JP4028563B2 - 局部加圧ピンの駆動制御方法 - Google Patents

局部加圧ピンの駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイカストマシンにおける加圧鋳造方法に係わり、特に加圧鋳造のための加圧ピンの駆動制御方法に関する。
通常、ダイカストマシンの如き加圧鋳造においては、溶湯が金型内キャビティに充填されて凝固する際、体積収縮し、このとき鋳造品内部に引け巣が生じ、鋳造品としての強度及び気密性等に悪影響を及ぼす。特にダイカストマシンでは温度勾配が大きく、引け巣の発生が著しい。このような引け巣の発生を防止するべく従来よりダイカストマシンにおいては種々の方法が提案されており、なかでも溶湯をキャビティ内へ充填後同キャビティ内に突出する加圧ピンを用いて溶湯をスクイズして組織を均質化する方式が主流となっている。このような加圧ピンを用いる方法の例を図4乃至図12を用いて以下に説明する。
図4は加圧ピン制御方法が適用されるダイカストマシンの主要構成が示されている。同図において、1は金型であり、この金型1のキャビティ2内に、射出スリーブ3から溶湯4が注湯される。
金型1は可動型5と固定型6とから成っており、可動型5はダイカストマシンの可動盤51に取付けられ、一方固定型6は固定盤61に取付けられ、可動盤51を移動させることにより型締めおよび型開きを行なうようになっている。
射出スリーブ3は固定盤61に取付けられ、その先端開口部がゲート部7を介して金型1のキャビティ2内と連通しており、射出スリーブ3内に挿入された射出プランジャ8によって内部の溶湯4が射出される。射出プランジャ8は射出スリーブ3と同軸的に配置された射出シリンダ9によって駆動制御される。この射出シリンダ9には射出圧力検出センサ10が設けられている。
そして、金型1には可動型5と可動盤51との間に加圧ピン11と、この加圧ピン11を駆動するための加圧ピンシリンダ12とが内蔵されている。
加圧ピン11は可動型5に穿設されたピン孔13内に挿入され、その先端がキャビティ2内に突出可能となっており、加圧ピンシリンダ12と加圧ピン11とが同軸的に配置されている。
さらに、上記加圧ピン11のストロークを検出するためのストローク検出センサ14が設けられている。このストローク検出センサ14はアブソリュート式の変位検出器で、この実施例では差動変圧器を使用している。このアブソリュート式のストローク検出センサ14は原点位置をセンサ自体で決定するために、あるストロークにおける出力値は常に一定となるものである。この実施例では、ストローク検出センサ14を加圧ピンシリンダ12内に収納してある。
すなわち、図6に示すように、加圧ピンシリンダ12のシリンダヘッド15にコイル部16が固定され、ピストン17内部にコイル部16を覆うようにスリーブ状のコア18が内蔵されている。そして、ピストン17が動くと内蔵されたスリーブコア18も一緒に動くため、コイル部16とスリーブコア18の位置関係がずれて、ピストン17の位置に応じた電圧を出力するようになっている。このピストン17と加圧ピン11は一体に連結されているために、ピストン17の位置を検出することによって加圧ピン11のストロークを検出できる。
ストローク検出センサ14としてはアブソリュート式に限るものではなく、インクリメンタル式のものを用いても良いが、インクリメンタル式では原点位置の信号が必要で、スペース上、環境上の問題があり、アブソリュート式のものが好ましい。
そして、このストローク検出センサ14および上記射出圧力検出センサ10は制御手段であるコントローラ20の入力装置21に接続され、各出力信号が入力される。コントローラ20は、入力装置21の他に、中央処理装置(CPU)22、記憶装置(メモリ)23および出力装置24を備えている。
出力装置24は、アンプ25を通して直接上記加圧ピンシリンダ12を駆動制御するソレノイドバルブ26に接続されている。
また、27はダイカストマシンの各種制御を行なうための制御盤であり、加圧ピン11の最適ストロークSoの初期設定等の各種情報を入力するために、コントローラ20に接続されている。
加圧ピン11の制御は、図8(a)、(b)に示すように、射出圧力Pが設定圧力Poに達した時点、この線図では増圧切換時点で、後記する発進タイマ201を作動させる。そして所定の発進タイミング時間Toが経過してタイムアップした時点で、発進信号を出力してソレノイドバルブ26を切換え、加圧ピンシリンダ12を作動させて加圧ピン11を発進させてスクイズを行なうものである。
図7は上記コントローラ20による制御ブロック図を示している。
すなわち、ストローク検出センサ14によって加圧ピン11の実際のストロークSaを検出し、この検出ストロークSaをフィードバックして、記憶装置23内に記憶されている最適ストロークSoの許容範囲So±α内に入っているかどうかを比較し、この比較結果に基づいて発進タイミング時間修正手段200によって発進タイミング時間の設定値Toに記憶装置23に記憶されている微小時間単位ΔTを加減算して修正し次の工程に移る。
そして、修正した発進タイミング時間を発進タイマ201のタイムアップ時間とし、射出圧力Pが記憶装置23内に記憶されている所定の射出圧力Poに達すると発進タイマ201をセットし、修正された発進タイミング時間To経過後にソレノイドバルブ26に対して発進信号を送信する。さらに加圧ピンシリンダ12を駆動して加圧ピン11のストロークを検出して検出値をフィードバックし、順次射出工程を繰り返して加圧ピン11の射出ストロークSaが最適の射出ストロークSoの許容範囲So±αに入るように自動制御するものである。
以下に、この加圧ピンの駆動制御について図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、射出圧力Po、最適ストロークSo、最適ストロークSoの許容範囲±α、金型1のコードNo.発進タイマ201のタイムアップ時間である発進タイミング時間To、発進タイミング時間Toの修正単位となる微小時間単位ΔT、修正するデータとするショットの回数nをプリセットし(ステップ1)、射出動作をスタートする(ステップ2)。
そして、射出圧力センサ10によって検出された射出圧力Pがコントローラ20の入力装置21から入力され、射出圧力Pが記憶装置23にプリセットされた所定の圧力Poに達すると発進タイマ201がセットされる(ステップ3、4)。
次に、発進タイマ201がタイムアップしたかどうかを判断し(ステップ4)、タイムアップすると加圧ピン11を発進させる発進信号を出力装置24を通してソレノイドバルブ26に送る。これによりソレノイドバルブ26が切換って加圧ピンシリンダ12が駆動され、加圧ピン11が発進して金型1内の溶湯4のスクイズが開始される(ステップ5)。
スクイズされる溶湯4は凝固途中の段階であり、凝固が進むと加圧ピン11がそれ以上進まなくなって停止する。この停止時の加圧ピンストロークSaがストローク検出センサ14によって検出され、中央処理装置22において記憶装置23に記憶されている最適のストロークSoと比較し、検出されたストロークSaが最適ストロークSoの許容範囲So±α内にあるかどうかを判断する(ステップ7)。
そして、検出ストロークSaが許容範囲にあれば、最初に設定した発進タイミング時間Toを記憶装置23に記憶し(ステップ10)、次の射出工程をスタートする。
検出ストロークSaが許容範囲になければ、発進タイミング時間Toを修正して次の射出工程をスタートする。発進タイミング時間の修正はToに予め設定した微少時間単位ΔTを加算あるいは減算することにより行なう(ステップ9)。
すなわち、加圧ピン11のストロークSaが設定値Soの許容範囲So−αより小さい場合は、加圧ピン11が設定ストロークSoに到達する前に凝固が完了しているわけであるから、加圧ピン11を出すタイミングが早くなるように発進タイミング時間ToからΔTを減算する。
一方、加圧ピン11のストロークSaが設定値の許容範囲So+αより大きい場合には、スクイズをかけたい部分が凝固しないうちにスクイズをかけているわけであるから、発進タイミング時間が遅くなるようにToにΔTを加算する。
このように、設定ストロークはプリセット値Soにある許容範囲±αを与え、検出された加圧ピン11の実ストロークSaがその範囲に入るようにコントローラ20は常時フィードバックをかける。そして、表示手段202を設けることにより、デジタル表示等により検出ストロークSaを表示することもできる。このように検出ストロークを表示するようにしておけば、実際の製品との比較評価を容易に行なうことができる。
ここで、修正工程は1ショット毎に限らず、数ショット毎に行なうようにしてもよく、この例では、データとなるショット回数nを入力して、ステップ7のストローク判別工程とステップ9の発進タイミング時間修正工程との間にショット回数を判別する判別工程を設けてある(ステップ8)。例えば、nを1に設定しておくと、ショット毎に発進タイマ201の発進タイミング時間Toが修正され、nを複数例えば3に設定しておくと、3ショット毎に前2ショットのデータに基づいて発進タイミング時間Toが修正されることになる。
また、ある判定基準を設け、そのときの発進タイマ201の発進タイミング時間を予め記憶装置23上に記憶し、金型毎、または同じ金型でも鋳造条件毎にそのタイマの値を記憶しておくことにより、次回鋳造時の初期値としてその値を使用する。
なお、上記の例では射出シリンダ9の圧力を基準として加圧ピン11の発進タイミング時間を決定したが、他の油圧力、射出速度、射出ストローク、金型や押出しピン等のひずみ量等を発進タイミング決定の基準としてもよい。
上述した例では、加圧ピンシリンダ12内にストローク検出センサ14を備えているが、金型の内部に精密な検出器を設けねばならない。この点を別な装置を用いてストローク検出器の不要な方法が特開平8−132211号公報に示されている。この方式は、図4に示すように加圧ピンシリンダ12に供給される圧油の流量を所定の単位でカウントする流量カウンタ100を設けるものであって、この流量カウンタ100のカウンタ値を計測して加圧ピン11のストローク量を間接的に計測しようとするものである。
また、前記特開平8−132211号公報には加圧ピンの目標ストロークに対しその測定値との間の差が所定量を超えた場合、加圧ピンを駆動するタイミングを変化させたり、また圧油の圧力Pを変化させたりあるいは、圧油の流量Qを変化させる等の方法が開示されている。
図9は上述した各物理量T、P、Qを用いて加圧ピンシリンダを制御するときの制御ブロックを示し特にΔP、ΔQ、ΔTの補正量に係わる部分を鎖線部Zで示す。図10は、そのときの加圧ピンの動作の説明用タイムチャートであり、図11は凝固収縮に近似追従した加圧ピンの制御の様子を示すべく射出圧力Pが設定圧P1に達したときから時間T経過後加圧ピンの移動が開始され、所望のストロークエンドに達するまでのストローク波形Sを示す。以上説明した加圧ピンのストローク制御においてはストローク量に目標値との間に差がある場合、換言すれば、所定の範囲内にストローク位置が入らないときの修正は、図9のZ部に示す如く、単位補正量ΔT、ΔP、ΔQを予め設定しておいて、これらの値を単位量として目標ストロークとなるよう徐々に近づけるようにしており、単に1回のショット測定により偏差量が算出されたからといって、次回にその偏差量を全量与えても、目標値に収束するということにはならなかった。これはキャビティに充填された溶湯の凝固過程が複雑でありその温度低下プロセスと体積収縮のプロセスを正確に把握しきれていない状況で間接的な制御量であるT、Q、Pによって同プロセスを制御しようとすることからやむを得ないものである。
従って、図9に示すように、ΔT、ΔP、ΔQを与え漸近的に近づけるようにするのが実際的であった。しかし、このことは図12に示すように初期設定から目標ストローク値に達するまでに要するショット数を多く必要とする。(同図では10回以上の漸近動作を行って目標範囲へ達する例を示す。
特開平8−132211号公報
本発明の目的は、上述した漸近的方法によって試行的成形のための各ショットの結果が許容目標値またはその許容範囲に達するよう制御することにおいて、必要ショット数が多く要るという課題を解決するものである。
前記の課題を解決するため、本発明に係る加圧ピンの駆動制御方法は、
所望の鋳造品に対応して形成された一対の金型キャビティー内に溶湯を射出充填した後そのキャビティ内溶湯の冷却凝固過程に合わせて前記キャビティ内へ進退可能に設けた加圧ピンを加圧ピンシリンダにより押しこむよう駆動制御する方法において、
予め前記キャビティ内に充填された溶湯によって所望の鋳造品を成形するときの前記加圧ピンストローク量の目標範囲を設定する第1の段階と、
少なくとも射出圧力が予め定めた設定値に達してから加圧ピンの駆動を開始するまでの待ち時間T、前記加圧ピンシリンダへの供給流量Q、同加圧ピンシリンダへの供給圧力Pのいずれか1つに対応する前記加圧ピンの駆動に係わる制御量の値を特定する第2の段階と、
前記第2の段階により特定された制御量の値に基づいて1乃至複数回前記鋳造品の試行成形を遂行すると共にその成形毎の加圧ピンの実ストローク値を測定する第3の段階と、
前記第3の段階の測定により与えられる加圧ピンの実ストローク値が前記目標範囲内である場合は、前記第2の段階により特定された制御量の値を前記鋳造品に対する生産成形用の制御量の値として保持せしめる第4の段階と、
前記第3の段階により与えられる加圧ピンの実ストローク値が前記目標範囲外の一方の領域に属する場合、次回の新たな制御量の値による前記第3の段階の実ストローク値が目標範囲外の他方の領域となるように、当該次回の新たな制御量の値を、前記目標範囲、前記第2の段階で特定された制御量の値、ならびに許容最大制御量の値または許容最小制御量の値に基づいて特定する第5の段階と、
前記第5の段階で特定された次回の新たな制御量の値を用い、その実ストローク値が前記目標範囲外の他方の領域となるように前記第3の段階を実行する第6の段階と、
前記第6の段階により、その実ストローク値が前記目標範囲外の領域となった後、次の新たな制御量の値として前回の制御量の値とその前の制御量の値とから求まる中間の値を特定して前記第3の段階を実行する第7の段階と、
前記第7の段階の結果得られた実ストローク値が目標範囲内のときは当該特定された制御量の値を前記鋳造品に対する生産成形用の制御量の値として保持せしめ、また、得られた実ストローク値が目標範囲外の領域にあるときは前記第7の段階を繰り返す第8の段階を含むよう構成される。
その場合、前記第7の段階におけるさらに次の新たな制御量としての中間の値の特定は、前回の制御量及びその前の制御量の値に基づく各実ストローク値と目標値の差の値を算出しその差の比率により前回の制御量及びその前の制御量の各値にウエイトをかけて算出するステップを有するよう構成することができる。
本発明によれば、徐々に加圧ピンストロークの目標値または目標範囲となるよう制御量T、Q、Pのうち少なくとも1つを次第に目標値へ収束するように絞り込んでいくので、オペレータが、新規の鋳造品に対し加圧ピンストロークを設定する際の試行成形作業の回数を大幅に減らすと共に特別な熟練を必要とせず、確実に目標ストローク量または範囲に対応する制御量に到達させるようにすることができる。
以下、本発明の一実施例について図1乃至図3により説明する。
図1は、その各構成要素の説明については、図6と略同じであるので、相違点のみを以下に述べる。即ち、図6においては、加圧ピン11用のシリンダ12には、ストロークセンサ14が取り付けられているが図1では、ストロークセンサ14はなく、従って、入力装置21には、その代わりに流量カウンタ100の計数値が各ショット毎に入力されるようになっている。
図2は、本実施例のプロセスを説明するフローチャートであり、図3は各ショット毎の加圧ピンの実ストローク量の推移を説明するグラフである。
図2(a)は、制御量T、P、Qのうち流量Qを使用する場合であって、ステップST1において、加圧ピンのストローク量の目標値または許容範囲を設定する。次いでステップST2において、各制御量T、P、Qの許容最小値及び最大値を設定する。さらに所定射出圧力値すなわち、加圧ピンの駆動を開始させるときの条件としての射出圧力到達値を同様に設定する。なお、前記目標値または許容範囲は、本発明における目標範囲を意味する。
次いで、ステップST3において、制御量としてQを選択するか否かを定める。ステップST3でNOであれば、さらにステップST4において制御量Tを選択しているかを訊ねてくる。これによりNOのときはステップST5の制御量の処理ルーチンへ入る。またYESのときはステップST6のTルーチンへ入る。今、ここでは、制御量Qを選択しているのでP、Tの各ルーチンの詳細は略する。以下、一点鎖線にて囲まれたQルーチンに相当する部分を説明する。
ステップ7において制御量Qとして初期値Q1を設定する。今この初期値Q1は、制御バルブの仕様に対する流量即ち最大流量の50%に設定する。次いでステップST8において、インデックスiの値をi=1とする。次にステップST9において、試行成形開始指令の有無をチェックする。開始指令がなければST10で所定時間を待つ。開始指令があるときは、ステップST11において実際の試行成形用のショット動作が行われる(ここでは1ショットを実行する)。次にステップST12において、上記ショット動作中の流量計のカウント値により加圧ピンストローク量L(i)を算出する。ステップST13においてこのストローク量L(i)が目標範囲内か否かをチェックする。そしてステップST14において、目標、範囲に対応する制御量Q1をメモリへ保存する。
ここで、ステップST13でNOの場合は、ステップ15で初回のショットか否かを訊いてくる。ここで、初回ショットのときはステップST16でインデックスiをi=i+1に変え、ステップST18において目標値の許容範囲より大きいかまたは小さいかに対応して制御量Qの新たな値を算出する。
また、前記ステップST15において2ショット目以降のときは、ステップST17においてインデックスiをi=i+1とし、次いでステップST19において制御量Q(i+1)を前回、前々回に指令した制御量から新たに算出する。
このステップST18,ST19で算出した新たな制御量Q(i+1)は合流点Bを経由してステップST11でのショット動作を実行する。このような合流点AからB、そして合流点BからAへのループを数回繰り返すことにより、ストロークL(i)は目標範囲内へ達することとなる。上述した図2(a)のフローチャートにおいては、初回判定用のステップST15で2回目以降はステップ19を実行するようになっている。
即ち、このようにすることにより、最も効果的に目標範囲内へ漸近的に接近する場合として例示した。この例では、図3に示されるように、加圧ピンの実際のストローク量が目標範囲を外れている場合でも、各隣接するストローク量は、交互に目標範囲の反対側の領域にあることが前提となっていることに留意されるべきである。
この前提があるからステップST19における前回、前々回の制御量を用いることに意味があるわけである。
一方、加圧ピンの実際のストローク量は、初期設定の制御量の値、溶湯凝固過程に関わる他の物理量例えば、発進タイミング時間T、同タイミング時間Tの開始に関係する射出圧力P、溶湯の温度、粘度、キャビティの容積等と密接に関係しており、前記2回目以降において上記の実ストローク量が交互に目標範囲の反対側の領域にあることは必ずしも保障されるわけではない。
従って、そのような、例えば実ストローク量が連続して2回とも前記目標範囲外の一方の側の領域にあるような場合の対応プロセスを図2(b)に示す。
図2(b)は、図2(a)におけるステップST17の次に判定用のステップST17Aを設け、2回目以降の目標範囲外にある実ストローク量が連続して同じ目標範囲外の領域に属するか否かを判定し、同じ側の領域のとき即ち、NOのときはステップST18へ、異なる領域のとき即ち、YESのときにのみステップST19での制御量の生成を遂行することを示す。この場合は図2(a)の場合に比べ漸近試行の回数は増大するが、制御量の特定についてノウハウ等の関わりをより少なくできる。なお、具体的に説明すると、図2(b)において、例えば、初期値の制御量の値に対応する初回の実ストロークの値が目標範囲の下側の領域にあり、ステップST18で許容最大制御量と前記初期値の制御量の値とに基づいて新たな制御量を特定し、この特定された制御量の値による2回目の実ストロークの値がやはり目標範囲の同じ下側の領域にある場合、ステップST17AでNOと判定され、再びステップST18において新たな制御量の値が生成される。その場合、前回と同様に許容最大制御量が利用される。他の制御量の値としては初期値の次に特定された前記制御量の値とすることができる。
図3は、具体例を示す。同図において、初期値Q1とし前述の如く50%を与える。この1ショット目の結果、加圧ピンのストロークL(1)は目標ストローク範囲に到達しなかったとする。1ショット目の結果から、2ショット目は流量を増加させる必要がある。その値としては、最大流量100%と前回の値50%との中間である75%を次の指令値制御量Q2として与える。そのときの2ショット目のストローク量L(2)が図示の如く目標範囲を超えた場合は、3ショット目では前回の75%と前々回の50%の中間の値である62.5%を次の指令値制御量Q3とする。この指令値Q3によってもストローク量L(3)が未だ許容範囲に到達しないので、次にはその前回と前々回の指令値62.5%及び75%の中間の値である68.75%が指令値制御量Q4として与えられ、そのときのストローク量L(4)が、やはり目標範囲を超えているので、更に次のショット用指令値としては65.625%の指令値制御量Q5が与えられる。同図では指令値制御量Q5のときの加圧ピンのストローク量が目標範囲内に入っており正常ストローク状態である。
以上本発明の一実施例について図1乃至図3により説明したが、この実施例に限られるものではなく、以下のような変形例も本発明の趣旨に含まれるべきである。即ち、上述の例では制御量として加圧ピンシリンダへの流量Qを例としたが、待ち時間Tや加圧ピンシリンダへの供給圧力Pを対象にしても良い。
また、図3に示した例では新たな制御量の値を中間値の算出として単に前回と前々回の値の加算平均としたが、前回の制御量及びその前の制御量の値に基づく各実ストローク値と目標値との差の値を算出しその差の比率を用いて前回の制御量及びその前の制御量の各値にウエイトをかけて算出することもできる。
具体的に述べると、前回の制御量X、前々回の制御量Yとしたとき、それぞれに対応する実ストローク量が60mm、90mmであり、目標値が65mmとしたとき前回の実ストローク量と目標値との差は5mm、前々回の差は25mmである。
そしてその差の比は1:5で、比率は1/6、5/6である。従って新たな制御量Zは、
Z=5/6・X+1/6・Y=(5X+Y)/6
とする。この場合、前記制御量X、Yのうち目標値に近い方に対応する制御量はXであり、ウエイトはXの方に5/6、Yの方に1/6をかけるようにする。このようにすることで、漸近の試行回数をより効果的に減少させることができる。ちなみに、単に前回と前々回の値の加算平均として新たな制御量Zを算出する場合、
Z=(X+Y)/2
である。
本願発明の方法を遂行するための装置の要部構成図である。 本願発明の方法を説明するフローチャートであって、(a)は試行成形の回数を比較的少なくした加圧ピンの実ストローク量が目標範囲に収束する例を示し、(b)は、実ストローク量が連続して目標範囲外の同じ領域になった場合の処理を示す部分フローチャートである。 図2(a)に示す本願発明の方法を遂行したとき、加圧ピンのストローク量が目標値の許容範囲内に収束していく様子を示す図である。 従来の加圧ピンのストローク制御装置の構成図である。 図4中の制御工程を説明するフローチャートである。 図4のシステムの位置センサ部の詳細図である。 図4のシステムの制御ブロック図である。 図4のシステムの動作を説明する波形図であって、それぞれ(a)は射出圧力の波形図、(b)は加圧ピストンストロークの波形図である。 制御量P、Q、Tの一定値増分ΔP、ΔQ、ΔTを与える従来方式の一実施例の制御ブロック図である。 図9に示す従来方式における1ショット中の充填後の時間経過に対する加圧ピンストロークの波形図である。 図9に示す従来方式における1ショット全体の射出圧力、射出速度及び加圧ピンストロークを示す図である。 図9に示す従来方式による加圧ピンの目標ストロークへの到達状況を示す図である。
符号の説明
1 金型
2 キャビティ
3 スリーブ
4 溶湯
10 射出圧力センサ
11 加圧ピン
12 加圧シリンダ
100 流量カウンタ

Claims (2)

  1. 所望の鋳造品に対応して形成された一対の金型キャビティ内に溶湯を射出充填した後そのキャビティ内溶湯の冷却凝固過程に合わせて前記キャビティ内へ進退可能に設けた加圧ピンを加圧ピンシリンダにより押しこむよう駆動制御する方法において、
    予め前記キャビティ内に充填された溶湯によって所望の鋳造品を成形するときの前記加圧ピンストローク量の目標範囲を設定する第1の段階と、
    少なくとも射出圧力が予め定めた設定値に達してから加圧ピンの駆動を開始するまでの待ち時間T、前記加圧ピンシリンダへの供給流量Q、同加圧ピンシリンダへの供給圧力Pのいずれか1つに対応する前記加圧ピンの駆動に係わる制御量の値を特定する第2の段階と、
    前記第2の段階により特定された制御量の値に基づいて1乃至複数回前記鋳造品の試行成形を遂行すると共にその成形毎の加圧ピンの実ストローク値を測定する第3の段階と、
    前記第3の段階の測定により与えられる加圧ピンの実ストローク値が前記目標範囲内である場合は、前記第2の段階により特定された制御量の値を前記鋳造品に対する生産成形用の制御量の値として保持せしめる第4の段階と、
    前記第3の段階により与えられる加圧ピンの実ストローク値が前記目標範囲外の一方の領域に属する場合、次回の新たな制御量の値による前記第3の段階の実ストローク値が目標範囲外の他方の領域となるように、当該次回の新たな制御量の値を、前記目標範囲、前記第2の段階で特定された制御量の値、ならびに許容最大制御量の値または許容最小制御量の値に基づいて特定する第5の段階と、
    前記第5の段階で特定された次回の新たな制御量の値を用い、その実ストローク値が前記目標範囲外の他方の領域となるように前記第3の段階を実行する第6の段階と、
    前記第6の段階により、その実ストローク値が前記目標範囲外の領域となった後、次の新たな制御量の値として前回の制御量の値とその前の制御量の値とから求まる中間の値を特定して前記第3の段階を実行する第7の段階と、
    前記第7の段階の結果得られた実ストローク値が目標範囲内のときは当該特定された制御量の値を前記鋳造品に対する生産成形用の制御量の値として保持せしめ、また、得られた実ストローク値が目標範囲外の領域にあるときは前記第7の段階を繰り返す第8の段階を含むことを特徴とする加圧ピンの駆動制御方法。
  2. 前記第7の段階におけるさらに次の新たな制御量としての中間の値の特定は、前回の制御量及びその前の制御量の値に基づく各実ストローク値と目標値の差の値を算出しその差の比率により前回の制御量及びその前の制御量の各値にウエイトをかけて算出するステップを有することを特徴とする請求項1記載の加圧ピンの駆動制御方法。
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