは、実施例1と同様のものを使用する。
【0061】
上記のような条件で、比較例に係る現像装置A及び実施例に係る現像装置Bを動作させることにより、図18に示すような測定結果が得られた。具体的には、100%黒ベタ画像を現像装置A及びBの夫々で10枚出力し、その画質について反射濃度計X−Rite404による濃度測定と目視により評価したものである。
同図によれば、現像装置Aの場合、出力枚数1枚目と10枚目との間において、Solid Area Density(ベタ画像濃度)が初期値の1.35から0.05ポイント程低下した。更に、出力枚数8枚目以降では、目視により白抜けが観測された(図中破線部分)。
一方、現像装置Bの場合、出力枚数10枚目まで初期値1.35を保っており、目視においても白抜け等の画質欠陥は見られなかった。
【0062】
次に、トナー濃度の初期値を5重量%に設定し、各現像装置A及びBのから回しを行なったときにおけるトナー濃度の復帰特性を測定したところ、図19(a)(b)に示す結果が得られた。同図によれば、現像装置Aの場合、トナー濃度が15重量%に復帰するまで約60s要したことが理解される。
一方、現像装置Bの場合、約10s程で15重量%まで復帰した(図19(b)参照)。以上の結果からトナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりも実施例の現像装置Bの方が、トナー取り込み性能が早いため、高密度画像の出力に対する追従性能が優れていることが理解される。
【0063】
◎実施例3
本実施例は、実施例2と同様の現像装置A及びBを用いて、ハーフトーン20%画像を5kPVプリントし、この時のトナー帯電量を測定したものである。
図20に示すように、現像装置A(比較例)では、初期設定値5kPVプリント後のトナー帯電量は略5μC/g以上落ち込んでいるのに対し、現像装置Bでは、トナー帯電量はほとんど落ち込まず、現像剤量の劣化の兆しは見られない。
よって、本実施例に係る現像装置Bは、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりもトナー取り込みが均一に行われ、現像剤に対するストレスも少ないことが理解される。
【0064】
◎実施例4
本実施例は、実施例2と同様の現像装置A及びBを用いて、白紙画像を10kPVプリントした時の地汚れレベルを評価したものである。この評価では地汚れレベル2.0以下がスペック許容範囲である。
図21に示すように、現像装置A(比較例)では、6kPVプリント時において地汚れレベル2.0を超えてしまう結果となった。一方、現像装置Bでは10kPVまで地汚れレベルは2.0以下であった。
よって、本実施例から、現像装置Bはトナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりも現像装置寿命が長いことが明らかとなった。
【0065】
◎実施例5
本実施例は、実施例2と同様の現像装置A及びBを用いて、イニシャルの現像剤仕込み量(現像装置A:40g、現像装置B:100g)をそれぞれ10%ずつ減らして、白紙画像を1kPV出力しそのときの地汚れレベルを評価したものである。また、両現像装置ともイニシャルのトナー濃度は通常量現像剤仕込み時の飽和値15%とした。
目視による評価の結果、現像装置A(比較例)では1kPV目の白紙画像では地汚れが顕著(地汚れレベル2.0以上)であったのに対し、現像装置Bでは1kPVまでの全ての白紙画像において地汚れは観測されなかった(地汚れレベル2.0未満)。
また、この時の現像ロール上における現像剤のトナー濃度変化を図22に示す。現像装置A(比較例)では、通常の現像剤量仕込み時の飽和トナー濃度が15%程度であるのに対して、20%以上の値で飽和しているのが分かる。一方、現像装置Bでは通常の現像剤量仕込み時の飽和トナー濃度と同じ15%で安定していることが分かる。
【0066】
ちなみに、現像剤仕込み量に対する飽和トナー濃度変動を図23にまとめた。
同図によれば、現像装置A(比較例)は現像剤仕込み量が減少すると飽和トナー濃度が発散する傾向が見られるのに対し、現像装置Bは15%付近を維持している。以上から、本実施例に関わる現像装置Bは現像剤仕込み量変動に対しても安定な飽和トナー濃度特性を示すことが明らかとなった。
したがって、経時による磁性キャリア量の減少に対しても、トナー濃度センサ及びトナー補給機構を具備しない従来公知の現像装置Aよりも、地汚れやトナー飛散を起しにくく、安定した飽和トナー濃度特性を示すことが理解される。
【0067】
◎実施例6
・実験方法
本実施例における現像装置B(図3参照)と比較例における現像装置C(現像装置Bの構成要素のうち、現像剤退避部34にトナー収容部35への連通口を備えていない態様)とを用いて、以下のような実験を行なった。
現像装置Bの条件を以下に示す。
・二成分現像剤G:トナーTとして磁性粉15%を含有した体積平均粒径6.5μmのものを使用した。磁性キャリアは体積平均粒径35μmの半導電性のものを使用した。現像装置Bへの仕込みは現像剤収容部33にトナー濃度が10重量%の現像剤を110g(一部はトナー収容部35に存在)、トナー収容部35に40gのトナーを収容した。
・現像ロール32:回転スリーブ321の径はφ18で表面粗さRz=7μmであり、周速は340mm/sとした。回転スリーブ321に内包される磁極ロール322のパターンは現像磁極(S1)を80mT、搬送磁極(S3)、搬送磁極(N3)を60mT、ピックアップ磁極(N1)を80mT、搬送磁極(S2)を30mT、トリミング磁極(N2)を40mTと各々設定した。
・現像剤撹拌部材36:φ7のパドル(非磁性)を用い、回転方向は時計周りで周速は170mm/sとした。
【0068】
また、現像装置Cの条件を以下に示す。
・二成分現像剤G:トナーTとして磁性粉15%を含有した粒径6.5μmのものを使用した。磁性キャリアは平均粒径35μmの半導電性のものを使用した。現像装置Cへの仕込みは現像剤収容部33にトナー濃度が10重量%の現像剤を70g、トナー収容部35に40gのトナーを収容した。
・現像ロール32:回転スリーブ321の径はφ18で表面粗さRz=7μmであり、周速は340mm/sとした。回転スリーブ321に内包される磁極ロール322のパターンは現像磁極(S1)を80mT、搬送磁極(S3)、搬送磁極(N3)を60mT、ピックアップ磁極(N1)を80mT、搬送磁極(S2)を30mT、トリミング磁極(N2)を40mTと各々設定した。
・現像剤撹拌部材36:φ7のパドル(非磁性)を用い、回転方向は時計周りで周速は170mm/sとした。
【0069】
以上の条件において現像装置B,Cを駆動させ、各駆動時間毎に現像ロール32上の現像剤を採取してトナーの帯電量をブローオフ法により測定した。
ここで、ブローオフ法の詳細であるが、先ず約16μmのメッシュを具備した金属ゲージに現像剤を約0.2g入れて重量を測る。その後、メッシュを通して窒素ガスによりゲージ内の現像剤をブローすることによりトナーはメッシュを通過し、キャリアはゲージ内に残ることでトナーとキャリアを分離する。また、ゲージ内のキャリアはトナーと逆極性で等価の電荷量Qを保持しているので、エレクトロメータにより電荷量Qを測定することができる。更に、トナー分離後のゲージ重量を測定前の重量から差し引くことでトナー量が明らかになる。以上から、単位重量当たりのトナー帯電量を求めている。
【0070】
以下に結果を示す。
トナーの帯電はキャリアとの接触による摩擦で施されるため、キャリアとの接触度合にしたがって帯電が高くなる。したがって、一般にトナー濃度が高くなる程、キャリアとの接触機会が減少し低い帯電量で飽和する傾向がある。
今、図24に注目すると、現像装置B、現像装置C共に駆動開始と共にトナー帯電量が落ちこんでいくことが分かる。これは図25に示すように、トナー濃度が上昇するのに伴うものである。
但し、現像装置Bについてはトナー濃度の上昇に応じて、徐々に帯電が下がり飽和傾向を示しているのに対し、現像装置Cでは駆動開始直後に一旦急激に帯電量が落ち込んでから、徐々に帯電飽和レベルまで回復する特性を示している。
現像装置Bではキャリア量が多くトナー収容部35側にもキャリアが存在し、超高濃度現像剤としてトナー収容部35から現像剤収容部33へ供給される。具体的には、トナーが現像剤収容部33へ供給されるときにはある程度帯電された状態となっており、仕切り部39からの現像剤流れに巻き込まれるように入り込んでいくため、キャリアとの撹拌も促進される。結果的に、現像ロール32上に到達した際には、その時のトナー濃度に対応した帯電飽和レベルに達しているので一時的な大幅帯電量減少は見られない。
【0071】
一方、現像装置Cについては、トナー収容部35にキャリアが存在しないために、現像剤収容部33に供給される際にはほぼ帯電量がゼロの状態で供給される。また、仕切り部39上の現像剤流れによって、空いたスペースにトナーが入り込み、そこから初めて帯電が開始されるため、現像ロール32上に到達するまでの帯電経路としては現像装置Bに比べて短い。すなわち、図24に示すように、現像装置Cが駆動し始めてから(トナー供給開始から)数秒間は、仕切り部39上の現像剤流れが激しいためにトナー供給スピードが速く、その時点でのトナー濃度に対する帯電飽和レベルに達しないうちに現像ロール32上に到達してしまう。その後、仕切り部39上の現像剤流れが緩やかになり、トナー供給量が落ち着いてくると、供給されてから現像ロール32上に到達するまでの時間が十分(キャリアとの接触が十分)となり、徐々にその時点でのトナー濃度に対応した帯電飽和レベルに近づいていく傾向を示している。
【0072】
以上から、現像装置Bの方が現像装置Cに比べてトナー帯電の立ち上がりについて有利であることが分かる。
【0073】
◎実施例7
本実施の形態における現像装置B(図3参照)と比較の形態における現像装置D(現像装置Bの構成要素のうち、補助搬送部材48を備えていない態様)とを用いて、以下のような条件下で、トナー濃度の経時変化について実験を行った。
現像装置Bの条件を以下に示す。
・二成分現像剤G:トナーTとして磁性粉30%を含有した体積平均粒径6.5μmのもの(比重1.55)を使用した。磁性キャリアは体積平均粒径35μmの半導電性のもの(比重5)を使用した。現像装置Bへの仕込みは現像剤収容部33にトナー濃度5重量%の現像剤を100g充填し、トナー収容部35に30gのトナーを収容した状態で、現像装置を空回し現像剤担持体32上の現像剤のトナー濃度を22.5重量%に飽和させている。
・現像ロール32:回転スリーブ321の径はφ18で表面粗さRz=7μmであり、周速は340mm/sとした。回転スリーブ321に内包される磁極ロール322のパターンは現像磁極(S1)を80mT、搬送磁極(S3)、搬送磁極(N3)を60mT、ピックアップ磁極(N1)を80mT、搬送磁極(S2)を30mT、トリミング磁極(N2)を40mTと各々設定した。
・現像剤撹拌部材36:φ7のパドル(非磁性)を用い、回転方向は時計周りで周速は170mm/sとした。
・補助搬送部材48:外径φ6mmのアルミニウム製十字型パドルで、現像ロール32の一回転に対し0.19回にて回転し、仕切り部39に対し0.5〜1.0mmの間隔を持たせて配置されている。
尚、現像装置Dは、補助搬送部材48を除いて現像装置Bと同様である。
【0074】
このような条件下において、実施例7(現像装置B)及び比較例(現像装置D)を用い、画像密度5%の画像のような画像を作成しながら連続プリントを行い、かつ、1000枚目、2000枚目のプリント時に夫々30gのトナーをトナー収容部35に補給すると共に、3000枚目のプリント時には60gのトナーを前記トナー収容部35に補給し、トナー濃度TCの経時変化を調べたところ、図26、図27に示す結果が得られた。
同図によれば、比較例の場合(図27参照)には、トナー補給量を増加させた後、トナー濃度TCの低下が見られた。このトナー濃度TCの低下要因を調べたところ、現像剤退避部34で現像剤がブロッキングしている現象が見られ、これにより、トナーの補給動作がスムーズに行われなかったものと推測される。
これに対し、実施例7の場合(図26参照)には、トナー補給量を増加させたとしても、現像剤退避部34での現像剤Gのブロッキングは全くなく、トナー濃度TCの低下は見られなかった。このように、本実施例によれば、トナー収容部35のトナー残量に依存せず、安定した画像濃度を維持することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤担持体によって搬送された二成分現像剤の一部を余剰現像剤としてせき止め、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に余剰現像剤を分離するようにしたため、低トナー濃度の時には、二成分現像剤は、現像剤退避部へ一時的に誘導されることによって現像剤収容部内の二成分現像剤の嵩変化及び流動性が強調されることになり、その分、現像剤収容部内の二成分現像剤は、トナー収容部内のトナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤をすばやく取り込むことができる。このため、トナーの取り込みスピードが格段に上がり高密度画像の連続出力に対応することができる。
更に、本発明においては、現像剤退避部がトナー補給路を介して現像剤収容部及びトナー収容部の両方に連通し、前記現像剤退避部へ分離された二成分現像剤を現像剤収容部及びトナー収容部の両方に流出させるようにしたので、トナーの帯電立ち上がり特性を向上させることができ、その分、トナーの帯電性を安定させることができる。
【0076】
特に本発明においては、現像剤退避部内に補助搬送部材を配設し、この補助搬送部材により、現像剤退避部に分離された二成分現像剤を現像剤収容部及びトナー収容部の両方に向けて強制的に流出させるようにしたので、トナー収容部からトナー又は現像剤が逆流したとしても、補助搬送部材の搬送補助力により、前記トナー又は現像剤の逆流を迅速に解消することが可能になり、その分、現像剤退避部での現像剤詰まりを有効に回避でき、トナーの補給性を良好に保つことができる。
また、本発明の他の態様においては、トナー収容部から現像剤退避部へ向かって逆流するトナー又は現像剤が規制せしめられる逆流規制部材を設けるようにしたので、トナー収容部内のトナー等が偏って現像剤退避部へ逆流しようとしても、前記逆流規制部材にて前記逆流現象を有効に抑制することが可能になり、その分、現像剤退避部での現像剤詰まりを有効に回避でき、トナーの補給性を良好に保つことができる。
【0077】
また、本発明においては、現像剤担持体上の飽和トナー濃度は二成分現像剤に働く磁気吸引力に依存するものであり、二成分現像剤の嵩に依存しないので、経時で現像装置内の磁性キャリアの量が減少しても該飽和トナー濃度は安定した値に保たれるほか、トナーの帯電性が安定することから、トナーの帯電不良に伴う地汚れ、トナー飛散を有効に抑制することができ、現像性能を良好に保つことができる。
更に、本発明においては、トナー収容部から現像剤収容部にトナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤を供給する場合、二成分現像剤が現像剤退避部を経由して戻されるため、現像剤収容部内の二成分現像剤の循環が非常に活発になり、その分、トナー及び非常に高いトナー濃度の二成分現像剤の取り込みが均一に行なわれる。
更にまた、二成分現像剤の嵩変化及び流動性が強調されること、磁性キャリアが現像剤収容部及び現像剤退避部からトナー収容部へ流出しても構わない構成であることから、現像剤収容部内の現像剤密度を高める必要がなく且つ現像剤の仕込み量も増やすことが可能である。このため、現像剤に対するストレスが軽減し、長寿命化、低ランニングコスト化を実現することができる。
【0078】
また、このような現像装置を用いた画像形成装置によれば、トナー濃度センサやトナー補給機構を必要としない小型で低コストの現像装置にて、現像性能を良好に保ちながら、大量のトナー消費にも迅速且つ確実に対応できるようにしたので、簡単な構成で、現像品質の良好な画像形成装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】 本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】 (a)は実施の形態1に係る現像装置を示す説明図、(b)は仕切り部及びその周辺部の拡大図である。
【図4】 実施の形態1で用いられる現像装置の要部拡大図である。
【図5】 (a)は実施の形態1で用いられる補助搬送部材の一例を示す正面説明図及びその左側面説明図、(b)は補助搬送部材の他の例を示す正面説明図及びその左側面説明図である。
【図6】 実施の形態1で用いられる現像剤撹拌部材を示す説明図である。
【図7】 実施の形態1で用いられる現像装置の駆動系を示す説明図である。
【図8】 図7中矢印VIII方向から見た矢視図である。
【図9】 実施の形態1において、低トナー濃度の二成分現像剤が搬送担持されたときの説明図である。
【図10】 実施の形態1において、低トナー濃度の二成分現像剤とトナーの流れを示す説明図である。
【図11】 実施の形態1において、高トナー濃度の二成分現像剤が搬送担持されたときの説明図である。
【図12】 実施の形態1において、高トナー濃度の二成分現像剤とトナーの流れを示す説明図である。
【図13】 実施の形態2に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図14】 実施の形態3に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図15】 実施例1で搬送磁極(N2)の強さを固定したときにおける現像剤流量とトナー濃度範囲との関係を示す説明図である。
【図16】 実施例1で搬送磁極(S2)の強さを固定したときにおける現像剤流量とトナー濃度範囲との関係を示す説明図である。
【図17】 比較例の現像装置Aを示す説明図である。
【図18】 実施例2における画像密度変化を示す説明図である。
【図19】 (a)は実施例2におけるトナー濃度復帰特性を示す説明図、(b)は(a)におけるトナー濃度復帰特性の詳細図である。
【図20】 実施例3におけるトナー帯電量変化を示す説明図である。
【図21】 実施例4における白紙画像地汚れレベルを示す説明図である。
【図22】 実施例5におけるトナー濃度変化を示す説明図である。
【図23】 実施例5における飽和トナー濃度変動を示す説明図である。
【図24】 実施例6におけるトナー帯電量変化を示す説明図である。
【図25】 実施例6におけるトナー濃度変化を示す説明図である。
【図26】 実施例7における現像ロール上の現像剤のトナー帯電分布を示すグラフ図である。
【図27】 比較例における現像ロール上の現像剤のトナー帯電分布を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…磁界発生手段,2…二成分現像剤,3…現像剤担持体,4…現像剤収容部,5…トナー収容部,5a…トナー供給部材,6…トナー補給路,7…現像剤退避部,8…迂回路,9…現像剤分離手段,10…磁極,10a…現像磁極,10b…搬送磁極,10c…ピックアップ磁極,10d…搬送磁極,11…せき止め部,12…仕切り部,13…連通口,14…撹拌部材,15…補助搬送部材,16…逆流規制部材,17…像担持体

Claims (12)

  1. 内部に複数の磁極が配列された磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、
    現像剤担持体の現像剤搬送方向が下から上に向かう側に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、
    現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ且つトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、
    現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられ且つトナー収容部側開口が現像剤収容部側開口より上方に位置してトナーが補給されるトナー補給路と、
    現像剤担持体に隣接し現像剤収容部の上方に設けられ、現像剤収容部内の現像剤を一時退避させ且つ退避された現像剤を現像剤収容部に流出させるように、現像剤収容部との間が現像剤担持体から離間する仕切り部にて隔てられると共に前記仕切り部の一部が前記トナー補給路を介して現像剤収容部に連通し且つトナー補給路のトナー収容部側開口を介してトナー収容部に連通する現像剤退避部と、
    現像剤担持体の周方向における位置関係が前記仕切り部よりも現像剤搬送方向側で前記仕切り部と現像剤担持体との間隙よりも狭い間隙をもって現像剤担持体に対向配置され且つ現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部余剰現像剤としてせき止められるせき止め部を有し、現像剤担持体の周方向における位置関係として前記せき止め部と前記仕切り部との間に前記磁界発生手段の磁極を配置すると共に、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に前記せき止め部でせき止められた余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、
    前記現像剤退避部内に配設され、前記現像剤退避部へ分離された二成分現像剤に対し搬送力を与えて現像剤収容部及びトナー収容部の両方に向けて前記二成分現像剤を強制的に流出させる補助搬送部材とを備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 内部に複数の磁極が配列された磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、
    現像剤担持体の現像剤搬送方向が下から上に向かう側に隣接して二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、
    現像剤収容部を介して現像剤担持体と連通して設けられ且つトナーを供給可能に収容するトナー収容部と、
    現像剤収容部とトナー収容部との間に設けられ且つトナー収容部側開口が現像剤収容部側開口より上方に位置してトナーが補給されるトナー補給路と、
    現像剤担持体に隣接し現像剤収容部の上方に設けられ、現像剤収容部内の現像剤を一時退避させ且つ退避された現像剤を現像剤収容部に流出させるように、現像剤収容部との間が現像剤担持体から離間する仕切り部にて隔てられると共に前記仕切り部の一部が前記トナー補給路を介して現像剤収容部に連通し且つトナー補給路のトナー収容部側開口を介してトナー収容部に連通する現像剤退避部と、
    現像剤担持体の周方向における位置関係が前記仕切り部よりも現像剤搬送方向側で前記仕切り部と現像剤担持体との間隙よりも狭い間隙をもって現像剤担持体に対向配置され且つ現像剤担持体により担持搬送される二成分現像剤の一部余剰現像剤としてせき止められるせき止め部を有し、現像剤担持体の周方向における位置関係として前記せき止め部と前記仕切り部との間に前記磁界発生手段の磁極を配置すると共に、磁性キャリアに対するトナー比率としてのトナー濃度に応じて現像剤収容部又は現像剤退避部に前記せき止め部でせき止められた余剰現像剤を分離する現像剤分離手段と、
    前記トナー補給路のうちトナー収容部側開口縁に設けられ、前記トナー収容部から現像剤退避部へ向かって逆流するトナー又は現像剤が規制せしめられる逆流規制部材とを備えたことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1記載の現像装置において、
    更に、トナー収容部から現像剤退避部へ向かって逆流するトナー又は現像剤が規制せしめられる逆流規制部材を設けたことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1ないし3いずれかに記載の現像装置において、
    トナー収容部はトナー収容部内のトナー又は現像剤を撹拌搬送するトナー撹拌部材を備えていることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1又は3記載の現像装置において、
    補助搬送部材は現像剤退避部内の現像剤に搬送作用が与えられる回転部材であることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1又は3記載の現像装置において
    補助搬送部材は仕切り部に対し非接触配置されることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項2又は3記載の現像装置において、
    逆流規制部材はトナー収容部への連通口に面して設けられることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項2又は3記載の現像装置において、
    逆流規制部材はトナー補給路のトナー収容部端位置よりも現像剤担持体側に偏位して設けられていることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項2又は3記載の現像装置において、
    逆流規制部材はトナー補給路へのトナー又は現像剤の過剰供給が規制される補助規制部材を備えていることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1ないし3いずれかに記載の現像装置において、
    現像剤退避部からトナー収容部へ流出した現像剤が再び現像剤収容部へ供給されることを特徴とする現像装置。
  11. 請求項1ないし3いずれかに記載の現像装置において、
    現像剤退避部から現像剤収容部へ流出する現像剤量が現像剤退避部からトナー収容部へ流出する現像剤量よりも多く配分されることを特徴とする現像装置。
  12. 請求項1ないし11いずれかに記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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