JP4042511B2 - ボールねじ装置の組立方法及び組立装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の機器の送り機構等に用いられるボールねじ装置の組立方法及び組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじ装置は、外周面に螺旋状のねじ溝を有して軸方向に延びるねじ軸に、内周面にねじ軸のねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝を有するナットが遊嵌されており、ナットのねじ溝とねじ軸のねじ溝とは互いに対向して両者の間に螺旋状の負荷通路を形成している。該負荷通路には転動体としての多数のボールが転動可能に装填されており、また、ナットには負荷通路を転動するボールを無限に循環させるための循環チューブ等の循環部品が組付けられている。そして、ねじ軸(又はナット)の回転により、ナット(又はねじ軸)がボールの転動を介して軸方向に移動するようになっている。
【0003】
ところで、このようなボールねじ装置を組み立てる方法として、例えば、軸線を水平配置したねじ軸にナットを遊嵌した状態でナットに形成したボール挿入孔からナット内部に所定数のボールを挿入して該ボールをナットとねじ軸間に形成される負荷通路に導入し、次いで、ボール挿入孔を所定数のボールを保持した循環チューブ等の循環部品によって塞ぐようにしたものが知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、この方法では、所定数のボールを保持した循環部品でボール挿入孔を塞ぐ作業を手作業で行なうので、循環部品からのボールの飛び出し等により所定数のボールがナット内に組み込まれない虞れがあり、作業効率の点で問題がある。
そこで、このような問題を解消する方法として、例えば次のようなボールねじ装置の組み立て方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0005】
この方法は、軸線を垂直に配置した仮軸に予め循環部品が組み付けられたナットを遊嵌し、仮軸の内部に穿孔したボール導入路のボール出口の位相をナットのねじ溝の一番高い位置に合わせてからボール導入路に所定数のボールを一度に通してナットのねじ溝と仮軸との間にボールを導入し、次いで、入りきれなかったボール導入路内のボールをボール押込み棒でナットのねじ溝と仮軸との間に押し込み、ボール挿入完了後、仮軸とねじ軸を係合させ仮軸の離脱と同時にナットとねじ軸の嵌合を行うようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特公昭62−22737号公報
【特許文献2】
実公平6−50108号公報
【特許文献3】
特許2530401号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に記載のボールねじ装置の組立方法においては、ナットのねじ溝と仮軸との間に入りきれなかったボール導入路内のボールをボール押込み棒で押し込むようにしているので、ナットのねじ溝が小リードになればなる程ボールのつまりが生じる虞れがあり、ボールをナット内にスムースに導入することが難しくなる。
【0008】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、所定数のボールをスムースにナット内に組み込むことができるボールねじ装置の組立方法及び組立装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るボールねじ装置の組立方法は、小径軸部と大径軸部との間にテーパ段部を有する仮軸に予め循環部品が組み付られたボールねじ装置のナットを遊嵌し、この状態で前記仮軸と前記ナットとの間に前記小径軸部側からボール挿入治具を嵌め込んで該ボール挿入治具のボール通路から挿入された所定数のボールを前記仮軸を回転させることにより前記ボール挿入治具と前記テーパ段部との間に形成されるガイド部を介して前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入し、次いで、該仮軸を前記ナット及び前記ボール挿入治具に対して相対的に前記小径軸部側に移動させて前記ガイド部に位置するボールを前記テーパ段部を乗り越えさせて前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入し、次いで、前記ナットにボールねじ装置のねじ軸を嵌合することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係るボールねじ装置の組立方法は、請求項1において、前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間にボールを導入する際に、該ナットを前記仮軸に対して偏心させたことを特徴とする。
請求項3に係るボールねじ装置の組立装置は、小径軸部と大径軸部との間にテーパ段部を有して予め循環部品が組み付けられたボールねじ装置のナットが遊嵌される仮軸と、該仮軸を回転させる駆動手段と、前記仮軸と前記ナットとの間に前記小径軸部側から嵌め込まれ、所定数のボールが挿入されるボール通路を有すると共に、前記ボール通路から出たボールを前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入するためのガイド部を前記テーパ段部との間に形成するガイド面を有するボール挿入治具と、該仮軸を前記ナット及び前記ボール挿入治具に対して相対的に前記小径軸部側に移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係るボールねじ装置の組立装置は、請求項3において、前記ボール通路から出たボールが該ボールより先行して前記ナットのねじ溝に導入されたボールと干渉することを防ぐボールストッパーを前記ボール挿入治具の前記ボール通路のボール出口側に前記循環部品の出口部と前記ガイド部との間を仕切るように設けるとともに、前記ボール通路から出たボールを前記テーパ段部と前記ガイド面との間の前記ガイド部に導く突起を前記ボールストッパーの先端部に設けたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4において、前記テーパ段部を有する仮軸の外周面に、弾性体を塗布、埋設、焼きばめ又は接着したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例であるボールねじ装置の組立装置を説明するための平面図、図2は図1の正面図、図3(a)はボール挿入治具を説明するための図、図3(b)は図3(a)の右側から見た図、図3(c)は図3(a)の上側から見た図、図4はボールねじ装置の組立装置の要部を説明するための説明図で、ナット及びボール挿入治具を横方向から見た図の説明的断面図、図5(a)はナット及びボール挿入治具を上側から見た図の説明的断面図、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図、図6(a)はボールねじ装置の組立装置の作動を説明するための説明図で、ナット及びボール挿入治具を横方向から見た図の説明的断面図、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図、図7はフローティング機構を説明するための説明図、図8は本発明の他の実施の形態を説明するための図である。
【0013】
このボールねじ装置の組立装置は、図1及び図2に示すように、予め循環チューブ(循環部品)25が組み付られたボールねじ装置のナット1が遊嵌される仮軸3と、ナット1をクランプして保持するフローティング機構70と、仮軸3の左端側を回転可能に支持する仮軸支持部9と、ナット1の左端側から仮軸3とナット1との間に嵌め込まれたボール挿入治具4と、ボール収納部から所定数のボール切出しを行なってボール挿入治具4にボールシュート10を介してボールを供給するボール分配供給フィーダ(図示せず)と、仮軸3の右端側に係合したボールねじ装置のねじ軸2の右端部を回転可能に支持するねじ軸右端支持部8と、仮軸3の左端部にカップリング34を介して連結されて仮軸3及びねじ軸2に回転力を付与する駆動モータ(駆動手段)11とを備えている。
【0014】
仮軸支持部9、フローティング機構70及びねじ軸右端支持部8はリニアガイド装置のスライダ32に取り付けられて軸方向に移動可能且つ位置決め可能に支持されている。なお、このリニアガイド装置の代わりにアリ溝若しくはVクランプ等を用いてもよいのは勿論である。
また、ボールシュート10の片側にはアクリル板等の透明な部材(図示せず)を使用しており、ボールの分配切出しによって所定数のボールが供給されているか、また、ボール導入時に引っかかりなどの不具合が起きていないかを確認できるようになっている。
【0015】
仮軸3は、図4に示すように、左端側に小径軸部3a、右端側に大径軸部3bが形成されて両軸の間にテーパ段部21を有している。大径軸部3bは円筒状とされて右端側開口からねじ軸2が内挿されており、該ねじ軸2は、大径軸部3b内に設けられた仮軸センター支持部材7によってセンター支持されている。また、大径軸部3bはボールをナット1のねじ溝22のBCD(ボールセンターダイアメータ)上に保持できる径とされている。
【0016】
ボール挿入治具4は、図3及び図4に示すように、円筒状をなして仮軸3の小径軸部3a側から仮軸3とナット1との間に嵌め込まれている。ボール挿入治具4には軸方向に貫通するボール通路26が形成されており、該ボール通路26にボールシュート10から所定数のボールが挿入される。
そして、駆動モータ11により仮軸3及びねじ軸2を回転(左端側から見て時計回り方向:図6(b)参照)させることで、ボール通路26に挿入されたボールはボール挿入治具4のガイド面20と仮軸3のテーパ段部21との間に形成されたガイド部20aを介してナット1のねじ溝22と仮軸3との間及び循環チューブ25内に導入する。
【0017】
ここで、ボール通路26のボール出口部23は、ボールが自重でガイド部20aを通ってナット1のねじ溝22まで流れやすいようにねじ溝22の周方向の上側に位置させている。
ボール挿入治具4のガイド面20にはボールをナット1のねじ溝22まで誘導するために斜度を持たせており、これにより、ボール通路26に挿入されたボールはガイド面20に沿い自重で落下しながら仮軸3のテーパ段部21に規制されナット1のねじ溝22に流れ込む。
【0018】
ボール挿入治具4のボール出口部23には、図3及び図5に示すように、循環チューブ25の出口側とガイド部20aとの間を仕切るボールストッパー27が設けられており、このボールストッパー27はボール導入動作中に先行したボールを循環チューブ25の出口部分で止めることで、ボール出口部23からねじ溝22に導入されるボールと先行するボールとの干渉を防ぐ役目を持っている。
【0019】
また、ボールストッパー27の先端部には、突起28が設けられている。この突起28は、ボール通路26から流れてくるボールの進行方向を変え、該ボールがナット1のねじ溝22の溝肩に直接接触することを防ぎながらガイド部20aに沿うように導く役割を持っている。勿論,この突起28のボール接点部分は円筒形状とした曲面でもよい。
【0020】
なお、ボールの導入を容易に行なう一例として、ボールストッパー27の先端にエア噴出口(図示しない)を取り付けることで、ボールがボール出口部23から押出された後、エアによりボールをガイド部20に沿って、ねじ溝22に流れ込みやすくすることも可能である。
また、ボールシュート10の途中にボールダンパーピン(図示しない)を設けてボールのスピードを減衰させるようにしてもよい。このようにすると、一度に多くのボールが挿入されるのを防ぐことができ、これにより、ボールの自重落下によるボール挿入治具4、ねじ溝22の溝肩、ボール同士に加わる衝撃を緩和して、傷付き等を防止することができる。
【0021】
フローティング機構70によるナット1のクランプには、図7に示すように、例えばボールプランジャー17a〜17eを用いる。ボールプランジャー17aがナット1の上端円弧部30をバネで斜め下方に押し下げることにより容易にナット1の保持が可能となる。勿論、ナット1の保持にはエアー等のクランプ機構を用いてもよい。
【0022】
また、フローティング機構70ではマイクロメータ18aを用い、仮軸3に対するナット1の偏芯量を微調整可能にしている。例えば1軸スライド19を用い、図6に示すように、ボールの導入の際に、仮軸3のセンターに対しナット1の中心を左側にバネ(図示しない)等で引張り、ナット1の軸心を仮軸3に対してずらすことでナット1と仮軸3の右側の溝隙間を狭める。このとき、仮軸3は時計方向に回転しているので、ボール挿入治具4から導入されたボールはねじ溝22へ強制的に押し込まれる。
【0023】
また、ボール上昇側の溝隙間が広がることによって、ボールの先走りを防ぎ連続的にボールを押し上げられる構造とする。これにより、循環チューブ25内のボールも連続的に押し上げる効果も期待できる。
即ち、ナット1と仮軸3を偏心させることによりボールを連続的に上昇させながら先走りを防ぎボールを連続封入可能となる。なお、隙間が広がり過ぎるとボールのかみ込み、循環路外へのはみ出しの原因となるので、マイクロメータ18aの反対側にもマイクロメータ18bを設置し、ナット1の偏心量を調整できるようにする。勿論、1軸スライドユニット19はリニアガイド装置等で構成してもよい。また、両マイクロメータ18a,18bのヘッドはシンブル部に回り止め機構を持つ方が望ましい。なお、図7において18a′はマイクロメータ18a側のストッパー、18b′はマイクロメータ18b側のストッパーである。
【0024】
ねじ軸右端支持部8は圧縮バネ(移動手段)15により左向きの力を与えられており、この左向きの力によって仮軸3の大径軸部3b内の仮軸センター支持部7とねじ軸右端支持部8の間にねじ軸2が保持されている。
仮軸支持部9には、位置決め用の例えばエアシリンダー12が設けられている。エアシリンダー12の移動範囲調節には、マイクロメーター13とストッパー14が用いられ、ボール挿入治具4のガイド面20に対して仮軸3のテーパ段部21の位置決めを微調整可能としている。このときの仮軸支持部9への左向きの力はねじ軸右端支持部8の圧縮バネ15のバネ力によるものであり、右向きの力はエアシリンダー12のエア圧により与えられる。
【0025】
ボールシュート10とボール挿入治具4が接している通路部の左端側には、押込み棒支持台6に支持されたボール押込み棒5が配置されている。この押込み棒支持台6には押し押込み棒5を出し入れする動力源として駆動シリンダーが取り付けられている。ボールシュート部10のボール確認センサー24でボールがないことを確認したら、ボール押込み棒5を前進させてボール挿入治具4のボール通路26内のボールを全て押し出し、押込み棒支持台6の駆動シリンダーのセンサーにより、該ボール通路26内にあるボールが全て押し出されたことを検知する。
【0026】
ボール押込み棒5はボール挿入治具4のボール通路26内のボールを押し出した状態で停止する。
これは、ナット1のねじ溝22内に導入されずにボール挿入治具4のガイド面20と仮軸3のテーパ段部21との間のガイド部20aに残ったボールを全てナット1のねじ溝22内に押し上げて収めるために、エアシリンダー12を後退させて圧縮バネ15のバネ力で仮軸3を例えば半ピッチ分だけ小径軸部3a側に移動させることで、ガイド部20aに残されたボールを全てテーパ段部21を乗り越えさせるが、このときにボール押込み棒5が押し出した状態で停止することで、ボール通路26のボール出口部に再びボールが戻ることを防ぐ蓋として機能させるためである。なお、ボール傷を考慮してボール押込み棒5の戻りのみエア圧を利用し、押し込み時にはバネ(図示せず)を用いても良い。
【0027】
また、ガイド部20aに残されたボールをテーパ段部21を乗り越えさせる際に、循環チューブ25のタング部とボール挿入治具4のボールストッパー27を干渉させないために、該ボールストッパー27の循環チューブ25の出口側を向く面はフラット面29とされている。
次に、上記ボールねじ装置の組立装置の作動を説明する。
【0028】
まず、ボールねじ装置のナット1の芯合わせのために(この実施の形態ではナットの外面にある切れ込みを利用した。)レールガイド31に合わせてフローティング機構70でナット1をクランプする。
次に、ナット位置決めエアシリンダー33を突き出し、フローティング機構70を左側にスライドさせてボール挿入治具4に対してナット1の位置決めを行なう。その後、ねじ軸右端保持部8を圧縮バネ15の付勢力に抗して右側に移動させてねじ軸右端保持部8と仮軸センター支持部7との間にねじ軸2をセンター支持で保持する。このとき、フローティング機構70のマイクロメータ18a,18b及びストッパー18a′,18b′で仮軸3に対するナット1の偏芯量が調整されている。
【0029】
次いで、ボール分配供給フィーダから切り出された所定数のボールをボールシュート10を介してボール挿入治具4に送り込む。ボール挿入治具4に送り込まれたボールは、ボール挿入治具4のボール通路26を通りボール出口部23より仮軸3のテーパ段部21とボール挿入治具4のガイド面20との間のガイド部20aに流れ込む。
【0030】
ここで、仮軸3は駆動モータ11により時計方向に回転駆動されているので、ガイド部20aに流れ込むボールはボール挿入治具4のガイド面20に沿い自重で落下しながら仮軸3のテーパ段部21に規制されてナット1のねじ溝22にスムースに導入される。
次に、ボールシュート部10のボール確認センサー24でボールがないことを確認したら、ボール押込み棒5を前進させてボール挿入治具4のボール通路26内のボールを全て押し出し、押込み棒支持台6の駆動シリンダーのセンサーにより、該ボール通路26内にあるボールが全て押し出されたことを検知する。ボール押込み棒5は、押込みが完了した状態で停止してボール出口部23の蓋として機能する。
【0031】
次に、エアシリンダー12を後退させて圧縮バネ15のバネ力で仮軸3を例えば半ピッチ分だけ小径軸部3a側に移動させ、ナット1のねじ溝22内に導入されずにボール挿入治具4のガイド面20と仮軸3のテーパ段部21との間のガイド部20aに残ったボールを全てテーパ段部21を乗り越えさせ、ナット1のねじ溝22内に押し上げて仮軸3とナット1のねじ溝22のBCD上にボールを保持する。
【0032】
その後、ナット位置決めシリンダー33を引き戻すと、フローティング機構70に取り付けてある引張りバネ16により、ナット1は仮軸3からねじ軸嵌合位置まで移動し、引張りバネ16により軽く引っ張り力を付与された状態で、駆動モータ11により仮軸3及びねじ軸2を半時計方向に回転させ、ナット1とねじ軸2のねじ溝位相を合わせることにより、ナット1とねじ軸3との嵌合を始めることが可能となる。
【0033】
なお、センサー等(図示せず)でナット1とねじ軸2の位相を合わせた状態で引張りバネ16で嵌合位置までナット1を移動させた後、駆動モータ11でねじ軸1を半時計方向に回転させてねじ軸2とナット1を嵌合させることもできる。また、クラッチ(図示せず)を用い、ねじ軸2とナット1の位相が合い、嵌合が始まったら、駆動モータ11から与えられる回転力を遮断して引張りバネ16による引っ張り力だけでナット1とねじ軸2を嵌合させることも可能である。
【0034】
ナット1とねじ軸2との嵌合が終了することで、ボールねじ装置が組み立てられる。そして、ねじ軸右端支持部8と共にボールねじ装置を圧縮バネ15の付勢力に抗して右側に移動させて該ボールねじ装置を組立装置から取り外し、これにより、ボールねじ装置の組立作業が完了する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0035】
例えば、上記実施の形態では、循環部品として循環チューブを例に採ったが、こま式のように循環回路毎に循環こまの位相が変わるものに対しても、上下に固定されているナットを回転可能にクランプすることでボール出口部23の位相を循環こまの一番高い位置に合わせることが可能となり、組立を行うことができる。
【0036】
また、ナット1、ボール挿入治具4、ボール押出し棒5を仮軸3に対して全て回転可能にすれば、仮軸3のオフセット時にテーパ段部21でボールをナット1のねじ溝22内に押し上げることなくボールの自重でボールをねじ溝22に転がり込ませることが可能となり、ボールにかかる負荷を軽減することができる。
更に、上記実施の形態では、仮軸3を水平配置してボールねじ装置を組み立てる場合を例に採ったが、この組立装置は全体の傾斜角を自由に設定しても組立を行うことができる。例えば、ボール挿入治具4がナット1よりも高位置にくるように装置全体に傾斜角を持たせてボール挿入部26に水平部を無くせば、ボールの自重で挿入を行えるのでボール押込み捧5が不要となり、部品点数を減らすことが可能となる。この場合、仮軸3のオフセット時のボール出口部23の蓋の役目として別にシャッター等を設けるとよい。
【0037】
更に、上記実施の形態では、ガイド部20aに残ったボールを全てテーパ段部21を乗り越えさせる際に、圧縮バネ15の反発力により仮軸3を左側にオフセットさせているが、これとは別に仮軸3を含む駆動ユニット部を固定にし、ボール挿入治具4をナット1と共にねじ軸2側に半ピッチ移動させるような構造を採用してもよい。
【0038】
この場合、ボール押出し棒5もボール挿入治具4と共に半ピッチ移動するようにしておく。仮軸3を含む駆動ユニット部が固定されることで、圧縮バネ15はねじ軸2を支持するだけとなり、装置全体の構造を単純化することができる。この方法は、上記に示す装置全体の傾斜角を自由に設定する構造にした際に、一緒に用いることで圧縮バネ15にかかる負担が無くなり、ボールのテーパ段部21の乗り越えをより軽い力で行うことが可能となる。
【0039】
更に、上記実施の形態では、仮軸3を駆動モータ11で回転させているが、ねじ軸2の右端側に駆動モータを設置して回転力を付与することでも同様のボール導入動作を行うことができる。また、ねじ軸2の右端部をセンター支持ではなく回転チャックを用いて回転力を付与してもよい。
更に、上記実施の形態では、仮軸3とねじ軸2を接合した状態で組立を行っているが、仮軸3を単独で支持、又はチャックした後にナット1内にボール導入を行い、導入後にナット1とねじ軸2とを嵌合させてもよい。また、各支持部の位置決めにシリンダではなくモーター等により多点位置決めを行えば、組立工程を自動化することも容易となる。
【0040】
更に、図8(a)に示すように、前記テーパ段部21を有する仮軸3の外周面全体に弾性体3cをコーティングするか、又は弾性体3cの一例としてウレタンゴム等を仮軸3の外周面全体に焼きばめ若しくは接着することで、仮軸3を回転させてボールを流入させる際に該ボールに摩擦力を付与して滑りにくいようにし、これにより、ナット1側へのボールの導入効率を向上させるようにしてもよい。なお、Oリング等の弾性シール部材を仮軸3の外周面に対して周方向或いは軸方向に埋設することによっても同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
更に、図8(b)に示すように、前記テーパ段部21を有する仮軸3の外周面に弾性体3cを螺旋状にコーティング或いは埋設することによっても効率よくボールをナット1に導入することができる。勿論、このときの弾性体のピッチ、リード各、突起量、幅、巻方向等は任意であってよい。また、同様に、仮軸センター支持部材7やねじ軸右端支持部8の仮軸センター支持部に弾性体をコーティング等してねじ軸2と仮軸3とのすべりを抑制することもできる。
【0042】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、循環部品をナットに組み付けた状態で所定数のボールをナット内にスムースに導入することができるので、作業効率の向上を図ることができる。また、ナットヘのボール導入時にナットを仮軸に対して偏心させることで、循環路内でのボールの先走りを防ぎつつボールの連続封入が可能となる。更に、記テーパ段部を有する仮軸の外周面に、弾性体を塗布、埋設、焼きばめ又は接着することで、ナットへのボールの導入効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるボールねじ装置の組立装置を説明するための平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】(a)はボール挿入治具を説明するための図、(b)は(a)の右側から見た図、(c)は(a)の上側から見た図である。
【図4】ボールねじ装置の組立装置の要部を説明するための説明図で、ナット及びボール挿入治具を横方向から見た図の説明的断面図である。
【図5】(a)はナット及びボール挿入治具を上側から見た図の説明的断面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図6】(a)はボールねじ装置の組立装置の作動を説明するための説明図で、ナット及びボール挿入治具を横方向から見た図の説明的断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】フローティング機構を説明するための説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を説明するための図であり、(a)は仮軸の外周面全体に弾性体を配置した状態を示す図、(b)は仮軸の外周面に弾性体を螺旋状に配置した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…ナット
2…ねじ軸
3…仮軸
3a…小径軸部
3b…大径軸部
3c…弾性体
4…ボール挿入治具
11…駆動モータ(駆動手段)
12…エアシリンダー(移動手段)
15…圧縮バネ(移動手段)
20a…ガイド部
21…テーパ段部
22…ナット側ねじ溝
23…ボール出口部
25…循環チューブ(循環部品)
26…ボール通路
27…ボールストッパー
28…突起
Claims (5)
- 小径軸部と大径軸部との間にテーパ段部を有する仮軸に予め循環部品が組み付られたボールねじ装置のナットを遊嵌し、この状態で前記仮軸と前記ナットとの間に前記小径軸部側からボール挿入治具を嵌め込んで該ボール挿入治具のボール通路から挿入された所定数のボールを前記仮軸を回転させることにより前記ボール挿入治具と前記テーパ段部との間に形成されるガイド部を介して前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入し、次いで、該仮軸を前記ナット及び前記ボール挿入治具に対して相対的に前記小径軸部側に移動させて前記ガイド部に位置するボールを前記テーパ段部を乗り越えさせて前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入し、次いで、前記ナットにボールねじ装置のねじ軸を嵌合することを特徴とするボールねじ装置の組立方法。
- 前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間にボールを導入する際に、該ナットを前記仮軸に対して偏心させたことを特徴とする請求項1記載のボールねじ装置の組立方法。
- 小径軸部と大径軸部との間にテーパ段部を有して予め循環部品が組み付けられたボールねじ装置のナットが遊嵌される仮軸と、該仮軸を回転させる駆動手段と、前記仮軸と前記ナットとの間に前記小径軸部側から嵌め込まれ、所定数のボールが挿入されるボール通路を有すると共に、前記ボール通路から出たボールを前記ナットのねじ溝と前記仮軸との間に導入するためのガイド部を前記テーパ段部との間に形成するガイド面を有するボール挿入治具と、該仮軸を前記ナット及び前記ボール挿入治具に対して相対的に前記小径軸部側に移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするボールねじ装置の組立装置。
- 前記ボール通路から出たボールが該ボールより先行して前記ナットのねじ溝に導入されたボールと干渉することを防ぐボールストッパーを前記ボール挿入治具の前記ボール通路のボール出口側に前記循環部品の出口部と前記ガイド部との間を仕切るように設けるとともに、前記ボール通路から出たボールを前記テーパ段部と前記ガイド面との間の前記ガイド部に導く突起を前記ボールストッパーの先端部に設けたことを特徴とする請求項3記載のボールねじ装置の組立装置。
- 前記テーパ段部を有する仮軸の外周面に、弾性体を塗布、埋設、焼きばめ又は接着したことを特徴とする請求項3又は4記載のボールねじ装置の組立装置。
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